関連審決 | 訂正2004-39187 無効2001-35092 |
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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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平成18行ケ10366審決取消請求事件 | 判例 | 特許 |
平成16行ケ136審決取消請求事件 | 判例 | 特許 |
平成17行ケ10066審決取消請求事件 | 判例 | 特許 |
平成17行ケ10818審決取消請求事件 | 判例 | 特許 |
平成16ワ14321特許権譲渡代金請求事件 | 判例 | 特許 |
関連ワード | 製造方法 / 進歩性(29条2項) / 特許の有効性 / 優先権 / 国内優先権 / 特許出願日 / 設定登録 / 拒絶理由通知 / 訂正審判 / 請求の範囲 / 減縮 / 独立特許要件 / 訂正要件 / 審決確定(審決が確定) / |
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事件 |
平成
17年
(行ケ)
10302号
審決取消請求事件
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原告 株式会社林原生物化学研究所 訴訟代理人弁護士 安江邦 治,弁理士須磨光夫 被告 日本食品化工株式会社 訴訟代理人弁理士 松井 茂,弁護士生田哲郎 |
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裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
判決言渡日 | 2005/10/13 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
特許庁が無効2001−35092号事件について平成16年4月13日にした審決を取り消す。 訴訟費用は各自の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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原告の求めた裁判
主文第1項と同旨の判決。 |
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事案の概要
本件は,後記本件発明の特許権者である原告が,被告請求に係る無効審判において,本件発明についての特許を無効とするとの審決がされたため,同審決の取消しを求めた事案である。 1 前提となる事実等 (1) 特許庁における手続の経緯 (1-1) 本件特許 特許権者:株式会社林原生物化学研究所(原告) 発明の名称:「トレハロース含有シラップ」 特許出願日:平成8年4月10日(国内優先権主張:平成7年4月12日。特願平8-112159号) 設定登録日:平成12年7月7日 特許番号:第3084609号 (1-2) 本件手続 審判請求日:平成13年3月5日(無効2001-35092号) 審決日:平成16年4月13日 審決の結論:「特許第3084609号の請求項1〜13に係る発明についての特許を無効とする。」 審決謄本送達日:平成16年4月23日(原告に対し) (2) 本件審決の内容(甲7) (a) 審決が対象とした発明の要旨は,別紙「@ 訂正前の発明の要旨」のとおりである。 (b) 別紙「@ 訂正前の発明の要旨」に記載された発明に関して,本件審決が示した認定判断の概要は,次のとおりである。 すなわち,審判においては,まず,特許法36条4項違反が争点とされ,原告,被告双方から,複数の実験報告書が提出されて争われた結果,審決は,本件特許明細書の実験2の条件では,グルコースあるいはマルトースを単独で,あるいはこれらを併せて,トレハロースに対して(本件訂正前の)本件発明1で規定する割合で添加することにより,トレハロースの晶出が抑制されるとしても,トレハロースに対してグルコースあるいはマルトースをそれぞれ単独で加えた場合には,少なくともこれらの添加糖質が晶出する場合があるとするのが相当であると認定した上,本件発明1は,本件明細書の段落【0069】に記載された発明の効果を奏するとはいえないとして,特許法36条4項の要件を満たさないと判断した。そして,審決は,同旨の理由により,結局,本件訂正前の本件発明1ないし13のすべてについて,特許法36条4項の要件を満たさないとの理由でその特許を無効とすべきものと結論付けた。 また,審判では,本件発明の進歩性も争点とされたが,審決は,本件訂正前の本件発明1ないし3,5ないし7については,特許法29条2項の規定に反するとして,これらの発明に係る特許については,進歩性を欠くとの理由によっても無効とすべきものと結論付けた。 (3) 本件訂正審判(甲39,40の1・2) (a) 原告は,審決の取消しを求めて本訴を提起したが,本訴係属中の平成16年8月5日,特許請求の範囲の減縮等を目的として,訂正審判の請求をし(訂正2004-39187号),平成17年7月11日,当該訂正を認める旨の審決がされた。 その審決の謄本は,同月22日に原告に送達され,訂正審決は確定した(なお,原告は,平成16年12月24日付けの手続補正書〔訂正審判請求書の補正〕により,特許請求の範囲の更なる補正を求めたが,この補正は認められず,上記当初の訂正審判請求のとおりに訂正が認められた。)。 (b) 上記訂正審決による訂正後の発明の要旨は,別紙「A 訂正後の発明の要旨」のとおりである。 (c) 上記訂正審決が示した認定判断の概要は,次のとおりである。 すなわち,原告は,上記訂正を求めるとともに,新たに実験報告書2通を提出して,訂正発明が訂正後の本件明細書に記載された発明の効果を奏するものと主張した。訂正審決では,独立特許要件の検討の一環として,特許法36条4項の要件を検討した結果,上記実験報告書によれば,シラップは,α,α-トレハロースのみならず,溶解含有した他の糖類も晶出しないことが確認できると認定し,訂正後の発明1のα,α-トレハロース含有シラップは,訂正後の本件明細書の段落【0069】に記載された発明の効果を有するものといえるから,特許法36条4項の要件を満たさないとはいえないと判断した。そして,訂正審決は,同旨の理由により,他の請求項に関する訂正事項も特許法36条4項の要件を満たすと判断した。 また,訂正審決は,独立特許要件の検討の一環として,特許法29条2項の要件についても検討したが,この点の訂正要件をも満たすものと判断した。 2 原告主張の審決取消事由 審決は,本件発明の要旨を別紙「@ 訂正前の発明の要旨」のとおり認定し,これに基づき,本件発明に係る特許は無効とすべきものであると認定判断したが,特許請求の範囲の減縮等を目的とする訂正を認める審決が確定し,本件発明の要旨が別紙「A 訂正後の発明の要旨」のとおり訂正されたことにより,審決は,結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったことになり,瑕疵があるものとして取消しを免れない。 |
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当裁判所の判断
1 本件証拠及び弁論の全趣旨によれば,第2の1に記載の事実関係を認めることができる。なお,本訴は,平成17年6月30日に口頭弁論が終結され,同年8月25日に判決言渡期日が予定されていたところ,前記のとおり,同年7月22日に訂正審決が確定したため,原告の申立てにより,口頭弁論が再開されたものである。 そして,被告は,再開された口頭弁論において,前記訂正を認容する審決が確定したことを認めた上,本件審決が取り消されて特許庁に差し戻されることはやむを得ない旨陳述した。 2 ところで,本訴では,複数の審決取消事由が主張されたが,特許法36条4項違反の点,すなわち,別紙「@ 訂正前の発明の要旨」に記載された発明が,訂正前の本件明細書の段落【0069】に記載された発明の効果を奏するといえるか否か,具体的には,α,α-トレハロース以外の添加糖質が晶出してしまうのか否かが,主要な争点の一つであった。そこで,当審においても,本件無効審判と同様に,原告及び被告が上記争点に関して提出した実験報告書について,その実験条件の適否やデータの解析,解釈の仕方などについて,細かく争われてきたものである。 そして,前認定の事実によれば,本件訂正審判においても,別紙「A 訂正後の発明の要旨」に記載された発明について,発明の効果を奏するといえるか否か,具体的には,α,α-トレハロース以外の溶解含有した他の糖類が晶出してしまうのか否かが検討され,訂正審決では,α,α-トレハロースだけでなく他の糖類も晶出しないとして,特許法36条4項の要件を充足すると判断されたものである。 このように,本件特許の有効性に関し,上記「他の糖類が晶出するか否か」について,原告と被告の主張立証が一貫して激しく対立している事案であって,訂正前後の違いはあるにせよ,無効審判と訂正審判とで特許庁の認定判断が異なり(しかも,訂正審判でもいったんは特許法36条4項違反を理由に拒絶理由通知がされている。),本訴でも上記のように争われてきたのであり,その認定判断は,科学的・技術的観点からみて,相当に微妙なものがあることが明らかである。 仮に,本件審決を取り消すことなく,本訴において,訂正後の特許請求の範囲の記載を前提として,無効事由の有無についての審理判断をするとした場合には,本件訂正審決におけると同様の争点について審理判断することになることが予想される。ところが,本件訂正審決は,前記のとおり,原告が新たに提出した実験報告書のみに基づいて特許法36条4項の要件充足を認めたものである。本件紛争の経緯に照らせば,仮に被告が本件訂正審判に関与できたならば,被告としては,当然に実験報告書を提出して原告の主張立証を弾劾するものとみられ(被告は,当裁判所に対してその用意があることを具体的に表明している。),その結論がいずれになるにせよ,被告の弾劾を経ることで,より真実に近づくことが期待される。しかし,訂正審判の審理構造上,被告による弾劾の機会はなかったものである(被告は,本件訂正審判の係属さえ知らされておらず,実験報告書を添付した上申書の提出というような事実上の関与もできていない。)。 上記のような本件争点の性質,当事者の実質的な主張立証状況,その他の本件諸事情にかんがみれば,本件無効審判の対象となる特許請求の範囲の記載が遡って訂正されたのを受けて,本件訂正後の特許請求の範囲に記載された発明によって訂正後の本件明細書に記載された発明の効果を奏することができるか否かにつき,本件訂正審決の結論を導く根拠となった原告提出の実験報告書(甲44(乙34),甲45(乙36))などに対する被告の主張立証を経た上で,その余の争点も含め,特許庁において改めて審理判断するのが適切であると考えられるので,当裁判所は,本件審決を取り消すのが相当であると判断する。 3 よって,原告の請求が理由があるものとしてこれを認容し,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法62条を適用して,主文のとおり判決する。 |
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追加 | |
【別紙】@訂正前の発明の要旨【請求項1】α,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えて,その溶解度量に対応する温度において溶解含有しているとともに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で溶解含有しているか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有しているα,α-トレハロース含有シラップ。 【請求項2】α,α-トレハロースを,ある温度下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えて,その温度において溶解含有しているとともに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で溶解含有しているか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有しているα,α-トレハロース含有シラップ。 【請求項3】シラップ当たり,α,α-トレハロースを18.5乃至25.0w/w%溶解含有していることを特徴とする請求項1又は2記載のα,α-トレハロース含有シラップ。 【請求項4】シラップが,10℃の恒温室にて1週間放置後,肉眼観察により晶出の見られない甘味料である請求項1,2又は3記載のα,α-トレハロース含有シラップ。 【請求項5】請求項1乃至4の何れかに記載のα,α-トレハロース含有シラップを,0.5w/w%以上含有せしめることを特徴とする組成物の製造方法。 【請求項6】組成物が飲食物,化粧品,医薬品であることを特徴とする請求項5記載の組成物の製造方法。 【請求項7】飲食物が,乳酸菌飲料,缶入りコーヒー,ハードキャンディー,あん,ジャム,パン,カスタードクリーム,求肥,アイシング,ソフトキャンディー,口中清涼キャンディー,ボンボン,ハム,又は佃煮であることを特徴とする請求項6記載の組成物の製造方法。 【請求項8】グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で共存せしめるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で共存せしめることを特徴とする,α,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えて,その溶解度量に対応する温度において溶解含有しているα,α-トレハロース含有シラップの晶出抑制方法。 【請求項9】α,α-トレハロース含有シラップが,シラップ当たり,α,α-トレハロースを18.5乃至25.0w/w%含有していることを特徴とする請求項8記載のα,α-トレハロース含有シラップの晶出抑制方法。 【請求項10】グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質を有効成分とし,α,α-トレハロース含有シラップに対し,そのシラップが含有するα,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で使用されるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を有効成分とし,α,α-トレハロース含有シラップに対し,そのシラップが含有するα,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で使用されるα,α-トレハロース晶出抑制剤。 【請求項11】α,α-トレハロース含有シラップに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質を有効成分とするα,α-トレハロース晶出抑制剤を,α,α-トレハロース含有シラップが含有しているα,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で溶解含有せしめるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を有効成分とするα,α-トレハロース晶出抑制剤を,α,α-トレハロース含有シラップが含有しているα,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有せしめることにより,α,α-トレハロース含有シラップにα,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えてその溶解度量に対応する温度において溶解含有せしめることを特徴とするα,α-トレハロースの晶出抑制方法。 【請求項12】α,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を越えて,その溶解度量に対応する温度において含有せしめるとともに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で含有せしめるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で含有せしめることを特徴とするα,α-トレハロースの晶出が抑制されたα,α-トレハロース含有シラップの製造方法。 【請求項13】シラップ当たりのα,α-トレハロースの含有量が18.5乃至25.0w/w%である請求項12記載のα,α-トレハロース含有シラップの製造方法。 A訂正後の発明の要旨(訂正は,直接的には請求項1,2,8,10ないし12についてされたが,その余の請求項は,上記@記載のとおり,いずれも上記訂正に係る請求項に従属するものである。なお,下線部が訂正箇所である。)【請求項1】α,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えて,その溶解度量に対応する温度において溶解含有しているとともに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質(但し,糖質が,グルコース又はマルトースのいずれか単独の場合を除く。)を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で溶解含有し,かつ,α-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップであるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有し,かつ,α-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップ。 【請求項2】α,α-トレハロースを,ある温度下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えて,その温度において溶解含有しているとともに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質(但し,糖質が,グルコース又はマルトースのいずれか単独の場合を除く。)を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で溶解含有し,かつ,α-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップであるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有し,かつ,α-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップ。 【請求項8】グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質(但し,糖質が,グルコース又はマルトースのいずれか単独の場合を除く。)を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で共存せしめるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で共存せしめることを特徴とする,α,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えて,その溶解度量に対応する温度において溶解含有し,かつ,α-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップの晶出抑制方法。 【請求項10】グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質(但し,糖質が,グルコース又はマルトースのいずれか単独の場合を除く。)を有効成分とし,α,α-トレハロース含有シラップに対し,そのシラップが含有するα,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で使用されるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を有効成分とし,α,α-トレハロース含有シラップに対し,そのシラップが含有するα,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で使用されるα-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップのためのα,α-トレハロース晶出抑制剤。 【請求項11】α-グリコシルトレハロースを含有しないα,α-トレハロース含有シラップに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質(但し,糖質が,グルコース又はマルトースのいずれか単独の場合を除く。)を有効成分とするα,α-トレハロース晶出抑制剤を,α,α-トレハロース含有シラップが含有しているα,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で溶解含有せしめるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を有効成分とするα,α-トレハロース晶出抑制剤を,α,α-トレハロース含有シラップが含有しているα,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で溶解含有せしめることにより,α,α-トレハロース含有シラップにα,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を超えてその溶解度量に対応する温度において溶解含有せしめることを特徴とするα-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップからのα,α-トレハロースの晶出抑制方法。 【請求項12】α,α-トレハロースを,室温下におけるα,α-トレハロースの水分当たりの溶解度量を越えて,その溶解度量に対応する温度において含有せしめるとともに,グルコース,マルトース,マルトトリオース,及びマルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上の糖質(但し,糖質が,グルコース又はマルトースのいずれか単独の場合を除く。)を,溶液組成で当該α,α-トレハロース18.5重量部に対して35重量部以上の割合で含有せしめるか,ソルビトール,マルチトール,マルトトリイトール,及び蔗糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質を,溶液組成で当該α,α-トレハロース23.2重量部に対して46.8重量部以上の割合で含有せしめることを特徴とするα,α-トレハロースの晶出が抑制されたα-グリコシルトレハロースを含有しないデキストロース・エクイバレント(DE)50未満のα,α-トレハロース含有シラップの製造方法。 |
裁判長裁判官 | 塚原朋一 |
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裁判官 | 田中昌利 |
裁判官 | 清水知恵子 |