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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成15ネ1223特許権侵害差止請求控訴事件 判例 特許
平成16ワ11060職務発明の対価請求事件 判例 特許
平成11ワ101特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成11ネ3788損害賠償請求控訴事件 判例 特許
平成13ネ2296特許権侵害差止請求控訴事件 判例 特許
関連ワード 製造方法 /  技術的範囲 /  技術常識 /  発明の詳細な説明 /  参酌 /  意識的除外(意識的に除外) /  禁反言 /  実施 /  間接侵害 /  構成要件 /  差止請求(差止) /  侵害 /  設定登録 /  発明の範囲 /  請求の範囲 /  異議申立 / 
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事件 平成 13年 (ネ) 3394号 特許権侵害差止等請求控訴事件
控訴人 タイホー工業株式会社
訴訟代理人弁護士 田中克郎
同 千葉尚路
同 森崎博之
同 吉野正己
同 菊田行紘
同 佐藤 真太郎
同 山本 麻記子
同 湯川雄介
補佐人弁理士 稲葉良幸
同 福田賢三
被控訴人 ジョンソン株式会社
訴訟代理人弁護士 藤本英介
同 鈴木正勇
補佐人弁理士 安井幸一
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2002/08/22
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 控訴人 (1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人は,別紙物件目録記載の艶出し洗浄剤につき,製造も,販売も,貸与も,販売又は貸与のための展示もしてはならない。
(3) 被控訴人は,前項の艶出し洗浄剤を廃棄せよ。
(4) 被控訴人は,控訴人に対し,2億2322万4600円及びこれに対する平成11年3月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(5) 訴訟費用は,第1,第2審を通じて被控訴人の負担とする。
(6) 仮執行宣言 2 被控訴人 主文と同旨
当事者の主張
1 事案の概要等 本件は,特許番号第2137544号の特許権(昭和61年8月21日出願,平成6年9月14日出願公告,平成10年7月31日設定登録,発明の名称は「艶出し洗浄方法」,以下「本件特許権」といい,この特許権に係る発明を「本件発明」という。)を有する控訴人が,被控訴人の製造販売する,別紙物件目録記載の製品(以下「被控訴人製品」という。)が,本件特許権の実施のみに使用するものであって,これを侵害する(間接侵害)として,被控訴人に対し,その製造等の中止,廃棄,損害賠償を求めた事案である。
当事者双方の主張は,次のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」記載のとおりであるから,これを引用する。
2 当審における控訴人の主張の要点 (1) 「泡調整剤」の解釈の誤りについて ア 原判決は,本件発明の「泡調整剤」となるには,次の3つの要件が必要であると解している(原判決17頁)。
(ア) 基剤に2重量%を超えない範囲で配合されていること (イ) 基剤及びこれに含まれる乳化剤とは別の成分で,これに加えられたものであること (ウ) 発生した泡を消泡する作用を有するものであること イ 原判決は,上記のとおり,基剤及びこれに含まれる乳化剤に対し,「泡調整剤」が別に存在しなければならないと解している。
しかし,本件発明において,乳化剤及び「泡調整剤」のそれぞれが何を意味するかを,数モル付加物の混合物について判断する場合には,混合物全体としてではなく,それを構成する各モル付加物それぞれに着目し,そのそれぞれごとに判断すべきものである。
原判決のように,混合物全体として判断すべきものと解すると,「泡調整剤」となり得る成分に基剤と同じ成分をいくらか加えて混合したり,「泡調整剤」と同じ成分を先に基剤に加えたりしておけば,「泡調整剤」ではなくなることになってしまうことになる。そのような結論が不当であることは,明白である。
ウ 本件特許権の特許請求の範囲には,本件発明の方法で用いる洗浄剤に係る要件としては,「シリコンオイルに乳化剤を加えて水に分散させた基剤に,2重量%を超えない範囲で泡調整剤を配合してなる」としか記載されていない。
ここにいう乳化剤とは,シリコンオイルと水を乳化させて分散させる成分を指し,かつ,個々に独立して乳化剤となるものをいうから,個々に独立して消泡剤となる低モル付加物は含まれない。
本件発明における「シリコンオイルに乳化剤を加えて水に分散させた基剤」という表現は,シリコンオイルと水とこれを乳化させて分散させる乳化剤から基剤が構成されるということを述べただけのことにすぎない。
「2重量%を超えない範囲で泡調整剤を配合してなる」とあるのは,「泡調整剤」の基剤に対する配合割合を2重量%を超えない範囲と特定しているだけである。ここにいう「泡調整剤」には,独立して乳化剤となる高モル付加物は含まれていない。
エ 本件発明に係る明細書では,洗浄機構の説明として,単純に,「泡調整剤」が洗浄剤中に含まれていることから,効果が発生している,としているものであって,同明細書には,その配合方法により効果が生じるとは全く記載されていない。実施例でも,配合方法,製造方法は,本件発明の泡調整作用とは何ら関係がなく,単に一定の配合割合で「泡調整剤」が含まれているか否かということだけが記述の対象とされている。
原判決が「泡調整剤」の3要件の一つとして挙げた,「基剤及びこれに含まれる乳化剤とは別の成分で,これに加えられたものであること」が,基剤を調整した後に,「泡調整剤」を加えなければならないという意味であれば,これも誤りである。本件発明では,基剤と「泡調整剤」の重量割合を規定しているにすぎず,調整方法を規定しているものではないからである。
そもそも,本件発明は,「艶出し洗浄剤」という物の製造方法に関する発明ではなく,艶出し洗浄剤を用いた「艶出し洗浄方法」という方法に関する発明であるから,艶出し洗浄剤という物に関していえば,その物であること,すなわちその成分と配合割合のみが問題であって,艶出し洗浄剤の製造方法自体は何ら問題とされていないのである。
オ 以上のとおり,「泡調整剤」は,基剤又は乳化剤に対して別に存在しなければならないものではなく,基剤を調整した後に,これに加えなければならないのものでもない。
(2) 被控訴人製品第1期製品中のノニルフェノールEO2付加物,第2期製品中のノニルフェノールEO4付加物,第3期製品中のアルキルエーテルEO(1〜4)付加物が,「泡調整剤」であることについて ア 原判決は,控訴人が,異議答弁書(乙第3号証)において,本件発明における界面活性剤型の「泡調整剤」の消泡効果を奏するものは,HLB値が低く(1〜4程度),乳化剤として用いられる界面活性剤との関係において,HLB値により区別できるということを述べていると認定し,これを根拠に,控訴人はHLB値5以上のものを「泡調整剤」から意図的に除外しているとして,本訴において控訴人がこれに反する主張をすることは許されない,としている。
控訴人が,HLB値により「泡調整剤」となるか乳化剤となるかの区別ができる,と述べたという限度では,原判決の上記認定に誤りはない。しかし,異議答弁書において,控訴人が,HLB値5以上のものを意識的に除外している,ということはない。
控訴人が,異議答弁書において,乳化剤として用いられる非イオン界面活性剤としては,HLB値10〜18程度のものが最適であり,これには消泡効果がない,としているだけであり(乙第3号証),混合体の成分としてHLB値10以下のものが含まれる場合の消泡効果のことにまで言及しているものではない。単に,乳化剤として用いられる個々の非イオン界面活性剤には消泡効果はない,ということを述べているにすぎない。
イ 原判決は,一般に,混合物は,全体として効果を奏するものであり,そのようなものとして取り扱われており,それを構成する各モル付加物ごとに異なる作用を奏するものとしては取り扱われてはいない,と判示している。
しかし,混合物は,そもそも違う成分の物質が混合しているにすぎないものであるから,混合するだけで,それらの個々の性質が失われるわけではない。
また,加成性の理論は,各モル付加物が個別に効果を発揮することとは全く無関係であり,このことと相互に矛盾したりこれを否定したりする関係にはない。
低モル付加物と高モル付加物の混合物と水,シリコンオイルが配合された状態では,高モル付加物がシリコンオイルを乳化し,O/Wエマルジョンを形成する。他方で,低モル付加物と,シリコンオイルの乳化の必要量以上に配合された高モル付加物とは,それらのみで水中でミセルを形成している。これが,空気中に噴射され,発泡する際,泡の表面及び内面という新たな気-液界面が生じるため,ミセル状態であった高モル付加物は,気-液界面に吸着し,それにより安定して泡が形成される(泡の水側に高モル付加物の親水基が向き,空気側に親油基が向く)ことになる。しかし,低モル付加物は,高モル付加物に比べ,親水基がより少ないため,空気側に移動しようとする力が強いので,高モル付加物を押しのけることになる。そこで,高モル付加物が気-液界面に吸着していることにより安定していた泡は,バランスが崩れ,破泡することになる。
このように,加成性の理論が成り立つか否かに関わらず,低モル付加物も高モル付加物も,それぞれの効果を失うことはなく,これらを保持し続けているのである。
被控訴人は,本件発明以前から乳化剤として使用されている非イオン界面活性剤を配合すれば,そのうちの低モル付加物により,常に消泡効果が生じる,と主張する。しかし,例えば,ノニポール等の市販品についてみると,平均モル数からみて,低い方はその半分,高い方は2倍程度までのモル数の分布を持つものであるから,平均付加モル数が6であるノニポール60の分布は3モルから12モルまでであるものの,平均付加モル数が10であれば,5モルから20モルとなり,4モル以下の低モル付加物はほとんど含まれないことになる。
したがって,被控訴人の主張は誤っている。
ウ ノニルフェノールEO2付加物,ノニルフェノールEO4付加物,アルキルエーテルEO(1〜4)付加物が,いずれも消泡作用を有していること自体は,原判決も認定している。
したがって,上記の各EO付加物は,HLB値の点からは「泡調整剤」となるものである。
エ 原判決は,モル付加混合物に含まれる低モル付加物に消泡作用が認められるとしても,それが基剤に含まれる乳化剤に分布として存在しているものである限り,「泡調整剤」として基剤に加えられた別個の成分とはいえない,としている。
しかし,前記のとおり,乳化剤は単体でとらえるべきものであり,かつ,単体としての乳化剤には消泡作用は認められないから,消泡作用が認められるものが乳化剤に分布する,ということ自体,あり得ないことというべきである。
オ 以上のとおりであるから,モル付加混合物中の消泡作用を有する低モル付加物は,「泡調整剤」に当たるというべきである。
被控訴人製品は,第1期(別紙配合処方(1)),第2期(同配合処方(2)),第3期(同配合処方(3))のいずれのものも,相当量の低モル付加物を含有している。
(3) 控訴人の行った実験(甲第9号証ないし第12号証)について ア 原判決は,控訴人の実験は,被控訴人製品を分析した上,その成分を混合しただけであり,被控訴人製品の基剤が何であって,加えた「泡調整剤」が何であるかを明らかにするものではないから,実験の基剤が被控訴人製品の基剤と同一であることの証拠にはならない,としている。
イ しかし,前記のとおり,本件特許は,洗浄剤の配合方法まで定めているものではない。シリコンオイルと水と乳化剤とからなる基剤に対し,2重量%を超えない範囲で「泡調整剤」が配合されていることさえ確認されればよいのである。
控訴人の実験において,使用した基剤は,被控訴人から開示を受けた成分を基に配合したものであるから,シリコンオイルと水と乳化剤から構成される基剤と,「泡調整剤」の配合割合は確認されている。その開示成分について,控訴人が「泡調整剤」であると主張するものと,被控訴人が「泡調整剤」であると主張するものが異なったので,控訴人は,いずれが消泡作用を有するか実験を行い,その結果,控訴人の主張が正しいことが確認されたのである。
ウ 原判決は,ノニルフェノールEO2付加物及び同4付加物を添加していない試料にも,ノニルフェノールEO7付加物は配合されているから,これにも低モル付加物が分布として存在するはずであるのに,消泡効果が見られないとしている。
しかし,ノニルフェノールEO7付加物中の低モル付加物についても,分布している4モル以下の低モル付加物は,消泡効果を有している。ただ,その分布割合から,目に見えるようにはっきりと現われていないだけである。
エ 控訴人は,ノニポール60を用いて,基剤に対する「泡調整剤」の割合が2重量%を超えなければ,基剤及び「泡調整剤」の配合順序を問わないということを立証するため実験を行った。
その結果,配合順序に関わらず,低モル付加物が配合されていれば,消泡効果が生じることが確認された(甲第31号証ないし第36号証)。
3 当審における被控訴人の主張の要旨 (1) 控訴人の主張(1)-「泡調整剤」の解釈の誤りについて-に対して ア 本件発明の範囲には,発明の対象とされている方法で用いられる洗浄剤を特定するものとして,「シリコンオイルに乳化剤を加えて水に分散させた基剤に,2wt%を越えない範囲で泡調整剤を配合してなるO/W型エマルジョンのスプレー型艶出し洗浄剤」と記載されている。これによれば,「泡調整剤」は,基剤とは異なるもので,基剤に別途配合されるものでなければならないことが明らかである。単に,O/W型エマルジョンに,消泡効果を有する成分が含まれていればよいというものではない。
控訴人は,本件発明にいう乳化剤とは,シリコンオイルと水を乳化させて分散させる成分を指し,かつ個々に独立して乳化剤となるもののことをいうから,個々に独立して消泡剤となる低モル付加物は含まれない,と主張している。
しかし,乳化剤として用いられる混合物中に,分布として存在している低モル付加物が,個々に独立して消泡剤となるものではない。分布として存在している低モル付加物を含めて,混合物全体が,乳化剤となるのである。
本件発明の特許出願以前から,非イオン界面活性剤が,その中に分布として存在する低モル付加物を含めて乳化剤として使用されているにもかかわらす,本件発明に係る明細書には,乳化剤から分布として存在している低モル付加物を除くことは,何ら記載されていない。明細書の記載をこのようなものとしておきながら,分布として存在している低モル付加物を乳化剤から除いて「泡調整剤」とするようなことは,許されることではない。実際にも,低モル付加物が分布として存在している非イオン界面活性剤が乳化剤として市販されているのであって,低モル付加物を取り除いたものが乳化剤として市販されているのではない(乙第12号証)。
イ 本件発明が製造方法の特許であるか否かは,「泡調整剤」が何であるかを決める上で,問題ではない。
特許請求の範囲には,本件発明の方法で用いられる洗浄剤を特定するものとして,「シリコンオイルに乳化剤を加えて水に分散させた基剤に,2wt%を越えない範囲で泡調整剤を配合してなるO/W型エマルジョンのスプレー型艶出し洗浄剤」と記載されている。これによれば,「泡調整剤」は,「乳化剤」とは異なるものでなければならないことが明らかである。しかし,「泡調整剤」自体は,技術用語として一般的に使用されるものではなく,極めて不明確な概念である。
しかも,本件発明に係る明細書の「発明の詳細な説明」中に,「泡調整剤」として記載されている界面活性剤型の中には,「乳化剤」としても使用されているものがあるにもかかわらず,同明細書においては,「泡調整剤」「乳化剤」の違いについて何らの説明もなされていない。
このような状態にある以上,「泡調整剤」と「乳化剤」を明確に区別するためには,原判決がしているように,「泡調整剤」は「基剤」を調整した後に加えるものでなければならない,とする以外にない。
もともと「泡調整剤」は不明確な概念であり,原判決のように定義しなければ,本件発明の技術的範囲は確定できず,本件特許権は無効という以外にないことになるのである。
(2) 控訴人の主張(2)-被控訴人製品第1期製品中のノニルフェノールEO2付加物,第2期製品中のノニルフェノールEO4付加物,第3期製品中のアルキルエーテルEO(1〜4)付加物が,「泡調整剤」であることについて-に対して ア 非イオン界面活性剤は,加成性により平均付加モル数に近い効果が生じるのであって,各モル付加物が独立して,個別に効果を生じることはない。
非イオン界面活性剤には,低モル付加物から高モル付加物までのものが分布として存在し,そのようなものが市販され(乙第11号証,第13号証),乳化剤として使用されており,特に使用において問題が生じたことはない(乙第2号証,第7号証,第8号証)。
仮に,分布として存在している低モル付加物が独立して消泡効果を生ずるのであれば,本件発明の特許出願以前から乳化剤として使用されている非イオン界面活性剤を配合すれば,そのうちの低モル付加物により,常に消泡効果が生じるはずであり,本件発明の解決しようとする課題である「O/W型エマルジョンタイプのものは・・・洗浄面にスプレーをした後,泡が消えにくく・・・」(甲第4号証3欄5行目〜9行目)という問題は生じなかったはずである。
イ 控訴人は,低モル付加物と高モル付加物との混合物と水,シリコンオイルが配合された状態では,高モル付加物がシリコンオイルを乳化し,O/Wエマルジョンを形成する,と主張する。しかし,「界面活性剤 物性・応用・化学生態学」には,「個々のEO基,水酸基水和性寄与は微少(表1.13参照)であるが,その累積により加成的に親水性を増すこと,非イオン活性剤どうしを混合した場合にもおおまかにHLBの加成性が成り立つことに基づいている。」(乙第14号証)と記載されていることからも分かるとおり,親水基が少ない場合にも,その累積により親水性は増すから,低モル付加物が乳化に何の寄与もしないなどということはあり得ない。低モル付加物が乳化に関与しないのであれば,HLB値を求める際に,「低モル付加物」を合算する加成性の理論も誤りとなってしまうのである。
ウ 控訴人は,低モル付加物と,シリコンオイルの乳化の必要量以上に配合された高モル付加物は,それらのみで水中でミセルを形成している,と主張する。
しかし,それは,大量の界面活性剤を配合した場合であり,本件発明の明細書には,「乳化の必要量以上」について一切説明はない。被控訴人製品において,高モル付加物の一部が水中でミセルを形成することについては,何も証明されていない。
本件発明の実施例においては,乳化剤として界面活性剤が3.5重量%配合されているのに対し,被控訴人製品の乳化剤の配合量はその1/4以下である0.5ないし0.8704重量%である。したがって,被控訴人製品において,乳化の必要量以上に配合された高モル付加物が,水中でミセルを形成するとは考えられない。
控訴人の主張が正しいとしても,単に界面活性剤を乳化剤として配合しても,泡が速やかに消えるということを示すにすぎず,「泡調整剤」の作用により,泡が速やかに消えることを証明するものではない。また,控訴人の主張によれば,泡が速やかに消えるためには,「乳化の必要量以上に配合された高モル付加物」が必要となり,低モル付加物を「泡調整剤」とする主張と矛盾する。
エ 控訴人は,混合物の効果について,結局のところ,混合物の効果というものは,混合割合によって,混合されているどの性質が強く発現しているかの問題にすぎない,との趣旨の主張をする。これは,混合により全体として生じる効果は,個々の性質の効果が平均化されたものであるというのに等しい。すなわち,消泡作用を有する非イオン界面活性剤の低モル付加物が微量存在していても,乳化作用を有する高モル付加物が大量に存在しているため,高モル付加物の性質が強く発現し,低モル付加物の性質は埋没してしまい,全体として乳化作用が生じることになる,ということを述べていることになる。
本件において問題となるのは,低モル付加物が,高モル付加物の効果を多少なりと減殺するか否かではなく,発生した消えにくい泡を,混合物中に分布として存在している微量の低モル付加物が,大量に存在している高モル付加物の影響を受けることなく,速やかに消すという消泡作用を発揮するか否かである。原判決は,この問題につき,混合物中の低モル付加物がこのような消泡作用を発揮するとすると,混合物の使用に当たっては,乳化作用と消泡作用との両効果について,気を付けて使用しなければならない,ということになり,技術常識に反することになる,と判示しているだけであって,そこに何ら誤りはない。
オ 控訴人の異議答弁書における主張は,異議申立理由を排斥するために,乳化剤と「泡調整剤」がHLB値により明確に区別できるとの趣旨で行ったものであり,単に,乳化剤として用いる非イオン界面活性剤の最適なHLB値を述べたものではない。当該主張の核心は,「本願発明に用いられるポリオキシアルキレン化合物等の界面活性剤型の泡調整剤は,HLB値が低く(1〜4程度)水に対する溶解度が小さいからこそ消泡効果を有する。これに対し,乳化剤として用いられる非イオン界面活性剤は,一般にHLB10〜18程度が最適であるとされ,消泡効果はない。このように界面活性剤は,近似する構造のものでもHLB値の相違により乳化,分散,可溶化,起泡,消泡等の種々の用途に使用され,それぞれの用途に適したHLB域が存在し,用途に応じたHLB範囲を有する界面活性剤が選定されるので,乳化剤として用いられる界面活性剤と泡調整剤として用いられる界面活性剤とは明確に区別できるものであり・・・」として,「泡調整剤」のHLB値が1〜4程度であるので,HLB値10〜18程度の乳化剤と明確に区別ができるというものである。このように述べ,それにより当該異議申立を排除しておきながら,HLB値が5以上のものを「泡調整剤」と主張することは,包袋禁反言の原則に反し許されない。
このことは,非イオン界面活性剤が,単体として用いられるか,混合体として用いられるかで異なるものではない。
カ 学術文献(乙第2号証,第7号証,第8号証,第9号証,第15号証)でも,消泡作用が認められているのは,HLB値が1〜4のものである。控訴人が低モル付加物に含めている2〜4モル付加物は,そのHLB値が,5.7〜8.9であり,消泡作用は認められていない。
被控訴人製品に配合されているエチレンオキサイド付加物のHLB値9.9〜10.9は,乳化剤である。
(3) 控訴人の主張(3)-控訴人の行った実験(甲第9号証ないし第12号証)について-に対して ア 原判決は,控訴人の行った実験によれば,ノニルフェノールEO2付加物及び同4付加物の成分が,消泡機能を有することが認められる,と判示しているにすぎない。
また,その実験結果には,信用性に疑問がある。
イ 本件で問題になっている「消泡作用」は,単に相対的に泡が早く消えるということではない。シリコンオイルに乳化剤を加えて水に分散させた基剤からなるO/W型エマルジョンを吹き付けて発生させた消えにくい泡を,速やかに消すことができる,というものである。控訴人の実験で,何らそのような「消泡作用」を確認することはできない。
モル数が小さい付加物を用いた場合の方が,大きい付加物を用いた場合より早く泡が消えることをとらえて,「消泡作用」があるというのであれば,高モル付加物の中でも相対的にモル数が小さく,泡が先に消えたものには「消泡作用」があることになる。しかし,それは界面活性剤についての技術常識に反する。
ウ 非イオン界面活性剤を乳化剤として使用する場合には,乳化の対象となる物質に必要なHLB値に適合するように,非イオン界面活性剤の中から適するものを選択したり,モル数が異なる複数の界面活性剤を組み合わせて乳化剤としたりすることは,本件発明以前から行われている(乙第17号証)。
本件のようにシリコンオイルを乳化する場合には,必要な非イオン界面活性剤のHLB値は10〜10.5であり(乙第9号証,第16号証,第17号証),それに適合するように,ノニルフェノールEO4付加物と同6付加物を組み合わせて使用している。HLB値を低く抑えた乳化剤を用いれば,発生した泡は早く消えるが,それは,「泡調整剤」を用いなくても速やかに泡が消えるということにすぎず,「泡調整剤」の消泡作用により泡が消えたということを意味するものではない。
エ 4モル以下のノニルフェノールEO付加物が「泡調整剤」に該当するのであれば,本件発明の「泡調整剤」の配合量には下限はないのであるから,ノニルフェノールEO7付加物に分布として存在する同4モル付加物の作用により,速やかに泡は消えなければならないのに,そのような実験結果は得られていない。
なお,控訴人が実験に用いたノニルフェノールEO7付加物には,低モル付加物が分布として存在していると思われるにもかかわらず(甲第10号証),控訴人自身,当該試料を「泡調整剤なし」と取り扱っている(甲第12号証の1ないし8)。
オ 甲第30号証の分析報告書図1によれば,ソフタノール70や同90においても,低モル付加物が微量とはいえない量存在しており,4モル以下の低モル付加物をほとんど含まないとはいえず,これを用いた場合にも,発生した泡は速やかに消えるはずである。しかし,甲第12号証の1ないし8の実験が正しいとすると,それと反することになってしまう。
本件発明では,「泡調整剤」の下限は規定されていないから,それに該当するものが,わずかでも配合されていれば,消泡効果が生じるはずである。4モル以下の低モル付加物がわずかでも含まれている以上,肉眼で観察できる消泡効果が生じなければならない。上記の実験によれば,4モル以下の低モル付加物が含まれているにもかかわらず,それがないということになるから,単に分布として存在しているにすぎない低モル付加物を「泡調整剤」と解することはできないことになる。
カ 控訴人が行った実験(甲第31号証ないし甲第36号証)において,試料Bでは,乳化剤であるノニルフェノールEO付加物の平均モル数は7.33であり,そのHLB値は11.7以上(乙第2号証)であって,シリコンオイルを乳化するのに適したHLB値である10〜10.5を大きく離れている。そのため,試料Bにおいては,シリコンオイルが適切に乳化されていない可能性が高く,適切に乳化された試料Aと比較することはできない。
キ 被控訴人は,被控訴人製品に「泡調整剤」が配合されていると主張したことはない。
当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人の本訴請求は理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり付加するほか,原判決の「第4 当裁判所の判断」のとおりであるから,これを引用する。
1 本件発明における「泡調整剤」の意義 (1) 本件発明の特許請求の範囲には,「シリコンオイルに乳化剤を加えて水に分散させた基剤に,2Wt%を越えない範囲で泡調整剤を配合してなるスプレー型艶出し洗浄剤を,洗浄面に吹き付けることにより拭き取りすることなく艶出し洗浄するようにした艶出し洗浄方法」と記載されている。
したがって,本件発明の構成要件は,原判決摘示のとおり, A @ シリコンオイルに乳化剤を加えて水に分散させた基剤に, A 2Wt%を越えない範囲で泡調整剤を配合してなる B O/W型エマルジョンのスプレー型艶出し洗浄剤を B @ 洗浄面に吹き付けて泡を発生させることにより, A 洗浄面に付着する汚れ等を浮き上がらせ, B 泡調整剤の作用で消泡して液状になると流下させることにより, C 拭き取りすることなく洗浄面を洗浄させるとともに, D シリコンオイルで艶出しするようにしたこと E を特徴とする艶出し洗浄方法 ということになる。
(甲第2号証,第4号証,第5号証) 本件発明の「艶出し洗浄剤」においては,「基剤」が,「シリコンオイル」,「水」及び「乳化剤」から構成されること,「基剤」とは別のものとして「泡調整剤」が存在することは,文理上明らかである。
(2) 控訴人は,本件発明において,「乳化剤」及び「泡調整剤」のそれぞれが何を意味するかを,数モル付加物の混合物について判断する場合には,混合物全体としてではなく,それを構成する各モル付加物それぞれに着目し,それぞれごとに判断すべきである,また,本件発明において,「乳化剤」とは,シリコンオイルと水を乳化させて分散させる成分を指し,かつ,個々に独立して乳化剤となるものを指している,と主張する。
(3) 本件発明に係る明細書の「発明の詳細な説明」の欄には, 「この発明において基剤としては,ジメチルシリコンオイル,フェニルメチルシリコンオイル,アミノ変性シリコンオイル,エポキシ変性シリコンオイル,脂肪酸変性シリコンオイル等のシリコンオイルなど艶出性能を有するシリコンオイルに,オレイン酸モルホリン石鹸,オレイン酸トリエタノールアミン石鹸,アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ,ソルビタモノオレエート,フェニルエーテル等の乳化剤類,灯油,ノルマルパラフィン系溶剤,イソパラフィン系溶剤,塩素系溶剤等の溶剤等を適当量加えてシリコンオイルを水中に乳化させたものであり,この場合シリコンオイル含有量としては10〜60Wtパーセント程度が適当である。
また基剤の状態を調整するために,補助的に加えられる乳化剤類,溶剤等については基剤中に,10〜40Wt%の範囲で加えることが好ましい。」 と記載されている(甲第4号証2頁3欄17行目〜31行目,)。
これらの例示に加え,一般的に,乳化剤は,乳化作用を欠く低モル付加物を分布として含んだ状態で流通していること,その中で乳化作用を持つ成分を限定して「乳化剤」と呼称することが通常であるとは必ずしも認められないこと(乙第12号証)をも参酌すると,本件発明に係る明細書中に,他に,「乳化剤」という用語が,控訴人が主張するような意味で使用されている,とうかがわせる部分が存しない限り,控訴人が主張するように,数モル付加物の混合物の場合,「乳化剤」が,混合物の一成分,すなわち,シリコンオイルを水に乳化させる作用を持つ各モル付加物のみを意味している,と解することはできないというべきである。ところが,同明細書中にそのような部分を見いだすことはできない(甲第4号証)。
したがって,控訴人の上記解釈を採用することはできない。
(4) 本件発明に係る明細書中には,「一方泡調整剤としてはポリオキシアルキレン化合物等の界面活性剤型,シリコンオイル,高級アルコール,ワックスを水で乳化したエマルジョン型,シリカ,ワックスをオイルスラリーにしたオイルスラリー型,イソプロピルアルコール,ブタノール,オクタノール等のアルコール等を使用でき,・・・」と記載されている(甲第4号証2頁3欄32行目〜37行目)。
同明細書には,「・・・泡調整剤を2Wt%越えて加えるとスプレー時に泡が発泡しにくくなり・・・」(甲第4号証2頁3欄39行目〜40行目),「発生した泡が,洗浄剤中に含まれる泡調整剤の作用により消泡して液状になる・・・」(甲第4号証2頁4欄4行目〜5行目),「適当量の泡調整剤を配合しているため,発生した泡を適当時間洗浄面に付着した後,消泡させて・・・」(甲第4号証2頁4欄23行目〜25行目)と,「泡調整剤」の作用効果に関する記述がある。
同明細書には,配合される泡調整剤の例として,「シリコーン系泡調整剤(アワクリーン12タイホー工業株式会社製)」,「ポリエーテル型非イオン界面活性剤を主成分とする泡調整剤:(アワクリーン1020タイホー工業株式会社製)」との記載がある(甲第4号証3頁5欄41行目,同頁6欄1行目〜2行目)。
以上に挙げた本件明細書中の「泡調整剤」に関する記載中には,数モル付加物の混合物が用いられている場合,その各モル付加物に着目してそれぞれにつき「泡調整剤」であるかどうか決められるべきことをうかがわせる記載はなく,同明細書中には,他にも,具体的にどのような物質であるかをうかがわせる記載はない(甲第4号証)。
そうだとすると,本件発明における「泡調整剤」は,特許請求の範囲及びその作用効果に関する記載から,原判決のいうように,@基剤に2重量%を越えない範囲で配合されること,A基剤及びこれに含まれる乳化剤とは別のもので,したがって別に配合されること,B発生した泡を消泡する作用を有すること,の各要件を備える物質であると解する以外にないというべきである。
(5) 控訴人は,本件発明は,物の製造方法に関する発明ではなく,「艶出し洗浄方法」という方法に関する発明であるから,艶出し洗浄剤という物については,その物であること,すなわち成分と配合割合のみが問題となる,と主張する。
しかし,たとい,本件発明が「艶出し洗浄方法」という方法に関する発明であるとしても,その方法において用いられる「艶出し洗浄剤」がどのようなものであるかを明らかにする必要は当然あり,特許請求の範囲においてその特定のために製造方法の定義をしているものであるから,控訴人の主張は理由がない。控訴人自身,調製方法の相違が特性の差になり得ることを,異議答弁書において主張しているものである(乙第3号証2頁27行目〜3頁目19行目)。
(6) 「泡調整剤」のHLB値の範囲 本件特許に対しては,特許異議申立がなされ,異議申立人は,その理由補充書において,「特許請求の範囲に記載されているシリコンオイル又は乳化剤と泡調整剤とが重複し,本願発明における泡調整剤の含有量を特定できない。すなわち,本願発明における泡調整剤にはシリコンオイルを水で乳化したエマルジョン型のものがあり(本件公報第3欄32行〜34行),基剤も同じシリコンオイルを含んでいる。また,本願発明の泡調整剤には界面活性剤型のものがあり(本件公報第3欄32行〜33行),基剤で用いるフェニルエーテルなどの乳化剤(界面活性剤)(本件公報第3欄23行〜24行)と同じものである。このため泡調整剤の含有量を特定できないので特許請求の範囲が不明瞭となっている。」と主張した(乙第10号証10頁15行目〜22行目)。
これに対し,控訴人は,異議答弁書において,「本願発明に用いられるポリオキシアルキレン化合物等の界面活性剤型の泡調整剤は,HLBが低く(1〜4程度)水に対する溶解度が小さいからこそ消泡効果を有する。これに対し,乳化剤として用いられる非イオン界面活性剤は,一般にHLB10〜18程度が最適であるとされ,消泡効果はない。このように界面活性剤は,近似する構造のものでもHLBの相違により乳化,分散,可溶化,起泡,消泡等の種々の用途に使用され,それぞれの用途に適したHLB域が存在し,用途に応じたHLB範囲を有する界面活性剤が選定されるので,乳化剤として用いられる界面活性剤と泡調整剤として用いられる界面活性剤とは明確に区別できるものであり・・・」と主張している(乙第3号証8頁23行目〜9頁4行目)。
控訴人のこの主張は,前記異議申立人の主張に照らしてみると,単に,本件発明にいう「泡調整剤」のHLB値を例示したものと解することはできず,それと乳化剤を明確に区別するため,前者はHLB値が1〜4程度のもの,すなわち大きくとも5未満のものが,本件発明における消泡効果を有する,と限定して述べたものと解すべきである。
HLB値が1から4の範囲のものが,消泡効果を有するということは,控訴人が上記答弁をする前に学術的知見でも示されている(乙第2号証,第7号証,第8号証,第15号証)。控訴人は,上記知見をも認識した上で,上記の答弁をしたと認められる。
以上の状況の下では,包袋禁反言の原則により,本件発明における「泡調整剤」には,前記の要件のほか,HLB値が大きくとも5未満のものに限られるという要件が付加されるというべきである。
2 ノニルフェノールEO2付加物,ノニルフェノールEO4付加物及びアルキルエーテルEO(1〜4)付加物の,「泡調整剤」の該当性 控訴人が主張する,ノニルフェノールEO2付加物のHLB値は5.7,同EO4付加物のHLB値は8.9である(甲第14号証,第15号証,乙第2号証)と認められる。
また,アルキルエーテルEO付加物のHLB値は,同EO2付加物が6.11,同EO3付加物が7.95,同EO4付加物が9.36であると認められる(弁論の全趣旨)。
したがって,そもそも,これらを,本件発明にいう「泡調整剤」ということはできない。
3 被控訴人の行った実験の評価について 甲第9号証ないし第12号証,甲第23号証ないし第36号証を総合すると,成分として低モル付加物が存在すると,その量にもよるとはいえ,配合の順序を問わず,低モル付加物がない場合に比較して,より速やかに消泡効果を発揮することもあることが認められる。
しかし,そもそも,控訴人の主張する物質が,HLB値の点で,本件発明の「泡調整剤」に含まれないことは,前述のとおりである。
加えて,仮に,控訴人の主張する物質が,HLB値の点では本件発明の「泡調整剤」に含まれるとしても,被控訴人製品を本件発明にいう「艶出し洗浄剤」とすることはできないという,結論に変わりはない。原審のものも含めて,控訴人が提出した各実験結果によっても,被控訴人製品が,「泡調整剤」を,基剤とは別途配合したことは何ら証明されてはいないからである。
以上のとおりであるから,被控訴人製品が,前記構成要件AAを満たすとは認められないとした原判決の認定に,誤りはない。
4 結論 以上検討したところによれば,控訴人の本訴請求は理由がないことが明らかであるから,これを棄却すべきであり,原判決は相当であって,本件控訴は理由がない。そこで,これを棄却することとし,控訴費用の負担について民事訴訟法67条1項,61条を適用して,主文のとおり判決する。
追加
物件目録商品名「ザ・まっくろ」と称する艶出し洗浄剤配合処方(1)1ポリシロキサン:500cs21.6240wt%2POENonylPhenylEther-6モル0.4352wt%3POENonylPhenylEther-4モル0.4352wt%4噴射剤15.0000wt%5水61.4550wt%6その他1.0506wt%配合処方(2)1ポリシロキサン:500cs18.7000wt%2POENonylPhenylEther-6モル0.5100wt%3噴射剤15.0000wt%4水64.8507wt%5その他0.9393wt%配合処方(3)1ポリシロキサン:500cs17.0000wt%2POELinearAlcoholEther-5モル0.6800wt%3噴射剤15.0000wt%4水66.3807wt%5その他0.1743wt%(別紙成分一覧表省略)
裁判長裁判官 山下和明
裁判官 阿部正幸
裁判官 高瀬順久
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