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関連審決 不服2002-22487
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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成18行ケ10509審決取消請求事件 判例 特許
平成17行ケ10445審決取消請求事件 判例 特許
平成18行ケ10550審決取消請求事件 判例 特許
平成18行ケ10487審決取消請求事件 判例 特許
平成22行ケ10402審決取消請求事件 判例 特許
関連ワード 自然法則 /  創作性(創作) /  製造方法 /  頒布された刊行物 /  進歩性(29条2項) /  容易に発明 /  相違点の判断 /  公知技術 /  技術常識 /  発明の詳細な説明 /  参酌 /  容易に想到(容易想到性) /  実施 /  構成要件 /  発明の範囲 /  拒絶査定 /  請求の範囲 /  拡張 / 
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事件 平成 18年 (行ケ) 10094号 審決取消請求事件
原告三 井化学株式会社
訴訟代理人弁理士宮崎昭夫
同 生沼コ二
同 石橋政幸
同 太田顕学
被告特 許庁長 官肥塚雅博
指定代理 人江塚政弘
同 末政清滋
同 大場義則
同 徳永英男
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2007/07/30
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1当事者の求めた裁判1原告特許庁が不服2002-22487号事件について平成18年1月18日にした審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
2被告主文と同旨第2当事者間に争いのない事実1特許庁における手続の経緯原告は,発明の名称を「レンズ及びその製造方法」とする発明につき,平成11年12月10日に特許出願 平成11年特許願第351772号 以下 本 ( 。「願」という )をした。。
原告は,本願につき平成14年8月13日付け手続補正書(甲5の2)により明細書の補正をした(同補正後の請求項の数は6である )が,同年10月。
16日付けで拒絶査定を受けたので,同年11月21日,これに対する不服の審判を請求するとともに,平成17年9月15日付け手続補正書(甲5の3)(,「」。)。 による明細書の補正をした 以下 同補正後の明細書を 本願明細書 という特許庁は,上記審判請求を不服2002-22487号事件として審理した結果,平成18年1月18日 「本件審判の請求は,成り立たない 」との審決 , 。
をした。
2特許請求の範囲本願明細書の特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおりである。
「 . 分子内に2つ以上のエピスルフィド基を有する化合物と10ppmから001ppmの範囲の染料からなるブルーイング剤を含有する重合性組成物を。」(, 注型重合することを特徴とするエピスルフィド系レンズの製造方法以下この発明を「本願発明」という )。
3審決の理由( ) 別紙審決書の写しのとおりである。要するに,本願発明は,本願の出願前1に頒布された刊行物である特開平11-335560号公報(甲1。以下,「刊行物1」という,特開平9-133801号公報(甲2。以下 「刊 。) ,行物2」という,特開平9-291205号公報(甲3。以下 「刊行物 。) ,3」という )及び特開平9-263694号公報(甲4。以下 「刊行物 。 ,4」という )に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができた 。
ものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,とするものである。
( ) 審決が,本願発明に進歩性がないとの結論を導く過程において,認定した2刊行物1に記載された発明(以下「刊行物1発明」ということがある )の。
内容並びに本願発明と刊行物1発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。
(刊行物1発明の内容)分子内に2つ以上のエピチオ基を有する化合物とブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピチオ系レンズの製造方法(一致点)「分子内に2つ以上のエピスルフィド基を有する化合物とブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合するエピスルフィド系レンズの製造方法」である点(相違点)含有するブルーイング剤が,本願発明は,10ppmから0.01ppmの範囲の染料からなるのに対して,刊行物1には,使用するブルーイング剤の種類,含有量について記載されていない点第3原告主張の取消事由の要点審決は,次に述べるとおり,刊行物1発明の認定を誤った結果,本願発明との相違点を看過した誤り(取消事由1 ,及び相違点についての容易想到性の )判断の誤り(取消事由2)があるので,違法として取り消されるべきである。
1刊行物1発明の認定の誤り及び相違点の看過(取消事由1)( ) 刊行物1発明の認定の誤り1刊行物1の記載(段落【0002】〜【0005【0018【00】,】,19【0023】〜【0026【0038 )によれば,刊行物1に記 】, 】,】載されている発明は,エピチオ及びエピチオアルキルチオ構造を有する化合物を重合硬化して得られる樹脂が長期間の使用により変色し易い問題点を解決すると同時に初期着色及び材料の曇りの問題を解決するために,紫外線吸収剤と触媒を 一定の関係を満足する量 段落 000400230 ,(【】,【】,【024【0025】に示す関係を満足する量)使用することを特徴とする 】,光学材料用樹脂の製造方法に関する発明である。すなわち,刊行物1に記載のエピチオ系レンズの製造方法は,紫外線吸収剤と触媒を,一定の関係を満足する量(段落【0004【0023【0024【0025】に示す 】,】,】,関係を満足する量)使用することを必須構成要件とするものである。
上記のとおり,刊行物1には 「分子内に2つ以上のエピチオ基を有する化 ,合物と,紫外線吸収剤と触媒の使用量が,エピチオ化合物と紫外線吸収剤及び触媒の合計100重量部に対して,一定の関係式を同時に満たす量と,ブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピチオ系レンズの製造方法」が記載されているものであって,審決の認定した「分子内に2つ以上のエピチオ基を有する化合物とブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピチオ系レンズの製造方法」は記載されていない。審決の認定は誤りである。
( ) 本願発明と刊行物1発明の相違点の看過2本願発明と刊行物1発明との間では,刊行物1に記載の製造方法では「重合性組成物が,紫外線吸収剤と触媒の使用量が,エピチオ化合物と紫外線吸収剤及び触媒の合計100重量部に対して,一定の関係式を同時に満たす量を含有する」のに対して,本願発明では,紫外線吸収剤と触媒を含有していない点で相違する。審決は,この相違点を看過した違法がある。
2相違点についての容易想到性判断の誤り(取消事由2)( )ブルーイング剤の種類について1ア刊行物1発明は,エピチオ及びエピチオアルキルチオ構造を有する化合,, 物を重合硬化して得られる樹脂が長期間の使用により変色し易いが 他方これを解決するために紫外線吸収剤を配合した場合には,初期着色,及び材料の曇りが発生するので,長期間の使用による変色と紫外線吸収剤による初期着色との問題を解決しようとするもので,同発明は,これを,紫外線吸収剤と触媒を一定の関係を満足する量使用することで解決したものである。そして,刊行物1には,ブルーイング剤等の添加剤の配合量は,上記の発明の目的を妨げない範囲でされることを許容している(段落【0034 。】)上記のとおり,刊行物1発明は,紫外線吸収剤と触媒を一定の関係を満足する量使用することで,エピチオ及びエピチオアルキルチオ構造を有する化合物を重合硬化して得られる樹脂の長期間の使用による変色と紫外線吸収剤による初期着色との問題を解決したのであるから,刊行物1発明の目的を達成するために,さらにブルーイング剤を添加するという技術的な動機付けは存在しない。したがって,刊行物1の示す製造方法において,さらにブルーイング剤を添加する目的は,初期着色以外の問題解決のためと考えるのが自然である。また,紫外線吸収剤と触媒を,一定の関係を満足する量を使用することは,刊行物1に記載の製造方法の不可欠な構成要件であるから,その構成要件に代えてブルーイング剤を使用することに想到する動機付けもない。
イ刊行物2に記載の青色染料は,モノマー混合物を重合させてウレタン系樹脂を製造するに際し黄変する場合に,その補色としての青色染料を添加して透明感を補うというものである。しかし,長期間の使用による変色と紫外線吸収剤による初期着色との問題を同時に解決するために青色塗料を使用するものではない。また,刊行物1に記載のように,エピチオ構造さらにはエピチオアルキルチオ構造を有する新規な構造をも含む含硫黄化合物及びこれを硬化重合して得られる光学材料は,刊行物2に記載のようなウレタン系樹脂の光学材料では得られない十分に高い屈折率とアッベ数のバランスが得られる。このように,ウレタン系とエピスルフィド系では,レンズ(樹脂)を構成するモノマーが相違し,また,樹脂化するための重合システムも相違し,それぞれ反応性の官能基を有しているためモノマーとブルーイング剤にどのような相互作用あるのか明らかでない。
ウ刊行物3及び刊行物4に記載のものは,モノマーを注型重合するもので, , はなく 重合して製造されたポリカーボネート樹脂の熱可塑性を利用して溶融成形によりレンズを形成するものである。したがって,紫外線吸収剤を添加してモノマーを注型重合するものではないから,プラスチックレンズを注型重合する際の黄変化を防ぐために染料ブルーイング剤を添加するものとは異なる。
エ以上のとおり,刊行物2ないし4に染料ブルーイング剤が記載されていたとしても,刊行物1発明の課題解決とは異なる目的で使用するものであり,したがって,刊行物2ないし4の記載内容を基に,刊行物1の発明で使用するブルーイング剤として染料を用いることに想到する技術的な動機付けがない。
被告は,刊行物2記載の「ウレタン系」と刊行物1に記載の「エピス オルフィド系」の両モノマーとも,熱硬化性樹脂のモノマーである点で一致するから,モノマーが相違するという理由で,動機付けを否定できないと主張する。
しかし,被告の上記主張は,以下のとおり失当である。
ブルーイング剤の選定に当たっては,モノマー化合物が熱硬化性樹脂であるとか否かという性質だけではなく,モノマー化合物の有する反応, , 性官能基の種類モノマー化合物の反応性とブルーイング剤との反応性相互作用を総合的に考慮するのが当業者の常識である。
,「」,, , また熱硬化性樹脂 には エポキシ樹脂 不飽和ポリエステル樹脂フェノール樹脂,ユリア・メラミン樹脂,ポリウレタン樹脂,シリコー, ,,, ン樹脂ジアリルフタレート樹脂等がありその重合形態も開環重合二重結合のラジカル重合,重付加(付加重合 ,付加縮合による重合と様 )々なものが存在する。
刊行物2に記載のウレタン系がイソシアナート化合物と活性水素化合物による付加重合であるのに対し,本願発明はエピスルフィド化合物による開環重合であり,反応性官能基の種類や反応性,重合システムにおいて異なり,それぞれ反応性の官能基を有しているためモノマーとブルーイング剤にどのような相互作用があるかは不明である。
このように様々な熱硬化性樹脂がある中で,単に「熱硬化性樹脂のモノマーである点では一致する」という理由だけで,刊行物2に記載のウレタン系の熱硬化性樹脂に含有する青色染料から刊行物1のブルーイング剤として染料を使用する動機付けに当たるということはできない。したがって,被告主張は失当である。
( )ブルーイング剤の含有量について2ア審決は,刊行物2ないし4に染料ブルーイング剤の含有量が記載されていることを摘示した上で 「刊行物1の発明においてブルーイング剤として ,染料を選択した際に,当該染料が十分なブルーイング効果を発揮するように染料含有量の上限値,下限値を設定することは,当業者の通常の創作能力の発揮にすぎないもので,当業者が実験等により適宜設定し得る事項である (審決4頁9行〜12行)と説示する。 」, , 前述のとおり 刊行物1発明のエピチオ系レンズの製造方法においてはその目的達成のために,紫外線吸収剤と触媒を一定の関係を満足する量で使用することが不可欠であり,かつ,十分であるとされている。刊行物1には,ブルーイング剤について,刊行物1発明の目的を妨げない範囲においてブルーイング剤等の添加剤を配合してもよいとの記載( 段落003【4 )があるのみであるから,刊行物2ないし4に染料ブルーイングの含有 】量が記載されているとしても,染料のいかなる含有量が刊行物1に記載の一定の関係式で定まる紫外線吸収剤と触媒の量に影響を与えるのか開示されていないし,またどのようにして刊行物1発明の目的を妨げることなく染料含有量の上限値,下限値を設定することができるのかも開示されていない以上,刊行物2ないし4の染料ブルーイングを刊行物1に適用することは困難である。
イ本願発明では 「10ppmから0.01ppmの範囲の染料からなるブ ,ルーイング剤」の範囲で,エピスルフィド系レンズの製造においてレンズの製造時に添加される紫外線吸収剤などの添加剤や熱処理などの影響により樹脂が黄色く着色することがなく,無色透明なレンズが製造できる。実施例として,モノマー中に500ppb(0.5ppm)のブルーイング剤を含有させて重合し,得られたレンズの透明性に優れたことを示し(実施例1・段落【0041 ,実施例2・段落【0042,モノマー中にブ 】 】)ルーイング剤を含有しないで重合して得られるレンズは少し黄色く着色し(【】), , 比較例1・段落 0044モノマー中のブルーイング剤の含有量が前記一定範囲外の1500ppmの混合物を重合し,得られたレンズは非常に強く青色に着色し(比較例2・段落【0045,あるいは,非常に】)強く青紫色に着色したことを示している。本願明細書の記載並びにこれらの実施例及び比較例を基に,当業者の技術常識から見れば,本願発明に示, , す含有量の範囲のブルーイング剤ならば 得られるレンズは透明性に優れブルーイング剤の含有しない場合の黄色から,ブルーイング剤がその範囲。 を外れた量の場合は強く青または青紫色のレンズになることが了解される換言すれば,ブルーイング剤の含有量をゼロから前記一定範囲に近づくにつれ黄色が徐々に薄れ,次第に透明になり,さらに,ブルーイング剤の含有量を前記一定範囲から,それをさらに超えて増加すると,透明度が徐々に悪くなり,ブルーイング剤の染料によって,青又は青紫色に濃さが増していくと当業者の技術常識から推測できる。組成物に添加剤を含有した場合,一定の範囲の量の添加剤で,所定の効果を呈することが示されているときに,添加剤の量がその一定の範囲外の場合に,所定の効果がなくなるというよりは,その効果が減少し,又は良好となるのが通常であり,範囲の上限値及び下限値に臨界的意義はないといえる。
ウ原告は,特許庁での本願の審理の過程で,平成17年8月18日付け実験証明書(甲6)を提出したが,同証明書のデータによれば,本願明細書の記載及び実施例・比較例に基づいて,当業者の技術常識から上記イのように推測できることが示されている。本願明細書に記載の実施例は,ブルーイング剤の含有量として0.5ppmだけであるが,これは本願発明の構成の範囲内の値であり,比較例としてブルーイング剤の含有量の範囲外のものを示し,明細書の記載内容及び引用刊行物1ないし4を含む当該技術分野の技術常識からすれば数値範囲は自明の範囲である。当初明細書に開示のない事項を主張,立証するものではない。
審決は 知財高裁平成17年 行ケ 第10042号判決を引用して特 ,() ,「許出願後に実験データを提出して発明の詳細な説明の記載内容を記載外で補足することによって,その内容を特許請求の範囲に記載された発明の範囲まで拡張ないし一般化し,明細書のサポート要件に適合させることは,発明の公開を前提に特許を付与するという特許制度の趣旨に反し許されないというべきである (審決4頁下から4行目ないし5頁1行)と説示して 」いるが,前記実験証明書は,本願明細書に記載の範囲から自明の事項を確,。 認する実験データを示すだけのものであるから 審決の説示は当たらない第4被告の反論1刊行物1発明の認定の誤り及び相違点の看過(取消事由1)について本願発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載は 「分子内に2つ以上のエ ,ピスルフィド基を有する化合物と10ppmから0.01ppmの範囲の染料からなるブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピスルフィド系レンズの製造方法」であり,紫外線吸収剤,触媒,さらに紫外線吸収剤及び触媒の量的関係は,特許請求の範囲に記載された本願発明の構成要件とされていない。
したがって,本願発明の進歩性を検討するに当たって,刊行物1に紫外線吸収剤,触媒,紫外線吸収剤及び触媒の量的関係が記載されていても,これを具刊行物1 体的に認定する必要はなく,本願発明の構成要件との関連において発明を把握すれば足りるというべきである。
刊行物1には,本願発明との対比に必要な構成として 「分子内に2つ以上,のエピチオ基を有する化合物とブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピスルフィド系レンズの製造方法」が記載されていることは明らかであるから,審決のした刊行物1発明の認定に誤りはなく,また,相違点の看過もない。
2相違点の判断の誤り(取消事由2)について( )ブルーイング剤の種類について1原告は,刊行物1と刊行物2ないし4とは,添加されるブルーイング剤が添加目的及びモノマーにおいて相違すること,さらに,刊行物1と刊行物3,4とは,後者が注型重合するものではない点において相違することから,刊行物1の発明で使用するブルーイング剤として,刊行物2ないし4記載の染料を用いることを容易に想到するものでないと主張する。
しかし,原告の主張は,以下のとおり理由がない。
ア刊行物2に記載の「ウレタン系」と刊行物1に記載の「エピスルフィド,いずれも熱硬化性樹脂のモノマーである点において 系」のモノマーはは一致するので, 動機付けがないと モノマーが相違するからといって,はいえない。
刊行物1発明は,エピチオ基を有する化合物とブルーイング剤を含有 イする重合性組成物を注型重合するエピチオ系レンズの製造方法に関する。, ,「 , 発明である 他方 刊行物2に記載の発明はウレタン系樹脂レンズは各種の成分を含むモノマー混合物を型中に注入し,重合させることによって製造される (刊行物2の段落【0011 )との記載から,各種の 」 】成分を含むモノマーを含有する重合性組成物を注型重合するウレタン系樹脂レンズの製造方法に関する発明である。刊行物1発明 したがって,と刊行物2に記載の発明とは,重合性組成物を注型重合するプラスチックレンズの製造方法の点において,技術分野は一致する。
ウ刊行物1には 「さらに,本発明の目的を妨げない範囲において,黄変 ,防止剤,ブルーイング剤,顔料等の添加剤を配合しても良い(段落【0。」034 )と記載されているが,この記載は,刊行物1に記載されたエピ 】スルフィド系レンズの製造方法において,エピスルフィド基を有する化合物にブルーイング剤を配合してもよいことを明記したものと解されるところ,刊行物2には,この点に関する阻害要因とされる事項は記載されていない。
刊行物2に記載された青色染料を,刊行物1に記載さ エ上記のとおり,れたブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合するエピチオ系レンズの製造方法における,ブルーイング剤として用いる動機付けがないとの原告の主張は,理由がない。
( )ブルーイング剤の含有量について2刊行物1における発明の目的との関係 ア原告は,刊行物2ないし4に染料ブルーイングの含有量が記載されているとしても,染料の如何なる含有量が刊行物1に記載の一定の関係式で定まる紫外線吸収剤と触媒の量に影響を与えるのか不明であるし,ど, のようにして刊行物1発明の目的を妨げることなく染料含有量の上限値下限値を設定することができるのか,当業者の技術常識をもってしても不明であるから,刊行物1の発明に刊行物2ないし4の染料ブルーイングを適用することに阻害要因がある旨主張する。
しかし,原告の上記主張は,刊行物1記載の発明が 「その目的達成の,ために,紫外線吸収剤と触媒を,一定の関係を満足する量で使用することが不可欠の要件」であることを前提とした主張であり,その前提において誤ったものである。
ブルーイング剤の含有量の範囲に関する意義について イ一般に,組成物に添加剤を添加した場合に,一定の範囲の量 原告は,の添加剤で,所定の効果が呈することが示されているときに,その範囲の一方,本願発明 上限値及び下限値に臨界的意義もないのが普通であり,においては,ブルーイング剤の含有量をゼロから前記一定範囲に近づくにつれ黄色が徐々に薄れ,次第に透明になり,さらに,ブルーイング剤の含有量を前記一定範囲から,それをさらに超えて増加すると,透明度が徐々に悪くなり,ブルーイング剤の染料によって,青又は青紫色に濃さが増していくと当業者の技術常識から推測できるとし,臨界的意義がない点を理由として本願発明の容易想到性を否定した審決に,誤りがあると主張する。
ブルーイング剤の濃度である しかし,原告の上記主張は,本願発明の10ppm〜0.01ppmの範囲の上限値及び下限値に意義があるとの主張ではないので,その主張自体失当である。
実験証明書(甲6)の適格性について ウ原告は,本願明細書に記載の範囲から自明の事項を確認する実験データを示すものであるから許されるとの前提に立って,特許庁での審理の(。,「」。) 過程で実験証明書 甲6 以下 単に 実験証明書 という場合があるを提出した。
しかし,原告の本願明細書に記載されていないブルーイング剤の濃度については,実験証明書により,その効果を主張することは許されない。
本件において検討すると,本願明細書には,モノマー中にブルーイング剤を500ppb(0.5ppm)の濃度で含有する実施例のみが記載され(実施例1及び2 ,それ以外の実施例は記載されていないないのに対 )原告の提出した実験証明書(甲6)には,濃度 して, ブルーイング剤のを,上記0.5ppmに加え,0.005ppm,0.05ppm,5ppm,20ppm,100ppmとして,エピスルフィド系のレンズを製造した実験例及び上記実験例における 製造 ブルーイング剤の濃度とされたレンズの樹脂色相との関係を示したグラフが記載されている。
したがって,当初明細書には実施例等による裏付けのない数値範囲の意義を,後に提出した実験証明書に基づいて主張することになり,当初明細書に開示のない発明を主張するものであって,採用することができない。
審決の判断に誤りはない。
実験証明書(甲6)の内容について エ実験証明書の記載内容についても,念のための反論をする。
実験証明書の「X.結果のまとめ」の項に記載された図-1及び図-2のグラフと,上記実験1〜12との対応関係については,実験証明書に説明はない。しかし,図-1は,実施例1に係るブルーイング剤として「PSBLUERR」を用いた実験である実験1,実験3〜7の結果のグラフであり,図―2は,実施例2に係るブルーイング剤として「PSVioletRC」を用いた実験である実験2,実験8〜12の結果を示したグラフと推定できる。
そこで,実験証明書の「X.結果のまとめ」について検討する。
「X.結果のまとめ」の項には 「図―1及び図―2から樹脂がより青 ,く見えるのはb*値が負となるときであり,ブルーイング剤濃度10ppm付近に限界点がある。また,より赤く見えるのはa*値が正となるときであり同様に10ppm付近に限界点がある。いずれも,この点を越えると急激にそれぞれの値が正または負の方向に大きくなることが確認された。更に,ブルーイング剤の効果が確認できるのは,およそ0.01ppm程度必要であることも確認された 」と記載されており,その 。
記載内容を以下で分析する。
(ア)本願発明において,染料からなるブルーイング剤の濃度は,10〜0.01ppmであり,その上限,及び下限である,10ppm及び0.001ppmの実験データは必須と解されるが,実験証明書には,その濃度の実験について記載されておらず,また,その実験データも実験証明書の図―1,図―2に示されていないので,実験証明書は,上記ブルーイング剤の濃度を10ppmから0.01ppmと規定した点に臨界的な意義があることを証明するものとはいえない。
(イ)実験証明書における「ブルーイング剤濃度10ppm付近に限界点がある(実験証明書第4頁下から8〜5行)との記載は,以下の 。」とおり誤りである。すなわち,「」「」 , @b*値が負となるときと限界点との関係が不明であるが文意からみて,限界点はb*値がゼロであるとして 「b*値のグ,ラフについて図-1(実施例1の「PSBLUERR」のブルーイング剤の場合)と図―2(実施例2の「PSVioletRC」のブルーイング剤の場合)とを比較してみる。
すると 「b*値が負となる」ブルーイング剤濃度の限界点が, ,図-1及び図-2において,共に5〜20ppmの範囲にあるものの,上記限界点が図-1の場合の方が図-2の場合より数ppm少ないことを読み取ることができる。したがって,上記ブルー, , イング剤濃度の限界点すなわちブルーイング剤濃度の上限値が5〜20ppmの範囲にあるものの,染料からなるブルーイング剤の種類によって,少なくとも数ppm変動することは明らかである。
「」「」 , Aa*値が正となるときと限界点との関係が不明であるが文意からみて,限界点はa*値がゼロであるとして,図-1をみるに,図-1においては,その限界点が,20ppmをはるかに超える値と読み取れる。したがって,上記ブルーイング剤濃度の限界点,すなわちブルーイング剤濃度の上限値が,染料からなるブルーイング剤の種類によって20ppmをはるかに超える場合があることは明らかである。
したがって,上記@及びAの観点から,実験証明書は,本願発明のように,その種類が限定されていない染料からなるブルーイング剤の濃度の上限値を10ppmと規定した点の効果又は臨界的な意義を証明するものではない。
「 , (ウ)実験証明書におけるブルーイング剤の効果が確認できるのはおよそ0.01ppm程度必要であることも確認された(実験証。」明書第4頁下から4〜3行)との記載も誤りである。
すなわち,その記載を裏付ける何の根拠も実験証明書に示されておらず,また,図-1及び図-2を参照しても,およそ0.01ppm程度あればブルーイング剤の効果が確認できるとはいえない。
したがって,仮に,ブルーイング剤の濃度を10ppmから0.0効果を実験証明書により主張することが許された 1ppmと規定した実験証明書の記載内容は,本願発明において,その種類が としても,限定されていない染料からなるブルーイング剤の濃度を10ppmから0.01ppmと規定した点に臨界的な意義があることを証明するものではない。
, ,「. 以上のとおり原告の主張は誤りであり審決における相違点のbブルーイング剤の含有量について」の判断に誤りはない。
第5当裁判所の判断1刊行物1発明の認定の誤り及び相違点の看過(取消事由1)について審決が,「分子内に2つ以上のエピチオ ( )原告は,刊行物1発明について1基を有する化合物とブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピチオ系レンズの製造方法」と認定した点に対し,刊行物1には 「分子内に2つ以上のエピチオ基を有する化合物と,紫外線 ,吸収剤と触媒の使用量が,エピチオ化合物と紫外線吸収剤及び触媒の合計100重量部に対して,一定の関係式を同時に満たす量と,ブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピチオ系レンズの製造方法」のみが記載され,上記関係を満たさない発明は記載されていないのであるから,後者の発明をも包含するとした審決の認定には誤りがある,と主張する。
しかし,特許出願に係る発明について進歩性等の特許要件を判断するに当たり,特定の公知技術と対比するに際して,当該公知技術の内容は,特許出願に係る発明との対比に必要な範囲で特定すれば足りるというべきである。
すなわち,特許出願に係る発明は,願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて特定されるところ,特許請求の範囲は,通常,ある程度抽象的な文言により記載され,抽象化された技術内容として特定されるのに対して,公知技術が記載された文献等は様々であって,具体的な態様のみが記載されているものも存在する。このような場合に,公知技術について,特許出願に係る発明との対比に必要な範囲で,その特徴的な要素を抽出して技術内容を特定,把握することは許されるというべきである。このことは,特許出願に係る発明と公知技術との同一性を判断する場合を想定すれば明らかなことであ, 。 るが 進歩性の有無を判断する場合においても妥当するということができる本件についてこれをみると,本願発明は「分子内に2つ以上のエピスルフィド基を有する化合物と10ppmから0.01ppmの範囲の染料からなるブルーイング剤を含有する重合性組成物を注型重合することを特徴とするエピスルフィド系レンズの製造方法」であって,紫外線吸収剤及び触媒の配合量,並びに,紫外線吸収剤と触媒との量的関係を,その構成要件として特定するものではない。そうすると,刊行物1に,紫外線吸収剤及び触媒の配合量,並びに紫外線吸収剤と触媒との量的関係が記載されており,それが刊行物1発明の特徴的部分であるとしても,本願発明との対比に当たっては,, , 紫外線吸収剤及び触媒の配合量 並びに紫外線吸収剤と触媒との量的関係は一致点・相違点の判断に,およそ影響を及ぼすことはないのであるから,本件において,審決が,刊行物1発明を認定するに当たり,紫外線吸収剤及び触媒の配合量,並びに紫外線吸収剤と触媒との量的関係を要素に加えて限定しなかったことに誤りはない。
( )また,審決には本願発明と刊行物1発明との相違点を看過した誤りがあ2るとする原告の上記主張についても,理由がないことになる。
なお,仮に,原告主張のように,刊行物1発明について,紫外線吸収剤及び触媒の配合量,並びに紫外線吸収剤と触媒との量的関係を,要素に加えて限定して認定したとしても,そのような限定を有さない本願発明との相違点(, 。) とはならない すなわち 限定された刊行物1発明も本願発明に包含される刊 から,いずれにしても相違点の看過はない。原告は,この点について,行物1に記載の製造方法では「重合性組成物が,紫外線吸収剤と触媒の使用量が,エピチオ化合物と紫外線吸収剤及び触媒の合計100重量部に対して,一定の関係式を同時に満たす量を含有する」のに対して,本願発明では,紫外線吸収剤と触媒を含有していない点で相違すると主張する。しかし,本願発明は,紫外線吸収剤と触媒の有無に関して,一切の限定をしていない以上 「紫外線吸収剤と触媒を含有する」ものを除外しているとい ,うことはできないから,原告の主張は,その主張自体失当である(現に,触媒を含有することは本願明細書甲5の1の段落0031〜0 ,()【】【035に記載されており紫外線吸収剤を含有してもよいことは同0 】, ,【036】に記載されている。。)以上のとおり,原告の主張を採用することはできない。
2相違点の判断の誤り(取消事由2)について( )ブルーイング剤の種類について1原告は,次に述べるような理由を挙げて,刊行物1発明の目的を達成するために,さらにブルーイング剤を添加することに想到する技術的な動機付けがなく,また,紫外線吸収剤と触媒に関する要件に代えてブルーイング剤を使用することに想到する動機付けもない,刊行物2〜4の記載から刊行物1発明で使用するブルーイング剤として染料を用いることは容易に想到できないなどと主張するが,以下のとおり,いずれも採用できない。
ア原告は,刊行物1発明は,長期間の使用による着色と初期着色との問題を,紫外線吸収剤と触媒に関する要件を見出すことによって解決したのであるから,刊行物1の示す製造方法において,さらにブルーイング剤を添加する目的は,上記目的以外のものにあると考えるのが自然であり,刊行物1において,刊行物1に記載された目的を達成するために,さらにブルーイング剤を使用することに想到する動機付けの記載はない旨を主張する。
しかし,刊行物1には,さらにブルーイング剤等の添加剤を配合してもよいと記載されているのである以上,ブルーイング剤を付加した構成とすることは十分示唆されていると理解するのが自然であって,動機付けの記載があるというべきである。
また,刊行物1には,ブルーイング剤を配合する目的について明記されていないが,このことは,刊行物1におけるブルーイング剤の配合に関する記載は,刊行物1発明の技術分野における通常の目的でブルーイング剤を配合し得ることを意味するものと解すべきである。そして,当該技術分野において,ブルーイング剤は,プラスチック材料の黄色味を消す目的で添加されるものであると理解される。原告は,刊行物1における「その目的を妨げない範囲において配合してもよい」という記載は,長期着色及び初期着色の改善以外の目的で,ブルーイング剤を配合することに限られると理解すべきであると主張するが,刊行物1の同記載は,発明の目的に合致しなくなるような成分や配合量のブルーイング剤を添加することを許容するものではないという,ごく当然の事柄を確認的に記載したにすぎず,配合の目的を限定したと理解すべきではない。以上のとおりであり,原告の主張は採用することができない。
イ原告は,紫外線吸収剤と触媒に関する要件に代えて,ブルーイング剤を使用することに想到する動機付けはないとも,主張する。
しかし,既に述べたように,本願発明は,紫外線吸 刊行物1における収剤と触媒に関する要件を充足するものを排除しているわけではないので,刊行物1に記載の発明から本願発明の構成を導くに当たり 「紫外線,吸収剤と触媒に関する要件に代えて」ブルーイング剤を使用することを必要とするものではない。原告の上記主張は,失当である。
ウ原告は,刊行物1と刊行物は,刊行物1の発明は,長期着色と初期着色の解決を目的とするものであるのに対し,刊行物2記載の青色染料は,初,,, 期着色の解決のために配合されるものであって 配合目的が相違し また両者はモノマーも重合システムも相違するので,熱硬化性樹脂のモノマーである点で一致するだけでは動機付けとならないと,主張する。
しかし,刊行物1発明と刊行物2発明とは,初期着色の解決を目的とする点において共通し,熱硬化性樹脂のモノマーである点で一致するから,刊行物2に記載の青色染料を,刊行物1発明に適用することは,当業者が容易に想到し得るものというべきである。
なお,原告の主張するように 「通常,ブルーイング剤の選定に当たっ ,ては,熱硬化性樹脂のモノマーであるという観点からではなく,モノマー化合物が有する反応性官能基の種類,モノマー化合物の反応性とブルーイング剤との反応性,相互作用を総合的に考慮して,ブルーイング剤を選定するのが普通である」のであれば,モノマーや重合システムの相違にかかわらず,刊行物1発明におけるブルーイング剤として,刊行物2に記載された青色染料を選定の候補とすることはむしろ容易であるということができる。
エ原告は,刊行物3,4は注型重合するものでも,注型重合する際の黄変化を防ぐためにブルーイング剤を添加するものでもないと,主張する。
確かに,原告の主張どおり,刊行物3,4は注型重合によるものではないが,刊行物3,4の記載によらなくても,刊行物1発明においてブルーイング剤として染料を用いることは,刊行物2の記載から容易に想到し得るということができるので,刊行物3,4を注型重合によるものとの誤った認定は,審決の結論に影響を及ぼすものではない。
( )ブルーイング剤の含有量について 2原告は,刊行物2〜4に染料ブルーイング剤の含有量が記載されているとしても,染料のいかなる含有量が刊行物1に記載の一定の関係式で定まる紫外線吸収剤と触媒の量に影響を与えるのか不明であるし,どのようにして刊行物1に記載の発明の目的を妨げることなく染料含有量の上限値,下限値を設定することができるのか,当業者の技術常識をもってしても不明であるから,刊行物2ないし4の染料ブルーイングを刊行物1に適用することは困難であると主張する。
しかし,本願発明におけるブルーイング剤の配合量の意義は,多すぎるとレンズ全体が青くなりすぎて好ましくない場合があり,また少なすぎると効果が十分に発揮されず好ましくない場合があるというものであり,このことはブルーイング剤の作用から容易に予想されるものである。しかも,本願発明における「10ppmから0.01ppmの範囲」の上限値及び下限値に臨界的意義がないことは,原告も認めるところであるから 「染料含有量の,上限値,下限値を設定することは,当業者の通常の創作能力の発揮にすぎないもので,当業者が実験等により適宜決定し得る事項である」とした審決の判断に誤りはない。
なお,明細書の発明の詳細な説明に,当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる程度に具体例を開示せず,特許出願時の当業者の技術常識又は自然法則参酌しても,特許請求の範囲に記載された発明の範囲まで,発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない場合において,特許出願後に実験データを提出して,明細書の発明の詳細な説明に記載されていない内容を補足することによって,これを,当該内容を特許請求の範囲に記載された発明についても適用されるものとして,明細書のサポート要件を補うことは,特定の技術思想の公開を前提に特許を付与するという特許制度の趣旨に反するものとして 許されないというべきである 当 , (〔()〕)。 庁平成17年11月11日判決 平成17年 行ケ 第10042号 参照本件において,本願明細書にブルーイング剤の効果に関して具体的に記載されているのは,0.5ppmのブルーイング剤を用いた実施例のみであって,実験証明書(甲6)の実験データの内容は,本願明細書の記載から自明の範囲内のものとは認められないから,本願明細書において実施例等による裏付けのない数値範囲の意義を,同実験証明書に基づいて主張することは許, , されないというべきであるが 仮に同実験証明書の内容を参酌したとしても同実験証明書は特定のブルーイング剤について実施した結果にすぎないから,染料の種類が限定されていない本願発明における「10ppmから0.01ppmの範囲」の上限値及び下限値についての,上記判断を左右するものではない。
3結論以上のとおり,原告の主張する取消事由はいずれも理由がなく,審決にこれを取り消すべきその他の違法もない。
よって,原告の本訴請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 飯村敏明
裁判官 三村量一
裁判官 上田洋幸
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