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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成16ワ20636特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成16ワ25576特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成15ワ18472特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成16ワ10402特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成14ワ5107特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
関連ワード 技術的思想 /  使用方法 /  進歩性(29条2項) /  容易に発明 /  慣用技術 /  技術的範囲 /  同一の発明 /  技術常識 /  先行技術 /  発明の詳細な説明 /  実質的に同一 /  悪意 /  クレーム /  出願経過 /  参酌 /  文言解釈 /  均等 /  均等論 /  置き換え /  置換 /  置換可能性 /  置換容易性 /  容易に想到(容易想到性) /  意識的除外(意識的に除外) /  特許発明 /  実施 /  加工 /  間接侵害 /  構成要件 /  構成要件充足性 /  方法の使用 /  のみ用いる /  課題解決に不可欠(課題の解決に不可欠) /  差止請求(差止) /  侵害 /  損害額 /  実施料 /  実施権 /  通常実施権 /  実施許諾(実施の許諾) /  独占的通常実施権 /  拒絶理由通知 /  請求の範囲 /  変更 / 
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事件 平成 17年 (ワ) 8673号 特許権侵害差止等請求事件
原告甲
同訴訟代理人弁護士 小林幸夫
同 村西大作
同訴訟代理人弁理士 駒津敏洋
被告 エヌパット株式会社
同訴訟代理人弁護士 平野和宏
同補佐人弁理士 小谷悦司
同 樋口次郎
同 小谷昌崇
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2006/04/14
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
1 被告は,別紙被告製品1目録及び同被告製品2目録記載の製品を製造し,販売してはならない。
2 被告は,その占有に係る別紙被告製品1目録及び同被告製品2目録記載の製品を廃棄せよ。
3 被告は,原告に対し,金360万円及びこれに対する平成17年5月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
事案の概要
本件は,被告による被告製品の製造・販売が原告の特許権を侵害するとして,原告が,被告に対し,被告製品の製造・販売の差止め・廃棄並びに損害賠償及び民法所定の遅延損害金の支払を求めたのに対し,被告が,構成要件の非充足及び進歩性欠如による無効を主張して争った事案である。
1前提事実( ) 本件特許権1ア 原告は,以下の特許権を有する(以下,この特許権のうち請求項1に係る特許権を「本件特許権1」といい,その発明を「本件特許発明1」という。また,請求項8に係る特許権を「本件特許権2」といい,その発明を「本件特許発明2」という。
本件特許権1及び2を併せて「本件特許権」という。別紙特許公報掲載の明細書及び図面を「本件明細書」という。)。
特許番号 特許第2782179号発明の名称 コンクリート型枠保持方法およびその装置出願日 平成8年3月2日登録日 平成10年5月22日特許請求の範囲【請求項1】土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に,連結金具の基端部に設けられた連結部を取付けるとともに,連結金具の先端部にセパレータの一端側を螺入し,セパレータの他端側で型枠を保持するコンクリート型枠保持方法において,前記連結部を,タッピングねじ状に形成するとともに,前記連結金具の先端側の外周部に,連結金具回転用の工具を軸方向から装着可能な工具装着部を設け,前記壁体の連結金具取付位置に,取付穴の穴加工を施すとともに,前記連結部を連結金具とともに回転させ,連結部を取付穴に強制的にねじ込んで,連結金具を壁体に取付けることを特徴とするコンクリート型枠保持方法。
【請求項8】土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に,連結金具の基端部に設けられた連結部を取付けるとともに,連結金具の先端部にセパレータの一端側を螺入し,セパレータの他端側で型枠を保持するコンクリート型枠保持装置において,前記連結部を,タッピングねじ部で構成するとともに,前記連結金具の先端側の外周部に,連結金具回転用の工具を軸方向から装着可能な工具装着部を設け,前記連結部は,連結金具とともに回転させながら前記壁体に押付けることにより,壁体の金属部分に予め設けられている取付穴に強制的にねじ込まれて,壁体に取付けられることを特徴とするコンクリート型枠保持装置。
(争いのない事実)イ 構成要件の分説(ア) 本件特許発明1本件特許発明1を構成要件に分説すると,以下のとおりである(以下,各構成要件を「構成要件 」のように表記する。)。 A1土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に,連結金具の基端部に設けられ A1た連結部を取付けるとともに,連結金具の先端部にセパレータの一端側を螺入し,セパレータの他端側で型枠を保持するコンクリート型枠保持方法において,前記連結部を,タッピングねじ状に形成するとともに, B1前記連結金具の先端側の外周部に,連結金具回転用の工具を軸方向から装着 C1可能な工具装着部を設け,-ア 前記壁体の連結金具取付位置に,取付穴の穴加工を施すとともに, D1-イ 前記連結部を連結金具とともに回転させ,連結部を取付穴に強制的にね D1じ込んで,連結金具を壁体に取付けることを特徴とするコンクリート型枠保持方法。 E1(イ) 本件特許発明2本件特許発明2を構成要件に分説すると,以下のとおりである(以下,各構成要件を「構成要件 」のように表記する。)。 A2土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に,連結金具の基端部に設けられ A2た連結部を取付けるとともに,連結金具の先端部にセパレータの一端側を螺入し,セパレータの他端側で型枠を保持するコンクリート型枠保持装置において,前記連結部を,タッピングねじ部で構成するとともに, B2前記連結金具の先端側の外周部に,連結金具回転用の工具を軸方向から装着 C2可能な工具装着部を設け,前記連結部は,連結金具とともに回転させながら前記壁体に押付けることに D2より,壁体の金属部分に予め設けられている取付穴に強制的にねじ込まれて,壁体に取付けられることを特徴とするコンクリート型枠保持装置。 E2(争いのない事実,弁論の全趣旨)( ) 被告製品2ア 被告製品1の製造・販売, (ア) 被告は,平成16年8月ころから,「スクリューギアSG」との商品名で別紙被告製品1目録記載の製品(以下「被告製品1」という。)を製造し,販売していた。
(争いのない事実)(イ) 原告は,被告が現在も被告製品1を製造・販売している旨主張するが,これを認めるに足りる証拠はない。
イ 被告製品2の製造・販売その後,被告は,同じく「スクリューギアSG」との商品名で,別紙被告製品2目録記載の製品(以下「被告製品2」といい,被告製品1及び被告製品2を併せて「被告製品」という。)の製造,販売を開始した。
(争いのない事実)ウ 施工業者の行為と本件特許発明1の構成要件の充足被告製品を使用して行う工事施工業者(以下「施工業者」という。)の行為は,本件特許発明1の構成要件 -ア及び を充足する。 D1 E1(争いのない事実)エ 被告製品の本件特許発明2の構成要件充足性被告製品は,本件特許発明2の構成要件 及び を充足する。 B2 E2(争いのない事実)2争点( ) 被告製品の構成要件 , 及び の充足の有無 1A2C2D2( ) 本件特許権1の間接侵害の成否 2ア 主位的主張(特許法101条3号)(ア) 施工業者の行為の構成要件 , , 及び-イの充足の有無 A1 B1 C1 D1(イ) 被告製品が本件特許発明1の方法の使用のみ用いる物であることイ 予備的主張(特許法101条4号)(ア) 被告製品が本件特許発明1による課題の解決に不可欠なものであること(イ) 被告の悪意( ) 進歩性欠如の無効理由(特許法104条の3)の有無 3( ) 損害発生及び因果関係 4() 損害額5ア 主位的主張(特許法102条2項)イ 予備的主張(特許法102条3項)3 争点に関する当事者の主張( ) 被告製品の構成要件 , 及び の充足の有無 1A2C2D2ア 原告の主張A2(ア) 構成要件a 被告製品は,土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に,連結金具の基端部に設けられた連結部を取り付けるとともに,セパレータの他端側で型枠を保持するコンクリート型枠保持装置である。
b( ) 被告製品の本体部は,連結金具( )とセパガイド( )から成る。 a26( ) この本体部が,本件特許発明2にいう連結金具に相当する。 bc( ) セパレータの一端側を螺入する連結金具( )の先端部は,本体部全体 a2から見て,本体部の先端部にある。
( ) よって,被告製品は,構成要件 にいう「連結金具の先端部」にセパ bA2レータの一端側を螺入するとの要件を充足する。
d したがって,被告製品は構成要件 を充足する。A2C2(イ) 構成要件a 文言解釈( ) 構成要件 にいう工具装着部は,連結金具の外周部に連結金具回転用 aC2の工具を軸方向から装着可能な部分を設けたすべての構成を含むと解釈されるべきである。
( ) 後記被告の主張(イ)a( )(機能的クレーム)は否認する。 bb構成要件 は,何ら抽象的ないし機能的な記載ではなく,一義的に明らかであ C2り,しかも,本件明細書の【0049】に六角ナット状の工具装着部を例示しているから,被告主張のような限定解釈を行うべきではない。
。 ( ) 後記被告の主張(イ)a( )(出願経過)のうち,@は認め,Aは否認する cc原告は,スパナ口部係合部を支持棒(連結金具に相当)の外周部中央付近に設けた実願昭54-126091号(実開昭56-45053号)のマイクロフィルム(乙2)の図1が拒絶理由として引用されたため,工具装着部の位置を「先端側」とする補正をしたが,先端側の外周部への工具装着態様については何ら補正を行っていないから,被告主張の出願経過から,被告主張のような限定解釈を行うことはできない。
b充足( ) 被告製品は,セパガイド( )に設けられた 本のスリット( )を基点と a629して,セパガイド( )の先端部の外周にわたって工具(検甲7)を装着し,回転させ 6ることが可能である。
( ) したがって,被告製品は構成要件 を充足する。 bC2c 均等による侵害( ) 均等の成立a仮に文言侵害が成立しないとしても,被告製品は,均等により,構成要件 をC2充足する。
( ) 本質的部分b本件特許発明2は,壁体に設けられた取付穴に連結部を装着固定することにより連結金具が壁体に取り付けられるようになっているので,溶接による場合と異なり,壁体表面が汚れていても常に安定した連結強度が得られるとともに作業も容易であり,また雨天や降雪時にも何ら支障なく作業を行うことができるほか,連結部をタッピングねじ部で構成し,このタッピングねじ部を,取付穴に強制的にねじ込むようにしているので,電動工具を用いれば,小さな力で容易かつ迅速に作業を行うことができ,また,一定の連結強度を安定して得ることができるという効果を奏する。
このような効果を奏するために,本件特許発明2においては,連結金具を前記壁体に設けられた取付穴に連結部を装着固定することにより壁体に取り付けるようにし,連結部をタッピングねじ部で構成し,このタッピングねじ部を取付穴に強制的にねじ込むようにしたものである。
したがって,本件特許発明2特有の作用効果を生じさせるためには,連結部をタッピングねじ部で構成すること(構成要件),連結金具回転用の工具を軸方向か B2ら装着可能な工具装着部を設けること(構成要件 の一部),連結部は連結金具と C2ともに回転させながら前記壁体に押し付けることにより壁体の金属部分にあらかじめ設けられている取付穴に強制的にねじ込まれて壁体に取り付けられること(構成要件 )が不可欠であり,これが本件特許発明2の本質的部分である。 D2他方,工具装着の方法として工具装着部を連結金具の外周部に設けることは,飽くまで上記の本件特許発明2特有の作用効果を奏するための手段的ないし従属的なものにすぎない。
したがって,本件特許発明2において,連結金具回転用の工具を軸方向から装着可能な工具装着部を構成することは重要であるが,工具装着部を連結金具自体の先端側の外周部に設けることは,本件特許発明2特有の作用効果を生じさせる技術的思想の中核をなす本質的部分とはいえない。
( ) 置換可能性c本件特許発明2は,連結部を連結金具とともに回転させながら壁体に押し付けることにより,壁体の金属部分にあらかじめ設けられている取付穴に強制的にねじ込まれて壁体に取り付けられるコンクリート型枠保持装置であり,構成要件 の一C2部を被告製品の2本のスリットに置換しても,2本の羽根状の突起部を有する回転工具(検甲7)を使用することにより取付作業は可能であり,同様の作用効果を奏する。
( ) 置換容易性d連結部を連結金具とともに回転させながら壁体に押し付けることにより,壁体の金属部分にあらかじめ設けられている取付穴に強制的にねじ込まれて壁体に取り付けるために,連結金具の先端側の外周部に連結金具回転用の工具を軸方向から装着可能な工具装着部を設ける代わりに,外周に向けて貫通する2本のスリットを設けることは,設計上の微差にすぎない。
したがって,構成要件 の一部である「連結金具の先端側の外周部…(の)工具 C2装着部」を被告製品における貫通する2本のスリットに置き換えることは,当業者であれば,容易に想到することができたことである。
( ) 意識的除外e後記被告の主張(イ)c( )のうち,@は認め,Aは否認する。 eD2(ウ) 構成要件a 被告製品のタッピングねじ部( )は,本体部とともに回転させながら壁体 3に押し付けることにより,壁体の金属部分にあらかじめ設けられている取付穴に強制的にねじ込まれて,壁体に取り付けられる。
b したがって,被告製品は構成要件 を充足する。D2イ 被告の主張A2(ア) 構成要件a 原告の主張(ア)のうち,a(使用方法)は認める。
b 同b(本体部)のうち( )は認め,( )は否認する。 abc 同c(先端部)は否認する。セパガイド( )の先端部に雌ねじ部は設けら 6れていないから,構成要件 の「連結金具の先端部に」セパレータの一端側を螺入 A2するとの構成要件を充足しない。
d 同d(まとめ)は否認する。
C2(イ) 構成要件a( ) 同(イ)a(文言解釈)( )は否認する。 aa( ) 構成要件 には,「前記連結金具の先端側の外周部に…軸方向から装 bC2着可能な工具装着部」とあり,いかなる工具を適用し得るのか一義的に明らかではなく,抽象的ないし機能的な記載となっているところ,本件明細書に具体的に開示されているのは,「六角ボックススパナ16を装着するための六角ナット状の工具装着部13c」(【0049】)だけであるから,本件特許発明2における工具装着部は,本件明細書の上記記載に基づき当業者が容易に想到し得るもの,すなわち,せいぜい連結金具の外周部に多角形ボックススパナを装着することができるように連結金具の先端側の外周部の形状を多角形状とした工具装着部に限られるものと解すべきである。
( )@ 構成要件 は,平成9年10月28日付け拒絶理由通知書(乙9) cC2において引用された9件の引用例に基づき進歩性を欠く旨の拒絶理由を回避するために,平成10年1月7日付け手続補正書(乙10)により特許請求の範囲中に付加されたものである。
A この出願経過からすると,本件特許発明2における工具装着部は,「トルク制限機構を内蔵する電気ドリル15に取付けられた六角ボックススパナ16を装着するための六角ナット状の工具装着部13c」(【0049】)のような,少なくとも連結金具の外周部にボックススパナ等の回転工具を装着することができる工具装着部に限定して解釈されなければならない。
b充足同bは否認する。
被告製品における工具装着部は,セパガイド( )の内部に形成されたセパレータ 6案内用の穴( )であるから,構成要件 にいう「連結金具の先端側」との要件も, 8C2「外周部に」との要件も充足しない。
c 均等による侵害( ) 均等の成立a同c( )は否認する。a( ) 本質的部分b@ 本件明細書の発明の詳細な説明には,「本発明の他の目的は,工具を用いて連結金具を安定して回転させることができるようにすることにある。」(【0011】),「本発明はまた,連結金具の外周部に,連結金具を回転させる際の工具装着部を設けるようにしたことを特徴とする。そしてこれにより,連結金具を安定して回転させることが可能となる。」(【0033】),「本発明はまた,連結金具の外周部に,連結金具を回転させる際の工具装着部を設けるようにしているので,連結金具を安定して回転させることができる。」(【0124】)と記載されている。
そうすると,本件特許発明2の目的の1つである「連結金具を安定して回転させる」ために,「連結金具の外周部に,連結金具を回転させる際の工具装着部を設けること」は,本件特許発明2の特徴である。
A また,前記a( )@のとおり,本件特許発明2の構成要件 は,特許 cC2法29条2項違反を理由とする拒絶理由通知を受けて,補正により特許請求の範囲中に付加されたものである。
B したがって,構成要件 は,本件特許発明2の本質的部分である。 C2( ) 置換可能性c@ 本件特許発明2においては,連結金具の先端内側に形成された雌ねじが連結金具の端まで形成されており,一方,この雌ねじに螺入されるセパレータが長いために,セパレータの雄ねじを連結金具の雌ねじ部に螺入することが難しかった。
A これに対し,被告製品においては,セパガイド( )の穴( )がセパレー 68タ( )の案内手段として機能するため,セパレータ( )の基端部を容易に連結金具 10 10( )の先端側に取り付けることができ,作業性が格段に向上する。 2B したがって,本件特許発明2と被告製品とは,その作用効果を異にする。
( ) 置換容易性d本件明細書においては,セパレータを螺入する雌ねじ部までセパレータを案内する手段は開示も示唆もされていない。
また,被告製品における回転工具装着用兼セパレータ案内用の穴( )を有するセ8パガイド( )に相当する構成が記載された公知文献は示されていない。このような 6構成に置換することが技術常識であることを示す証拠もない。
しかも,被告製品においては,セパガイド( )を設けることにより,前記( )Aの 6cとおり,本件特許発明2によっては奏することができない独自の作用効果を奏するものであるから,被告製品の構成と本件特許発明2の構成とで異なる部分は,到底設計上の微差とはいえない。
( ) 意識的除外e@ 前記a( )@のとおり,本件特許発明2の構成要件 は,特許法29 cC2条2項違反を理由とする拒絶理由通知を受けて,補正により特許請求の範囲中に付加されたものである。
A したがって,本件特許発明2は,上記補正によって,被告製品のような工具装着部を意識的に除外したものである。
D2(ウ) 構成要件同(ウ)は否認する。
被告製品は,タッピングねじ部( )の先端側のねじ部( )を連結金具( )の基端内 33c2周部の雌ねじ部( )にねじ込んだ状態で使用するだけでなく,タッピングねじ部( ) 43を壁体に取り付けた後に,ねじ部( )を雌ねじ部( )にねじ込んで使用することも 3c 4ある。
( ) 本件特許権1の間接侵害の成否 2ア 主位的主張(特許法101条3号)(ア) 施工業者の行為の構成要件 , , 及び -イの充足の有無 A1 B1 C1 D1a 原告の主張aA1 ( ) 構成要件@ 施工業者は,被告製品を用いてコンクリート型枠保持方法を施工している。
A 被告製品は,前記()ア(ア)と同様の理由により,構成要件 を充足 1A1する。
A1 B したがって 被告製品を使用して行う施工業者の行為は 構成要件 ,,を充足する。
bB1 ( ) 構成要件被告製品を使用して行う施工業者の行為は,構成要件 を充足する。B1cC1 ( ) 構成要件被告製品を使用して行う施工業者の行為は,前記( )ア(イ)と同様の理由により, 1構成要件 を充足する。C1( ) 構成要件 -イ dD1@ 被告製品を使用して行う施工業者の行為は,前記( )ア(ウ)と同様の理1由により,構成要件 -イを充足する。D1, A(@) 仮に上記@が認められないとしても,本件特許発明1においては連結部を連結金具と共に回転させる方法について限定がされているわけではないから,工具装着部が連結金具の先端側の外周部に設けられ,どのような方法であれ,連結部を連結金具と共に回転させる方法が採用されていればよい。
(A) 被告製品における「専用の回転工具( )を上記セパガイド( )の穴 20 6( )内に嵌め込むとともに,この回転工具( )に設けられた2つの係合用突片を上 820記スリット( )に係合させることにより,回転工具( )の回転力を連結金具( )及び 9202タッピングねじ部( )に伝達する」方法は,上記(@)を充足する。 3D1 B したがって 被告製品を使用して行う施工業者の行為は 構成要件 ,,-イを充足する。
b 被告の主張aA1 ( ) 構成要件原告の主張( )のうち,@は不知,その余は否認する。 abB1 ( ) 構成要件同( )は否認する。b施工業者が本件特許発明1の直接侵害を行っている者に該当するためには,施工業者自身が本件特許発明1のすべての工程を行わなければならない。しかしながら,被告製品を用いて施工する施工業者は,少なくとも 及び の工程を自ら行っ B1 C1ていない。
cC1 ( ) 構成要件同( )は否認する。c( ) 構成要件 -イ dD1同( )は否認する。d(イ) 被告製品が本件特許発明1の方法の使用のみ用いる物であることa 原告の主張被告製品は,本件特許発明1のコンクリート型枠保持方法に用いられるものであり,かつ,製品の特性上それ以外の用途に用いられることはない。
したがって,被告製品は,本件特許発明1のコンクリート型枠保持方法にのみ用いる物である。
b 被告の主張原告の主張は否認する。
被告製品は,天井吊り具,照明器具,配管用支持金具等の接続用に用いることができるから,特許法101条3号の「のみ」の要件を満たさない。
イ 予備的主張(特許法101条4号)(ア) 原告の主張a 被告製品は,本件特許発明1の方法の使用に用いる物であって,本件特許発明1の発明による課題の解決に不可欠なものである。
b 被告は,被告製品の製造・販売の当初から,本件特許発明1が存在すること及び被告製品がその実施に用いられることを知りながら,被告製品を製造,販売した。
(イ) 被告の主張a 原告の主張aは否認する。
b 同bのうち,被告が本件特許発明1が存在することを知っていたことは認め,その余は否認する。
被告は,被告製品が本件特許権を侵害しない旨の弁理士の見解を得ており,少なくとも,被告製品が本件特許発明1の実施に用いられることについて悪意はない。
( ) 進歩性欠如の無効理由(特許法104条の3)の有無 3ア 被告の主張(ア) 先行技術a 引用例1実願昭58-133219号(実開昭60-40747号)のマイクロフィルム(乙1。以下「引用例1」という。)には,土留工事等においてコンクリート型枠組を行う際に使用するコンクリート型枠組用金具が示されている。
このコンクリート型枠組用金具は,H型鋼材に固定される鉄板( )の螺孔( )にね16じ込まれることにより固着される螺棒( )と,この螺棒( )に螺着される角パイプ 22( )とを備え,角パイプ( )は両端部の内周面に雌ネジ( )が設けられて,一端部(基 33 7端部)が螺棒( )に螺着されている。 2引用例1には,この金具を用い,土留工事において地中に埋め込まれるH型鋼材にこの金具を取り付けるとともに,上記角パイプ( )の先端部にセパレータ( )の一 38端側を螺入し,セパレータ( )の他端側で型枠( )を保持するようにした方法及び 810装置が記載されている。
また,鉄板( )に対する螺棒( )の螺着と,螺棒( )に対する角パイプ( )との作業 12 2 3手順については,鉄板( )の螺孔( )に螺棒( )を螺着してからその螺棒( )に角パイ 162 2プ( )を螺着することも可能であるし,螺棒( )に角パイプ( )を螺着してから,螺 323棒( )を角パイプ( )とともに回転させることにより鉄板( )の螺孔( )に螺棒( )を 23 162ねじ込むことも可能である。
b 引用例2実願昭54-126091号(実開昭56-45053号)のマイクロフィルム(乙2。以下「引用例2」という。)には,地下壁構築時の型枠等の取付けに使用される金物が示されている。
この金物は,H型鋼への取付部(挟持片())に連結される支持棒( )を備え,この 12支持棒( )の先端部に,型枠側支持棒(セパレータに相当)を螺入する雌ねじ( )が形 25成されるとともに,支持棒( )のほぼ中央部に回転操作部となるスパナの口部係合 2部( )が形成されていることが記載されている。 7c 引用例3特開平5-86727号公報(乙3。以下「引用例3」という。)には,型枠保持用のセパレータ( )の端部に螺着される支持部材( )と,この支持部材( )に支持さ 11111れるばた材の保持体( )とを備え,上記支持部材( )の端部に圧潰部( )が形成さ 13 11 17れ,セパレータ( )の端部に支持部材( )を螺着するときに上記圧潰部( )にボッ 111 17クスレンチ等の工具を軸方向から装着して,支持部材( )を回動させることができ 11るように構成された金具が示されている。
d 引用例4実願昭57-95609号(実開昭58-195737号)のマイクロフィルム(乙4。以下「引用例4」という。)には,連結具本体( )と,この連結具本体( )の端 66部に結合された取付具( )とを備え,上記取付具( )に雄ねじ部( )が設けられて, 223この雄ねじ部( )が矢板( )にねじ込まれるようになっており,一方,連結具本体 3H( )の端部の内側に雌ねじ部( )が設けられて,セパレータ( )を螺入するようにな 67 Jっている連結具が示されている。
さらに,上記雄ねじ部はタッピングねじでもよいことが記載されている。
e 引用例5実願昭59-57600号(実開昭60-168751号)のマイクロフィルム(乙5。以下「引用例5」という。)には,コンクリート型枠を保持するため,土留壁に固定された取付具( )に取り付けられてセパレータを連結する固定用ねじ杆( ) 11 7(連結金具に相当)が示されている。
固定用ねじ杆( )は,ねじ軸( )と,このねじ軸( )に一端を固着した筒状体( )と, 78 8 9この筒状体( )の外端部内側に形成されたねじ孔部( )とで構成され,ねじ軸( )を 9108筒状体( )とともに回転させることにより取り付け具( )のねじ孔( )にねじ軸( ) 9 1158がねじ込まれ,上記ねじ孔部( )にセパレータ( )が螺入されるようになっている 10 18ことが記載されている。
(イ) 本件特許発明1の進歩性a 引用例1の記載内容引用例1には,次のようなコンクリート型枠保持方法が記載されている。
( ) 土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に,角パイプ(連結金具)の a基端部に設けられた螺棒(連結部)を取り付けるとともに,角パイプ(連結金具)の先端部にセパレータの一端側を螺入し,セパレータの他端側で型枠を保持するコンクリート型枠保持方法において,( ) 前記螺棒(連結部)を,ねじ状に形成するとともに, b( ) 角パイプ(連結金具)の外周部を六角形状に形成し, c( ) 前記壁体の連結金具取付位置に固定する鉄板に,螺孔の加工を施すと dともに,前記螺棒(連結部)を取付穴にねじ込んで,角パイプ(連結金具)を壁体に取り付ける( ) ことを特徴とするコンクリート型枠保持方法。 eb検討aA1E1 ( ) 構成要件 及び引用例1に記載された方法における要件( ),( )は,構成要件 及び と一 ae A1 E1致する。
bB1 ( ) 構成要件@ 本件特許発明1では,連結部がタッピングねじであるのに対し,引用例1に記載の金具における螺棒(連結部)は,ねじではあるがタッピングねじではない。
A しかし,タッピングねじは周知であり,また,引用例4にも,連結具本体( )の端部に結合された取付具( )の雄ねじ部( )がタッピングねじでもよいこ 627とが記載されている。
B したがって,引用例1に記載の金具における螺棒(連結部)をタッピングねじとする程度のことは,当業者ならば容易に想到し得たことである。
cC1 ( ) 構成要件@ 本件特許発明1では,前記連結金具の先端側の外周部に,連結金具回転用の工具を軸方向から装着可能な工具装着部を設けているのに対し,引用例1では,このような工具装着部については明記されていない。
A しかし,引用例1に記載の金具における角パイプ(連結金具)は,先端側を含む外周部が六角柱状になっているため,ボックスレンチ等の回転用工具を軸方向から装着することも可能であり,「螺棒( )に角パイプ( )を螺着」する際,角パ 23イプ( )の先端部外周にボックスレンチ等の回転工具を軸方向から装着して回動す 3ることにより角パイプ( )を鉄板( )に取り付けられた螺棒( )に螺着することが予 31 2定されているものといえる。
したがって,引用例1に記載の金具における角パイプの外周部は,回転用工具を軸方向から装着可能な工具装着部に相当する機能を実質的に有している。
B また,引用例2には,H型鋼への取付部に連結される支持棒( )(連結1金具に相当)にスパナの口部係合部( )(工具装着部に相当)を設けることが示されて 7いる。
C さらに,引用例3には,型枠保持用のセパレータ( )の端部に螺着さ1れる支持部材( )の先端側に,ボックスレンチ等の回転用工具を軸方向から装着可 11能な圧潰部( )(工具装着部)を設けることが示されている。 17D したがって,構成要件 は,引用例1に実質的に記載されているか, C1少なくとも引用例2及び3に示された技術を引用例1に適用することによって得られ,当業者が容易に想到することができたものである。
dD1 ( ) 構成要件@ 本件特許発明1では,連結部を連結金具とともに回転させることによって取付穴にねじ込むようにしているところ,引用例1には,連結部を連結金具とともに回転させることについては具体的に明示されていない。
A しかし,引用例1において,螺棒( )(連結部)に角パイプ( )(連結金 23具)を螺着してから,螺棒( )(連結部)を角パイプ( )(連結金具)とともに回転させ 23ることにより鉄板( )の螺孔( )に螺棒( )をねじ込むようにすることも可能である 162と認められる。
B また,引用例5には,セパレータを連結する固定用ねじ杆( )の筒状7体( )(連結金具に相当)の一端にねじ軸()(連結部に相当)を固着して,そのねじ軸 98( )を筒状体( )とともに回転させることによりねじ孔部( )にねじ込むようにする 89 10ことが示されている。
C したがって,構成要件 も,引用例1に実質的に記載されているか, D1少なくとも引用例5に示された技術を引用例1に適用することによって得られ,当業者が容易に想到することができたことである。
c小括以上より,本件特許発明1は,引用例1に記載された方法に引用例2ないし5に記載された技術を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができたものであり,進歩性を有しない。
(ウ) 本件特許発明2の進歩性本件特許発明2は,本件特許発明1のコンクリート型枠保持方法に対応するコンクリート型枠保持装置の発明であり,本件特許発明1と実質的に同一の発明である。
したがって,本件特許発明2も,引用例1に記載された装置に引用例2ないし5に記載された技術を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができたものであり,進歩性を有しない。
イ 原告の主張(ア) 先行技術被告の主張(ア)は,明らかに争わない。
(イ) 本件特許発明1の進歩性a 引用例1の記載内容同(イ)aのうち,引用例1に( )ないし( )の構成が開示されていることは認め, be( )の構成が開示されていることは否認する。 a引用例1において,角パイプ(連結金具)の基端部に設けられた螺棒(連結部)は土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に直接取り付けられるのではなく,土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に別途取り付けられる鉄板( )に取り付けられ1るものである。したがって,引用例1に,( )の構成中「土留め壁や連続地中壁等の a壁体の金属部分に,角パイプ(連結金具)の基端部に設けられた螺棒(連結部)を取り付ける」部分は開示されていない。
b検討( ) 同(イ)b( )(構成要件 及び )のうち,構成要件 と要件( )の一 a a A1 E1 E1 e致は認め,構成要件 と要件( )との一致は否認する。 A1 a( ) 同( )(構成要件 )は認める。 bb B1( )@ 同( )(構成要件 )のうち,@は認め,その余は否認する。 cc C1, A 引用例1の角パイプ( )の場合,螺棒( )にも,また角パイプ( )にも 32 3その螺入量を規制するようなストッパ手段がないため,螺入量を目視確認するために,作業員が角パイプ( )の横に立って操作せざるを得ず,離れた位置からの操作 2を想定している連結金具の工具装着部とは完全に異質のものである。したがって,引用例1には,構成要件 中「工具装着部」は,形式的に開示されていないだけ C1でなく,実質的にも開示されていない。
B 引用例2の口部係合部( )の場合,物理的に作業員が支持棒( )の横に 71立って操作せざるを得ず,連結金具の工具装着部とは完全に異質のものである。したがって,引用例2にも構成要件 中「工具装着部」は開示されていない。 C1C 引用例3の圧潰部( )もまた,作業員が支持部材( )の横に立って操 17 11作するための,いわゆるスパナ掛けにすぎず,連結金具の工具装着部とは完全に異質のものである。したがって,引用例3にも,構成要件 中「工具装着部」は開示 C1されていない。
D このように,引用例1ないし3には構成要件 中「工具装着部」が開 C1示されていないから,引用例2及び同3に示された技術を引用例1に適用することによって構成要件 の構成を得ることはできない。 C1( )@ 同( )(構成要件 )のうち,@は認め,その余は否認する。 dd D1A 引用例1に示されている鉄板( )は,壁体の連結金具取付け位置に金 1属部分(H型鋼材( ))があるにもかかわらず,この金属部分に後付けされる部材に 9すぎないのであるから,引用例1には,「前記壁体の連結金具取付位置に,取付穴, の穴加工を施す」ことが,開示も示唆もされていない。引用例1以外の引用例にもこの点の開示又は示唆はない。
c 同(イ)c(小括)は否認する。
(ウ) 本件特許発明2の進歩性同(ウ)は否認する。
( ) 損害発生及び因果関係 4ア 原告の主張(ア) 原告は,株式会社北斗金属工業(以下「北斗金属工業」という。)に対し,平。 成16年8月以前に,本件特許発明1及び2につき,独占的通常実施権を許諾した(イ) 北斗金属工業は,平成16年8月以前から,本件特許発明2の実施品である商標名「スクリュービット」という製品(以下「原告製品」という。)を製造し,大手ゼネコンなどの施工業者に販売している。
。 (ウ) 被告製品の販売開始(前提事実())により,原告製品の売上げが減少した 2イ 被告の主張(ア) 原告の主張(ア)(独占的通常実施権の許諾)は不知。
(イ) 同(イ)(原告製品の製造販売)は認める。
(ウ) 同(ウ)(因果関係)は否認する。
() 損害額5ア 主位的主張(特許法102条2項)(ア) 原告の主張a 被告製品の1か月当たりの製造販売個数は,平均すると2万個程度である。
b 被告は,施工業者に対し,被告製品を1個60円で販売している。
c 被告製品の製造原価は,1個当たり金40円程度であり,1個当たりの利益としては20円である。
d そうすると,平成16年8月から平成17年4月末までの9か月間の被告製品の利益は,360万円である。
20円×2万個×9か月=360万円e よって,特許法102条2項により,360万円が原告の損害額と推定される。
(イ) 被告の主張a 原告の主張はいずれも否認する。
b 原告は,本件特許発明1及び2を自ら実施していないから,特許法102条2項を適用する前提を欠く。
イ 予備的主張(特許法102条3項)(ア) 原告の主張a 前記ア(ア)a及びbに同じ。
b 本件特許権の実施料率は,30%を下らない。
c そうすると,平成16年8月から平成17年12月末までの17か月間の被告製品の利益は,612万円である。
60円×30%×2万個×17か月=612万円d よって,原告は,特許法102条3項による損害金612万円の一部360万円の支払を求める。
(イ) 被告の主張a 原告の主張はいずれも否認する。
b 独占的通常実施権を許諾した特許権者は,実施許諾権限を有しないから,原告には,実施料相当の損害は発生していない。
当裁判所の判断
1 被告製品の構成要件 , 及び の充足の有無 A2 C2 D2( ) 構成要件 の充足の有無 1A2ア 被告製品は,土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に,連結金具の基端部に設けられた連結部を取り付けるとともに,セパレータの他端側で型枠を保持するコンクリート型枠保持装置であることは,当事者間に争いがない。
イ(ア) 被告製品の本体部は連結金具( )とセパガイド( )から成ることは,当 26事者間に争いがない。
(イ) この本体部は本件特許発明2にいう連結金具に相当すると認められる。
(ウ) これに対し,被告は,セパガイド()と連結金具( )とは機能の異なる別 62個の部材であるから,両者を併せたものが本件特許発明2にいう「連結金具」に相当すると認めることはできない旨主張する。
しかしながら,本件特許発明2の特許請求の範囲には,本件特許発明2の「連結金具」が単一の部材で構成されなければならないことは規定されておらず,発明の詳細な説明及び図面を参酌しても,単一の部材で構成されるものと限定して解釈することはできないから,被告の上記主張は,理由がない。
ウ セパレータの一端側を螺入する連結金具( )の先端部は,本体部全体から 2見て,本体部の先端部にあると認められるから,被告製品は,構成要件 にいうA2「連結金具の先端部」にセパレータの一端側を螺入するとの要件を充足する。
エ よって,被告製品は,構成要件 を充足する。A2( ) 構成要件 の充足の有無 2C2ア 外周部に設ける点(ア) 被告製品は,セパガイド( )の穴( )の周囲の肉部に,内周から外周に向 68けて貫通する2本のスリット( )が形成されており,セパガイド( )の外周より大き 96く,その内部に突条部を設けた回転用工具(検甲7)を用いれば,上記突条部を被告製品のスリット( )に外周部側から係止し,本体部を回転させることが可能である 9から,構成要件 のうち,工具装着部を連結金具の「外周部に」設けた点を充足す C2るものと認められる。
(イ) これに反する被告の主張は,採用することができない。
イ 工具装着部の点-文言解釈(ア) 構成要件 のうち「連結金具回転用の工具を軸方向から装着可能な工具 C2装着部」との記載は,「工具装着部」の具体的な構成が明らかにされておらず,工具装着部が果たす機能面に着目して抽象的に記載されているにとどまる。「連結金具回転用の工具」についても,連結金具回転用の工具が果たす機能面に着目して抽象的に記載されているにとどまるから,連結金具回転用の工具から工具装着部の構成を認定することもできない。
したがって,本件特許発明2の技術的範囲を確定するに当たっては,本件明細書の発明の詳細な説明及び図面を参酌し,そこに開示された工具装着部に関する記載内容から当業者が実施し得る構成に限り,本件特許発明2の技術的範囲に含まれると解するのが相当である。
これに反する原告の主張は,採用することができない。
(イ) 本件特許発明2においては,連結金具の先端部の内周部にセパレータを螺入するための雌ねじ部を形成したため,工具装着部は必然的に連結金具の先端側外周部に設けざるを得なかったものと解される。
本件明細書の発明の詳細な説明には,工具装着部について,「この矢板控金具13の先端寄りの外周部には,例えばトルク制限機構を内蔵する電気ドリル15に取付けられた六角ボックススパナ16を装着するための六角ナット状の工具装着部13cが設けられている。」(【0049】)と記載され,図面にも六角ナット状の工具装着部13cが図示されているが,それ以外に,工具装着部と回転用の工具との係合を連結金具の内周部で行う構成や,係合を連結金具の内周部でも外周部でも行うことができる構成を開示し又は示唆する記載はない。また,本件特許発明2のように六角ナット状の工具装着部を設ける技術と,連結金具( )にセパガイド( )を設 26け,かつ,セパガイド( )の穴( )の周囲の肉部に内周から外周に向けて貫通する2 68本のスリット( )を形成する技術とが,この種工具の分野で相互に置換可能な周知 9慣用技術であることを認めるに足りる証拠もない。
他方,被告製品は,その内部に突条部を設けた回転用工具(検甲7)を用い,上記突条部を被告製品のスリット( )に外周部から係止することは可能ではあるが(前記 9ア(ア)),その構成からすると,回転工具( )を上記セパガイド( )の穴( )内に嵌め 20 6 8込むとともに,この回転工具( )に設けられた2つの係合用突片を上記スリット 20( )に内周部から係合させることを通常の使用方法としているものと認められる。 9したがって,回転工具( )を上記セパガイド( )の穴( )内に嵌め込むとともに, 20 6 8この回転工具( )に設けられた2つの係合用突片を上記スリット( )に内周部から 20 9係合させることを少なくとも軸方向からの工具の装着方法の1つとして行うことのできる被告製品の構成は,本件明細書の記載から当業者が実施し得る構成であるということはできない。
(ウ) よって,被告製品は,構成要件文言解釈上充足しない。 C2ウ 工具装着部の点-均等論前記イ(イ)と同様の理由により,構成要件 を,連結金具( )にセパガイド( ) C2 2 6を設け,セパガイド( )の穴( )の周囲の肉部に内周から外周に向けて貫通する2本 68のスリット( )を形成するとの構成に置き換えることは,当業者が容易に想到し得 9たことではないというべきであり,均等論の第3要件である置換容易性の要件を欠く。
これに反する原告の主張は,採用することができない。
エまとめ以上のとおり,被告製品は,構成要件 を充足しない。C2( ) 本件特許発明2についてのまとめ 3よって,被告製品は,少なくとも本件特許発明2の構成要件 を充足しないかC2ら,本件特許発明2の技術的範囲に属しない。
2 本件特許権1の間接侵害の成否( ) 前記1( )と同様の理由により,被告製品を使用して行う施工業者の行為は, 12本件特許発明1の構成要件 を充足しないから,被告製品は,本件特許発明1の C1方法の使用に用いる物であるということはできない。
( ) したがって,被告製品の製造販売は,その余の点について論じるまでもな 2く,特許法101条3号又は4号の間接侵害行為に該当しない。
3結論以上によれば,原告の請求は,その余の点について判断するまでもなくいずれも理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
追加
(別紙)被告製品1目録「スクリューギア」と称するセパ受け金具であって,品番「SG2560」及び「SG25110」のうち,設計変更が行われる前の旧タイプの製品であり,以下の説明及び図面に示す製品【図面の説明】図1は,被告製品1の半断面図である。
図2は,被告製品1に後記専用の回転工具()を嵌め込む直前の状態を示す図で20ある。
図3は,被告製品1に後記セパレータ()を螺入する直前の状態を示す図である。10【構成の説明】(全体の構成)土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に取り付けてコンクリート型枠を保持するための金具であって,連結金具()と,タッピングねじ部()と,セパレータ案23内用兼工具装着用の部材()(以下「セパガイド()」という。)とから成る。66(連結金具の構成)連結金具()は,円筒状に形成され,その基端内周部及び先端内周部には,雌ね2じ部()及び雌ねじ部()がそれぞれ設けられ,雌ねじ部()には棒状金具()(以下45510「セパレータ()」という。)の一端側が螺入される。10(タッピングねじ部の構成)タッピングねじ部()は,中央部の六角ナット部()と,これより基端側のねじ33a部()と,六角ナット部()より先端側のねじ部()とで構成され,ねじ部()は3b3a3c3c連結金具()の雌ねじ部()にねじ込まれる。24(セパガイドの構成)セパガイド()は,あらかじめ連結金具()とは別体に形成され,その先端側が連62結金具()の先端部よりも突出する状態で,基端側が連結金具()の先端部に連結ね22じ部()を介して連結されている。7Aセパガイド()には,連結金具()の先端よりも突出する部分の内部に,回転工具62装着用兼セパレータ案内用の穴()が形成されている。この穴()は,先端に向けて88徐々に拡径されたテーパー状に形成されている。
また,上記穴()の周囲の肉部には,セパガイド()の内周の相対称位置からそれ86ぞれ外周に向けて貫通する2本のスリット()が形成されている。9そして,土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に対してセパ受け金具を取り付けるときは,専用の回転工具()を上記セパガイド()の穴()内に嵌め込むとと2068もに,この回転工具()に設けられた2つの係合用突片を上記スリット()に係合209させることにより,回転工具()の回転力を連結金具()及びタッピングねじ部()2023に伝達することが可能となる。
また,回転工具()の取り外し後にセパレータ()を連結金具()に螺入すると20102きは,セパレータ()の基端部がセパガイド()のテーパー状の穴()に案内されて1068確実に連結金具()の雌ねじ部()に対応する位置に導かれるようになっている。25以上図1から図3については省略(別紙)被告製品2目録「スクリューギア」と称するセパ受け金具であって,品番「SG2560」及び「SG25110」のうち,設計変更が行われた後の現在製造販売されている製品,並びに品番「SG3070」及び「SG30110」の製品であり,以下の説明及び図面に示す製品【図面の説明】図1は,被告製品2の半断面図である。
図2は,被告製品2に後記専用の回転工具()を嵌め込む直前の状態を示す図で20ある。
図3は,被告製品2に後記セパレータ()を螺入する直前の状態を示す図である。10【構成の説明】(全体の構成)土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に取り付けてコンクリート型枠を保持するための金具であって,連結金具()と,タッピングねじ部()と,セパレータ案23内用兼工具装着用の部材()(以下「セパガイド()」という。)とから成る。66(連結金具の構成)連結金具()は,円筒状に形成され,その基端内周部及び先端内周部には,雌ね2じ部()及び雌ねじ部()がそれぞれ設けられ,雌ねじ部()には棒状金具()(以下45510「セパレータ()」という。)の一端側が螺入される。10(タッピングねじ部の構成)タッピングねじ部()は,中央部の六角ナット部()と,これより基端側のねじ33a部()と,六角ナット部()より先端側のねじ部()とで構成され,ねじ部()は3b3a3c3c連結金具()の雌ねじ部()にねじ込まれる。24(セパガイドの構成)セパガイド()は,あらかじめ連結金具()とは別体に形成され,その先端側が連62結金具()の先端部よりも突出する状態で,基端側が連結金具()の先端部に溶接22()により結合されている。7Bセパガイド()には,連結金具()の先端よりも突出する部分の内部に,回転工具62装着用兼セパレータ案内用の穴()が形成されている。この穴()は,先端に向けて88徐々に拡径されたテーパー状に形成されている。
また,上記穴()の周囲の肉部には,セパガイド()の内周の相対称位置からそれ86ぞれ外周に向けて貫通する2本のスリット()が形成されている。9そして,土留め壁や連続地中壁等の壁体の金属部分に対してセパ受け金具を取り付けるときは,専用の回転工具()を上記セパガイド()の穴()内に嵌め込むとと2068もに,この回転工具()に設けられた2つの係合用突片を上記スリット()に係合209させることにより,回転工具()の回転力を連結金具()及びタッピングねじ部()2023に伝達することが可能となる。
また,回転工具()の取り外し後にセパレータ()を連結金具()に螺入すると20102きは,セパレータ()の基端部がセパガイド()のテーパー状の穴()に案内されて1068確実に連結金具()の雌ねじ部()に対応する位置に導かれるようになっている。25以上図1から図3については省略
裁判長裁判官 市川正巳
裁判官 杉浦正樹
裁判官 ョ晋一
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