運営:アスタミューゼ株式会社
  • ポートフォリオ機能


追加

この判例には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
平成21行ケ10323審決取消請求事件 判例 特許
平成21行ケ10353審決取消請求事件 判例 特許
平成22行ケ10045審決取消請求事件 判例 特許
平成21行ケ10033審決取消請求事件 判例 特許
平成21行ケ10329審決取消請求事件 判例 特許
関連ワード 優先権 /  名義変更 /  拒絶査定不服審判 /  拒絶査定 /  変更 / 
元本PDF 裁判所収録の全文PDFを見る pdf
事件 平成 22年 (行ケ) 10095号 審決取消請求事件
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2010/06/09
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
判例全文
判例全文


平成22年6月9日判決言渡
平成22年
(行ケ )第10095号審決取消請求事件 (特許 )
口頭弁論終結日平成22年5月26日
判決
原告 クロステック・キャピタル,リミテッド・
ライアビリティ・カンパニー
訴訟代理人弁理士 奥山尚一
同 有原幸一
同 松島鉄男
同 広瀬幹規
被 告 特許庁長官
指 定 代 理 人 岩崎伸二
同 小林和男
同 田村正明
主文
1特許庁が不服2009?21205号事件について平成21年11
月18日にした審決を取り消す。
2訴訟費用は被告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1請求
主文同旨
第2事案の概要
1本件は,大韓民国に本店を有する現代電子産業株式会社が名称を「CMOS
イメージセンサにおけるアナログディジタル変換装置」とする発明につき特許
出願をし,その後,マグナチップセミコンダクター有限会社を経て当該出願に
係る権利を譲り受けた原告が,拒絶査定を受けたので,これを不服として審判



請求をしたが,特許庁から審判請求を却下する旨の審決を受けたことから,そ
の取消しを求めた事案である。
2原告が,取消事由として主張した争点は,請求人が拒絶査定不服審判請求期
間を遵守したか
(特許法121条4条),である。
第3当事者の主張
1請求の原因
(1)特許庁における手続の経緯
現代電子産業株式会社は,1998年
(平成10年 )12月22日の優先権
(大韓民国 )を主張して,平成11年12月22日,名称を「CMOSイメー
ジセンサにおけるアナログディジタル変換装置」とする発明について特許出
願をし
(特願平11?364894号,公開公報は特開2000?26160
2号
),その後,上記出願に係る権利が,順次,マグナチップセミコンダクタ
ー有限会社,原告に,それぞれ譲渡され,特許庁長官にその旨の出願人名義
変更届が提出されたが,特許庁から平成21年6月26日付けで拒絶査定(以
下「本件査定」という。)を受け,同年6月30日にその謄本が原告に送達さ
れた。
そこで,原告は,平成21年11月2日に,これに対する不服審判の請求(以
下「本件審判請求」という。)をしたところ,特許庁は,上記請求を不服20
09?21205号事件として審理した上,平成21年11月18日,「本件
審判の請求を却下する。」との審決をし,その謄本は同年12月1日原告に送
達された(出訴期間として90日附加)。
(2)審決の内容
審決の内容は,別添審決写しのとおりである。その理由の要点は,本件審
判請求は,特許法121条の規定により,査定の謄本の送達があった日から
4月以内である平成21年10月30日までにされなければならないとこ
ろ,本件審判請求は平成21年11月2日にされたから,期間経過後の不適



法な請求であり,その補正をすることができないものとして,特許法135
条の規定により却下すべきである,というものである。
(3)審決の取消事由
しかしながら,審決には以下のとおりの誤りがあるから,違法として取り
消されるべきである。
ア本件査定は,平成21年6月26日付けでなされ,その謄本は,平成2
1年6月30日に原告に送達された。その際,特許法121条1項に規定
された3月の審判請求期間は,特許法4条の規定に基づき,特許庁長官の
職権により1月延長された(合計4月)。
本件査定の謄本が原告に送達されたのは平成21年6月30日であり,
特許法3条1項1号の規定により,拒絶査定謄本の送達日は期間の初日と
して算入されないから,本件審判請求の起算日は,平成21年7月1日と
なる。そして,審判請求期間は,起算日である同日から計算して4月とな
るところ,その末日は,特許法3条1項2号の規定により,平成21年1
0月31日となる。ここで,平成21年10月31日は,行政機関の休日
に関する法律1条1項1号に掲げる土曜日に該当し,その次の日である平
成21年11月1日は,同法1条1項1号に掲げる日曜日に該当する。し
たがって,本件審判請求期間の末日は,特許法3条2項の規定により,平
成21年11月1日の翌日である平成21年11月2日となる。
しかしながら,審決は,「その拒絶をすべき旨の査定に対する審判の請求
は,特許法第121条の規定により査定の謄本の送達があった日から4月
以内である平成21年10月30日までにされなければならない…」
(2頁
12行?14行
)と,誤った認定・判断をしている。
イこれに対し原告は,平成21年11月2日に審判請求を行っていること
から,本件審判請求は法定期間内に適法に行われたものである。
したがって,審決が,「本件審判の請求は平成21年11月2日にされて



いるので,上記法定期間経過後の不適法な請求であり,その補正をするこ
とができないものである。したがって,本件審判の請求は,特許法第13
5条の規定により却下すべきものである。」
(2頁14行?18行 )と認定・
判断したことは誤りであるから,審決は取り消されるべきである。
2請求原因に対する認否
請求原因
(1) ないし (3) の各事実は認める。
第4当裁判所の判断
1請求原因
(1)( 特許庁における手続の経緯 ), (2)( 審決の内容 ), (3)( 審決の取消事

)の各事実は,当事者間に争いがない。
そうすると,平成21年11月2日になされた本件審判請求は,法定期間を
経過していない適法なものといえるから,その請求を法定期間経過後の不適法
なものとし特許法135条の規定により却下すべきであるとした審決の判断は
誤りである。
2結論
以上のとおりであるから,原告の請求を認容することとして,主文のとおり
判決する。
知的財産高等裁判所 第2部
裁判長裁判官 中野哲弘
裁判官 清水 節
裁判官 古谷健二郎