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関連審決 異議1998-70682
関連ワード 創作性(創作) /  頒布された刊行物 /  進歩性(29条2項) /  容易に発明 /  択一的 /  実質的に同一 /  債務不履行 /  時効 /  抵触 /  援用権(援用) /  権利の濫用(権利濫用) /  優先日 /  容易に想到(容易想到性) /  信義則 /  実施 /  交換 /  侵害 /  損害額 /  逸失利益 /  相当因果関係 /  不法行為(民法709条) /  同意 /  実施権 /  請求の範囲 /  変更 /  要旨変更 /  同一事実(同一の事実) /  取消決定 /  異議申立 /  再審請求 / 
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事件 平成 21年 (ワ) 89号 損害賠償請求事件
平成 21年 (ワ) 12967号 損害賠償請求事件
平成 21年 (ワ) 16035号 損害賠償請求事件
平成 21年 (ワ) 19393号 損害賠償請求事件
神奈川県相模原市<以下略> 第1,第3事件原告(第2,第4事件被告) 株式会社イー・ピー・ルーム(以下「原告」という。) 東京都港区<以下略> 第1,第3事件被告(第2,第4事件原告) 住石マテリアルズ株式会社(以下「被告」という。)
同訴訟代理人弁護士冨永敏文
同 尾原央典
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2009/11/26
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1原告の第1事件請求及び第3事件請求に係る訴えをいずれも却下する。
2原告は,被告に対し,金42万円及び内金21万円に対する平成21年4月24日から,内金21万円に対する平成21年6月13日から,各支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
3被告のその余の第2事件請求を棄却する。
4訴訟費用は,第1ないし第4事件を通じ,これを12分し,その7を原告の,その余を被告の負担とする。
5この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。
2
事実及び理由
全容
第1請求1第1事件(1)請求の趣旨ア被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の図面原紙一式を引き渡せ。
イ上記アの引渡しをすることができない場合は,被告は,原告に対し,金40万円を支払え。
ウ被告は,原告に対し,金40万円及びこれに対する平成20年11月29日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
エ被告は,原告に対し,金10万円及びこれに対する平成21年7月17日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
(2)被告の答弁主文第1項と同旨2第2事件(1)請求の趣旨原告は,被告に対し,金121万円及びこれに対する平成21年4月24日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
(2)原告の答弁被告の第2事件請求を棄却する。
3第3事件(1)請求の趣旨被告は,原告に対し,金10万円及びこれに対する平成21年4月3日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
(2)被告の答弁主文第1項と同旨4第4事件3(1)請求の趣旨原告は,被告に対し,金21万円及びこれに対する平成21年6月13日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
(2)原告の答弁被告の第4事件請求を棄却する。
第2事案の概要第1事件は,原告が,原告の作成に係る放電プラズマ焼結機の設計図(甲6の2)の交付を受けた被告から,平成6年10月7日付けファックス(甲8)により「図面修正,加筆等ありますので図面原紙宅急便で送って下さい。」との要求を受けたため,原告において,被告が設計図の修正,加筆をするという目的のために,被告に対し,上記設計図(甲6の2)を原告が加筆修正した訂正図面(甲6の3)の原紙(以下「本件原告設計図原紙」という。)及び「NK-1526SPS-S502放電プラズマ燒結機」と題する書面(甲7)に名称等が掲記された原告の作成に係る部品図面合計50枚の原紙(以下「本件原告部品図原紙」という。また,本件原告設計図原紙と本件原告部品図原紙とを併せて「本件原告図面原紙」という。)を送付して,貸し渡したにもかかわらず,被告が民法594条1項に違反して本件原告図面原紙の修正や加筆を行わず,しかも,本件原告設計図原紙の原告名称欄を切除し,被告名称欄を貼り付けて作成した図面(別紙物件目録添付の図面。以下「本件被告図面」という。)及び本件原告部品図原紙を複製して,A(以下「A」という。)に頒布し,Aに放電プラズマ焼結機を製造させた上で,これを販売した旨主張して,民法597条3項に基づき,貸与した本件原告図面原紙の引渡しを求め,引渡しが執行不能となった場合に備えて,代償請求として,本件原告図面原紙の価格相当額40万円の支払を求め,民法600条に基づき,被告が本件原告図面原紙を返還しないことによる逸失利益として,原告が放電プラズマ焼結機1台を製造販売することにより得られたであろう利益額40万円の損害賠償及4びこれに対する第1事件訴状送達の日の翌日である平成20年11月29日から民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求め,民法703条に基づき,被告が,Aに放電プラズマ焼結機1台を製造させ,これを販売することにより得た利益として10万円の不当利得金及びこれに対する訴えの追加的変更を記載した書面(平成21年7月14日付け準備書面)の送達の日の翌日である平成21年7月17日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
第2事件は,被告が,第1事件(当庁平成21年 第89号事件)に係る訴えは原被告間の関連訴訟の確定判決等により認められなかった請求と実質的に同一の請求を行うものであり,原告による第1事件の訴訟提起及び維持は被告に対する不法行為に該当すると主張して,原告に対し,第1事件の反訴として,民法709条,710条に基づき,第1事件への応訴等のために委任した弁護士に支払った費用21万円及び慰謝料100万円の合計121万円,並びにこれに対する不法行為の後の日である平成21年4月24日(第2事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
第3事件は,原告が,被告において,本件原告設計図原紙の原告名称欄を切除し,本件原告部品図原紙50枚(被告の名称が記載された用紙を用いている。)のうちから任意に選んだ図面に記載された原告代表者の署名を冒用し,これを原告名称欄を切除した本件原告設計図原紙に貼り付けることにより,被告名称欄を貼り付けた設計図(併合前第3,第4事件甲2。本件被告図面と同一)の作図者が原告であるとする事実証明に関する文詞(「DRAWNBYB」)を作出したことは,私文書偽造罪(刑法159条)に該当する不法行為である旨主張して,被告に対し,民法709条に基づき,損害賠償金10万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成21年4月3日(第3事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害5金の支払を求める事案である。
第4事件は,被告が,第3事件(当庁平成21年 第16035号事件)に係る訴えは原被告間の関連訴訟の確定判決等により認められなかった請求と実質的に同一の請求を行うものであり,原告による第3事件の訴訟提起及び維持は被告に対する不法行為に該当すると主張して,原告に対し,第3事件の反訴として,民法709条に基づき,第3事件への応訴等のために委任した弁護士に支払った費用21万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成21年6月13日(第4事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
1前提事実(認定事実については証拠を掲記する。)(1)原告が有していた特許権(甲10)原告は,以下の特許権(以下「本件特許権」といい,本件特許権の特許請求の範囲請求項1ないし3に係る特許を「本件特許」,本件特許に係る発明を「本件発明」という。)を有していた。
特 許 番 号第2640694号発明の名称放電焼結装置出願年月日平成2年9月18日優先日平成2年2月2日公開日平成4年1月14日公 開 番 号特開平4-9405号登録年月日平成9年5月2日(2)被告による特許異議の申立て等(乙10ないし12等)ア被告(平成20年10月1日に現商号に変更前の商号は住友石炭鉱業株式会社)は,平成10年2月13日,本件特許について,特許異議の申立てをし(平成10年異議第70682号。以下「本件特許異議申立て」という。),特許庁は,平成13年7月4日,本件特許を取り消すとの決定6をした(以下「本件取消決定」という。)。
本件取消決定の理由は,平成7年3月14日付けの手続補正は明細書又は図面の要旨を変更するものであり,本件特許の出願日は平成7年3月14日とみなされるから,本件発明は,その出願前に頒布された刊行物(特開平4-9405号公報)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,本件特許は,特許法29条2項に違反してされたものである,というものである。
イ原告は,本件取消決定の取消しを求めて,東京高等裁判所に取消訴訟を提起した。同裁判所は,平成15年4月9日,原告の請求を棄却するとの判決をした(以下「本件取消訴訟判決」という。)。
ウ本件取消決定は,平成15年10月9日,上告不受理決定等により確定した。
(3)関連訴訟
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第4428号,同第6631号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙10,弁論の全趣旨)(ア)前訴事件?は,原告が,被告に対し,?本件特許異議申立ては,実公昭46-5289号が存在するにもかかわらずされたものであり,不法行為に当たるとして,損害の一部請求として10万円の支払,?本件取消決定の取消理由が無効であることの確認,?本件特許異議申立ては,平成6年1月14日に締結された原被告間の取引基本契約に違反してされたものであるとして,損害の一部請求として10万円の支払を求めた事案である。
(イ)東京地方裁判所は,平成18年6月30日,上記無効確認請求を却下し,その余の損害賠償請求を棄却する旨の判決(乙10)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
イ東京地方裁判所平成18年第11210号事件(以下「前訴事件?」7という。)(乙11,弁論の全趣旨)(ア)前訴事件?は,原告が,被告に対し,本件特許異議申立ては権利の濫用として不法行為に当たる旨主張して(すなわち,本件発明についての出願に関する平成7年3月14日付けの手続補正に係る事項は,実公昭46-5289号により公知であり,上記補正は要旨変更には該当せず,本件取消決定における取消理由は理由がないから,本件特許異議申立ては権利の濫用として許されない旨主張して),15億円の損害の一部請求として10万円の支払を求めた事案である。
(イ)東京地方裁判所は,平成18年8月31日,上記不法行為に基づく損害賠償請求を棄却するとの判決(乙11)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
ウ東京地方裁判所平成18年第17644号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙12)(ア)前訴事件?は,原告が,被告に対し,主位的に,本件特許異議申立ては権利の濫用であって不法行為に当たると主張して(すなわち,本件発明についての出願に関する平成7年3月14日付けの手続補正に係る事項は,当業者が容易に想到し得るものであり,また,実公昭46-5289号により公知であり,上記補正は要旨変更には該当せず,本件取消決定における取消理由は理由がないから,本件特許異議申立ては権利の濫用として許されない旨主張して),15億円の損害の一部請求として10万円の支払を求め,予備的に,被告は,原告の放電プラズマ焼結機の設計図のうち,原告の署名を被告の署名に貼り替えて,設計図を複製し,これに基づいて,放電プラズマ焼結機をAに製造販売させて,1億円の利益を得,原告は同額の損害を被った旨主張して,上記設計図の著作権侵害による損害賠償請求権に基づき,1億円の損害の一部請求として10万円の支払を求めた事案である。
8(イ)東京地方裁判所は,平成18年10月24日,要旨次のとおり判示して,上記主位的請求及び予備的請求に係る訴えをいずれも却下するとの判決(乙12)をした。
a主位的請求について(a)金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは,特段の事情がない限り,信義則に反して許されない。
(b)前訴事件?における主位的請求は,前訴事件?及び前訴事件?における損害賠償請求と同一の理由に基づく損害賠償請求の残部を請求するものであり,上記各前訴事件における損害賠償請求と同一の事実を審判の対象とし,同一の理由に基づいて再度裁判所の判断を求めようとするものであって,実質的には上記各前訴事件で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものと評価せざるを得ない。また,前訴事件?における主位的請求は,上記各前訴事件の確定判決により当該損害賠償請求権の全部について紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に二重の応訴の負担を強いるものというべきである。
上記各前訴事件においても,本件特許異議申立てが権利の濫用に当たるか否かが主な争点となり,原告は同争点について主張,立証を尽くしたものであって,原告が上記各前訴事件において訴訟活動を充分にし得なかった事由は存しないから,原告の前訴事件?における主位的請求を認めないと当事者間の公平を害するような特段の事情もない。
(c)前訴事件?及び前訴事件?で敗訴した原告が,前訴事件?において本件特許異議申立てが不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求をすることは,信義則に反し,許されないというべきである。
9b予備的請求について予備的請求に係る訴えは,併合の要件を欠くものであって,許されないというべきである。
エ知的財産高等裁判所平成18年第10086号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙1,弁論の全趣旨)(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,知的財産高等裁判所に控訴を提起した。なお,原告は,控訴審において,予備的請求に係る訴えを取り下げた。
(イ)知的財産高等裁判所は,平成19年3月28日,原判決(乙12)における理由と同じ理由により,前訴事件?の訴えは,信義則に反し,訴権の濫用に当たり許されないものであるとして,訴えを却下するとの判決(乙1)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
オ東京地方裁判所平成18年第22355号事件,同第26612号反訴事件(以下「前訴事件?」という。)(乙13)(ア)前訴事件?の本訴は,原告が,被告に対し,以下の損害賠償を求めた事案である。
a本件特許異議申立ては,特許出願前の特許第96574号「硬質金属合成物製造装置」公報及び実公昭46-5289号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)b本件特許異議申立ては,東京高裁判決昭和32年(行ナ)第33号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)10c本件特許異議申立ては,特許出願前の実公昭46-5289号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)d本件特許異議申立ては,東京高裁判決昭和32年(行ナ)第58号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)e本件特許異議申立ては,上記aないしdのとおり,本件取消決定要旨変更に基づく取消理由は全部無効であり,無効な要旨変更に基づいてした刊行物特開平4-9405号に記載された発明,及び対比・判断には取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)f取引基本契約の債務不履行により原告に被らせた損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)g原告の著作権を侵害して原告に被らせた損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)h原告の放電プラズマ焼結機の設計図,部品図一式貸してくれといって占有し,原告に被らせた損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)i被告が占有する原告の放電プラズマ焼結機の設計図,部品図一式により放電プラズマ焼結機を製造販売して原告に被らせた損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)j部品図の署名「B」を切り取り,設計図に切り貼りし,偽造して原告に被らせた損害金の一部金5万円(以下「本訴請求?」という。)11(イ)前訴事件?の反訴は,被告が,原告に対し,本訴請求?ないし?に係る訴えは,関連訴訟の確定判決等により認められなかった請求と実質的に同一の請求を行うもので,これに係る訴訟の提起が不法行為に該当するとして,再度の応訴のために委任した弁護士に支払った費用10万5000円の支払を求めた事案である。
(ウ)東京地方裁判所は,平成19年1月31日,本訴請求?ないし?に係る訴えをいずれも却下し,本訴請求?ないし?の請求をいずれも棄却し,反訴請求を全部認容するとの判決(乙13)をした。
本訴請求?ないし?に係る原告の主張及びそれに対する判示は,要旨次のとおりである。
a本訴請求?ないし?について(a)原告の主張平成7年3月14日付けの手続補正に係る事項は,実公昭46-5289号により,本件特許の出願時において,周知,慣用であったから,要旨変更に当たらず,本件取消決定は無効とされるべきものであり,被告による本件特許異議申立ては権利の濫用として許されない。
原告は,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,15億円の損害の一部請求として各5万円(総額25万円)の支払を求める。
(b)裁判所の判断本訴請求?ないし?は,前訴事件?及び前訴事件?における請求と同一の不法行為による損害賠償請求権に基づく請求であり,前訴事件?及び前訴事件?において数量的一部請求であったことから,その残部請求をしているものであって,実質的に,前訴事件?及び前訴事件?で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものである12といわざるを得ず,前訴事件?及び前訴事件?の確定判決によって同請求権の全部について紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に二重の応訴の負担を強いるものということができる。
そして,原告において,本訴請求?ないし?に係る訴えを提起することがやむを得ないといった特段の事情も認められない。
そうすると,前訴事件?及び前訴事件?において敗訴した原告が,本件特許異議申立てが不法行為を構成すると主張する損害賠償請求の訴えを提起することは,信義則に反して許されないというべきである。
b本訴請求?について(a)原告と被告とは,取引基本契約を締結し,その上で,原告作成の設計図による製品を,原告がC(以下「C」という。)において製造して被告に納入する旨の合意(以下「本件製造納入合意」という。)をしたにもかかわらず,原告作成の設計図による放電プラズマ焼結機については,本件製造納入合意が履行されず,被告は,原告が作成した図面一式を詐欺に当たる手段で取得し,Aに交付して放電プラズマ焼結機を製造させた。
被告の上記行為は,原告と被告との間における本件製造納入合意に反する債務不履行に当たる。
原告は,被告に対し,債務不履行による損害賠償請求権に基づき,1億円の損害の一部請求として5万円の支払を求める。
(b)裁判所の判断原告の主張する本件製造納入合意がされたこと,被告が,原告が作成した図面一式を詐欺に当たる手段で取得し,これらの図面を用いて,Aに放電プラズマ焼結機を製造させたことを裏付ける証拠は,何ら提出されておらず,これらの事実を認めることはできないから,13本訴請求?に係る主張は認められない。
c本訴請求?について(a)原告の主張被告は,原告作成の設計図の原告代表者署名部分を切り取り,被告の名称欄を貼り付けて,設計図を作成し,これを複写して,Aに交付した。
被告の上記行為は,原告作成の設計図に係る原告の著作権(複製権)を侵害する行為である。
原告は,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,15億円の損害の一部請求として5万円の支払を求める。
(b)裁判所の判断被告が原告作成の設計図の原告代表者署名部分を切り取り,これに被告の名称欄を貼り付けて設計図を作成したことを認めるに足りる証拠はなく,原告の主張に係る事実を認めることはできない。また,原告作成の設計図と被告の設計図とは,細部において異なるものであり,被告の設計図が原告作成の設計図を複写して作成された複製物であるということもできないから,本訴請求?に係る主張は認められない。
d本訴請求?について(a)原告の主張被告は,被告の方式で図面番号を付したいから,原告作成の設計図,部品図を貸してくれと言って占有し,原告に損害を被らせた。
被告の上記行為は詐欺に当たる不法行為となる。
原告は,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,15億円の損害の一部請求として5万円の支払を求める。
(b)裁判所の判断14原告の主張に係る事実を裏付ける証拠はない上,その他,詐欺の不法行為の成立を基礎付ける具体的な主張もないから,本訴請求?に係る主張は認められない。
e本訴請求?について(a)原告の主張被告は,被告が占有する原告作成の設計図により放電プラズマ焼結機を製造販売し,原告に損害を被らせた。
被告の上記行為は横領に当たる不法行為となる。
原告は,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,15億円の損害の一部請求として5万円の支払を求める。
(b)裁判所の判断原告の主張に係る事実を裏付ける証拠は提出されておらず,原告の主張する不法行為の成立を認めることはできないから,本訴請求?に係る主張は認められない。
f本訴請求?について(a)原告の主張被告は,原告作成の設計図の原告代表者署名部分を切り取り,被告の名称欄を切り貼りして,被告の設計図を作成した。
被告の上記行為は,私文書偽造に当たる。
原告は,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,15億円の損害の一部請求として5万円の支払を求める。
(b)裁判所の判断原告の主張に係る事実を裏付ける証拠は提出されておらず,原告の主張する不法行為の成立を認めることはできない。また,被告において作成したと原告が主張する設計図の右下隅には,図面の番号や型式番号等が記載されるとともに,被告の名称が大きく英語表記15で記載されており,これによって,上記設計図は,被告作成名義のものであると解されるから,被告が被告作成名義のものを作成したとすれば,偽造の問題が生じる余地はない。
以上によれば,本訴請求?に係る主張は認められない。
カ知的財産高等裁判所平成19年第10015号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙2,弁論の全趣旨)(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,知的財産高等裁判所に控訴を提起した。原告は,控訴審において,本訴請求?ないし?に係る訴えを取り下げて,新たに,以下の請求を択一的に請求した。
a本件特許異議申立ては,特許出願前の特許第96574号「硬質金属合成物製造装置」公報並びに実公昭46-5289号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金5万円(以下「控訴請求?」という。)b本件特許異議申立ては,東京高裁判決昭和32年(行ナ)第33号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金5万円(以下「控訴請求?」という。)c本件特許異議申立ては,特許出願前の実公昭46-5289号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金5万円(以下「控訴請求?」という。)d本件特許異議申立ては,東京高裁判決昭和32年(行ナ)第58号に基づき取消決定無効事由を有することが明らかであり,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金5万円(以下「控訴請求?」という。)16e本件特許異議申立ては,上記aないしdのとおり,本件取消決定要旨変更に基づく取消理由は全部無効であり,無効な要旨変更に基づいてした刊行物特開平4-9405号に記載された発明,及び対比・判断には取消決定無効事由があることが明らかであって,特許法に認められた本件特許異議申立ては権利の濫用として許されないから,権利濫用による損害金5万円(以下「控訴請求?」という。)(イ)知的財産高等裁判所は,平成19年8月28日,本訴請求?ないし?及び反訴請求に係る控訴をいずれも棄却し,控訴請求?ないし?に係る訴えをいずれも却下するとの判決(乙2)をした。
控訴請求?ないし?,本訴請求?ないし?に係る原告の主張及びそれに対する判示は,要旨次のとおりである。
a控訴請求?ないし?について(a)原告の主張被告は,小型SPS(放電プラズマ焼結機DR.SINTER・LAB,SPS-510L)を製造販売して一台少なくとも50万円以上の利益を得た。
小型SPSに係る本件特許異議申立ては,権利の濫用として許されない。
原告は,被告に対し,不法行為による損害賠償として,択一的権利濫用による上記小型SPSの製造販売に係る損害金5万円の支払を求める。
(b)裁判所の判断本訴請求?ないし?及び控訴請求?ないし?を子細に検討すると,いずれも,結局は被告が本件特許異議申立てをしたことが権利濫用として許されないから不法行為に該当する,というものである。
本訴請求?ないし?に係る訴えを提起することが,前訴事件?及び前訴事件?との関係で信義則に反して許されないとした原判決17(乙13)の理由及び判断は正当である。
そして,控訴請求?ないし?も,上記信義則の適用との関係では本訴請求?ないし?と実質的な差異はないと解されるから,控訴請求?ないし?に係る訴えを提起することも,前訴事件?及び前訴事件?との関係で信義則に反し,不適法である。
b本訴請求?について(a)原告の主張原告と被告との間において,本件製造納入合意がされた。
平成6年10月7日,被告は原告に対し,「図面修正,加筆等ありますので,図面原紙宅急便で送って下さい。」と要求した。原告は,修正,加筆後図面原紙は返却されるものと信じて送付したところ,被告は原告に同月14日付けで,小型焼結機図面コピー一式を送付し,図面原紙を返さずに騙し取り,平成7年7月12日,取引基本契約を維持したまま原告に対する発注を停止し,現在に至っている。
被告は,Aに放電プラズマ焼結機を製造させ,上記図面一式を原告から詐欺に当たる手段で取得したものである。
被告の上記行為は信義則に違背する。
(b)裁判所の判断取引基本契約の他に,原告が主張する本件製造納入合意のような具体的な合意が存在したことを認めるに足りる証拠はないから,本件製造納入合意があったことを認めることはできない。本件製造納入合意が認められない以上,被告が原告から図面を詐欺に当たる手段で取得したとの主張はその前提を欠くことになる上,被告が図面一式を原告から詐欺に当たる手段で取得したと認めるに足りる証拠もない。
18以上によれば,本訴請求?は理由がない。
c本訴請求?について(a)原告の主張原告作成の設計図は著作物である。
原告は,原告の著作権に基づく製品・作品を被告に納入する契約を締結したものの,著作物を納入する契約は締結していない。著作物である設計図は,著作物に基づいて作る作品に付帯するものではないから,取引基本契約書の19条を適用することはできない。
仮に,被告の設計図は被告が作成したものであるとしても,被告には,同一性保持権侵害不法行為が成立する。
(b)裁判所の判断原告作成に係る設計図には,表現上の創作性が認められず,原告の著作権(複製権,同一性保持権)侵害の主張は,前提を欠き失当というほかない。
d本訴請求?について(a)原告の主張上記b(a)のとおり,被告は,図面原紙を返さず騙し取ったものであるから,詐欺による不法行為が成立する。
(b)裁判所の判断被告が原告に対し具体的な放電プラズマ焼結機の製造の発注を行ったことを認めることはできず,被告が本件製造納入合意をしたと認めることはできないものである。また,原告も記名押印した取引基本契約の第19条の規定があるから,原告が作成した図面等の所有権は被告に帰属することを原告も同意していたものであり,原告が平成6年10月14日被告から図面コピー一式の送付を受けた際やその後においても,図面原紙を返してもらっていない旨直ちに異19議を申し出た形跡もない。
以上に照らせば,被告の詐欺行為を認めることはできないから,本訴請求?は理由がない。
e本訴請求?について(a)原告の主張上記d(a)のとおり,被告は,図面原紙を騙し取って占有しているものであるから,横領による不法行為が成立する。
(b)裁判所の判断上記d(b)に照らせば,被告が図面原紙を騙し取って占有しているから,横領による不法行為が成立する旨の原告の主張は採用することができず,本訴請求?は理由がない。
f本訴請求?について(a)原告の主張被告は,原告が被告から強いて使うようにと言って渡された用紙に,鉛筆で作図した50枚の部品図の中から,例えば一枚の図面を選んで,原告の署名を切り取り,設計図に貼り付けて,原告の署名があるとするものの,かかる行為は私文書偽造に当たり不法行為が成立する。
(b)裁判所の判断本件全証拠によっても,被告から強いて使うようにと言って原告が渡された用紙に,原告が鉛筆で作図した50枚の部品図の中から,被告が例えば一枚の図面を選んで,原告の署名を切り取り,設計図に貼り付けたことを認めるに足りる証拠はない。認定に係る事実経過等に照らせば,当時,被告が原告の図面に対し修正,加筆等を行うことは当事者間の当然の了解事項であったとみることができるから,結局,被告が,原告の署名を切り取り,設計図に貼り付けて原20告の署名とするという行動をとる動機自体も認めることができない。
以上によれば,本訴請求?は理由がない。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
キ東京地方裁判所平成19年第17959号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙14,弁論の全趣旨)(ア)原告の主張前訴事件?は,原告が,次のとおり主張して,被告に対し,民法709条,著作権法114条に基づき,10万円の損害金の支払を求めた事案である。
a原告は,平成6年9月,原告が設計したSPS-S502放電プラズマ焼結機を発注するか否かの被告の検討のため,被告に対し,原告が作成した図面の写しを交付した。その後,被告から,図面の修正,加筆等が必要であるとして,図面の原紙の交付を要請されたため,原告は,図面の原紙は原告に返却されるものと信じて,図面の原紙を被告に交付した。しかしながら,被告は,図面の原紙を毀棄してしまった。
原告が被告に交付した図面は著作物であり,原告は同図面に係る著作権を有する。
したがって,被告の上記図面の毀棄行為は,原告の著作権を侵害するものであり,不法行為に当たる。
b被告は,上記著作権侵害行為により,SPS-510L住石放電プラズマ焼結機を製造,販売して,10万円以上の利益を得た。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成19年12月12日,仮に,原告が被告に交付した図面に著作物性が認められたとしても,著作物が固定された有形物である上記図面の毀棄行為は,その著作物についての著作権を侵害す21ることにはならないから,原告の主張は失当であるとして,原告の請求を棄却するとの判決(乙14)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
ク東京地方裁判所平成19年第22834号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙15,弁論の全趣旨)(ア)原告の主張前訴事件?は,原被告間の訴訟である知財高裁平成19年(ネ)第10015号事件(前訴事件?控訴事件)において,被告が,虚偽の主張又は錯誤により誤った主張をしたため,裁判所を錯誤に陥らせ,原告の請求を棄却する旨の誤った判断をさせたものであり,被告の上記訴訟における上記行為は不法行為に該当すると主張して,不法行為に基づき,10万円の損害金の支払を求めた事案である。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成19年12月12日,前訴事件?控訴事件における被告の主張が虚偽又は錯誤により誤ったものであること,上記事件における裁判所の判断が,被告が提出した証拠を誤って採用したためにされたものであることを窺わせる証拠はないとして,原告の請求を棄却するとの判決(乙15)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
ケ東京地方裁判所平成19年第23459号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙16)(ア)原告の請求前訴事件?は,原告が,次のとおり主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害額の一部として10万円の支払を求めた事案である。
a原告は,「SPS-S502放電プラズマ燒結機」の設計図を作成した。
22上記設計図は著作物であり,その著作権は原告に帰属する。
b被告は,平成6年10月7日,原告に対し,上記設計図を修正・加筆等するので図面原紙を送付するように要請して,これを被告に送付させ,その後,上記図面から著作者である原告の署名欄を切除して著作者名の表示を被告の名称に改変した上,改変後の設計図の複製物をA等に頒布して,設計図に係る放電プラズマ焼結機を製造させ,被告名義で販売した。
被告が,上記設計図の著作者名表示を改変し,その複製物を頒布した行為は著作権法121条に該当する。
c原告は,被告から上記設計図に係る放電プラズマ焼結機の製造を受注して,Cに対して,これを1台約350万円で発注して製造させた上,約500万円で被告に納入する予定であった。
しかしながら,被告が上記設計図に係る放電プラズマ焼結機をAに製造させたことにより,原告は約150万円の得べかりし利益を失った。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成20年3月11日,原告の上記主張を,氏名表示権(著作権法19条)若しくは複製権(同法21条)の侵害行為又は著作権等の侵害とみなす行為(同法113条1項2号)があったことを選択的に,又は併合して不法行為として主張しているものと理解することができるとした上で,被告の主張する抗弁(消滅時効)について判断し,仮に,原告の主張する被告の行為が何らかの不法行為に該当するとしても,それに基づく原告の損害賠償請求権は,時効によって消滅したものであるとして,原告の請求を棄却するとの判決(乙16)をした。
コ知的財産高等裁判所平成20年第10040号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙3,弁論の全趣旨)23(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,知的財産高等裁判所に控訴を提起した。なお,原告は,控訴審において,原審(前訴事件?)における被告が著作権を侵害したとする民法709条の規定に基づく請求を,被告の被用者が著作権を侵害したとする民法715条1項本文の規定に基づく請求に,交換的に変更した。
(イ)知的財産高等裁判所は,平成20年7月23日,被告の主張する抗弁(消滅時効)について判断し,原告の主張に係る損害賠償請求権は時効によって消滅したものであるとして,原告が控訴審において交換的に変更した訴えに係る請求を棄却するとの判決(乙3)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
サ東京地方裁判所平成19年第23460号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙17)(ア)原告の主張前訴事件?は,原告が,次のとおり主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償として10万円の支払を求めた事案である。
a原告は,平成6年9月ころ,被告に対し,被告が原告の設計したSPS-S502放電プラズマ焼結機を発注するか否かを検討するため,同放電プラズマ焼結機の設計図の写しを交付した。
原告は,同年10月7日,被告から,図面の修正,加筆等が必要であるとして,上記設計図の原紙を交付するように要請されたため,上記設計図に自ら修正,加筆をした設計図を作成し,その原紙を被告に送付した。また,原告は,被告の要請に応じて,上記放電プラズマ焼結機の部品図50枚を作成し,被告に送付した。
b被告は,50枚の上記部品図の中から無作為に1枚を選び,その部品図の中の原告の署名部分を切除し,これを原告作成に係る上記設計図に貼り付けて,被告の設計図を作成した。被告の設計図の右下の四24角く縁取りされた部分の中の「DRAWNBY」と題する欄には,原告の署名が記載されている。
被告の上記行為は私文書偽造に該当し,不法行為が成立する。
c原告は,被告が上記偽造に係る設計図と原告作成に係る上記部品図50枚を用いて,SPS-510L住石放電プラズマ焼結機を製造,販売して10万円以上の利益を得たことにより,同額の得べかりし利益を失った。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成20年2月22日,原告の前訴事件?に係る訴えは,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件における損害賠償請求と同一の不法行為に基づく損害賠償請求の残部を請求するものであり,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものにほかならず,上記前訴の確定判決によって紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に更なる応訴の負担を強いるものであり,信義則に照らして許されないとして,原告の訴えを却下するとの判決(乙17)をした。
シ知的財産高等裁判所平成20年第10034号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙4,弁論の全趣旨)(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,知的財産高等裁判所に控訴を提起した。原告は,控訴審において,次のとおり主張した。
a被告は,原告が被告に送付した原告部品図50枚のうちの1枚の原告の署名を冒用し,原告設計図の「SPS-S502放電プラズマ焼結機S=1/294,9,19B」を「DRAWINGNONK-1526」「SPS-S502放電プラズマ焼結機本体組立図」「DATEDRAWN94,9,19」「DRAWNBYB」「SumitomoCoalMiningCom25panyLtd.」「SCALE1/2」との文詞に改変して,設計図を作成したから,筆者が誰であるかという事実証明に関する文書を偽造したものであって,有印私文書偽造罪が成立する。
b被告は,原告に対し,不法行為による損害賠償をなすべき義務がある。
(イ)知的財産高等裁判所は,平成20年7月16日,原判決(乙17)における理由と同じ理由により,前訴事件?に係る訴えは,信義則に照らして許されないものとして,控訴を棄却するとの判決(乙4)をした。
なお,同判決は,前訴では文詞を請求原因としていないとの原告の主張に対して,前訴において,原告は,原告部品図50枚のうちの1枚の原告の署名を切り取り,設計図に貼り付けて原告の署名があるとしたことについて,文書偽造を理由とする不法行為を主張して,その損害賠償金5万円等の請求をしていたものと認められるから,上記文詞中の原告の署名について文書偽造を理由とする不法行為を主張して損害賠償請求をしていたことは明らかである旨説示している。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
ス東京地方裁判所平成19年第23951号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙18)(ア)原告の主張前訴事件?は,原告が,次のとおり主張して,被告に対し,債務不履行による損害賠償請求権に基づき,損害の一部として10万円の支払を求めた事案である。
a原告は,平成3年5月27日,被告との間で,原告代表者の設計に係る放電プラズマ焼結機を原告が製造し,被告に納入する旨の契約を締結した。
b被告は,平成6年10月7日,原告に対し,図面に加筆修正を要す26るとして,上記放電プラズマ焼結機の設計図の原紙を交付するように求めた。
原告は,設計図の原紙は返却されるものと信じて,これを被告に送付した。
c被告は,原告から取得した設計図の制作者名称欄を原告から被告に改変した上,これをA等に頒布し,Aに放電プラズマ焼結機を製造納入させた。
d被告の上記行為は,原被告間の上記契約の債務不履行に当たる。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成20年4月24日,前訴事件?に係る訴えは,前訴事件?控訴事件,前訴事件?,前訴事件?及び前訴事件?等において認められなかった請求及び主張を蒸し返すもの,あるいは,これら先行訴訟(確定したものを除く。)と重複するものであり,信義則ないし二重起訴の禁止規定に抵触するものであるとして,これを却下するとの判決(乙18)をした。
セ東京高等裁判所平成20年第2912号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙5,弁論の全趣旨)(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,東京高等裁判所に控訴を提起した。
(イ)東京高等裁判所は,平成20年8月26日,前訴事件?に係る訴えは,信義則に反して許されないというべきであり,また,原告は,10年以上前の被告との間の放電プラズマ焼結機の製造等についての契約関係に係る紛争を蒸し返して,一部請求とするなどして形式的に訴訟物が異なるものとして,勝訴の見込みのない訴訟を繰り返して提起しているものであり,前訴事件?に係る訴えも,その一環として提起されたものと認められ,訴権を濫用するものであるとして,控訴を棄却するとの判決27(乙5)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
ソ東京地方裁判所平成20年第4号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙19)(ア)原告の主張前訴事件?は,原告が,次のとおり主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償として40万円の支払を求めた事案である。
a原告は,平成6年9月ころ,被告において原告の設計したSPS-S502放電プラズマ焼結機の製造を原告に発注するか否かを検討するため,被告に対し,上記放電プラズマ焼結機の設計図及び部品図の写しを交付した。
b原告は,同年10月7日,被告から,図面の修正,加筆等が必要であるとして,上記設計図及び部品図の原紙を交付するように要請されたため,上記設計図及び部品図にそれぞれ自ら修正,加筆をした設計図及び部品図50枚を作成し,これらの原紙を被告に送付した。
原告は,被告に対し,上記図面の返却を求めたものの,被告は,これを返却せず,図面を毀棄した。
c被告の上記行為は,原告の所有権に対する侵害に当たり,不法行為が成立する。
d原告は,被告が上記図面を毀棄したことにより,放電プラズマ焼結機の受注活動を阻止され,40万円以上の得べかりし利益を失った。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成20年5月23日,原被告間において,平成6年1月14日に締結された取引基本契約には,「注文品又は請負の実施に付帯して作成された原告の図面,技術資料等の所有権は被告に帰属する」旨の規定があり,上記図面は,「請負の実施に付帯して作成され28た原告の図面」に該当するから,その所有権は被告に帰属すると認められるとして,原告の請求を棄却するとの判決(乙19)をした。
タ知的財産高等裁判所平成20年第10053号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙6,弁論の全趣旨)(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,知的財産高等裁判所に控訴を提起した。
(イ)知的財産高等裁判所は,平成20年10月20日,前訴事件?に係る請求は理由がなく,これと結論を同じくする原判決(乙19)は相当であるとして,控訴を棄却するとの判決(乙6)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
チ東京地方裁判所平成20年第7416号事件,同第11277号反訴事件(以下「前訴事件?」という。)(乙20)(ア)前訴事件?の本訴は,原告が,同人の有していた放電焼結機についての特許(本件特許)に対して被告がした本件特許異議申立ては権利の濫用として不法行為に当たると主張して,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,885万円の損害の一部請求として10万円の支払を求めた事案である。
(イ)本訴に係る裁判所の判断東京地方裁判所は,平成20年9月30日,前訴事件?の本訴請求に係る訴えは,実質的には,前訴事件?,前訴事件?で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものであり,上記各前訴事件の確定判決によって紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に二重の応訴の負担を強いるものであって,信義則に反して許されないとして,これを却下するとの判決(乙20)をした。
ツ知的財産高等裁判所平成20年第10079号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙7,弁論の全趣旨)29(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,知的財産高等裁判所に控訴を提起した。
(イ)知的財産高等裁判所は,平成21年1月29日,前訴事件?の本訴請求に係る訴えは,信義則に反する不適法なものであって,却下すべきであり,これと結論を同じくする原判決(乙20)は相当であるとして,控訴を棄却するとの判決(乙7)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
テ東京地方裁判所平成20年第8836号事件(以下「前訴事件?」という。)(乙21)(ア)原告の主張前訴事件?は,原告が,次のとおり主張して,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害金の一部として10万円の支払を求めた事案である。
a原告は,被告から放電プラズマ焼結機の発注を得るため,原告が設計した放電プラズマ焼結機の設計図の写しを,被告に対して交付した。
b被告は,原告に対し,平成6年10月7日付けファックスで,「図面修正,加筆等ありますので図面原紙宅急便で送って下さい。」と要求した。
そこで,原告は,上記設計図に加筆修正を加え,被告に対し,訂正後の図面の原紙を送付した。
また,原告は,被告に対し,「NK-1526SPS-S502放電プラズマ燒結機」と題する書面に名称等が掲記された部品図面合計50枚の原紙を送付した。
c上記訂正図面及び部品図面(各原紙)の所有権は原告に帰属する。
しかしながら,被告は,原告に対し,上記訂正図面及び部品図面(各原紙)を返却しなかった。
30被告は,原告に無断で,原告に対して図面代を支払わないで占有していた原告の所有物である上記訂正図面及び部品図面を複製した上,A等に頒布し,放電プラズマ焼結機を製造させた上,これを販売した。
d被告による上記行為は,上記訂正図面及び部品図面の横領(刑法252条1項)に該当する不法行為である。
e原告は,放電プラズマ焼結機を被告に卸売りすることにより,1台当たり150万円の利益を得ることを見込んでいた。
しかしながら,被告の上記不法行為により,原告は,放電プラズマ焼結機1台当たり150万円の得べかりし利益を失った。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成20年8月28日,前訴事件?に係る訴えは,実質的には,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものであり,上記控訴事件の確定判決によって紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に二重の応訴の負担を強いるものであって,信義則に反して許されないとして,これを却下するとの判決(乙21)をした。
ト知的財産高等裁判所平成20年第10067号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙8,弁論の全趣旨)(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,知的財産高等裁判所に控訴を提起した。
(イ)知的財産高等裁判所は,平成20年11月26日,前訴事件?に係る訴えは,信義則に反する不適法なものであって,却下すべきであり,これと結論を同じくする原判決(乙21)は相当であるとして,控訴を棄却するとの判決(乙8)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
ナ東京地方裁判所平成20年第26722号事件(以下「前訴事件?」31という。)(乙30)(ア)原告の主張前訴事件?は,原告が,次のとおり主張して,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,10万円の支払を求めた事案である。
a被告は,平成6年10月7日,原告に対し,放電プラズマ焼結機の設計図に加筆修正等の必要があるとして,設計図原紙の送付を求めた。
原告は,被告が修正,加筆後に設計図原紙を返却する旨約したので,被告に対し,設計図原紙を送付した。
bしかしながら,被告は,原告の作成に係る放電プラズマ焼結機の部品図から原告の代表者名である「B」の署名部分を切除し,これを原告が作成した設計図に貼り付けた上,これに基づきAに放電プラズマ焼結機を製造させ,原告から交付を受けた設計図原紙を毀棄した。
c被告は,原被告間の東京地方裁判所平成18年(ワ)第17644号事件(前訴事件?)において,上記設計図には,「『DRAWNBYB』と記載されており,何ら原告の著作権(著作者人格権)を侵害するものではない。」旨主張した。
d被告の上記cの行為は,原告の名称を冒用するものであるから,私文書偽造に当たる。
被告の上記不法行為により,原告には,被告が原告代表者の設計に係る放電プラズマ焼結機を販売するたびに損害が継続して発生した。
原告は,上記のうちの1台につき10万円を請求する。
(イ)裁判所の判断東京地方裁判所は,平成20年12月25日,前訴事件?に係る訴えは,原告が被告との間で解決済みの紛争を蒸し返そうとして提起されたものであり,確定判決によって原告との間の紛争が解決されたとの被告の合理的な期待に反し,被告に再度の応訴の負担を強いるものというべ32きであって,信義則に反して許されないとして,これを却下するとの判決(乙30)をした。
ニ東京高等裁判所平成21年第585号事件(以下「前訴事件?控訴事件」という。)(乙25,弁論の全趣旨)(ア)原告は,前訴事件?における判決を不服として,東京高等裁判所に控訴を提起した。
(イ)東京高等裁判所は,平成21年3月19日,前訴事件?に係る訴えは,信義則に反する不適法なものであって,却下すべきであるとして,控訴を棄却するとの判決(乙25)をした。
(ウ)前訴事件?に関する判決は確定している。
2第1事件に係る当事者の主張〔原告〕(1)請求の原因ア原告は,平成3年5月27日,被告との間で,原告が原告代表者の設計に係る放電プラズマ焼結機を製造し被告に納入する旨の契約(以下「本件契約」という。)を締結した。
なお,本件契約は,書類によらず,民法526条2項の規定により締結された。
イ原告は,平成6年9月,原告の作成に係る放電プラズマ焼結機の設計図の写し(甲6の2)を被告に交付し,原告が被告に対して製造納入する製品の検討を依頼した。
その後,原告は,被告から平成6年10月7日付けファックス(甲8)により「図面修正,加筆等ありますので図面原紙宅急便で送って下さい。」との要求を受けたため,被告が設計図の修正,加筆をするという目的の下,被告に対し,上記設計図(甲6の2)を原告において加筆修正した訂正図面の原紙(本件原告設計図原紙)及び「NK-1526SPS33-S502放電プラズマ燒結機」と題する書面(甲7)に名称等が掲記された原告の作成に係る部品図面合計50枚の原紙(本件原告部品図原紙)を送付して,貸し渡した(民法593条)。
ウしかしながら,被告は,民法594条1項の規定に違反して,本件原告図面原紙の修正や加筆を行わず,しかも,原告の承諾を得ないまま,本件原告設計図原紙の原告名称欄を切除し,被告名称欄を貼り付けて作成した図面(本件被告図面)及び本件原告部品図原紙を複製して,Aに頒布し,Aに原告代表者の設計に係る放電プラズマ焼結機を製造させて,Aに収益をさせた上(民法594条2項違反),被告は自らこれを販売し,民法594条1項の規定に違反した。
エ被告は,本件原告図面原紙は現存しないとして,原告にこれを返却しない。
オ被告が,原告から貸借した本件原告図面原紙を上記ウのとおり使用した上,上記エのとおり返却しないのは,被告の故意又は過失による行為である。
カ本件原告図面原紙の価格は40万円である。
キ被告が本件原告図面原紙を原告に返却しないことにより,原告は,本件原告図面原紙を用いて放電プラズマ焼結機を製造し,これを1台当たり約750万円で販売して得られるであろう利益40万円を失った。
クまた,被告は,Aに放電プラズマ焼結機1台を製造させ,これを約750万円で販売することにより利益を得た。
原告は,被告に対し,上記利益を,契約上,著作権法上,使用貸借法上,刑法上,特許法上の訴訟に分けたうちの10万円の不当利得の返還を求める権利を有する。
ケよって,原告は,被告に対し,民法597条3項の規定に基づき,貸与した本件原告図面原紙の引渡しを求め,引渡しが執行不能となった場合に34備えて,代償請求として,本件原告図面原紙の価格相当額40万円の支払を求め,民法600条に基づき,被告が本件原告図面原紙を返還しないことによる逸失利益として,原告が放電プラズマ焼結機1台を製造販売することにより得られたであろう利益額40万円の損害賠償及びこれに対する第1事件訴状送達の日の翌日である平成20年11月29日から民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求め,民法703条に基づき,被告が,Aに放電プラズマ焼結機1台を製造させ,これを販売することにより得た利益のうち10万円の不当利得金及びこれに対する訴えの追加的変更を記載した書面(平成21年7月14日付け準備書面)送達の日の翌日である平成21年7月17日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める。
(2)被告の本案前の答弁に対する反論ア被告は,本案前の答弁をするのみで,本案の答弁及び請求原因に対する認否をしない。
したがって,民事訴訟法159条1項により,被告は請求原因事実を自白したものとみなされる。
イ第1事件に係る訴え(民法597条3項の規定により,別紙物件目録記載の物件の返還を求める訴え)は,下記のとおり,第2の1「前提事実」(3)記載の各訴訟とは,請求原因が異なり,相関関係もないから,上記各前訴により,第1事件に係る訴えの却下を求めることはできない。
記?前訴事件?について前訴事件?については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?が却下を求める事由とはならない。
35前訴事件?については,国家賠償請求事件において係争中である。
?前訴事件?について前訴事件?については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?については,国家賠償請求事件において係争中である。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?及び前訴事件?控訴事件については,国家賠償請求事件において係争中である。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?及び前訴事件?控訴事件については,国家賠償法に基づく訴訟を提起する予定である。
?前訴事件?について前訴事件?は,前訴事件?控訴事件の判決を援用した。したがって,前訴事件?控訴事件についての再審事件の結果に基づき,将来再審請求36を行うことにより,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?については,別件訴訟において係争中である。
?前訴事件?について前訴事件?は,前訴事件?控訴事件の判決を援用した。したがって,前訴事件?控訴事件についての再審事件の結果に基づき,将来再審請求を行うことにより,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?が却下を求める事由とはならない。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件の判決は,被告が原告の名称を改変したことが著作権法121条の刑事罰に該当するとした上で,消滅時効を認めたものであるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?については,別件訴訟において係争中である。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件の判決は,被告が原告の著作物である図面の原告名称を被告名称に改変して頒布した行為が著作権法121条に該当するとした上で,消滅時効を認めたものであるから,却下を求める事由にならない。
また,前訴事件?控訴事件は,前訴事件?控訴事件の判決を援用した。
37したがって,前訴事件?控訴事件についての再審事件の結果に基づき,将来再審請求を行うことにより,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
さらに,前訴事件?控訴事件については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?については,別件訴訟において係争中である。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件の判決は,前訴事件?控訴事件の判決を援用した。
したがって,前訴事件?控訴事件についての再審事件の結果に基づき,将来再審請求を行うことにより,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
また,前訴事件?控訴事件については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?については,別件訴訟において係争中である。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用38貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?及び前訴事件?控訴事件については,国家賠償法に基づく訴訟を提起する予定である。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?控訴事件については,再審事件が係属しており,同事件の判決は取り消されることがあるから,却下を求める事由にならない。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
前訴事件?控訴事件については,別件訴訟において係争中である。
?前訴事件?及び前訴事件?控訴事件について前訴事件?及び前訴事件?控訴事件については,国家賠償請求事件において係争中である。
第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,前訴事件?及び前訴事件?控訴事件が却下を求める事由とはならない。
ウ東京簡易裁判所平成20年(ハ)第23号事件は,被告代表者に事件を認識させるために提起したものであり,被告代表者が事件を認識した後,取り下げた。
39第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した使用貸借の訴えであるから,上記事件が却下を求める事由とはならない。
エ平成9年7月28日,被告の特許担当者らと原告との間で,平成3年5月27日の本件契約の締結後における原被告間の関係の修復と,本件特許に関する実施権の設定について話し合った。
この際,原告は,上記話合いが物別れに終わると,将来大変なことになる(契約上,著作権法上,使用貸借法上,刑法上,特許法上の訴訟が発生する)旨を縷々説明した。
しかしながら,被告の特許担当者らは,道理に反し,原告の言い分を争うことにした。
被告の特許担当者らの上記対応が原因となり,上記各前訴事件が発生したのであって,原告による上記各前訴事件に係る訴えの提起は訴権の濫用に当たるものではない。
〔被告〕(1)原告は,被告に対し,第2の1「前提事実」(3)記載の各訴訟のほか,東京簡易裁判所平成20年(ハ)第23号事件や再審事件等を提起した。
(2)これらの訴訟は,原告が有していた本件特許権に関して,被告が本件特許異議申立てをしたことが不法行為に該当するとして損害賠償を請求した訴訟であるか,あるいは,原告が作成した設計図に関して,被告が,名称欄を改変した(私文書偽造に該当する行為をした)とか,設計図を詐取したとか,横領したとか,毀棄したとか,設計図に係る放電プラズマ焼結機を製造販売したとか主張して,これらの行為が不法行為に該当するとして損害賠償を請求した訴訟である。
なお,第1事件は,上記のうち後者の類型に該当する。
(3)しかしながら,上記一連の訴訟において,原告の主張は排斥されているのであり,第1事件に係る訴えは,これらの訴訟における原告の主張を蒸し返40すものであるから,信義則に反するものとして却下されるべきである。
3第2事件に係る当事者の主張〔被告〕(1)原告は,被告に対し,第2の1「前提事実」(3)記載の各訴訟のほか,東京簡易裁判所平成20年(ハ)第23号事件や再審事件等を提起した。
第1事件に係る訴えは,原告の敗訴判決が確定している前訴事件?ないし前訴事件?(これらの控訴事件を含む。)に係る訴えと実質的に同一であり,原告が第1事件を提起し,これを維持したことは,被告に対する不法行為に該当する。
(2)損害ア応訴費用被告は,第1事件の応訴のために,弁護士費用として21万円の出費を余儀なくされた(乙26)。
イ慰謝料(ア)原告は,取締役が1名のみの株式会社であり,年間の収益もないことから,被告に対する,上記一連の訴訟だけが活動のすべてであるといえる。
このような原告は,却下判決を受けても提訴を繰り返し,被告が債権者として原告についての破産手続開始を申し立てても,原告代表者が原告の債務を立替払いすることにより,破産手続開始を回避し,新たな提訴を繰り返している。
勝訴することができないことを十分認識しながら提訴を繰り返す原告の行為は,被告を疲弊させて和解金を獲得しようとするものであり,反社会的行動であるというべきである。
(イ)他方,被告は,以下のとおり,無形の損害を被っている(乙29)。
a被告は,係属中の訴訟を,四半期ごとに監査法人に報告しなければ41ならない。この報告は,事件番号や当事者名だけでなく,訴訟の内容や結果についても報告しなければならない。
また,原告から訴訟が提起されると,応訴のため,訴訟委任状を作成する必要があり,詳細な社内稟議書を作成し,代表取締役の決裁を得なければならない。
内部統制上,訴訟については,詳細かつ厳格な社内手続が定められており,所定の手続を行っているかどうかを内部監査機関である監査室と監査役が監査を行うことになっているからである。
bまた,被告は,一連の訴訟で問題にされている機械の製造・販売部門を平成17年8月に他社へ事業譲渡したため,当時の事情及び当該機械を知る者は社内にいない。
そのため,上記稟議書の作成に当たっては,訴状の記載や証拠書類に不明な点がある場合には,譲渡先に問合せをして確認せざるを得ず,精神的,事務的に負担となっている。
(ウ)上記の事情に照らせば,原告は,被告に対し,民法710条に基づき,慰謝料として100万円の支払義務を負うというべきである。
(3)よって,被告は,原告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,121万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成21年4月24日(第2事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める。
〔原告〕(1)被告の主張は否認ないし争う。
(2)被告の主張に対する反論ア前記2「第1事件に係る当事者の主張」のうち原告主張欄の(2)イないしエと同じ。
また,第1事件に係る訴えは,民法593条ないし600条を適用した42使用貸借に係る訴えであり,前訴事件?ないし前訴事件?(これらの控訴事件を含む。)の請求原因とは異なる。
イ慰謝料請求について前記のとおり,被告の側が原告との話合いを物別れの結果としたことが,一連の訴訟が発生する原因である。
被告の主張する被告内部の手続は,大会社の総務部に勤務する者の通常の業務の範囲内の事柄であって,慰謝料を認めるべき事由とはいえない。
また,被告は他社へ事業を譲渡したと主張する。しかしながら,これは虚偽であり,実際には会社分割である。
4第3事件に係る当事者の主張〔原告〕(1)請求の原因ア原告は,被告から使用するようにと言われて交付された被告の名称が記載された用紙を用いて,本件原告部品図原紙50枚を作成し,これを被告に送付した。
イ被告は,本件原告設計図原紙の原告名称欄を切除して,本件原告部品図原紙50枚(被告の名称が記載された用紙を用いている。)のうちから任意に選んだ図面に記載された原告代表者の署名を冒用し,これを原告名称欄を切除した本件原告設計図原紙に貼り付けることにより,被告名称欄を貼り付けた設計図(併合前第3,第4事件甲2。本件被告図面と同一)の作図者が原告であるとする事実証明に関する文詞(「DRAWNBYB」)を作出した。
ウ被告の上記行為は,故意又は過失によるものであり,私文書偽造罪(刑法159条)に該当する不法行為である。
エ原告は,被告の上記不法行為により,10万円の損害を被った。
オよって,原告は,被告に対し,民法709条に基づき,損害賠償金1043万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成21年4月3日(第3事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める。
(2)被告の本案前の答弁に対する反論前記2「第1事件に係る当事者の主張」のうち原告主張欄の(2)と同じ。
また,第3事件に係る訴えは,刑法159条に係る訴えであり,前訴事件?ないし前訴事件?(これらの控訴事件を含む。)の請求原因と異なるから,これらの前訴事件が却下を求める事由とはならない。
〔被告〕(1)前記2「第1事件に係る当事者の主張」のうち被告主張欄の(1)及び(2)と同じ。
(2)上記一連の訴訟において,原告の主張は排斥されているのであり,第3事件に係る訴えは,これらの訴訟における原告の主張を蒸し返すものであるから,信義則に反するものとして却下されるべきである。
5第4事件に係る当事者の主張〔被告〕(1)原告は,被告に対し,第2の1「前提事実」(3)記載の各訴訟のほか,東京簡易裁判所平成20年(ハ)第23号事件や再審事件等を提起した。
第3事件に係る訴えは,原告の敗訴判決が確定している前訴事件?ないし前訴事件?(これらの控訴事件を含む。)に係る訴えと実質的に同一であり,原告が第3事件を提起し,これを維持したことは,被告に対する不法行為に該当する。
(2)損害被告は,第3事件の応訴のために,弁護士費用として21万円の出費を余儀なくされた(併合前第3,第4事件乙1)。
(3)よって,被告は,原告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,4421万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成21年6月13日(第4事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める。
〔原告〕(1)被告の主張は否認ないし争う。
(2)被告の主張に対する反論ア前記2「第1事件に係る当事者の主張」のうち原告主張欄の(2)イないしエと同じ。
また,第3事件に係る訴えは,刑法159条に係る訴えであり,前訴事件?ないし前訴事件?(これらの控訴事件を含む。)の請求原因とは異なる。
イ第3事件の訴額が10万円であるのに対し,応訴費用相当額として21万円の損害賠償請求は不当である。
第3当裁判所の判断1第1事件(本案前の答弁)について(1)第1事件における原告の請求は,要するに,?原告が,被告から平成6年10月7日付けファックス(甲8)で「図面修正,加筆等ありますので図面原紙宅急便で送って下さい。」との要求を受けたため,被告に対し,本件原告設計図原紙及び本件原告部品図原紙を送付したものの,被告がこれらの図面を返却しない,?被告が,本件原告設計図原紙の原告名称欄を切除し,被告名称欄を貼り付けて作成した図面(本件被告図面)及び本件原告部品図原紙を複製して,Aに頒布し,Aに放電プラズマ焼結機を製造させた上で,これを販売した,との主張事実を前提に,上記?により,原被告間において,本件原告図面原紙の使用貸借契約が成立した旨主張して,使用貸借契約に基づき,貸与した本件原告図面原紙の引渡しを求め,上記?が使用貸借契約の本旨に反する使用又は収益である旨主張して,債務不履行による損害賠償と45して,原告が放電プラズマ焼結機1台を製造販売することにより得られたであろう利益額40万円の損害賠償を求めるとともに,民法703条に基づき,被告が,Aに放電プラズマ焼結機1台を製造させ,これを販売することにより得た利益として10万円の不当利得金の返還を求めるものである。
(2)ところで,第2の1「前提事実」(3)記載のとおり,原告の被告に対する訴訟につき,以下のとおり,原告敗訴の確定判決がされている。
ア原告は,前訴事件?の本訴請求?及び本訴請求?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が詐欺,あるいは,横領に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,請求棄却の判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
イ原告は,前訴事件?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が横領に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,前訴事件?に係る訴えは,実質的に前訴事件?及び前訴事件?控訴事件で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものであって,信義則に反して許されないとして,却下判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
ウ原告は,前訴事件?の本訴請求?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が著作権侵害に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,請求棄却の判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
また,原告は,前訴事件?,前訴事件?控訴事件においても,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が著作権侵害に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,請求棄却の判決がされた。
エ原告は,前訴事件?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提46に,被告の行為が原被告間における契約の債務不履行を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,前訴事件?控訴事件,前訴事件?,前訴事件?及び前訴事件?等において認められなかった請求及び主張を蒸し返すものであり,信義則に反して許されないものであるなどとして,却下判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
オ原告は,前訴事件?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が図面について有する原告の所有権の侵害に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,請求棄却の判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
(3)上記によれば,原告は,実質的に同一の主張事実を前提とする紛争を蒸し返して,一部請求にしたり,あえて法律構成を変えるなどしたりして形式的に訴訟物が異なるものにして,勝訴の見込みのない訴訟を繰り返し提起しているといえ,第1事件に係る訴えも,上記の一環として提起されたものであると認められる。
そうすると,第1事件に係る訴えは,既に請求棄却の判決,あるいは,訴え却下の判決が確定して解決済みの事件について,あえて上記前訴事件と実質的に同一の請求及び主張を蒸し返し,前訴事件の確定判決によって,紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に重ねて応訴の負担を強いるものであるといえるから,訴権の濫用に当たり,許されないというべきである。
(4)以上のとおり,第1事件に係る訴えは,いずれも不適法な訴えであるから,却下されるべきものである。
2第2事件について(1)民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において,上記訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは,当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものである上,提47訴者が,そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど,訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である(最高裁昭和60年第122号,同63年1月26日第三小法廷判決,民集42巻1号1頁)。
そして,上記判示は,当該敗訴の確定判決に係る訴えの提起自体についての不法行為の該当性を判断する場合だけでなく,当該敗訴の確定判決後の,実質的に同一の訴訟の提起・維持に係る不法行為の該当性を判断する場合についても,妥当すると解するのが相当である。
(2)前記1で述べたとおり,原告が第1事件に係る訴えを提起することは,訴権の濫用に当たり,許されないものというべきである。
加えて,前記1(2)によれば,原告は,実質的に同一の主張事実を前提とする紛争を蒸し返して,一部請求にしたり,あえて法律構成を変えるなどしたりして形式的に訴訟物が異なるものにして,勝訴の見込みのない訴訟を繰り返し提起しているといえ,第1事件に係る訴えも,上記の一環として提起されたものであると認められることは,前記1(3)で説示したとおりであり,第1事件は,原告において,その主張する権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものであることを知りながらあえて提起し,これを維持したものであると評価せざるを得ない。
(3)以上によれば,第1事件の提起・維持は,裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものというべきであり,被告に対する不法行為を構成するものと解するのが相当である。
(4)損害ア証拠(乙26)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,原告が第1事件を提起したことにより,応訴を余儀なくされ,そのために被告訴訟代理人弁護士に訴訟の追行を委任し,弁護士費用として21万円を支払ったことが48認められる。
上記弁護士費用相当額は,被告が自己の権利擁護のために応訴,又は訴えの提起を余儀なくされ,訴訟追行を被告訴訟代理人弁護士に委任したことにより負担した弁護士費用であり,本件事案の内容,請求額,その他本件に表れた一切の事情を斟酌すると,21万円全額が,原告による不法行為相当因果関係のある損害というべきである。
イ慰謝料請求について被告は,原告が第1事件を提起したことにより,上記弁護士費用のほか,無形の損害を被った旨主張して,慰謝料として100万円の支払を求め,上記主張に沿う証拠として,被告の総務部副部長の陳述書(乙29)を提出する。
しかしながら,上記陳述書において,被告の損害であるとして,指摘されている内容は,?被告が監査法人に対して,訴訟について,事件番号,当事者名,内容及び結果を報告しなければならないこと,?応訴のために訴訟委任状を作成するために,被告内部における手続として,稟議書を作成しなければならないこと,?稟議書を作成するために,訴状に記載されている内容や証拠書類に不明な点がある場合,機械の製造・販売部門の事業譲渡先に問合せをしなければならないこと,?訴訟追行を委任した代理人弁護士との打合せをしなければならないことであって,いずれも,第1事件に応訴するための事務にほかならないといえ,これらの事務負担が生じたというだけでは,被告に慰謝されるべき無形損害が生じたことを認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。
なお,上記事務についての負担は,本件事案の内容,被告の応訴の状況,その他本件に表れた一切の事情に照らせば,上記アの応訴に要した費用として弁護士費用相当額が賠償されることにより填補されたものというべきである。
49(5)以上によれば,原告は,被告に対し,不法行為に基づき,21万円及びこれに対する不法行為(第1事件の訴えの提起及び第2事件提起時までの訴訟の維持)の後の日である平成21年4月24日(第2事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金を支払う義務を負う。
3第3事件(本案前の答弁)について(1)第3事件における原告の請求は,要するに,?原告は,本件原告設計図原紙及び本件原告部品図原紙50枚を作成し,これを被告に送付した,?被告は,本件原告設計図原紙の原告名称欄を切除して,本件原告部品図原紙50枚(被告の名称が記載された用紙を用いている。)のうちから任意に選んだ図面に記載された原告代表者の署名を冒用し,これを原告名称欄を切除した本件原告設計図原紙に貼り付けることにより,被告名称欄を貼り付けた設計図(本件被告図面)の作図者が原告であるとする事実証明に関する文詞(「DRAWNBYB」)を作出した,との主張事実を前提に,被告の行為が私文書偽造罪(刑法159条)に該当する不法行為である旨主張して,不法行為による損害賠償として,10万円の支払を求めるものである。
(2)ところで,第2の1「前提事実」(3)記載のとおり,原告の被告に対する訴訟につき,以下の原告敗訴の確定判決がされている。
ア原告は,前訴事件?の本訴請求?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が私文書偽造に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,請求棄却の判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
イ原告は,前訴事件?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が私文書偽造に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,前訴事件?に係る訴えは,実質的に前訴事件?及び前訴事件?控訴事件で認められなかった請求及び主張を蒸し返すも50のであって,信義則に照らして許されないとして,却下判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
ウ原告は,前訴事件?において,前記(1)の?及び?の主張事実を前提に,被告の行為が私文書偽造に当たり,不法行為を構成すると主張して,損害賠償請求をしたものの,前訴事件?に係る訴えは,原告が被告との間で解決済みの紛争を蒸し返そうとして提起されたものであり,信義則に反して許されないとして,却下判決がされ,前訴事件?控訴事件においても,控訴棄却の判決がされた。
(3)上記によれば,原告は,実質的に同一の主張事実を前提とする紛争を蒸し返して,一部請求にしたり,あえて法律構成を変えるなどしたりして形式的に訴訟物が異なるものにして,勝訴の見込みのない訴訟を繰り返し提起しているといえ,第3事件に係る訴えも,上記の一環として提起されたものであると認められる。
そうすると,第3事件に係る訴えは,既に請求棄却の判決,あるいは,訴え却下の判決が確定して解決済みの事件について,あえて上記前訴事件と実質的に同一の請求及び主張を蒸し返し,前訴事件の確定判決によって,紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に重ねて応訴の負担を強いるものであるといえるから,訴権の濫用に当たり,許されないというべきである。
(4)以上のとおり,第3事件に係る訴えは,不適法な訴えであるから,却下されるべきものである。
4第4事件について(1)前記3で述べたとおり,原告が第3事件に係る訴えを提起することは,訴権の濫用に当たり,許されないものというべきである。
加えて,前記3(2)によれば,原告は,実質的に同一の主張事実を前提とする紛争を蒸し返して,一部請求にしたり,あえて法律構成を変えるなど51したりして形式的に訴訟物が異なるものにして,勝訴の見込みのない訴訟を繰り返し提起しているといえ,第3事件に係る訴えも,上記の一環として提起されたものであると認められることは,前記3(3)で説示したとおりであり,第3事件は,原告において,その主張する権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものであることを知りながらあえて提起し,これを維持したものであると評価せざるを得ない。
(2)以上によれば,第3事件の提起・維持は,裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものというべきであり,被告に対する不法行為を構成するものと解するのが相当である。
(3)損害証拠(併合前第3,第4事件乙1)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,原告が第3事件を提起したことにより,応訴を余儀なくされ,そのために被告訴訟代理人弁護士に訴訟の追行を委任し,弁護士費用として21万円を支払ったことが認められる。
上記弁護士費用相当額は,被告が自己の権利擁護のために応訴,又は訴えの提起を余儀なくされ,訴訟追行を被告訴訟代理人弁護士に委任したことにより負担した弁護士費用であり,本件事案の内容,請求額,その他本件に表れた一切の事情を斟酌すると,21万円全額が,原告による不法行為相当因果関係のある損害というべきである。
(4)以上によれば,原告は,被告に対し,不法行為に基づき,21万円及びこれに対する不法行為(第3事件の訴えの提起及び第4事件提起時までの訴訟の維持)の後の日である平成21年6月13日(第4事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金を支払う義務を負う。
5まとめ以上によれば,原告の第1事件請求及び第3事件請求に係る訴えは,いずれ52も不適法であるから,却下することとし,被告の第2事件請求は,原告に対し21万円及びこれに対する平成21年4月24日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員の支払を求める限度で理由があるから,これを認容し,その余は理由がないから棄却することとし,被告の第4事件請求は,理由があるから,これを全部認容することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第47部裁判長裁判官阿部正幸裁判官柵木澄子裁判官舟橋伸行53(別紙)物件目録1別添図面の原紙2「NK-1526SPS-S502放電プラズマ燒結機」と題する書面(甲7)に下記要領で名称等が掲記された部品図面合計50枚の原紙記部品図リストにおける用紙の欄は用紙の大きさを示す。名称の欄は部品に付した名称を示す。材質の欄は部品の材質を示す。数の欄は放電プラズマ焼結機一台に使う部品の数を示す。規格品の欄は放電プラズマ焼結機一台に使う部品のうち購入する規格品の名称及び数を示す。購入品の欄は放電プラズマ焼結機一台に使う購入部品名及び数を示す。
以上(別添図面は省略)
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