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審判番号(事件番号) データベース 権利
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平成26ネ10022損害賠償等請求控訴事件 判例 特許
平成24ネ10091特許権侵害差止等請求控訴事件 判例 特許
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事件 平成 25年 (ネ) 10099号 損害賠償請求控訴事件
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 知的財産高等裁判所 
判決言渡日 2014/05/21
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
判例全文
判例全文
平成26年5月21日判決言渡

平成25年(ネ)第10099号 損害賠償請求控訴事件

(原審 東京地方裁判所平成23年(ワ)第21126号)

口頭弁論終結日 平成26年2月17日

判 決



控 訴 人(原告) 株式会社ジーピーシーコリア

(GPC KOREA INC.)



訴訟代理人弁護士 岩 瀬 吉 和

石 井 昭 仁

崎 地 康 文

弁理士 金 山 賢 教



被控訴人(被告) 株 式 会 社 千 趣 会



訴訟代理人弁護士 片 山 英 二

江 幡 奈 歩

岩 間 智 女

生 沼 寿 彦

飯 島 歩

藤 田 知 美

弁理士 加 藤 志 麻 子

鎌 田 直 也

横 井 知 理





主 文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。



事 実 及 び 理 由

第1 控訴の趣旨

1 原判決を取り消す。

2 被控訴人は,控訴人に対し,1億円及びこれに対する平成23年7月13日

から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。



第2 事案の概要

用語の略称及び略称の意味は,本判決で付するもののほか,原判決に従い,原判

決で付された略称に「原告」とあるのを「控訴人」に,
「被告」とあるのを「被控訴

人」と読み替えるほか,適宜これに準じる。

1 事案の要旨

(1) 本件請求の要旨

本件は,名称を「Web-POS 方式」とする本件発明についての本件特許権(特許番

号・第4579336号)の専用実施権者である控訴人が,被控訴人に対し,被控

訴人が提供する被控訴人サービス(ベルメゾンネット)において採用されている被

控訴人システムが本件発明の技術的範囲に属すると主張して,本件特許権侵害の不

法行為に基づく損害賠償の一部として1億円及びこれに対する不法行為の日以降で

ある平成23年7月13日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払

を求めた事案である。

(2) 本件発明の内容

本件発明は,次のとおりである(原判決の付した略称に基づく分説後のもの)。




【A】HTTPを用いてHTMLで記述された初期フレームプログラム,カテゴリー

リストプログラム及びPLUリストプログラムを含むHTMLリソースを供給するサ

ーバ装置を備えた,

【B】販売時点情報管理を行うためのWeb−POSネットワーク・システムの制御

方法であって,

【C】該サーバ装置からクライアント装置に対して送信された,初期フレームプ

ログラムが,該クライアント装置において実行されることにより,少なくとも,

1)該クライアント装置から上記サーバ装置に対して,カテゴリーリストプロ

グラムのダウンロードを要求するHTTPメッセージが送信される過程,

2)該要求に基づき,Webサーバ・プログラムがHDDの記憶媒体からカテゴ

リーリストプログラムを読み出し,上記サーバ装置から該クライアント装置に対

して,上記カテゴリーリストプログラムが送信される過程,

3)上記クライアント装置から上記サーバ装置に対して,PLUリストサーバプ

ログラムの実行を指示するHTTPメッセージが送信されると,上記サーバ装置が,

PLUリストサーバプログラムを起動して,PLUリストプログラムを生成し,上記

クライアント装置に対して,PLUリストプログラムが送信される過程,

4)及び,商品情報の入力毎に,それに対応するPLU情報が上記サーバ装置に

問い合わされる過程,

からなり,

【D】前記サーバ装置のPLUマスタDB内のカテゴリー対応レコードリスト及び

同PLUマスタDB内の商品情報対応レコードリストが,それぞれ,前記クライアン

ト装置における商品カテゴリーが変更される毎に,また前記クライアント装置にお

ける商品識別情報が入力(選択)される毎に,前記サーバ装置から前記クライアン

ト装置にダウンロードされると共に,

【E】該クライアント装置においては,前記サーバ装置から受信した商品基礎情

報をタッチパネル,キーボード,またはマウスからなる入力手段を有する表示画面




に表示し,該入力手段により上記表示された商品を特定する商品に関する識別情報

である商品識別情報を入力(選択)し,前記サーバ装置から受信した商品基礎情報

から上記入力(選択)した商品識別情報に対応する商品基礎情報のレコードを取得

して,該商品基礎情報と上記入力(選択)した商品識別情報とに基づいて注文商品

明細情報を上記表示画面に出力する,

【F】汎用のコンピュータとインターネットを用い,HTTPに基づいて通信を行

うWebサーバ・クライアント・システム上でWebブラウザのみでPOS機能が実現さ

れるWeb−POSシステムにおいて,

【G】商品カテゴリー,メーカー,商品名及び価格からなる商品基礎情報が記憶

されている前記PLUマスタDBが前記サーバ装置のみに設けられて,

【H】前記すべての商品基礎情報が前記サーバ装置のみによって管理されると共

に,

【I】前記タッチパネル,キーボード,またはマウスからなる入力手段を有する

表示装置において,商品カテゴリーリストを表示する部分(第1フレーム)の表示

過程と,該カテゴリー内の商品名が表示される,商品PLUリストを表示する部分(第

2フレーム)の表示過程と,前記商品基礎情報と前記入力した商品識別情報とに基

づいて出力される入力結果の注文商品明細を表示する部分(第3フレーム)の表示

過程を経て,

【J】前記クライアント装置における上記注文商品明細情報が該クライアント装

置から前記サーバ装置に送信されることで,販売時点情報管理が行われることを特

徴とする

【K】Web−POSネットワーク・システムの制御方法。

(3) 被控訴人システムの概要

被控訴人システムにおける各画面の遷移の概要と,控訴人が主張した本件発明の

構成要素との対応関係の要旨は,次のとおりである。控訴人は,実施態様1につい

ては,第2画面の赤枠部分を表示するブログラムを,実施態様2については,第3




画面の赤枠部分及び青枠部分を表示するプログラムを,それぞれ初期フレームプロ

グラムと主張している。

実施態様1




【第2画面】 【第3画面】(第2画面の赤枠内部のリンクを

・赤枠部分(第1フレーム) クリック)

・青枠部分(第2フレーム) ・赤枠内部(商品カテゴリーリスト)

・青枠部分(第2フレーム)

・青枠内部(商品 PLU リスト)




【第5画面】(第4画面の[カートに入れる]

ボタン及び次画面の[カートの中を見る]ボタ

ンをクリック) 【第4画面】(第3画面の青枠部分のリ

・緑枠部分(第3フレーム) ンクをクリック)




実施態様2




【第2画面】 【第3画面】(第2画面の赤枠内部のリンクを

クリック)

・赤枠部分(第1フレーム)

・赤枠内部(商品カテゴリーリスト)

・青枠部分(第2フレーム)

・青枠内部(商品 PLU リスト)




【第5画面】(第4画面の[カートに入れる]

ボタン及び次画面の[カートの中を見る]ボタ

ンをクリック)

・緑枠部分(第3フレーム) 【第4画面】(第3画面の青枠部分のリ

ンクをクリック)




(4) 原審の判断

原判決は,被控訴人システムは,本件発明の構成要件 A,C 及び I に記載された

プログラムの実行手順及び実行内容とは異なる手順,内容で実行されているので,

上記各構成要件を充足せず本件発明の技術的範囲に属しないとして,控訴人の請求

を棄却した。



2 前提となる事実

本件の前提となる事実は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」

欄の第2の1に記載のとおりである。

(1) 原判決2頁26行目から同3頁1行目の「登録を受けた(」の次に「登録

簿上の名称・『ジーピーシ― コリア インク.』」を加える。


(2) 原判決8頁25行目の「ショッピングモール」を「ショッピングサイト」

に改める。

(3) 原判決10頁6行目の「選択」を「クリック」に改める。

(4) 原判決12頁12行目から同13行目にかけての「ストレージ(記憶装置)

である」を「ストレージ(記憶装置)であって,外部から利用することのできる」

に,同14行目の「ストレージ(記憶装置)である」を「ストレージ(記憶装置)

であって,内部のみで利用する」にそれぞれ改める。

(5) 原判決13頁11行目の「2時間に1回の頻度で」の次に「SEO サーバに

よって」を加える。



第3 争点及び争点に関する当事者の主張

本件の争点及び争点に関する当事者の主張は,下記1のとおり補正し,同2のと

おり当審における当事者の補充主張を,同3のとおり当審における控訴人の新たな

主張を,同4のとおり当審における控訴人の新たな主張に対する被控訴人の反論を,

それぞれ加えるほかは,原判決の「事実及び理由」欄の第1の2及び同3に記載の




とおりである。

1 原判決の補正

(1) 原判決16頁21行目の「構成要件Cの柱書」の次に「 1)から 4)までに


列記の部分を除く部分。以下同じ。」を加える。


(2) 原判決18頁1行目の「(第1フレーム),同2行目の「
」 (第2フレーム)」

及び同3行目の「(第3フレーム)」をいずれも削る。

(3) 原判決20頁24行目の「『商品詳細ページ』のデータ自体が,」を「抽出

されたデータが,」に改める。

(4) 原判決22頁5行目から同6行目にかけての「第2画面ソースの桃色表示

部分のプログラム」を「第2画面ソースの21頁の桃色表示部分と同23頁の桃色

表示部分を含むこの両者に挟まれた部分(以下,単に「桃色表示部分」という。)の

プログラム」に改め,同7行目の「(第1フレーム)」の次に「及び青枠部分の表示

領域(第2フレーム)」を加える。

(5) 原判決23頁1行目の「青枠部分の」を「青枠部分(第2フレーム)に」

に改め,同10行目から同11行目にかけての「第5画面の」の次に「緑枠部分(第

3フレーム)に」を,同18行目の「赤枠部分」の次に「の表示領域(第1フレー

ム)」を,同行目の「青枠部分の表示領域」の次に「(第2フレーム)」をそれぞれ加

える。

(6) 原判決24頁19行目の「第5画面の」の次に「緑枠部分(第3フレーム)

に」を加える。

(7) 原判決26頁4行目の「送信が,」の次に「構成要件Cの」を加え,同9

行目の「及び」から同11行目の「と解される。」までを削る。


(8) 原判決27頁16行目の「,PLUリストが」から同17行目の「領域」ま

でを削る。



2 当審における当事者の補充主張




(1) 控訴人

商品カテゴリーリスト及び商品PLUリストを表示する領域を確保するためには,

frameタグを用いなければならないものではない。tableタグを用いることにより,

背景を使ってページがフレームに分かれているように見せかけて領域を確保する方

法(甲32)や画面を表構成にして領域を確保する方法(甲32,34),又はスタ

イルシートを用いることにより,長方形のエリアを設定して領域を確保する方法(甲

24の2)を利用して,当該領域にコンテンツを表示することが,原出願日当時,

周知であり,これもまた,本件発明における領域確保といえる。

したがって,本件発明の「フレーム」とは,frameタグを用いた画面分割の方法

により表示されたものに限られず,何らかの表示装置又は何らかの表示部分の一定

の領域を意味するものである。

(2) 被控訴人

tableタグを用いることで,データを行や列で区切って見やすく配置することは可

能であるが,frameタグを用いた場合のように,それぞれの領域に異なるHTML文

書を表示することはできないため(乙30の2,乙31の2),tableタグを用いた

場合は,一方の領域での選択や変更に伴い,他方の領域の表示も制御することがで

きなくなる。スタイルシートは,HTMLに用いる書式情報(フォント,サイズ,色

等)の組合せを集約した書式集であり,その中から任意のスタイルを本文中の特定

部分に設定することで,フォント,サイズ,色等を一括して設定し,表示すること

を可能にするものであるが,表示領域の確保とは何らの関係もなく(乙30の2,

乙31の2),それぞれの領域に異なるHTML文書を表示することはできない。

tableタグやスタイルシートは,単一のWebページ内での単なる表現手段として領

域を指定配置して表示させることであり,見た目上の表現の結果のみを表面的に比

較するのは失当である。



3 当審における控訴人の新たな主張(実施態様3)




下記(1)から(4)までのとおりの実施態様(実施態様3)と被控訴人システムの構

成によれば,被控訴人システムは,本件発明の構成要件をすべて充足する。

(1) 初期フレームプログラム

被控訴人システムは,前記第2画面の赤枠部分に表示されているカテゴリーのう

ち,例えば,「コート」のリンクを表示し,第3画面を表示するためのHTMLソー

スコードのダウンロードを要求するHTTPメッセージをWebサーバに送信する

ことに係る第2画面ソース21頁下から3行〜22頁1行目()のプログラム(初期フレームプログラム)を備える。


第2画面




(2) 第1フレーム及びカテゴリーリストプログラム

利用者が,第2画面の例えば「コート」のリンクをクリックすると,利用者端末

からWebサーバに対して,第3画面ソースの59頁及び60頁の紫色表示部分(



iv class="…"> )のコードを含むHTMLソースコードのダウンロードを要

求するHTTPメッセージが送信され,これに基づき,アプリケーションサーバが,

上記のプログラムを含むHTMLソースコードを作成し,これが,Webサーバから利

用者端末に送信されて実行されることで,第3画面の赤枠部分の表示領域(第1フ

レーム)が表示される。また,第2画面の例えば「コート」のリンクをクリックす

ると,利用者端末からWebサーバに対して,第3画面ソースの橙色表示部分のプロ

グラム(カテゴリーリストプログラム)を含むHTMLソースコードのダウンロード

を要求するHTTPメッセージが送信される。これに基づき,アプリケーションサー

バが,上記のプログラムを含むHTMLソースコードを作成し,これが,Webサーバ

から利用者端末に送信されて実行されることで,第3画面の赤枠部分の表示領域(第

1フレーム)にカテゴリーリスト(商品カテゴリーリスト)が表示される。

(3) 第2フレーム及びPLUリストプログラム

利用者が,第2画面の例えば「コート」のリンクをクリックすると,利用者端末

からWebサーバに対して,第3画面ソースの8頁及び55頁の紫色表示部分(
class="…"> )のコードを含むHTMLソースコードのダウンロードを要求

するHTTPメッセージが送信され,これに基づき,アプリケーションサーバにおい

て,上記のプログラムを含むHTMLソースコードを生成し,これが,利用者端末に

送信され,実行されることで,第3画面の青枠部分の表示領域(第2フレーム)が

確保される。また,第2画面の例えば「コート」のリンクをクリックすると,利用

者端末からWebサーバに対して,第3画面ソースの水色表示部分のプログラム(P

LUリストプログラム)を含むHTMLソースコードのダウンロードを要求するHTT

Pメッセージが送信され,アプリケーションサーバにおいて,商品検索システムか

ら受領した「コート」のページのHTMLソースコード作成の基礎となる情報に基づ

き,これをHTMLソースコードに変換するプログラム(PLUリストサーバプログラ

ム)を起動して,上記のプログラム(PLUリストプログラム)を含むHTMLソース

コードを生成し,これが,利用者端末に送信され,実行されることで,第3画面の




青枠部分の表示領域(第2フレーム)に個別商品リスト(商品PLUリスト)が表示

される。


第3画面




(4) 第3フレーム,注文商品明細及びPLU情報
利用者が,第3画面の青枠部分の例えば「カラーコート【ネット限定サイズあり】」

というリンクをクリックすると,利用者端末からWebサーバに対しその商品の詳細

ページの要求が送信され,利用者端末には第4画面(PLU情報)が表示される。

さらに,利用者が,第4画面で[カートに入れる]ボタンをクリックし,続けて,[カ

ートを見る]ボタンをクリックすると,第5画面の緑枠部分の表示領域(第3フレー

ム)に上記注文商品の明細情報(注文商品明細情報)が表示される。





第4画面




第5画面




4 当審における控訴人の新たな主張に対する被控訴人の反論

控訴人が上記3(1)にて初期フレームプログラムと主張するコードは,第2画面か

ら第3画面へのハイパーリンクであって,画像表示を第3画面に遷移することを求

めるものにすぎず,第3画面の表示を行っているのは第3画面ソースである。

したがって,上記コードは,初期フレームプログラムには該当し得ない。



第4 当裁判所の判断

当裁判所も,被控訴人システムは本件発明の技術的範囲に属さないと解するから,

その余の点について判断するまでもなく,本件請求は理由がないものと判断する。

その理由は,下記1のとおりに補正し,同2に補充の判断を,同3に当審におけ

る控訴人の新たな主張に対する判断をそれぞれ加えるほかは,原判決の「事実及び




理由」欄の第3の1に記載のとおりである。控訴人が当審でるる主張するところを

考慮しても,この結論は左右されない。

1 原判決の補正

(1) 原判決34頁11行目から同16行目までを次のとおり改め,同19行目

の「併せ考慮すれば,」の次に「frameタグという特定のタグを使用するかどうかは

ともかくとして,」を加える。

「 さらに,HTMLにおいて,『フレーム』は,一般的には,Webページを複

数の領域に分割し,それぞれを独立した領域として別々の文字等の情報を表

示させる機能をいうものであり,各フレームの中に文字等の情報を表示させ

るためには,各フレームをターゲットとして,文字等の情報を表示するため

のプログラムを実行する必要があることが認められる(甲23,23の2,

24,24の2,25の2,26,32,33,乙1ないし3,30,30

の2,31,31の2)」


(2) 原判決42頁26行目の「(赤色表示部分)」を「(桃色表示部分)」に改め

る。

(3) 原判決43頁2行目の「このひとまとまりの段落が」から同9行目までを

次とおり改め,同25行目の「NAS−OUTから読み出して」を削る。

「このひとまとまりの段落の文字等の情報のフォント,位置,幅,背景等の書

式情報が何らかのスタイルシートを参照して表示されていることは,第2画

面ソースから優に推認できることであるが,プログラムの実際の挙動として,

このひとまとまりの段落の文字等が表示されている領域の位置及び幅までも

が別途プログラムにより指定されているのか否かは,本件の主張,立証上定

かではない。しかしながら,少なくとも観念的には,第2画面ソースによっ

てこれらの段落が表示される前提として,その表示されている領域の位置及

び幅が確保されているとはいい得るから,このひとまとまりの段落の位置及

び幅が確保されているものと解釈することとする(以下,
「領域」とはこのよ




うな意で用いる。。
)」

(4) 原判決45頁16行目の「6頁」の次に「8行目」を加え,同行目の「(赤

色表示部分)」を削る。

(5) 原判決46頁6行目の「NAS−OUTから読み出して」を削る。

(6) 原判決49頁6行目から同19行目までを次のとおり改める。

「 控訴人は,被控訴人システムにおいては,初期フレームプログラムの実

行により,第3画面の赤枠部分に商品カテゴリーリストの表示領域(第1

フレーム)が,同青枠部分にPLUリストの表示領域(第2フレーム)がそ

れぞれ確保されているとする一方で,第2画面の赤枠部分の例えば「コー

ト」のリンクをクリックしたときに,カテゴリーリストプログラム及びP

LUリストプログラムが実行されており,この過程の全体をもって,構成

要件A,C及びIに記載された各プログラムの実行手順及び実行内容を充

足すると主張する。

しかしながら,前記(2)ア及びイに説示したとおり,第3画面に表示され

ている商品カテゴリーリスト及びPLUリストは,第3画面ソースの実行過

程において表示されたものであり,第2画面ソースはこれに関与していな

いのであるから,上記主張は,前提を誤るものであって失当である。」



2 補充の判断

控訴人の主張は,要するに,構成要件A,C及び I に記載された各プログラムの

実行手順及び実行内容としての領域確保は,単なる画面表示上の表現によって他と

区別できる部分が表示されることでも十分であるというものと整理される。

しかしながら,前記認定判断(原判決引用部分)のとおり,本件発明は,初期フ

レームプログラムがクライアント装置において実行されて,商品カテゴリーリスト

の表示領域が表示装置に第1フレームとして表示された上で,引き続き,クライア

ント装置からサーバ装置に対し,第1フレームをターゲットとして商品カテゴリー




リストを表示するためのカテゴリーリストプログラムを送信するよう要求するHT

TPメッセージが送信され,これを受けてサーバ装置が読み出したカテゴリーリス

トプログラムがクライアント装置に送信され,これが実行された結果,商品カテゴ

リーリストがWebブラウザに表示されるという過程を経るという構成をとった方

法の発明なのである。また,前記認定判断(原判決引用部分)のとおり,本件発明

は,初期フレームプログラムがクライアント装置において実行されて,商品PLUリ

ストの表示領域が表示装置に第2フレームとして表示された上で,引き続き,クラ

イアント装置からサーバ装置に対して,第2フレームをターゲットとしてPLUリス

トサーバプログラムの実行を指示するHTTPメッセージが送信され,サーバ装置が

PLUリストサーバプログラムを起動して生成したPLUリストプログラムがクラ

イアント装置に対し送信され,これが実行された結果,商品PLUリストがWebブラ

ウザに表示されるという過程を経るという構成をとった方法の発明なのである。

したがって,前記説示のとおり,画面上の表現の前提として観念的には当該部分

の表示のための表示領域の確保が先行しているとみたとしても,構成要件の充足の

ためには,上記過程がその順序で順次実行されている必要があるところ,前記認定

判断(原判決引用部分)のとおり,被控訴人システムにおいては,各画面は一つの

HTML文書であって,サーバ装置からクライアント装置に対して一括して送受信さ

れているものであり,各画面の各表示とその表示領域の確保とは同時にされている

のであるから,本件発明の構成に従った過程が実行されているとみる余地はない。

以上のとおりであるから,控訴人の上記主張は,採用することのできないもので

ある。



3 当審における控訴人の新たな主張に対する判断

控訴人は,第2画面の赤枠部分内の例えば「コート」を表示するプログラムが初

期フレームプログラムであり,同部分のハイパーリンクによって第3画面の赤枠部

分及び青枠部分が表示されることをもって,上記2にいう本件発明の過程が実行さ




れている趣旨の主張をする。

しかしながら,上記第2画面の赤枠部分内の例えば「コート」を表示するプログ

ラムは,単に第2画面から第3画面への遷移を求めるものにすぎず,第3画面の表

示を行っているのは第3画面ソースであって,第2画面の赤枠部分内の例えば「コ

ート」を表示するプログラムが第3画面内に表示領域の確保を行うことはないから,

同プログラムは初期フレームプログラムにはなり得ない。

よって,その余の点を判断するまでもなく,第3実施態様が,本件発明の構成要

件をすべて充足するものではないことが明らかである。



第5 結論

よって,本件請求を棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄

却することとして,主文のとおり判決する。



知的財産高等裁判所第2部




裁判長裁判官

清 水 節




裁判官

中 村 恭




裁判官

中 武 由 紀