審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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平成13受1256補償金請求事件 | 判例 | 特許 |
平成9オ1918特許出願人名義変更届手続請求事件 | 判例 | 特許 |
平成10行ツ19審決取消請求事件 | 判例 | 特許 |
昭和41行ケ175 | 判例 | 特許 |
平成14行ヒ200 | 判例 | 特許 |
関連ワード | 自然法則 / 変更 / |
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元本PDF | 裁判所収録の全文PDFを見る |
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事件 |
昭和
25年
(オ)
80号
抗告審判の審決取消請求
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裁判所のデータが存在しません。 | |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
判決言渡日 | 1953/04/30 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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全容
上告人(選定当事者)の上告理由第一点について。 本件では、本件発明について事実上の争はなく、その争点は原告等の本願発明が特許能力を有するや否やの一点にあつたことは明白なところである。そして、原判決は、その争点に関し、先ず、特許に値すべき発明の本体は自然法則の利用によつて一定の文化目的を達するに適する技術的考案ということにあつて、特許法1条にいわゆる工業的発明とはあらゆる産業に利用されうるものであるが技術産業的特質をもつた発明に限る趣旨と解した上、原告等の本願発明は結局何等装置を用いず、又、自然力を利用した手段を施していないから、特許に値する工業的発明であるとはいえないと説示してその特許能力を否定したものである。裁判所は法律の解釈については自己の自由な判断に従うべきものであつて、当事者の主張する解釈の争点に拘束を受けるものではない。従つて、原判決には、所論の違法を認めることができないから、本論旨に採用できない。 同第二点について。 しかし、原判決は、あらゆる発明がすべて特許能力を有するものではなく、その発明が工業的であることを要する旨説示したのは正当であるから、本願発明が所論のごとく発明には該当するとしてもそれだけでは特許能力を有するものとはいえない。それ故、本論旨は、原判決の判断に影響を及ぼさないこと明白であつて、採用できない。 同第三点について。 本訴請求は、所論審決の取消を求める訴訟である。所論法律の解釈に関する審決の理由に誤りがあるとしても、審決の結論に誤りがなく、本訴請求にして認容できないときは、主文においてこれを棄却するのが当然である。そして、所論解釈の当否は、判決理由中で説明すれば足りるものであつて、主文において言渡すべきものではない。それ故、原判決には所論の違法は存しない。 同第四点について。 しかし、所論答弁書の答弁は、被告(被上告人)の法律上の見解であつて、原告(上告人)の主張事実に対する自白とはいえない。それ故、裁判所は、前述のごとくかかる当事者の法律上の見解に拘束される理由がなく、原判決には、所論の違法は認められない。 同第五点、第六点について。 原判決が、所論特許法1条所定の特許の要件は所論条約1条3項並びに特許法33条により何等左右されない旨、並びに、工業的発明の意味を技術産業的特質をもつた発明に限る趣旨と解した解釈は右条約等により毫末もこれを変更するの要あるを見ない旨説示したのは、当裁判所においてもこれを正当として是認すべきものと考へる。それ故所論は、いずれも採用することができない。 同第七点について。 法律の解釈は、前述のごとく裁判所の自由に判断すべきものであり、所論が学界の通説であるとしても、これを採らなかつた理由を示さなかつたからといつて、違法であるとはいえない。それ故、本論旨も採用できない。 同第八点について。 しかし、原判決が口頭弁論に基いたものであることは明白であり、そして、原判決は、主として特許法の解釈を示したものであつて、その判断をするのに特に証拠その他の資料に基くことを要しないものであることその判文に照し明らかであるから、原判決には、所論の違法を認めることはできない。 よつて、民訴401条、95条、89条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 斎藤悠輔 |
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裁判官 | 真野毅 |
裁判官 | 岩松三郎 |