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関連審決 異議2003-72503
関連ワード 製造方法 /  設定登録 /  訂正審判 /  請求の範囲 /  減縮 /  取消決定 / 
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事件 平成 17年 (行ケ) 10153号 特許取消決定取消請求事件
原告 株式会社リコー
訴訟代理人弁理士 佐々木通孝
同 吉村寛二
同 鈴木康志
同復代理人弁理士 加藤和彦
被告 特許庁長官小川洋
指定代理人 秋月美紀子
同 山口由木
同 柳和子
同 伊藤三男
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2005/06/09
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 特許庁が異議2003−72503号事件について平成17年1月14日にした決定中,「特許第3398767号の請求項1,2,5に係る特許を取り消す」との部分を取り消す。
2 訴訟費用は各自の負担とする。
事実及び理由
全容
原告は,「1 主文第1項と同旨 2 訴訟費用は被告の負担とする」との判決を求め,請求の原因として別紙のとおり述べた。
被告は,「1 原告の請求を棄却する。2 訴訟費用は原告の負担とする」との判決を求め,請求原因事実は争わない,と述べた。
前記争いのない事実によれば,原告の本訴請求は理由があるから認容し,訴訟費用については,本訴の経緯にかんがみ,これを各自に負担させるのを相当と認め,主文のとおり判決する。
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(別紙)請求の原因1原告は,発明の名称を「電子写真感光体及びその製造方法」とする特許第3398767号発明(平成4年2月21日出願,平成15年2月21日設定登録。以下「本件特許」という。)に係る特許権者であり,その設定登録時の特許請求の範囲は,別紙1のとおりである。
2その後,本件特許につき特許異議の申立てがされ,異議2003-72503号事件として特許庁に係属したところ,原告は,平成16年9月21日,本件特許の特許請求の範囲等の訂正(以下「第1次訂正」という。)を請求した。第1次訂正に係る特許請求の範囲は別紙2のとおりである。特許庁は,同事件につき審理した上,平成17年1月14日,「訂正を認める。特許第3398767号の請求項1,2,5に係る特許を取り消す。同請求項3ないし4に係る特許を維持する。」との決定(以下「本件決定」という。)をし,その決定謄本は同年1月26日原告に送達された。
3原告は,平成17年2月23日,特許庁の本件決定のうち主文第1項掲記の部分の取消しを求める本訴を提起し,その係属中の同年3月15日,特許庁に対し,本件特許の特許請求の範囲等につき訂正審判の請求をした(以下「第2次訂正」という。)。第2次訂正に係る特許請求の範囲は別紙3のとおりであるが,特許庁は,同請求を訂正2005-39048号事件として審理した上,同年4月18日,訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし,その審決謄本は同年4月28日原告に送達された。
4第2次訂正によって特許請求の範囲減縮されたことは明らかであり,本件訂正審決の確定により,本件決定が前提とする発明の要旨の認定は誤りに帰したことになるので,本件決定中,「特許第3398767号の請求項1,2,5に係る特許を取り消す」との部分の取消しを求める。
(別紙1)特許請求の範囲(設定登録時のもの)【請求項1】導電性支持体上に,少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体において,該電荷発生層の膜厚が,電荷輸送物質の電荷輸送層から電荷発生層への移行により変化して,下記(1)式を満足することを特徴とする電子写真感光体。
d2/d1>1.1・・・(1)式中,d1:電荷輸送層積層前の電荷発生層の膜厚d2:電荷輸送層積層後の電荷発生層の膜厚【請求項2】前記電荷輸送層が,少なくとも低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり,かつ下記(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
w2/w1≧0.7・・・(2)式中,w1:電荷輸送層中に含有されるバインダー樹脂および高分子電荷輸送物質の重量の合計w2:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量【請求項3】前記電荷輸送層が,少なくとも低分子電荷輸送物質と高分子輸送物質を含有する電荷輸送層であり,かつ前記(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項4】前記電荷輸送層が,少なくとも2層以上であり,少なくとも該電荷発生層と接触する電荷輸送層が低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり下記(3)式を満足し,かつ電荷発生層から最も離れた電荷輸送層が下記(4)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
w4/w3>0.7・・・(3)w4/w3<0.4・・・(4)式中,w3:電荷輸送層中に含有される物質の重量の合計w4:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量【請求項5】請求項1〜4の電子写真感光体を用いた電子写真装置。
(別紙2)特許請求の範囲(第1次訂正後のもの。訂正部分を下線で示す。)【請求項1】導電性支持体上に,少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体において,該電荷発生層の膜厚が,電荷輸送物質の電荷輸送層から電荷発生層への移行により変化して,下記(1)式を満足することを特徴とする電子写真感光体。
d2/d1>1.3・・・(1)式中,d1:電荷輸送層積層前の電荷発生層の膜厚d2:電荷輸送層積層後の電荷発生層の膜厚【請求項2】前記電荷輸送層が,少なくとも低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり,かつ下記(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
w2/w1≧0.7・・・(2)式中,w1:電荷輸送層中に含有されるバインダー樹脂および高分子電荷輸送物質の重量の合計w2:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量【請求項3】前記電荷輸送層が,少なくとも低分子電荷輸送物質と高分子輸送物質を含有する電荷輸送層であり,かつ前記(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項4】前記電荷輸送層が,少なくとも2層以上であり,少なくとも該電荷発生層と接触する電荷輸送層が低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり下記(3)式を満足し,かつ電荷発生層から最も離れた電荷輸送層が下記(4)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
w4/w3>0.7・・・(3)w4/w3<0.4・・・(4)式中,w3:電荷輸送層中に含有される物質の重量の合計w4:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量【請求項5】請求項1〜4の電子写真感光体を用いた電子写真装置。
(別紙3)特許請求の範囲(第2次訂正後のもの。訂正部分を下線で示す。なお,2重下線部分は,第1次訂正時との相違部分である。)【請求項1】導電性支持体上に,少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体において,該電荷発生層の膜厚が,電荷輸送物質の電荷輸送層から電荷発生層への移行により変化して,下記(1)式を満足することを特徴とする電子写真感光体。
d2/d1>1.3・・・(1)式中,d1:電荷輸送層積層前の電荷発生層の膜厚d2:電荷輸送層積層後の電荷発生層の膜厚【請求項2】前記電荷輸送層が,少なくとも低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり,かつ下記(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
w2/w1≧0.7・・・(2)式中,w1:電荷輸送層中に含有されるバインダー樹脂および高分子電荷輸送物質の重量の合計w2:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量【請求項3】前記電荷輸送層が,少なくとも低分子電荷輸送物質と高分子輸送物質を含有する電荷輸送層であり,かつ記(2)式を満足することを特徴とす子写真感光体。
【請求項4】前記電荷輸送層が,少なくとも2層以上であり,少なくとも該電荷発生層と接触する電荷輸送層が低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり下記(3)式を満足し,かつ電荷発生層から最も離れた電荷輸送層が下記(4)式を満足することを特徴とす子写真感光体。
w4/w3>0.7・・・(3)w4/w3<0.4・・・(4)式中,w3:電荷輸送層中に含有される物質の重量の合計w4:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量【請求項5】請求項1〜4の電子写真感光体を用いた電子写真装置。
裁判長裁判官 中野哲弘
裁判官 大鷹一郎
裁判官 早田尚貴