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関連審決 無効2004-80202
この判例には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
平成20行ケ10151審決取消請求事件 判例 特許
平成19行ケ10300審決取消請求事件 判例 特許
平成17ワ2649特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成22行ケ10221審決取消請求事件 判例 特許
平成15行ケ39審決取消請求参加事件 判例 特許
関連ワード 進歩性(29条2項) /  容易に発明 /  慣用技術 /  公知技術 /  先行技術 /  特許出願日 /  均等 /  置き換え /  置換 /  容易に想到(容易想到性) /  実施 /  加工 /  交換 /  設定登録 /  誤記の訂正 /  請求の範囲 /  減縮 /  拡張 /  変更 /  釈明 /  訂正明細書 / 
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事件 平成 17年 (行ケ) 10678号 審決取消請求事件
原告株式会社アーランド
訴訟代理人弁護士松村信夫,塩田千恵子,坂本優
訴訟代理人弁理士鍬田充生
被告カースル株式会社
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2007/05/15
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1原告の求めた裁判「特許庁が無効2004-80202号事件について平成17年8月2日にした審決を取り消す 」との判決。。
第2事案の概要本件は,後記本件発明の特許権者である原告が,被告の無効審判請求を受けた特許庁により,本件特許を無効とする旨の審決がなされたため,同審決の取消しを求めた事案である。
1特許庁における手続の経緯( )本件特許(甲第11号証)1特許権者:株式会社アーランド(原告)発明の名称: レンジフードのフィルタ装置」 「特許出願日:平成10年4月27日(特願平10-117489号)設定登録日:平成16年9月17日特許番号:特許第3597700号( )本件手続2審判請求日:平成16年10月21日(無効2004-80202号)訂正請求日:平成17年1月28日手続補正:平成17年3月24日(訂正請求書に対し)審決日:平成17年8月2日審決の結論: 特許第3597700号の請求項1〜3に係る発明についての特 「許を無効とする 」。
審決謄本送達日:平成17年8月12日(原告に対し)2本件発明の要旨審決が対象とした発明(設定登録時の明細書の特許請求の範囲に記載された発明であり,請求項の数は3個である。以下,各請求項に記載された発明を,請求項の番号に従って「本件発明1」などのようにいい,本件発明1〜3を併せて単に「本件発明」という )の要旨は,以下のとおりである。 。
「 請求項1】レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設されている金 【属製フィルタを覆うためのフィルタ装置であって,前記金属製フィルタのフロント面をカバー可能なフィルタと,このフィルタの周縁部に取り付けられ,かつフィルタを,前記フロント面で緊張させて前記金属製フィルタに取付けるためのリング状伸縮性紐状体とで構成されており,前記金属製フィルタは剛性で方形プレート状に形成されているとともに,上端部が排気口の上部に形成された溝又はスリットに挿入可能であり,下端部が排気口の下部に形成された溝に挿入可能であり,前記フィルタは,不織布で構成されているとともに,金属製フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有し,かつ前記金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されており,金属製フィルタの裏面での紐状体の収縮により,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,金属製フィルタに対してフィルタを取り付け,レンジフードの換気口に装着できるフィルタ装置。
【請求項2】レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設され,かつ剛性で方形プレート状に形成された複数の金属製フィルタ要素で構成された金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置であって,前記複数の金属製フィルタ要素の全体又は個別の金属製フィルタ要素を被包可能なフィルタと,このフィルタの周縁部を収縮可能な紐状体とで構成されており,前記紐状体は,収縮率5〜60%の伸縮性紐状体で形成されている請求項1記載のフィルタ装置。
【請求項3】金属製フィルタ又はフィルタ要素のフロント面よりもサイズが大きく,平面方形状のフィルタのうち4つのコーナー部と各辺に対応する周縁部の少な,, くとも一箇所との挿通孔に伸縮性紐状体が挿通しており フィルタの取付状態では金属製フィルタ又はフィルタ要素の裏面において伸縮性紐状体を収縮させ,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させる請求項1又は2記載のフィルタ装置 」。
3審決の理由の要点審決の理由は,@平成17年1月28日付け訂正請求に関し,同年3月24日付け手続補正は,訂正請求の要旨を変更し,特許法134条の2第5項で準用する同,, 法131条の2第1項の要件を満たさない補正を含むものであるから 認められず訂正請求書添付の訂正明細書に基づく訂正は,実質上特許請求の範囲拡張する訂正事項並びに特許請求の範囲減縮,誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明のいずれも目的としない訂正事項を含むものであるから,同法134条の2第1項ただし書き及び同条5項で準用する同法126条4項の規定に適合せず,認めることができないとし,A本件発明の要旨を,上記のとおり,設定登録時の明細書の特許請求の範囲の記載に基づいて認定した上,本件発明は,<ア>下記甲第3号証記載の発明(以下「甲第3号証発明」ということがある )に,下記甲第1,第2,第4 。
〜第9号証記載の発明及び周知慣用技術を適用して,当業者が容易に発明をすることができたものであり(以下「審決判断1」という,<イ>下記甲第5号証記載の 。)発明(以下「甲第5号証発明」ということがある )に,下記甲第1〜第4,第6 。
〜第9号証記載の発明及び周知慣用技術を適用して,当業者が容易に発明をすることができたものであり(以下「審決判断2」という,<ウ>下記甲第2号証記載の 。)発明(以下「甲第2号証発明」ということがある )に,下記甲第1,第3〜第9 。
号証記載の発明及び周知慣用技術を適用して,当業者が容易に発明をすることができたものであって(以下「審決判断3」という,<エ>本件発明の効果も無理なく 。)予想することができたものであるから,本件発明に係る特許は,同法29条2項に違反してなされたものであり,同法123条1項2号により無効とすべきである,というものである(甲第1〜第9号証は,審判及び本訴に共通である。。)甲第1号証:実願昭60-146162号(実開昭62-56117号)のマイクロフィルム甲第2号証:実公平6-11056号公報甲第3号証:実願平3-31109号(実開平4-118119号)のマイクロフィルム甲第4号証:実願昭55-127345号(実開昭57-50631号)のマイクロフィルム甲第5号証:実願平1-69332号(実開平3-10136号)のマイクロフィルム甲第6号証:実願昭54-127351号(実開昭56-46728号)のマイクロフィルム甲第7号証:実願昭57-9656号(実開昭58-111821号)のマイクロフィルム甲第8号証:実公昭54-45019号公報甲第9号証:実願昭57-120218号(実開昭59-25029号)のマイクロフィルム審決の理由中,甲第1〜第5号証の記載事項の認定並びに審決判断1〜3に係る認定判断及び本件発明の効果に係る認定判断の部分は,以下のとおりである。
( )甲第1〜第5号証の記載事項の認定1ア甲第1号証「甲第1号証・・・には,第1〜7図が掲載されると共に,以下の事項が記載されている。
(A-1 『実用新案登録請求の範囲 )換気扇及びフードを通過する油分及びチリを,手前でくいとめるもので,ウーリー加工をした細いナイロン生地(1)を筒織りにし,それを丸及び楕円形に裁断し,廻りにゴム(2)を取付け伸縮自由としたもので,丸及び正方形,長方形のあらゆる型のカバーに使用する事を可能にした,換気扇及びキッチンフードのフィルター(第1頁第3〜11行) 。』(A-2 『従来のものは,取付けが複雑で音がしたり,色々な器種に応用する事が出来なか )ったり,店頭に飾っている時に形がくずれやすく織維がパラパラと落ちたり,使用後に大きなゴミとなり,多量に油が付着した場合に裸火がフィルターに接近すると附着した油が燃える等の欠点もあった(第1頁第17行〜第2頁第5行) 。』(A-3 『本案を使用する時は,カバーの外側からかぶせる丈でよい(第2頁第13〜1 ) 。』5行)(A-4 『第1図は本案素材の一部切断斜視図第2図は本案素材の裁断正面図第3図は )本案正面図第4図は本案斜視図第5図は本案を使用する対象物の一部斜視図第6図は本案を使用する対象物の一部正面図(但し裏面から見たもの)第7図は本案を使用する対象物の一部正面図(但し表面から見たもの)1は生地2はゴム紐AはキッチンフードBはガード (第3頁第10行〜第4頁第3行 」 』 )イ甲第2号証「甲第2号証・・・には,第1〜4図が掲載されると共に,以下の事項が記載されている。
(B-1 『 実用新案登録請求の範囲] )[[請求項1]素材を不織布又は難燃不織布を用いてフィルター部を形成し,該フィルター部周縁に弾性又は伸縮自在とする筒状の覆体を結合したことを特徴とする換気扇用のフィルター体(第1頁左下欄第1〜5行) 。』(B-2 『また,実開昭62-56117号公報記載のもののように,フィルター自体をウ )ーリー加工のナイロン生地としたことによって,換気扇の大小に関わらず覆うことが可能であるが,その状態で換気扇を使用すれば,換気扇の羽根前面のナイロン生地が油汚れ等によって垂るみが生じ,排気の力で吸い込まれ,羽根に巻き付く恐れがあった。また,フィルターとするナイロン生地を垂るませないように張力を強めて換気扇前面を覆えば,ナイロン生地の織り目が拡大し,フィルター効果が減少してしまう為,如何にして,換気扇の大小に関わらず,換気扇羽根前面のフィルター目が拡大縮小せずに フィルターの効果を発揮させるかにある第 , 。』(2頁左欄第30〜42行)(B-3 『本考案の他の実施例として,図面の第3図を説明すれば,素材を不織布又は難燃 )不織布を用いて方形のフィルター部7を形成する。また,素材を化合成繊維又は発泡化合成樹脂を繊維状にしたもの又は天然ゴム又は合成ゴムを芯にして繊維で被覆した糸等により,筒状の覆体8を形成する。前記フィルター部7の外周縁に該覆体8の外周縁とを縫合又は高周波等にて結合9させフィルター体B構成する。図面の第4図を説明すれば,キッチンフード10の斜め上下間に,後記するフードカバー12を嵌着させる受11を形成する。方形状のフードカバー12の前面に,前記したフィルター体Bのフィルター部7を位置させる。さらに,フィルター体Bの覆体8を引っ張るようにフードカバー12外周縁より内側に向け覆う様にして手を離せば,覆体8の弾性により覆体8の開口部は収縮し,フードカバー12内側に絡み付く様に覆着する。該フィルターBを覆着させたフードカバー12を,前記フードカバー12の受11に嵌着することによって,フィルター体Bの覆体8は受11の両内側とフードカバー12両外側の間に挟まれるため,フィルター体B全体が固定されるものである(第2頁右欄第39行 。』〜第3頁左欄第11行)(B-4 『考案の効果)本考案は,以上の構成であるから,フィルター部の周縁に伸縮自在の素材にて筒状の覆体を, 。, 縫合又は高周波にて結合形成したことにより より強固な結合を生じさせたものである また該強固な結合によって,換気扇カバーの排気口前面のフィルター部がずれた場合でも,該ずれた方向の覆体を引き上げた場合でもれ,フィルター部と覆体の結合箇所をほずれさせずに,覆体を何のような換気扇機種形状枠又は換気扇カバーの形状枠にも対応可能成らしめ,フィルター部を容易に排気口前面に位置させることが出来るものである。また,その覆着した換気扇カバーやフードカバーを換気扇受枠に設置する際にも,覆体の筒部が薄い為,換気扇カバーと該受枠,又はフードカバーと該受枠の内側間に隙間を生じさせないことにより,従来の換気扇を回すとフードカバーがガタガタした雑音からも解放される。また,フィルター体の覆体は換気扇カバーや該受枠,フードカバーや該受枠内側縁とで強固に挟まれるため,換気扇吸気口前面のフィルター部がずれて,フィルター効果を損なうということからも解消出来る効果あるものである(第3頁左欄第11行〜右欄第13行 」 。』 )ウ甲第3号証「甲第3号証・・・には,図1〜5が掲載されると共に,以下の事項が記載されている。
(C-1 『 実用新案登録請求の範囲] )[[請求項1]レンジフードの吸気口に配設された金網等からなるフィルター部材の下面に着脱自在に装着されるフィルターであって,一端に上記フィルター枠体の端部が収容可能な袋状端部を設けた不織布からなるシート状フィルターと,上記シート状フィルターの他端部をフィルター部材に巻き込み状態で係止させる係止部材とからなることを特徴とするレンジフード用フィルター装置(第2頁左欄第1〜9行) 。』(C-2 『ところで,この種のレンジフードは,例えば図5に示すように,該フードのハウ )ジングに回転排気ファンを内蔵させると共に,ハウジングの下面に,前記ファンに臨む排気口をガスレンジに向かって開口してあり,該吸気口にはガード用金網等のフィルター部材が,吸気口を囲む開口周壁を覆う状態で張設され,金網等のフィルター部材を介して排気されるようになっている。
しかしながら,レンジフードは頻繁に使用されるために,上記金網等のフィルター部材のみで使用すると頻繁に洗浄が必要になり,金網内部に付着した油を洗浄除去するのが面倒であると共に,洗浄を怠って放置しておくと付着し凝固した油が滴状となってガスレンジ上に落下するという不衛生な事態をまねく問題があった(第4頁第13〜23行) 。』(C-3 『一方,この様な問題を解決するものとして不織布によるフィルター面を形成した )アルミニューム枠体をレンジフードの吸気口に着脱自在に装着して,アルミニューム枠体ごと使い捨てにしたフィルターが提案されており,業界内で浅型と称されるレンジフードが利用されている。
[考案が解決しようとする課題]しかしながら,この提案のフィルターは,浅型のレンジフードには適用可能であるが,深型のレンジフードのフィルターに使用すると,深型のレンジフードはフード自体が大型であり,しかもデザインを重視した製品であるので,外部に露出して取り付けることはデザインを低下させるため,フードの内部に収める必要があり,フードの内面に沿って取り付けるのが面倒であった(第4頁下から第5行〜第5頁第6行) 。』(C-4 『本考案は,上記従来および提案のレンジフード用フィルターの問題に鑑みて成さ )れたものであり,深型のレンジフードの金網製フィルター部材を利用して取り付けることができる簡便でかつ安価な使い捨て式のレンジフード用フィルターを提供することを目的とするものであり,レンジフードの吸気口に配設された金網等からなるフィルター部材の下面に着脱自在に装着されるフィルターであって,一端に上記フィルター枠体の端部が収容可能な袋状端部を設けた不織布からなるシート状フィルターと,上記シート状フィルターの他端部をフィルター部材に巻き込み状態で係止させる係止部材とからなることを特徴とするレンジフード用フィルター装置である(第5頁第14〜22行) 。』(C-5 『なお,図1から図4に示した本考案のレンジフード用フィルター装置Aは,いず )れもシート状フィルター2を下面側にして図5に示すように,深型のレンジフードBの吸気口に,金網製のフィルター部材4とともにフード内面の係止金具等10を利用して着脱自在に係止させて使用される。
また,油煙の吸着によってシート状フィルター2が汚れると,金網製フィルター部材4をフード内面から一旦取り外してシート状フィルター2を除去し,ついで新たなシート状フィルタ, 。, ー2と係止部材3を前記フィルター部材4に装着して レンジフードに再び取り付ける なお油煙で汚れたシート状フィルター2は,不織布製の柔軟なものであるので小さく丸めて日常のゴミとともに廃棄することができる(第7頁下から第5行〜第8頁第6行 」 。』 )エ甲第4号証「甲第4号証・・・には,以下の事項が記載されている。
(D-1 『実用新案登録請求の範囲 )キッチン用レンジフード換気扇の前面カバーのガード(金属製のさく)第3図を網袋(ナイロンネット)で包み込みネジ止めする事に依って本体の換気扇第2図及び換気扇をとり囲んでいる箱第1図eに油汚れ等をつきにくくする事を特徴とする(第1頁第4〜10行) 。』(D-2 『この考案はキッチンレンジフード換気扇を使用する場合にどうしても避けられな )い油汚れ等を簡単に防ぐ事を目的としている(第1頁第12〜14行 」 。』 )オ甲第5号証「甲第5号証・・・には,以下の事項が記載されている。
(E-1 『実用新案登録請求の範囲 )1.換気口に取付けられる換気扇カバーであって,該換気扇カバーが,フィルタと,該フィルタの周縁部に設けられ,かつ上記周縁部を収縮可能な紐状体とを有することを特徴とする換気扇カバー。
2.換気口に着脱自在に取付けられた長尺状支持部材により,請求項1記載の換気扇カバーが支持された状態で取付けられていることを特徴とする換気扇カバーの取付構造(第1頁第4。』〜13行)(E-2 『しかしながら,換気扇が取付けられた換気口は,効率的に換気するため,換気部 )の容積や換気量等に応じて種々の大きさに設定されている。例えば,家庭の台所用換気扇,レンジフード用換気扇や業務用換気扇等では,自ずから換気量が異なり,換気量に応じた大きさの換気口が必要である。従って,上記構造の換気扇カバーでは,大きさの異なる換気口に対処できず,多種類の換気扇カバーを用意する必要がある。また上記換気扇カバーは,その構造が複雑で,枠体等を必要とするため,コスト高となる。
上記の点に鑑み,ウーリーナイロン製の筒状の生地のうち一方の開口部を結束し,他方の開口部の周縁部を袋状とし,該袋状部にゴム紐を通した換気扇カバーが提案されている(実開昭59-25029号公報参照 。)一方,換気扇は,換気口の前面が遮蔽部材で遮蔽されたタイプの換気扇と,換気口の前面が遮蔽されていない開口状態のタイプの換気扇とに大別される。また前者のタイプの換気扇としては,汚れた羽根を遮蔽し,美観をよくするため,換気口の前面が美装パネル等の遮蔽部材で覆われ,該パネルの側方開口部から吸引する換気扇や,換気口の前面が横方向等に並設された格子部材からなる遮蔽部材で遮蔽された換気扇が知られている。しかしながら,このタイプの換気扇に前記従来の換気扇カバーを適用すると,結束部を有しているため,外観が著しく損なわれる。
, , また後者のタイプの換気扇に適用すると フィルタがナイロン製生地で形成されているため換気扇の吸引力により,換気扇カバーが換気扇に吸込まれ虞がある。従って,換気扇の羽根が損傷したり,モータの負荷が増大したり,故障したりする原因ともなり,排気が阻害される場。, ,。』 合がある さらには ナイロン製生地で形成されたフィルタは燃え易く 安全性が十分でない(第2頁第5行〜第3頁末行)(E-3 『本考案の目的は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,換気口の大きさが異 )なっていても,容易に取付けることができる安価な換気扇カバーを提供することにある。
また本考案の他の目的は,換気扇の前面が遮蔽されているか否かに拘わらず,柔軟なフィルタであっても外観が良好で換気扇へ吸込まれることのない換気扇カバーの取付構造を提供することにある(第4頁第1〜8行) 。』(E-4 『上記構成の換気扇カバーによれば,フィルタの周縁部には,該周縁部を収縮可能 )な紐状体が設けられているため,換気口を換気扇カバーで被冠し ・・・紐状体を収縮性材料 ,で形成することにより,換気口の大きさが異なっていても換気扇カバーを容易に取付けることができる(第4頁第15〜末行) 。』(E-5 『換気扇カバーは,フィルタ(1)と,該フィルタ(1)の周縁部に設けられた収 )縮性紐状体(2)とを有してい。より詳細には,フィルタ(1)は,その中央部を余した周縁部が全周に亘り内方へ折曲され,開口部(4)を有する袋状に形成されている(第5頁末行。』〜第6頁第4行)(E-6 『なお,フィルタ(1)は,通気性を有する材料で形成されていればよいが,難燃 )性不織布で形成されているのが好ましい(第6頁第4〜7行) 。』(E-7 『またフィルタ(1)のうち開口部(4)の周縁は,フィルタ(1)と固着又は縫 )合することにより,環状挿通孔(3)が形成されている。この環状挿通孔(3)には,フィルタ(1)の周縁部の長さよりも短く,収縮性を有する材料,例えば,合成ゴム等からなる環状の紐状体(2)が配されている(第6頁第14〜末行) 。』(E-8 『上記構造の換気扇カバーによると,換気口の前面が遮蔽部材等で遮蔽された換気 )扇に適用する場合には,紐状体(2)を伸張させ,開口部(4)を大きくした状態で,換気口(5)を換気扇カバーで被冠し,換気口(5)の枠部材(6)の端部等に紐状体(2)を掛止() , 。 した状態で紐状体 2 を解放することにより 換気扇カバーを容易に取付けることができるまた取付け状態においては,フィルタ(1)が上記遮蔽部材により支持されるので,柔軟なフィルタ(1)であっても,換気扇(7)の吸引力によりフィルタ(1)が換気口(5)に吸引されることがない。さらには,フィルタ(1)の中央部が取付状態において平面部(1a)を形成するので,換気口のフィルタ(1)は面一となり,美観を損ねることはない。なお,フィ()() , () ルタ 1 の大きさや紐状体 2 の伸縮力を調整することにより 異なる大きさの換気口 4にも容易に取付けることができる(第7頁第1〜17行) 。』(E-9 『また伸縮性紐状体(2)は,環状挿通孔(3)に収容された状態で配されている )必要はなく,縫合等の適宜の手段によりフィルタ(1)の周縁部と少なくとも部分的に一体に設けてもよい(第9頁第14〜17行 」 。』 )( )審決判断12ア本件発明1について「甲第3号証には,その前記摘示(C-1)によれば 『レンジフードの吸気口に配設された ,金網等からなるフィルター部材の下面に着脱自在に装着されるフィルターであって,一端に上記フィルター枠体の端部が収容可能な袋状端部を設けた不織布からなるシート状フィルターと,上記シート状フィルターの他端部をフィルター部材に巻き込み状態で係止させる係止部材とからなるレンジフード用フィルター装置』に関する発明(甲第3号証発明)が記載されている。
そこで,本件発明1と甲第3号証発明とを対比する。
甲第3号証発明の『レンジフードの吸気口『金網等からなるフィルター部材『シート状 』, 』,フィルター『レンジフード用フィルター装置『レンジフードの吸気口』は,本件発明1の 』, 』,『レンジフードのフード内の排気口『金属製フィルタ『フィルタ『フィルタ装置『レ 』,』,』,』,ンジフードの換気口』にそれぞれ相当する。
そして,甲第3号証発明における『金網等からなるフィルター部材 (以下,適宜 『金網フ 』,ィルター部材』という)は,前記摘示(C-5)によれば,本件発明1と同じようにレンジフードのフード内の吸気口に着脱自在に係止されるということができるものであり,また,金属からなるものであるので本件発明1と同じように剛性であるということができるものであり,更に,その図1等の記載からみると本件発明1と同じように方形プレート状に形成されているものである。
また,甲第3号証発明のレンジフード用フィルター装置は,本件発明1と同じように,不織布を含み,金網フィルター部材に取り付けられ,そして,レンジフードの吸気口に装着できるものであり,そしてまた,図1の記載により,金網フィルター部材のフロント面をカバーし,金網フィルター部材を覆うものであるということができる。
よって,両者は,『レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設されている金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置であって,前記金属製フィルタは剛性で方形プレート状に形成されているフィルタ装置』である点で一致し,以下の点で相違する。
【相違点イ】フィルタ装置につき,本件発明1では 『前記金属製フィルタのフロント面をカ ,バー可能なフィルタと,このフィルタの周縁部に取り付けられ,かつフィルタを,前記フロント面で緊張させて前記金属製フィルタに取付けるためのリング状伸縮性紐状体とで構成されている』という特定事項を具備するのに対して,甲第3号証発明では,そのレンジフード用フィルター装置は,金網フィルター部材に取り付けられ,金網フィルター部材のフロント面をカバーするものであるものの,本件発明1のようにフィルタとリング状伸縮性紐状体とで構成されておらず,したがって,当該特定事項を全て具備しない点【相違点ロ】該金属製フィルタが,本件発明1では『上端部が排気口の上部に形成された溝又はスリットに挿入可能であり,下端部が排気口の下部に形成された溝に挿入可能であり』という特定事項を具備するのに対して,甲第3号証発明ではそのことが明示されない点【相違点ハ】当該フィルタ装置につき,本件発明1は 『前記フィルタは,不織布で構成され ,ているとともに,金属製フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有し,かつ前記金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されており,金属製フィルタの裏面での紐状体の収縮により,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,金属製フィルタに対してフィルタを取り付け,レンジフードの換気口に装着できる』という特定事項を具備するのに対して,甲第3号証発明では,そのレンジフード用フィルター装置は,不織布を含み,金網フィルター部材に取り付けられ,金網フィルター部材のフロント面をカバーするものであるものの,本件発明1のようにフィルタとリング状伸縮性紐状体とで構成されておらず,したがって,当該特定事項を全て具備しない点以下,上記相違点につき検討する。
【相違点イについて】甲第3号証発明におけるレンジフード用フィルター装置は不織布からなるシート状フィルターから構成されるものであって,前記摘示(C-2)で示されるように調理用排ガスを浄化するために用いられ,そして,調理用排ガスを排出するレンジフードの吸気口(排気口)前面に配設された金網フィルター部材のフロント面をカバーするものである。
更に,甲第3号証発明におけるレンジフード用フィルター装置は,金網フィルター部材に着脱自在に装着されるものである。
一方,調理用排ガスを処理する当該分野においては 『不織布フィルター部とその周縁部に ,設けたリング状伸縮性紐状体とからなり,その外観が浅い袋状の形状をなす調理用排ガス浄化用カバー体を,その紐状体の収縮力により,調理用排ガス処理機器の前面に位置する部材に着脱自在に取り付けること』は,本件出願前に周知・慣用事項[必要ならば,甲第5号証〔前記摘示(E-2)の台所用換気扇及びレンジフード用換気扇に関する記載 (E-6)〜(E- ,),〕,( ( ) 8第1図及び第3図参考資料2 判決注:実願平4-248号 実開平5-5441号のCD-ROM (第2頁左欄第2〜6行,第3頁第4〜5行,第3頁第9〜12行,第4頁 )第21〜22行及び図1 ,実公平7-12824号公報(第2頁左欄第6〜14行,第3頁 )左欄第8〜15行,第3頁左欄第28〜48行及び第1図)等を参照]となっており,この場合,その不織布フィルター部は調理用排ガスを処理するために用いられることは明らかなことである。
このように,甲第3号証発明のレンジフード用フィルター装置と当該周知・慣用のカバー体とは,そのフィルター部の材質が同じものであり,かつ,調理用排ガスを処理するという点でも同じ機能を有するものであり,そのうえ,両者は,共に,調理用排ガス処理機器の前面に位置する部材に着脱自在に取り付け得るものである。
してみれば,甲第3号証発明において,金網フィルター部材のフロント面をカバーし,金網フィルター部材に取り付けられているレンジフード用フィルター装置を,上記周知・慣用事項となっているところの不織布フィルター部とその周縁部に設けたリング状収縮性紐状体とからなるところのカバー体で置換することは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
そして,甲第3号証発明のプレート状の金網フィルターに,袋状の当該カバー体を適用する場合,調理用排ガスの浄化漏れがないように,このカバー体の不織布フィルタ部が金網フィルター部材のフロント面全面をカバーないしは覆うようにすることは当業者が当然のこととして実施するものであり,これにより,必然的に,カバー体のリング状収縮性紐状体は金網フィルター部材の裏面に位置することになって不織布フィルター部が金網フィルター部材の前面を被包することになり,かつ,裏面に位置するリング状収縮性紐状体が,その収縮力で不織布フィルター部を金網フィルター部材のフロント面で緊張させて金網フィルター部材に固定ないしは取り付けられるようになるものである。
このことは,甲第1号証に記載の技術からみても容易に導き出せるものである。すなわち,甲第1号証において,筒織裁断物とその廻りに配置したゴム体からなるフィルターを,ガードに取り付ける場合には ・・・当該筒織裁断物をガードのフロント面の前面を完全に覆ったう ,えでその裏面に至るようになし,かつ,当該ゴムをガードの裏面に位置させる(第6及び7図を参照 ようにすることが 実質上 記載されるものであり このように 繊維製フィルタ 筒 ),, ,,(織裁断物)と伸縮性紐状体(ゴム体)からなるフィルターを略板状物品(ガード)に取り付ける場合には,繊維性フィルタを,板状物品のフロント面の全面を完全に覆ったうえでその裏面にまで伸びるように配置し,かつ,伸縮性紐状体を板状物品の裏面に配置させる構造が教示されるのであるから,上記のように,甲第3号証発明の金網フィルター部材に上記周知・慣用事項となっているところの不織布フィルター部とその周縁部に設けたリング状収縮性紐状体とからなるカバー体を適用する場合,上記教示に従い,不織布フィルター部が金網フィルター部材の前面を覆ったうえでその裏面に至るようになし,かつ,カバー体のリング状収縮性紐状体を金網フィルター部材の裏面に配置させることにより,その不織布フィルター部が金網フィルター部材の前面を被包し,かつ,裏面に位置するリング状収縮性紐状体がその収縮力で不織布フィルター部を金網フィルター部材のフロント面で緊張させて金網フィルター部材に固定ないしは取り付けるようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
したがって,甲第3号証発明において,上記周知・慣用事項を適用することにより,本件相違点イに係る特定事項を具備するようにすることは,当業者が適宜なし得ることに過ぎない。
【相違点ロについて】甲第3号証発明の金網フィルター部材につき,その図1の記載をみれば,金網フィルター部材の両端面(ないしは上端部及び下端部)が共に厚みの薄い平板形状を呈していることがわかる。そうであれば,レンジフードの吸気口に溝(又はスリット)が設けられている場合には,甲第3号証発明の金網フィルター部材は,本件発明1と同じように 『その上端部が排気口の ,上部に形成された溝又はスリットに挿入可能であり,下端部が排気口の下部に形成された溝に挿入可能である』といえるものである。したがって,この特定事項は,両者の実質上の相違点とはなり得ないものである。
仮に,そうでないとしても,甲第3号証発明の金網フィルター部材の如きフィルター部材につき,吸気口の上下部に設けた溝に当該フィルター部材を挿入することにより同部材を着脱自在に取付けることは,本件出願前に周知・慣用事項[必要ならば,実願平2-8325号(実開平3-98922号)のマイクロフィルム〔第2頁第7〜16行及び第9図 ,特開平9-〕72589号公報(第2頁左欄第43行〜右欄第10行,5頁左欄第38〜42行,第5頁右欄第12〜14行及び図8)等の記載を参照]となっており,したがって,甲第3号証発明において,その金網フィルタ部材のレンジフードの吸気口への設置に際し,当該周知・慣用事項の技術を適用し,当該特定事項のようにすることに,何らの困難性も伴わない。
そうすると,この特定事項は,両者の実質的な相違点とはならないものであり,仮に,そうでないとしても,甲第3号証発明において,上記周知・慣用技術を適用することにより当業者が適宜なし得るものである。
【相違点ハについて】上記相違点イについての箇所で説示したとおり,甲第3号証発明において,金網フィルター部材に取り付けられているレンジフード用フィルター装置を,上記周知・慣用事項となっているところの不織布フィルター部とその周縁部に設けられたリング状収縮性紐状体を有するカバー体で置換すること,そして,その場合,リング状収縮性紐状体を金網フィルター部材の裏面に配置すること,かつ,不織布フィルター部で金網フィルター部材の前面を被包することは,当業者が適宜実施できるものである。
[前記フィルタは,不織布で構成されているとともに,金属製フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有し]との特定事項についてこのように,甲第3号証発明に周知・慣用事項となっているカバー体を適用することによって,そのカバー体のフィルター部が不織布で構成されることは既に説示したとおりであり,また,その場合,カバー体の不織布フィルター部で金網フィルター部材の前面を被包することになるものである以上,当該フィルター部が金網フィルター部材のフロント面を被包可能なサイズを有するようにすることは当然のことである。
したがって,甲第3号証発明に周知・慣用事項となっているカバー体を適用した場合に当該特定事項を具備するようにすることは,少なくとも当業者が適宜実施できる程度のものに外ならない。
[, ] 前記フィルタは 前記金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されておりとの特定事項について調理用排ガスを処理する当該分野においてフィルター類で排気口の部材類をカバーする甲第2号証及び甲第5号証の記載をみると,甲第2号証の前記摘示(B-3)と第3及び4図の記載によれば,平面形状が方形のフィルター部7でカバー面ないしは前面が方形のフードカバー12をカバーすることが示され,また,甲第5号証の第1〜3図の記載によれば,平面形状が略方形形状のフィルタでカバー面ないしは前面が略方形状の換気口をカバーすることが示され,このように,フィルター類で排気口の部材類をカバーするときには,フィルター類の平面形状としては,被カバー部材である排気口の部材類のカバー面ないしは前面の形状が方形形状である場合には,方形を,採択するものであり,このことは本件出願前に当該分野では極く普通に行われていたこととして教示されるものである。
そして,甲第3号証発明において,金網フィルター部材に取り付けられているレンジフード用フィルター装置を,上記周知・慣用事項となっているところの不織布からなるフィルター部とその周縁部に設けられたリング状収縮性紐状体を有するカバー体で置換して,そのフィルター部で金網フィルター部材の前面を被包することは当業者が適宜実施できるものであり,このことは上記したとおりであり,そして,そのように当該カバー体で置換した発明においては,金網フィルター部材は,甲第3号証の図1,5等からみて明らかなように,その前面ないしはカバー面が方形の形状を有するものである。
してみれば,カバー面ないしは前面が方形状である金網フィルター部材の前面を不織布フィルター部材で被包する場合には,上記教示に従い,その金網フィルター部材の形状に適合すべく,その不織布フィルター部材の平面形状を方形状とすることは当業者が当然のこととして実施するものであるし,その際,被包後の体裁を整え,フィルター部の材料を無駄に消費しないようにする等のため,更に,その平面形状を一致させるようにして,本件発明1のように,不織布フィルター部を金網フィルター部材に対応して相似形状の平面方形状に形成することは,当業者が適宜実施できる設計事項に外ならない。
したがって,当該特定事項は,甲第3号証発明に周知・慣用事項となっているカバー体を適用した場合に,それに甲第2号証及び甲第5号証の記載を併せてみれば当業者が適宜実施できるものである。
[前記フィルタは,金属製フィルタの裏面での紐状体の収縮により,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,金属製フィルタに対してフィルタを取り付け,レンジフードの換気口に装着できる]との特定事項について上記するとおり,甲第3号証発明において,金網フィルター部材に取り付けられているレンジフード用フィルター装置を,上記周知・慣用事項となっているところの不織布フィルター部とその周縁部に設けられたリング状収縮性紐状体を有するカバー体で置換すること,そして,その場合,リング状収縮性紐状体を金網フィルター部材の裏面に配置することは,当業者が適宜実施できるものである。
そして,このようにリング状収縮性紐状体を金網フィルター部材の裏面に配置すれば,必然的に,その紐状体の収縮により,前記金網フィルター部材のフロント面の不織布フィルター部,, , に緊張力又は牽引力が作用し その結果 当該フィルター部を金網フィルター部材に取り付けレンジフードの吸気口に装着するようにできるものである。
そうすると,甲第3号証発明に周知・慣用事項となっているカバー体を適用した場合に当該特定事項を具備することは,少なくとも当業者が適宜実施できるものに外ならない。
以上のとおり,相違点ハに係る特定事項については,当業者が困難なく適宜なし得るものである。
そして,甲第3号証発明に甲第1,2,5号証及び上記周知事項の技術を適用して本件発明1のようにすることによって格別顕著な効果を奏したといえるものではない。
したがって,本件発明1は,甲第3号証に記載の発明に甲第1,2,4〜9号証に記載の発明及び周知・慣用の技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである 」。
イ本件発明2について「本件発明2は,本件発明1の特定事項に本件請求項2の特定事項を付加するものであり,それを分説すると次のとおりとなる。
(1)レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設され,かつ剛性で方形プレート状に形成された複数の金属製フィルタ要素で構成された金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置であって,(2)前記複数の金属製フィルタ要素の全体又は個別の金属製フィルタ要素を被包可能なフィルタと,(3)このフィルタの周縁部を収縮可能な紐状体とで構成されており,前記紐状体は,収縮率5〜60%の伸縮性紐状体で形成されている特定事項(1)についてまず 『レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設され,かつ剛性で方形プレート ,状に形成された金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置』との特定事項については,上記・・・の甲第3号証発明の認定及び対比の箇所で説示したとおりである。
そうであれば,上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証に記載の発明及び周知・慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明においても,当該特定事項を具備するものである。
次いで,当該『金属製フィルタを複数の金属製フィルタ要素で構成する』ことについては,甲第3号証で,その図5及び前記説示(C-5)により,レンジフードの排気口に金網製フィルター部材を二つ配置することが示される。
そうであれば,上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証に記載の発明及び周知・慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明においても,当該特定事項を具備するものである。
特定事項(2)についてこの特定事項においては,前記複数の金属製フィルタ要素につき 『個別の金属製フィルタ ,要素を被包可能なフィルタ』との態様を含むものである。
そして,甲第3号証で,その図5及び前記説示(C-5)により,レンジフードの排気口に金網製フィルター部材を二つ配置した場合に,金網製フィルター部材に個別にフィルタを装着することが示されている。
そうであれば ・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証に記載の発明及び周知・ ,慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明においても,当該特定事項を具備するものである。
特定事項(3)について『このフィルタの周縁部を収縮可能な紐状体とで構成されており』についてこの特定事項は,上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明においても具備するものである。
『前記紐状体は,収縮率5〜60%の伸縮性紐状体で形成されている』について上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明において,不織布フィルター部の周縁に周知・慣用技術であるリング状伸縮性紐状体が設けられるものであるが,そのリング状伸縮性紐状体の素材としてゴム[甲第5号証〔前記摘示(E-7 ,参考資料2(第4頁第21〜22行 ,実公平7-12824号 ) )公報(第3頁左欄第36〜41行 ]が用いられるものであり,そして,ゴムは,通常5〜6 )0%程度の収縮率を示す(必要ならば,参考資料6(判決注:1989年(平成元年)1月25日発行の「工業材料活用ハンドブック」142〜145頁)のゴム弾性材料の『のび%』の項,特開平9-192428号公報の段落0028,等を参照)ものであり,したがって,上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明において,当該特定事項を具備するようにすることに何等の困難性も伴わない。
そして,上記特定事項(1)〜(3)を付加することによって格別顕著な効果を奏したものであるということもできない。
したがって,本件発明2は,甲第3号証に記載の発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用事項の技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである 」。
ウ本件発明3について「本件発明3は,本件発明1又は2の特定事項に本件請求項3の特定事項を付加するものであり,それを分説すると次のとおりとなる。
(4)金属製フィルタ又はフィルタ要素のフロント面よりもサイズが大きく,(5)平面方形状のフィルタのうち4つのコーナー部と各辺に対応する周縁部の少なくとも一箇所との挿通孔に伸縮性紐状体が挿通しており,(6)フィルタの取付状態では,金属製フィルタ又はフィルタ要素の裏面において伸縮性紐状体を収縮させ,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させるフィルタ装置特定事項(4)について上記・・・の相違点イ及びハについての箇所で説示したとおり,不織布フィルター部の金網フィルター部材への取付けは,金網フィルター部材の裏面におかれたリング状収縮性紐状体により行われるものであるが,このようにリング状収縮紐状体が裏面に存在すれば,当該紐状体と結合する不織布フィルター部は,金網フィルター部材の表面を被包し,金網フィルター部材をカバーするだけでなく,その裏面にまで亘って存在していることになる。
そうであれば,この場合の不織布フィルター部のサイズは,金網フィルター部材のフロント面のサイズよりも大きいといえるものであり,また,当該不織布フィルター部を含むカバー体は当然のこととして金網フィルター部材のフロント面のサイズよりも大きいといえる。
してみれば,上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証に記載の発明及び周知・慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明においても,当該特定事項を具備するものである。
特定事項(5)について上記・・・の相違点イ及びハについての箇所で説示したとおり,不織布フィルター部の金網フィルター部材への取付けは,金網フィルター部材の裏面におかれたリング状収縮性紐状体の収縮力により行われるものである。
そして,甲第5号証には,レンジフード用換気扇に用いることができる『フィルタと該フィルタの周縁部に設けられ上記周縁部を収縮可能な紐状体とを有する換気扇カバー 〔前記摘示』(E-2)及び(E-1 〕につき,前記摘示(E-7)及び(E-9)によれば 『伸縮性紐 ) ,状体(2)は,環状挿通孔(3)に収容された状態で配されている』及び『収縮性紐状体は縫合等の適宜の手段によりフィルタ(1)の周縁部と少なくとも部分的に一体に設けてもよい』旨示されるものであり,このように,レンジフード用フィルタの周縁部に取り付ける収縮性紐状体の取付け方法として,挿通孔を採用することができること,そして,伸縮性紐状体はフィルタの周縁部に部分的に取り付けることが示される。
そしてまた,当該甲第5号証に記載される上記技術は,収縮性紐状体の収縮力によりフィルタをレンジフードの部材に取り付ける点で,甲第3号証発明から導き出された上記のものと共通する。
してみれば,上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明において,カバー体の不織布フィルター部の周縁部にリング状伸縮性紐状体を取り付けるときに,当該リング状伸縮性紐状体を当該フィルター部の周縁部に部分的に取り付けることとなし,その場合,フィルター部の周縁部ができるだけ均一に収縮するように,不織布フィルター部の周縁部の4つのコーナー部と各辺部に対応する周縁部の少なくとも1箇所に当該リング状伸縮性紐状体を取付けること,また,その取付け手段としてフィルター部に設けられた挿通孔を採用して,当該特定事項のようにすることは当業者にとって何らの困難性も伴わない。
特定事項(6)について当該特定事項は,上記・・・で甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明においても具備するものである。
そして,上記特定事項(4)〜(6)を付加することによって格別顕著な効果を奏するものであるということもできない。
したがって,本件発明3は,甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用事項の技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである 」。
( )審決判断23ア本件発明1について「甲第5号証には,換気扇カバーとその取付構造に関する事項が記載されており,その具体的な構成につき検討する。
甲第5号証の前記摘示(E-1)では 『換気口に取付けられる換気扇カバーであって,該 ,換気扇カバーが,フィルタと,該フィルタの周縁部に設けられ,かつ上記周縁部を収縮可能な紐状体とを有する換気扇カバー』が示される。
そして,甲第5号証の前記摘示(E-2)で『レンジフード用換気扇・・・換気量に応じた大きさの換気口が必要である ・・・・多種類の換気扇カバーを用意する必要がある 』と記載 。 。
され,また,前記摘示(E-3)で『本考案の目的は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,換気口の大きさが異なっていても,容易に取付けることができる安価な換気扇カバーを提供することにある 』と記載され,これらの記載によれば,そこで記載される換気扇カバーは 。
レンジフード用換気扇に取付けるものを含むものである。
,,(), , また 当該フィルタは 前記摘示 E-6 によれば 不織布で形成されているものであり当該収縮可能な紐状体は,前記摘示(E-7)によれば,合成ゴム等からなる環状の外形を有するものである。
以上のことから,甲第5号証には,『換気口に取付けられるレンジフード用換気扇カバーであって,該換気扇カバーが,不織布からなるフィルタと,該フィルタの周縁部に設けられ,かつ上記周縁部を収縮可能な環状紐状体とを有するレンジフード用換気扇カバー』に関する発明(甲第5号証発明)が記載されているということができる。
そこで,本件発明1と甲第5号証発明とを対比する。
甲第5号証発明の『換気扇カバー『フィルタ『収縮可能な環状紐状体』は,本件発明1 』,』,の『フィルタ装置『フィルタ『リング状伸縮性紐状体』にそれぞれ相当する。 』,』,よって,両者は,『フィルタ装置であって,フィルタと,このフィルタの周縁部に取り付けられるリング状伸縮性紐状体とで構成され,前記フィルタは,不織布で構成されている,レンジフードの換気口に装着できるフィルタ装置』である点で一致し,以下の点で,相違する。
【相違点A】フィルタ装置が,本件発明1では 『レンジフードのフード内の排気口に着脱可 ,能に配設されている金属製フィルタを覆うための』ものであるのに対して,甲第5号証発明では,レンジフードの換気口に取り付けられるものの,上記特定事項を具備しない点【相違点B】当該フィルタが,本件発明1では 『前記金属製フィルタのフロント面をカバー ,可能な』ものであるのに対して,甲第5号証発明では,そのことが示されず,当該特定事項を具備しない点【相違点C】当該リング状伸縮性紐状体が,本件発明1では 『フィルタを,前記フロント面 ,で緊張させて前記金属製フィルタに取付けるための』ものであるのに対し,甲第5号証発明では,金属製フィルタが示されず,当該特定事項を具備しない点【相違点D】当該金属製フィルタにつき,本件発明1では 『前記金属製フィルタは剛性で方 ,形プレート状に形成されているとともに,上端部が排気口の上部に形成された溝又はスリットに挿入可能であり,下端部が排気口の下部に形成された溝に挿入可能である』とするのに対して,甲第5号証発明では,金属製フィルタが示されず,当該特定事項を具備しない点【相違点E】当該フィルタが,本件発明1では 『金属製フィルタのフロント面を被包可能な ,サイズを有し,かつ前記金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されており,金属製フィルタの裏面での紐状体の収縮により,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,金属製フィルタに対してフィルタを取り付け,レンジフードの換気口に装着できる』ものであるのに対して,甲第5号証発明では,金属製フィルタが示されず,当該特定事項を具備しない点以下,上記相違点に係る特定事項が容易に想到できるか否かにつき検討する。
【相違点A及びBについて】甲第5号証発明におけるレンジフード用換気扇カバーは,換気扇の換気口に取付けられるものであり,フィルタを含む当該カバーは調理用排ガスを浄化するために用いられるものであることは明白である。
一方,レンジフードの分野においては,フード内の排気口の位置に,剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設け,かつ,その金属フィルタの表面側に不織布からなるフィルタで覆うことは,本件出願前の周知・慣用の技術[必要ならば,実願平2-8325号(実開平3-98922号)のマイクロフィルム〔第1頁第5〜17行,第5頁第12〜16行,第7頁下から第3行〜第8頁第7行,第9頁第9〜14行及び第5図及び第9図 ,甲第3号証〔前〕記摘示(C-4(C-5)及び図5〕等の記載を参照]となっており,この周知・慣用の技 ),術においても,その金属フィルタの表面側にフィルタを覆うことにより,金属フィルタが設けられる位置で調理用排ガスを浄化できることは明らかなことである。
そして,上記周知・慣用技術におけるフィルタは,甲第5号証発明と同じように,調理用排ガス処理機器の排出口部位において調理用排ガスを浄化する目的で用いられるものであって,また,それは,甲第5号証発明のものと同じように不織布からなるものである。
そうであれば,甲第5号証発明の『不織布からなるフィルタと,該フィルタの周縁部に設けられ,かつ上記周縁部を収縮可能な環状紐状体とを有するレンジフード用換気扇カバー』を,同じ目的で用いられかつ同じ繊維材料からなる上記周知・慣用技術のフィルタに替えて用いること,すなわち,上記周知・慣用技術における『レンジフードのフード内の排気口の位置に,着脱自在に設けられた剛性で四角形板状の金属フィルタ』の用途に適用することとし,当該カバーでレンジフードのフード内の排気口に着脱自在に配置された金属フィルタを覆うようにすることは当業者であれば直ちに想到することができる。
そして,当該カバーで当該金属フィルターを覆う際,金属フィルターの表面が不織布からなるフィルタで覆われていたのであるから,当該カバーのフィルタは金属フィルタのフロント面を覆うようにすることは当然のことである。
この場合,上記周知・慣用技術における『金属フィルタ』は,本件発明1の『金属製フィルタ』に相当する。
してみれば,甲第5号証発明において,そのカバーを上記周知・慣用の用途に適用することにより,上記相違点A及びBに係る特定事項を具備するようにすることは当業者が直ちに想到できるものである。
【相違点Cについて】上記相違点A及びBについての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明のカバーを上記周知・慣用の用途に適用することは当業者であれば直ちに想到できるものである。
そして,甲第5号証発明のカバーは,その前記摘示(E-5)及び第1図の記載からみて明らかなように浅い袋状の外観を呈し,かつ,前記摘示(E-8)により,その袋の出口部に設けられた伸縮可能な環状紐状体の収縮力により物品(換気口)に取り付けられるものであり,そしてまた,上記したとおり金属フィルタは板状の外観を呈するものである。
してみれば,甲第5号証発明の袋状のカバーを板状の金属フィルタに適用して,金属フィルタのフロント面を覆うようにする場合には,必然的に,カバーのフィルタは金属フィルタの前面の全てを覆い,かつ,カバーの伸縮可能な環状紐状体は金網フィルター部材の裏面に配置され,これにより,更に必然的に,カバーのフィルタは金属フィルタの前面を被包することになり,かつ,当該フィルター部が裏面に位置する環状紐状体の収縮力で,フィルタを金属フィルタのフロント面で緊張させて金属フィルタに固定ないしは取り付けるようになるものである。
また,そのようにすることは,甲第1号証の記載につき,前記・・・相違点イについての箇所で説示することからみても当業者が当然のこととしてなし得ることである。
してみれば,甲第5号証発明において,上記周知・慣用の用途に適用することにより,相違点A及びBに係る特定事項に加えて,上記相違点Cに係る特定事項を具備するに至るものであり,また,当業者が困難なく適宜なし得るものである。
【相違点Dについて】上記相違点A及びBについての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明のカバーを上記周知・慣用の用途に適用することは当業者であれば直ちに想到できるものである。
また,上記周知・慣用の用途においては,金属フィルタは剛性で四角形板状に形成されていることは上記したとおりである。
そして,金属フィルタの如きフィルタ部材をレンジフードの排気口に設置する場合,排気口の上下部に設けた溝に挿入することにより同部材を取付けることは,本件出願前に周知・慣用の技術[必要ならば,実願平2-8325号(実開平3-98922号)のマイクロフィルム〔第2頁第7〜16行及び第9図 ,特開平9-72589号公報(第2頁左欄第43行〜右 〕, , )] 欄第10行 5頁左欄第38〜42行 第5頁右欄第12〜14行及び図8 等の記載を参照となっている。
してみれば,甲第5号証発明のカバーを上記周知・慣用の用途に適用したときに,被カバー部材である金属フィルタが剛性で方形プレート状に形成することは当然のこととして具備するものであるし,また,そのとき,その金属フィルタのレンジフードの排気口への設置に際し,溝に挿入可能であるとする上記周知・慣用技術を適用し,当該特定事項のようにすることには何らの困難性も伴わない。
したがって,甲第5号証発明において,上記周知・慣用の用途に適用することにより,そして,溝に挿入可能であるとする上記周知・慣用技術を適用することにより,当該相違点Dに係る特定事項を具備するようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
【相違点Eについて】[金属製フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有し]との特定事項について上記相違点Cについての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明の袋状のカバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場合,カバーのフィルタは金属フィルタの前面の全てを覆い,金属フィルタの前面を被包することになるものであり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
そして,カバーのフィルタは金属フィルタの前面の全てを覆い,金属フィルタの前面を被包するということであれば,そのカバーのフィルタは,金属フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有しているということができる。
そうすると,甲第5号証発明において,上記周知・慣用の用途に適用する場合には,自ずと,, 。 当該特定事項を具備するに至るものであり また 当業者が困難なく適宜なし得るものである[前記金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されており]との特定事項について一般に,板状体を柔軟シート体で被包する場合には,該シート体と該板状体との平面形状が不一致であると,被包後に該シート体と該板状体との間に不必要な空間が発生したり,体裁が損なわれたり,また,該板状体に対して該シート体の材料に過不足が発生するなどの不都合が生ずるものであり,このことは,その該シート体に収縮性紐状体が取り付けられているか否かにかかわらず,当業者が自明なこととして把握できる。
そして,甲第5号証発明においてカバーのフィルタで金属フィルタのフロント面を被包することは当業者が適宜なし得るものであることは前記したとおりであるが,この場合,金属フィルタはカバーのフィルタとの相対的関係でいうと,上記の板状体に対応し,フィルタは同じく上記の柔軟シート体に対応する。
してみれば,甲第5号証発明のカバーのフィルタで金属フィルタのフロント面を被包する場合には,上記不都合を避けるために,カバーのフィルタの形状を(紐状体を取り付ける前の形状を ,金属フィルタの四角形,すなわち,方形状にあわせて,本件発明1のように『金属フ )ィルタに対応した相似形状の平面方形状』に形成することは,当業者が当然のこととして実施し得るものであり,むしろそのようにしないことの方が不自然でさえある。
そうすると,甲第5号証発明のカバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場合において,当該特定事項を具備するようにすることは,当業者が適宜実施できる設計事項に外ならない。
[金属製フィルタの裏面での紐状体の収縮により,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,金属製フィルタに対してフィルタを取り付け,レンジフードの換気口に装着できる]との特定事項について上記相違点Cについての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明の袋状のカバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場合,カバーの伸縮可能な環状紐状体は金網フィルター部材の裏面, ,, に配置され カバーのフィルタは金属フィルタの前面を被包することになるものであり またそのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
, , そして そのようにカバーの伸縮可能な環状紐状体は金網フィルター部材の裏面に配置されカバーのフィルタは金属フィルタの前面を被包することになれば,必然的に,その裏面に配置された当該環状紐状体の収縮により,前記金網フィルター部材のフロント面でカバーのフィルタに緊張力又は牽引力が作用するようになるものであって,その作用の下に当該フィルタが金属フィルタに取付けられることになり,その結果,当該フィルタはレンジフードの換気口に装着されるものである。
そうすると,甲第5号証発明の袋状のカバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場合においては,当該特定事項は自ずと具備するに至るものであり,また,当業者が困難なく適宜なし得るものである。
してみれば,甲第5号証発明において相違点A〜Dに係る特定事項に加えて,上記相違点Eに係る特定事項を具備するようにすることは,当業者が容易に想到できるものである。
そして,そのことによって格別顕著な効果を奏したといえるものではない。
したがって,本件発明1は,甲第5号証に記載の発明に甲第1〜4,6〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである 」。
イ本件発明2について「本件発明2は,本件発明1の特定事項に本件請求項2の特定事項を付加するものであり,それを分説すると次のとおりとなる。
(1)レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設され,かつ剛性で方形プレート状に形成された複数の金属製フィルタ要素で構成された金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置であって,(2)前記複数の金属製フィルタ要素の全体又は個別の金属製フィルタ要素を被包可能なフィルタと,(3)このフィルタの周縁部を収縮可能な紐状体とで構成されており,前記紐状体は,収縮率5〜60%の伸縮性紐状体で形成されている特定事項(1)についてまず 『レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設され,かつ剛性で方形プレート ,状に形成された金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置』との特定事項については,上記・・・の相違点A及びBとDについての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明に周知・慣用の技術を適用した場合には,当然具備するものである。
次いで,当該『金属製フィルタを複数の金属製フィルタ要素で構成する』ことについては,甲第3号証で,その図5及び前記説示(C-5)により,レンジフードの排気口に金網製フィルター部材を二つ配置することが示される以上,この公知技術に基づき,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合において,その金属フィルタを二つの金属製要素で構成して当該特定事項を具備するようにすることに何等の困難性も伴わない。
特定事項(2)についてこの特定事項においては,前記複数の金属製フィルタ要素につき 『個別の金属製フィルタ ,要素を被包可能なフィルタ』との特定事項を付加する態様を含むものである。
そして,甲第3号証で,その図5及び前記説示(C-5)により,レンジフードの排気口に金網製フィルター部材を二つ配置した場合に,金網製フィルター部材に個別にフィルタを装着することが示されている。
そうであれば,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合において,その金属フィルタを二つの金属製要素で構成したときに,カバーのフィルタにて二つの金属製フィルタ要素を個別に被包できるようにして,当該特定事項を備えるようにすることに何等の困難性も伴わない。
特定事項(3)についてまず 『このフィルタの周縁部を収縮可能な紐状体とで構成されており』との特定事項は, ,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合においても,自ずと具備するものである。
,『, 』, 次いで前記紐状体は 収縮率5〜60%の伸縮性紐状体で形成されている については甲第5号証発明では,不織布からなるフィルタの周縁部に収縮可能な環状紐状体が取り付けら, ,, れるものであって その環状体の素材として合成ゴムが用いられるものであるが 合成ゴムは通常5〜60%程度の収縮率を示す(必要ならば,参考資料6のゴム弾性材料の『のび%』の項,特開平9-192428号公報の段落0028,等を参照)ものであり,したがって,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合において,その収縮可能な環状紐状体の収縮率を5〜60%程度となして,当該特定事項を具備するようにすることに何等の困難性も伴わない。
そして,上記特定事項(1)〜(3)を付加することによって格別顕著な効果を奏したものであるということもできない。
したがって,本件発明2は,甲第5号証に記載の発明に甲第1〜4,6〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである 」。
ウ本件発明3について「本件発明3は,本件発明1又は2の特定事項に本件請求項3の特定事項を付加するものであり,それを分説すると次のとおりとなる。
(4)金属製フィルタ又はフィルタ要素のフロント面よりもサイズが大きく,(5)平面方形状のフィルタのうち4つのコーナー部と各辺に対応する周縁部の少なくとも一箇所との挿通孔に伸縮性紐状体が挿通しており,(6)フィルタの取付状態では,金属製フィルタ又はフィルタ要素の裏面において伸縮性紐状体を収縮させ,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させるフィルタ装置特定事項(4)について上記・・・相違点Cについての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明を上記周知・慣用の用途に適用した場合には,そのカバーのフィルタは,金網フィルター部材のフロント面を被包することになり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
そして,当該フィルタは金網フィルター部材のフロント面を被包するのであるから,当然の, ,, こととして 金網フィルター部材のフロント面よりもサイズが大きいものであり そしてまた当該フィルタを含むカバーは,同じく,金網フィルター部材のフロント面よりもサイズが大きいものである。
したがって,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合においては,当該特定事項を自ずから具備するものであり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
特定事項(5)について甲第5号証には,その前記摘示(E-7)及び(E-9)によれば 『伸縮性紐状体(2) ,は,環状挿通孔(3)に収容された状態で配されている』及び『収縮性紐状体は縫合等の適宜の手段によりフィルタ(1)の周縁部と少なくとも部分的に一体に設けてもよい』旨記載されるものであり,このように,甲第5号証発明におけるフィルタへの収縮可能な環状紐状体を取付ける場合には,挿通孔を採用することができること,そして,当該環状紐状体はフィルタの周縁部に部分的に取り付けることが示される。
してみれば,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合において,カバーのフィルタの周縁部に収縮可能な環状紐状体を取り付けるときに,当該環状紐状体を当該フィルタの周縁部に部分的に取り付けることとなし,その場合,当該フィルタの周縁部ができるだけ均一に収縮するように,当該フィルタの周縁部の4つのコーナー部と各辺部に対応する周縁部の少なくとも1箇所に当該環状紐状体を取付けること,また,その取付け手段として当該フィルタに設けられた挿通孔を採用して,当該特定事項のようにすることは当業者にとって何らの困難性も伴わない。
特定事項(6)について当該特定事項については上記・・・相違点Eについての箇所で説示したとおりであり,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合において,当該特定事項を自ずから具備するものであり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
そして,上記特定事項(4)〜(6)を付加することによって格別顕著な効果を奏したものであるということもできない。
したがって,本件発明3は,甲第5号証発明に甲第1〜4,6〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである 」。
( )審決判断34ア本件発明1について「甲第2号証には,換気扇用のフィルター体に関する事項が記載されており,その具体的な構成につき検討する。
甲第2号証には,その前記摘示(B-1)によれば 『不織布を用いてフィルター部を形成 ,し,該フィルター部周縁に弾性又は伸縮自在とする筒状の覆体を結合した換気扇用のフィルター体』が記載され,そして,当該フィルター体は,前記摘示(B-3)と図3及び4の記載によれば,キッチンフードのフード内の排気口に着脱可能に配設されるフードカバーを覆う用途で用いるものであって,フードカバーのフロント面をカバーし,更に,そのフィルタ体のフィルター部は,平面方形状に設けられていることが示されるものである。
そこで,本件発明1と上記の甲第2号証に記載の発明(甲第2号証発明)とを対比する。
甲第2号証発明の『キッチンフード『フィルター体『フィルター部』は,本件発明1の 』,』,『レンジフード『フィルタ装置『フィルタ』にそれぞれ相当する。 』,』,また,甲第2号発明の『フードカバー』は本件発明1の『金属製フィルタ』に対応し,両部材は,共に,キッチンフードないしはレンジフードにおける前面部材であるということができる。また,甲第2号証発明の『弾性又は伸縮自在とする筒状の覆体』は本件発明1の『リング状伸縮性紐状体』に対応し,両部材は,共に 『収縮性部材』であるということができる。 ,, , () そして 甲第2号証発明のフィルター体については その第3及び4図と前記摘示 B-3の『方形状のフードカバー12の前面に,前記したフィルター体Bのフィルター部7を位置させる。さらに,フィルター体Bの覆体8を引っ張るようにフードカバー12外周縁より内側に向け覆う様にして手を離せば,覆体8の弾性により覆体8の開口部は収縮し,フードカバー12内側に絡み付く様に覆着する。該フィルターBを覆着させたフードカバー12を,前記フードカバー12の受11に嵌着することによって 』との記載から,当該フィルター部をフード ,カバーのフロント面で緊張させてフードカバーに取り付けるところの覆体を有しているということができるものであり,また,その覆体の収縮により,前記フロント面のフィルター体に緊張力又は牽引力を作用させて,フードカバーに対してフィルター部を取り付け,キッチンフードの換気口に装着できるといえるものである。
よって,両者は,『レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設されている前面部材を覆うためのフィルタ装置であって,前記前面部材のフロント面をカバー可能なフィルタと,このフィルタの周縁部に取り付けられ,かつフィルタを,前記フロント面で緊張させて前記前面部材に取付けるための収縮性部材とで構成されており,前記フィルタは,不織布で構成されており,伸縮性部材の収縮により,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,前面部材に対し, 』, てフィルタを取り付け レンジフードの換気口に装着できるフィルタ装置 である点で一致し以下の点で相違する。
【相違点a】該前面部材が,本件発明1では 『金属製フィルタ』であって 『剛性で方形プレ , ,ート状に形成されている』というのに対して,甲第2号証発明では,そのことが明示されず,当該特定事項を具備しない点【相違点b】該前面部材が,本件発明1では 『上端部が排気口の上部に形成された溝又はス ,リットに挿入可能であり,下端部が排気口の下部に形成された溝に挿入可能である』というのに対して,甲第2号証発明ではそのことが明示されず,当該特定事項を具備しない点【相違点c】該収縮部材が,本件発明1では 『リング状伸縮性紐状体』であるというのに対 ,して,甲第2号証発明では当該特定事項を具備しない点【相違点d】伸縮性部材の収縮によりフィルタを取り付ける態様が,本件発明1では 『金属,製フィルタの裏面で紐状体の収縮により』とされるのに対して,甲第2号証発明では当該特定事項を具備しない点【相違点e】該フィルタが,本件発明1では 『金属製フィルタのフロント面を被包可能なサ ,イズを有する』というのに対して,甲第2号証発明ではそのことが明示されず,当該特定事項を具備しない点【相違点f】該フィルタが,本件発明1では 『前記金属製フィルタに対応した相似形状に形 ,成されている』というのに対して,甲第2号証発明ではそのことが明示されず,当該特定事項を具備しない点以下,上記相違点に係る特定事項が容易に想到できるか否かにつき検討する。
【相違点aについて】甲第2号証発明のフードカバー(前面部材)は,キッチンフードのフード内の排気口に取り付けられるものであって,それはカバーというのであるから,外部からの異物の侵入等を防止するために設けられたものであると認められる。
そして,当該フードカバーを覆う甲第2号発明のフィルター体は,それはフィルターというのでありかつキッチンフード内に設けられるものであるから,キッチンフード内の当該ガード設置位置で調理用排ガスを浄化するために設けられたものである。
一方,キッチンフードないしはレンジフードの分野においては,甲第2号証発明のフードカバーが設けられる如きフード内の排気口の位置に,剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設け,かつ,その金属フィルタの表面側に不織布からなるフィルタで覆うことは,本件出願前の周知・慣用技術[必要ならば,実願平2-8325号(実開平3-98922号)のマイクロフィルム〔第1頁第5〜17行,第5頁第12〜16行,第7頁下から第3行〜第8頁第7行,第9頁第9〜14行,第5図及び第9図 ,甲第3号証〔前記摘示(C-4(C- 〕 ),5)及び図5〕等の記載を参照]となっている。
そして,この周知・慣用の技術においても,その金属フィルタの表面側にフィルターを覆う, ,, ことにより 金属フィルタが設けられる位置で調理用排ガスを浄化できるものであるし 更に金属フィルタが剛性であれば,当該金属フィルターは調理用排ガスを浄化するだけでなく,甲第1号証発明のカバーのように外部からの異物の侵入等を防止することができるものである。
してみれば,甲第2号証発明において,そのフィルター体が覆う対象物を,フードカバーに替えて,上記周知・慣用技術で示される同等ないしはそれ以上の役割を担うところの『フード内の排気口の位置に着脱自在に設けられ剛性で四角形板状の金属フィルタ』を採択することにより,本件発明1の相違点aの特定事項のようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
【相違点bについて】甲第2号証発明に上記周知・慣用技術を適用することにより,本件発明1の相違点aに係る特定事項を具備するようにすることは当業者の適宜なし得るものであることは上記したとおりである。
そして,キッチンフードないしはレンジフードの分野において,金属フィルタ等のフィルタをそのフード内に設けた上下の溝に挿入することによりフードに固定することは,本件出願前の周知・慣用技術[必要ならば,実願平2-8325号(実開平3-98922号)のマイクロフィルム〔第2頁第7〜16行及び第9図 ,特開平9-72589号公報(第2頁左欄第 〕43行〜右欄第10行,第5頁左欄第38〜42行,第5頁右欄第12〜14行及び図8)等の記載を参照]となっている。
してみれば,甲第2号証発明で上記相違点aに係る特定事項を具備することとなし,これにより金属フィルタを用いた場合には,当該金属フィルタの着脱手段として上記周知・慣用技術のフード内に設けた上下の溝によるものを採用して,本件発明1の相違点bの特定事項のようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである。
【相違点cについて】甲第2号証発明におけるフィルター体の『弾性又は伸縮自在とする筒状の覆体』は,不織布からなるフィルター部に対してその周縁に結合されるものである。
そして,甲第2号証発明で上記相違点a及びbに係る特定事項を具備することとなし,フードカバーに替えて金属フィルタを用いた場合には,当該覆体は,フィルター体のフィルター部をレンジフードに設けられた金属フィルタに覆着させるために用いられるものである。
一方,調理用排ガスを処理する当該分野において 『繊維製フィルタの周縁部に固定したリ ,ング状伸縮性紐状体により,当該繊維性フィルタを,調理用排ガス処理機器の前面に設けた部材に取付けること』は本件出願前に周知・慣用の技術[甲第1号証〔前記摘示(A-1)及び第3〜7図 ,甲第5号証〔前記摘示(E-2)の台所用換気扇及びレンジフード用換気扇に 〕関する記載 (E-6)〜(E-8)及び第3図 ,参考資料2(第2頁左欄第2〜6行,第3 , 〕頁第4〜5行,第3頁第9〜12行,第4頁第21〜22行及び図1)等を参照]となっている。
そして,第2号証発明の当該覆体と当該周知・慣用のリング状伸縮性紐状体とは,共に,繊維製フィルタの周縁部に設けられたものであって,その伸縮性によって繊維性フィルタを調理用排ガス処理機器に設けた部材に取り付ける点で適用箇所及び機能が共通するものである。
そうであれば,甲第2号証発明が上記相違点a及びbに係る特定事項を具備することとなした場合において,その覆体を周知・慣用技術であるリング状伸縮性紐状体に置き換えて,本件発明1の相違点cに係る特定事項のようにすることは当業者が困難なく適宜実施できるものである。
【相違点d及びeについて】上記相違点cにつての箇所で説示したとおり,甲第2号証発明が上記相違点a及びbに係る特定事項を具備することとなしたときに,その覆体を周知・慣用技術であるリング状伸縮性紐状体に置き換えた場合には,リング状伸縮性紐状体によって,フィルター部を金属フィルタに取り付けることになる。
, , , そして リング状伸縮性紐状体によって フィルター部を金属フィルタに取り付ける際にはその取付けを安定なものとするためには当該リング状収縮性紐状体を金属フィルタの裏面に位置させるようにする外はなく,これにより,必然的に,フィルター体のフィルター部が金属フィルタの前面を被包することになり,かつ,当該フィルター部が裏面に位置するリング状収縮性紐状体の収縮力で金属フィルタに固定ないしは取り付けられるようになるものである。
また,そのようにすることは,甲第1号証の記載につき,前記・・・の相違点イについての箇所で説示することからみても当業者が当然のこととしてなし得ることである。
これにより 『金属フィルタの裏面でリング状伸縮性紐状体の収縮によりフィルター部を金 ,属フィルターに対して取り付ける』ということは当業者の適宜なし得ることであるし,また,その結果,フィルタは金属フィルタの前面を被包するのであるから 『フィルタが金属フィル ,タのフロント面を被包可能なサイズを有する』に至るものである。
そうすると,甲第2号証発明に上記相違点a〜cに係る特定事項を具備することとなした場合において,当該相違点d及びeに係る特定事項を具備するようにすることに何らの困難性も伴わない。
【相違点fについて】上記相違点cにつての箇所で説示したとおり,甲第2号証発明が上記相違点a及びbに係る特定事項を具備することとなしたときに,その覆体を周知・慣用技術であるリング状伸縮性紐状体に置き換えた場合には,リング状伸縮性紐状体によって,フィルター部を金属フィルタに取り付けることになる。
, , , そして リング状伸縮性紐状体によって フィルター部を金属フィルタに取り付ける際には当該フィルター部と当該金属フィルタとの両者の形状が一致していないと,フィルター部の材料が無駄となったり,フィルター部と金属製フィルタとの間に不必要な空間が発生する等,フィルター部による円滑な被包作業が実施できないことになるものであり,このことは,当業者にとって自明なことである。
してみれば,フィルター部の平面方形形状を,金属製フィルタの四角形,すなわち,方形状に合わせて,当該金属製フィルタと相似形状の平面方形状とすることは,当業者が直ちに想到できるものである。
そうであれば,甲第2号証発明において,上記相違点a〜eに係る特定事項を具備した場合, 。 において 当該相違点fに係る特定事項を具備するようにすることに何らの困難性も伴わないそして,甲第2号証発明に,甲第1号証及び周知・慣用技術を適用して本件発明1のようにすることによって格別顕著な効果を奏したといえるものではない。
したがって,本件発明1は,甲第2号証に記載の発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及。」 び周知・慣用技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるイ本件発明2について「本件発明2は,本件発明1の特定事項に本件請求項2の特定事項を付加するものであり,それを分説すると次のとおりとなる。
(1)レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設され,かつ剛性で方形プレート状に形成された複数の金属製フィルタ要素で構成された金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置であって,(2)前記複数の金属製フィルタ要素の全体又は個別の金属製フィルタ要素を被包可能なフィルタと,(3)このフィルタの周縁部を収縮可能な紐状体とで構成されており,前記紐状体は,収縮率5〜60%の伸縮性紐状体で形成されている特定事項(1)についてまず 『レンジフードのフード内の排気口に着脱可能に配設され,かつ剛性で方形プレート ,状に形成された金属製フィルタを覆うためのフィルタ装置』との特定事項については,上記甲第2号証発明の認定及び相違点aについての箇所で説示したとおりであり,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明においても具備するものである。
次いで,当該『金属製フィルタを複数の金属製フィルタ要素で構成する』ことについては,甲第3号証で,その図5及び前記説示(C-5)により,レンジフードの排気口に金網フィルター部材を二つ配置することが公知となっている以上,この公知技術に基づき,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明において,その金属フィルタを二つの金属製要素で構成して,当該特定事項を具備するようにすることに何等の困難性も伴わない。
特定事項(2)についてこの特定事項においては,前記複数の金属製フィルタ要素につき 『個別の金属製フィルタ ,要素を被包可能なフィルタ』との態様を含むものである。
そして,甲第3号証で,その図5及び前記説示(C-5)により,レンジフードの排気口に金網フィルター部材を二つ配置した場合に,金網フィルター部材に個別にフィルタを装着することが公知となっている。
そうであれば,この公知技術に基づいて,上記特定事項(1)の箇所で記載したとおり,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより導, , き出した発明において その金属フィルターを二つの金属製要素で構成するようにしたときに個別の金属フィルタ要素,すなわち,単一の金属フィルタ要素をフィルター部で被包するようにして,当該特定事項を具備するようにすることに,これまた,何等の困難性も伴わない。
特定事項(3)について『このフィルタの周縁部を収縮可能な紐状体とで構成されており』についてこの特定事項は,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明においても具備するものである。
『前記紐状体は,収縮率5〜60%の伸縮性紐状体で形成されている』について上記・・・で甲第2号証に記載の発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明においては,フィルター部の周縁に周知・慣用技術であるリング状伸縮性紐状体が設けられるものであるが,そのリング状伸縮性紐状体の素材としてゴム甲第1号証 前記摘示 A-1甲第5号証 前記摘示 E-7参考資料2 第 [〔〔()〕,〔(),(4頁第21〜22行 ]が用いられるものであり,そして,ゴムは,通常5〜60%程度の収 )縮率を示す(必要ならば,参考資料6のゴム弾性材料の『のび%』の項,特開平9-192428号公報の段落0028,等を参照)ものであり,したがって,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明において,当該特定事項を具備するようにすることに何等の困難性も伴わない。
そして,上記特定事項(1)〜(3)を付加することによって格別顕著な効果を奏したものであるということもできない。
したがって,本件発明2は,甲第2号証に記載の発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及。」 び周知・慣用技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるウ本件発明3について「本件発明3は,本件発明1又は2の特定事項に本件請求項3の特定事項を付加するものであり,それを分説すると次のとおりとなる。
(4)金属製フィルタ又はフィルタ要素のフロント面よりもサイズが大きく,(5)平面方形状のフィルタのうち4つのコーナー部と各辺に対応する周縁部の少なくとも一箇所との挿通孔に伸縮性紐状体が挿通しており,(6)フィルタの取付状態では,金属製フィルタ又はフィルタ要素の裏面において伸縮性紐状体を収縮させ,前記フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させるフィルタ装置特定事項(4)について上記相違点及びeについての箇所で説示したとおり,甲第2号証発明が上記相違点a及びdbに係る特定事項を具備することとなしたときに,その覆体を周知・慣用技術であるリング状伸縮性紐状体に置き換えた場合には,そのフィルター体のフィルター部は,金属フィルタのフロント面を被包することになる。
そして,当該フィルター部は金属フィルタのフロント面を被包するのであるから,当然のこととして,金属フィルタのフロント面よりもサイズが大きいものであり,そしてまた,当該フィルター部を含むフィルター体は,同じく,金網フィルター部材のフロント面よりもサイズが大きいものである。
したがって,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明においては,当該特定事項を自ずから具備するものである。
特定事項(5)について上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明においては,平面方形状のフィルター部の周縁にリング状伸縮性紐状体が取り付けられているものであって,そのリング状伸縮性紐状体の収縮力によりフィルター部の周縁部を収縮させることによって,フィルター部を含むフィルター体を金属製フィルタに取り付けるものである。
そして,甲第5号証には,レンジフード用換気扇に用いることができる『フィルタと該フィルタの周縁部に設けられ上記周縁部を収縮可能な紐状体とを有する換気扇カバー 〔前記摘示』(E-2)及び(E-1 〕につき,前記摘示(E-7)及び(E-9)によれば 『伸縮性紐 ) ,状体(2)は,環状挿通孔(3)に収容された状態で配されている』及び『収縮性紐状体は縫合等の適宜の手段によりフィルタ(1)の周縁部と少なくとも部分的に一体に設けてもよい』旨示されるものであり,このように,レンジフード用フィルタの周縁部に取り付ける収縮性紐(), ,, 状体 収縮可能な紐状体 の取付け方法として 挿通孔を採用することができること そして伸縮性紐状体はフィルタの周縁部に部分的に取り付けることが示される。
そしてまた,当該甲第5号証に記載される上記技術は,収縮性紐状体の収縮力によりフィルタの周縁部を収縮させフィルタをレンジフードの部材に取り付ける点で,甲第2号証発明から導き出された上記のものと共通する。
してみれば,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明において,その平面方形状のフィルター部の周縁部にリング状伸縮性紐状体を取り付けるとき,当該フィルタの周縁部に部分的に取り付けることとなし,その場合,フィルター部の周縁部ができるだけ均一に収縮するように,フィルター部の周縁部の4つのコーナー部と各辺部に対応する周縁部の少なくとも1箇所に当該リング状伸縮性紐状体を取付けること,また,その取付け手段としてフィルター部に設けられた挿通孔を採用して,当該特定事項のようにすることは当業者にとって何らの困難性も伴わない。
特定事項(6)について当該特定事項は,上記・・・で甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明においても具備するものである。
そして,上記特定事項(4)〜(6)を付加することによって格別顕著な効果を奏したものであるということもできない。
したがって,本件発明3は,甲第2号証に記載の発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及。」 び周知・慣用技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである( )本件発明1〜3の効果について5「本件明細書によれば,本件発明1〜3は 『レンジフードにおいて,サイズ,取付け角度の ,異なる種々のレンジフードの金属製フィルタ又はフィルタ要素に対して,フィルタを緊張させて簡便かつ容易に取付けでき,交換も容易である。しかも,フィルタが金属性フィルタ又はフィルタ要素から遊離するのを防止でき,レンジフードの汚染を有効に防止できる(段落00。』25)との効果を奏するというものである。
しかし,甲第5号証の前記摘示(E-4)によれば 『フィルタの周縁部には,該周縁部を ,収縮可能な紐状体が設けられているため,換気口を換気扇カバーで被冠し ・・・紐状体を収,縮性材料で形成することにより,換気口の大きさが異なっていても換気扇カバーを容易に取付けることができる』とされるものであり,参考資料1(判決注:特開平6-137622号公報)の記載によれば 『フィルター18の入口20を広げグリル17の全外周面を包むように ,覆った後,グリル17を・・・外筐9に装着する ・・・。このように入口20がゴムであり 。
伸縮性であるためグリル17の外形状に完全にフィットしてフィルター18がグリル17に固定されることにて,グリル17の形状,寸法が異なる場合においても取付可能である (第2』頁右欄第50行〜第3頁左欄第9行)とされており,参考資料2の記載によれば 『上記構成,において,換気扇カバー3のゴム2を広げて,換気扇4に被せておくと,前記ゴム2が弾性収縮することによって,大きさや形状の多少異なる換気扇であっても,本換気扇カバー3は確実に取付けられ,隙間も生じにくい ・・・そして,布材1の汚れがひどくなったら,前記換気 。
, 。』( ) 扇カバー3のゴム2を広げて 換気扇4から取り外す第4頁下から第3行〜第5頁第5行とされており,以上のことと,甲第5号証,参考資料1及び2に記載される構成からみれば,フィルター類の周縁部に収縮性紐状体を設けたカバー体では (被カバー物品がカバー体より ,もサイズが小さい限り)どのようなサイズ又は取り付け角度の被カバー物品に対しても,伸縮, ,, 性紐状体の存在により フィルタ類を簡便かつ容易に取付けることが可能なものであり また交換も容易であることがわかる。また,この場合,伸縮性部材は,カバー体と被カバー体とを結合するものであるから,その伸縮性部材の存在により,カバー体が被カバー体から遊離することが有効に防止できることはいうまでもない。
そして,当該カバー体の収縮性紐状体が被カバー物品の裏面に位置するようにすれば,その収縮性紐状体の収縮力が発現され (被カバー物品がカバー体よりもサイズが小さい限り)ど ,のようなサイズ又は取り付け角度の被カバー物品に対しても,フィルタ類を,緊張下に,同様に,簡便かつ容易に取付けることができるものであり,このことは,無理なく予測できるものである。
してみれば,甲第3号証発明において,そのレンジフード用フィルター装置を,不織布からなり,その周縁部に設けた収縮可能な紐状体を有する調理用排ガス浄化用カバー体に置き換えた場合において,また,甲第5号証発明において,そのレンジフード用換気扇カバーを金属フィルタの用途に適用した場合において,上記本件発明の効果を奏することは無理なく容易に予測できるものである。
更には,甲第2号証発明において,その覆体をリング状伸縮性紐状体に置き換えたものにあっても,上記本件発明の効果を奏することは無理なく予測できるものである 」。
第3原告の主張(審決取消事由)の要点審決は,審決判断1に関し,本件発明1と甲第3号証発明との相違点イ〜ハにつ(), () いての判断を誤り 取消事由1〜3本件発明2において付加された特定事項 1〜(3)についての判断を誤り(取消事由4 ,本件発明3において付加された特 )定事項(4)〜(6)についての判断を誤り(取消事由5 ,審決判断2に関し, )本件発明1と甲第5号証発明との相違点A〜Eについての判断を誤り(取消事由6〜8 ,本件発明2において付加された特定事項(1)〜(3)についての判断を )誤り(取消事由9 ,本件発明3において付加された特定事項(4)〜(6)につ )いての判断を誤り(取消事由10 ,審決判断3に関し,本件発明1と甲第2号証 )発明との相違点a〜fについての判断を誤り(取消事由11〜14 ,本件発明2)() ()(), において付加された特定事項 1 〜 3 についての判断を誤り 取消事由15本件発明3において付加された特定事項(4)〜(6)についての判断を誤り(取消事由16 ,本件発明1〜3の効果についての認定の誤った(取消事由17)も )のであるから,取り消されるべきである。
1取消事由1(審決判断1に係る相違点イについての判断の誤り)( )審決は,審決判断1に係る相違点イに関し,甲第5号証,参考資料2(実1願平4-248号(実開平5-5441号)のCD-ROM)及び実公平7-12824号公報を引用し,調理用排ガスを処理する当該分野においては 「不織布フ,ィルター部とその周縁部に設けたリング状伸縮性紐状体とからなり,その外観が浅い袋状の形状をなす調理用排ガス浄化用カバー体を,その紐状体の収縮力により,調理用排ガス処理機器の前面に位置する部材に着脱自在に取り付けること」は,本件出願前に周知慣用事項となっていると認定した上,甲第3号証発明において,金網フィルタ部材のフロント面をカバーし,金網フィルタ部材に取り付けられているレンジフード用フィルタ装置を,上記周知慣用のカバー体で置換することは当業者が困難なく適宜なし得るものであると判断した(18頁21行〜19頁3行 。)しかしながら,甲第3号証発明のフィルタはシート状であり 「外観が浅い袋状,の形状をなす」カバー体は,甲第3号証に記載も示唆もないから 「外観が浅い袋,」 。 状の形状をなす カバー体を甲第3号証発明と関連付ける合理的な動機付けはないのみならず,甲第3号証発明のフィルタは,金網フィルタ部材の両側部を包むものではないが,審決が挙げる上記周知例も,換気扇の側部の枠体に伸縮性紐を係止, 。,, しているにすぎず 側部の枠体を被包することは開示されていない そこで 仮に甲第3号証発明において,不織布フィルタ部で金網フィルタ部材の両側部を包むとすると,不織布フィルタ部の袋状端部の幅を金網フィルタ部材の端部の幅より大きくして,金網フィルタ部材の端部を収容することになるが,このような状態で,不織布フィルタ部の両側部を折り曲げて金網フィルタ部材の両側部を包むと,袋状端部の厚みが大きくなるため,金網フィルター部材をレンジフードに装着することが, , できなくなるだけでなく 不織布フィルタ部の他方の端部での折り曲げが規制されこれを係止部材に巻き込むことができなくなる。
したがって,甲第3号証発明において,金網フィルタ部材のフロント面をカバーし,金網フィルター部材に取り付けられているレンジフード用フィルタ装置を,上記周知慣用の不織布フィルタ部とその周縁部に設けたリング状伸縮性紐状体とからなるカバー体で置換することは,当業者といえども困難であり,審決の上記判断は誤りである。
( )審決は,甲第3号証発明のプレート状の金網フィルタに,上記カバー体を2適用する場合,必然的に,カバー体のリング状収縮性紐状体が金網フィルタ部材の裏面に位置することになって不織布フィルタ部が金網フィルタ部材の前面を被包することになると認定し,このことは,甲第1号証に,筒織裁断物とその回りに配置したゴム体からなるフィルタを,ガードに取り付ける場合に,当該筒織裁断物をガードのフロント面の前面を完全に覆ったうえでその裏面に至るようになし,かつ,当該ゴムをガードの裏面に位置させるようにすることが,実質上,記載されることからも導き得ると認定した(19頁4〜20行 。)しかしながら,甲第1号証に記載されたフィルタは,ウーリー加工したナイロン生地にゴムを取り付けたものであり,ウーリー加工したナイロン生地自身が大きな伸縮性を有するために,フィルタへのゴムの収縮力の伝播がガードの周縁部で規制され,ゴムの収縮力は,ガードの裏面のうち,周縁部の内側に位置するフィルタにしか作用しない。したがって,甲第1号証の記載から,伸縮性に乏しい不織布において,ガードの裏面にゴムを位置させることが予測できるものではない。
2取消事由2(審決判断1に係る相違点ロについての判断の誤り)審決は,甲第3号証の図1に,金網フィルタ部材の上端部及び下端部が厚みの薄い平板形状を呈しているように図示されているから,甲第3号証発明の金網フィルタ部材は,本件発明1と同じように,上端部が排気口の上部に形成された溝又はスリットに挿入可能であり,下端部が排気口の下部に形成された溝に挿入可能であるといえる旨判断した(19頁末行〜20頁6行)が,甲第3号証には,レンジフードの吸気口における金網フィルタ部材の装着用溝やスリットは記載されていないから,上記判断は誤りである。
3取消事由3(審決判断1に係る相違点ハについての判断の誤り)( )まず,審決は,審決判断1の相違点ハに係る本件発明1の「前記フィルタ1は ・・・金属製フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有し」との特定事項 ,に関し 「甲第3号証発明に周知・慣用事項となっているカバー体を適用する・・ ,・場合,カバー体の不織布フィルター部で金網フィルター部材の前面を被包することになるものである以上,当該フィルター部が金網フィルター部材のフロント面を被包可能なサイズを有するようにすることは当然のことである(20頁31〜3。」6行)と判断した。
しかしながら,上記のとおり,甲第3号証発明は,不織布フィルタ部の両側部で金網フィルタ部材の両側部を被包する(覆い包む)ものではない。また,審決が挙げる上記周知例も,換気扇の側部の枠体に伸縮性紐を係止しているにすぎず,側部の枠体を被包することは開示されていない。したがって,甲第3号証発明に,周知慣用となっているカバー体を適用しても,金属製フィルタを不織布フィルタで被包する(覆い包む)ことは導き出せず,審決の上記判断は誤りである。
( )また,審決は,審決判断1の相違点ハに係る本件発明1の「前記フィルタ2, 」 は ・・・前記金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されておりとの特定事項に関し 「甲第2号証の前記摘示(B-3)と第3及び4図の記載に ,よれば,平面形状が方形のフィルター部7でカバー面ないしは前面が方形のフードカバー12をカバーすることが示され,また,甲第5号証の第1〜3図の記載によれば,平面形状が略方形形状のフィルタでカバー面ないしは前面が略方形状の換気口をカバーすることが示され,このように,フィルター類で排気口の部材類をカバーするときには,フィルター類の平面形状としては,被カバー部材である排気口の部材類のカバー面ないしは前面の形状が方形形状である場合には,方形を,採択するものであり,このことは本件出願前に当該分野では極く普通に行われていたこととして教示されるものである(21頁4〜13行「当該特定事項は,甲第3 。」),号証発明に周知・慣用事項となっているカバー体を適用した場合に,それに甲第2号証及び甲第5号証の記載を併せてみれば当業者が適宜実施できるものである 」。
(21頁31〜33行)と判断した。
しかしながら,甲第2号証記載のフィルタ部7のサイズは排気口部材を被包するサイズではなく,これを甲第3号証発明に適用しても,上下両端部での袋状端部の形成及び係止が困難となるか,又は両側部方向にフィルタが延出し,延出したフィルタの両側部を折り曲げて金網フィルタ部材の両側部を包むと,袋状端部の厚みが大きくなり,あるいは両側部の折り曲げ方向と直交する方向の折り曲げが規制されて,金網フィルタ部材をレンジフードに装着することができなくなる。甲第5号証記載のフィルタについても同様であるだけでなく,そもそも,甲第5号証記載のフィルタは袋状であって,平面形状が略方形ではない。したがって,甲第3号証発明に甲第2,第5号証記載の発明を適用すると,矛盾が生ずるから,甲第3号証発明に甲第2,第5号証記載の発明を適用することが容易であるとはいえない。
( )さらに,審決は,審決判断1の相違点ハに係る本件発明1の「前記フィル3タは ・・・金属製フィルタの裏面での紐状体の収縮により,前記フロント面のフ ,ィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,金属製フィルタに対してフィルタを取り付け,レンジフードの換気口に装着できる」との特定事項に関し 「甲第3号証発,明において ・・・レンジフード用フィルター装置を,上記周知・慣用事項となっ ,ているところの不織布フィルター部とその周縁部に設けられたリング状収縮性紐状体を有するカバー体で置換すること,そして,その場合,リング状収縮性紐状体を金網フィルター部材の裏面に配置することは,当業者が適宜実施できるものである(21頁38行〜22頁4行「リング状収縮性紐状体を金網フィルター部 。」 ),材の裏面に配置すれば,必然的に,その紐状体の収縮により,前記金網フィルター部材のフロント面の不織布フィルター部に緊張力又は牽引力が作用し,その結果,当該フィルター部を金網フィルター部材に取り付け,レンジフードの吸気口に装着するようにできるものである(22頁5〜9行)と判断した。 。」しかしながら,上記のとおり,甲第3号証発明は,不織布フィルタ部の両側部で金網フィルタ部材の両側部を被包する(覆い包む)ものではなく,審決が挙げる上記周知例も,換気扇の側部の枠体に伸縮性紐を係止しているにすぎず,側部の枠体を被包することは開示されていないのであるから,上記特定事項を当業者が適宜実施することは困難である。
4取消事由4(審決判断1に係る本件発明2についての判断の誤り),, (),() 審決は 審決判断1に関し 本件発明2において付加された特定事項 12は,甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証に記載の発明及び周知慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明においても具備するものであり,また同特定事項(3)は,甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知慣用技術を適用することにより導き出した発明において,具備するようにすることに何らの困難性も伴わない旨判断した(22頁32行〜23頁36行 。)しかしながら,上記1〜3のとおり,本件発明1についての審決の判断が誤りであり,本件発明1が進歩性を備える以上,本件発明1に従属する本件発明2も当然に進歩性を有しており,審決の上記判断は誤りである。
5取消事由5(審決判断1に係る本件発明3についての判断の誤り),, () ( )審決は 審決判断1に関し 本件発明3において付加された特定事項 41につき 「不織布フィルター部の金網フィルター部材への取付けは,金網フィルタ ,ー部材の裏面におかれたリング状収縮性紐状体により行われる (24頁15〜1」6行「不織布フィルター部は,金網フィルター部材の表面を被包 (24頁18 ), 」行)するとの認定を前提として 「そうであれば,この場合の不織布フィルター部 ,のサイズは,金網フィルター部材のフロント面のサイズよりも大きいといえるものであり,また,当該不織布フィルター部を含むカバー体は当然のこととして金網フ。」() ィルター部材のフロント面のサイズよりも大きいといえる24頁21〜24行と判断した。
しかしながら,本件発明3が従属する本件発明1において,甲第3号証にも,審決が挙げる上記周知例にも 「フィルタ部の金網フィルタ部材への取付けは,金網 ,フィルタ部材の裏面におかれたリング状収縮性紐状体により行われる」こと 「不,織布フィルタ部は,金網フィルタ部材の表面を被包」することが開示されていないことは,上記のとおりであり,したがって,審決の上記判断は,その前提において誤りである。
,, () ( )審決は 審決判断1に関し 本件発明3において付加された特定事項 52につき 「甲第5号証には ・・・レンジフード用フィルタの周縁部に取り付ける収 ,,縮性紐状体の取付け方法として,挿通孔を採用することができること,そして,伸縮性紐状体はフィルタの周縁部に部分的に取り付けることが示される(24頁3。」3行〜25頁4行)との認定を前提として 「甲第3号証発明に甲第1,2,4〜 ,9号証及び周知・慣用事項の技術を適用することにより導き出した発明において,。」 ・・・当該特定事項のようにすることは当業者にとって何らの困難性も伴わない(25頁8〜17行)と判断した。
しかしながら,甲第3,第5号証,その他審決が挙げる上記周知例には,相似形状の不織布フィルタで金網フィルタ部材を被包した形態で,金網フィルタ部材の裏面でリング状伸縮性紐状体の収縮力を不織布フィルタに有効にさせたことは開示も示唆もされていない。したがって,特定事項(5)は,上記各証拠及び周知慣用事項の技術から導き出すことはできず,審決の上記判断は誤りである。
,, () ( )審決は 審決判断1に関し 本件発明3において付加された特定事項 63につき 「甲第3号証発明に甲第1,2,4〜9号証及び周知・慣用事項の技術を ,適用することにより導き出した発明においても具備するものである(25頁19。」〜21行)と判断したが,上記( )と同様,誤りである。
26取消事由6(審決判断2に係る相違点A,Bについての判断の誤り)審決は,審決判断2に係る相違点A,Bに関し,実願平2-8325号(実開平3-98922号)のマイクロフィルム及び甲第3号証を引用して 「レンジフー,ドの分野においては,フード内の排気口の位置に,剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設け,かつ,その金属フィルタの表面側に不織布からなるフィルタで覆うことは,本件出願前の周知・慣用の技術 (27頁12〜15行)であると 」した上 「そうであれば,甲第5号証発明の『不織布からなるフィルタと,該フィ ,ルタの周縁部に設けられ,かつ上記周縁部を収縮可能な環状紐状体とを有するレンジフード用換気扇カバー』を,同じ目的で用いられかつ同じ繊維材料からなる上記周知・慣用技術のフィルタに替えて用いること,すなわち,上記周知・慣用技術における『レンジフードのフード内の排気口の位置に,着脱自在に設けられた剛性で四角形板状の金属フィルタ』の用途に適用することとし,当該カバーでレンジフードのフード内の排気口に着脱自在に配置された金属フィルタを覆うようにすることは当業者であれば直ちに想到することができる(27頁26〜34行)と判断し 。」た。
, , , しかしながら 甲第5号証発明の換気扇は 換気口の前面が遮蔽部材で遮蔽され遮蔽部材の側方開口部から吸引するタイプのものであり,しかも,換気扇の枠体の端部等に紐状体を掛止して換気扇フィルタを取り付けるものである。したがって,甲第5号証発明と上記周知慣用技術とは,発明の構成及び作用が大きく相違するから,上記周知慣用技術を甲第5号証発明と関連付けることは困難である。
仮に,甲第5号証発明と上記周知慣用技術を組み合わせたとしても,甲第5号証発明は,紐状体を枠体の端部等に掛止しているにすぎず,また,審決が挙げる上記周知例記載のものも,不織布フィルタの両側部が金属製フィルタに重ねてあるだけであるから,不織布フィルタによって金属製フィルタを被包することまでは導き出すことができない。
したがって,審決の上記判断は誤りである。
7取消事由7(審決判断2に係る相違点C及びDについての判断の誤り)上記周知慣用技術を甲第5号証発明と関連付けることが困難であることは,上記6のとおりである。仮に,上記周知慣用技術を甲第5号証発明に適用しようとしても,例えば,甲第5号証発明において,枠体の端部等に掛止する紐状体を,枠体の存在しない周知慣用技術の金網フィルタに,どのようにして掛止するのかを理解することはできないし,遮蔽部材等を備えたレンジフードである甲第5号証発明において,周知慣用技術の金網フィルタ部材を覆うことは,構造上不可能である。さらに,仮に,甲第5号証発明と上記周知慣用技術を組み合わせたとしても,不織布フィルタによって金属製フィルタを被包することまでは導き出すことができないことも,上記のとおりである。
, , 。 したがって 審決の審決判断2に係る相違点C Dについての判断も誤りである8取消事由8(審決判断2に係る相違点Eについての判断の誤り)( )まず,審決は,審決判断2の相違点Eに係る本件発明1の「前記フィルタ1は ・・・金属製フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有し」との特定事項 ,に関し 「甲第5号証発明の袋状のカバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場 ,合 ・・・カバーのフィルタは金属フィルタの前面の全てを覆い,金属フィルタの ,前面を被包するということであれば,そのカバーのフィルタは,金属フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有しているということができる(29頁16〜2。」4行)と判断したが,上記のとおり,甲第5号証発明の袋状のカバーを上記周知慣用技術に適用したとしても,金網フィルタ部材を不織布フィルタで被包し,紐状体を金網フィルタ部材の裏面に位置させることは想起し得ず,審決の上記判断は誤りである。
( )また,審決は,審決判断2の相違点Eに係る本件発明1の「前記フィルタ2, 」 は ・・・前記金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されておりとの特定事項に関し,板状体を,これと平面形状が不一致である柔軟シート体で被包する場合の不都合について,一般的に論じた上 「してみれば,甲第5号証発明 ,のカバーのフィルタで金属フィルタのフロント面を被包する場合には,上記不都合を避けるために,カバーのフィルタの形状を(紐状体を取り付ける前の形状を ,)金属フィルタの四角形,すなわち,方形状にあわせて,本件発明1のように『金属フィルタに対応した相似形状の平面方形状』に形成することは,当業者が当然のこととして実施し得るものであり,むしろそのようにしないことの方が不自然でさえある(30頁2〜7行)と判断した。 。」しかしながら 甲第1号証及び甲第3号証に記載されたフィルタは いずれも 金 , ,「属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状」に形成されているものではなく,また,金属製フィルタにフィルタを用いた先行技術文献は数件しかない。したがって,審決の上記判断は,先行技術から自然に導かれるものではなく,本件発明1から得られた後知恵によるものである。
( )さらに,審決は,審決判断2の相違点Eに係る本件発明1の「前記フィル3タは ・・・金属製フィルタの裏面での紐状体の収縮により,前記フロント面のフ ,ィルタに緊張力又は牽引力を作用させて,金属製フィルタに対してフィルタを取り付け,レンジフードの換気口に装着できる」との特定事項に関し 「上記相違点C,についての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明の袋状のカバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場合,カバーの伸縮可能な環状紐状体は金網フィルター部材の裏面に配置され,カバーのフィルタは金属フィルタの前面を被包することになるものであり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである(30頁14〜18行)と判断した。 。」しかしながら,上記のとおり,甲第5号証発明は,紐状体を枠体の端部等に掛止しているにすぎず,また,審決が挙げる上記周知例記載のものも,不織布フィルタの両側部が金属製フィルタに重ねてあるだけであるから,仮に,甲第5号証発明と上記周知慣用技術を組み合わせたとしても,不織布フィルタの紐状体を,周知慣用技術である金網フィルタ部材の周縁部に掛止することしか予測できず,金網フィルタ部材を不織布フィルタで被包し,金網フィルタ部材の裏面に紐状体を位置させることは想起することができない。特に,甲第5号証発明は,遮蔽部材等を有するレ, , ンジフード用換気扇を想定しているから 周知慣用技術である金網フィルタ部材を不織布フィルタにより,上記形態で被包することは予測不可能である。
9取消事由9(審決判断2に係る本件発明2についての判断の誤り),, () () 審決は 審決判断2に関し 本件発明2において付加された特定事項 1 〜 3は,甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合においても,当該各特定事項を具備するようにすることに,何らの困難性も伴わない旨判断した(30頁末行〜32頁5行)しかしながら,上記6〜8のとおり,本件発明1についての審決の判断が誤りであり,本件発明1が進歩性を備える以上,本件発明1に従属する本件発明2も当然に進歩性を有しており,審決の上記判断は誤りである。
10取消事由10(審決判断2に係る本件発明3についての判断の誤り),, () ( )審決は 審決判断2に関し 本件発明3において付加された特定事項 41につき 「上記・・・相違点Cについての箇所で説示したとおり,甲第5号証発明 ,を上記周知・慣用の用途に適用した場合には ・・・当該フィルタは金網フィルタ ,ー部材のフロント面を被包するのであるから,当然のこととして,金網フィルター部材のフロント面よりもサイズが大きいものであり,そしてまた,当該フィルタを含むカバーは,同じく,金網フィルター部材のフロント面よりもサイズが大きいものである(32頁22〜29行)と判断した。 。」しかしながら,本件発明3が従属する本件発明1において,甲第5号証にも,審決が挙げる上記周知例にも,金網フィルタ部材を,相似形状の不織布フィルタで被包することは記載されておらず,したがって,これらの文献から,不織布フィルタが金網フィルター部材のフロント面よりもサイズが大きいことを導き出せるものではなく,審決の上記判断は誤りである。
,, () ( )審決は 審決判断2に関し 本件発明3において付加された特定事項 52につき,甲第5号証には,収縮可能な環状紐状体を取り付ける場合に,挿通孔を採用することができること,及び当該環状紐状体はフィルタの周縁部に部分的に取り付けることが示されるとした上 「甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導 ,き出した場合において ・・・当該特定事項のようにすることは当業者にとって何 ,らの困難性も伴わない(33頁3〜10行)と判断した。 。」しかしながら,甲第5号証及び審決が挙げる上記周知例には,相似形状の不織布フィルターで金網フィルター部材を被包した形態において,金網フィルター部材の裏面でどのようにすればリング状伸縮性紐状体の収縮力を不織布フィルターに有効に作用できるのか,開示も示唆もされていない。特に不織布フィルタの周縁部にリング状収縮性紐状体を有するカバー体では,いずれも不織布フィルタにリング状収縮性紐状体の収縮力が作用しない形態,すなわちリング状収縮性紐状体を換気扇の枠体に掛止した形態で不織布フィルタを取り付けている。
したがって,審決の上記判断は,本件特許出願時の技術水準から導き出せるものではなく,本件発明3による後知恵に基づくものである。
,, () ( )審決は 審決判断2に関し 本件発明3において付加された特定事項 63につき 「甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合において, ,当該特定事項を自ずから具備するものであり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである(33頁13〜15行)と判断したが,上記 。」のとおり,甲第5号証及び周知例には,相似形状の不織布フィルタで金網フィルタ部材を被包することが開示されておらず,そうである以上,このような不織布フィルタで金網フィルタ部材を覆い包んだ状態で,その裏面の伸縮性紐状体により,フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させることも導き出すことはできないから,審決の上記判断は誤りである。
11取消事由11(審決判断3に係る相違点a,bについての判断の誤り)審決は,審決判断3に係る相違点aに関し,実願平2-8325号(実開平3-98922号)のマイクロフィルム)及び甲第3号証を周知例として引用し 「甲,, ,, 第2号証発明において そのフィルター体が覆う対象物を フードカバーに替えて・・・ フード内の排気口の位置に着脱自在に設けられ剛性で四角形板状の金属フ 『ィルタ』を採択することにより,本件発明1の相違点aの特定事項のようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである(35頁30〜35行)と判断す 。」るとともに,同相違点bに関し,上記実願平2-8325号(実開平3-9892) , 2号 のマイクロフィルム及び特開平9-72589号公報を周知例として引用し「甲第2号証発明で上記相違点aに係る特定事項を具備することとなし,これにより金属フィルタを用いた場合には,当該金属フィルタの着脱手段として上記周知・慣用技術のフード内に設けた上下の溝によるものを採用して,本件発明1の相違点bの特定事項のようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである(3。」6頁8〜12行)と判断した。
しかしながら,甲第2号証及び上記各周知例には,四角形板状の金属フィルタを相似形状の不織布フィルタで覆って包み,紐状体を金属フィルタの裏面に位置させた状態で,フードの排気口の溝に装着することは開示されておらず,上記判断は誤りである。
12取消事由12(審決判断3に係る相違点cについての判断の誤り)審決は,審決判断3に係る相違点cに関し,甲第1号証,甲第5号証及び参考資料2(実願平4-248号(実開平5-5441号)のCD-ROM)を周知例として引用し 「甲第2号証発明が上記相違点a及びbに係る特定事項を具備するこ ,ととなした場合において,その覆体を周知・慣用技術であるリング状伸縮性紐状体に置き換えて,本件発明1の相違点cに係る特定事項のようにすることは当業者が困難なく適宜実施できるものである(36頁33〜36行)と判断した。 。」しかしながら,甲第2号証発明の覆体を,周知慣用技術のリング状伸縮性紐状体に置き換えたとすると,伸縮性部材が,幅広の覆体と異なって,転動しやすい紐状でリング状であるため,リング状伸縮性紐状体を挟持すべき受に対して位置決めできなくなって,フィルター体を固定できなくなり,さらに,フィルター体Bの覆体8を引っ張るようにして,フードカバー12の外周縁より内側に向け覆うようにして手を離しても,フードカバー12内側に絡み付くように覆着できなくなる。
すなわち,甲第2号証発明と周知慣用技術であるリング状伸縮性紐状体とを結び付けると矛盾が生ずるのであり,甲第2号証発明に上記周知慣用技術を適用する動機付けが存在しないから,審決の上記判断は誤りである。
13取消事由13(審決判断3に係る相違点d,eについての判断の誤り)審決は,審決判断3に係る相違点d,eに関し 「リング状伸縮性紐状体によっ ,て,フィルター部を金属フィルタに取り付ける際には,その取付けを安定なものとするためには当該リング状収縮性紐状体を金属フィルタの裏面に位置させるようにする外はなく,これにより,必然的に,フィルター体のフィルター部が金属フィルタの前面を被包することになり,かつ,当該フィルター部が裏面に位置するリング状収縮性紐状体の収縮力で金属フィルタに固定ないしは取り付けられるようになるものである。また,そのようにすることは,甲第1号証の記載につき,前記・・・の相違点イについての箇所で説示することからみても当業者が当然のこととしてなし得ることである(37頁4〜13行)と判断した。 。」しかしながら,甲第2号証発明と周知慣用技術であるリング状伸縮性紐状体とを結び付ける動機付けが存在しないことは,上記12のとおりであり,また,甲第2号証発明は,その効果を奏するために,覆体をフードカバーの受枠で挟むことが必須の条件であって(甲第2号証6欄4〜13行 ,このように,甲第2号証に開示 )された条件を無視して,甲第2号証発明と上記周知慣用技術とを結び付けることはできない。
14取消事由14(審決判断3に係る相違点fについての判断の誤り)審決は,審決判断3に係る相違点fに関し 「リング状伸縮性紐状体によって, ,フィルター部を金属フィルタに取り付ける際には,当該フィルター部と当該金属フィルタとの両者の形状が一致していないと ・・・フィルター部による円滑な被包 ,作業が実施できないことになるものであり,このことは,当業者にとって自明なことである。してみれば,フィルター部の平面方形形状を,金属製フィルタの四角形,すなわち,方形状に合わせて,当該金属製フィルタと相似形状の平面方形状とすることは,当業者が直ちに想到できるものである(37頁28〜36行)と判 。」断した。
しかしながら,甲第2号証及び各周知例に,四角形板状の金属フィルタを不織布フィルタで覆って包み,紐状体を金属フィルタの裏面に位置させることが開示されていないことは,上記のとおりであるから,金属フィルタを覆い包むことが可能な, , 不織布フィルタを 金属フィルタと相似形状の平面方形状とすることは想起し得ず審決の上記判断は誤りである。
15取消事由15(審決判断3に係る本件発明2についての判断の誤り),, () () 審決は 審決判断3に関し 本件発明2において付加された特定事項 1 〜 3につき,甲第2号証発明に甲第1,第3〜第9号証記載の発明及び周知慣用技術を適用することにより導き出した発明において,当該特定事項を具備するようにすることに何らの困難も伴わないと判断した(38頁17行〜39頁27行 。)しかしながら,甲第2号証発明と周知慣用技術とを結び付けることが困難であること,甲第2号証及び各周知例に,金属フィルタを相似形状の不織布フィルタで覆い包み,リング状伸縮性紐状体を金属フィルタの裏面に位置させることが開示されていないことは上記のとおりであり,そうすると,上記特定事項(1)〜(3)を想起することは困難である。
16取消事由16(審決判断3に係る本件発明3についての判断の誤り),, () ( )審決は 審決判断3に関し 本件発明3において付加された特定事項 41につき 「甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術 ,を適用することにより導き出した発明においては,当該特定事項を自ずから具備するものである(40頁13〜15行)と判断した。 。」しかしながら,本件発明3が従属する本件発明1において,甲第2号証発明に周知慣用技術を結び付けることが困難であることは,上記のとおりである。また,甲第2号証及び各周知例に,金属フィルタを相似形状の不織布フィルタで覆い包むことが記載されていないことも上記のとおりであるから,フィルタにつき「金属製フィルタ又はフィルタ要素のフロント面よりもサイズを大きくすること」を導き出すことはできない。
したがって,審決の上記判断は誤りである。
,, () ( )審決は 審決判断3に関し 本件発明3において付加された特定事項 52につき 「甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発明及び周知・慣用技術 ,を適用することにより導き出した発明においては,平面方形状のフィルター部の周縁にリング状伸縮性紐状体が取り付けられているものであって ・・・甲第5号証,には,レンジフード用フィルタの周縁部に取り付ける収縮性紐状体(収縮可能な紐状体)の取付け方法として,挿通孔を採用することができること,そして,伸縮性紐状体はフィルタの周縁部に部分的に取り付けることが示される(40頁17〜。」32行)と判断した。
しかしながら,甲第2号証発明の覆体に替えて周知慣用技術のリング状伸縮性紐状体を取り付けることに困難があることは,上記のとおりである。また,甲第5号証の記載に係る不織布フィルタの周縁部にリング状収縮性紐状体を有するカバー体は,リング状収縮性紐状体を換気扇の枠体に掛止して不織布フィルタを取り付けるものであり,不織布フィルタにリング状収縮性紐状体の収縮力が作用しない。
したがって,審決の上記判断は誤りである。
,, () ( )審決は 審決判断3に関し 本件発明3において付加された特定事項 63につき 「当該特定事項は ・・・甲第2号証発明に甲第1,3〜9号証に記載の発 ,,明及び周知・慣用技術を適用することにより導き出した発明においても具備するものである(41頁7〜9行)と判断したが,甲第2号証発明に上記周知慣用技術 。」を結び付けることが困難であることは上記のとおりであり,さらに,甲第2号証発明及び各周知例には,相似形状の不織布フィルタで金網フィルタ部材を覆い包むことが開示されておらず,そうすると,金網フィルタ部材の裏面の伸縮性紐状体により,フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させることを導き出すことはできない。
したがって,審決の上記判断は誤りである。
17取消事由17(本件発明1〜3の効果についての認定の誤り)審決は,甲第5号証並びに参考資料1(特開平6-137622号公報)及び参考資料2(実願平4-248号(実開平5-5441号)のCD-ROM)の記載事項を引用して,本件発明の効果は無理なく予測できると認定した(42頁18〜19行 。)しかしながら,本件発明は,方形プレート状の金属製フィルタに対し,金属製フィルタを被包すること(覆い包むこと)が可能なサイズを有し,かつ,相似形状である平面方形状の不織布フィルタを用いるため,不織布フィルタは金属製フィルタのフロント面から裏面に至り,金属製フィルタの裏面において周縁部から内方域を所定の幅で覆うことができ,しかも,伸縮性紐状体がリング状であるため,金属製フィルタの裏面での伸縮性紐状体の収縮により,フロント面において金属製フィルタの4辺に対応する不織布フィルタの部位に収縮力又は牽引力を作用させることができるとともに,裏面においても不織布フィルタに収縮力又は牽引力を作用させることができ,フロント面のフィルタで捕捉できなかった油煙や塵芥を,金属製フィルタの裏面のフィルタで捕捉し,油煙や塵芥の除去効率を向上させるとともに,油煙や塵芥の捕捉に不織布フィルタを有効に利用して,レンジフードの汚染を有効に防止することができるという効果を奏するものである。
他方,上記のとおり,当業者は,金属製フィルタを覆って包む不織布フィルタの収縮性紐状体を金属製フィルタの裏面に位置させること(金属製フィルタの裏面において不織布フィルタで周縁部から内方域を所定の幅で覆って紐状体を位置させること)を予測することができず,そうである以上,本件発明に係る上記効果を予測できないことは明らかである。
したがって,審決の上記認定判断は誤りである。
第4被告の反論の要点1取消事由1〜5(審決判断1に係る判断の誤り)に対し甲第3号証発明において,金網フィルタ部材のフロント面をカバーし,金網フィルタ部材に取り付けられているレンジフード用フィルタ装置を,周知慣用技術である「不織布フィルター部とその周縁部に設けたリング状伸縮性紐状体とからなり,その外観が浅い袋状の形状をなす調理用排ガス浄化用カバー体」により置換することは,当業者が何らの困難も伴わずに,適宜なし得ることである。
原告は,不織布フィルタ部の両側部を折り曲げて金網フィルタ部材の両側部を包むと,袋状端部の厚みが大きくなるから,甲第3号証発明に周知慣用技術を適用することには,技術的不都合があるとして,るる主張するが,不織布は,通常,十分薄いため,そのような不都合が生ずることはない。
2取消事由6〜10(審決判断2に係る判断の誤り)に対し原告は,甲第5号証発明及び周知慣用技術に,不織布フィルタが金属製フィルタを被包することが開示されていない旨,あるいは不織布フィルタが金属製フィルタを被包し得るに足りるサイズを有していない旨主張するが,不織布フィルタは,金属製フィルタに付着する油汚れを防止するために使用するものであるから,甲第5号証発明に周知慣用技術を適用する場合に,不織布フィルタによって金属製フィルタを被包することは,当業者にとって自明なことであり,また,そうであれば,金属製フィルタのフロント面を覆うことができないようなサイズの不織布フィルタを使用することはあり得ないから,金属製フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有することは明らかである。
また,原告は,甲第1号証及び甲第3号証に記載されたフィルタは,金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成されているものではないとも主張するが,甲第5号証発明のカバーのフィルタで金属フィルタのフロント面を被包する場, 『 』 合に カバーのフィルタの形状を 金属フィルタに対応した相似形状の平面方形状に形成することは当然のことであり,審決の説示のとおり,むしろそのようにしないことの方が不自然である。
さらに,原告は,甲第5号証発明は,本件発明と構造の全く異なる遮蔽部材等を有するレンジフード用換気扇を想定しているから,金網フィルタ部材を覆って包むことは予測できないと主張するが,金属フィルタは紛れもなく遮蔽部材であり,原告の主張は失当である。
3取消事由11〜16(審決判断3に係る判断の誤り)に対し審決の認定判断は正当であり,原告の主張は理由がない。
4取消事由17(本件発明1〜3の効果についての認定の誤り)に対し審決の認定は相当であり,原告の主張は理由がない。
第5当裁判所の判断便宜上,審決判断2から判断する。
1取消事由6(審決判断2に係る相違点A,Bについての判断の誤り)について( )原告は,甲第5号証発明と,レンジフードの分野における 「フード内の排1 ,気口の位置に,剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設け,かつ,その金属フィルタの表面側に不織布からなるフィルタで覆う」本件特許出願前の周知慣用技術とは,発明の構成及び作用が大きく相違し,上記周知慣用技術を甲第5号証発明と関連付けることは困難であるから 「甲第5号証発明の『不織布からなるフィ ,ルタと,該フィルタの周縁部に設けられ,かつ上記周縁部を収縮可能な環状紐状体とを有するレンジフード用換気扇カバー ・・・でレンジフードのフード内の排気 』口に着脱自在に配置された金属フィルタを覆うようにすることは当業者であれば直ちに想到することができる 」とした審決の判断は誤りであると主張し,また,甲 。
第5号証発明及び周知例によっては,不織布フィルタによって金属製フィルタを被包することまでは導き出すことができないと主張する。
( )しかるところ,甲第5号証には,以下の記載がある。
2ア「 産業上の利用分野]本考案は,使い捨て方式で換気口に取付け可能な換 [気扇カバーとその取付構造に関する(1頁15〜17行) 。」イ「 従来の技術と考案が解決しようとする課題]従来,塵芥や異物の流入に [より,羽根の損傷,モータの負荷の増大や故障を防止するため,室内等の換気口に換気扇カバーが装着されている。この換気扇カバーは,通常,方形状の換気口に適合した所定寸法の枠体と,該枠体に取付けられたフィルタとで構成されている。
しかしながら,換気扇が取付けられた換気口は,効率的に換気するため,換気部の容積や換気量等に応じて種々の大きさに設定されている ・・・従って,上記構造 。
の換気扇カバーでは,大きさの異なる換気口に対処できず,多種類の換気扇カバーを用意する必要がある。また上記換気扇カバーは,その構造が複雑で,枠体等を必要とするため,コスト高となる。上記の点に鑑み,ウーリーナイロン製の筒状の生地のうち一方の開口部を結束し,他方の開口部の周縁部を袋状とし,該袋状部にゴム紐を通した換気扇カバーが提案されている・・・。一方,換気扇は,換気口の前面が遮蔽部材で遮蔽されたタイプの換気扇と,換気口の前面が遮蔽されていな。 , い開口状態のタイプの換気扇とに大別される また前者のタイプの換気扇としては汚れた羽根を遮蔽し,美観をよくするため,換気口の前面が美装パネル等の遮蔽部材で覆われ,該パネルの側方開口部から吸引する換気扇や,換気口の前面が横方向等に並設された格子部材からなる遮蔽部材で遮蔽された換気扇が知られている。しかしながら,このタイプの換気扇に前記従来の換気扇カバーを適用すると,結束部を有しているため,外観が著しく損なわれる。また後者のタイプの換気扇に適用, ,, すると フィルタがナイロン製生地で形成されているため 換気扇の吸引力により換気扇カバーが換気扇に吸込まれ虞がある。従って,換気扇の羽根が損傷したり,モータの負荷が増大したり,故障したりする原因ともなり,排気が阻害される場合がある。さらには,ナイロン製生地で形成されたフィルタは燃え易く,安全性が十分でない(1頁18行〜3頁末行) 。」ウ「本考案の目的は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,換気口の大きさが異なっていても,容易に取付けることができる安価な換気扇カバーを提供することにある。また本考案の他の目的は,換気扇の前面が遮蔽されているか否かに拘わらず,柔軟なフィルタであっても外観が良好で換気扇へ吸込まれることのない換気扇カバーの取付構造を提供することにある(4頁1〜8行)。」エ「 課題を解決するための手段及び作用]本考案は,換気口に取付けられる [換気扇カバーであって,該換気扇カバーが,フィルタと,該フィルタの周縁部に設けられ,かつ上記周縁部を収縮可能な紐状体とを有する換気扇カバーにより,上記課題を可決するものである。上記構成の換気扇カバーによれば,フィルタの周縁部には,該周縁部を収縮可能な紐状体が設けられているため,換気口を換気扇カバーで被冠し ・・・紐状体を収縮性材料で形成することにより,換気口の大きさが ,異なっていても換気扇カバーを容易に取付けることができる(4頁9〜末行)。」オ「 実施例 ・・・換気扇カバーは,フィルタ(1)と,該フィルタ(1)の周 []縁部に設けられた収縮性紐状体(2)とを有し・・・フィルタ(1)は,その中央部を余した周縁部が全周に亘り内方へ折曲され,開口部(4)を有する袋状に形成されている。なお,フィルタ(1)は,通気性を有する材料で形成されていればよいが,難燃性不織布で形成されているのが好ましい(5頁13行〜6頁7行) 。」カ「フィルタ(1)のうち開口部(4)の周縁は,フィルタ(1)と固着又は縫合することにより,環状挿通孔(3)が形成されている。この環状挿通孔(3)には,フィルタ(1)の周縁部の長さよりも短く,収縮性を有する材料,例えば,合成ゴム等からなる環状の紐状体(2)が配されている(6頁15〜末行)。」キ「上記構造の換気扇カバーによると,換気口の前面が遮蔽部材等で遮蔽された換気扇に適用する場合には,紐状体(2)を伸張させ,開口部(4)を大きくした状態で,換気口(5)を換気扇カバーで被冠し,換気口(5)の枠部材(6)の端部等に紐状体(2)を掛止した状態で紐状体(2)を解放することにより,換気扇。 ,() カバーを容易に取付けることができる また取付け状態においては フィルタ 1が上記遮蔽部材により支持されるので,柔軟なフィルタ(1)であっても,換気扇(7)の吸引力によりフィルタ(1)が換気口(5)に吸引されることがない。さらには,フィルタ(1)の中央部が取付状態において平面部(1a)を形成するので,換気口のフィルタ(1)は面一となり,美観を損ねることはない。なお,フィルタ(1)の大きさや紐状体(2)の伸縮力を調整することにより,異なる大きさの換気口(4)にも容易に取付けることができる(7頁1〜17行)。」ク「また伸縮性紐状体(2)は,環状挿通孔(3)に収容された状態で配されている必要はなく,縫合等の適宜の手段によりフィルタ(1)の周縁部と少なくとも部分的に一体に設けてもよい(9頁14〜17行) 。」( )他方,甲第3号証には 「本考案は,調理用ガスレンジの上方に配設されて3 ,排煙を行うレンジフードに装着して使用される使い捨てタイプのレンジフード用フィルターに関するものであり (段落【「この種のレンジフードは ・・・ 」】), ,0001吸気口にはガード用金網等のフィルター部材が吸気口を囲む開口周壁を覆う状態で張設され,金網等のフィルター部材を介して排気されるようになっている ・・・。
しかしながら,レンジフードは頻繁に使用されるために,上記金網等のフィルター部材のみで使用すると頻繁に洗浄が必要になり,金網内部に付着した油を洗浄除去するのが面倒であると共に,洗浄を怠って放置しておくと付着し凝固した油が滴状となってガスレンジ上に落下するという不衛生な事態をまねく問題があった(段。」落【】〜【「本考案は ・・・レンジフードの吸気口に配設された金網00030004 】),,等からなるフィルター部材の下面に着脱自在に装着されるフィルターであって,一端に上記フィルター枠体の端部が収容可能な袋状端部を設けた不織布からなるシート状フィルターと,上記シート状フィルターの他端部をフィルター部材に巻き込み状態で係止させる係止部材とからなることを特徴とするレンジフード用フィルター。」(【】),「 ,, 装置である段落本考案の実施例を図面に従って説明すると 図10008図2は本考案のレンジフード用フィルター装置Aの一実施例を示し ・・・不織布,1を・・・矩形体とし,その上端部を折り返すとともに折り返し部の両端を接着もしくは融着によって接合して・・・袋状端部2aを形成したシート状フィルター2と,上記不織布1と同じ材料で・・・浅い袋体3aよりなる係止部材3とから構成, , してあり レンジフードの吸気口に配設された金網等からなるフィルター部材4に前記シート状フィルターの袋状端部2aを被せるとともに,フィルター部材4の他端部にシート状フィルター2の他方の自由端部2bを巻き込み,この巻き込み状態のままで袋体よりなる係止部材3を装着してある。なお,前記フィルター部材4は,深型のレンジフードの金網性フィルター部材がそのまま使用され,シート状フィルター2を下面側にしてレンジフードに取り付けられる(段落【】〜。」0012【「図1から図4に示した本考案のレンジフード用フィルター装置Aは, 0013 】),いずれもシート状フィルター2を下面側にして図5に示すように,深型のレンジフードBの吸気口に,金網性のフィルター部材4とともにフード内面の係止金具等10を利用して着脱自在に係止させて使用される(段落【)との各記載があ 。」】0019り,これらの記載に図1,2,5を併せ見れば,甲第3号証には 「レンジフード,, , のフード内の排気口の位置に 剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設けその金属フィルタの油汚れを防止するため,不織布からなる使い捨てのフィルタで金属フィルタのフロント面を覆うこと」が記載されていると認められる。
また,甲第4号証には 「キッチン用レンジフード換気扇の前面カバーのガード ,(金属製のさく)第3図を網袋で包み込みネジ止めする事に依って本体の換気扇第2図及び換気扇をとり囲んでいる箱第1図eに油汚れ等をつきにくくする事を特徴とする(実用新案登録請求の範囲「この考案はキッチンレンジフード換気扇 。」 ),を使用する場合にどうしても避けられない油汚れ等を簡単に防ぐ事を目的としている(1頁12〜14行「本考案の網袋(ナイロンネット)使用のフィルター 。」),であるがガード第3図を網袋で包み込む事によって二重のフィルターとなり,しかもネットであるので排気力もおとさず,しかもネットが汚れを充分吸収して,換気扇への汚れを遮断出来る。ネットが汚れて来た場合も簡単に着脱が出来(どの機種もガードは手廻しのネジ止め)て,普通の家庭用の台所及び洗濯洗剤で洗う事で清潔を保てる(2頁17行〜3頁5行)との各記載があり,これらの記載に第1, 。」第3〜第5図を併せ見れば,甲第4号証には 「レンジフードのフード内の排気口 ,の位置に,剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設け,油汚れを防止するため,ナイロンネットで金属フィルタのフロント面を覆うこと」が記載されていると認められる。
そして,これらの甲第3,第4号証の記載によれば,本件特許出願当時 「レン,ジフードのフード内の排気口の位置に,剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設け,その金属フィルタの油汚れを防止するため,不織布等からなる使い捨てのフィルタで金属フィルタのフロント面を覆うこと」は,周知慣用技術であったと認めることができる。
( )さらに,甲第1号証には 「換気扇及びフードを通過する油分及びチリを,4 ,, , 手前でくいとめるもので ウーリー加工をした細いナイロン生地( )を筒織りにし1それを丸及び楕円形に裁断し,廻りにゴム( )を取付け伸縮自由としたもので,丸 2及び正方形,長方形のあらゆる型のカバーに使用する事を可能にした,換気扇及び」( ),「, キッチンフードのフィルター実用新案登録請求の範囲本案を使用する時はカバーの外側からかぶせる丈でよい(2頁13〜15行「本案は上述の如き 。」),構造作用であるから,あらゆる換気扇及びキッチンフードのフィルターとして使用出来るものである(3頁3〜5行)との各記載があり,また,甲第2号証には, 。」「この考案は,換気扇用のフィルター体に関する ・・・従来ある換気扇用フィル 。
ターとして,実開昭56-46728号公報のものが公知である ・・・また,キ。
ッチン用レンジフード換気扇のフィルターとして,実開昭57-50631号公報(判決注:甲第4号証)のものが公知である(1頁左欄下から2行〜右欄下から 。」3行「素材を不織布又は難燃不織布を用いてフィルター部を形成し,該フィルタ ),ー部の周縁に弾性又は伸縮自在とする筒状の覆体を結合して換気扇用のフィルター体を構成する(2頁左欄44〜47行「図面の第2図を説明すれば ・・・方 。」), ,形状の換気扇カバー6の排気口5の前面に,前記したフィルター体Aのフィルター部1を位置させる。さらにフィルター体Aの覆体2の伸縮性及び弾性を利用して換気扇カバー6外周縁を覆う様にして手を離せば,該弾性により覆体2開口部は換気扇カバー6外周縁内側に絡みつく様に覆着する(2頁右欄23〜30行「図 。」),面の第4図を説明すれば,キッチンフード10の斜め上下間に,後記するフードカバー12を嵌着させる受11を形成する。方形状のフードカバー12の前面に,前記したフィルター体Bのフィルター部7を位置させる。さらに,フィルター体Bの覆体8を引っ張るようにフードカバー12外周縁より内側に向け覆う様にして手を離せば,覆体8の弾性により覆体8の開口部は収縮し,フードカバー12内側に絡みつくように覆着する。該フィルターBを覆着させたフードカバー12を,前記フードカバー12の受11に嵌着することによって,フィルター体Bの覆体8は受11の両内側とフードカバー12両外側の間に挟まれるため,フィルター体B全体が固定されるものである(2頁右欄48行〜3頁左欄11行)との各記載があ 。」って,これらの記載によれば,甲第1,第2号証には,甲第5号証記載のような,方形のカバーが設けられているだけの通常の換気扇(第3,第4図)と,甲第3,第4号証記載のようなフードが設けられたレンジフードの双方に用いられるフィルタが記載されていることが認められ,そうすると,本件特許出願前において,フィルタ部材を,通常の換気扇(甲第5号証)と,レンジフード(甲第3,第4号証)の双方において用いるように検討することが,通常なされていたものであることが推認される。
( )上記( )の甲第5号証の記載に係る換気扇は,換気口の前面が遮蔽部材で遮52蔽され,遮蔽部材の側方開口部から吸引するタイプのものであることは,原告主張のとおりであり,この点を含め,甲第5号証記載の換気扇と,甲第3,第4号証記, ,, 載のレンジフードとは 構造に相違があることが認められるが 上記( )のとおり4フィルタ部材を双方において用いるように検討することが,通常なされていたもの,,,, と認められることにかんがみれば そのような相違は 甲第5号証発明を 甲第3第4号証によって認められる上記「レンジフードのフード内の排気口の位置に,剛性で四角形板状の金属フィルタを着脱自在に設け,その金属フィルタの油汚れを防止するため,不織布等からなる使い捨てのフィルタで金属フィルタのフロント面を」 ,, 覆う 周知慣用技術に適用することを阻害するものということはできず かえって審決の説示のとおり,甲第5号証発明のフィルタ(換気扇用カバー)を 「同じ目,的で用いられかつ同じ繊維材料からなる」上記周知慣用技術に係るフィルタに替えて用いることは,当業者であれば直ちに想到することができるものというべきである。
( )また,甲第5号証発明においては,取付け時,換気口の枠部材の端部等に6紐状体を掛止した状態であることは,上記( )のキのとおりであり,甲第3,第4 2号証にも,フィルタによって金属製フィルタを被包することは記載されていない。
しかしながら,周知慣用技術の金属製フィルタに甲第5号証発明のフィルタを取り付ける場合には,金属製フィルタが薄板状であることから,その裏面に,甲第5号証発明のフィルタの収縮紐状体を挿通した開口部を位置するようにしなければ取り付けることができないことは明らかである。そうすると,甲第5号証発明のフィルタを上記周知慣用技術に適用する場合に,フィルタによって金属製フィルタを被包することは,当業者が当然に想到することであるにすぎない。
( )したがって,原告の上記( )の主張はいずれも採用することができない。
7 12取消事由7(審決判断2に係る相違点C及びDについての判断の誤り)について原告は,上記周知慣用技術を甲第5号証発明と関連付けることが困難であると主張するが,上記1のとおり,失当である。
また,原告は,甲第5号証発明において,枠体の端部等に掛止する紐状体を,枠体の存在しない周知慣用技術の金網フィルタに,どのようにして掛止するのかを理, () 解することができないと主張するが 周知慣用技術の金網フィルタ 金属フィルタに枠体が存在せず,したがって,甲第5号証発明のフィルタの紐状体をこれに掛止することができないからこそ,当業者は,金属フィルタの裏面に甲第5号証発明のフィルタの収縮紐状体を挿通した開口部を位置するようにすることを想到するものであることは,上記1の( )のとおりである。
6さらに,原告は,遮蔽部材等を備えた甲第5号証発明において,周知慣用技術の金網フィルタ部材を覆うことは,構造上不可能であると主張するが,周知慣用技術に適用するのは,甲第5号証発明のフィルタであって,甲第5号証発明の換気扇に遮蔽部材等が存在するとしても,そのことが,上記適用を阻害する事由となり得ないことは明らかである。
したがって,原告の取消事由7に係る主張は失当である。
3取消事由8(審決判断2に係る相違点Eについての判断の誤り)について( )原告は,甲第5号証発明の袋状のカバー(フィルタ)を周知慣用技術に適1用したとしても,金網フィルタ部材を不織布フィルタで被包し,紐状体を金網フィルタ部材の裏面に位置させることは想起し得ないから 「甲第5号証発明の袋状の ,カバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場合 ・・・カバーのフィルタは金属 ,, , フィルタの前面の全てを覆い 金属フィルタの前面を被包するということであればそのカバーのフィルタは,金属フィルタのフロント面を被包可能なサイズを有しているということができる 」との審決の判断が誤りであると主張するが,甲第5号 。
証発明の袋状のカバーを周知慣用技術に適用したとしても,金網フィルタ部材を不織布フィルタで被包し,紐状体を金網フィルタ部材の裏面に位置させることは想起し得ないとの前提を採用することができないことは,上記1のとおりであるから,上記主張を採用することもできない。
( )また,原告は 「甲第5号証発明のカバーのフィルタで金属フィルタのフロ2 ,ント面を被包する場合には ・・・カバーのフィルタの形状を(紐状体を取り付け ,る前の形状を ,金属フィルタの四角形,すなわち,方形状にあわせて,本件発明 )1のように『金属フィルタに対応した相似形状の平面方形状』に形成することは,当業者が当然のこととして実施し得るものであり,むしろそのようにしないことの方が不自然でさえある 」との審決の判断が,先行技術から自然に導かれるもので 。
はなく,本件発明1から得られた後知恵によるものであると主張する。
しかしながら,審決が説示するとおり 「一般に,板状体を柔軟シート体で被包 ,する場合には,該シート体と該板状体との平面形状が不一致であると,被包後に該シート体と該板状体との間に不必要な空間が発生したり,体裁が損なわれたり,また,該板状体に対して該シート体の材料に過不足が発生するなどの不都合が生ずるものであり,このことは,その該シート体に収縮性紐状体が取り付けられているか否かにかかわらず,当業者が自明なこととして把握できる」ものであって,ある部材をカバー部材により覆う場合には,そのカバー部材を対象部材と相似形状とすることは,通常行われていることというべきであり,原告の上記主張は,到底採用することができない。
,, , ( )さらに 原告は 甲第5号証発明と周知慣用技術を組み合わせたとしても3不織布フィルタの紐状体を金網フィルタ部材の周縁部に掛止することしか予測できず,金網フィルタ部材を不織布フィルタで被包し,金網フィルタ部材の裏面に紐状体を位置させることは想起することができないとか,甲第5号証発明は,遮蔽部材等を有するレンジフード用換気扇を想定しているから,周知慣用技術である金網フィルタ部材を,不織布フィルタにより,上記形態で被包することは予測不可能であるとして,審決の「甲第5号証発明の袋状のカバーを上記の周知・慣用の用途に適用した場合,カバーの伸縮可能な環状紐状体は金網フィルター部材の裏面に配置され,カバーのフィルタは金属フィルタの前面を被包することになるものであり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである 」との判断。
が誤りであると主張するが,その前提を採用することができないことは,上記1,2のとおりであるから,原告の上記主張を採用することもできない。
4取消事由9(審決判断2に係る本件発明2についての判断の誤り)について,, , 原告は 審決判断2に関し 本件発明1についての審決の判断が誤りであるとし本件発明1が進歩性を備える以上,本件発明1に従属する本件発明2も当然に進歩性を有していると主張するが,本件発明1についての原告主張の取消事由に理由が, ,,, ないことは 上記1〜3のとおりであるから 原告の上記主張は その前提を欠き採用することができない。
5取消事由10(審決判断2に係る本件発明3についての判断の誤り)について( )原告は,審決判断2に関し,本件発明3が従属する本件発明1において,1甲第5号証にも,周知例にも,金網フィルタ部材を相似形状の不織布フィルタで被包することは記載されておらず,不織布フィルタが金網フィルター部材のフロント面よりもサイズが大きいことを導き出せるものではないとして,本件発明3において付加された特定事項(4)についての審決の判断が誤りであると主張するが,その前提を採用することができないことは,上記1のとおりであり,原告の上記主張も採用することができない。
( )原告は,審決判断2に関し,甲第5号証及び周知例には,相似形状の不織2布フィルターで金網フィルター部材を被包した形態において,金網フィルター部材の裏面でどのようにすればリング状伸縮性紐状体の収縮力を不織布フィルターに有効に作用できるのか,開示も示唆もされていないから,本件発明3において付加された特定事項(5)につき 「甲第5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出 ,した場合において ・・・当該特定事項のようにすることは当業者にとって何らの ,困難性も伴わない 」とした審決の判断は,本件発明3による後知恵に基づくもの 。
であると主張する。
しかしながら,甲第5号証発明のフィルタを,方形状の金属製フィルタ(金網フィルター部材)と相似形状として,金属製フィルタを被包し,伸縮性紐状体により固定する場合には,装着状態において,伸縮性紐状体の収縮による牽引力をできる, ,, 限り均等に作用させることが 安定して固定するために必要であり そのためには少なくとも,フィルタの周縁部の4つのコーナー部と各辺部に対応する周縁部の少なくとも1箇所に伸縮性紐状体を取り付けるようにすることが必要となることは明らかである。したがって,たとえ,甲第5号証等に,相似形状の不織布フィルターで金網フィルター部材を被包した形態において,金網フィルター部材の裏面でどのようにすればリング状伸縮性紐状体の収縮力を不織布フィルターに有効に作用できるのかが,具体的に開示されていないとしても,本件発明3の特定事項(5)である「平面方形状のフィルタのうち4つのコーナ部と各辺に対応する周縁部の少なくとも一箇所との挿通孔に伸縮性紐状体が挿通」するようにすることは,当業者が適宜なし得る程度のことといわざるを得ず,審決の上記判断が本件発明3による後知恵であるとする原告の主張は失当である。
( )原告は,審決判断2に関し,甲第5号証及び周知例には,金網フィルタ部3材を相似形状の不織布フィルタで被包することは記載されておらず,このような不織布フィルタで金網フィルタ部材を覆い包んだ状態で,その裏面の伸縮性紐状体により,フロント面のフィルタに緊張力又は牽引力を作用させることも導き出すことはできないとして,本件発明3において付加された特定事項(6)につき 「甲第,5号証発明から本件発明1の特定事項を導き出した場合において,当該特定事項を自ずから具備するものであり,また,そのようにすることは当業者が困難なく適宜なし得るものである 」とした審決の判断が誤りであると主張する。 。
,, ,, しかしながら 上記主張が その前提を欠くものであって 採用し得ないことは上記( )と同様である。
16取消事由17(本件発明1〜3の効果についての認定の誤り)について原告は,本件発明は,方形プレート状の金属製フィルタに対し,金属製フィルタを被包することが可能なサイズを有し,かつ,相似形状である平面方形状の不織布フィルタを用い,しかも,伸縮性紐状体がリング状であるため,不織布フィルタは金属製フィルタのフロント面から裏面に至り,金属製フィルタの裏面において周縁部から内方域を所定の幅で覆うことができ,かつ,フロント面とともに,裏面においても不織布フィルタに収縮力又は牽引力を作用させることができることにより,,, フロント面のフィルタで捕捉できなかった油煙や塵芥を 裏面のフィルタで捕捉し油煙や塵芥の除去効率を向上させるとともに,油煙や塵芥の捕捉に不織布フィルタを有効に利用して,レンジフードの汚染を有効に防止することができるという効果を奏するところ,当業者は,金属製フィルタを覆って包む不織布フィルタの収縮性紐状体を金属製フィルタの裏面に位置させること(金属製フィルタの裏面において不織布フィルタで周縁部から内方域を所定の幅で覆って紐状体を位置させること)を予測することができず,そうである以上,本件発明に係る上記効果も予測できないと主張する。
しかしながら,当業者が,周知慣用技術の金属製フィルタに甲第5号証発明のフィルタを取り付ける場合に,金属製フィルタを覆って包む不織布フィルタの収縮性紐状体(その開口部)を金属製フィルタの裏面に位置させることを当然想到するものであることは,上記1の( )のとおりである。そして,その結果,金属製フィル6タの裏面にもフィルタが存在するのであれば,裏面のフィルタによっても油煙や塵芥を捕捉し,原告主張のような効果を奏するに至ることは,当然予測し得る程度のことにすぎない。
したがって,原告の上記主張も採用することができない。
7結論以上によれば,その余の点(審決判断1に係る取消事由1〜5,審決判断3に係る取消事由11〜16)について判断するまでもなく,原告の請求は理由がないから,棄却されるべきである。
裁判長裁判官 塚原朋一
裁判官 石原直樹
裁判官 高野輝久
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