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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成17ワ15455損害賠償請求事件 判例 特許
平成14ワ2473損害賠償等請求事件 判例 特許
平成17ワ2649特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成15行ケ39審決取消請求参加事件 判例 特許
平成19行ケ10300審決取消請求事件 判例 特許
関連ワード 進歩性(29条2項) /  公知技術 /  技術的範囲 /  発明の詳細な説明 /  遡及 /  優先権 /  明瞭でない記載 /  均等 /  同一の作用効果 /  実施 /  社会通念 /  間接侵害 /  構成要件 /  差止請求(差止) /  侵害 /  不法行為(民法709条) /  誤記の訂正 /  請求の範囲 /  減縮 /  釈明 /  異議申立 / 
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事件 昭和 63年 (ネ) 1820号
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裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 1990/03/29
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 本件各控訴を棄却する。
各事件の控訴費用はいずれも控訴人の負担とする。
この判決に対する上告のための附加期間を九〇日と定める。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
一 A事件1 控訴人 「A事件原判決(以下「A判決」という。)を取り消す。被控訴人はA判決添付の別紙目録記載の製品(以下「被控訴人A製品」という。)を製造販売してはならない。被控訴人はその所有する被控訴人A製品及びその仕掛品を廃棄しなければならない。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言2 被控訴人 「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決二 B事件1 控訴人 「B事件原判決(以下「B判決」という。)を取り消す。被控訴人はB判決添付の別紙目録記載の製品(以下「被控訴人B製品」という。)を製造販売してはならない。被控訴人はその所有する被控訴人B製品及びその仕掛品を廃棄しなければならない。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言2 被控訴人 「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決
当事者の主張
当事者双方の主張は、次に付加、訂正するほかは、A・B判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。
一 控訴人1 A判決五丁表三行・B判決五丁表二行の次に「(一) 一般に行われているソフト・コンタクト・レンズとハード・コンタクト・レンズとの区別は、厳密な学問上の分類に基づくものではなく、ヒドロキシエチルメタアクリレート(HEMA)を素材とするコンタクト・レンズの開発(昭和四六年米国で翌四七年日本でそれぞれ使用の許可がなされた。)に伴い、従来のポリメチルメタアクリレート(PMMA)を素材とするコンタクト・レンズと区別する必要上、HEMAを素材とするコンタクト・レンズをソフト・コンタクト・レンズ、PMMAを素材とするコンタクト・レンズをハード・コンタクト・レンズと称するようになったものにすぎず、
「硬い」「軟らかい」による区別であるとはいい得ても、両者の境界を一義的に画することはできないものである以上、分類基準として不明瞭である(ただし、被控訴人株式会社オフテクス提出の検乙号証に係る本判決添付・別表(一)記載の各コンタクト・レンズの材質名、メーカー名が被控訴人ら主張のとおりであること、
「硬さ」「軟らかさ」で区別した場合、典型的な軟らかいレンズである検乙号証番号1のもの(HEMAからなるレンズ)及び典型的な硬いレンズである同番号6のもの(PMMAからなるレンズ)を基隼とすれば、同番号2、4、7及び8のものは軟らかいレンズであり、同番号3及び3の2並びに5及び5の2ないし4のものはどちらかといえば硬いレンズであることは認める。)。」を加え、A判決五丁表四行、八丁裏一行・B事件五丁表三行、八丁表一〇行の各「(一)」、「(二)」をいずれも「(二)」、「(三)」と改める。
2 A判決六丁表五行ないし六行・B判決六丁表三行ないし四行の「(以下「シリコーン・ラバー・コンタクトレンズ」という。)」を削除し、A判決六丁表七行・B判決六丁表五行の「すなわち、」の次に「右シリコーンを素材としたコンタクト・レンズとはシリコーン・ラバー・コンタクトレンズのことであるが、」を加える。
3 A判決七丁表八行・B判決七丁表六行の「明らかである。」を「明らかであって、要するに、レンズの硬軟を問わず親水性基を有するコンタクト・レンズのことを指すと解すべきである。」と改める。
4 A事件八丁表一一行・B事件八丁表九行の次に「なお、仮に「硬い」「軟らかい」という観点からみても、A事件甲第四一号証(B事件甲第四四号証に同じ。)の二七頁の一覧表によれば、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの一種であるメニコンO2のショア硬さ数(SD)は、シリコンポリマーからなることから軟らかいシリコーン・ラバー・コンタクトレンズ(ポリジメチルシロキサンを素材とするレンズ)であることの明らかなダウコーニング社の商品名「シルコン」(SILCON)なるコンタクト・レンズと同じ八二とされていることからすれば、メニコンO2を「軟らかいレンズ」、すなわちソフト・コンタクト・レンズということも可能である。」を加える。
5 A判決九丁裏六行の「また、」の次に「A事件乙第五号証の表1、2に記載された洗浄効果をみても、右各表の「全要素」欄に示された被控訴人A製品の洗浄効果は「発泡剤のみ」、「界面活性剤のみ」、「酵素のみ」の洗浄効果を加算した値よりもむしろ劣っているのであるから、」を加える。
6 A判決二一丁裏一〇行・B判決一七丁表一〇行の次に「また、間接侵害の成立を妨げる他の用途を前記のように解さなければ、少なくとも、被控訴人らの製品を被控訴人ら主張のような意味の「ソフト・コンタクト・レンズ」に対して用いる購買者も多数ある筈であり、かつ、被控訴人らにおいてもその実施を勧奨、宣伝しているものであるにもかかわらず、控訴人としては、購買者に対して直接差止め等を求めることも、不法行為(教唆・幇助)を理由として被控訴人らの責任を追求することもできず、何らの救済も得られないことになるのであって、その意味でも右の他の用途は前記のように解されなければならない。」を加える。
7 A判決二二丁裏一〇行・B判決一八丁裏三行の次に「なお酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの存在は、本件発明の出願当時には未だ知られていなかったため(わが国での発売開始は昭和五四年である。)、当然ながら本件明細書にもそれに関する記載は存在せず、したがって、特許請求の範囲減縮誤記の訂正或いは明瞭でない記載釈明に限定される特許法64条の規定による出願公告後の補正に際し、控訴人において、「コンタクト・レンズ」との用語を酸素透過性ハード・コンタクト・レンズをも包含するように補正することはそもそも不可能であった。」を加える。
二 被控訴人ら A判決一三丁裏四行・B判決一一丁裏三行の次に「なお、被控訴人株式会社オフテクス提出の検乙号証に係る現在市販されているコンタクト・レンズのメーカー名、材質名、各物性(吸水性(含水性)、親水性及び酸素透過性)及びハード・コンタクト・レンズとソフト・コンタクト・レンズとの分類は本判決添付別表(一)記載のとおりであり、このうち、検乙号証番号5及び5の2ないし4のものが典型的な酸素透過性ハード・コンタクト・レンズで、検乙号証番号5のうち淡青色のものが東洋コンタクトレンズ株式会社の販売するメニコンO2である。」を加える。
三 被控訴人ホーヤ株式会社1 A判決一一丁表九行の次に「なお、控訴人は、A事件乙第五号証の表1、2からは被控訴人A製品に相乗効果があるとは認められない旨主張するが、右表1は、
本件発明によっては殆ど洗浄効果の期待できない「複合汚れ」に関するものであるし、また、「蛋白汚れ」に関する表2についてみても、その二四時間後の回復率(%)は、酸素、界面活性剤、発泡剤が単独の場合はそれぞれ一〇・五、二・五、
一・六であるのに対し、三要素を組合わせた場合はその合計一四・六よりはるかに多い二二・五と、明らかに相乗効果が認められるものである。」を加える。
2 A判決一五丁裏八行の次に「なお、控訴人は、A事件甲第四一号証(B事件甲第四四号証に同じ。)の二七頁の一覧表に記載された酸素透過性ハード・コンタクト・レンズであるメニコンO2とダウコーニング社の「シルコン」のショア硬さ数(SD)が同じであることを根拠として、メニコンO2を「軟らかいレンズ」すなわちソフト・コンタクト・レンズということも可能である旨主張するが、A事件乙第七号証の一ないし三、第一一号証の一、二等によれば、シリコンポリマーからなるコンタクト・レンズにも軟らかいものと硬いものがあり、シリコーン・ラバー・コンタクトレンズが軟らかいレンズであるのに対し、「シルコン」なるコンタクト・レンズは架橋密度の高い一〇〇%硬質のシリコーン樹脂からなる硬いレンズであることが明らかであるから、右「シルコン」がシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズであることを前提とする控訴人の主張は前提において既に失当である。」を加える。
3 A判決一七丁裏一一行の次に「なお、控訴人は、本件発明の出願当時には酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの存在は知られていなかったため、本件明細書にもそれに関する記載は存在せず、したがって、前記補正に際して「コンタクト・レンズ」との語を酸素透過性ハード・コンタクト・レンズをも包含するように補正することはできなかった旨主張するが、この主張は本件発明が当初から酸素透過性ハード・コンタクト・レンズを含んでいなかったことを自認していることにほかならず、この点からも、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズが本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」に含まれないことは明らかというべきである。」を加える。
四 被控訴人株式会社オフテクス B判決一四丁表九行の次に「(二) 本件発明においては、まず第一、ソフト・コンタクト・レンズの形質を前提とし、そのうちに親水性すなわち吸水性を有するものがある故に発明が成り立っているのであるから(なお、本件明細書にいう「親水性」とは、水濡れ性の意味ではなく吸水性の意味で用いられているものである。)、硬質(ハード)コンタクト・レンズはもともと本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」に該当しない。ソフト・コンタクト・レンズというのは眼科のクリニカル領域での事柄であって、その柔軟性により目にフィットするという常識的な概念であり、ハード・コンタクト・レンズとの間の識別は十分に可能なのである。また、控訴人は、B事件甲第四四号証(A事件甲第四一号証に同じ。)の二七頁の一覧表に記載された酸素透過性ハード・コンタクト・レンズであるメニコンO2とダウコーニング社の「シルコン」のショア硬さ数(SD)が同じであることを根拠として、メニコンO2を「軟らかいレンズ」すなわちソフト・コンタクト・レンズということも可能である旨主張するが、A事件乙第七号証の一ないし三、第一一号証の一、二等によれば、シリコンポリマーからなるコンタクト・レンズにも軟らかいものと硬いものがあり、シリコーン・ラバー・コンタクトレンズが軟らかいレンズであるのに対し、「シルコン」なるレンズは架橋密度の高い一〇〇%硬質のシリコーン樹脂からなる硬いレンズであることが明らかであるから、右「シルコン」がシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズであることを前提とした控訴人の主張は前提において既に失当である。」を加え、B判決一四丁表一〇行、同丁裏一〇行の「(二)」、「(三)」をそれぞれ「(三)」、「(四)」と改める。
証拠関係(省略)
理 由一 A・B事件の請求の原因1及び2の事実は当事者間に争いがなく、A・B事件の請求の原因3(一)の事実は、A事件については当事者間に争いがなく、B事件についても右争いのないB事件の請求の原因2の事実と成立に争いのないB事件甲第一及び第二二号証(A事件甲第一、第二号証に同じ。)によってこれを認めることができる。また、A・B事件の請求の原因4の事実もハード・コンタクト・レンズが使用対象レンズに含まれるか否かの点を除き当事者間に争いがない。
(A・B事件の各書証中、別表(二)の(1)記載のものは原本の存在及び成立に争いがなく、その余はいずれも成立に争いがない。また甲号証中、同表の(2)記載のものはA事件とB事件とで同一内容であるから、以下、A事件の書証番号のみで表記する。)二 控訴人は被控訴人A及びB製品(以下、これらを総称するときは「被控訴人ら製品」という。)が特許法101条2号所定の本件発明に係る方法の実施にのみ使用する物である旨主張し、被控訴人らはこれを争うので判断する。
1 前記当事者間に争いのない本件発明の特許請求の範囲の記載によれば本件発明の使用対象レンズが「ソフト・コンタクト・レンズ」に限定されるものであることは明らかであり、また被控訴人ら製品が酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの洗浄にも使用される洗浄剤であることも、当事者間に争いがない。
2 そこでまず、右酸素透過性ハード・コンタクト・レンズが本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」に含まれるか否かを検討する。
(一) 甲第一、第二号証によれば、本件明細書における発明の詳細な説明の項には、特許請求の範囲記載の「ソフト・コンタクト・レンズ」に関し、冒頭の「所謂ソフト・コンタクト・レンズを作るのに使う親水性又は物分的(「部分的」の誤記と認める。)に親水性のプラスチック材料が提案されている。」との記載に続き、
その具体例として、弾力的で軟らかく透明なヒドロゲルの外観を持つ水性反応媒質中のポリヒドロキシエチルメタクリレート(以下「HEMA」と略称する。)の三次元的な親水性重合体、又はシリコーン及びその他の光学的に適当な可撓性材料で作られたレンズを挙げたうえ、これらのレンズの主な利点が軟らかさ並びに光学的な適性を有する点にあるとしていること、本件明細書記載の実験例又は実施例もすべて右HEMAを素材とするソフト・コンタクト・レンズ(バウシュ・アンド・ロム社の商品名「ソフレンズ」)を使用してなされており、他方、本件明細書中には特許請求の範囲記載の「ソフト・コンタクト・レンズ」に硬いレンズが含まれることを示唆するような記載は全くないことが認められる。
(二) また、A事件乙第八号証の一ないし八によれば、厚生省薬務局監修に係る昭和五八年一〇月一日発行の「医療用具の一般的名称と分類」と題する文献では、
ハード・コンタクト・レンズは「親水性並びに非親水性のプラスチック材料で作られた(主に含水性)硬いレンズ」、ソフト・コンタクト・レンズは「親水性並びに非親水性のプラスチック材料で作られた(主に含水性を有する)軟らかいレンズ」と定義されていることが認められるほか、A事件乙第七号証の一ないし三(一九八四年六月発行の「光学」に構成された阿南尚樹著の「コンタクトレンズの現状と将来」)(B事件甲第四二号証の一ないし三に同じ。以下、この書証については、単にA事件の乙号証番号のみで表記する。)、A事件乙第一一号証の一、二(昭和五六年六月発行の「日本コンタクトレンズ学会誌」に掲載された岡本洋政外二名著の「化学的親水処理を施したシリコーンハードコンタクトレンズの基礎ならびに臨床研究」)、B事件乙第一七号証(昭和六三年一一月一日四六三版発行の濱野光著「コンタクトレンズ」)、B事件乙第二〇号証(昭和五九年九月発行の「日本コンタクトレンズ学会誌」に掲載された増原英一著の「コンタクトレンズ材料の進歩と将来」)の各文献においてもほぼ同じような定義ないし分類がなされていることが認められることに徴すれば、ハード・コンタクト・レンズとソフト・コンタクト・レンズとの分類は一般に当業者間で行われ通用してきたものであり、その場合、コンタクト・レンズの材質ないし形質の硬軟により硬いレンズをハード・コンタクト・レンズ、軟らかいレンズをソフト・コンタクト・レンズとして区別してきたものであることが認められる。もっとも、以上の文献はいずれも本件発明の出願後のものであるが、これらの文献によっても、ポリメチルメタアクリレート(以下「PMMA」と略称する。)を素材とする典型的な硬いレンズとHEMAを素材とする典型的な軟らかいレンズの二種類しか市販(A事件乙第七号証の一ないし三によれば、日本における発売時期は、前者が昭和三三年以降、後者が昭和四七年以降であることが認められる。)されていなかった本件発明の出願(優先権主張により昭和四八年四月二〇日まで遡及)、以前から、ソフト・コンタクト・レンズとハード・コンタクト・レンズという分類は、文字どおりレンズの硬軟による分類であったのであり、その後、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズ等の新たなコンタクト・レンズが開発、市販された後も(A事件の前掲乙第七号証の一ないし三によれば、
日本における酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの発売時期は昭和五四年であることが認められる。)、一貫して右と同一意義の分類として通用してきたものであることが窺えるところであって、本件全証拠によるもこれに反する資料は見出せない。
(三) そして、前記(一)認定に係る本件明細書の発明の詳細な説明の項冒頭の「所謂ソフト・コンタクト・レンズ」との記載からすれば、本件明細書においても、「ソフト・コンタクト・レンズ」との用語を本件発明の出願当時における通常の意味で使用していることが窺われるから、本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」との用語は、少なくとも一般的用例、すなわちハード・コンタクト・レンズに分類される「硬いレンズ」に対し「軟らかいレンズ」という意味を有するものとして用いられていることは明らかというべきであり、そうである以上、一般にハードコンタクト・レンズに分類される「硬いレンズ」はこれに含まれないものと解さざるを得ない。
(四) 他方、甲第三八号証及びB事件乙第七号証並びに前掲A事件乙第七号証の一ないし三、A事件乙第一一号証の一、二及びB事件乙第二〇号証に弁論の全趣旨を総合すれば、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズには、PMMAとシロキサンとの共重合体からなるレンズ(別表(一)の検乙号証番号5及び5の2ないし4のものがこれに該当する。)のほかセルロースアセテートブチレートからなるレンズ(同表の検乙号証番号3及び3の2のものがこれに該当する。)等があるが、これらはいずれもハード・コンタクト・レンズに分類されるのが一般であることが認められ、少なくともこれをソフト・コンタクト・レンズに分類したり又はこれがソフト・コンタクト・レンズであることを前提とする記述をした例は本件全証拠によるも一例も見当たらない。そして、甲第二〇号証の一ないし三によれば、前掲各証拠中でソフト・コンタクト・レンズに分類されるHEMAからなるコンタクト・レンズやシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズ等が計測できないほど軟らかいのに対し、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの一種であるメニコンO2(東洋コンタクトレンズ株式会社の販売に係るPMMAとポリシロキサニルメタクリレートとの共重合体を素材とするレンズ)の硬度(ヴィッカース硬度は)、Dryで八・六、Wetで七・六(なお、PMMAからなる典型的なハード・コンタクト・レンズの硬度はDryで二三・〇、Wetで二一・三)であることが認められ、また、控訴人においても、現在市販されているコンタクト・レンズの相当数を集めたものと解される別表(一)記載のコンタクト・レンズ(各コンタクト・レンズの材質名、メーカー名については当事者間に争いがない。)を「硬い」「軟らかい」で区別した場合、典型的な軟らかいレンズである検乙号証番号1のもの(HEMAからなるレンズ)と典型的な硬いレンズである同番号6のもの(PMMAからなるレンズ)を基準にすれば、同番号2、4、7及び8のもの(前掲A事件乙第七号証の一ないし三及びB事件乙第二〇号証によれば、いずれもソフト・コンタクト・レンズに分類されるものであることが認められる。)は軟らかいレンズであり、前記のとおり酸素透過性ハード・コンタクト・レンズに該当する検乙号証番号3及び3の2並びに5及び5の2ないし4のものは硬いレンズであることを認めていることに照らしても、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズが「硬いレンズ」であるハード・コンタクト・レンズに属するものであることは明らかといわなければならない。
(五) 以上によれば、本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」に該当するというためには、後に触れる吸水性(含水性)、親水性、本件発明の課題等の関連を別にしても、少なくとも「軟らかいレンズ」でなければならず、「硬いレンズ」としてハード・コンタクト・レンズに分類される酸素透過性ハード・コンタクト・レンズはこれに該当しないと解すべきであるから、被控訴人ら製品の使用対象レンズの一つである酸素透過性ハード・コンタクト・レンズが本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」に含まれないことは明らかである。
(六) この点に関し、控訴人はソフト・コンタクト・レンズとハード・コンタクト・レンズとの区別はその境界が明らかではなく、「硬い」「軟らかい」というだけでは分類基準として不明瞭である旨主張する。しかしながら、前記(二)掲記の各証拠並びに甲第一〇号証の記載に徴すれば、右分類は、もともと定量的観点からの分類というよりも、装着時における異物感の有無等との関係からレンズの硬軟を問題とするもので、いわば定性的観点からの分類であることが窺われるし、また前記四認定のように、ハード・コンタクト・レンズに分類されるレンズが一定の硬度を持つのに対し、一方のソフト・コンタクト・レンズに分類されるレンズは計測ができないほど軟らかく、控訴人ですら別表(二)記載のすべてのコンタクト・レンズについて硬軟を区別し得ていることに徴すれば、実際には両者の測定値が近接しその境界値を明らかにしなければ属否が決しがたいようなことはなく、定性的にも十分にこれを識別し得るものと認められるのであり、むしろその故にこそ右分類は、前記(二)認定のように、PMMAやHEMAを素材とするレンズに代わる酸素透過性ハード・コンタクト・レンズという新たなコンタクト・レンズの出現後も一貫して分類基準として通用してきたものと考えられるのである。したがって、この点に関する控訴人の主張は採用できない(因に検証物として提出された別表(一)記載のレンズについて、前記のような硬軟の差は触覚により十分判別し得るところであり、硬軟のいずれに分類すべきかについて迷うようなものは全くないことを付言しておく。)。
(七) なお、控訴人は、「甲第四一号証の一覧表では、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの一種であるメニコンO2のショア硬さ数(SD)が、シリコンポリマーからなることから軟らかいシリコーン・ラバー・コンタクトレンズ(ポリジメチルシロキサンを素材とするレンズ)であることの明らかなダウコーニング社の「シルコン」(SILCON)と同じ八二とされていることからすれば、メニコンO2を「軟らかいレンズ」すなわちソフト・コンタクト・レンズということも可能であるとも主張しているが、該主張は右「シルコン」がシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズであることを前提とするものであるところ、前掲A事件乙第一一号証の一、二によればシリコーンからなるコンタクト・レンズにも硬いものと軟らかいものがあることが認められること、前掲甲第三八号証によってもダウコー二ング社はシリコーンからなるシリコンエラストマーレンズ(シリコーン・ラバー・コンタクト・レンズと解される。)とハード樹脂レンズの両方を販売していることが認められ、甲第一二号証にも「シルソフト(Silsoft)コンタクトレンズは…シリコンエラストマー材料から作られるシルコン(Silcon)コンタクトレンズは、100%シリコン樹脂光学ポリマーから作られる。」との記載があること、
また、A事件乙第一二号証には「シルコンは入手できる唯一の親水性ハードレンズである」との記載が認められることに徴すれば、前記「シルコン」はむしろシリコーン・ラバ-・コンタクト・レンズではないことが窺われるというべきであるから(他に前掲甲第四一号証の一覧表記載の「シルコン」がシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズを指すことを確認するに足りる証拠はない。)、右控訴人の主張はその前提において既に採用しがたいものといわざるを得ない。
3 そして、前掲甲第二〇号証の一ないし三及びB事件乙第一七号証によれば、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズは、酸素透過係数がHEMAを素材とするソフト・コンタクト・レンズと同程度に高く、材質ないし形質が硬いため、角膜の代謝を阻害することのより少ないコンタクト・レンズとして、商品化されて以来高い評価を受け、現在ではむしろコンタクトレンズ処方の主流をなしていることが認められるのであるから、被控訴人ら製品の酸素透過性ハード・コンタクト・レンズヘの用途は、社会通念上、経済的、商業的ないしは実用的な用途であると認めることができる。控訴人は、間接侵害の成立が妨げられるためには、新たに開発された用途が社会経済的にみて従来の用途とは明らかに別異の用途といい得る場合であることを要すると解すべきであり、そうでなければ控訴人としては何らの救済も得られないことになるとしたうえ、被控訴人ら製品の酸素透過性ハード・コンタクト・レンズヘの用途はかかる意味での別異の用途とはいえない旨主張するが、前記1認定のとおり、本件発明はその特許請求の範囲において使用対象レンズを「ソフト・コンタクト・レンズ」に限定し、その点を必須の構成要件とするものであるところ、
酸素透過性ハード・コンタクト・レンズが本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」に該当すると解する余地のないことは前記2で認定説示したとおりである以上、被控訴人ら製品の酸素透過性レンズヘの使用は本件発明の右必須の構成要件を欠き、その「ソフト・コンタクト・レンズ」への使用とは別異の用途というべきことは明らかであるから、この点に関する控訴人の主張も採用しがたい。
4 そうであれば、被控訴人ら製品は本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」とは異なる酸素透過性ハード・コンタクト・レンズにも使用される洗浄剤であるということができるから、この点において、本件発明の実施にのみ使用されるものということはできない。
5 もっとも、控訴人は本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」は硬軟にかかわらず親水性基を持つコンタクト・レンズを意味し、被控訴人ら製品の使用対象レンズの一つである酸素透過性ハード・コンタクト・レンズをも含む旨主張するところ、その根拠とするところは、本件明細書には、本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」が「親水性又は部分的に親水性のプラスチック材料」を用いたレンズである旨明確に定義されており、その例としてはHEMAを素材とするレンズのみならず「シリコーン及びその他の光学的に適当な可性撓材料で作られたレンズ」も掲げられていること、右のうち「シリコーン…で作られたレンズ」とは具体的にはシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズのことで、これは疎水性材料に親水性処理を施して表面に親水性基を形成したものであるから、右定義にいう「部分的に親水性のプラスチック材料」に該当すること、本件発明は、「ソフト・コンタクト・レンズ」における二つの問題点、すなわち、水を吸収するために洗浄剤がレンズ内に溜まってレンズの物理的特性に悪影響を与え、更には洗浄剤の成分が濃縮されることにより装用者の眼に害を及ぼすことがあり(以下「第一課題」という。)また、装用に伴って通常の洗浄方法では除去し得ないような汚れ(涙液中のリゾチームを主成分とする蛋白質沈積物)が表面に沈積しレンズが不透明になる(以下「第二課題」という。)という点の解決を課題とするところ、前記のように表面のみに親水性基を形成したシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズが本件発明の使用対象レンズとして示されていることからも明らかなように、右第一課題は親水性基を有することにより僅かでも吸水性(含水性)を持つに至ったような場合をも含むと解すべきであること、そして、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズは親水性基を有するレンズであって、前記第一及び二課題を有し、また、本件発明の方法によりこれらの課題を解決できるものであること、以上の点にあるものと解される。
しかしながら、前記2で認定説示したとおり、本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」は少なくとも「軟らかいレンズ」である必要がある以上、控訴人主張のように、親水性基を有しさえすればその硬軟を問わずこれに含くまれるというような本来の字義に明らかに反する解釈は到底採り得ないところである。この点において控訴人の主張は既に採用しがたいところであるが、控訴人は、シリコーンで作られたレンズとの対比、本件発明の課題等の関連で右の主張を維持するので、レンズの硬軟とは別の観点から検討することとする。本件明細書(前掲甲第一、第二号証)には控訴人主張の第一及び第二課題が記載され、前記第一課題について「こう云うソフト・コンタクト・レンズに関連した一つの問題は、その洗浄方法である。こう云う親水性ソフト・コンタクト・レンズが一五〇重量%までの水を吸収することが出来るという性質の為に、他の場合には洗浄の為に使うことが出来る組成物が吸収され、濃縮さえされ、ソフト・コンタクト・レンズを目にはめた時、後で放出される。この放出は吸収よりずっと遅いことがあり、その為、洗浄剤が次第にレンズ内に溜まる。このように溜まったことにより、遂には寸法、色等を含めてレンズの物理的な特性に影響が出る。これはコンタクト・レンズ自体を傷つけ又は汚し、或いは結膜及び角膜の傷つき易い組織を傷めるという有害な結果を招くことがある。」(本件公報2欄一七行ないし三〇行)と記載があることが認められるところ、右記載によれば、第一課題が親水性ソフト・コンタクト・レンズの有する吸水性(含水性も同じ)という性質のために生ずるレンズ内部への洗浄剤の吸収、滞留等に起因する問題点をいうものであることは明らかであり、そうである以上、仮に若干の吸水性があるとしても、問題となるようなレンズ内部への洗浄剤の吸収、滞留が生じないようなものは該課題を有するものとはいえないものと解すべきである。この点につき、控訴人は、本件明細書中に「ソフト・コンタクト・レンズ」の例としてシリコーン・ラバー・コンタクト・レンズが挙げられている点を強調するが、本件明細書にいう「シリコーン・・・から作られたレンズ」が控訴人主張のとおりのものであるとしても、このようなレンズにおいては本件発明が解決課題とするレンズ内部への洗浄剤の吸収、滞留等の事態が殆ど生じ得ないことは明らかであるから、むしろ、かかるレンズは第一課題を欠くものと解すべきであって(かかるレンズを本件発明に係る洗浄方法の対象となるソフト・コンタクト・レンズとして例示した本件明細書の記載の相当性こそ問われるべきであるが、この点は暫く措くとして)、控訴人主張のように、そのことから逆に、表面のみに親水性基を有するようなレンズであっても第一課題を有するものと解することはできない。また第二課題との関係でみても、本件明細書(前掲甲第一、二号証)の記載によれば、本件明細書中にはコンタクト・レンズの「親水性又は部分的に親水性」という性質と第二課題でいう通常の洗浄剤では除去し得ないような蛋白質が沈積することとの間の因果関係が明示されているとはいえず(当時の技術水準から右因果関係が記載されているものと認むべき資料も本件記録中に見出せない。)、また、本件明細書においては「親水性」という用語自体、親水性基を有し水と親和するというより、むしろ前記吸水性(含水性)に近い意味で用いられていることが窺われることに徴すれば、第二課題に関する記載をもって本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」を親水性基を有するレンズ一般を指すものと解する根拠とすることもできない。
そして、前掲甲第二〇号証の一ないし三によれば、酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの一種であるメニコンO2は、疎水性材料の表面のみを親水性処理したものであって、その吸水率も、本件発明の「ソフト・コンタクト・レンズ」に含まれるHEMAを素材とするレンズが四三ないし六七重量%であるのに対し、ハード・コンタクト・レンズの一・三重量%とほぼ等しい一・四重量%にすぎないことが認められ、セルロースアセテートブチレートを素材とする酸素透過性ハード・コンタクト・レンズにしても、前掲甲第三八号証によれば二、三%の水分を含有するのみであることが認められるから、むしろ、これらの酸素透過性ハード・コンタクト・レンズは、親水性基を有するものとしても吸水性(含水性)が極めて低い点で本件発明の第一課題を欠くものというべきである。このような解釈は、A事件乙第六号証によれば、本件発明の出願公告後の異議において、異議申立人が、公告された出願に係る発明、すなわち「コンタクト・レンズ」をプロテアーゼ含有の水溶液と接触させることによりレンズ上に沈積した蛋白質を除去する方法は公知技術から容易に推考し得たことにすぎない旨述べたのに対し、控訴人において、後記のように特許請求の範囲記載の「コンタクト・レンズ」との用語を「ソフト・コンタクト・レンズ」と補正するとともに、異議答弁書中で、右補正に係る「ソフト・コンタクト・レンズ」について「親水性コンタクト・レンズで多孔質であり、水分を一五〇%まで吸収する性質を有する」と定義したうえ、それを前提に前記第一課題との関係で本件発明の進歩性を強調していることが認められるところからも裏付けられるものである。
そうであれば、前記控訴人の主張は採用しがたいものというほかない。
6 更に控訴人は、本件発明の「ソフト・コンタクト・レンズ」はその均等物をも含む旨主張しているが、本件発明にいう「ソフト・コンタクト・レンズ」は、「軟らかいレンズ」で、かつ吸水性(含水性)に起因してレンズ内部に洗浄剤が吸収、
滞留等するとの課題を有するものでなければならないところ、少なくともメニコンO2等の酸素透過性ハード・コンタクト・レンズがそのいずれにも該当しないことは既に認定説示したとおりである以上、両者を均等物とみる余地はない。この点に関する控訴人の主張の重点は、本件発明の洗浄方法と被控訴人ら製品による洗浄方法が同一のメカニズムにより同一の作用効果を奏し得るとする点にあるものと解されるが、右のとおり酸素透過性ハード・コンタクト・レンズは本件発明の課題の一部を有さないから控訴人の主張は既にこの点で失当たるを免れないし、第二課題との関係でみても、本件明細書(前掲甲第一、第二号証)の全記載に徴しても、そこにいう通常の洗浄剤では除去し得ないような蛋白質の沈積が本件発明の「ソフト・コンタクト・レンズ」のいかなる性質に由来するのか明示しているものとは認められず(親水性との関係では前記した。)、また、本件全証拠によるも、本件発明の出願当時、右の蛋白質沈積をもたらす本件発明の「ソフト・コンタクト・レンズ」の性質が当業者間に自明であったと認めるに足りる証拠もないのであるから、その後出現する新たなコンタクト・レンズにどのような性質があれば同様の現象が生じ得るのかを当業者が自明の事柄として予測し得たものとすることはできず、そうである以上、その後に開発された新たなコンタクト・レンズにたまたま同様の現象が生じ、かつ本件発明の洗浄方法が有効であることが判明したとしても、そのこと故に、これを本件発明の使用対象レンズの均等物と解することはできない。加えて、
前掲A事件乙第六号証によれば、控訴人は、本件発明の出願広告(昭和五三年一二月二三日)後である昭和五五年三月七日、本件明細書の特許請求の範囲につき、従来「コンタクト・レンズ」の洗浄方法について特許を求めていたものを「ソフト・コンタクト・レンズ」の洗浄方法として補正したことが認められるところ、前掲A事件乙第七号証の一ないし三及びB事件乙第七号証によれば、右補正の時点では、
酸素透過性ハード・コンタクト・レンズが一般に知られ、日本でも既に市販されていたことが認められ、また該レンズが一般にハード・コンタクト・レンズに分類されるものであることは既に認定したとおりであるから、右補正は、かかるレンズが存在するにもかかわらず、敢えて「コンタクト・レンズ」との用語を「ソフト・コンタクト・レンズ」と補正したものとして、たとい右補正が控訴人主張のとおり明瞭でない記載釈明であるとしても、これにより酸素透過性ハード・コンタクト・レンズが本件発明の使用対象レンズには含まれないことを明らかにしたものといわざるを得ない。この点に関しても、控訴人は、本件発明の出願当時には酸素透過性ハード・コンタクト・レンズの存在は未だ知られておらず本件明細書にそれに関する記載は存在しないため出願公告後の補正においてこれを包含するように補正することは不可能であった旨主張するが、そのように出願当時未だ存在が知られていなかったため、出願公告後において補正不可能な領域についてまで出願発明の技術的範囲に含ませようとすること自体不当であることは明らかである(のみならず、控訴人の立場によれば、本件明細書の「ソフト・コンタクト・レンズ」には親水性基を有するとの理由で酸素透過性ハード・コンタクト・レンズも含まれる筈であるから、特許庁における許否はいざ知らず、何らかの表現によりこれを包含するように補正しようとする試みがなされてもよいことが予想されるのに、そのような試みがなされたことを認めるに足りる証拠もないのである。)。
三 以上によれば、控訴人の被控訴人らに対する各請求を棄却したA及びB判決はいずれも相当というべく、本件各控訴は理由がないからいずれもこれを棄却し、各事件の控訴費用につき民事訴訟法95条89条、上告のための附加期間につき同法158条2項を各適用して、主文のとおり判決する。
追加
別表(一)<09150-001>別表(二)(1)いずれもA事件の、甲第7号証、第8証の1ないし7、第9号証の1ないし8、第11号証の1ないし3、第12号証、第13号証、第16号証の1ないし3、第18号証の1ないし3、第22号証の1ないし3、第23号証の1、2、第24ないし第26号証、第27ないし第29号証の各1、2、第30号証の1ないし3、第33ないし第35号証、第36号証の1ないし15、第37号証の1ないし3、第38号証、第39号証の1、2、第40号証、乙第4号証、第6号証、第7号証の1ないし3、
第8号証の1ないし8、第9号証の1ないし4いずれもB事件の、甲第19ないし21号証の各1ないし3、第23号証の1、
2、第24ないし第26号証、第27ないし第29号証の各1、2、第30号証の1ないし3、第33ないし第35号証、第36号証の1ないし15、第37号証の1ないし3、第38号証、第39号証の1、2、第40号証、第42号証の1ないし3、第44号証、乙第16号証(2)<09150-002>
裁判官 松野嘉貞
裁判官 舟橋定之
裁判官 小野洋一