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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成11ワ21280特許権不侵害確認請求事件 平成12ワ7516特許権侵害差止請求事件 判例 特許
平成14ワ5107特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成12ワ12728特許権侵害差止請求事件 判例 特許
平成11ワ24433特許権損害賠償等請求事件 判例 特許
平成17ワ2649特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
関連ワード 物の発明 /  方法の発明 /  公然実施(29条1項2号) /  頒布された刊行物 /  アクセス /  進歩性(29条2項) /  容易に発明 /  技術的範囲 /  特許の有効性 /  技術常識 /  発明の詳細な説明 /  発明の利用 /  着想 /  警告 /  実施料相当額 /  抵触 /  権利の濫用(権利濫用) /  特許発明 /  実施 /  社会通念 /  交換 /  構成要件 /  業として /  侵害 /  損害額 /  販売数量(販売数) /  販売利益 /  実施料 /  不法行為(民法709条) /  混同 /  請求の範囲 /  変更 / 
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事件 平成 8年 (ワ) 4753号 損害賠償請求事件
原告 株式会社テレシステムズ
訴訟代理人弁護士 内田修
同 内田敏彦
被告 ジェトロニクス・オリベッティ株式会社
訴訟代理人弁護士 佐藤恒雄
同 鈴木修
訴訟復代理人弁護士 那須健人
同 深井俊至
同 小林邦聡
補佐人弁理士 田中英夫
裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 2001/11/27
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 被告は、原告に対し、金2170万7760円及びこれに対する平成13年9月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は3分し、その2を原告の、その余を被告の各負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。
事実及び理由
請求
被告は、原告に対し、金6902万円及びこれに対する平成13年9月1日(最終不法行為日の後)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
事案の概要
本件は、後記特許権を有する原告が、被告による別紙物件目録記載の各製品の製造販売等の行為は出願公告による仮保護の権利(平成6年法律第116号による改正前の特許法52条1項)及び同特許権を侵害するとして、被告に対し、民法709条、特許法102条3項に基づく損害賠償を内金請求した事案である。
(争いのない事実) 1 原告は、次の特許権(以下「本件特許権」といい、その特許を「本件特許」、その発明を「本件発明」、本件特許権に係る明細書を「本件明細書」という。)を有している。
(1) 特許番号 第1776216号 (2) 発明の名称 自動ボウリングスコア装置 (3) 出願日 平成元年7月26日(特願平1-193164号) (4) 出願公告日 平成4年10月15日(特公平4-64717号) (5) 登録日 平成5年7月28日 (6) 特許請求の範囲 各レーン毎に設けられたコンソールと、各コンソールに接続され、各コンソールとの間でデータ伝送を行うホストコンピュータと、投球後のピンの残留状態を検出する残留ピン検出手段と、を備え、前記コンソールは、前記残留ピン検出手段の検出結果からスコアを計数するスコア計数手段と、該スコア計数手段の計数結果を表示する表示器と、前記残留ピン検出手段(「検出結果」とあるのは誤記と認める。)の検出結果に応じて前記表示器に所定期間だけ別の遊戯を表示する遊戯表示手段と、該遊戯表示手段により表示された遊戯の遊戯結果をプレミアムデータとして自動的に投球者毎 に記憶するプレミアムデータ記憶手段と、
を備え、前記ホストコンピュータは、投球者に対するプレミアムサービスを提供するために前記プレミアムデータ記憶手段に記憶されている各コンソール毎のプレミアムデータを所定のタイミングに読み出して集計する手段を備えることを特徴とする、自動ボウリングスコア装置(下線部部分は原告の平成12年1月19日付け訂正請求に係る部分である。甲22)。
2 本件発明(訂正後のもの)の構成要件を分説すれば、次のとおりとなる。
A 各レーン毎に設けられたコンソールと、各コンソールに接続され、各コンソールとの間でデータ伝送を行うホストコンピュータと、投球後のピンの残留状態を検出する残留ピン検出手段と、を備え、
B 前記コンソールは、
@ 前記残留ピン検出手段の検出結果からスコアを計数するスコア計数手段と、
A 該スコア計数手段の計数結果を表示する表示器と、
B 前記残留ピン検出手段の検出結果に応じて前記表示器に所定期間だけ別の遊戯を表示する遊戯表示手段と、
C 該遊戯表示手段により表示された遊戯の遊戯結果をプレミアムデータとして自動的に投球者毎に記憶するプレミアムデータ記憶手段と、
を備え、
C 前記ホストコンピュータは、投球者に対するプレミアムサービスを提供するために前記プレミアムデータ記憶手段に記憶されている各コンソール毎のプレミアムデータを所定のタイミングに読み出して集計する手段を備える D ことを特徴とする、自動ボウリングスコア装置。
3 被告(変更前の商号「日本オリベッティ株式会社」)は、別紙物件目録1ないし3記載の各製品を業として製造販売していた(以下、それぞれ「イ号物件」、
「ロ号物件」、「ハ号物件」といい、一括して「被告製品」ともいう。なお、ハ号物件の構造については、争点1記載のとおり、争いがある。)。
4 被告製品は、後記争点1ないし4に関する部分以外の本件発明の構成要件をすべて充足する。
(争点) 1 ハ号物件における「ルーレットゲーム設定」機能の存否 (原告の主張) (1) ハ号物件も、イ号物件及びロ号物件と同様に、ルーレットゲームを標準装備している。ルーレットゲーム設定を行うか否かの選択はパラメータとして用意されており、パラメータの設定変更を行うことは、被告が顧客に交付した「AL-5000メンテナンスマニュアル《操作編》」(甲16の2)や「AL-5000パラメータ確認書」(甲18)により容易に可能である。パラメータから「ルーレットゲーム」の項目を消去することは簡単な操作により可能であるにもかかわらず、被告は、これを行っていないばかりか、ボウリングセンター側のホストコンピュータ操作者のアクセスを禁ずる措置も講じていない。
(2) 被告が顧客に交付した「AL5000システム操作手引書」(甲10)にもルーレットゲーム設定のための操作説明がある。仮に同書面が暫定版であり、被告主張(2)の正式版(乙26末尾添付のもの)と交換の上で回収されたとしても、ルーレットゲームの記載があったことは、顧客の興味を強く惹く内容であり、顧客の記憶から消え去ることはない。また、ハ号物件の「レーン情報管理」画面には極めて目立つ空白行が残されており、通常人であれば、何かのゲームが隠されていると認識することができる。
(3) 被告の主張(3)について、ルーレットゲームの設定変更は特殊な改変行為ではなく、通常のパラメータ変更であって顧客側における変更が可能である以上、
被告が個々の変更を許容するか否かは問題とならない。
(被告の主張) (1) 否認する。ハ号物件は、イ号物件及びロ号物件のような、「ルーレットゲーム設定」機能を実質的には有していない。「AL-5000メンテナンスマニュアル《操作編》」(甲16の2)は、顧客のパラメータの設定変更により、提供を本来予定していない機能まで利用できるようにしたというものではない。同書面にはルーレットゲームに関する記載もなく、技術的に素人である顧客にとって、ルーレットゲーム設定のパラメータの設定変更が可能であることを発見することは不可能である。被告の許容する以外のパラメータの設定変更を顧客が行うことについては、「AL5000・システム操作手引書」(甲21)上、システム・ストップになる可能性がある旨の警告がされているほか、顧客との保守サービス契約上もサポート対象外であって、その操作を失敗すれば、顧客にとって修理費の自己負担や営業上の損害を被ることになるから、このような危険のあるパラメータの設定変更を顧客が行うことはない。「AL-5000パラメータ確認書」(甲18)も、被告の技術者が個人的に作成した文書にすぎず、これを入手した顧客がいたとしても、
被告の意思に基づく交付ではない。
(2) 実際には存在しないルーレットゲーム設定機能が「AL5000システム操作手引書」(甲10)に記載されていたのは、同手引書が旧タイプの「AL3000」の操作手引書を利用して急遽作成された暫定版であったことから、削除すべき機能が削除漏れで残っていたためにすぎない。暫定版と交換の上で配布した正式版の「システム操作手引書」(乙26末尾添付のもの)には、ルーレットゲーム設定機能の記載はない。
(3) 仮に一部の特殊な顧客が被告の許容しないパラメータの設定変更を行ったことにより、当該AL-5000が本件特許権の技術的範囲抵触するようになったとしても、ハ号物件は、被告による製造販売時点ではルーレットゲームができないように設定されており、被告がパラメータの設定変更によりルーレットゲームが可能なことを宣伝したり顧客に告知したこともなく、前記(1)のとおり、納品後に顧客がルーレットゲームができるようにパラメータの設定を変更することは困難であり、これに対する抑止的効果もあるから、当該顧客のみが責任を負担すべきである。
2 構成要件BBの充足性 (原告の主張) (1) 本件発明の「別の遊戯」は、客の誘引を効果的になし得るための手段である以上、その開始時点で進行及びこれに応じた終了の態様が不確定なものでなければならないが、プレーヤーにとって不確定であれば十分であり、客観的な不確定性までは必要でない。被告製品において、「当たりルーレット映像」及び「はずれルーレット映像」は、残留ピン検出時点で、表示されるべき一連の静止画が最終画面まですべて確定してしまっており、その後の不確定要素により表示される静止画が変更されることはないとしても、プレーヤーは、ルーレット映像の開始時点から停止時点までの間の数秒間をプレミアムサービスへの期待と興奮の入り交じった結果待ちの心理状態で画面に釘付けとなり、その間、ボウリング競技とは別の遊戯体験を味わい、その結果に一喜一憂する(従来のラッキーフレームでは、プレーヤーが投球する前の所定のタイミングで表示器の画面に「ラッキーフレーム」の文字を表示しており(そこでストライクが出ればプレミアムサービスが受けられる。)、その表示内容に時間的変化がなく最初からラッキーフレームの表示がされるため、プレーヤーがラッキーフレームでのストライクであることを直ちに知ることになり、
結果待ちの心理状態は生じない点で、大きく異なる。)から、これらのルーレット映像は「別の遊戯」に該当し、上記構成要件を充足する。
(2) 本件発明の「別の遊戯」とは、上記(1)のとおり、客の誘引を効果的になし得るための手段であるから、その開始時点において結果の良否がプレーヤーにとって不確定であり、かつ、結果が良い場合にプレーヤーが喜びを感じ得るものであれば足り、被告の主張(2)のように、プレーヤーの投球以外の行為により結果を変化させることは必要ではない。被告製品においても、上記(1)のとおり、プレーヤーは、自分の投球したボールがストライクになったことによりルーレット映像の表示が開始され、この映像の最後に表示される内容が「当たり」であれば、プレミアムサービスを得られることを認識しつつルーレット映像を見ており、主体的な参加意識を十分に持っているのであって、被告の主張(2)のように「一連の静止画を黙って眺めるのみ」というものではないから、「別の遊戯」に該当し、上記構成要件を充足する。
(3) 被告の主張(3)の、プレーヤーの投球結果(残留ピン検出手段の検出結果)が定まれば、当然に表示器に表示されるゲーム(別の遊戯)も定まるという一対一の対応関係が本件発明にあることは認めるが、被告製品においても、プレーヤーの投球結果がストライクであったときに、表示器にルーレットゲームが表示されるのであるから、前記の一対一の対応関係があり、上記構成要件を充足する。被告が定まらないと主張するものは、ルーレットゲームという定まったゲームについての結果にすぎない。
(被告の主張) (1) 遊戯には「勝負ごと」の意味があり、また、本件発明が、開始後の不確定要素により進行及び終了の態様が変化する結果、プレーヤーがプレミアムサービスへの期待を込めた新たな興奮を得られるというものである以上、本件発明の「別の遊戯」とは、その開始時点で進行及びこれに応じた終了の態様が不確定なものでなければならない。被告製品においては、「当たりルーレット映像」、「はずれルーレット映像」のいずれも、残留ピン検出時点では、表示されるべき一連の静止画が最終画面まですべて確定してしまっており、その後の不確定要素により表示される静止画が変更されることはないから、「別の遊戯」には該当せず、上記構成要件を充足しない。「結果待ちの心理状態」(従来のラッキーフレーム表示でも、プレーヤーの投球前に「ラッキーフレームです」との表示がされ、この表示を認識した上で投球を行い、投球後のボールの行方を見守るプレーヤーの心理状態も、「結果待ちの心理状態」にほかならない。)があれば、すべて「遊戯」に該当するというに等しい原告の主張(1)は、本件明細書の記載に基づくとはいえない。
(2) 本件明細書の記載上、遊戯とは、単なる遊びではなく結果を競う勝負ごとに含まれる概念であるから、プレーヤーは投球以外の何らかの行為を行って遊戯に主体的に参加することを当然の前提としており、実際上も、投球以外の行為により結果が変化し得るからこそ、プレーヤーは本来の遊戯である投球の結果が判明した後であっても、プレミアムサービスへの期待を込めた新たな興奮を得ることができるのであるから、本件発明の「別の遊戯」とは、プレーヤーが投球以外の何らかの行為により主体的に参加できるものであって、これにより遊戯結果が左右される可能性があるものでなければならない。被告製品においては、プレーヤーは投球以外の行為を行わず、一連の静止画を黙って眺めるのみであって、何ら主体的に参加するものではなく、結果である静止画を変化させることもできないから、「別の遊戯」には該当せず、上記構成要件を充足しない。
(3) 仮にそうでないとしても、本件発明は、ボウリングゲーム結果と遊戯結果によるボウリング場等からのプレミアムサービスを各プレーヤーが期待できるようにして、客の誘引が極めて効果的にできるようにするものであるから、プレーヤーの投球結果(残留ピン検出手段の検出結果)が定まれば、当然に表示器に表示されるゲーム(別の遊戯)も定まるという一対一の対応関係が存在することが必須の要件である。被告製品においては、ボールがレーン上の所定の場所を通過したタイミングに応じて「当たりルーレット映像」又は「はずれルーレット映像」のいずれかが表示器に表示されるものであり、プレーヤーの投球結果がストライクであったとしても、それだけでは表示器の表示は定まらず、本件発明のような一対一の対応関係はないから、上記構成要件を充足しない。
3 構成要件BCの充足性 (原告の主張) (1) 本件発明は、方法の発明ではなく、物の発明であるから、被告の主張(1)のような処理手順によりその構成が限定されるものではなく、「別の遊戯結果」がいかなるものであったかをボウリング競技終了後に知ることができるデータでありさえすれば足り、それがいかなる処理手順により確定されたデータであるかは問わない。被告製品においても、「当たり」/「はずれ」データは、別の遊戯であるルーレットゲームの遊戯結果がいかなるものであったかをボウリング競技終了後に知ることができるデータであるから、上記構成要件を充足する。
(2) 本件発明の「プレミアムデータ」とは、ボウリング場がプレーヤーに対しプレミアムサービスを提供すべきか否かを判断するために利用可能なデータであれば足り、その記憶形態として、被告の主張(2)のように、ボウリングのスコアデータと分離されていなければならないという制限はない。被告製品における「当たり」/「はずれ」データは、ボウリング場がプレーヤーに対しプレミアムサービスを提供すべきか否かを判断するために利用可能なデータであるから、「プレミアムデータ」に該当し、上記構成要件を充足する。
(被告の主張) (1) 本件発明は、本件明細書の記載上、プレーヤーの投球後、@残留ピンの検出記憶、A別の遊戯の開始、B遊戯結果の検出記憶、C遊戯結果データの読み出し集計という処理手順をたどることを必須とする。被告製品においては、そもそも「別の遊戯」という処理要素が存在せず、その「遊戯結果」も存在しない(被告製品の「ルーレット映像」の「当たり」/「はずれ」は、ボウリングの遊戯結果である。)のみならず、コンピュータの記憶手段に記憶される「当たり」/「はずれ」データは、残留ピン検出後に開始された遊戯の過程で確定したものではなく、残留ピン検出段階で既に確定したものとしてコンピュータが記憶していたデータであり、遊戯結果の記憶という処理要素もないから、上記構成要件を充足しない。
(2) 本件発明の「プレミアムデータ」は、ボウリングのスコアが確定した後に表示されるボウリングとは無関係な別の遊戯の結果であって、時間的にも性質的にもボウリングのスコアデータと組み合わされたデータとして記憶されることはあり得ないから、「プレミアムデータ」とは、ボウリング場がプレーヤーに対しプレミアムサービスを提供すべきか否かを判断するためのデータであって通常のスコアデータとは別に付加された格別のデータを意味する。被告製品においては、「当たり」/「はずれ」データは、所定のタイミングのストライクであったか否かというものであり、ストライクを示すスコアデータそのものであるから、「プレミアムデータ」には該当せず、上記構成要件を充足しない。
4 構成要件Cの充足性 (原告の主張) (1) 本件発明における「プレミアムサービスを提供するために」は「集計する」に掛かる語句であって、「手段」に掛かるものではなく、被告の主張(1)の「プレミアムサービスを提供するため…の手段」を備えることは必要ではないから、被告製品は上記構成要件を充足する。本件発明は、ホストコンピュータにおいて、読み出したプレミアムデータを利用したプレミアムサービスを提供するための処理を行うことを前提とするものではなく、本件発明の「プレミアムサービスを提供するために」というのも、ボウリング場がプレーヤーに対しプレミアムサービスを提供する際の資料データとして利用し得るためにという意味であって、現実にプレミアムサービスを提供するか否かは問題ではない(被告の主張(1)の「レッドピンストライク」が、その判定を係員の目視に委ねていたため、不正が生ずることがあったのに対し、そのような人手を介さない本件発明は不正が生ずるおそれもない点でも両者は異なる。)。
(2) コンピュータ間のデータ伝送における「読み出し」や「書き込み」の用語は、データの伝送を、受け手側コンピュータを主体として「読み出し」と表現するか、送り手側コンピュータを主体として「書き込み」と表現するかという観点の相違があるにすぎず、受け手側と送り手側のいずれかがより積極的に当該データの伝送を欲したかにより両者を区別するわけではない。被告製品においても、対象データの伝送を行っている以上、「読み出し」が行われているから、上記構成要件を充足する。
(3) データの「集計」には、データの「読み出し」を予め完了しておくことが必要であり、「読み出し」と「集計」を同時のタイミングで行うことは不可能であるから、「所定のタイミング」というのは「読み出し」のみに掛かると解するほかなく、本件発明の「所定のタイミングに読み出して集計する」というのも、「読み出し」を所定のタイミングで行い、その後の適当なタイミングで「集計」すればよいという意味であるから、被告製品は上記構成要件を充足する。
(4) 一般に、集計とは、数値で表せるデータを取り集めて数値の合計をすることをいうから、本件発明の「集計」も、プレーヤー毎にプレミアムデータを取り集めて合計することをいう。被告製品においても、「当たり」データの個数をプレーヤー毎に数えるから、上記構成要件を充足する。被告の主張(4)について、本件発明では、新たなプレミアムサービスを追加するために利用可能なプレミアムデータを記憶しておけば、その目的は達成されており、記憶されたデータを利用して、新たなプレミアムサービスを現実に提供するか否かは、顧客側が決めることにすぎない。
(5) 被告の主張(5)の審決(甲9、22)における「集計」の定義は、明細書の記載不備という被告(無効審判請求人)の主張に対し、本件明細書記載の第5図Cを用いて説明された実施例には集計の一態様が記載されているという文脈で述べられたにすぎず、本件特許請求の範囲における「集計」の定義を述べたものではない。
(被告の主張) (1) 「レッドピンストライク」(ボウリングピン10本の中に混入された赤色ピンが1番ピンの位置にあるときにプレーヤーがストライクを取った場合に、ボウリング場から投球者にプレミアムを提供するサービス)のように、プレミアムサービスの提供自体は従来から行われていたにもかかわらず、本件発明が「プレミアムサービスを提供するため」という構成要件を設けたのは、本件発明において、ホストコンピュータが読み出したプレミアムデータを利用したプレミアムサービスを提供するための処理を行うことを前提とするからであって、装置としても「プレミアムサービスを提供するため…の手段」を備える必要がある。被告製品においては、
プレミアムデータを利用したプレミアムサービスを提供するための処理を行わないから、上記構成要件を充足しない。
(2) 本件発明の「読み出し」とは、ホストコンピュータがデータ記憶手段から目的のデータを積極的に取り出すことをいう。被告製品において、「当たり」データはホストコンピュータに自動的に伝送されるにすぎないから、上記構成要件を充足しない。
(3) 本件発明は、「所定のタイミングに読み出して集計する」ものであり、
「所定のタイミングに読み出して所定のタイミングに集計する」ものではないから、データの「読み出し」作業に引き続き「集計」作業を行うことが必要である。
被告製品において、「当たり」データの個数が数えられるのは、プレーヤーが全ゲームの終了を指示したタイミングによるのであって、「当たり」データがオフィスコンピュータに伝送された後に引き続く作業としての「集計」は行われていないから、上記構成要件を充足しない。原告の主張(3)について、「読み出し」は「集計」を当然の前提とし、「集計」に至る過程の一部を構成するものであるから、「読み出し」後の適当なタイミングを観念することは不自然である。
(4) 本件発明の目的が、スコアに応じてボウリングとは別の遊戯をプレーヤーに行わせ、その遊戯結果に応じてプレミアムサービスを提供することにあるから、
本件発明の「集計」とは、全ゲーム数から無料ゲーム数を差し引く料金計算など、
プレミアムデータを利用した処理を意味する。被告製品においては、プレーヤーが全ゲームを終了した場合に「当たり」データの個数をプレーヤー毎に数えるだけであり、「当たり」データを利用した処理を行うことはないから、上記構成要件を充足しない。
(5) 本件特許に関する無効審判請求に対する平成9年9月30日付け及び同12年8月18日付けの2回の審決(甲9、22)において、ホストコンピュータが無料とされたゲーム数のようなプレミアムデータを集めて合計する(集計する)態様は、本件特許の有効性を維持するために、その技術的範囲から除外された。被告製品においては、オフィスコンピュータ(ホストコンピュータ)が所定のタイミングに当たりデータ(プレミアムデータ)の個数を投球者毎に数えるものであるから、上記構成要件を充足しない。
5 権利の濫用(本件特許の明らかな無効理由) (被告の主張) 次の点で、本件特許には明白な無効理由がある。
(1) 本件明細書の特許請求の範囲には、「ホストコンピュータは、投球者に対するプレミアムサービスを提供するために前記プレミアムデータ記憶手段に記憶されている各コンソール毎のプレミアムデータを所定のタイミングに読み出して集計する手段を備える」と記載されているのに対し、発明の詳細な説明には、プレミアムデータである無料とされたゲーム数を集計する手段について何ら記載がなく、特許請求の範囲に記載された特許を受けようとする発明が、発明の詳細な説明に記載されていない(平成6年法律第116号による改正前の特許法36条4項違反)。
(2) 原告によれば、本件発明の進歩性は、@別の遊戯がボウリング場等からのプレミアムサービスの提供を期待させるゲームである点、A別の遊戯の結果が各レーンのコンソールで記憶され、かつLAN等により、各レーンからホストコンピュータに伝送される点、B別の遊戯がスコアと同一の表示器に表示される点にあるというが、スコア以外のデータ(レッドピンやラッキーフレーム)をボウリング場がプレミアムを提供するための要素として記憶伝送するシステムは、本件特許出願前から公然実施されていたほか、@は特開昭58-149782号公開特許公報(乙6)に、A及びBも本件特許出願前に日本国内において頒布された刊行物であるエーエムエフ株式会社作成の昭和60年9月発行「アキュシステム」(乙1)にそれぞれ開示されており、本件発明は、これらに記載された発明に基づき、当業者であれば、容易に発明することができた。
(原告の主張) 被告主張の無効理由はいずれも否認する。
6 原告の損害 (原告の主張) (1) 被告による1レーン当たりの販売価格(出荷価格)は、イ号物件及びロ号物件につき150万円、ハ号物件につき180万円である。
(2) 被告による販売数量は、イ号物件(平成4年10月15日から同6年8月までの間)及びロ号物件(平成4年10月15日から同7年12月までの間)につき、合計3104レーン、ハ号物件(平成7年10月から同13年8月までの間)につき、4283レーンを下らない。
(3) 各物件における本件発明の利用率ないし寄与度(一般的な実施料率を修正する要素としての製品の市場性(販売力)の増強度及び販売利益に対する寄与度の趣旨)は、いずれも20%を下らない。
(4) 各物件における本件発明の実施料相当額は、いずれもメーカー出荷価格の4%を下らない。
(5) 被告の主張(5)は否認する。
(被告の主張) (1) 認める。
(2) 認める。
(3) 否認する。イ号物件及びロ号物件について、本件発明は、全体の価格中10%を構成するソフトウェアのうち、五つの機能(@自動ボウリングスコア装置として作動するために必要な基本的部分、Aボウリング場の大会管理に関する部分、
Bボウリング場の会員管理に関する部分、Cボウリング場の売上管理に関する部分、Dボウリング場のマスター管理(運用・保守)に関する部分)中の一つである@のうちの付加的な機能であるゲーム機能にかかわるものであるから、その位置付けは極めて低く、かつ、ゲーム機能としても、ラッキーフレーム、パーフェクトチャレンジ、ルーレットゲームという三つのゲームのうちの一つにすぎず、本件発明に係るルーレットゲームの顧客吸引力も低かったのであるから、原告主張の利用率は過大である。ハ号物件に至っては、本件発明に係るルーレットゲームが実際には全く使用されていないのであるから、その利用率(寄与度)は0%である。
(4) 否認する。
(5) ハ号物件については、顧客がルーレットゲーム機能に着目してこれを購入したものではないから、原告に損害は発生していない。
判断
1 争点1(ハ号物件における「ルーレットゲーム設定」機能の存否)について 証拠(甲14の1、15の1)によれば、ハ号物件は、初期設定では「ルーレットゲーム」が利用不可の状態とされているものの、パラメータの設定変更により、
「ルーレットゲーム」設定の項目が《レーン情報管理》画面上に表示され、ルーレットゲームを行うことができる状態になることが認められるから、ハ号物件は「ルーレットゲーム設定」機能を少なくとも潜在的には有していることになる。もっとも、被告主張のように、当該パラメータの設定変更が、社会通念上、不可能又は著しく困難というのであれば、法的には「ルーレットゲーム設定」機能を有していないと解する余地もないわけではないから、以下、この点について検討する。
(1) 証拠(乙26、27のほか後掲各書証)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
ア 被告は、平成7年9月にハ号物件の納入を開始したものの、そのシステム操作手引書の作成が間に合わなかったことから、従前製造販売していたボウリングスコア装置であるAL3000用システム操作手引書を基礎とした「AL5000システム操作手引書」(甲10)を暫定版として急遽作成し、これを被告内部と顧客にそれぞれ配布した。この暫定版の配布は平成9年6月23日まで続けられた。同書面にはルーレットゲームの設定方法がわかりやすく記載されていたほか、
パラメータの更新やパラメータのファイル一覧の方法も記載されていた。パラメータの更新は、その登録や削除の場合と異なり、顧客側による処理が全面的に禁止されたものではなく(甲21)、少なくとも営業時間や曜日別の料金については顧客側で日常的に設定変更することが予定されていた。また、パラメータファイル一覧の方法により全件を出力すれば、すべてのパラメータの設定状況をプリントアウトすることができ、これによれば、ルーレットゲームの種別が「005」、内訳が「05」であること、当該ボウリング場において利用可能と設定されたゲームが(1)欄「000001」と、利用不可と設定されたゲームが同欄「000000」と設定されていることが容易に判明し得るものであった(甲14の2、15の3、16の3)。
イ 被告は、平成9年7月ころになってようやく、暫定版であった「AL5000システム操作手引書」(甲10)を正式版(乙26末尾添付)のものと交換すべく、これを顧客に交付することとした(乙40)。正式版には、ルーレットゲームの設定に関する直接的記載は削除されていた。もっとも、暫定版を紛失したなどとして、これを被告に返還しない顧客もいた。
ウ また、被告においては、一般的なシステム操作手引書とは別に、被告サービススタッフの到着を待つことのできないほどの緊急事態が発生した場合に、顧客自らが対処できるための指導書として、「AL5000メンテナンスマニュアル《操作編》」(甲16の2)を作成配布していた。同書面には、例えば営業日付に関するパラメータの設定変更操作がわかりやすく記載されており、変更したパラメータは再起動しないと反映されない点についても、これを指摘の上、その具体的な作業手順が電源の「OFFdON」であることも記載されていた。
エ さらに、被告の技術者の中には、「AL5000パラメータ確認書」(甲18)を作成した者もおり、これを入手した顧客もいた。同書面には、AL5000における9種類のゲームのパラメータ(選択肢としては、いずれも無が「0」、有が「1」である。)が記載されているほか、当該ボウリング場において利用可能と設定されたゲームでは「1」に、利用不可と設定されたゲームでは「0」にそれぞれチェックが記載されていた。また、ルーレットゲームの種別が「5」、内訳も「5」であることも明記されていた。
(2) 前記認定の事実を総合すれば、AL5000の顧客、具体的には当該ボウリング場において営業時間や料金等のパラメータを日常的に操作する担当者にとって、前記各書面やこれに付随するであろう被告技術担当者の教示を手掛りとして、
ルーレットゲームを利用可能とするためのパラメータの設定変更(甲14の1、15の1)を行うことは、社会通念上、不可能又は著しく困難であるとはいえない。被告は、パラメータの設定変更に伴う顧客側のリスクを縷々主張するが、パラメータの誤った設定変更によるシステム・ストップというのも、前記のような操作担当者をその現実的な操作主体として念頭に置く限り、稀有な事態の発生を前提とする点で極めて抽象的なリスクを根拠とするにすぎないから、この点に関する被告の主張は採用することができない。したがって、ハ号物件は、法的評価においても「ルーレットゲーム設定」機能を有しているものというべきである。なお、被告は、当該パラメータの設定変更を行った顧客のみが責任を負うとも主張するが、仮に当該顧客が責任を負担することがあるとしても、自らの製造販売に係る製品でありながら、
「ルーレットゲーム設定」に関するパラメータ消去等の具体的な改変防止措置を何ら講じなかった被告の責任を免れさせる根拠となるものではないから、前記主張も採用することができない。
2 争点2(構成要件BBの充足性)について (1) 一般に「遊戯」とは「あそびたわむれること、あそび」のほかに、「勝負ごと」という意味もあり(乙24)、後者の意味における遊戯の中には、@結果の客観的不確定性とプレーヤーの主体的参加による結果の可変性を有する種類のものが存する一方、Aそうでない種類のものが存する(例えば、百人一首の絵札を用いる「坊主めくり」では、プレーヤーは、既に配列の決まった絵札の山から順に札をめくるだけであり、結果は客観的には確定しており、プレーヤーの技量により結果を変更することもできない。)ことも否定できない。本件発明の「別の遊戯」が被告主張のように後者の意味のうちの前記@に限られるか否かについては、本件明細書の特許請求の範囲欄の記載上、必ずしも明らかでなく、その他の記載をも考慮して「別の遊戯」の意義を検討する必要がある。
ア 本件発明の目的は、自動ボウリングスコア装置の普及を前提として、他のボウリング場との差別化を図るために、スコアに応じて別の遊戯に係る画像を表示画面に表示し、プレーヤーに別の遊戯を行わせてその結果を記憶し、この結果を用いて顧客に対する新たなサービスを追加するということにあり(別紙特許公報(甲2、以下「本件公報」という。)2欄15行〜3欄3行。なお、同箇所では「遊技」という文字が使用されているが、特に「遊戯」と区別する趣旨で使用されたものとは解されない。)、その効果も、本件発明によれば、ボウリングゲームにプレーヤー間のゲームを付加しただけではなくなり、ボウリングゲーム結果と遊戯結果によるボウリング場等からのプレミアムサービスを各プレーヤーが期待できるようになり(中略)、客の誘引が極めて効果的にできるようになる(本件公報8欄7行〜21行)というものである。本件発明のこのような目的効果に照らすと、
「遊戯」の重要な要素としては、結果の良否にとどまらず、プレーヤーが良い結果(勝つ)か、悪い結果(負ける)かという興奮状態(原告のいう「結果待ちの心理状態」もこの趣旨と解される。)をある程度の時間体験できるものでなければならない、つまり、その時間、プレーヤーは自分が勝つか負けるかが分からない状態にあるからこそ、結果の表示に向かう遊戯の進行がプレーヤーに本来のゲームとは別の新たな興奮を与えるものとなり、ボウリング場からすれば、客の誘引が極めて効果的にできることになるものと解される(これに対し、例えば、従来のラッキーフレーム表示のような開始と同時に結果が直ちに出るものは、結果待ちの心理状態がないから、本件発明の「遊戯」には該当しない。)。そうであるとすると、結果の不確定性は、プレーヤーにとっての主観的なもので足り、本件明細書記載の実施例のように、客観的なものである必然性はないことになる。
イ 次に、本件発明の「別の遊戯」は、プレーヤーの主体的な参加により結果が左右される可能性のあるものに限られるかという点について、本件明細書中には、プレーヤーにより別の遊戯が行われる旨の記載もないわけではない(本件公報2欄24行〜3欄1行、同欄28行〜30行)が、本件明細書の実施例では、ゲーム中にストライク処理が行われるたびに別の遊戯であるスロットマシンゲーム処理が行われ、絵柄の一致により1ゲームを無料とするサービスが行われる(本件公報7欄12行〜15行)ものを「別の遊戯」として挙げている。このスロットマシンゲームは、スロットの回転がコンピュータにより自動的に停止させられ、プレーヤーの主体的参加によって結果を左右し得る余地のないものではあるが、当該スロットの動きは、回転を始めてから停止するまでの間、ストライクを出したプレーヤーにとっては、結果がどうなるかが分からず、結果待ちの心理状態でスロットの回転を眺めることになり、プレーヤーに結果待ちの心理状態を与えるに十分なものであると考えられる。同実施例の内容に照らすと、プレーヤーによる主体的参加を前提とするかのような前記記載も、プレミアムサービスを享受しようとするプレーヤーの主体的な参加意識との関係において表現したにとどまるものとも解され、これを必須のものとするとは解されない。確かに、本件発明の実施例の変形例(実施例ではスロットが一定時間回転した後に自動的に停止する構成であるのに対し、この変形例ではプレーヤーのキー操作によりスロットを停止する構成とされている。本件公報7欄38行、39行)の場合であれば、プレーヤーは、運だけでなく、技量も楽しめ(少なくともプレーヤーの主体的な行為に結果をかからしめることができる。)、ゲームとしてのおもしろさがより増大することになると思われるが、停止ボタンがなく、いったんスタートさせた後を運まかせとするものであっても、プレーヤーは、それなりのゲームとして、スロットマシンゲームを楽しむことができるから、実施例記載のものの「遊戯」性を否定する理由とはならないというべきである。
ウ したがって、本件発明の「別の遊戯」は、その結果の不確定性を客観的なものに限定する必要はなく、プレーヤーにとっての主観的なものであれば足り、
プレーヤーの主体的参加による結果の可変性のあるものに限る必要もないから、この点に関する被告の主張は採用することができない。
(2)ア 被告製品において、その「ルーレット映像」は、別紙物件目録1ないし3各bB記載のとおり、回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ、最後に「当たり」の数字を指示して停止するまでの様子があたかも動画のごとく視認できる映像である「当たりルーレット映像」又は回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ最後に「はずれ」の数字を指示して停止するまでの様子があたかも動画のごとく視認できる映像である「はずれルーレット映像」というものであり、
ルーレットが回り始める最初はもちろん、ある程度スピードが低下していくまで、
同じような動きとして認識され、最後の画面が「当たり」、「はずれ」のいずれになるかは、表示器の画面を見ているプレーヤーにとっては直ちに判明せず、最終段階で初めて結果が分かるものである。したがって、被告製品において、「ルーレット映像」の表示が開始された時点で、最終的に表示される画像が「当たりルーレット映像」又は「はずれルーレット映像」のいずれかに客観的に確定されている(結果の客観的不確定性がない)としても、プレーヤーにとって、これを直ちに判別することができないから、結果の主観的不確定性はあるといえる。
イ 次に、被告製品における「ルーレット映像」が「当たりルーレット映像」又は「はずれルーレット映像」のいずれとなるかは、別紙物件目録1ないし3各bB記載のとおり、ストライクになったボールがレーン上の所定の場所を通過するタイミングによって決せられ、ルーレットが回り始めた後に、プレーヤーが主体的に参加して結果の変更をもたらすことはできないものではあるが、既に判示したとおり、本件発明の「別の遊戯」にプレーヤーの主体的な参加により遊戯結果が左右される可能性のあることは必要でないから、被告製品の「ルーレット映像」が本件発明の「別の遊戯」に該当することを妨げるものではない。
ウ なお、本件発明において、プレーヤーの投球結果(残留ピン検出手段の検出結果)が定まれば、当然に表示器に表示されるゲーム(別の遊戯)も定まるという一対一の対応関係が存在することが必要である(当事者間に争いがない。)ことを前提として、被告は、被告製品が、ボールのレーン上の所定の場所を通過したタイミングに応じて「当たりルーレット映像」又は「はずれルーレット映像」のいずれかが表示器に表示されるものであり、プレーヤーの投球結果がストライクであったとしても、それだけでは表示器の表示は定まらないとして、前記対応関係がない旨を主張するが、原告も指摘するとおり、別の遊戯とその遊戯結果とを混同するか又は特段の根拠もなく同視するものであって、採用することができない。
(3) 以上によれば、被告製品は、本件発明の構成要件BBを充足する。
3 争点3(構成要件BCの充足性)について (1)ア 本件発明が、プレーヤーの投球後、@残留ピンの検出記憶、A別の遊戯の開始、B遊戯結果の検出記憶、C遊戯結果データの読み出し集計という処理手順をたどることを必要とすることを前提として、被告は、まず、被告製品においては、「別の遊戯」が存在せず、その「遊戯結果」も存在しない旨を主張するが、争点2で判示したとおり、被告製品には「別の遊戯」及びその「遊戯結果」が存在するから、被告の前記主張は採用することができない。
イ 次に、被告は、被告製品における「当たり」/「はずれ」データが、残留ピン検出後に開始された遊戯の過程で確定したものではなく、残留ピン検出段階で既に確定したものとしてコンピュータが記憶していたデータであるから、「遊戯結果の記憶」という処理要素がない旨を主張する。
確かに、本件明細書記載の実施例では、スロットが停止した後に絵柄一致の判定をして遊戯結果を得ており(本件公報7欄6行〜8行)、遊戯結果を記憶する処理が別の遊戯を表示する処理の後になる手順とされてはいる。しかし、既に判示したとおり、本件発明の「別の遊戯」における結果の不確定性はプレーヤーを基準とした主観的なもので足りるのであるから、コンピュータ側では遊戯開始時に既に確定されているようなものもあり得ること、結果が客観的には確定しているが、主観的には不確定であるというゲームが存在することも当業者の技術常識であること、そして、本件明細書上、「別の遊戯」はスロットマシンゲームに限られない(本件公報8欄3行〜5行)とされていることを考慮すると、本件発明の処理手順として、開始された遊戯の遊戯結果の検出記憶が別の遊戯の開始後でなければならない必然性はなく、表示する遊戯の内容と結果の設定方法により、変化し得るものであって、遊戯結果の記憶の手順を、被告主張のように実施例記載のものに限定して解釈すべき理由はないと考えられる。被告の前記主張も採用することができない。被告製品における「当たり」/「はずれ」データが残留ピン検出段階で既に確定したものとしてコンピュータが記憶していたデータであるとしても、上記構成要件の充足性を否定するものではない。
(2)ア 被告は、本件発明の「プレミアムデータ」が通常のスコアデータとは別に付加された格別のデータであると主張するところ、この主張は、「プレミアムデータ」がスコアデータとは独立した別個のデータとして記憶されることが必要であることをいう趣旨と解される。
イ 確かに、本件明細書記載の実施例では、「プレミアムデータ」はメモリエリアMA2の無料ゲーム数カウンタMCに記憶される構成とされ(本件公報第3図)、
そこに記憶されるデータも、スロットマシンゲームで絵柄が一致するたびに一つずつ加算されていくというものにすぎず、スコアデータと関連させたものではない。
しかし、本件明細書には、実施例の変形例として、絵柄の組み合わせ等に応じてゲーム料金の割引等の他のサービスを行うことも予定されているのであって(本件公報7欄40行〜8欄1行)、前記実施例の無料ゲーム数カウンタでは、変形例の複雑な遊戯結果の記憶には対応できないこと、実施例における遊戯結果も、本来、いつ(何ゲームの何フレームで)、誰が(どのプレーヤーが)、どうだったか(絵柄が全部揃ったか、一部揃ったか、全然揃わなかったか)等の事実の集合からなるものであり、記憶するデータの形式として、これらの情報を取り扱うことができるとすることが本件明細書において除外されたとは考えられないこと、複数のプレーヤーが同一レーンでボウリングをすることは通常行われており、どのプレーヤーがプレミアムサービスを受ける権利を獲得したか等を記録することも、当業者であれば、直ちに着想し得るようなものであること、前記実施例も絵柄が全部揃った回数を最低限必要なデータとして記憶している例にすぎないと考えられることに照らすと、本件発明のプレミアムデータ記憶手段を、実施例の無料ゲーム数カウンタやこれに類するものに限定する理由はない。どのようなデータ形式で、どのような記憶手段に記憶させるかは、「プレミアムデータ」として設定する遊戯結果の選定と、
実際のボウリング場における利用形態に応じて適宜設計されるものであって、「プレミアムデータ」をスコアデータとは独立した別個のデータとして記憶することまでは必要でないと考えられる。被告の前記主張は採用することができない。被告製品において、その「当たり」/「はずれ」データがスコアデータと組み合わされたデータとして記憶されるものであったとしても、上記構成要件の充足性を否定するものではない。
(3) 以上によれば、被告製品は、本件発明の構成要件BCを充足する(なお、
訂正請求により「自動的に投球者毎に」を付加する前の構成要件BCも充足する。)。
4 争点4(構成要件Cの充足性)について (1) 被告は、本件発明には「プレミアムサービスを提供するため…の手段」を備える必要があると主張するが、本件明細書の特許請求の範囲には「プレミアムサービスを提供するために」として記載されており、文理上「手段」に掛かるものとは解されないから、被告の前記主張は採用することができない。
(2) 被告は、本件発明の構成要件Cの「読み出し」とは、ホストコンピュータがデータ記憶手段から目的のデータを積極的に取り出すことをいうとも主張する。
しかし、コンピュータ間のデータの伝送に関係しての「読み出す」及びこれと対概念となる「書き込む」という用語は、何を主体とみるかによって相対的であり、用語の使い方にあいまいな面を有している。本件明細書の実施例の記載に照らしても、第2図でホストコンピュータ側を基準とすれば、@ホストコンピュータ20からコンソール11に「読み出し」指令が伝送される、Aコンソール11のマイクロコンピュータは、RAM内のメモリエリアM2のデータを読み出す、Bコンソール11は、
読み出したデータをホストコンピュータ20に伝送する、Cホストコンピュータ20は、受け取ったデータをホストコンピュータの記憶装置に書き込む、ものと考えられるのに対し、同実施例の説明中では、コンソール側を基準として、「コンソール内のデータがフロントのホストコンピュータ20に送信される」(本件公報7欄27行〜29行)、発明の効果の項にも「遊戯の結果はホストコンピュータにロードされる」(本件公報8欄11行、12行)と記載されており、これらはいずれの側から着目したかの相違にすぎないのであって、データ伝送としての実体が異なるものではない。そうだとすると、本件発明において必須とされるのは、コンソールに記憶されたデータがホストコンピュータに伝送され、ホストコンピュータが当該データに基づいてデータ処理を行うことにあると考えられる。したがって、本件発明の構成要件Cの「読み出し」というのも、コンソール内に記憶されているデータが、ホストコンピュータに伝送され、ホストコンピュータにおいて、そのデータを取り扱うことができるようにすれば足り、データ伝送を開始させる操作がホストコンピュータ側で積極的に行われる場合に限定する理由はないから、被告の前記主張は採用することができない。被告製品において、「当たり」データがホストコンピュータに自動的に伝送されるとしても、上記構成要件の充足性を否定するものではない。
(3) さらに、被告は、本件発明においては、データの「読み出し」作業に引き続き「集計」作業が行われることを要する旨を主張する。
確かに、「集計」作業の前に「読み出し」作業が行われる必要があることは明らかであり、本件明細書の特許請求の範囲のほか、発明の詳細な説明中の課題を解決するための手段の項(本件公報3欄21行)、作用の項(同欄34行、35行)にも「読み出し(て)集計する」という一連の作業であることを前提とした記載もないわけではない。しかし、争点2で判示した本件発明の目的や効果に照らし、「読み出し」作業後、どのようなタイミングで「集計」作業を行う必要があるかを考えると、「集計」作業の処理結果を必要とするのは、ボウリング場がプレミアムデータに基づいてプレミアムサービスを提供するか否かを判断するときであって、この時点までに「集計」作業が行われれば足り、「読み出し」作業に引き続き「集計」作業が行われる必然性は存しない。のみならず、本件明細書の発明の効果の項には「ホスト側において全レーン分のデータを任意のときに容易に収集することが出来る」(本件公報8欄13行〜15行。この「収集」とは「読み出し」作業の処理結果と考えられる。)と記載され、「任意のとき」であるゲーム終了時以外のタイミングであっても、「読み出し」が行われることが予定されており、これに引き続き、例えばプレミアムサービスの内容が料金割引であれば、ゲーム料金精算のための「集計」をゲーム続行中に行うことは無意味であるから、本件発明上、両者が一連の作業とは必ずしも位置づけられていない。そうだとすると、「集計」のタイミングは、「読み出し」後の、「集計」の処理結果が必要とされるタイミング(原告のいう「適当なタイミング」はこの趣旨と解される。)であれば足りるから、被告の前記主張は採用することができない。被告製品において、データの「読み出し」作業に引き続き「集計」作業が行われていないとしても、上記構成要件の充足性を否定するものではない。
(4) 被告は、本件発明の「集計」とは、全ゲーム数から無料ゲーム数を差し引く料金計算など、プレミアムデータを利用した処理を意味するとも主張する。
確かに、本件明細書の実施例には、プレミアムサービスを提供するための処理として割引料金計算を行うことが記載されている(本件公報7欄26行〜34行、第5図C)とはいえ、本件出願前においても、プレミアムサービスとして例えば賞品の提供が既に行われており(乙22)、この程度のサービスであれば、本件明細書に直接記載されていなくとも、当業者であれば直ちに着想し得る(甲6の1、2参照)ものであるから、本件明細書の変形例にいう「他のサービス」は、料金割引に限定されるものではなく、賞品の提供も含むものと解される。そして、プレミアムサービスが料金割引以外の場合に、全ゲーム数から無料ゲーム数を差し引く計算を行うことなどは全く無意味であることは明らかである。したがって、本件発明の「集計」とは、本件発明の目的や効果に照らし、計算結果を用いてボウリング場がプレミアムサービスを提供できるようにする計算であれば足りるものといわざるを得ず、被告の前記主張は採用することができない。被告製品において、「当たり」データの個数を投球者毎に数える構成であるとしても、プレミアムサービスの内容を賞品の提供とした場合の「集計」と同様であると考えられるから、上記構成要件の充足性を否定するものではない。
(5) なお、被告は、本件特許に関する無効審判請求に対する平成9年9月30日付け審決(甲9)及び平成12年8月18日付け審決(甲22)において、ホストコンピュータが無料とされたゲーム数のようなプレミアムデータを集めて合計する(集計する)態様は、本件特許の有効性を維持するために、その技術的範囲から除外されたとも主張する。
平成9年9月30日付け審決は、「集計とは、(中略)『無料とされたゲームの数を集計』するのではなく、『コンソール内のゲーム数カウンタGCのデータ及び無料ゲーム数カウンタMCのデータ(プレミアムデータ)を受信して集め、ゲーム数カウンタGCの内容から無料ゲーム数カウンタMCの内容を差し引く計算を行う』ことを意味している。」とする一方、「特許請求の範囲の『(中略)集計する』との記載は、集計の態様が必ずしも明確であるとはいえないが、上記発明の詳細な説明の記載及び第5図Cを参照すれば、ホストコンピュータが各コンソール毎のプレミアムデータを所定のタイミングに読み出して集計する態様が明示されているので、本件特許発明に係る明細書の特許請求の範囲の記載が、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載されたものであることに適合しないとすることはできない。」と判断している。これらの記載を全体的に考察すれば、前記審決は、明細書の記載不備に関する被告(無効審判請求人)の主張に応える文脈で、「集計」の一態様(料金割引計算)が発明の詳細な説明に記載されていることをいうにすぎず、本件特許請求の範囲における「集計」の意義を画したものではないから、被告の前記主張は採用することができない。平成12年8月18日付け審決の記載内容も前記とほぼ同様であり、これについても同様に考えられる。被告製品において、
プレミアムデータの個数を投球者毎に数える構成であるとしても、上記構成要件の充足性を否定するものではない。
(6) 以上によれば、被告製品は、本件発明の構成要件Cを充足する。
5 争点5(権利の濫用―本件特許の明らかな無効理由)について (1) まず、明細書の記載不備については、争点4(5)で判示したとおり、「集計」の一態様が本件明細書の実施例に記載されているから、この点に関する被告の主張は、その前提を欠き、採用することができない。
(2)ア 進歩性欠如について、被告の主張は、スコア以外のデータをボウリング場がプレミアムを提供するための要素として記憶伝送するシステムが本件特許出願前から公然実施されていたというほか、特開昭58-149782号公開特許公報(乙6)及びエーエムエフ株式会社作成の昭和60年9月発行「アキュシステム」(乙1)に記載された発明に基づくものである。
イ しかし、スコア以外のデータといっても、ラッキーフレームやレッドピンは、ボウリングと別の競技というよりも、ボウリング競技そのものであり、レッドピンやラッキーフレームの設定によりプレミアムサービスを提供することは、例えばハイスコアに賞品を出すことと本質的な差異はないと考えられるのであって、
ボウリングそれ自体の競技結果によりプレミアムサービスを提供しているといえる。そして、本件特許出願後に発行された文書である「ボウリング場経営マニュアル」(乙9)においては、ゲームにアクセントや変化をつけてボウリングを活性化させたり、試合形式を工夫して楽しさをふくらませる企画として「ラッキーフレーム」が、競技企画やゲーム企画と組み合わせて展開される企画として「レッドピン・アタック」がそれぞれ例示されていることに照らしても、本件特許出願後にとどまらず、本件特許出願前においても、当業者にとって、ラッキーフレームやレッドピンはボウリングゲームそのものをよりおもしろくさせる手法であって、ボウリングと別のゲームであるとは認識していなかったものと推認される。そうすると、
ラッキーフレームやレッドピンの設定によりプレミアムサービスを提供することが本件特許出願前から行われていたとしても、ボウリングとは別の遊戯を設定し、その遊戯の遊戯結果に基づいてプレミアムサービスを提供することは、当業者といえども容易に推考し得たとはたやすく認められない。また、既存の自動ボウリングスコア装置(乙1)とボウリングゲーム装置(乙6)を組み合わせたとしても、せいぜい自動スコア機能を有するボウリングゲーム装置を観念し得るだけであり、別のゲームの結果をプレミアムサービス提供のデータに使用することや、これを自動スコア装置に取り込んで記憶、伝送、集計することも、当業者が容易に推考し得たものとはいえない。被告の前記主張は採用することができない。
(3) したがって、本件特許に明らかな無効理由があるとはいえない。
6 争点6(原告の損害)について (1) 被告製品の1レーン当たりの販売価格(出荷価格)及び被告による販売数量が前記第2(争点)6の(原告の主張)(1)(2)のとおりであることは、いずれも当事者間に争いがない。
(2) 本件発明は、自動ボウリングスコア装置を対象とするものであるが、前記2(1)アのとおり、スコアに応じて別の遊戯を表示画面に表示し、遊戯の結果を記憶して、その結果を用いて顧客に新たなサービスを追加できるようにした点に特徴があり、自動ボウリングスコア装置に付加的な機能を追加するものであるから、損害の算定に当たっては、本件発明が自動ボウリングスコア装置全体に占める利用率ないし寄与度(原告が主張するような実施料率の修正要素としての意義をもつものとしての、製品の市場性の増強度や販売利益に対する寄与度)を考慮すべきである。
しかるところ、イ号物件及びロ号物件においては、被告の主張のように、本件発明が、全体の価格中約10%を構成するソフトウェアのうち、五つの機能中の一つの、しかも、基本的機能ではない付加価値的機能にかかわるものであり、さらに、
ゲーム機能としてもゲーム三つのうちの一つにすぎないとしても、被告は、自らの作成に係るAL-3000システム提案書(乙22)において、「コンピューターは営業力の強化を図るものという目的で製作しており、営業力の強化とは集客力であるというコンセプトに基づいてシステム化しております。」というように、ソフトウェアの重要性を自認するばかりか、AL-3000の投資効果について、具体的な回収予測表を作成した上、導入初年度から税引後の利益として約2000万円ないし3000万円にも達し得ることまで予測していたものであり、また、このようなソフト面の重要性は当業者の認識においても同様であると推測される(甲11の1ないし5、12の1及び2参照)。実際上も、被告の顧客(ボウリング場経営者)の中には、本件発明に係るルーレットゲームの顧客吸引力に着眼した広告を行っていた者がある(甲6の1、2)ことが認められる。これらの事情を総合すれば、本件発明の利用率(寄与度)は、システム全体の単なる価格割合や機能比率にとどまるものとはいえず、10%をもって相当と認める。これに対し、ハ号物件においては、争点1で判示したとおり、イ号物件及びロ号物件と同様の機能を潜在的には有するとはいえ、初期設定では本件発明に係るルーレットゲームが使用できない状態とされているのに比し、その販売額はイ号物件及びロ号物件よりもむしろ高額に設定されているほか、被告においてハ号物件におけるルーレットゲームの使用の事実を全面的に否定し(乙42)、原告においても、ハ号物件の導入先を比較的正確に調査していながら(甲23)、その使用の事実をほとんど把握していない(甲24)本件においては、その利用率(寄与度)は、僅少なものと評価せざるを得ず、
1%にとどめるのが相当である。
(3) 本件発明の実施料相当額については、前記のとおり被告製品における本件発明の利用率(寄与度)を認定したことを前提とすると、他に特段の主張立証のない本件においては、一般的な数値として、いずれも販売価格(出荷価格)の4%をもって相当と認める。
(4) なお、被告は、ハ号物件につき原告の損害が発生していない旨を主張するが、本件全証拠によっても、これを認めるに足りないから、被告の前記主張は採用することができない。
(5) したがって、原告の損害額は次式のとおりとなる。
イ号物件及びロ号物件 1500000×3104×0.1×0.04=18624000 ハ号物件 1800000×4283×0.01×0.04=3083760 合計 18624000+3083760=21707760
結論
以上によれば、原告の請求は、上記の限度で理由がある。
追加
物件目録1(名称)AL-3000オートレーン・システム(構造)a1レーン毎に設けられた、1レーン分の管理が可能なコンピュータ(AL-3000G1本体)と、各コンピュータ(AL-3000G1本体)に接続され、各コンピュータ(AL-3000G1本体)との間でデータ伝送を行うフロント・コントローラ及び該フロント・コントローラとの間でデータ伝送を行うオフィス・コンピュータと、投球後のピンの残留状態を検出するCCDビデオカメラと、を備え、
b前記コンピュータ(AL-3000G1本体)は、
@前記CCDビデオカメラの検出結果からスコアを計数するオートスコア計数手段と、
A該オートスコア計数手段の計数結果を表示するオートスコア表示器と、
B前記CCDビデオカメラがストライク(設定によってはスペアを含む。以下同じ。)を検出した場合において、当該ストライクになったボールがレーン上の所定の場所を通過したタイミングがプログラムにより予め「当たり」とすることに決められたタイミングであるときは、前記オートスコア表示器に所定期間だけ、全体の画像中の一部のみが僅かずつ異なる一連の静止画からなる「当たりルーレット映像」(回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ、最後に「当たり」の数字を指示して停止するまでの様子があたかも動画のごとく視認できる映像)を表示し、前記通過のタイミングが「当たり」とすることに決められたタイミング以外のタイミングであるときは、前記オートスコア表示器に所定期間だけ、全体の画像中の一部のみが僅かずつ異なる一連の静止画からなる「はずれルーレット映像」(回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ、最後に「はずれ」の数字を指示して停止するまでの様子があたかも動画のごとく視認できる映像)を表示するルーレット映像表示手段と、
C前記ストライクになったボールの通過タイミングがプログラムにより予め「当たり」とすることに決められたタイミングであったことを示す「当たり」データ、又はそれ以外のタイミングであったことを示す「はずれ」データを、自動的にその投球者を特定するデータと共に記憶する「当たり」/「はずれ」データ記憶手段と、
を備え、
c前記フロント・コントローラは、1フレーム毎に、前記「当たり」/「はずれ」データ記憶手段に記憶されている各コンピュータ(AL-3000G1本体)毎の「当たり」/「はずれ」データの伝送を受け、これらのデータを記憶する手段を備え、
前記オフィス・コンピュータは、1ゲーム毎に、フロント・コントローラが記憶している各コンピュータ(AL-3000G1本体)毎の「当たり」/「はずれ」データの伝送を受け、所定のタイミング(投球者のゲーム終了時)に「当たり」データの個数を投球者毎に数える手段を備えたd自動ボウリングスコア装置。
2(名称)AL-3000オートレーン・システムG3(構造)a2レーン毎に設けられた、2レーン分の管理が可能なコンピュータ(AL-3000G3本体)と、各コンピュータ(AL-3000G3本体)に接続され、各コンピュータ(AL-3000G3本体)との間でデータ伝送を行うフロント・コントローラ及び該フロント・コントローラとの間でデータ伝送を行うオフィス・コンピュータと、投球後のピンの残留状態を検出するCCDビデオカメラと、を備え、
b前記コンピュータ(AL-3000G3本体)は、その管理に係るレーン毎に1組の、
@前記CCDビデオカメラの検出結果からスコアを計数するオートスコア計数手段と、
A該オートスコア計数手段の計数結果を表示するオートスコア表示器と、
B前記CCDビデオカメラがストライク(設定によってはスペアを含む。以下同じ。)を検出した場合において、当該ストライクになったボールがレーン上の所定の場所を通過したタイミングがプログラムにより予め「当たり」とすることに決められたタイミングであるときは、前記オートスコア表示器に所定期間だけ、全体の画像中の一部のみが僅かずつ異なる一連の静止画からなる「当たりルーレット映像」(回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ、最後に「当たり」の数字を指示して停止する迄の様子があたかも動画のごとく視認できる映像)を表示し、前記通過のタイミングが「当たり」とすることに決められたタイミング以外のタイミングであるときは、前記オートスコア表示器に所定期間だけ、全体の画像中の一部のみが僅かずつ異なる一連の静止画からなる「はずれルーレット映像」(回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ、最後に「はずれ」の数字を指示して停止するまでの様子があたかも動画のごとく視認できる映像)を表示するルーレット映像表示手段と、
C前記ストライクになったボールの通過タイミングがプログラムにより予め「当たり」とすることに決められたタイミングであったことを示す「当たり」データ、又はそれ以外のタイミングであったことを示す「はずれ」データを、自動的にその投球者を特定するデータと共に記憶する「当たり」/「はずれ」データ記憶手段と、
を備え、
c前記フロント・コントローラは、1フレーム毎に、前記「当たり」/「はずれ」データ記憶手段に記憶されている各コンピュータ(AL-3000G3本体)の管理に係るレーン毎の「当たり」/「はずれ」データの伝送を受け、これらのデータを記憶する手段を備え、前記オフィス・コンピュータは、1ゲーム毎に、フロント・コントローラが記憶している各コンピュータ(AL-3000G3本体)の管理に係るレーン毎の「当たり」/「はずれ」データの伝送を受け、所定のタイミング(投球者のゲーム終了時)に「当たり」データの個数を投球者毎に数える手段を備えたd自動ボウリングスコア装置。
3(名称)AL-5000オートレーン・システム(構造)a2レーン毎に設けられた、2レーン分の管理が可能なコンピュータ(AL-5000本体)と、各コンピュータ(AL-5000本体)に接続され、各コンピュータ(AL-5000本体)との間でデータ伝送を行うフロント・コントローラ及び該フロント・コントローラとの間でデータ伝送を行うオフィス・コンピュータと、投球後のピンの残留状態を検出するCCDビデオカメラと、
を備え、
b前記コンピュータ(AL-5000本体)は、その管理に係るレーン毎に1組の、
@前記CCDビデオカメラの検出結果からスコアを計数するオートスコア計数手段と、
A該オートスコア計数手段の計数結果を表示するオートスコア表示器と、
B前記CCDビデオカメラがストライク(設定によってはスペアを含む。以下同じ。)を検出した場合において、当該ストライクになったボールがレーン上の所定の場所を通過したタイミングがプログラムにより予め「当たり」とすることに決められたタイミングであるときは、前記オートスコア表示器に所定期間だけ、全体の画像中の一部のみが僅かずつ異なる一連の静止画からなる「当たりルーレット映像」(回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ、最後に「当たり」の数字を指示して停止するまでの様子があたかも動画のごとく視認できる映像)を表示し、前記通過のタイミングが「当たり」とすることに決められたタイミング以外のタイミングであるときは、前記オートスコア表示器に所定期間だけ、全体の画像中の一部のみが僅かずつ異なる一連の静止画からなる「はずれルーレット映像」(回転中のルーレット盤が次第に回転速度を低下させ、最後に「はずれ」の数字を指示して停止するまでの様子があたかも動画のごとく視認できる映像)を表示するルーレット映像表示手段と、
C前記ストライクになったボールの通過タイミングがプログラムにより予め「当たり」とすることに決められたタイミングであったことを示す「当たり」データ、又はそれ以外のタイミングであったことを示す「はずれ」データを、自動的にその投球者を特定するデータと共に記憶する「当たり」/「はずれ」データ記憶手段と、
を備え、
c前記フロント・コントローラは、1フレーム毎に、前記「当たり」/「はずれ」データ記憶手段に記憶されている各コンピュータ(AL-5000本体)の管理に係るレーン毎の「当たり」/「はずれ」データの伝送を受け、これらのデータを記憶する手段を備え、前記オフィス・コンピュータは、1ゲーム毎に、フロント・コントローラが記憶している各コンピュータ(AL-5000本体)の管理に係るレーン毎の「当たり」/「はずれ」データの伝送を受け、所定のタイミング(投球者のゲーム終了時)に「当たり」データの個数を投球者毎に数える手段を備えたd自動ボウリングスコア装置。
裁判長裁判官 小松一雄
裁判官 中平健
裁判官 田中秀幸