関連ワード | 技術的範囲 / 特許発明 / 実施 / 権原 / 構成要件 / 差止請求(差止) / 侵害 / 不法行為(民法709条) / 請求の範囲 / |
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事件 |
平成
22年
(ワ)
16354号
特許権侵害差止等請求事件
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原告 アテンションシステム株式会社 被告 株式会社KDDI総研 同訴訟代理人弁護士 光石忠敬 同 光石俊郎 同 光石春平 同訴訟代理人弁理士 田中康幸 同 松元洋 |
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裁判所 | 大阪地方裁判所 |
判決言渡日 | 2011/03/03 |
権利種別 | 特許権 |
主文 |
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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請求
1 被告は,機体持主情報呼出しできない電話番号記憶携帯電話番号機の無線通信料等口座振替決済は来月から全て無料化せよ。 2 被告は,原告に対し,端末機技術料の請求160万円及び電話番号記憶携帯電話機が無線通信[繋ぐ機体持主情報呼出す端末機技術]特許権を直接侵害した正当な売買決済成立の50%支払え。 |
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事案の概要
本件は,原告が,被告が原告の有する後記本件特許権を侵害しているなどとして,被告に対し,特許法100条1項,2項に基づき,無線通信料等の口座振替決済の無料化を求めると共に,民法709条に基づく損害賠償として,160万円及び上記特許権侵害により得られた額の50%の支払を求めた事案である。 1 判断の基礎となる事実 (1) 原告の特許権 原告は,次の特許に係る特許権を有している(その請求項1に係る発明を,以下「本件特許発明」といい,その特許権を「本件特許権」という。)。 特許番号 特許第3010152号 発明の名称 通信不正傍受阻止システム 出 願 日 平成9年12月19日 出願番号 特願平9-365392号 登 録 日 平成11年12月3日 特許請求の範囲(甲2) 「【請求項1】 第1の呼び出し番号と,公開されていない第2の呼び出し番号とを有する通信機,および前記第1の呼び出し番号と前記第2の呼び出し番号とを関連付けて記憶した記憶手段を有する他の通信機を含み,前記他の通信機に前記第1の呼び出し番号が通知されることに対応して,前記他の通信機が前記第2の呼び出し番号に対応した回線で前記通信機を呼び出す,通信不正傍受阻止システム。」 (2) 構成要件の分説 本件特許発明の構成要件は,次のとおり分説するのが相当である。 A 第1の呼び出し番号と,公開されていない第2の呼び出し番号とを有する通信機, B および前記第1の呼び出し番号と前記第2の呼び出し番号とを関連付けて記憶した記憶手段を有する他の通信機を含み, C 前記他の通信機に前記第1の呼び出し番号が通知されることに対応して,前記他の通信機が前記第2の呼び出し番号に対応した回線で前記通信機を呼び出す, D 通信不正傍受阻止システム。 2 当事者の主張 (原告の主張) 被告は,平成12年から現在まで電子メール料と電子情報料及び無線通話料口座振替決済を実施している。 被告は,機体持主情報の欠片も呼び出すことができない携帯電話機に電話番号を記憶した後,無線通信をする。 被告は,無線通信料等口座振替決済して利益を得る為に,電話番号記憶携帯電話機が無線通信[繋ぐ機体持主情報を呼び出す端末機技術]特許権を直接侵害した正当な売買決済成立して利益を得ている。 よって,販売済みの被告商品である全ての電話番号記憶携帯電話機は本件特許発明の技術的範囲に属する。 これにより,原告は,端末機技術料160万円及び上記正当な売買決済成立の50%相当額の損害を被った。 (被告の主張) 原告の主張は否認ないし争う。 被告は,「国内外の情報通信産業を中心とした情報収集および調査研究業務」を主な業務とする会社であり,携帯電話機(「通信機」)の販売(販売申出を含む。)は一切行っていない。また,「他の通信機」の販売も一切行っていない。 |
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当裁判所の判断
1 原告の本件訴訟における請求及び主張は,その意味内容を合理的に理解することが困難であるが,最大限に善解すれば,少なくとも原告が本件特許権を有することを前提として,被告が携帯電話機を販売していることを主張し,その行為が本件特許権の侵害行為であることを理由として本件特許権に基づき上記第1請求欄記載の判決を求めているものと解される。 2 しかしながら,そもそも被告が,携帯電話機を販売ないし販売の申出をしていることを認めるに足りる証拠は提出されていない。 そして大手通信事業者として著名である訴外KDDI株式会社が,携帯電話機の販売も手がけていることは公知の事実であるが,この事実と弁論の全趣旨によれば,被告は,KDDI株式会社の関連会社であって国内外の情報通信産業を中心とした情報収集および調査研究業務を主な業務とする会社にすぎないものであり,自らは携帯電話機を販売しているわけではなく,また通信業務そのものも行っていないものと認められる。 そうすると,本件において審理を続行し,原告に対して被告による携帯電話機の販売事実の立証について促すまでもなく,原告の被告に対する本件請求に理由がないことは明らかである。 |
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結論
以上のとおりであるから,原告の被告に対する請求は,その余の点について判断するまでもなくいずれも理由がない。 よって,主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 森崎英二 |
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裁判官 | 達野ゆき |
裁判官 | 山下隼人 |