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関連審決 無効2006-80123
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審判番号(事件番号) データベース 権利
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関連ワード 承継 /  産業上利用(29条1項柱書) /  自然法則 /  技術的思想 /  創作性(創作) /  明確性 /  発明の詳細な説明 /  発明が明確 /  発明が不明確 /  参酌 /  置き換え /  特許発明 /  実施 /  加工 /  構成要件 /  設定登録 /  移転登録 /  訂正の許否 /  誤記の訂正 /  請求の範囲 /  減縮 /  変更 /  釈明 /  要旨変更 / 
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事件 平成 20年 (行ケ) 10151号 審決取消請求事件
原告株 式会社ウィ・キャン
訴訟代理人弁理士大川晃 引受参加 人芝情報株式会社
訴訟代理人弁護士鈴木銀治郎
同木下達彦
同三浦悠佑
同滝口博一
同鈴木康之
訴訟代理人弁理士新井信昭 脱退被告破産者株式会社ビィー・フリーソフト 破産管財人弁護士 Y
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2009/05/25
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求特許庁が無効2006-80123号事件について平成20年3月25日にした審決を取り消す。
第2争いのない事実1手続の経緯( )特許庁における手続の経緯1株式会社ビィー・フリーソフトは,平成13年6月29日,発明の名称を「旅行業向け会計処理システム」とする発明につき特許出願し(特願2001-199432号,甲10 ,平成17年1月19日付け手続補正書によ )る補正(同補正により,発明の名称は「旅行業向け会計処理装置」と補正された。甲18 ,同年7月12日付け手続補正書による補正(甲17)を行 )い,同年10月28日,特許権の設定登録を受けた(特許第3733478。,,「」,「」。 号 以下 この特許 特許権をそれぞれ 本件特許本件特許権 という設定登録時の請求項の数は4であった。甲1 。)原告は,平成18年7月4日,本件特許(請求項1ないし4)について無効審判を請求した(無効2006-80123号,丙3 。株式会社ビィー )・フリーソフトは,平成18年10月23日付け訂正請求書(以下「訂正請求書」という。甲34)により訂正請求を行い,平成19年12月25日付け手続補正書(丙9)により,訂正請求書の補正をした(以下,平成19年12月25日付け手続補正書による補正を「本件補正」といい,本件補正により補正された訂正請求書による訂正を「本件訂正」といい,本件訂正後の明細書を図面とともに「本件明細書」という。請求項1に係る本件補正の内容は,別紙1のとおりである。。)特許庁は,平成20年3月25日 「訂正を認める。本件審判の請求は, ,成り立たない 」との審決(以下「審決」という )をし,その謄本は,同月 。 。
31日,原告に送達された。
( )本訴の経緯2原告は,平成20年4月25日,本訴を提起した。株式会社ビィー・フリーソフトは,同年3月31日,再生手続開始決定を受けたが(東京地方裁判所平成20年(再)第81号 ,同年9月30日,再生手続廃止決定を受 )け,同年11月4日,破産手続開始決定を受け(東京地方裁判所平成20年(フ)第20401号 ,脱退被告が破産管財人に選任され,脱退被告は )本訴を受継した。脱退被告は,本件特許権を引受参加人に譲渡し,同年12月11日,引受参加人への移転登録がされた。引受参加人は,平成21年1月26日,本訴を引受承継し,同月27日,脱退被告は本訴から脱退した。
2特許請求の範囲本件明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし4の記載は,以下のとおりである(各請求項の構成要件の記号は,審決(7ないし11頁)が用いたものと同じである。以下,請求項1ないし4記載の発明を包括して「本件特許発明」という。。)【請求項1】1A経理データを,複数の販売商品から構成される旅行商品毎に管理するための貸借対照表に相当する電子ファイルである経理ファイルと,1Bいずれかの旅行商品に関して,利益把握のために「売上」及び「仕入」の同日付計上を要求する第1の計上要求操作があったこと 「入金」又は ,「支払」の計上を要求する第2の計上要求操作があったこと,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と,1C操作種別判定手段により第1の計上要求操作ありと判定されたときに,当該旅行商品に関して実施される第1の計上処理手段と,1D操作種別判定手段により第2の計上要求操作ありと判定されたときに,当該旅行商品に関して実施される第2の計上処理手段とを有し,第1の計上処理手段(1C)は,1Eその旅行商品に関して予定される総売上額と,その旅行商品に関して経理ファイルに既に計上されている個々の販売商品の前受金の総額である総前受金額とを比較して,総売上額と総前受金額とが一致していること,総売上額よりも総前受金額が少ないこと,をそれぞれ判定する前受金判定手段と,1F前受金判定手段により予定される総売上額と総前受金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの貸方には,予定される総売上額を「売上」として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの借方には,既に経理ファイルの借方に計上済みの各販売商品の前受金相当の「現金」を「前受金」にそれぞれ自動振替して計上する一方,前受金判定手段により総売上額よりも総前受金額が少ないと判定されたときには,上記の「売上」計上及び「前受金」自動振替に加えて,予定される総売上額と総前受金額との差額を経理ファイルの借方に「未収金」として計上する売上計上処理手段と,1Gその旅行商品に関して予定される総仕入額と,その旅行商品に関して経理ファイルに既に計上されている個々の販売商品の前払金の総額である総前払金額とを比較して,総仕入額と総前払金額とが一致していること,総仕入額よりも総前払金額が少ないこと,をそれぞれ判定する前払金判定手段と,1H前払金判定手段により予定される総仕入額と総前払金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの借方には,予定される総仕入額を「仕入」として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの貸方には,既に経理ファイルの貸方に計上済みの各販売商品の前払金相当の「現金」を「前払金」にそれぞれ自動振替する一方,前払金判定手段により総仕入額よりも総前払金額が少ないと判定されたときには,上記の「仕入」計上及び「前払金」自動振替に加えて,予定される総仕入額と総前払金額との差額の内訳を経理ファイルの貸方に「未払金」としてそれぞれ計上する仕入計上処理手段と,を含み,第2の計上処理手段(1D)は,1I第1の計上処理手段による売上仕入計上処理が実施済みであるか否かを判定する売上仕入済み判定手段と,1J売上仕入済み判定手段により,売上仕入計上処理が実施済みでないと判定されたときに実施される売上仕入前計上処理手段と,1K売上仕入済み判定手段により,売上仕入計上処理が実施済みであると判定されたときに実施される売上仕入後計上処理手段とを含み,売上仕入前計上処理手段(1J)は,1L計上要求操作が,顧客からの入金に関する計上要求操作であること,仕入先への支払いに関する計上要求操作であること,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と,1M操作種別判定手段により,顧客からの入金に関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を経理ファイル上に「前受金」として計上する一方,操作種別判定手段により,仕入先への支払いに関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を経理ファイル上に「前払金」として計上する前受前払金の計上処理手段とを含み,売上仕入後計上処理手段(1K)は,1N計上要求操作が,顧客からの入金に関する計上要求操作であること,仕入先への支払いに関する計上要求操作であること,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と,1O操作種別判定手段により,顧客からの入金に関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を売上計上時に立てた「未収金」に対して自動振替して経理ファイル上に計上する一方,操作種別判定手段により,仕入先への支払いに関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を仕入計上時に立てた「未払金」に対して自動振替して経理ファイル上に計上する未収未払金の計上処理手段とを含み,1Pそれにより 経理ファイル上に 売上 と 仕入 とが前受金未 ,「」 「」,「」,「収金「前払金「未払金」と共に,一旅行商品単位で同日付にて計上 」,」,されるようにした,ことを特徴とする旅行業向け会計処理装置。
【請求項2】2A1の旅行商品を構成する乗り物や宿泊施設等の項目,並びに,各項目に関する売上や仕入等の金額データを登録するための予約カードに相当する電子ファイルである旅行商品ファイルを有し,2B旅行商品ファイル内に登録された「売上」及び「仕入」に関する各項目の金額データが全て確定していることを条件として起動されるように構成された,ことを特徴とする請求項1に記載の旅行業向け会計処理装置。
【請求項3】3A経理データを,複数の販売商品から構成される旅行商品毎に管理するための貸借対照表に相当する電子ファイルである経理ファイルと,3Bいずれかの旅行商品に関して,利益把握のために「売上」及び「仕入」の同日付計上を要求する第1の計上要求操作があったこと 「入金」又は ,「支払」の計上を要求する第2の計上要求操作があったこと,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と,3C操作種別判定手段により第1の計上要求操作ありと判定されたときに,当該旅行商品に関して実施される第1の計上処理手段と,操作種別判定手段により第2の計上要求操作ありと判定されたときに,当該旅行商品に関して実施される第2の計上処理手段とを有し,第1の計上処理手段(3C)は,3Eその旅行商品に関して予定される総売上額と,その旅行商品に関して経理ファイルに既に計上されている個々の販売商品の前受金の総額である総前受金額とを比較して,総売上額と総前受金額とが一致していること,総売上額よりも総前受金額が少ないこと,をそれぞれ判定する前受金判定手段と,3F前受金判定手段により予定される総売上額と総前受金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの貸方には,予定される総売上額を「売上」として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの借方には,既に経理ファイルの借方に計上済みの各販売商品の前受金相当の「現金」を「前受金」にそれぞれ自動振替して計上する一方,前受金判定手段により総売上額よりも総前受金額が少ないと判定されたときには,上記の「売上」計上及び「前受金」自動振替に加えて,予定される総売上額と総前受金額との差額を経理ファイルの借方に「未収金」として計上する売上計上処理手段と,3Gその旅行商品に関して予定される総仕入額と,その旅行商品に関して経理ファイルに既に計上されている個々の販売商品の前払金の総額である総前払金額とを比較して,総仕入額と総前払金額とが一致していること,総仕入額よりも総前払金額が少ないこと,をそれぞれ判定する前払金判定手段と,3H前払金判定手段により予定される総仕入額と総前払金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの借方には,予定される総仕入額を「仕入」として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの貸方には,既に経理ファイルの貸方に計上済みの各販売商品の前払金相当の「現金」を「前払金」にそれぞれ自動振替する一方,前払金判定手段により総仕入額よりも総前払金額が少ないと判定されたときには,上記の「仕入」計上及び「前払金」自動振替に加えて,予定される総仕入額と総前払金額との差額の内訳を経理ファイルの貸方に「未払金」としてそれぞれ計上する仕入計上処理手段と,を含み,第2の計上処理手段(3D)は,3I第1の計上処理手段による売上仕入計上処理が実施済みであるか否かを判定する売上仕入済み判定手段と,3J売上仕入済み判定手段により,売上仕入計上処理が実施済みでないと判定されたときに実施される売上仕入前計上処理手段と,3K売上仕入済み判定手段により,売上仕入計上処理が実施済みであると判定されたときに実施される売上仕入後計上処理手段とを含み,売上仕入前計上処理手段(3J)は,3L計上要求操作が,顧客からの入金に関する計上要求操作であること,仕入先への支払いに関する計上要求操作であること,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と,3M操作種別判定手段により,顧客からの入金に関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を経理ファイル上に「前受金」として計上する一方,操作種別判定手段により,仕入先への支払いに関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を経理ファイル上に「前払金」として計上する前受前払金の計上処理手段とを含み,売上仕入後計上処理手段(3K)は,3N計上要求操作が,顧客からの入金に関する計上要求操作であること,仕入先への支払いに関する計上要求操作であること,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と,3O操作種別判定手段により,顧客からの入金に関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を売上計上時に立てた「未収金」に対して自動振替して経理ファイル上に計上する一方,操作種別判定手段により,仕入先への支払いに関する計上要求操作であると判定されたときには,計上要求にかかる金額を仕入計上時に立てた「未払金」に対して自動振替して経理ファイル上に計上する未収未払金の計上処理手段とを含み,3Pそれにより 経理ファイル上に 売上 と 仕入 とが前受金未 ,「」 「」,「」,「収金「前払金「未払金」と共に,一旅行商品単位で同日付にて計上 」,」,されるようにした,ことを特徴とする旅行業向け会計処理装置として,コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項4】4A1の旅行商品を構成する乗り物や宿泊施設等の項目,並びに,各項目に関する売上や仕入等の金額データを登録するための予約カードに相当する電子ファイルである旅行商品ファイルを有し,4B旅行商品ファイル内に登録された「売上」及び「仕入」に関する各項目の金額データが全て確定していることを条件として起動されるように構成された,ことを特徴とする請求項3に記載のコンピュータプログラム。
3審決の理由の要点別紙2審決書写しのとおりである。要するに,本件補正は,特許法(以下,特許法との表記を省略する )134条の2第5項で準用する131条の2第 。
1項の規定を満たしており,適法になされたものであり(審決2頁 ,本件訂 )正は,134条の2第1項ただし書並びに同条5項において準用する126条3項及び4項に規定する要件を満たしているので,本件訂正を認める(審決6頁)とした上で,本件特許発明は明確であるので本件特許発明に係る出願は36条6項2号に規定する要件を満たしており,また,発明未完成でないので本件特許発明29条1項柱書に規定する要件を満たしているから,本件特許を無効とすることはできない(審決48ないし49頁)というものである。
第3取消事由に関する原告の主張審決は,以下のとおり,本件補正の違法性を看過して請求項1に係る発明を認定した誤り(取消事由1 ,本件特許発明自然法則を利用した技術的思想 )の創作に該当すると判断した誤り(取消事由2 ,本件特許発明が明確であり )(36条6項2号 ,発明未完成ではない(29条1項柱書)と判断した誤り )(取消事由3)があるから,違法として取り消されるべきである。
1本件補正の違法性を看過して請求項1に係る発明を認定した誤り(取消事由1)審決は,本件補正の違法性を看過して請求項1に係る発明を認定した誤りがある。
すなわち,本件補正は,訂正請求書の第1ないし第5訂正事項のうち第2,第3訂正事項を削除するものであるが,請求項1に係る発明について,第1ないし第5訂正事項の訂正(本件補正前)をした発明と,第1,第4,第5訂正事項の訂正(本件補正後)をした発明とは,技術思想を異にするから,本件補正は,単なる訂正事項の一部取下げにとどまるものではなく,訂正請求書の要旨を変更するものであり,134条の2第5項で準用する131条の2第1項の要件を満たさず,違法である。
審決は,本件補正の違法性を看過し,本件補正後の訂正請求書による訂正を認め,請求項1記載の発明を認定したものであるから,本件補正の違法性を看過して請求項1に係る発明を認定した誤りがある。
2本件特許発明自然法則を利用した技術的思想創作に該当すると判断した誤り(取消事由2)審決は,本件特許発明自然法則を利用した技術的思想創作に該当すると判断した誤りがある。以下,詳述する。
( )請求項1に係る発明について1請求項1に係る発明は,会計処理装置に関するものであり,一般的な会計原則に基づいて会計を処理するにすぎないから,自然法則を利用した技術的思想創作に該当しない。
まず,請求項1に係る発明において特定された手段は 「電子ファイル , ,」「操作種別判定手段「計上処理手段「前受金判定手段「売上計上処 」,」,」,理手段「前払金判定手段「仕入計上処理手段「売上仕入済み判定手 」,」,」,段「売上仕入前計上処理手段「売上仕入後計上処理手段「前受前払 」, 」, 」,金の計上処理手段「未収未払金の計上処理手段」であり,単に「電子ファ 」,イル」又は「手段」とされているだけであるから,自然法則を利用した技術的思想創作に該当しない。
また,請求項1において特定された「手段」は,本件特許の特許出願の願書に添付された図面の図3ないし5に示された処理手順の各ステップの内容を限定したものであるところ,この処理手順及び各ステップの内容は,請求項1にいう同日付計上の会計処理を,伝票と手計算で実行する際の手順及び内容と同様のものにしたにすぎず,上記限定は,手計算に代えてコンピュータを使用したことに伴い必然的に生じる限定にとどまる。以上のとおり,単に手計算で行う処理をコンピュータで行う際の処理手順が詳細に特定されたというだけでは,自然法則を利用した技術的思想創作とはいえない。
さらに,本件特許発明の作用効果についてみると 「売上と仕入を一旅行 ,商品単位で同日計上することから,従前の旅行業者向けの会計処理装置では不可能であった,一旅行商品単位での利益の把握が可能となる。また,同様に従前の旅行業向け会計処理装置では不可能だった債権債務の管理が可能となるため,不正の防止や正しい経営判断が容易となる(本件明細書【00 。」68 )との作用効果は,自然法則の利用とは無関係の会計理論又は会計実 】務を前提とした効果にすぎず,請求項1に係る発明は,自然法則を利用した技術的思想創作とはいえない。
( )請求項2ないし4に係る発明について2請求項3に係る発明は,請求項1に係る発明の構成をすべて備え,末尾を「旅行業向け会計処理装置として,コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム」としたものにすぎないから,請求項1に係る発明と同様に,自然法則を利用した技術的思想創作とはいえない。
また,請求項2,4に係る発明は,それぞれ請求項1,3を引用し 「1,の旅行商品を構成する乗り物や宿泊施設等の項目,並びに,各項目に関する売上や仕入等の金額データを登録するための予約カードに相当する電子ファイルである旅行商品ファイルを有し,旅行商品ファイル内に登録された『売上』及び『仕入』に関する各項目の金額データが全て確定していることを条件として起動されるように構成された」との限定を付したものであるから,請求項1に係る発明と同様に,自然法則を利用した技術的思想創作とはいえない。
したがって,本件特許発明は,自然法則を利用した技術的思想創作とはいえず,審決は,本件特許発明自然法則を利用した技術的思想創作に該当すると判断した誤りがある。
3本件特許発明が明確であり(36条6項2号 ,発明未完成ではない(29 )条1項柱書)と判断した誤り(取消事由3)審決が,本件特許発明は明確であるので本件特許発明に係る出願は36条6項2号に規定する要件を満たしており,また,発明未完成でないので本件特許発明29条1項柱書に規定する要件を満たしているとした判断は,以下のとおり誤りである。
( )計上基準日についての明確性欠如1ア本件特許発明においては,旅行業の会計処理の特殊性にかんがみると,一般的な会計原則・会計基準に従って計上基準日(債権債務と収益の認識日)を設けることが不可欠である。
すなわち,旅行業における旅行商品の販売に際しては,顧客の来店又は電話から始まり,予約金の支払,請求書の発行,残金の支払,出発日の到,, , 来 旅行からの帰着など ある期間にわたっていくつかの手順を踏むため。,, 売上の時期を単純に定めることはできない しかし 計上基準日を定めずある商品は請求書発行の後に売上計上し,ある商品は帰着日の後に売上計上するというような会計処理をするならば,その結果を評価することができない。そのため,旅行業向け会計処理装置の発明である本件特許発明においては,旅行業の会計処理の特殊性にかんがみると,一般的な会計原則・会計基準に従って計上基準日を設けることが不可欠である。
イところで,本件特許発明は 「財務会計 (企業外部の投資家や金融機関 ,」が経営者の経営能力を正しく評価するための情報を提供するものであり,一般的な会計原則に則っていなければならない )の会計処理装置及びそ 。
のコンピュータプログラムの発明であるから,一般的な会計原則・会計基準に従って計上基準日を設けることが必要である。
すなわち,会計に「財務会計」と「管理会計 (企業内部で使用される 」ものであり,一般的な会計原則に則っていなくてもよい )があるとして 。
も,一般に「会計」という場合は「財務会計」を指し,請求項1ないし3には 「旅行業向け会計処理装置」と記載されており,請求項4は請求項 ,3を引用しているから,本件特許発明は 「財務会計」の会計処理装置と ,解される。
また,本件明細書の発明の詳細な説明には,発明の目的について,経営者が債権債務の正確な把握を行って正確な経営判断を行うこと等が記載されているが( 0003【0006【0007,債権債務の正確な 【】,】,】)把握は,企業外部に示す会計においても必要であり,発明の目的の記載からしても,本件特許発明の会計が企業内部向けの「管理会計」に限られるとはいえない。
さらに,本件補正における請求項1の第1訂正事項(別紙1,1( ))1は,構成要件1Bに「利益把握のために」との文言を追加するものであったが,このような限定を加えたとしても,請求項1に係る発明が利益把握のためのもの,すなわち「管理会計」のためのものに限定されるわけではない。
本件明細書の発明の詳細な説明の段落 0015 には そこでいう 基 【】,「準日」を定義する記載はないが,売上と仕入を計上する計上日を基準日としているから,本件明細書にいう基準日は,一般的な会計原則・会計基準でいう計上基準日と異なるところはない。本件特許発明は,ある旅行商品について同日付計上の要求があったとき売上仕入前受金未 ,「」,「」,「」,「収金「前払金「未払金」をその日付で計上処理するものであり,段 」,」,落【0015】は,同日付計上日をその商品の計上基準日である出発日とした態様を実施例として記載したものである。
ウ以上のとおり,旅行業の会計処理の特殊性,及び本件特許発明が「財務会計」の会計処理装置及びそのコンピュータプログラムの発明であることに照らすならば,本件特許発明においては,一般的な会計原則・会計基準に従って計上基準日を設けることが必要である。
( )記載不備,発明未完成2本件明細書には,一般的な会計原則・会計基準に従った計上基準日を設けることが記載されておらず,本件特許発明は不明確であるから,36条6項2号に規定する要件を充足せず,また,発明として未完成であるから,29条1項柱書に規定する要件を充足していない。したがって,本件特許発明36条6項2号及び29条1項柱書に規定する要件を満たしているとした審決の判断は誤りである。
第4引受参加人の反論,,。 審決の認定判断に誤りはなく 原告主張の取消事由は いずれも理由がない1本件補正の違法性を看過して請求項1に係る発明を認定した誤り(取消事由1)に対し審決が,本件補正は134条の2第5項で準用する131条の2第1項の規定を満たしており,適法になされたものであるとした判断に誤りはない。
すなわち,134条の2第5項で準用する131条の2第1項本文が規定する請求書の補正が要旨変更に該当するか否かの判断基準は,訂正を求める範囲の実質的な拡大変更に当たるか否かによるべきである。本件補正は,単に訂正事項を削除するのみであるから,要旨変更には当たらない。
2本件特許発明自然法則を利用した技術的思想創作に該当すると判断した誤り(取消事由2)に対し審決が,本件特許発明自然法則を利用した技術的思想創作に該当するとした判断に誤りはない。
本件特許発明は,コンピュータによって,請求項1に係る発明において特定された手段について,情報の演算又は加工を実現しているから,請求項1に係る発明は,自然法則を利用した技術的思想創作に該当する。
請求項1に係る発明は,自然法則を利用した技術的思想創作に該当するから,請求項2ないし4に係る発明も,自然法則を利用した技術的思想創作に該当する。
3本件特許発明が明確であり(36条6項2号 ,発明未完成ではない(29 )条1項柱書)と判断した誤り(取消事由3)に対し審決が,本件特許発明は明確であるので本件特許発明に係る出願は36条6項2号に規定する要件を満たしており,また,発明未完成でないので本件特許発明29条1項柱書に規定する要件を満たしているとした判断に誤りはない。
すなわち,会計には,外部の利害関係者を対象とする「財務会計 (一般会 」計)と,企業の内部の者を対象とし,売上,仕入等を仕訳して利益や債権債務を把握することを目的とする「管理会計」があり,必要に応じて使い分けられていることは周知である 「財務会計」においては,会計情報の統一性や比較 。
可能性を担保するために計上基準日(債権債務と収益の認識日)が不可欠であるが 「管理会計」においては,一般的な会計原則に従って処理を行う必要は ,ないので,計上基準日が常に必要であるとはいえない。そして,本件特許発明に係る会計処理装置が,企業内部向けに使用される「管理会計」を主な目的としていることは,本件明細書に接した当業者にとって容易に理解される。本件特許発明に係る会計処理装置において計上基準日が設けられていなくても,そのことにより,本件特許発明が不明確36条6項2号に規定する要件を満たしていないということはできず,また,発明未完成のため29条1項柱書に規定する要件を満たしていないということはできない。
第5当裁判所の判断1本件補正の違法性を看過して請求項1に係る発明を認定した誤り(取消事由1)について当裁判所は,審決が,本件補正は134条の2第5項で準用する131条の2第1項の規定を充足しているとして,本件補正後の訂正請求書による本件訂正を認めた上で,請求項1に係る発明の内容を認定した点に誤りはないから,取消事由1は理由がないと判断する。その理由は,以下のとおりである。
134条の2第5項で準用する131条の2第1項本文が,請求書の補正は要旨変更を伴うものであってはならないとした趣旨は,訂正許否の判断についての審理の遅延の防止にあるから,本件補正が訂正請求書の要旨の変更に当たるか否かは,上記の観点により,実質的に判断すべきである。なお,原告は,「補正前の訂正請求書によって訂正された発明」と「補正後の訂正請求書によって訂正された発明」の各技術的思想を対比して,各技術的思想に相違があるか否かによって判断すべきであると主張するが,同主張は採用の限りでない。
本件補正(別紙1)は,訂正請求書に記載された本件補正前の第1ないし第5訂正事項のうち,第2,第3訂正事項を撤回するものであるが,第2,第3の訂正事項は,いずれも明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり,同訂正事項が撤回されたとしても,訂正請求書の内容が変更されたと解する余地はなく,訂正の許否の判断について審理の遅延を招くことはない。このような事情に照らすならば,本件補正は,訂正請求書の要旨を変更するものというべきではない。したがって,本件補正は134条の2第5項で準用する131条の2第1項の規定を満たしており,これを適法であるとした審決の判断に誤りはない。
2本件特許発明自然法則を利用した技術的思想創作に該当すると判断した誤り(取消事由2)について当裁判所は,審決が,本件特許発明自然法則を利用した技術的思想創作に該当するとした判断に誤りはなく,取消事由2は理由がないと判断する。その理由は,以下のとおりである。
( )請求項1に係る発明について1ア請求項1に係る発明は,旅行業向け会計処理装置の発明であり,経理ファイル上に 「売上」と「仕入」とが 「前受金「未収金「前払金 , ,,」,」,」「未払金」と共に,一旅行商品単位で同日付けで計上されるようにしたことを特徴とする(1P 。その構成は,電子ファイルである経理ファイル )(),(「」「」) 1A第1の計上要求操作売上 及び 仕入 の同日付計上を要求と第2の計上要求操作( 入金」又は「支払」の計上を要求)があったこ 「とをそれぞれ判別する操作種別判定手段(1B ,操作種別判定手段によ )り第1の計上要求操作ありと判定されたときに実施される第1の計上処理手段(1C ,操作種別判定手段により第2の計上要求操作ありと判定さ )れたときに実施される第2の計上処理手段(1D)を有し,第1の計上処理手段(1C)は,前受金判定手段(1E ,売上計上処理手段(1F , ) )前払金判定手段(1G ,仕入計上処理手段(1H)を含み,第2の計上 )処理手段(1D)は,売上仕入済み判定手段(1I ,売上仕入前計上処 )理手段(1J ,売上仕入後計上処理手段(1K)を含み,さらに,売上 )仕入前計上処理手段(1J)は,操作種別判定手段(1L ,前受前払金 )の計上処理手段(1M)を含み,売上仕入後計上処理手段(1K)は,操作種別判定手段(1N ,未収未払金の計上処理手段(1O)を含むもの )である。そして,上記各手段は,コンピュータプログラムがコンピュータに読み込まれ,コンピュータがコンピュータプログラムに従って作動することにより実現されるものと解され,それぞれの手段について,その手段によって行われる会計上の情報の判定や計上処理が具体的に特定され,上記各手段の組み合わせによって,経理ファイル上に 「売上」と「仕入」 ,とが 「前受金「未収金「前払金「未払金」と共に,一旅行商品単 ,」,」,」,位で同日付けで計上されるようにするための会計処理装置の動作方法及びその順序等が具体的に示されている。
,, , そうすると 請求項1に係る発明は コンピュータプログラムによって上記会計上の具体的な情報処理を実現する発明であるから,自然法則を利用した技術的思想創作に当たると認められる。
イこの点,原告は,?@請求項1において特定された「手段」は,本件特許の特許出願の願書に添付された図面の図3ないし5に示された処理手順の各ステップの内容を特定したものであるところ,この処理手順及び各ステップの内容は,請求項1にいう同日付計上の会計処理を,伝票と手計算で実行する際の手順及び内容と同様のものであり,上記特定は,手計算に代えてコンピュータを使用したことに伴い必然的に生じる特定にとどまること,?A本件特許発明の作用効果である「売上と仕入を一旅行商品単位で同日計上することから,従前の旅行業者向けの会計処理装置では不可能であった,一旅行商品単位での利益の把握が可能となる。また,同様に従前の旅行業向け会計処理装置では不可能だった債権債務の管理が可能となるため,不正の防止や正しい経営判断が容易となる 」は,自然法則の利用と 。
は無関係の会計理論又は会計実務に基づく効果にすぎないことなどから,請求項1に係る発明は,自然法則を利用した技術的思想創作とはいえない,と主張する。
しかし,原告の上記主張は,採用することができない。
すなわち,?@本件特許の特許出願の願書に添付された図面の図3は,本件特許発明に係る旅行業向け会計処理装置による処理操作の一例を示す概略フローチャート,図4は,第1計上処理を示す詳細フローチャート,図5は,第2計上処理を示す詳細フローチャートであり(甲10 ,コンピ )ュータプログラムに従ってコンピュータにより行われるべき情報処理の流れが開示されていること,?A請求項1においては,それぞれの手段について,その手段によって行われる会計上の情報の判定や計上処理が具体的に, , 特定され コンピュータに対する制御の内容が具体的に示されていること?Bその処理手順等は,その性質上,伝票と手計算で実行する際の処理手順, ,, 等と全く同様ではなく 相違する点があることに照らして 原告の主張はその前提を欠くものであって,採用の限りでない。
また,コンピュータを利用することによって,所定の情報処理を迅速・正確に実現することを目的とする発明の構成中に,伝票と手計算によって実現できる構成要素が含まれていたとしても,そのことによって,当該発明全体が,自然法則を利用した技術的思想創作に該当しないとするいわれはないから,この点の原告の主張も採用の限りでない。
さらに,本件明細書( 0068 )には,本件特許発明の作用効果とし 【】て 「売上と仕入を一旅行商品単位で同日計上することから,従前の旅行 ,業者向けの会計処理装置では不可能であった,一旅行商品単位での利益の把握が可能となる。また,同様に従前の旅行業向け会計処理装置では不可能だった債権債務の管理が可能となるため,不正の防止や正しい経営判断が容易となる 」と記載されており,本件特許発明は,上記の作用効果を 。
目的とするものであることが認められ,上記の作用効果は,人の精神活動に基づいて体系化された会計理論,会計実務を前提とし又は応用したもの。, , を含むといえる しかし 上記のような作用効果が含まれていたとしてもそのことによって,コンピュータの利用によって実現される発明全体が,自然法則を利用した技術的思想創作に該当しないとするいわれはないから,この点の原告の上記主張も採用の限りでない。
以上のとおり,請求項1に係る発明は,自然法則を利用した技術的思想創作に当たる。
( )請求項2ないし4に係る発明について2請求項2は 「1の旅行商品を構成する乗り物や宿泊施設等の項目,並び ,に,各項目に関する売上や仕入等の金額データを登録するための予約カードに相当する電子ファイルである旅行商品ファイルを有し,旅行商品ファイル内に登録された『売上』及び『仕入』に関する各項目の金額データが全て確定していることを条件として起動されるように構成された,ことを特徴とする請求項1に記載の旅行業向け会計処理装置 」であり,請求項1に係る発 。
明に限定を付したものであるから,請求項2に係る発明も,自然法則を利用した技術的思想創作に当たる。
請求項3に係る発明は,請求項1の構成をすべて備えた旅行業向け会計処理装置として,コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムの発明であるから,請求項3に係る発明も,自然法則を利用した技術的思想創作に当たる。
請求項4は 「1の旅行商品を構成する乗り物や宿泊施設等の項目,並び ,に,各項目に関する売上や仕入等の金額データを登録するための予約カードに相当する電子ファイルである旅行商品ファイルを有し,旅行商品ファイル内に登録された『売上』及び『仕入』に関する各項目の金額データが全て確定していることを条件として起動されるように構成された,ことを特徴とする請求項3に記載のコンピュータプログラム 」であり,請求項3に係る発 。
明に限定を付したものであるから,請求項4に係る発明も,自然法則を利用した技術的思想創作に当たる。
3本件特許発明が明確であり(36条6項2号 ,発明未完成ではない(29 )条1項柱書)と判断した誤り(取消事由3)について当裁判所は,本件特許発明に係る会計処理装置が,企業内部向けに使用される「管理会計」を主な目的としていることは明らかであるから,特許請求の範囲には,一般的な会計原則・会計基準に従った計上基準日を設けることが記載される必要はなく,不明確な点はないから,36条6項2号及び29条1項柱書に規定する要件をいずれも充足しているとした審決に誤りはなく,取消事由3は理由がないと判断する。その理由は,以下のとおりである。
( )本件明細書における「会計」の意義及び計上基準日の要否について1「会計」には,その目的・趣旨によって 「財務会計」と「管理会計」が ,ある。そこで,本件特許発明が「財務会計」及び「管理会計」のいずれを前提としたものであるかを検討する。
まず,以下の各刊行物によれば 「財務会計」は,株主・金融機関など企 ,業外部の者を対象としており,外部の者が理解することができ,企業間の比較ができるように,統一性や比較可能性が要求され,そのため,一般的な会計原則・会計基準に従って会計処理等を行わなければならないのに対し管,「理会計」は,企業内部の経営管理者等を対象として,経営の計画と統制などに必要な情報を提供するために,経営者の必要に応じて作成される会計であり,必ずしも一般的な会計原則・会計基準に従って会計処理等を行うことは要求されないことが認められる。
ア「MBAENGLISH経済・会計・財務の知識と英語を身につける (著者:内之倉礼子,発行者:内田眞吾,発行・発売:ベレ出版,2 」006年(平成18年)7月12日初版第3刷発行,甲28)105ないし106頁には,以下の記載がある。
「財務会計財務会計 は投資家 や企Financial AccountingInvestorBusiness () ,()(業)関係者および一般の人たちが,(マネージメント・経Management営者)の経営能力を正しく評価するための情報を提供します。
(財務会計)は,主に外部的に使われるため,客Financial Accounting観的な見解によって作成され,一般的に(会計)と呼ばれる Accountingのは,(財務会計)のことをさします。Financial AccountingBusinessType Financial Accounting()(), 企業 の種類 にもよりますが(財務会計)は企業外部,すなわち(投資家 ,(銀行)InvestorBank )などが今後の融資および(投資)の判断をするための重要なInvestment情報を提供するので,(財務会計)は,(一 Financial AccountingGAAP般的に認められた会計原則)に則っていなければいけません。
管理会計(管理会計)は,(マネージメンManagement AccountingManagementト・経営者)を助けるための(会計)と覚えてください。 Accounting(管理会計)を基に,(マネージ Management AccountingManagementメント・経営者)は,(商品・製品)の(価格)を決定した GoodsPriceり,どの(商品・製品)をどれくらい製造するかなどを検討する Goodsための情報を提供します。
() , ,Management Accounting 管理会計は 企業内部で使用されるため主観的な判断を基に(マネージメント・経営者)の必要にManagement応じて作成されます。また,企業内部のみで使用するという特異性のため,(一般的に認められた会計原則)に必ずしも沿っていなけれGAAPばいけないという決まりはありません 」。
イまた 「現代会計学総論 (著者:田中茂次,発行者:山本時男,発行所 ,」, ,) :株式会社中央経済社 平成13年5月25日第2版第3刷発行 甲298頁には,以下の記載がある。
「 2)管理会計(管理会計()は,内部利用者のための会計managementaccounting( )である。内部報告会計とも呼ばれる。すな accounting for internal usersわち,経営者が経営管理を行うにあたって必要な会計情報を提供することを目的とする。一般に,経営者は,将来の企業の行動案を探り,適切な計()。,, 画をたてなければならない そして その計画を実行に移し planningその結果を計画に照らして評価しながら,統制()してゆかなけれ controlばならない。管理会計は,このような計画と統制に有用と思われる会計情報を経営者に提供することを目的としている 」。
ウさらに 「会計学入門 (著者:千代田邦夫,発行者:山本時男,発行所 ,」:株式会社中央経済社,平成17年1月20日第6版発行,甲30)87ないし88頁には,以下の記載がある。
「 2)財務会計と管理会計 (企業会計は,会計報告書が企業の外部者に向けられるのか,それとも企業の内部者に向けられるのかによって,財務会計()financial accountingと管理会計()に分けられる。 management accounting財務会計は,外部の利害関係者を会計報告書の受け手として行う会計である。したがって,財務会計は外部報告会計とも呼ばれる。そこでは,会計報告書の統一性や比較可能性が要求されるので,会計原則や会計基準,商法や税法などに従って会計処理や報告が行われる。
これに対して,管理会計は,社長を頂点とする企業内部の経営管理者のために,企業の活動を測定し報告する会計である。このことから,管理会計は内部報告会計と呼ばれることもある。典型的には,経営者が経営計画の立案や予算管理,原価管理などを行うに当たって必要な会計情報を提供することである 」。
( )本件明細書の記載2本件明細書には,以下の記載がある。
ア従来技術(ア)本願明細書には,従来技術について,次のとおりの記載がある。
「 0002 【従来の技術】従前,旅行業においては,売上については 【】航空券やクーポン券などのチケットを発券したときに計上し,仕入については支払時に計上するという会計方法を採用していた。
【0003】このため,債権債務の正確な把握ができず,正確な経営判断が行えなかった。加えて,売上を早期に上げるために早期の発券による売上の前倒しなどが行われることがあり,これもまた正しい経営判断を行う上での妨げとなっていた。
【0004】一般的な会計処理に関する提案としては,例えば,特開昭62-285177号公報において示された経理自動仕訳システム,特開平6-139260号公報において示された販売管理プログラム,など多くの提案がなされている 」。
「 0065】一方,旅行業における従来の会計方法で図6に示した旅 【行商品の仕訳を行った場合の一例が,図8に示されている。同図に示した例では,売上については航空券やクーポン券などの発券時に計上するといういわゆる発券主義が採用されており,仕入については支払時に計上するという会計方法が採用されている。
【0066】同図に示した経理ファイルの例では,旅行商品を構成する各商品毎に売上と仕入とが別々に計上されるため,旅行商品単位での利益が把握できない。また,顧客からの入金が前受金であるか未収金であるかの区別が的確に行えておらず,仕入先への未払金の把握もできていないため,債権債務の管理が適切に行えない。また,発券日時を早めることで売上の前倒しが容易に行うことが可能であり,的確な経営判断の妨げとなる 」。
(イ)前記(ア)のとおり,従来,旅行業では,売上は発券時に計上し,仕,, 入は支払時に計上するという会計方法を採用していたが それによれば債権債務の正確な把握ができず,正確な経営判断が妨げられるなどの問題点があった。
イ本件特許発明の課題(ア)本件明細書には,本件特許発明の課題について,次のとおりの記載がある。
「 0005 【発明が解決しようとする課題】 【】しかしながら,このような従来の一般的な会計処理システム,会計処理方法などは一般的な業務を前提としているため,上記のような旅行業における会計業務の問題点を解決するに十分ではない。
【0006】本発明は上述の問題点を鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,経理作業における手間を大幅に削減することが可能であり,しかも債権債務の管理が容易である旅行業向け会計処理装置並びに同装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【0007】また,本発明の他の目的とするところは,売上・仕入などの取引データを従前より早期に経営に反映させることが可能である旅行業向け会計装置並びに同装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【0008】本発明の更に他の目的とするところは,旅行業種において会計処理業務に有する手間と人手とを削減することが可能な旅行業向け会計処理装置並びに同装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを提供することにある 」。
(イ)前記(ア)の記載によれば,本件特許発明の課題は,経理作業の手間を大幅に削減すること,債権債務の管理を容易にすること,売上・仕入などの取引データを従前より早期に経営に反映させることが可能な旅行業向け会計処理装置及び同装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを提供することにある。
ウ課題を解決するための手段前記イの課題を解決するための旅行業向け会計処理装置は,請求項1記載のものである( 0010。【】),, , そして 発明の詳細な説明には 請求項1記載の会計処理装置について次のとおりの説明が記載されており 【0015】には,出発日をもって ,売上と仕入を計上する計上日とすることが望ましい旨記載されている。なお 【0015】には 「基準日」との文言が用いられているが 【001 ,, ,5】の記載を参酌すると,同文言は 「売上と仕入を計上する計上日」と ,の意味で用いられているのであって,原告が主張するような,一般的な会計原則・会計基準における「計上基準日 (債権債務と収益の認識日)と 」の意味で用いられているものではないと解される。
「 0011】ここで 「旅行商品」とは,旅行業において取り扱う有形・ 【,無形のあらゆる商品,例えば航空券,ホテル,ツアーコンダクター同行サービスなどの商品単品,もしくはこれらの商品を二つ以上組み合わせたもののことである。
【0012 「経理ファイル」とは,経理データを管理するためのいわゆ 】る帳簿のことであり,紙媒体,電子ファイルなどの形式は問わないが,経理データの整理などの面から電子ファイルとして保存されることが望ましい。このような経理ファイルは,旅行商品の情報を登録するための旅行商品ファイルと関連付けて処理できるように構成しておけば,旅行商品ファイルと経理ファイルとに別々にデータを登録する手間が省け,経理作業にかかる時間と手間が削減できる。
【0013 「前受金」とは,売上計上前に顧客から入金があった売上金 】額を示す勘定科目である 「未収金」とは,売上計上後に顧客から入金が 。
あった売上金額を示す勘定科目である。換言すれば 「未収金」とは,売 ,上計上前に顧客から入金がなかった売上金額を示す勘定科目である 「前。
払金」とは,仕入計上前に仕入先への支払を行った仕入金額を示す勘定科目である 「未払金」とは,仕入計上後に仕入先への支払を行った仕入金 。
額を示す勘定科目である。換言すれば 「未払金」とは,仕入計上前に仕 ,入先への支払が行なわれなかった仕入金額を示す勘定科目である。尚,これらの勘定科目については,その意味づけさえ損なわれなければ他の勘定科目で置き換えても良い。
【0014】そして,このような構成によれば,売上と仕入を一旅行商品単位で「前受金「未収金「前払金「未払金」と共に,同日計上す 」,」,」,ることから,従前の旅行業向けの会計処理装置では不可能であった,一旅行商品単位での利益の把握が可能となる。また,同様に従前の旅行業向け会計処理装置では不可能だった債権債務の管理が可能となるため,不正の防止や正しい経営判断が容易となる。
【0015】なお 「売上」と「仕入」とを計上する計上日としては,当 ,該旅行商品の出発日であることが望ましい。このような構成によれば,旅行商品が現に顧客に提供された日である出発日を基準日として用いることから,基準日と旅行商品との対応関係が明確である。また,旅行業においては出発日にほとんどの売上・仕入データが確定するので,データ管理上も都合がよい。
【0016】本発明の望ましい実施の形態においては,1の旅行商品を構成する乗り物や宿泊施設等の項目,並びに,各項目に関する売上や仕入等の金額データを登録するための予約カードに相当する電子ファイルである旅行商品ファイルを有し,旅行商品ファイル内に登録された「売上」及び「仕入」に関する各項目の金額データが全て確定していることを条件として起動されるように構成される。
そして,このような構成によれば,売上と仕入が確定した後にのみ計上可能とすることにより,より確度の高い金額データを計上することができる。これは,できるだけ正確なデータを帳簿に登録する,という点からも好ましい。
【0017】別の好ましい実施の形態においては,前記旅行商品ファイルについて,前記精算処理がなされた後に追加精算が生じた際には,前記精算済み旅行商品ファイルと関連付けて追加ファイルを作成し,追加精算を行うようにしても良い。
【0018】このような構成によれば,仮に精算処理及び計上処理がなされた後に追加精算の必要性が生じた場合でも,元のファイルと関連付けた追加ファイルにより追加精算を行うため,元のデータの変更を行う必要がなく精算及び計上済みのデータの信頼性が担保される。また,追加精算を生じうる場合でも,その確定を待たずに精算及び計上を行うことが可能であり,当該旅行商品のデータを早期に経営に反映することが可能となる。
【0019】尚,本発明は上述の旅行業向け会計処理装置と同様の構成をコンピュータに実行させるための機能を有する旅行業向け会計処理プログラムとして実現されても良い 」。
実施例本件明細書( 0020】ないし【0067 )には,本件特許発明の実 【 】施例が記載されており,そのうち,図7の実施例は,売上と仕入を出発日に同日計上したものであり,それについては,次のとおりの記載がある。
「 0061】以上において述べた,図3乃至図5のフローチャートに従 【って,第1計上処理と第2計上処理を実行した場合の経理ファイルの一例が,図7に示されている。同図においては,図6に示した旅行商品ファイルに登録された内容を,図3乃至図5のフローチャートに従って経理ファイルに登録した場合の例を示している。尚,この例において売上と仕入の, () 計上は 旅行商品が現に顧客に提供された日である旅行出発日 7月3日に実行している。
【0062】同図によれば,売上金額のうち,売上計上時に既に入金が終, (), 了している分 即ち前受金については自動振替が行われ 伝票00003売上計上時に入金が行われていない分,即ち未収金については自動計上が行われる(伝票00004 。未収金については,その後顧客からの入金 )があった時点で自動振替が行われる(伝票00009 。)【0063】同様に,仕入金額のうち,仕入計上時に既に支払が終了している分,即ち前払金については自動振替が行われ(伝票00005 ,仕)入計上時に支払が終了していない分,即ち未払金については未払金として( )。, 自動計上が行われる 伝票00006〜00008未払金についてはその後支払が行われた時点で自動振替が行われる(伝票00010〜00012 。)【0064】同図から明らかなように,本発明によれば,従前の会計処理装置では不可能であった旅行業における債権債務の把握が容易に行える。
尚,この例においては,売上及び仕入計上時に未収金と未払金とが「自動計上」され,これらに相当する入出金があったときに「自動振替」が行われるとしているが,これらの言葉は同様の意味をもつ別の言葉や,当該旅行商品が特定できる別の言葉で置き換えられても良い。
【0065】一方,旅行業における従来の会計方法で図6に示した旅行商品の仕訳を行った場合の一例が,図8に示されている。同図に示した例では,売上については航空券やクーポン券などの発券時に計上するといういわゆる発券主義が採用されており,仕入については支払時に計上するという会計方法が採用されている。
【0066】同図に示した経理ファイルの例では,旅行商品を構成する各商品毎に売上と仕入とが別々に計上されるため,旅行商品単位での利益が把握できない。また,顧客からの入金が前受金であるか未収金であるかの, , 区別が的確に行えておらず 仕入先への未払金の把握もできていないため債権債務の管理が適切に行えない。また,発券日時を早めることで売上の前倒しが容易に行うことが可能であり,的確な営業判断の妨げとなる。
【0067】図7と図8に示した例から,本発明による旅行業向けの会計処理装置と従来の会計方法とを比較した場合,図8に示した従来の会計方法では債権債務の管理や売上の前倒し防止が不可能であったのに対して,図7に示した本発明の会計処理装置によれば債権債務の管理や売上の前倒し防止が容易に実行できることが明らかである 」。
オ作用効果本件特許発明の作用効果については,次のとおりの記載がある。
「 0068 【発明の効果】以上の説明で明らかなように,本発明によれ 【】ば,売上と仕入を一旅行商品単位で同日計上することから,従前の旅行業向けの会計処理装置では不可能であった,一旅行商品単位での利益の把握が可能となる。また,同様に従前の旅行業向け会計処理装置では不可能だった債権債務の管理が可能となるため,不正の防止や正しい経営判断が容易となる 」。
( )本件明細書の「会計」の意義に関する判断3そこで,本件特許発明が「財務会計」及び「管理会計」のいずれによるものか検討する。本件明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明には,本件特許発明が「財務会計」に係るものである旨の記載はなく,また 「財務,会計」において要求される一般的な会計原則・会計基準に従わなければならない旨の記載はない。また,前記( )イのとおり,本件特許発明の課題は,2経理作業の手間を大幅に削減すること,債権債務の管理を容易にすること,売上・仕入などの取引データを従前より早期に経営に反映させることが可能な旅行業向け会計処理装置及び同装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを提供することにあり,前記( )オのとおり,本2件特許発明の作用効果は,一旅行商品単位での利益の把握,債権債務の管理が可能となり,不正の防止や正しい経営判断を容易とすることである。
以上の点に照らすならば,本件特許発明における課題及び作用効果は,企業の経営状態を株主・金融機関など外部者に適切に示すためのものではなく,企業内部において経営管理者が経営の計画と統制に役立てるためのもの。,,「」 であることは明らかである そうだとすると 本件特許発明は財務会計に係るものではなく,企業内部の会計処理に使用することを前提とした「管理会計」に係るものであると認められる。
なお 「MBAENGLISH経済・会計・財務の知識と英語を身に ,つける (甲28)105頁(前記( )ア)には 「(財 」 ,1Financial Accounting務会計)は,主に外部的に使われるため,客観的な見解によって作成され,一般的に(会計)と呼ばれるのは,(財務会Accounting Financial Accounting計)のことをさします 」との記載があり,本件明細書には,文言上は「財 。
務会計「管理会計」などと特定せず単に「会計」と記載されているのみで 」,, ,「」 「」 あるが 本件明細書の記載からして 本件特許発明の 会計 が 管理会計を意味することは,容易に理解することができる。
( )小括(本件特許発明の不明確性及び発明未完成の有無について)4本件特許発明は 「管理会計」に係るものであるから,必ずしも「財務会 ,計」のように一般的な会計原則・会計基準に従って会計処理等を行うことは要求されない。
この点,原告は 「旅行業の会計処理の特殊性に鑑みて,一般的な会計原 ,則・会計基準に従って計上基準日(債権債務と収益の認識日)を設けることは不可欠である 」と主張する(前記第3,3( )ア 。しかし,原告が旅行 。 )1業の会計処理の特殊性として主張する問題事項( 旅行業における旅行商品 「の販売に際しては,顧客の来店又は電話から始まり,予約金の支払,請求書の発行,残金の支払,出発日の到来,旅行からの帰着など,ある期間にわたっていくつかの手順を踏むが,売上の時期を単純に定めることはできない。
しかし,計上基準日を定めず,ある商品は請求書発行の後に売上計上し,ある商品は帰着日の後に売上計上するというような会計処理をするならば,その結果を評価することができない 」前記第3,3( )ア)は,本件明細書に 。 1従来技術の問題点(前記( )ア ,本件特許発明の課題(前記( )イ)として 2 2)記載された事項と実質的に共通するものと認められる。本件明細書の記載によれば,本件特許発明は,そのような従来技術の問題点,課題を解決するものと認められるが,そのような問題点,課題を解決するために,原告主張のように一般的な会計原則・会計基準に従って計上基準日を設けることが不可欠であるということはできない。したがって,原告の上記主張は,採用することができない。
また,原告は 「本件特許発明は,財務会計・・・の会計処理装置及びそ ,のコンピュータプログラムの発明であることに鑑みて,一般的な会計原則・会計基準に従って計上基準日を設けることが必要である前記第3 3( ) 。」(,1イ)と主張する。しかし,前記( )のとおり,本件特許発明は「管理会計」 3に係るものであると認められ 「財務会計」に係るものであるとは認められ ,ないから,原告の上記主張も採用することはできない。
そうすると,本件明細書に,原告主張のように一般的な会計原則・会計基準に従って計上基準日を設けることが記載されていないとしても,そのことの故に,本件特許発明が不明確であって36条6項2号に規定する要件を満たしていないとはいえないし,また,本件特許発明は未完成であって29条1項柱書に規定する要件を満たしていないとはいえない。本件明細書の記載によれば,本件特許発明は明確であるので,36条6項2号に規定する要件を満たしており,また,本件特許発明産業上利用することができる発明であるので29条1項柱書に規定する要件を満たしていると認められ,審決の同旨の判断に誤りはなく,取消事由3は理由がない。
4結論以上のとおり,原告主張の取消事由はいずれも理由がない。原告は,その他縷々主張するが,審決にこれを取り消すべきその他の違法もない。
よって,原告の本訴請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。
追加
別紙1本件補正の内容1本件補正前の訂正本件補正前の訂正請求書による訂正は,請求項1については,次の第1ないし第5訂正事項の訂正を行うものであった。
()第1訂正事項1特許請求の範囲減縮を目的とする。
構成要件1Bに「利益把握のために」との文言を追加する。
ア訂正前の構成要件1B「いずれかの旅行商品に関して『売上』及び『仕入』の同日付計上を要,求する第1の計上要求操作があったこと『入金』又は『支払』の計上を要,求する第2の計上要求操作があったこと,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と」,イ訂正後の構成要件1B「いずれかの旅行商品に関して,利益把握のために『売上』及び『仕入』の同日付計上を要求する第1の計上要求操作があったこと入金又は支,『』『払』の計上を要求する第2の計上要求操作があったこと,をそれぞれ判定する操作種別判定手段と(下線部は,訂正により追加した部分),」()第2訂正事項2明りょうでない記載の釈明を目的とする。
構成要件1Fに「と貸方に計上済の『前受金』とのうちの当該『前受金」』との文言を追加する。
ア訂正前の構成要件1F「前受金判定手段により予定される総売上額と総前受金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの貸方には,予定される総売上額を『売上』として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの借方には,既に経理ファイルの借方に計上済みの各販売商品の前受金相当の『現金』を『前受金』にそれぞれ自動振替して計上する一方,前受金判定手段により総売上額よりも総前受金額が少ないと判定されたときには,上記の『売上』計上及び『前受金』自動振替に加えて,予定される総売上額と総前受金額との『』,」差額を経理ファイルの借方に未収金として計上する売上計上処理手段とイ訂正後の構成要件1F「前受金判定手段により予定される総売上額と総前受金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの貸方には,予定される総売上額を『売上』として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの借方には,既に経理ファイルの借方に計上済みの各販売商品の前受金相当の『現金』と貸方に計上済みの『前受金』とのうちの当該『前受金』を『前受金』にそれぞれ自動振替して計上する一方,前受金判定手段により総売上額よりも総前受金額が少ないと判定されたときには,上記の『売上』計上及び『前受金』自動振替に加えて,予定される総売上額と総前受金額との差額を経理ファイルの借方に『未収金』として計上する売上計上処理手段と(下線部は,訂,」正により追加した部分)()第3訂正事項3明りょうでない記載の釈明を目的とする。
「『』『』」構成要件1Hにと借方に計上済みの前払金とのうちの当該前払金との文言を追加する。
()第4訂正事項4誤記の訂正を目的とする。
構成要件1Hの「借方」を「貸方」と改める。
()第5訂正事項5誤記の訂正を目的とする。
構成要件1Hの「未収金」を「未払金」と改める。
ア訂正前の構成要件1H「前払金判定手段により予定される総仕入額と総前払金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの借方には,予定される総仕入額を『仕入』として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの貸方には,既に経理ファイルの貸方に計上済みの各販売商品の前払金相当の『現金』を『前払金』にそれぞれ自動振替する一方,前払金判定手段により総仕入額よりも総前払金額が少ないと判定されたときには上記の仕入計上及び前,『』『払金』自動振替に加えて,予定される総仕入額と総前払金額との差額の内訳を経理ファイルの借方に『未収金』としてそれぞれ計上する仕入計上処理手段と,を含み」,イ訂正後の構成要件1H「前払金判定手段により予定される総仕入額と総前払金額とが一致していると判定されたときには,経理ファイルの借方には,予定される総仕入額を『仕入』として計上すると共に,これと対応する経理ファイルの貸方には,既に経理ファイルの貸方に計上済みの各販売商品の前払金相当の『現金』と借方に計上済みの『前払金』とのうちの当該『前払金』を『前払金』にそれぞれ自動振替する一方,前払金判定手段により総仕入額よりも総前払金額が少ないと判定されたときには,上記の『仕入』計上及び『前払金』自動振替に加えて,予定される総仕入額と総前払金額との差額の内訳を経理ファイル『』,,」の貸方に未払金としてそれぞれ計上する仕入計上処理手段とを含み(点線による下線部は,第3訂正事項により追加した部分であり,実線による下線部は,第4,第5訂正事項により改めた部分である)。
2本件補正本件補正は,訂正請求書の第1ないし第5訂正事項のうち第2,第3訂正事項を削除するものである。
裁判長裁判官 飯村敏明
裁判官 中平健
裁判官 上田洋幸
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