関連審決 | 異議2002-70891 訂正2004-39204 |
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関連ワード | 進歩性(29条2項) / 容易に発明 / 公知技術 / 設定登録 / 訂正審判 / 請求の範囲 / 減縮 / 取消決定 / |
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事件 |
平成
15年
(行ケ)
507号
特許取消決定取消請求事件
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原告 三菱製鋼株式会社 訴訟代理人弁理士 酒井正己 同 小松純 被告 特許庁長官小川 洋 指定代理人 後藤政博 同 一色 由美子 同 中村朝幸 同 宮下正之 |
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裁判所 | 東京高等裁判所 |
判決言渡日 | 2004/11/25 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
1 特許庁が異議2002−70891号事件について平成15年9月30日にした決定中,「特許第3226737号の請求項1に係る特許を取り消す。」との部分を取り消す。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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全容
1 原告の請求 (1) 主文1項と同旨。 (2) 訴訟費用は被告の負担とする。 2 当事者間に争いのない事実 (1) 特許庁における手続の経緯 原告は,発明の名称を「低脱炭性ばね用鋼」とする特許第3226737号の特許(平成6年12月21日出願,平成13年8月31日設定登録。以下「本件特許」という。後記本件第1訂正後の請求項の数は1である。)の特許権者である。 本件特許に対し,請求項1及び2につき,特許異議の申立てがあり,特許庁は,この申立てを,異議2002-70891号事件として審理した。原告は,この審理の過程で,平成15年6月23日,本件特許の出願に係る願書に添付した明細書の訂正の請求をした。特許庁は,上記事件につき審理し,その結果,平成15年9月30日,この訂正を認めた上で(以下「本件第1訂正」という。),「特許第3226737号の請求項1に係る特許を取り消す。」(以下,取り消された請求項1に係る発明を「本件発明」という。)との決定をし,同年10月20日,その謄本を原告に送達した。 (2) 決定の理由 要するに,本件発明は,公知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定に該当する,したがって,本件特許は,請求項1について,この規定に違反して登録されたものである,ということである。 (3) 訂正審判の確定 原告は,本訴係属中に,本件特許の出願に係る願書に添付した明細書の訂正をすることについて審判を請求した。特許庁は,これを訂正2004-39204号事件として審理し,その結果,平成16年11月8日に訂正(以下「本件第2訂正」という。)することを認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし,これが確定した。 (4) 本件第1訂正後の本件発明の特許請求の範囲 「【請求項1】重量%でC:0.40〜0.70%,Si:1.45〜2.50%,Mn:0.40〜0.77%,Al:0.005〜0.100%,S:0.008〜0.050%およびCr:0.77〜1.50%,Mo:0.05〜1.00%,V:0.01〜0.50%,Nb:0.010〜0.300%のうちの1種ないし2種以上を含み,さらにNi:0.05〜2.50%,Cu:0.05〜1.00%を含み,残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする低脱炭性ばね用鋼。」 (5) 本件第2訂正後の本件発明の特許請求の範囲(下線部が本件第1訂正後のものと比較した場合の訂正箇所である。) 「【請求項1】重量%でC:0.40〜0.70%,Si:1.51 〜1.58 %,Mn:0.40〜0 .75 %,Al:0.005〜0.100%,Cr :0.78 〜0.98 %,Mo :0.05〜1.00%,S:0.008〜0.050%,Ni:0 .06 〜2.45 %,Cu:0.05〜0 .98 %を含み,さらにV: 0.01 〜0.50 %,Nb: 0.010 〜0.300 %のうちの 一種又 は2種を含み,残部Feおよび不可避的不純物からなり,全脱炭層深 さが 0.00 mm, フェライト 脱炭層深 さが 0mm であること を特徴とする低脱炭性ばね用鋼。」3 当裁判所の判断 上記当事者間に争いのない事実によれば,本件第2訂正前の特許請求の範囲(本件第1訂正後の特許請求の範囲)の請求項1の記載に基づき,その発明を認定し,これを前提に,特許法29条2項の規定に違反して登録された特許であることを理由に,同請求項について本件特許を取り消した決定の取消しを求める訴訟の係属中に,当該特許に係る特許請求の範囲の減縮を含む訂正の審判が請求され,特許庁は,これを認める本件訂正審決をし,これが確定したということができる。 決定は,これにより,結果として,上記請求項1について判断の対象となるべき発明の要旨の認定を誤ったことになり,この誤りが上記請求項について決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,決定は,上記請求項につき,取消しを免れない。 4 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 佐藤久夫 |
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裁判官 | 設樂隆一 |
裁判官 | 若林辰繁 |