全容
第1請求特許庁が不服2004-15877号事件について平成19年11月2日にした審決を取り消す。 第2事案の概要本件は,Aがした特許出願に係る発明について特許を受ける権利の譲渡を受けた原告が,拒絶査定に対する審判請求を成り立たないとした審決の取消しを求める事案である。 1特許庁における手続の経緯Aは,発明の名称を「電子メール送信システム,意志確認方法及びシステム並びに意志収集方法及びシステム (但し,出願時の発明の名称は「電子メール,電子 」, 」 メール送信システム 意志確認方法及びシステム並びに意志収集方法及びシステムである )とする発明について,平成12年12月8日に特許出願(以下「本件出 。 願」という )をしたが,平成16年6月18日付けで拒絶査定を受けたので,同 。 年7月29日,同拒絶査定に対する不服審判を請求し,平成19年6月25日,手続補正をした(以下「本件補正」という。。)特許庁は,上記不服審判請求を不服2004-15877号事件として審理し,平成19年11月2日 「本件審判の請求は,成り立たない 」との審決をし,その , 。 謄本は同月28日,Aに送達された。 原告は,平成19年12月26日,Aから上記発明に係る特許を受ける権利を譲り受け,同月27日,特許庁に対し,その旨の出願人名義変更届をした。 2発明の要旨審決は,本件補正後の明細書(甲6,7。以下「本願明細書」という )の特許 。 請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という )を対象とし 。 たものであるところ,その要旨は次のとおりである(なお,請求項の数は12個である。。)「 請求項1】ネットワークを経由して相手方の情報端末に電子メールを送る 【電子メール送信システムであって,送信する電子メールのデータを記憶した記憶手段と,記憶手段にデータが記憶された電子メールを所定のプロトコルに従って相手方に送信する送信手段とを備えており,前記記憶手段が記憶している電子メールのデータは,特定の質問内容と,その質問内容に対する回答内容とが相手方の情報端末に表示されるようにするものであって,相手方の情報端末において所定の操作がされた際にその回答内容を前記ネットワーク上の所定の場所にある回答先のコンピュータに送信するコマンド文を含んでおり,このコマンド文は,相手方の情報端末において前記回答先のコンピュータの場所の入力をすること無しに前記回答内容を送信するものであって,前記回答内容を処理するプログラムを実行するものであることを特徴とする電子メール送信システム 」。 3審決の理由の要旨審決は,本願発明は,特開2000-267952号公報(甲1。以下「刊行物1」という )に記載された発明(以下「刊行物1発明」という )及び後記周知技 。 。 術1,2から当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないとした。 審決が上記結論に至った理由は,以下のとおりである。なお,審決の引用部分において,本訴の書証番号を付記した。 刊行物1発明の内容刊行物1には,次の発明が開示されていると認めることができる。 「 a)(電子メールの通信システムであって,無線通信可能な携帯型の電話機1,無線公衆網2,クライアントメールサーバ3,ネットワーク4およびメールサービスサーバ5で構成され,電話機1と該電話機1のメール管理を行うクライアントメールサーバ3とは無線公衆網2を介して,クライアントメールサーバ3とメールサービスサーバ5とはインターネットなどのネットワーク4を介して,それぞれ電子メールを送受信するものであって,メールサービスサーバ5から送信されたメールは,インターネットなどのネットワーク4を介してクライアントメールサーバ3に与えられ,さらに無線公衆網2を介して電話機1で受信され,(b)メールサービスサーバ5は,記憶部64,メッセージ解析部65を有し,記憶部64は,各種情報を一括して記憶し管理し,メッセージ解析部65は,受信したメールを解析して,任意形式,すなわちサーバ5に応じた形式のメッセージが含まれているか否かを判断し,(c)電話機1の新規メールフォームの追加処理については,ステップPA1で新規メールフォームを入手するためのメールをサーバ5に向けて送信し,ステップPA2でサーバ5からのメールを受信してInBox部27に保存すると,ステップPA3では,保存されたメールに所望のメールフォームが含まれるか否かを判断し,所望のメールフォームが含まれるときにはステップPA4に進み,所望のメールフォームが含まれないときにはステップPA1に戻って,所望のメールフォームが得られるまでステップPA1〜PA3の動作を繰返し,ステップPA4では,得られたメールフォームのメールフォーム登録部36へのリスト登録操作を行い,次のステップPA5で登録すると判断したときにはステップPA6に進んで,メールフォームをリスト登録して処理を終了し,ステップPA5で登録しないと判断したときにはそのまま処理を終了し,(d)実行されるメールフォームのスクリプト91の例としては,スクリプト91の実行によって実現されるデータの入力補助画面92〜95の例において,スクリプト91は,WWWシステムで利用され,HTMLなどのブラウザ言語のスクリプトで拡張して定義されるテキストや画像で構成される所定形式のデータであり,データ入力補助UI実現部32は,該スクリプト91を解釈して実行し,前記所定の形式に適応して定義されるフォームダグ(判決注: フォー 「」。) , ムタグ の誤記と認めるを用いた入力補助機能のための入力補助画面92〜95を実現し実現される画面92〜95は,たとえば航空券の予約,ホテルの宿泊予約および商品の購入申込み予約時におけるデータ入力のための画面であり,例示した画面92〜95は,商品の購入申込み予約時におけるデータ入力のための画面であり,入力補助画面92〜95は,たとえばチェックボタン チェックボックスおよび文字入力ボックスを含み チェックボタンはオペレー , ,タによって選択され,またチェックボックスや文字入力ボックスにはオペレータによってデータが入力され,また,入力補助画面92〜95は,画像やグラフィックによって表示される入力ガイダンスを含み,(e)電話機1から送信されたメールは,無線公衆網2を介してクライアントメールサーバ3に与えられ,さらにインターネットなどのネットワーク4を介してメールサービスサーバ5で受信され,メールサービスサーバ5は,電話機1からのメールを受信し,返信スクリプト生成処理において,メッセージ解析部65が,受信メールのメッセージを解析し,返信用のスクリプトの生成が必要か否かを判断し,必要であったときには,スクリプトメッセージ生成部62が返信用スクリプトを生成し,作成された返信用スクリプトから返信用メール作成部63が返信用メールを作成し,送信して処理を終了し,(f)実行されるメールフォームのスクリプト91の例としては,HTML言語で記載され(及びタグ参照 ,Form タグ(タグ参照 )中において 「購入希望 ) 。,商品名「購入希望商品数「支払い方法選択」というメッセージ内容と,そのメッセージ内 」,」,容に対する回答内容( アイテム1-1000円・・・アイテム5-3000円「1個・・ 「 」,・5個「方法1・・・方法3」参照 )とが表示されるようにするとともに,これらの回答 」, 。 はチェックボックス(プルダウンメニュー ,チェックボタン(ラジオボタン)で選択するよ )うに表示( |