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関連審決 審判1995-20192
審判1998-35672
関連ワード 承継 /  発明者 /  自然法則 /  技術的思想 /  創作性(創作) /  物の発明 /  方法の発明 /  物を生産する方法 /  新規性 /  公然知られ(29条1項1号) /  守秘義務 /  秘密保持義務 /  公然実施(29条1項2号) /  29条1項3号 /  頒布された刊行物 /  公開性 /  頒布性 /  進歩性(29条2項) /  周知技術 /  上位概念 /  技術的範囲 /  実施可能要件 /  発明の詳細な説明 /  発明が不明確 /  実質的に同一 /  共有 /  実施料相当額 /  ライセンス /  優先日 /  出願経過 /  参酌 /  文言解釈 /  技術的意義 /  容易に想到(容易想到性) /  意識的除外(意識的に除外) /  禁反言 /  特許発明 /  実施 /  加工 /  交換 /  間接侵害 /  構成要件 /  方法の使用 /  差止請求(差止) /  侵害 /  実施料 /  不法行為(民法709条) /  営業秘密 /  同意 /  実施権 /  専用実施権 /  混同 /  移転登録 /  拒絶査定不服審判 /  拒絶査定 /  拒絶理由通知 /  請求の範囲 /  釈明 / 
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事件 平成 17年 (ワ) 1199号 特許権侵害差止等請求事件
東京都千代田区<以下略>
原告株 式会社ペンタくん() 旧旧商号・滋賀丸石自転車工業株式会社(旧商号・株式会社丸石サイクル)
同訴訟代理人弁護士長谷川純
同 藤井陽子 千葉県市原市<以下略>
被告日本コンピュータグラフィック株式会社
同訴訟代理人弁護士上谷清
同 宇井正一
同 萩尾保繁
同 笹本摂
同 山口健司
同 補佐人弁理 士水谷好男
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2007/04/19
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1原告の請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求の趣旨, 。 1被告は 別紙イ号物件目録記載のソフトウェアを製造・販売してはならない2被告は,別紙イ号物件目録記載のソフトウェアを廃棄せよ。
3被告は,別紙イ号物件目録記載のソフトウェアを組み込んだ装置を使用してはならない。
4被告は,別紙イ号方法目録@記載の地図データ作成方法を使用してはならない。
5被告は,別紙イ号方法目録@記載の地図データ作成方法により作成された地図データを使用,販売,頒布してはならない。
6被告は,別紙イ号方法目録@記載の地図データ作成方法により作成された地図データを廃棄せよ。
7被告は,原告に対し,金2億4000万円及びこれに対する平成17年2月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要本件は,原告が,被告に対し,原告が権利者である「地図データ作成方法及びその装置」に係る特許権に基づき,被告の地図データ作成方法及び装置の使用差止め等並びに損害賠償を求めた事案である。すなわち,請求の趣旨第1項及び第2項は,方法の発明間接侵害(特許法101条4号)又は物の発明間接侵害(特許法101条2号)に基づいて被告の製造販売するソフトウェアの製造販売差止め及び廃棄を(特許法100条1項及び2項 ,請求の趣旨第)3項は,物の発明の直接侵害に基づいて被告の製造販売するソフトウェアを組み込んだ装置の使用差止めを(特許法2条3項1号,100条1項 ,請求の)趣旨第4項は,方法の発明の直接侵害に基づいて被告の地図データ作成方法の使用差止めを(特許法2条3項2号,100条1項 ,請求の趣旨第5項及び )第6項は,物を生産する方法の発明の直接侵害に基づいて被告の地図データ作成方法によって作成された地図データの使用販売頒布の差止め及び廃棄を(特許法2条3項3号,100条1項及び2項 ,請求の趣旨第7項は損害賠償を )(特許法102条2項 ,それぞれ求めるものである。 )被告は,被告の地図データ作成方法及びその装置が前記特許権の技術的範囲に含まれず,また,前記特許権には記載不備,新規性進歩性欠如の無効理由が存するので権利行使が許されないと主張してこれを争っている。
( , 。) 1前提となる事実 当事者間に争いがないか 後掲各証拠によって認められる( ) 当事者1原告は,建物・構築物の増改築等を業とする株式会社である。
被告は,測量業,コンピュータによる数値地形測量及び地図調製,コンピュータの地理情報処理,画像処理による作図,作画及び販売等を目的とする株式会社である。
( ) A(以下「A」という )の発明に係る特許権(甲1,3)2 。
アAは,下記の特許権に係る発明を特許出願し,特許登録を得た(甲1。
以下「本件特許」及び「本件特許権」といい,請求項1に係る発明を「本件発明1 ,請求項2に係る発明を「本件発明2」といい,本件発明1と 」本件発明2とを併せて「本件発明」という。。)特 許 番 号第2770097号登録日平成10年4月17日出 願 番 号特願平4-48706出願日平成4年3月5日優先日平成3年6月24日公 開 番 号特開平5-73659公開日平成5年3月26日発明の名称地図データ作成方法及びその装置イAは,本件特許権の登録日である平成10年4月17日から,有限会社エン企画(以下「エン企画」という )に対する移転登録日の前日である 。
平成11年11月11日までの間,本件特許権を保有していた。
エン企画は,Aから本件特許権を譲り受け,移転登録日である平成11年11月12日から,丸石デジタル株式会社(以下「丸石デジタル」という )に対する移転登録日の前日である平成16年1月21日までの間, 。
本件特許権を保有していた。
丸石デジタルは,エン企画から,本件特許権を譲り受け,これを平成1,( ) 6年1月22日登録し 原告 当時の商号・滋賀丸石自転車工業株式会社は,丸石デジタルから,本件特許権を譲り受け,同年9月29日その移転登録を受けた。
(「」。) 株式会社沖縄デジタルセンター 以下 沖縄デジタルセンター というは,エン企画から専用実施権(以下「本件専用実施権」という )の設定。
を受け,平成14年5月8日登録した。ソブリンアセットマネジメントジ(「 」。) ャパン株式会社 以下 ソブリンアセットマネジメントジャパン というは,沖縄デジタルセンターから,本件専用実施権を譲り受け,平成16年9月22日,その移転登録を受けた。そして,原告は,ソブリンアセット, ,, マネジメントジャパンから 本件専用実施権を譲り受け 同年12月7日その移転登録を受けた。本件専用実施権は,混同を原因として,平成17年1月13日抹消登録された。
( ) 本件特許出願の願書に添付した明細書の特許請求の範囲の記載3本件特許に係る明細書(平成12年12月12日付け審決(甲2)による訂正後のもの 以下本件明細書 という 本判決末尾添付の特許公報 甲 。,「」。 (1。以下「本件公報」という )及び審決(甲2)参照 )の特許請求の範 。 。
囲の請求項1及び2(以下「本件発明1」及び「本件発明2」という )の。
記載は次のとおりである。
ア請求項1(本件発明1)「地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータからベクトルデータを作成した後,該ベクトルデータを線端を示す点データを含む二次元の線データに変換し,それらの二次元線データを座標上の線分に変換し,該線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し,終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成して,該面データの前記不連続となる始点及び終点を報知表示し,該不連続点から任意の点又は線へ接続する線データを入力に基づいて生成することにより該面データに対応する閉領域データを作成し,上記各閉領域データに属性データを付与可能にして該閉領域データを記憶,表示又は印刷する地図データ作成方法 」。
イ請求項2(本件発明2)「地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータからベクトルデータを作成するベクトルデータ作成手段と,該ベクトルデータ作成手段により出力されるベクトルデータを線端を示す点データを含む二次元の線データに変換する二次元線データ作成手段と,該二次元線データ作成手段により出力される二次元線データを座標上の線分に変換する線分作成手段と,該線分作成手段により出力される線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し,終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成する面データ作成手段と,該面データ作成手段が作成した面データの不連続となる前記始点及び終点を報知表示する不連続点報知表示手段と,該不連続点報知表示手段による報知表示に基づいて前記始点及び終点から任意の点又は線へ接続する線データを生成すべく該接続線データを入力する装置と,該入力装置による入力に基づいて前記不連続となる始点及び終点を有する面データに対応する閉領域データを作成し,上記各閉領域データに属性データを付与可能にして該閉領域データを記憶,表示又は印刷する記憶表示印刷手段と,を有することを特徴とする地図データ作成装置 」。
( ) 構成要件の分説4本件発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,それぞれを「構成要件1A」のようにいう。。)ア本件発明11A地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータからベクトルデータを作成した後,1B該ベクトルデータを線端を示す点データを含む二次元の線データに変換し,1Cそれらの二次元線データを座標上の線分に変換し,1D該線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し,終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成して,1E該面データの前記不連続となる始点及び終点を報知表示し,1F該不連続点から任意の点又は線へ接続する線データを入力に基づいて生成することにより該面データに対応する閉領域データを作成し,1G上記各閉領域データに属性データを付与可能にして該閉領域データを記憶,表示又は印刷する1H地図データ作成方法。
イ本件発明22A地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータからベクトルデータを作成するベクトルデータ作成手段と,2B該ベクトルデータ作成手段により出力されるベクトルデータを線端を示す点データを含む二次元の線データに変換する二次元線データ作成手段と,2C該二次元線データ作成手段により出力される二次元線データを座標上の線分に変換する線分作成手段と,2D該線分作成手段により出力される線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し,終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成する面データ作成手段と,2E該面データ作成手段が作成した面データの不連続となる前記始点及び終点を報知表示する不連続点報知表示手段と,2F該不連続点報知表示手段による報知表示に基づいて前記始点及び終点から任意の点又は線へ接続する線データを生成すべく該接続線データを入力する装置と,2G該入力装置による入力に基づいて前記不連続となる始点及び終点を有する面データに対応する閉領域データを作成し,上記各閉領域データに属性データを付与可能にして該閉領域データを記憶,表示又は印刷する記憶表示印刷手段と,2Hを有することを特徴とする地図データ作成装置。
( ) 本件特許権の出願経過等5アAは,平成4年3月5日,本件発明に係る特許出願をした(特願平4-48706。乙19 。)上記特許出願について,平成6年9月30日,拒絶理由通知がされた。
これを受けて,Aは,同年12月7日,意見書(乙10)及び手続補正書を提出したものの,平成7年8月15日,拒絶査定がされた。
イAは,平成7年9月21日,拒絶査定不服審判を請求した(平7-20192 。)Aは,同年10月23日,手続補正書(乙11)及び理由補充書(乙12)を提出したが,同手続補正書は,平成8年1月5日,不受理処分を受けた。その後,平成10年1月29日,特許法36条違反を理由とする拒絶理由通知がされ,Aは,前同日,手続補正書(乙18)を提出した。
特許庁は,同年2月23日,請求を成立させる旨の審決をし,同年4月17日,特許登録された。
ウ本件特許については,平成10年12月25日,特許異議が申し立てられた。その後,平成13年3月29日,特許を維持する旨の決定がなされた。
エ被告外4名は,平成10年12月26日,本件特許について無効審判を請求した(平10-35672 (以下「本件無効審判事件」という。 ) 。)Aは,平成11年4月20日,答弁書(乙15)及び訂正請求書(乙17)を提出した。また,Aから特許権を承継したエン企画は,平成12年4月25日,意見書(乙20)を提出した。
特許庁は,平成12年12月12日,請求を不成立とする旨の審決をした(甲2 。)( ) 被告の使用する地図データ作成方法(以下「イ号方法」という )及び同6 。
作成装置(以下「イ号物件」という )の本件発明の充足性 。
イ号方法が本件発明1の構成要件1G及び1Hを充足することには争いがない。
イ号物件が本件発明2の構成要件2G及び2Hを充足することには争いがない。
2本件における争点( ) 被告の使用する地図データ作成方法(イ号方法)及び同作成装置(イ号物1件)の具体的構成(争点1)( ) イ号方法及びイ号物件が本件発明を充足するか。
2アイ号方法が構成要件1Aを充足するか(争点2-1 。)イイ号方法が構成要件1Bを充足するか(争点2-2 。)ウイ号方法が構成要件1Cを充足するか(争点2-3 。)エイ号方法が構成要件1Dを充足するか(争点2-4 。)オイ号方法が構成要件1Eを充足するか(争点2-5 。)カイ号方法が構成要件1Fを充足するか(争点2-6 。)キイ号物件が構成要件2Aないし2Fを充足するか(争点2-7 。)( ) 本件発明が特許無効審判により無効にされるべきものと認められるとし3て,特許法104条の3により権利行使が許されないものであるか。
ア本件発明が明細書の記載不備又は実施可能要件違反の無効理由を有するか(争点3-1 。)()。 イ本件発明が新規性又は進歩性欠如の無効理由を有するか 争点3-2( ) 損害の額(争点4)4第3争点に関する当事者の主張1争点1 被告の使用する地図データ作成方法 イ号方法 及び同作成装置 イ ( ()(号物件)の具体的構成)について( ) 原告の主張1アイ号方法の具体的構成は,別紙イ号方法目録@記載のとおりである(以下,原告の主張するイ号方法の構成を「イ号方法@」という。また,。)被告の製造販売する地図データ作成に関するソフトウェアは別紙イ号物件目録記載のとおりであり,その具体的構成は別紙イ号物件構成目録@記載のとおりである(以下,原告の主張するイ号物件の構成を「イ号物件@」という。。)イ被告の主張するイ号方法の具体的構成(別紙イ号方法目録A。以下,被告の主張するイ号方法の構成を「イ号方法A」という )について,次の。
とおり認否する。
)構成1は認める。
a)構成2について b地形図等を読みとって得られるラスターデータをディスプレイ画面上に表示させ,画面上の地形を画面上のカーソルでトレースする方法(オンスクリーン入力)で公図等を入力していることは認める。
ラスターデータからベクトルデータを作成する場合,オンスクリーン入力でのみ入力を行っていることは否認する。ラスター/ベクター一括変換機能を有する「」コマンドも利用しているはずである。
AT/VECTNBFオンスクリーン入力 その他の方法で入力したベクトルデータを ,ファイルに格納することは認める。
)構成3は認める。なお 「ただし」以降は不要である。
c ,)構成4についてd( )は認める。1( )について 「対象範囲内に( )( )( )がある場合には,ポリゴン作 2 iiiiii ,成の上記一連の処理を行われず」という点は否認する。
端点,重複箇所等のエラー箇所をマークファイルに格納する点は認める。
)構成5以下は認める。
e( 。, ウ被告の主張するイ号物件の具体的構成 別紙イ号物件構成目録A 以下被告の主張するイ号物件の構成を「イ号物件A」という )について,次。
のとおり認否する。
)構成1,2は認める。
a)構成3についての認否は,イ号方法Aの構成4に対する認否と同様で bある。
)構成4以下は認める。
c( ) 被告の主張2アイ号方法@について,次のとおり認否する。
)構成1は認める。
a)@構成2は否認する。被告は,地図データの作成において,ラスター b/ベクター変換機能を用いていない。
A確かにには,ラスター/ベクター一括変換機能があNIGMAS2000る。しかし,一般的に,自動でベクター化したデータは,角の位置に正確に入力されなかったり,また角に複数の点が入力されたりするため修正作業が必要となり,この修正作業と手動入力を比較した場合,手動入力の方が結局は短時間でデータを作成できるので,被告は,自ら地図データの入力を行う場合には,ラスター/ベクター一括変換機能を用いていない。
)構成3は否認する。イ号方法においては,ファイルにベクトルc NBFデータを格納してから(イ号方法@の構成3 ,コマンド) MAKEPOL(同構成5)を実行するまでの間に,格納したデータを何らかの別のデータに変換する過程は存在しない。当然,このベクトルデータの入力段階において 「当該ベクトルデータの端点をノード化してライン ,データに変換」することはない。イ号方法は,当初よりベクトルデータをフォーマットの形で取り込むのであって,それを別の内容NBFのベクトルデータに変換するということは行わない。
)構成4は否認する。
dイ号方法においては,原告のいう「ノード化 ,すなわち 「単なる 」,ベクトルデータの座標点にすぎない端点を,線分の接続情報を有する点データとして構造化すること」は行われない。イ号方法においては,未入力の交点に「座標点」を発生させ,当該座標点を端点とする複数のラインデータを作成する処理を行うだけで(イ号方法@の構成4 ,それ)Environmental Systems とは別に「線分の接続情報」を保有したデータ((以下「社」という )社製の地図を編集・加工・Research InstituteESRI 。
解析するソフトウェアである(以下,単に「」とARC/INFOARC/INFOいう )のノード・トポロジーのようなデータ)は作成されない。 。
)構成5の( )ないし( )は認める。なお,( )末尾の「該線分を所定方e144向に接続し」は争う。
構成5の( )は 「それらの線分からなる面データの閉領域データを5 ,自動的に作成し」は否認ないし争い,その余は認める。
構成5の( )は,否認する。イ号方法では,終点と始点が一致しなか6ったときには 「面データ (マップフィーチャーのうち,エリアフィ ,」ーチャー(家屋等)の位置情報及び属性情報を記憶・保存するためのベクトルデータ)は作成されない。それどころか,原告の主張する意味での「面データ (線分を所定方向に接続することによって構成される一 」本以上の線分の組合せ)も,終点と始点が一致していないときには作成されない。そもそも,イ号方法においては,ポリゴンとなるべきラインデータの終点と始点が一致していない個所が一つでもあれば,ポリゴンの自動作成処理は一切行われない。当然,線分の接続処理も行わなければ,ポリゴンも一つも作成されない。
)構成6は否認する。面データ上の不連続点など存在しない。
f,「( )」, g)構成7は該面データに対応する閉領域データとの部分を除き認める。
)構成8は認める。
h。,。 イイ号物件の製品名は認める イ号物件@について 次のとおり認否する)構成1は認める。
a)構成2ないし7は,イ号方法@の構成3ないし8に対する認否と同様 bである。
ウイ号方法の具体的構成は,別紙イ号方法目録A記載のとおりである。また,イ号物件の具体的構成は,別紙イ号物件構成目録A記載のとおりである。
2争点2-1(イ号方法が構成要件1Aを充足するか)について( ) 原告の主張1アベクトルデータの入力方法について)ベクトルデータの入力方法には,以下の方法がある。
a@デジタイザによる入力予め人手により,アーク番号,ノード番号,ポリゴンID及び補間点等を指定した計測基図を作成し,その計測基図をデジタイザに貼り付けて,入力者が計測基図に沿ってデジタイザカーソルをノード上や補間点上に移動し,アーク番号とノード番号,ポリゴンIDを入力しながら,手作業により一つ一つ閉じた面データを入力する手法Aオンスクリーン入力図面をスキャナーで読み込むことによって得られたラスターデータをディスプレイ画面上に表示させ,地図データの端点・頂点等をクリックすることによってデータ入力する手法(面データの作成を伴わない )。
B半自動入力方式図面をスキャナーで読み込むことによって得られたラスターデータをディスプレイ画面上に表示させ,地図データ上の入力したいラインの開始点等をクリックすることにより,コンピュータがラスターデータのラインを自動的に識別し,当該ラインの点を適当な間隔で自動的に取得する方法(面データの作成を伴わない )。
C自動入力方式図面をスキャナーで読み込むことによって得られたラスターデータをコンピュータ処理によって自動的にベクトルデータに変換する方法(面データの作成を伴わない )。
)オンスクリーン入力とデジタイザによる入力の相違点bオンスクリーン入力とデジタイザによる入力とは以下の点で大きく異なっている。
@デジタイザによる入力においては,データ入力に先立ち,入力に使用する複雑な計測基図を正確に作成することが必要とされ,この計測基図の作成に多額の人件費を要する。これに対し,オンスクリーン入力によるデータ入力においては,デジタイザ入力のような複雑な計測基図の作成はなされておらず,原図とほぼ同様の図面がラスターデータとして用いられている。なお,デジタイザによる入力に際し予め計測基図を作成するのは,ノードの入力やノード番号・ポリゴンID等の様々な情報の入力が必要とされる(ただし,デジタイザの種類により若干違いがあり得る )ために,データ入力を行う作業者が円滑に 。
作業できるようにするためである。これに対し,オンスクリーン入力に際しては,ラスターデータをクリックすれば足り,デジタイザによる入力のようなノード番号やライン番号,ポリゴンIDのような情報の入力は不要であるから,複雑な計測基図の作成は必要とされない。
Aデータ入力に際し,デジタイザによる入力では,各ノードにつきノード番号の入力が必要とされ,また各ラインにつきライン番号,始点・終点のノード番号,ラインの左右に位置するポリゴンのIDといった様々な情報の入力が必要とされる(ただし,デジタイザの種類により若干違いがあり得る。これに対し,オンスクリーン入力は単に 。)ラスターデータのマップフィーチャーの頂点等の上にマウスカーソルを移動させた上でマウスをクリックすれば足り,ノード番号等の情報の入力を必要としない。
これらの相違点により,オンスクリーン入力は,従来技術として本件発明の技術的範囲から除外されるデジタイザによる入力よりも飛躍的に簡便なデータ入力方式となっており,デジタイザによる入力とは全く異なるデータ入力方式である。
構成要件1Aにおけるラスターデータからベクトルデータを作成する手法には,自動入力方式のみならず半自動入力方式及びオンスクリーン入力も当然に含まれる。なお,従来技術であるデジタイザによる入力は,これに含まれない。
)請求項の文言上,構成要件1Aにはオンスクリーン入力が含まれるこaとについて構成要件1Aの「作成」という用語の通常の語義からして,ラスターデータからベクトルデータを作成する手法は自動入力方式に限定されない。すなわち 「作成」の意味は「つくりあげること」程度の意味であ ,るにすぎず(広辞苑 ,その手法について何らかの限定を加える意味は )存在しない。
さらに,本件特許権の請求項において 「作成」と「変換 ・ 自動的 ,」「に作成」とは区別して用いられており,これらの語の使用法に着目すれば,構成要件1Aが手動によるオンスクリーン入力を除外するものでないことは明らかである。
, , すなわち 本件特許権の請求項に記載された各データ処理過程のうち作業者による手作業の介在なくコンピュータにより自動的に処理されることが予定されたデータ処理過程については 「変換」ないし「自動的 ,に作成」の語が用いられている(構成要件1B「ベクトルデータを…二次元の線データに変換 ,同1C「線データを座標上の線分に変換 , 」 」同1D「閉領域データを自動的に作成。これらに対し,構成要件1 」)Aには「作成」の語が用いられているのみであり,データ入力方式を自動入力方式に限定する余地はない。
実際,構成要件1Aと同様にデータ処理過程に手作業が介在することがあり得る構成要件1Dには「該不連続点から任意の点又は線へ接続する線データを入力に基づいて生成することにより面データに対応する閉領域データを作成して 」と記載されている。この点からも 「変換 , , ,」「自動的に作成」及び「作成」の用語は区別して使用されていることが明らかであり,構成要件1Aの文言解釈ないし文理解釈として,データ入力方法は自動入力方式に限定されると解することはできない。
このように,請求項において 「作成」という用語は 「変換」ない ,,し「自動的に作成」という用語と明確に区別して使用されていることは明らかであり,作業者による手作業が介在し得ることも予定されている場合に,単なる「作成」という用語が使用されるのである。
したがって,構成要件1Aにおいても作業者の手作業が介在することも予定されているのであって 「ラスターデータからベクトルデータを ,作成」する手法にはオンスクリーン入力も含まれるというべきである。
)当業者の認識についてb@構成要件1Aに接した当業者は,構成要件1Aをオンスクリーン入力をも予定したものとして理解する。なぜなら,本件発明の出願時においても,オンスクリーン入力も当業者にとってラスターデータからベクトルデータを作成するための一般的手法の一つだったのであり,「ラスターデータからベクトルデータを作成」との記載を見た当業者であれば,オンスクリーン入力による実施を除外して解釈することはあり得ないからである。
Aラスターデータからベクトルデータを取得する方法としては,自動入力方式,半自動入力方式及びオンスクリーン入力等が相互に併用ないし一環として利用されるのが通常である 「ラスターデータからベ 。
クトルデータを作成」する手法をことさらに分類・区別した上で,あえて自動入力方式のみに限定されると解釈することは,当業者にとっても極めて不合理な解釈である。
すなわち,自動入力方式,半自動入力方式及びオンスクリーン入力方式の各方法はそれぞれ長所,短所を有しているため,出願当時はもとより,現在においてもなお,ラスターデータからベクトルデータを作成するにあたり,これらのいずれかだけを単独で用いることはむしろ少なく,相互補完的に併用されるのが通常である。例えば,自動入力方式のみによってエラーのないベクトルデータを得ることは未だにほぼ不可能であり,通常は,得られたベクトルデータに含まれるエラーを,例えば自動入力方式のシステムに組み込まれたオンスクリーン。, 入力装置等によって修正する作業が当然に行われている このように自動入力方式は,半自動入力方式及びオンスクリーン入力と相互に併用して,あるいはこれらと組み合わされた一つのシステムとして地図作成に利用されることが通常であることは当業者の一般認識である。
オンスクリーン入力方式を含め各方式を相互に併用することが通常であるとの当業者の一般認識からすれば,構成要件1Aの「ラスターデータからベクトルデータを作成」との文言は,いわゆるラスターデータからベクトルデータを取得する方法全般を指すものと解されるはずであり,自動入力方式のみによるデータ入力を意味するものとは解されない。
実質的に考えても,ラスターデータからベクトルデータを作成する手法は,ラスターデータを用いてベクトルデータを作成する点を共通項とする以外はその区別もごく相対的なものにすぎず,厳密にどこまでが自動でどこからが半自動であり,あるいは手動かなどを区別すること自体不可能ですらある。
したがって,構成要件1Aを「ラスターデータから自動的にベクトルデータを作成する」との意味に限定解釈することは,文言に反するのみならず,当業者の常識に照らしても不自然というほかない。
ウイ号方法@の構成2の「地形図等を読み取って得られるラスターデータをディスプレイ上画面上に表示させ,画面上の地形等のラスターデータを画面上のカーソルでトレースする方法」はオンスクリーン入力に他ならないので,構成要件1Aを充足する。
( ) 被告の主張2アベクトルデータの入力方法についてベクトルデータの入力方法を「デジタイザによる入力「オンスクリ」,ーン入力「半自動入力方式」及び「自動入力方式」の四つに分類する 」,ことは認め 各入力方法の定義については否認する 特に 原告による デ , 。,「ジタイザによる入力」の定義は明らかに虚偽ないし誤解を含んだものであり,到底認められない。デジタイザによる入力とオンスクリーン入力とで異なる点は,トレースする対象が紙の地図かラスターデータかという点のみである。
)オンスクリーン入力の場合にも,デジタイザによる入力の場合と同程a度の計測基図の作成が必要である(なお,その際に,ノード番号,ライン番号等の情報の記載は不要である。ちなみに,自動入力方式及び 。)半自動入力方式についても,計測基図の作成を要する。
デジタイザ入力の場合には計測基図をそのままデジタイザ板に貼り付けてトレース作業を行うのに対し,オンスクリーン入力の場合には該計測基図を一旦ラスターデータとして取り込み,スクリーン上に表示した当該ラスターデータに対してトレース作業を行う点で異なるのみである。
)データ入力の際にいかなる情報を入力する必要があるか(その前提とbして,計測基図にいかなる情報を書き込んでおく必要があるか)は,デジタイザによる入力かオンスクリーン入力かによって異なってくるものではなく,地図データの加工・編集・解析用ソフトとしてどのソフトウェアを用いるかによるものである。そして,を地図データの ARC/INFO加工・編集・解析用ソフトとして用いた場合には,入力方法としてデジタイザ入力を選んだとしても,少なくとも原告が例示するノード番号,各ラインにつきライン番号,始点,終点のノード番号,及びラインの左右に位置するポリゴンのIDの入力は不要である。
)オンスクリーン入力は,トレース作業をかける対象をスクリーン上にc表示されたラスターデータとすることによって,基図と入力データの双方を見ながら入力する必要をなくしたことによって入力効率を上げようという発想である。一方,本件発明は,トレース作業自体を省こうという発想であって,両者は技術的思想が全く異なる。したがって,本件発明からみれば,オンスクリーン入力も,デジタイザ入力と同様に,本件発明によって克服すべき課題(トレースという手数のかかる手作業が必要であるという課題)を依然包含したままの従来技術にすぎないから,, , 本件発明との対比の上では デジタイザ入力とオンスクリーン入力とは実質的に同一と評価されるものである。
構成要件1Aの「ラスターデータからベクトルデータを作成」との文言は,本件明細書の記載及び本件特許権の出願経過における出願人の意見などを参酌すれば 「ラスターデータから自動的にベクトルデータを作成す ,る」ことを意味しているとしか解せないものであり,少なくとも,デジタイザ入力やイ号方法のようなオンスクリーン入力のように,手動でトレースする作業が必要なベクトルデータの入力方法は,本件発明の技術的範囲から意識的に除外されているものである。
)@本件明細書の記載をみれば,構成要件1Aの「ラスターデータからaベクトルデータを作成」は自動入力方式に限定されることは明らかである。
すなわち,本件明細書の発明の詳細な説明は,手動入力方式について「上述のデジタイザによる面データの入力作業は熟練を要し,極めて手数のかかる作業である。従って,人件費が地図情報作成コストの50%以上,ときには90%以上を占めるとさえいわれ,その総体的費用は極めて高価である( 0006 )と述べ,従来技術の問題 。」【】点を「このように,従来は,地図データの輪郭線データを手作業で入力しなければならず,…一貫して自動的に地図情報を作成する方法も装置も存在しなかった 」とし( 0008,本発明の目的を「本 。【】)発明は,上記従来の実情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,地域や地点毎に属性を付与可能なように保存した地図情報を大幅に効率良く自動的に作成することが容易にできる地図データ作成方法及び装置を提供することである 」とし( 0009,本 。【】)発明の効果を「本発明によれば,地形図等の原図を読み取って自動的に作成されたベクトル線データを面データに変換し,その不連続部を修正して閉領域データを作成することが迅速かつ容易にできるので,…地図情報制作の費用を大幅に削減することが可能となる 」と記載。
している( 0046。このとおり,本件明細書の記載は 「地形 【】) ,図等の原図を読み取って自動的に作成されたベクトル線データ ( 0」【046,すなわち「自動入力方式」により取得されたベクトルデ 】)ータから面データを作成することを当然の前提としているのである。
また,実施例には自動入力方式の記載しかなく( 0012,オン【】)スクリーン入力や半自動入力の記載が一切ない。
上記の本件明細書の記載からすれば,本件発明の目的及び効果が,膨大な手間のかかるデジタイズという手作業を排除して,地図情報作成費を削減する点にあることは明白であるから 「手動入力方式」が,本件発明の技術的範囲に含まれると解釈することは,本件明細書の記載にある発明の目的・効果と完全に矛盾するので,そのような解釈は採り得ないのである。
Aデジタイザ入力であろうが,オンスクリーン入力であろうが,自動入力であろうが,ベクトルデータを取得した後の処理は,本件発明の出願時以前から,全く同じである(少なくともARC/INFOではそうである。ARC/INFOを用いた場合には,どの入力方法を用いた場合であっても,ベクトルデータをカバレッジとして取り込んだ後は,CLEANの実行など同じ処理をすることになる。人手による作業量が異なるの 。), 。, は ベクトルデータを入力する段階しかないのである そうであれば本件明細書の「自動的」との用語は,ベクトルデータを入力する過程についての言及としか考えられない。
したがって,本件明細書の「自動的」との用語は,デジタイザによる入力(及びオンスクリーン入力)において必要なトレース作業(x,y座標を取得する点を1点1点カーソルないしマウスでクリックする) 。 作業 を必要としない状態を表しているとしか解することができないB本件明細書には,自動入力方式を前提とした実施例の記載( 00【12 )があるのみで,それ以外の入力方式が本件発明に適用できる 】ことを具体的に示した記載は存在しない。他の入力方法を適用した場合と自動入力方式を適用した場合との効果の相違を比較した記載も,当然存在しない。このとおり,本件には,自動入力方式以外の入力方式を適用した場合の記載及びそれと自動入力方式を適用した場合との効果の相違についての記載は存在しないのであるから,本件明細書の【発明の効果】欄の記載( 0046 )が「本件発明と自動入力方 【】式とを組み合わせた際に最も大きな効果を発揮するという趣旨」であるはずがない。
加えて,一部の実施例のみが奏する効果を特許発明そのものの効果として主張できないことは当然であることからしても,本件発明そのものの効果を記す本件明細書の【発明の効果】欄の記載が 「本件発,明と自動入力方式とを組み合わせた際に最も大きな効果を発揮するという趣旨」であるはずがない。
C本件明細書には,出願時のデジタイザ入力の状況( 0004,【】)出願時の自動入力の状況( 0005,出願時のデジタイザ入力の 【】)問題点( 0006,出願時の自動入力の問題点( 0007, 【】) 【】)両入力方法の状況・問題点,従来存在しなかった方法(一貫して自動的に地図情報を作成する方法)の提示( 0008,本件発明の目 【】)的(上記従来存在しなかった方法の提供 ( 0009 )が記載され )【】ている。
上記のとおり,本件発明は,従来のデジタイザ入力の欠点(手作業であること)と,従来の自動入力の欠点(属性付与ができないこと)を同時に解決したもの,すなわち 「自動入力で,且つ,属性付与可 ,能な面データを作成できる方法」を開示するものであることは明らかである。
Dデジタイザ入力との関係のみで本件発明を見れば,本件発明はデジタイザ入力の「手作業で地図上の区域や地点の縁に沿って入力端末を移動させ,この入力端末の移動データを区域や地点の輪郭線を表す面データとしてコンピュータに入力」する状況( 0004「地図【】),の輪郭線データを手作業で入力しなければなら」なかった状況( 0【008 )を改善したものであり,本件発明の本質が,この点にある 】ことは明白である。
そして 【0004】のいう「手作業で地図上の区域や地点の縁に ,沿って入力端末を移動」する作業,及び 【0008】のいう「地図 ,データの輪郭線データを手作業で入力」する作業とは,まさに「トレース作業(マップフィーチャーの座標を取得する点を1点1点カx,yーソルないしマウスでクリックする作業 」のことを指していること )も,明らかである。
このとおり,本件発明の本質は,自動入力を用いて属性付与可能な面データを作成できる方法を提示した点にあり,すなわち,デジタイザ入力で必要とされたトレース作業を排した点にあることは明らかである。
E原告は 「本件発明は,従来不可能であったベクトルデータから面 ,データへの自動的なデータ変換を可能にすることにより,デジタイザによる面データ入力作業を経ずに面データの入力ができるようにしたものであり,本件発明の本質はこの点にある 」と主張する。。
しかし 本件明細書にはそのような記載は存しない そもそもベ , 。,「クトルデータから面データへの自動的なデータ変換」という点は,本件特許権の優先日前から,ARC/INFOが実現していた点である。すなわち 「ベクトルデータから面データへの自動的なデータ変換」とは, ,構成要件1Bないし1Dに対応するものであり,構成要件1BはARC/INFOのDXFARCコマンド等,構成要件1C及び1DはARC/INFOのCLEANコマンドで,既に実現済みである。
このように,従来技術において既に実現されていた点が,新規な技術上の創作であるべき特許発明の本質になり得るはずがない。
)平成6年9月30日付拒絶理由通知書に対する出願人の平成6年12b月7日付意見書において,出願人(A)は,本件発明は「イメージスキャナから得られるラスターデータから自動的に二次元のベクトル線データ及び点データを作成」するものであると説明している。
同意見書は,@本件発明が「デジタイザによる煩雑な入力や原図をトレースする手数をかけることなく,面データを作成」するものであると明確に述べており,さらに,A本件発明において人手を要する作業についてはその旨をきちんと説明している( この表示に基づいてオペレー 「タが正しい接続線を入力し」との記載参照 。これらの点を踏まえて同 )意見書の上記記載を読めば 同記載における 自動的に との文言が 全 ,「」「く人手(デジタイズないしトレースする作業)を介さないで」という意味であり,また,同記載全体の意味が「ラスターデータから(ベクトルデータを作成し,それから)二次元のベクトルデータを作成するまでの全過程を 『自動的に ,すなわちデジタイズないしトレースするとい ,』う手作業を介することなく作成する」という意味であることは明白である。
)拒絶査定不服審判(平成7年審判第20192号)における平成7年c10月23日付手続補正書及び同日付審判理由補充書においても,出願人(A)は,本件発明は「人手によりトレース入力することなく自動的に作成する」ものであると説明している。
前記審判理由補充書が引用する「経済的な地図情報システムにむけての**の挑戦」には 「ディジタイザの上に入力原稿を張り付ける替わ ,, 」 りにスキャナーで入力し ディスプレイ上でディジタイズするシステムが紹介されているところ,このシステムの入力方式は,まさにイ号方法。,() ,「, と同じである この入力方式に対して 出願人 A は本願発明は原図をトレースするものではありません 」と述べ,本件発明の入力方 。
法とは異なる旨述べているのである。
このとおり,少なくともイ号方法のような入力方式(ディスプレイ上のラスターデータをデジタイズする入力方式)が本件発明の技術的範囲から意識的に除外されていることは明らかである。
,()d)福岡高裁平成14年(ネ)第31号事件は 当該事件の被告 被控訴人の地図データ作成方法が,本件特許権を侵害するか否かにつき,当該事件の被告とエン企画との間で争われた事件である。この事件において,エン企画は,当該事件の被告(被控訴人)のベクトルデータの購入先である株式会社きもとの使用した製品は「スキャナ読込みによる面データ自動作成の機能を備えているものであり ,これが株式会社きもとのデ 」ータ入力方法である旨主張していた。これに対し,福岡高裁平成15年11月25日判決は 「株式会社きもとがエン企画主張の方法(スキャ ,ナを用いて原図から読み取ったラスターデータをベクトルデータに自動的に変換する方法)を使用していたとの事実を認めるに足りる証拠はない 」と判示している。上記エン企画の主張は,本件発明のデータ入力 。
方法が「ラスターデータをベクトルデータに自動的に変換する方法」であることを前提とするものであり,また上記判決も同様である。
また,上記判決の認定するように,本件発明の本質は 「デジタイズ,(トレース)という熟練を要する手作業を排して地図作成の時間を短縮した」点にあるのであるから,本件発明の技術的範囲に,イ号方法のようなデジタイズないしトレースという手作業を要する入力方式を用いるものが含まれると解釈するのは背理である。
)Aが,無効審判(平成10年審判第35672号)において,本件発e明の効果を証する証拠として提出した「乙第3号証:地図データの入力方式」は 「地理情報システムの問題点」を「いかに安い経費で地図を ,入力するかが地理情報システムの問題となっていると述べた上で 4。」(頁 ,現在使用されている地図入力の方式として「手動入力方式「半 ) 」,自動入力方式「自動入力方式」を各々説明し(5ないし7頁 ,それ 」, )から「N方式」を説明し(8頁 ,前三者を「現行方式」とまとめた上 )で「N方式」との工程を比較した表を示し(9頁 ,続いて4方式の作)業時間を比較し 「N方式は,現行方式に比較して作業時間が劇的に減 ,。」(),「」() 少していると述べ 10頁さらに現行方式と 西方式N方式の経費を比較し,現行方式円,西方式円と算定した上1,500,00070,200(11頁 ,最後に結論として「地図入力の経費のほとんどは人件費で )ある。したがって入力経費を削減するには人的な作業時間を減らすことである。当然『手動入力『半自動入力『自動入力』の順で作業時 』,』,間は減少する。つまり,地図入力の経費削減の方法として『自動入力』が有効である。しかしながら,現在『自動入力』を実作業に取り入れているところは以下のような基本的な問題を抱えている … N方式は 自。 。『動入力方式』の基本的な問題点をすべて解決している。N方式と現在の自動入力方式との相違点は以下の3点である。…。以上,N方式は従来方式に比較して『経費 『精度』ともに格段の進歩がある 」と述べる 』 。
(12頁 。)上記「N方式」ないし「西方式」の「N」及び「西」が本件発明の発明者であるAを示していることは明らかであること 上記書面の示す 地,「図データ入力にかかる経費の削減」という課題が本件発明の解決すべき課題と同じであること( 0006,及び,上記書面では 「N方式」 【】),ないし「西方式」を採用したことで同課題が解決したとされていることからすれば,上記書面の「N方式」ないし「西方式」は,本件発明の一実施例などではなく,本件発明そのものを意味していること,及び,無効審判当時の本件特許権者も 「N方式」が本件発明そのものを意味す ,ることを前提に上記書面を提出したことは明白である(そもそも,上記書面の「N方式」の説明は,一実施例というにはあまりに記載が抽象的である。。)そして,上記書面の記載により,本件発明は従来の自動入力方式の問題点を改善したものであるという本件発明の位置づけが明らかにされて, , いるので 本件発明の構成要件1Aが自動入力方式に限定されることは上記書面からも明らかである。
)「発明」の定義に照らせば,自動入力方式を規定したものと解さざるfを得ない。
「発明」とは 「自然法則を利用した技術的思想創作のうち高度の ,もの」をいう。したがって 「人間の精神活動」に該当するものは 「自 , ,然法則を利用したもの」とはいえず 「発明」に該当しない。 ,仮に,構成要件1Aに,自動入力のみならず手動入力及び半自動入力も含まれるとすれば,本件発明は単なる「人間の精神活動」ということになり 「発明」に該当しないことになる。なぜなら,手動入力も半自 ,動入力も,ベクトルデータを作成するに当たってオペレーターの判断が介在するものだからである。
)本件発明2は,装置の発明(物の発明)である以上,そこに人間の精g神活動が介在してはならないはずである。よって,構成要件2Aの「地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータからベクトルデータを作成する手段」は,明らかに自動入力方式のみを規定していることになる。このことは,同手段に相当する実施例の説明( 0012 )が【】自動入力方式の説明をしていることからも明らかである。
したがって,構成要件2Aにそのまま対応する本件発明1の構成要件1Aも,自動入力方式しか含まれないことは明らかである。
以上のとおりであるから,構成要件1Aは「ラスターデータから自動的にベクトルデータを作成」すること,すなわち自動入力方式に限定されることは明らかである。これと異なる解釈を原告が主張することは,出願経過における出願人の意見等に照らせば,禁反言の法理に反し許されない。
また,仮に自動入力のみならず,手動入力及び半自動入力をも含むとすれば,本件特許権は記載不備により無効である。
構成要件1Aは自動入力方式に限定されるものであるから,自動入力方式でないイ号方法Aの構成2は,同構成要件を充足しない。
( ) 被告の主張に対する原告の反論3ア「ラスターデータからベクトルデータを作成」との文言を「ラスターデータから自動的にベクトルデータを作成する」との意味に限定解釈すべきとの被告の解釈は誤りである。
)本件明細書の【0001【0008【0009【0046】のa 】,】,】,,「 」 記載は いずれも ラスターデータからベクトルデータを作成する方法(構成要件1A)を限定するものではない。
@本件発明の最大の画期性は,座標点列にすぎないベクトルデータを「アーク・ノード構造」を有する線データに変換してなARC/INFOどに処理させることにより,面データの作成をベクトルデータの段階から大幅な自動化をもって一貫してできるようになったという点にある。すなわち,本件発明は,ラスターデータからベクトルデータを作成する従来技術と,において見られたポリゴン作成機能のARC/INFO技術を架橋し,ベクトルデータから二次元の線データの変換を自動化するという,当時存在しなかった発想及び技術に基づき完成したのである。
したがって,本件明細書においては,デジタイザを利用して原図を人手によりトレースし,アーク,ノード,ポリゴンユーザIDをのカバレッジデータとして直接入力するような従来技術とARC/INFO本件発明を対比するために 「自動的」との用語を総括的に用いてい ,るのであり,地図データ作成のすべての工程において人手による作業を含まないことを意味するものではない。現に,被告指摘にかかる本件明細書の前記各記載をみても,従来技術である「ラスターデータからベクトルデータを作成する方法」そのものを自動入力方式に限定するような記載は一切存在しない。
A本件明細書の【0001【0008【0009】に記載され 】,】,「」,「 」 た 自動的 の文言はラスターデータからベクトルデータを作成する手段については何ら述べておらず,ベクトルデータ作成の手法を限定する根拠とはならない。すなわち,当該「自動的」の文言は「地図情報の作成」に係っていることから明らかなとおり,原図の読み取りから閉領域データの作成・記憶に至るまでの一連の作業について述べたものである。本件明細書では,かかる一連の作業について,従来技術であるデジタイザを用いた手作業による面データの入力と本件発明の手法とを対比する趣旨で「自動的」との用語が用いられているのであり,ラスターデータからベクトルデータを作成する個別的な過程について何ら述べるものではない。また 【0046】には,ベクト ,ルデータを「自動的に」作成するものと記載されている。しかし,これは本件発明と自動入力方式とを組み合わせた際に最も大きな効果を発揮するという趣旨で「発明の効果」として挙げたものであるから,やはり本件発明の技術的範囲が自動入力方式に限定されることを示したものではなく,被告の主張は失当である。
B本件発明は,従来行われてきたデジタイザによる面データの入力が非常に手間のかかる入力方法であったことを踏まえ,面データの入力に要する労力を軽減することを目的とする( 0009。このこと 【】)は,本件明細書上,従来技術の問題点として面データの入力作業が手数のかかる作業であることが明確に指摘されていることからも明らかである( 0006。【】)そして,かかる目的実現の手段として,本件発明は,デジタイザによる面データの入力を経ずにベクトルデータから自動的に面データを発生させることを可能にしたものである( 0010。すなわち, 【】)本件発明は,従来不可能であったベクトルデータから面データへの自動的なデータ変換を可能にすることにより,デジタイザによる面データ入力作業を経ずに面データの入力ができるようにしたものであり,本件発明の本質は 「ベクトルデータから面データへの自動変換」を ,可能にしたことにある。したがって,自動入力方式を利用しようが,「オンスクリーン入力」を利用しようが 「ベクトルデータから面デ ,ータへの自動的なデータ変換」という本件発明の本質を利用する以上は,その技術的な範囲に含まれるものである。
これに対し,被告はトレース作業を排したことが本件発明の本質で。, , ある旨主張する しかし 本件明細書にそのような記載は全くないしトレース作業を排しつつベクトルデータを取得する方法は従来から確立されていた技術であって( 0005,そのような点が本件発明 【】)の本質となるはずがない。
以上より,本件発明の本質に照らしても,構成要件1Aは「オンスクリーン入力」を除外するものではない。
)平成6年9月30日付拒絶理由通知書に対する出願人の平成6年12b月7日付意見書の記載における「イメージスキャナから得られるラスターデータから自動的に二次元のベクトル線データ及び点データを作成した上で」との記載は,限定解釈の根拠とならない。
上記記載は,その文言からも明らかなとおり 「二次元のベクトル線 ,データ」が自動的に作成されることを示しているのであって,構成要件1Aで示されている「一次元のベクトルデータ」を作成する手法については何ら述べていない。したがって,上記記載を根拠に「一次元のベクトルデータ」を作成する手法が自動入力方式に限定されると解釈することは不可能である。
また,同意見書の「本件発明は原図をトレースするものではありません 」との記載は,本件明細書で従来技術として示されたデジタイザに 。
よる入力との比較による進歩性を述べたものであるところ,そこで用いられた「原図をトレース」の語は,デジタイザによる入力にあたって必要な計測基図の作成作業を意味する趣旨で用いられたものである。すなわち,デジタイザによる入力にあたって計測基図の作成行為は「トレース」作業と称されており,上記記載は,あくまでデジタイザによる入力の場合に必要とされていた複雑な計測基図の作成が本件発明により不要になったことを意味している。
被告は 「本件発明において人手を要する作業を示す際には,人手を ,要する旨をきちんと説明している 」旨主張する。しかし,不連続点の 。
修正作業につき人手を要する旨が説明されているからといって,説明のないそれ以外の作業がすべて人手を介さないで行われると解釈することはできない。
)拒絶査定不服審判(平成7年審判第20192号)における平成7年c10月23日付手続補正書及び同日付審判理由補充書における,本件発明が「人手によりトレース入力することなく自動的に作成する」ものであるとの記載は,限定解釈の根拠とならない。
上記記載は,その前の「紙面に印刷された原図をディジタイザでなぞって個々の閉領域面データを入力していた作業を,表示画面上の線描画をトレースして行うようにしたもの」に引き続く記述であり,当該記述から明らかなとおり,該当部分を含む一連の記述は「閉領域面データの入力」方法につき述べたものである。すなわち,被告の指摘する記述の趣旨は 「本願発明は,原図をトレースする(ことにより閉領域面デー ,タを入力する)ものではありません 」というものであり(なお,本件 。
発明では後の処理で面データが自動作成される,ベクトルデータの。)作成方法には何ら言及していないから,当該記述を根拠にベクトルデータの作成方法を限定解釈することは許されない。
)福岡高裁平成14年(ネ)第31号判決は,デジタイザを利用して原図dを人手によりトレースし,アーク,ノード,ポリゴンユーザIDをのカバレッジデータとして直接入力するような場合が本件発 ARC/INFO明に該当しないという当然の事実を明らかにしたものにすぎず,同判決中に本件発明の構成要件1Aの限定解釈を認める記載は一切存在しない。
)本件明細書及び地理情報システム構築支援事業研究委員会作成に係るe「地図データの入力方式」には,本件発明が「地図データの入力方式」に記載されている「N方式」に限定されるなどという記載は一切存在しない 「N方式」は本件発明の一実施例にすぎないのであって,本件発 。
明が「N方式」のみに限定されることはない。原告は,無効審判の際,本件発明を最も効果的な形で(自動入力方式と組み合わせて)利用すれば,相場の22分の1の破格の低価格を実現することができるという事実を強調するために前記文書を提出したのであって,本件発明の構成がN方式に限定されると主張する趣旨でないことは明らかである。
)特許庁の審査基準第U部第1章1.1.( )は 「発明を特定するためf 4 ,の事項に自然法則を利用していない部分があっても,請求項に係る発明,, が全体として自然法則を利用していると判断されるときは その発明は自然法則を利用したものとなる 」と規定し,全体として自然法則を利 。
用していると評価できればむしろ発明性が存在することを明確にしている。
したがって,本件発明の一部を構成する構成要件1Aに手動入力及び半自動入力が含まれると解した場合であっても,構成要件1Aないし1Hからなる本件発明が全体として自然法則を利用しており,発明性が失われるわけではないことは明らかである。
以上のとおりであるから,構成要件1Aは,作成方法が完全に自動的であると,半自動的であると,手動であるとを問わず,いずれの入力方式も含むものである(なお,デジタイザを利用して原図を人手によりトレースし,アーク,ノード,ポリゴンユーザIDをのカバレッジデ ARC/INFOータとして直接入力するような場合は含まれない。。)3争点2-2(イ号方法が構成要件1Bを充足するか)について( ) 原告の主張1ア構成要件1Bは,座標点列の形式をとる一次元ベクトルデータを,アーク・ノード構造化が可能な形式のファイルに書き込み二次元のベクトルデータを作成することを意味する。ここで,アーク・ノード構造とは,ノード(点)がアーク(線)を構成するように,ノード,アークの各データが関係付けられたデータ構造である。そして 「二次元の線データ」とは, ,アーク・ノード構造化が可能なデータ構造を有するファイルに書き込まれた線データの意味である。
記載不備を述べる被告の主張に対しては,後記9,( )ア)のとおり反2b論する。
また,Dファイルは,本件発明の一実施例にすぎず,ファイルはDLG(【】,【】)。, さらに当該実施例の一例にすぎない00110018そして本件明細書は 実施例であるDファイルの構成を明確に示すとともに0 , (【018 ,図2 ,さらに具体例として当業者にとって周知なファイル形 】)式であるファイルを挙げることにより( 0018,当業者としDLG 【】)てはDファイルに相当する任意のファイル形式(Dファイルと同一とは限らない )を選択して,本件発明を実施することが可能となっている。 。
したがって,構成要件1Bにおける「二次元の線データ」のファイル構。 造がDファイルないしファイルの各構造に限定されるものではないDLGイ )イ号方法のファイルは,二次元の線データ形式のファイルであ aNBFる。フォーマットはその内容を開示していないものの 「ベクターNBF ,データの位相構造に対応したファイルフォーマットです「これによ。」,り,一例では国土地理院刊行の『数値地図2500空間データ』に格納されている位相構造をそのまま読み込むことが可能となります「図。」,形の種類・線データ・ポリゴンデータ・円弧データ・円データ・注記デ。」 ータ・シンボルデータ・グループ固形データ・従来と同様の図形です(甲4の1の189頁)などと記載されていることから,このフNBFォーマットは座標点列としてのベクターデータではなく,構造化されたデータフォーマットであることが示されている。ファイルが位相NBF構造(アーク・ノード構造)を保有できるベクトルデータフォーマットであることは被告も認めている。
bNBF MAKEPOL )被告は,ファイルにベクトルデータを格納してからコマンド等を実行するまで,格納したデータを何らかの別のデータに変換する過程は存在しないので,構成要件1Bに該当しないと主張する。
しかし,@コンピュータの性能の向上やソフトの開発により,コンピュータは計算処理能力や記憶能力が格段に向上した。この結果,従来はデータファイルに一旦格納する必要があったデータをファイルに格納せず,計算処理のみで最終データまで作成することができるようになった。
したがって,データファイルに格納していた中間データをデータファイルに格納しなかったり,最低限必要なデータのみをデータファイルに格納することが可能になってきた。
このような場合,取得したデータをデータファイルに一旦格納するか否かは単なるプログラムの設計上の派生的問題にすぎず,プログラム全体の基本設計とは関連しない。
Aところで,イ号方法では,オンスクリーン入力をする場合,始点,経過点,終点を画面上のカーソルでクリックしてデータファイルに入力する。この場合,始点,経過点,終点の各ベクトルデータを入力することによって,これらのベクトルデータによる線データを作成していると考えられる。すると,イ号方法でも,このような線データをLファイルのようなデータファイルには格納はしないものの,点列デーNBF タとして一度は保有することになる。このような点列データをフォーマットに格納するのであるから,イ号方法は,本件明細書におけるLファイルからDファイルに線データを格納して,線データを変換するのと全く同様の作業を行っていることになる。異なるのは,実施例においては,線データを一旦Lファイルに格納する一方で,イ号方法では,Lファイルを作成せず,直接,構造化が可能なデータファイルに格納するということにすぎない。
B構成要件1Bは 「ベクトルデータを線端を示す点データを含む二 ,次元の線データに変換し」としており,ベクトルデータを二次元の線データに変換することのみを記載してあって,ベクトルデータを一旦何らかのデータファイルに格納することを要求していない。実施例では,Lファイルというデータファイルを作成したが,これは単なる実施例にすぎず,構成要件1BはLファイルの作成を要求していない。
Cしたがって,線データのベクトルデータをLファイルに格納せず,直接構造化可能な二次元のデータファイルに格納していようと,あるいは,線データを構成する各点のベクトルデータを二次元のデータファイルに格納していようと,ベクトルデータは二次元の線データファイルに格納されている。そして,データ概念は,データ内容だけでなく,データ構造若しくはファイル形式の概念も含んでいる。よって,イ号方法が構成要件1Bを充足することは明らかである。
( ) 被告の主張2原告は 「構成要件1Bは,ベクトルデータから『アーク・ノード構造』 ,を有するデータを作成するために,まず,前記ベクトルデータを構成する座標点列データを,アーク・ノード構造化の可能な形式のファイルに書き込むことを意味する 」と主張する。しかし,そのような解釈を許す記載は,本 。
件明細書のどこにも存在せず(特に 「アーク・ノード構造」ないし「アー ,ク・ノードの構造化」という言葉は,本件明細書のどこにも登場しない,。)失当である。
構成要件1Bは,@そもそも意味不明であり,記載不備の無効理由を構成し,A記載不備でないとしても 「二次元の線データ」の意味は「Dファイ ,ルに格納されたデータ」の意味に限定されるべきであり,さらに「Dファイル」は 「ファイル」の意味に限定されるべきである。 ,DLGア記載不備について)「二次元の線データ」の意味が本件明細書の記載を参酌しても不明でaあるから,そもそも記載不備である。
「ベクトルデータ」という用語は,地図データ作成の技術分野においては,一般に,二次元又は三次元のデータを意味する。加えて,点データ,線データ又は面データを意味する。したがって,二次元で,線データであるベクトルデータは 「二次元の線データ」と同義である。 ,一方,本件明細書における「ベクトルデータ」は 【0016】等の,記載を勘案すると,線データを表すと理解される。線データは二次元であることを勘案すると,結局,構成要件1Bは「二次元のベクトルデータを二次元のベクトルデータに変換すること」を意味することになり,その技術的意義は不明である。
なお,請求項上 「二次元の線データ」には「線端を示す点データを ,含む」との修飾がある。当該修飾部分は,平成11年4月20日付訂正請求書において訂正されたものである。この訂正につき,特許権者は,訂正の根拠を図2及びDファイルの説明(例えば 【0018 )に基,】づくとしている。しかし 【0018】には 「二次元の線データ」と ,,いう文言はどこにも現れず,これが「線端を示す点データを含む」ことは何ら示唆も記載もされていない。したがって,この訂正は,明細書に基づかない訂正であり,許されない。
また 【0013】の「折線,交点等を認識して二次元の線データに ,変換し「点データ及び二次元の線データ」という記載も,査定不服 」,審判の段階で行った補正で追加されたもので,出願当初明細書に記載した事項の範囲内においてされたものではないから,この補正も許されるものではない。よって,これらの記載は構成要件1Bの「二次元の線データ」の解釈に参酌されるものではない。
)【0018】の記載はいまだ抽象的であり,当該記載のみで各部にいbかなる情報が具体的に記載されるのかは不明である。
また 【0018】の記載のみでは,少なくとも「面データ」ないし ,「閉領域データ」の位置情報(面データの各座標又は面データを構x,y成する線分のリスト)を格納する部位が不明である。ちなみにDファイルの「領域データ部」は,面データの位置情報を格納する部位で2b-3はない。領域データ部は,面データないし閉領域データの属性情 2b-3報(畑,住宅地,工場地帯等の別など 【0002】参照)を格納する 。
(【】, 部位であることが本件明細書に記載されているからである0018【0030】参照 。)よって 【0018】の記載のみでは,当業者はDファイルを構成す ,ることができない。
)DLGファイルの構成と【0018】等におけるDファイルの各部のc説明とは,矛盾する。
@ファイルのノードレコードは,Dファイルの「折れ線の頂点DLGや線端を示す点データを格納する点データ部( 0018 )と 2b-2 」【】は,明らかに格納するデータが異なっている。
Aファイルのエリアレコードは,Dファイルの「領域データ部DLG」とは,明らかに格納するデータが異なっている。 2b-3以上のとおり,ファイルの構成と【0018】等におけるDフ DLGァイルの各部の説明とは矛盾するものであるから,ファイルを参 DLG照すれば,Dファイルの構成は一層不明確となり,当業者はDファイルを構成することができない。
以上のとおり,構成要件1Bは,その「二次元の線データ」の意義が不明であるから,記載不備である。
イ限定解釈について仮に,記載不備とはならず 「二次元の線データ」に何らかの意味を与 ,えるものとしても,本件明細書には「二次元の線データ」と関連すると思「」(【】【】) われる記載は Dファイル に関する記載0013 及び 0018しかない。さらに 「Dファイル」に関しては 「例えばファイルと , ,DLG同様な構成になっている 」こと,Dファイルが「ヘッダー部「点デー 。 」,タ部「領域データ部「線データ部」からなることは記載されている 」,」,ものの,それ以上に具体的な構成の開示はない( 0018】参照 。【)以上を考慮すれば 「二次元の線データ」の意味は 「Dファイルに格 , ,納されたデータ」の意味に限定されるべきであり,さらに「Dファイル」は「ファイル」の意味に限定されるべきである。
DLGウイ号方法の充足性について)構成要件1Bの意義は不明であるから,そもそもイ号方法と対比するaことは不可能である。仮に構成要件1Bに意味を与えるとしても 「二,次元の線データ」の意味は 「Dファイルに格納されたデータ」の意味 ,に限定されるべきであり,さらに「Dファイル」は「ファイル」DLGの意味に限定されるべきである。そうであれば,イ号方法のデータ保存形式はであり,ファイルをデータ保存形式として用いていなNBFDLGいので,イ号方法は構成要件1Bを充足しない。
)イ号方法では,入力したデータを直接ファイルに格納し, b NBFを実行するまでの間に,格納したデータを何らかの別のデー MAKEPOLタに変換する過程は存在しない。したがって,構成要件1Bを充足しない。
)イ号方法では,原告のいう「ノード化」ないしアーク・ノード構造化cは,の実行にあたって行われることはない。したがって,構MAKEPOL成要件1Bを充足しない。
4争点2-3(イ号方法が構成要件1Cを充足するか)について( ) 原告の主張1ア構成要件1Cは,構成要件1Bにおいてアーク・ノード構造化の可能な線データとして書き込まれた線データを解析し,他の線データとの接点や交点があれば接点や交点で分割して途中に交点を持たない線データにして線データ部に書き込むとともに,その線端点(始点及び終点/ノード)を点データ部に記録し,各線分に線分番号を付与することである。
このように,各線分を接点や交点のない線分として,それぞれの線分について,座標点列データを線データ部に書き込み,かつ線データとは別に線分の始点と終点を示す線端点(ノード)に関する情報(ノード番号等)を点データ部に書き込むことにより,ノードを介して各線分間の相対的な関係をコンピュータが判読することが可能になり,次の工程である線分を所定方向に接続すること(構成要件1D)が可能になる。
記載不備を述べる被告の主張に対しては,後記9,( )ア )のとおり反2c論する。
また,実施可能要件を満たさない旨の被告の主張は,線分間の接続関係を示すデータの構築方法は本件明細書上明確に開示されているから,失当である。すなわち 「Dファイル2bは…例えばファイルと同様な ,DLG構成となっている」との記載(甲1【0018 )を参酌すれば 「線分 】,間の接続関係を示すデータ」は容易に構築可能である。なぜなら,Dファイルの点データ部には,ファイルと同様に,各ノードに接続されるDLGアークのリストが記録されるのであって,このリストこそが「線分間の接続関係を示すデータ」にほかならないからである。よって,当業者は,本件明細書により,容易に線分間の接続関係を示すデータを構築することが可能であり,本件発明は当業者であれば実施可能である。
イイ号方法においては,コマンドによって,接点や交点でもUNLINKNDノードを作成し,交点を持たない線分を作成してアークデータとノードデータを書き込み,各線分に線分番号を付加している。
ウ被告は,イ号方法について,原告のいう「ノード化」すなわち「単なるベクトルデータの座標点にすぎない端点を,線分の接続情報を有する点データとして構造化すること」は行われないと主張し,未入力の交点に「座標点」を発生させ,当該座標点を端点とする複数のラインデータを作成する処理を行うだけで,それとは別に「線分の接続情報」を保有したデータ(のノード・トポロジーのようなデータ)は作成されないと主ARC/INFO張する。
しかし,イ号方法のマニュアルのうち,フォーマット及びNBFの解説にいずれもノードが示されており,被告の主張は失当 UNLINKNDである。
また,構成要件1Cは「それらの二次元線データを座標上の線分に変換し」というもので 「座標上の線分に変換し」とは,構造化されたファイ ,ルから読み出した線データを他の線データとの接点交点で分割して,途中に接点や交点を持たないものにして,それぞれの線分を始点終点で定義することを指すのであるから,イ号方法がこれを充足することは明らかである。
( ) 被告の主張2ア記載不備について「座標上の線分に変換」の意味が全く不明である 「座標上の線分」な。
る用語は地図データの業界用語ではないので,文言自体からその意味を解釈することは不可能である。そこで,本件明細書の記載をみても 「座標,上の線分」なる用語を定義した記載どころか 「座標上の線分」という用 ,語それ自体 発明の詳細な説明欄には一度も出てこない このとおり座 , 。,「標上の線分に変換」の意味が本件明細書の記載を参酌しても不明であるから,記載不備である。
実施可能要件について構成要件1C,及びその裏付けとして原告が挙げる【0023【0】,024】の記載を当業者がみても,次の工程である線分を所定方向に接続することを可能にするデータの構築は不可能であるから,実施可能要件に欠ける。
本件明細書の【0018】及び【0024】には,線分(アーク)の始「」,「( )」, 点及び終点の 点種すなわち 孤立点 他の線データへの接続なし「分岐点(接点,又は「中間点(折れ線の頂角 」のいずれであったか )」 )を記憶することは記載されている。しかし,該点種データからは,アークの始点ないし終点が 「他のアークと接続しているか否か」ということし ,(「」 , か判明せず孤立点 の場合には他の線分との接続はないことが分かり「接点」の場合には他の線分と接続していることだけが分かる,具体。)的に「どの線分が何本接続しているのか」ということについては,該点種データからは判明しない(また 「中間点」を点種の一つとしている意図 ,が不明である。途中に接点や交点を持たない線分の始点又は終点が「中間」 。,, 点 であることは考えられないからである このように 本件明細書には意味不明な記載が多数存在する。。)以上のとおり 【0018】及び【0024】の記載のみでは,線分を ,所定方向へ接続するという次の処理を実施するために必要なアーク間の接続関係を示すためのデータの構築は達成されないので,本件明細書は実施可能要件(特許法36条4項)を欠き,記載不備である。
5争点2-4(被告の使用する地図データ作成方法が構成要件1Dを充足するか)について( )原告の主張1ア構成要件1Dの前半部分について元々あるラインデータと反対方向のラインデータを自動的に作成する前処理を行うことは,閉じた面データを作成後に当該閉じた面データ(=アーク・ノード構造化面データ)から,別途,一本の線分からできた閉ループを抽出する付加的な工程を容易にするための設計上の派生的な問題にすぎない。
反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択するというイ号方法は 「線分を所定方向に接続」することに他ならないのであって,イ号 ,方法における線分の接続方法と本件発明における線分接続方法は同一である。そして,所定方向を定めて接続していくことにより,ポリゴンは一義的に決定する。
構成要件1Dの後半部分について取得したデータをデータファイルに一旦格納するか否かは単なるプログラムの設計上の派生的問題にすぎず,プログラム全体の基本設計とは関連しない。
線分を接続してポリゴンを作成するにあたって 「終点が始点と一致し ,ない」かどうかは,線分を所定方向に接続していった結果初めて判明するものであり,この線分を所定方向に接続する作業を行って,作業結果をデータとして保有ないし保持しなければ,終点と始点の一致の有無を判別することはできない。したがって,イ号方法においても,一致しない終点と始点の座標点をマークファイルに格納する以前に,開いた面データが作成されていることは明らかである。この開いた面データのうち,マークファイルに終点と始点を格納するにとどめるのか,それとも途中の経過データも格納するかは 設計上の派生問題にすぎない なお 本件明細書でも 0 , 。,【039】ないし【0045】において,不連続の始点と終点のみを格納した修正用マークファイルの実施例が明らかにされている。
構成要件1Dは 「終点と始点が一致しないときは,それらの線分から ,なる面データを自動的に作成して」としており,この面データをデータファイルとして格納,保有することを要求していない。被告は,データをいかなるアルゴリズムで作成するかという問題と,データをどのように保存するかという問題を混同している。
( )被告の主張2ア構成要件1Dの前半部分について)イ号方法では,各ラインデータを接続していく前に,元々あるラインaデータと反対方向のラインデータを自動的に作成するという前処理を必ず行う(イ号方法目録Aにおける構成4( )@参照 。当該前処理は,1 )一つのレイヤー内に存在する閉じた領域(ラインデータの終点と始点が一致しているもの)すべてを自動的に一括ポリゴン化するために必要不可欠な処理であり,構成要件1Dのみならず,本件明細書の詳細な説明欄にも記載されていない,イ号方法独特のものである。
また,イ号方法は,各ラインデータの接続に際しては,反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択する(イ号方法目録Aにおける構成4( )C参照 。これは,構成要件1Dの「該線分を所定方向に接1 )続」する処理(本件明細書の【0025】参照)とは,似て非なるものである。本件明細書に開示された方法の場合,同じ線分を境界として共有する複数の面データを同時に作成する場合(共通する境界をもつ面データがある場合)には,対応できない場合が生じる。一方,イ号方法では,接続方向を一定に定めるのではなく,次に接続するラインを「反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択にする」ように予め定めておくものであり,接続すべきラインが一つに定まらないという事態は生じない。また,イ号方法の条件付けであると,本件発明と異なり,ラインデータの接続方向は,常に一定にはならない。原則として時計回り(右回り)で接続されるが,外周ポリゴンは,反時計回り(左回り)で接続されることになる。
)本件明細書の【0025】は線分の接続方向を指示するのみであり,bラインデータ同士が形成する角度に着目してラインを選択する思想は,一切開示ないし示唆されていない。
)本件無効審判事件において提出された「情報処理学会第33回(昭和c61年後期)全国大会論文集,第〜頁」には 「地図認識入 14791488 ,力システム(乙23。以下「文献」といい,同文献にMARISMARIS 」記載された発明を「」という )が記載されている。本件無効審MARIS 。
判事件では,におけるベクトルデータの境界追跡方法,すなわMARISち,最初に注目したブランチ(線分)を開始特徴点(線端)から終了特徴点(線端)へと追跡し,終了特徴点の近傍を,反時計回りに検査して2番目に検出されるブランチを新たな注目ブランチとし,同様の追跡を繰りかえす方法が,本件発明の「線分を所定方向に接続」との処理とは異なると判断されている。本件発明の線分接続方法であると原告が本訴で主張する方法は,まさに,上記の方法である。
MARISしたがって,本件発明の線分接続方向がの境界追跡と同様の MARIS方法であると主張することは,許されない。
構成要件1Dの後半部分について)構成要件1Dの文言から明らかなとおり,本件発明の「面データ」にaは 「終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データ (閉 , 」じた面データ)と「終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データ (閉じていない面データ)が存在する。 」これに対し,イ号方法においては 「閉じた面データ」は作成される ,ものの 「開いた面データ」が作成されることはない(イ号方法目録A ,における構成4( )D参照 。
1 )よって,構成要件1Dの後半部分を充足しないことは明らかである。
)「面データ」とは,マップフィーチャーのうち,エリアフィーチャーb(家屋等)の位置情報及び属性情報を記憶・保存するためのベクトルデータを意味するものである。
一方,イ号方法Aのマークファイルとは,端点や重複個所の座標を格納するためのデータファイルであり,そこに格納されるデータは面データ(ポリゴン)ではない。すなわち,イ号方法のマークファイルには,当該家屋を表すためのベクトルデータのすべての座標が格納されるわけではなく,当該ベクトルデータの終点と始点が一致していない場合に,その終点と始点(すなわち,端点)の座標が格納されるにすぎない。また,一つの面データは当然一つのエリアフィーチャーに対応するものでなければならないところ,イ号方法のマークファイルに格納されるデータは,特定のエリアフィーチャーにのみ対応するデータでもない。
, ,「」 以上のとおり イ号方法Aのマークファイルは 明らかに 面データと異なるものであり,これを本件発明の「開いた面データ」であるということはできない。
)イ号方法Aでは,端点が存在する場合(始終点が他の線の始終点に一c致していない場合)には,ポリゴン自動作成処理を中断して,当該端点の座標をマークファイルに格納するだけである。
)原告は 「面データ」の定義を「線分を所定方向に接続することによd ,って構成される一本以上の線分の組合せ」と主張するようであるが,全く失当である。本件明細書の【0004】における「面データ」が被告の主張する意味で用いられていることは明らかであり,一方,原告の主, 。, 張する定義では その記載の意味が全く通じなくなる 明細書の用語は明細書全体を通じて統一して使用されるものであるから(特許法施行規則様式29備考8 ,構成要件1Dの「面データ」の意義を原告の主張 )するように解することは許されない。
原告は,本件明細書の【0027】に「接続された一連の線分によって構成された面データ」との記載があることをもって,自説の「面データ」の意義の根拠とするが,失当である。上記記載の「接続された一連の線分によって構成された」の部分は「面データ」の修飾語であり,修飾される「面データ」は別の意味を有することが明らかだからである。
)イ号方法は,端点等のエラーがある場合には,を実行してe MAKEPOLもイ号方法Aの構成4( )に示される線分接続処理は行われないから, 1構成要件1Dの後半部分を充足しない。
6争点2-5(被告の使用する地図データ作成方法が構成要件1Eを充足するか)について( ) 原告の主張1ア「面データ」とは,線分を所定方向に接続して,終点と始点が一致したときに作成される閉領域データと線分を所定方向に接続して終点と始点が一致しないとき,その線分からなる(開かれた)面データの上位概念であることは明らかであり,これらを含むことは明らかである。
構成要件1Eの「面データ」は,終点と始点が一致しない場合の,その線分からなる(開かれた)面データを意味する。被告の「面データ」に関する主張は,これをことさらに限定するものであって,失当である。
イイ号方法においては,コマンドを実行したことにより,ポリMAKEPOLゴンを作成しようとして作成できない場合,開かれた面データを作成し,そのデータのうち,不連続点のみを報知表示している。したがって,イ号方法が構成要件1Eを充足することは明らかである。
( ) 被告の主張2ア構成要件1Eは,構成要件1Dで作成された「開いた面データ」に存在する始点及び終点を報知表示するものである。
イイ号方法Aでは,マークファイルに格納された端点を報知表示する機能は存在するものの,面データ(ポリゴン)に存在する不連続点を表示するということはあり得ず,単なる線データに存在する不連続点を表示するだけである。
したがって,イ号方法Aは構成要件1Eを充足しない。
7争点2-6(被告の使用する地図データ作成方法が構成要件1Fを充足するか)について( ) 原告の主張1ア構成要件1Fは,不連続点から任意の点又は線へ接続する線データを入力に基づいて生成することにより,終点を始点と一致させて面データに対応する閉領域データを作成することを意味する。
イイ号方法は,構成要件1Fを充足する。
ウ被告は,イ号方法では「面データ」ではなく「線データ」の始点と終点。,,, を一致させているにすぎないと主張する しかし 前記のとおり 被告は前提としての「面データ」の解釈を誤っている。イ号方法が「一本以上の線分の組合せ」の不連続点を報知表示していることは事実として明らかである。
( ) 被告の主張2構成要件1Fは,構成要件1Dで作成された「閉じていない面データ」に存在する不連続点から,任意の点又は線へ接続する処理である。
これに対し,イ号方法でも,端点から任意のノード又は線データへ接続す。,, る線データを入力に基づいて生成することはできる しかし イ号方法ではあくまでも「線データ(アーク 」の終点と始点を一致させているだけであ )って,本件発明のように 「面データ」の終点と始点を一致させているわけ ,ではない。
よって,イ号方法は,構成要件1Fを充足しない。
8争点2-7(イ号物件が構成要件2Aないし2Fを充足するか)について( ) 原告の主張1イ号方法において述べたのと同様の理由により,イ号物件は,構成要件2Aないし2Fを充足する。
( ) 被告の主張2イ号物件が構成要件2Aを充足することは認める。その余の構成要件については,イ号方法において述べたのと同様である。
9争点3-1(本件発明が明細書の記載不備又は実施可能要件違反の無効理由を有するか)について( ) 被告の主張1ア発明が不明確ないし発明の詳細な説明に記載したものでないこと(特許法〔平成2年法〕36条5項1号,2号)a)構成要件1Aについて構成要件1Aの「ラスターデータからベクトルデータを作成」とは,「ラスターデータから自動的にベクトルデータを作成」すると解すべきものである。
しかし,仮にそうではなく,構成要件1Aの上記文言がベクトルデータの自動入力方式のみならず,手動入力方式ないし半自動入力方式をも含むものであるとすれば,既に述べたとおり,本件明細書には,そのような入力方式が本件発明の技術的範囲に含まれる旨を開示・示唆する記載は全く存在しないので,本件発明は 「発明の詳細な説明に記載した ,もの (特許法〔平成2年法〕36条5項1号)ではないということに 」なる。
b)構成要件1Bについて既に述べたとおり 「二次元の線データ」の意味が不明であるから, ,構成要件1Bは,構成要件が明確でなく,発明の詳細な説明に記載されたものともいえないので,特許法〔平成2年法〕36条5項1号,2号の要件を満たしていない。
)構成要件1Cについてc,「」 , 既に述べたとおり座標上の線分に変換 の意味が不明であるから構成要件1Cは,構成要件が明確でなく,発明の詳細な説明に記載されたものともいえないので,特許法〔平成2年法〕36条5項1号,2号の要件を満たしていない。
イ当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていないこと(特許法〔平成2年法〕36条4項))「Lファイル」の構成が不明であることa@Lファイルのヘッダー部を構成するクラス部,コード部につき,本,, ,, 件明細書は クラス部は レコードの区分を示すもので コード部はレコードが示す線の形状等を示すとして( 0016,さらにレコ 【】)ードの先頭部の要素種データ(クラス部,コード部)を読み出し,レジスタjに格納し,次にレジスタjの値を判別すると記載している( 0021。次に 「値が「1」〜「7」であれば,それぞれス 【】),,」(【】),「「」「」 テップ…に進み0021レジスタjの値は1〜7まで,それぞれ直線,1点折れ線,2点折れ線・・・7点折れ線,及び8点以上折れ線を示している ( 0022 )としている。 」【】これらの記載によれば,レジスタjの値は,ヘッダー部を構成するクラス部,コード部の値である。しかし,クラス部,コード部は,上記のとおり,レコードの区分を示したり,レコードが示す線の形状等を示したりするものであるから,値が「1」〜「7」であることと,どのような関係があるのか不明であり,したがって,Lファイルを構成することは不可能である。
Aなお,本件無効審判事件における平成12年4月25日付意見書11頁12ないし14行において,クラス部21-1について「レコードに格納されるデータの区分(種類:例えば,線データ,注記データ等)を示すものである」とするが,そのようなことを示唆する記載は本件。,, 明細書に存在しない コード部21-2についても 縷々説明しているが後出しの説明であって,明細書に基づかないものである。
B特許権者は,前記Aの意見書で 【0021】について,本件明細 ,書の「要素数」とは,ステップ2に係る「要素数」は要素レコード数を意味し,要素レコード及び図2における「要素数」は座標点数を意味すると釈明する。しかし,明細書に使用される用語は「明細全体を通じて統一的に使用」されなければならないものであるから(特許法施行規則様式29備考8「要素数」という一つの用語に二つの意 ),味を含ませる解釈は採り得ない。
そうすると,本件明細書の「要素数」は,要素レコード数か,座標点数のいずれかの意味で統一して用いることになる。しかし,特許権者も自認するとおり,技術的に全く意味不明となるのであるから,本件発明は実施不能である。
なお,上記釈明は,全体ファイルを管理する「グループヘッダレコード」なるものの存在を前提としたものであり,本件明細書にそのようなものの存在を示唆する記載は皆無であるから,上記釈明は採用できない。
C以上のとおり,本件明細書の記載は,Lファイルの構成が不明であ, 。 るから 当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていないb)折れ線,交点を認識して二次元の線データに変換する方法が不明であること,「, 」 本件明細書は折れ線 交点を認識して二次元の線データに変換し( 0013 )としている。しかし,図4のフローと折れ線・交点の 【】認識とは,どのような関係があるのか不明である。図4のフローは,線データの各座標を読み出しその座標をDファイルに書き出していくことが記載されているのみで,折れ線や交点の認識方法については全く記載されていない。
よって,本件明細書の記載では「折れ線,交点を認識して二次元の線データに変換」する方法が不明であるから,当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない。
c)LファイルからDファイルへデータを入力するフロー及びDファイルの構成が不明であること@本件明細書には,Dファイルが,ヘッダー部,点データ部,領域データ部,線データ部から構成されることは説明されている( 001【8。また,DファイルとLファイルとの関係につき 「・・・要素 】) ,レコードiの要素種データに続いて格納されている座標データ(・・・)を読み出して,その読み出した座標データを・・・Dファイル2bの線データ部2b-4に転送して所定位置に書き込む( 002。」【1 )と記載されている。 】これらの記載によれば,Lファイルから読み出したデータは,Dファイルの線データ部に格納されることになる。しかし,Dファイルのヘッダー部,点データ部,領域データ部には,何が記憶されているのか明確でない。また,Lデータとこれら各部がどのような関係を有するのか不明であって,Dファイルを作成することができない。
Aなお,図4のフローについて 「ステップS5では,要素レコード ,iを読み出し,その要素iの先頭部の要素種データ(すなわちクラス21-1及びコード21-2)を読み出しレジスタjに格納する。続, 。,「」 いて ステップS6でレジスタjの値を判別する そして 値が 1〜「7」であれば,それぞれステップS7〜ステップS13に進み,要素レコードiの要素種データに続いて格納されている座標データ( )」(【】), すなわち要素数22-1〜22-n を読み出して0021「上記レジスタjの値は「1」〜「7」まで,それぞれ直線,1点折れ線,2点折れ線・・・7点折れ線,及び8点以上折れ線を示している ・・・ ( 0022 )と説明されている。しかし,レジスタj 。」【】に格納される,要素種データであるクラス,コードがS7以降の折線のn点(n=1〜7)の座標をDファイルに書き込むこととどのように関係するのか不明である。
Bなお,Dファイルはファイルと同様な構成になっていると記DLG載されているとはいえ,本件明細書は,ヘッダー部,点データ部,領域データ部,線データ部というファイル構成を有する点につき同様と説明しているのであって,Dファイルのヘッダー部,点データ部,領域データ部,線データ部の具体的構成,各部に格納されるデータのフォーマットまで同一であるという趣旨でないことは明らかである。なぜなら,ファイルにつき 「例えばファイル・・・」としDLG DLG ,て,一例として挙げているからである。
C以上のとおり,本件明細書の記載は,LファイルからDファイルへデータを入力するフロー及びDファイルの構成が不明であるから,当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない。
d)線データを線分に分割する方法が不明であること本件明細書は「Dファイル2bに作成した線データを読み出して,線分に分解する」という( 0023。しかし,具体的にどのように, 【】)線データを,他の線データとの接点,交点で分割して,途中に接点や交点を持たない線分に細分するのか,具体的な手順が不明である。
e)ポリゴンを自動的に作成する方法が,当業者に実施可能な程度に明記されていないこと@本件発明は,線データ(線分)からポリゴンを自動的に作成する方法として 「線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときは ,それらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成 (構」成要件1D)する方法を開示する。同方法は,本件明細書の発明の詳【】【】 , 細な説明欄の 0025 及び 0026 に説明されているもののその説明だけでは,複数のポリゴンを一括して自動的に作成することは不可能である。
Aまず,線分を所定方向に接続する前提として,線分(アーク)間の接続関係を示すデータを構築しておくことが必要不可欠である。しかし 【0024】の記載では,当該データを構築できず,他に当該デ ,ータを構築する具体的方法を開示した記載もないので,本件明細書では,当業者が線分を所定方向に接続する処理を実施することが不可能である。
Bまた,本件発明の接続方法は,線分(交点を有しない線データ)を「所定方向 ,すなわち,接続方向を時計回りか反時計回りのいずれ 」でもよいが,とにかく一定方向に予め定めておくだけの方法である( 0025】参照 。【)この方法だと,同じ線分を境界として共有する複数の面データを同時に作成する場合(共通する境界を持つ面データがある場合)に,対応できない場合が生じる。
Cさらに,本件明細書の説明のみでは,ある線分の終点に,他の線分の終点しか接続していない場合にどのように処理して線分を接続するのかが不明である 【0025】は,ある線分の終点に他の線分の始 。
点が接続している場合の説明であり,線分の終点しか接続していない場合にどのように処理するかについては,何ら説明されていない。
D以上のとおり,本件明細書の説明のみでは,当業者が線データ(線) 。 分 からポリゴンを自動作成することを実施することは不可能であるEポリゴンを自動的に作成する方法について,本件明細書は,線分の接続方向を指示するのみで 「接続方向に最小面を形成するように」 ,とか「角度が最小となる線分を選択」といった,線分(アーク)同士が形成する角度に着目して接続する線分を選択する思想は,一切開示・示唆されていない。
本件明細書の「線分を所定方向に接続」の「所定方向」を 「線分,同士の角度を測る方向」と解することは不可能である。なぜなら,線分の「接続方向」と,線分同士の「角度を測る方向」とは,全く異なる概念だからである。このことは,線分同士の角度を測る方向と線分の接続方向とは逆になること,及び,角度を測る方向を一定にしてもラインの接続方向は常に一定とはならないことから,明らかである。
本件無効審判事件で提出された文献に記載されたベクトルMARISデータの境界追跡方法は,最初に注目したブランチ(線分)を,開始特徴点(線端)から終了特徴点(線端)へと追跡し,該終了特徴点の近傍を,反時計回りに検査して2番目に検出されるブランチを新たな注目ブランチとし(1番目に検出されるのは元の注目ブランチである,同様の追跡を繰り返すというものである。これは,まさに「反 。)時計回りで角度が最小の線分を,次に接続すべき線分として選択する方法」すなわち,原告が,本件明細書が開示している線分接続方法であると主張している方法である。したがって,かかる本件無効審判事件での主張を踏まえれば,本件発明の線分接続方法がの境界MARIS追跡と同様の方法であると主張することは,禁反言の法理に反し,許されない。
)に利用可能なコンピュータ用地図データを作成するためには,レfGISイヤー毎にベクトルデータを作成する必要がある。しかし,本件発明において,ラスターデータから,どのようにしてレイヤー別ベクトルデータを生成できるのか明らかでない。
)本訴における記載不備の主張は,そのほとんどが,本件無効審判事件gにおいて審理された主張とは全く別の主張である。Lファイルの構成についての主張は本件無効審判事件におけるものと同一であるとはいえ,この主張を排斥した審決の判断は誤っている。
また,財団法人日本測量調査技術協会に属するBは,独自にポリゴン生成プログラム作成を試みたのであり,本件発明を追試したものではない。
( ) 原告の主張2ア記載不備について)構成要件1Aについてaラスターデータからベクトルデータを作成する方法は従来技術であることに加え,単なる実施例としてオンスクリーン方式ないし半自動入力方式を挙げなかったからといって,オンスクリーン方式ないし半自動入力方式を排除する意図があるということにはならない。
したがって,構成要件1Aの意義は本件明細書によって明確に記載されている。
)構成要件1Bについてb@「二次元の線データ」の意義について「二次元の線データ」とは,アーク・ノード構造化が可能な形式のファイル(このファイルの一例がファイルである )に書き込DLG 。
。,「」, まれた線データを意味する これに対し一次元の線データ とは座標点列としての線データを意味する(のポリラインなどがこDXFれにあたる。。)「一次元「二次元」の意味につき敷衍すれば,まず,座標点列 」,としての線データはアーク・ノード構造を有しないことから,コンピュータは複数の線データを所定方向に接続することができない。このため,コンピュータは線データの集合を面として認識することができず,直線あるいは折れ線としての認識が可能であるにとどまる。
これに対し,アーク・ノード構造を有するデータの場合,コンピュータはアーク・ノードのトポロジーを介して複数の線データを所定方向に接続していくことができるため,線データの集合を面として認識することが可能となる。
「座標点列としての線データ「アーク・ノード構造を有する線 」,データ」はそれぞれ上記のような性質を有することから 「線として,認識されるにとどまるデータ「面としての認識が可能なデータ」 」,であることを強調する趣旨で線 と 面 の違いを端的に表す 一 ,「」 「」「次元 「二次元」の語を用いたものであることは容易に理解できる。 」ADファイルに関する説明が明確であることについてDファイルの例示としてファイルが挙げられていることからDLG(本件公報・ 0018,何ら記載不備ではない。そして,閉領域 【】)の位置情報も領域に関するデータである以上,領域データ部に格納す, 。 ることは当然であり そのことはファイルにも記載されているDLG領域データ部には閉領域の属性情報が格納されるとの説明(本件公報・ 0018【0030 )は例示にすぎず,これ以外の情報を格 【】,】納することも当然可能である。
BDファイルの説明とファイルの構成が矛盾しないことについDLGてファイルはDファイルの一例にすぎないのであるから,DフDLGァイルに格納されるデータとファイルに格納されるデータとが DLG厳密に一致しなければならないものではない。したがって,被告の主張は理由がない。
)構成要件1Cについてc「座標上の線分に変換」とは,アーク・ノード構造化が可能な形式のファイルに実際に線データ及び点データを書き込み,アーク・ノード構造を具体的に構築することを意味する。
本件明細書は,本件発明の一実施例として 「上記面データの作成処 ,理について,図5に示すフローチャートを用いて説明する。先ずステップS51で,上記閉面データ画像処理用Dファイル2bに作成した線データを読み出して,線分に分解する。この線分への分解処理は,上記読み出した線データを,他の線データとの接点,交点で分割して,途中に接点や交点を持たない線分に細分し,それらの各線分に線分番号を付与する処理である 」ということ( 0023,及び,線データを細分 。【】)する際,以降のステップにおいて線分を接続する基点となる各線端点に関する情報を記録すること( 0024 )をそれぞれ開示しており, 【】これを参考にしてアーク・ノード構造を構築することは当業者にとって十分可能である。
したがって 「座標上の線分に変換」の意義は本件明細書によって明 ,確に記載されている。
実施可能要件について)Lファイルの構成についてa本件明細書は 【0013【0016】及び図2( )において「Lフ ,】, aァイル」の構成を具体的に開示している。
本件明細書の【0021】における「要素数」の意義についての被告の主張は,既に特許庁において審理済みであり,審決において排斥されている。すなわち 【0022】に「要素レコードi」との記載が複数 ,回にわたり用いられておりレジスタiに格納されるデータが要素レコード数であることは明らかである 「要素」という用語は 「アイテム , 。,」「項目」等と同様にデータを構成する個々の部分を示す一般的な用語であり,明細書の記載において 「要素」という用語を必ずしも特定の種 ,類のデータに対してのみ利用しなければならないということはない。本件無効審判事件における釈明は,明細書の理解を助けるために 「要素,数」という一般的な用語で示されていたレジスタiの内容を「厳密に言えば要素レコード数」であると説明したにすぎない。したがって,明細書に要素数が複数の意味で用いられているとしてもLファイルの構成は明確であり,このために当業者による実施が不可能であるということはない。
したがって,Lファイルの構成は本件明細書によって明確に記載されている。
)折れ線・交点を認識して二次元の線データに変換する方法b本件明細書は,一実施例として,Lファイルの線データを解析してDファイルの点データ及び二次元の線データとして出力するに至る一連の過程を具体的に開示している(本件公報・ 0016】ないし【002 【2。】)まず,折れ線の認識方法は【0021】に明確に記載されている。次に,交点の認識方法には様々な方法があるとはいえ,線分の交点を認識して交点にノードを置く技術は周知の技術であり,当業者であればその方法は容易に想到し得る。
したがって,折れ線・交点を認識して二次元の線データに変換する方法は本件明細書によって明確に記載されている。
)LファイルからDファイルへデータを入力するフロー及びDファイルcの構成本件明細書は,LファイルからDファイルへデータを入力するフローに関する一連の過程を具体的に開示している(本件公報・ 0016】【ないし【0022。】)また,前記アの)のとおり,本件明細書は「Dファイル」の構成をb具体的に開示するとともに,その一例として「ファイル」の構成 DLGを開示しているのであって,二次元の線データのファイル構造を設計することは当業者にとって十分可能である。
したがって,LファイルからDファイルへデータを入力するフロー及びDファイルの構成は本件明細書によって明確に記載されている。
)線データを線分に分解する方法d前記アの )のとおり,本件明細書の【0023】及び【0024】 cは,線データを線分に分解する方法を明確に記載している。当業者が明細書の記載を見れば,線データ同士の交点を認識し,交点のノードデータを作成するとともに,もとの線データを二つに分割するような操作を行うアルゴリズムを容易に構築できる。
)ポリゴンを自動的に作成する方法e@「所定方向に接続」するためのアルゴリズムは,当業者であれば本件明細書の記載から容易に理解可能である。すなわち,まず任意の第一の線分を選択して,次に第一の線分の終端と同一の点を始端又は終端とする線分の組を抽出し,その線分の組の中から決められた接続方向に最小面を形成するように,すなわち,時計回りの方向(又は反時計回りの方向)に第一の線分との角度が最小となる線分を選択する。
以下,選択された線分の終端が第一の線分の始端と一致するまで(又は一致しないときまで)同様の操作を繰り返す。
したがって,線分に接続するラインが2つ以上あったとしても,次に接続すべき線分は必然的に1つ,すなわち所定方向に最小面を形成する線分,に定まる。
Aそもそも,本件発明の構成要件1Dには「該線分を所定方向に接続し」と記載されているのみで,ある線分の終端が必ず次に接続する線分の始端となっていることを必要としていない。本件明細書の【0025】はあくまで実施例であって,複数の線分の接続点がいずれも線分の終端である場合を排除するものではない。前記のとおり,線分の接続処理を実施するアルゴリズムは,当業者であれば容易に理解可能であり,接続点が各線分の終端であっても,接続する方向が一義的に定まっていれば接続処理は可能である。
B一つの線分に接続する線分が複数ある場合に,いずれの線分を次に接続するかの判断に際しては,線分同士の角度に着目するのが従来技術であり,本件明細書中に開示がなかったとしても当業者は容易に理解可能である。また,そもそも次に接続する線分を選択するに際し,線分同士の角度以外の判断基準を考えつくことの方が困難であり,普通に考えれば角度に着目することになるはずである。
Cエン企画は,審判官の認定が誤っていることを指摘するために,の境界追跡が線データの一次元的な関係を利用しているにすMARISぎないことを陳述したにすぎないのであって,の境界追跡と MARIS本件発明の線分接続方法とが異なるとの陳述を行ったことはない。
したがって,構成要件1Dにかかる方法は本件明細書によって明確に記載されている。
)小括f以上のとおり,本件明細書はいずれの点についても当業者がその実施。, をすることができる程度に明確かつ十分に記載されている このことは既に特許庁における本件無効審判事件の審決においても確認されている。
なお,本件発明が当業者にとって十分実施可能であることは,当業者である財団法人日本測量調査技術協会に属するBも確認しているところである。
10争点3-2(本件発明が新規性又は進歩性欠如の無効理由を有するか)について( ) 被告の主張1仮に,を用いるイ号方法が本件発明の技術的範囲に属するものARC/INFOであるとすれば,本件発明は新規性進歩性を欠き,無効である。
アのマニュアル類が「刊行物 (特許法29条1項3号)に該ARC/INFO 」当することについて被告他審判請求人らは,本件無効審判事件において,審判長より,のマニュアル類(日本語版)の日付の特定ができないので撤回ARC/INFOするように強く示唆され,他の証拠で本件特許を十分無効にできると判断したため,これらを撤回したにすぎないのであって,被告自身が刊行された日付を特定できないと考えていたのではない。
特許法29条1項3号の「刊行物」というためには,不特定又は多数の者を対象としているという「公開性」と,対象物が本来的に配布する目的であるという「頒布性」が必要である。のマニュアル類は,少ARC/INFO,「」 なくともライセンシーに配布することを目的とする文書であり頒布性の要件を満たす。また,ディストリビューター契約第2条及び第4条から明らかなとおり,のディストリビューターたる株式会社パスコARC/INFO(以下「パスコ」という )は,独立の立場で不特定の第三者に対して 。
ライセンスを付与することができ,また,ライセンシーはすARC/INFOべからくの各種マニュアルの配布を受けるのであるから, ARC/INFOの各種マニュアルは,いずれも「公開性」を満たす。 ARC/INFO仮に,社とのライセンス契約に規定される秘密保持条項の存在にESRIよりライセンシー間で秘密が保たれている間は「公開性」を充たさないとの解釈が採用されたとしても,元オハイオ州立大学地理学DuaneMarble教授らの宣誓供述書(乙37ないし40)が示すとおり,既にその秘密性は破られているため,この場合であっても,の各種マニュアルARC/INFO類は「公開性」を充たす。
現に,のマニュアル類は,本件発明の出願前から,日本国内ARC/INFOのみならず,社によって世界中で広く頒布されていた。パスコにお ESRIいて確認したところ,海外におけるのライセンシーの数は, ARC/INFO本件発明の優先日前である平成3年(1991年)5月の時点で約3400社であり,日本国内におけるのライセンシーの数は,本件ARC/INFO発明の優先日直後の平成3年(1991年)10月の時点で約80社であった。当然,各ライセンシー内の複数の社内関係者がのマニARC/INFOュアル類に触れることになるので,数千,数万という規模の人間が,のマニュアル類に触れていた計算になる。
ARC/INFOパスコはのディストリビューターとして,営業宣伝のため ARC/INFOに及びマニュアル類を第三者にデモンストレーションをする ARC/INFO,,, , 権利を有するものであり 実際 パスコはの営業にあたって ARC/INFO何ら守秘義務を負わない売り込み先の第三者に対し,の実演及 ARC/INFO, びマニュアル類に基づいたの説明を行ってきたのであるから ARC/INFO, , ARC/INFO マニュアル類に記載された発明は パスコの営業活動によって本件出願優先日当時,既に公知・公用の発明である。よって,仮に,ARC/INFO ARC/INFOマニュアル類の 刊行物性 が否定されたとしても 「」,マニュアル類に記載された発明によって本件発明が無効になるとの結論に変わりはない。
イ平成元年(1989年)に発行された(以下ARC/INFO Version 5ARC/INFO Users Guide「V5」という )のユーザーズガイドである 。
(,。
ARC/INFO Volume 1Version5.0 , Volume 2Version 5.0.1 ・・乙24 25以下「マニュアルV5」という )には,以下のとおり,構成ARC/INFO 。
要件1Aないし1C,1Dの前半,1Eないし1Hに相当する構成が開示されている。
)マニュアルV5(乙24)の4-6頁(訳文の4-6頁)aARC/INFOには 地図 ラスターデータに相当 を読み取って一連の座標に変換 ラ ,() (スターベクトル変換)することが記載されている。このベクトルデータを用いてポリゴン化処理を行うので,上記記載は構成要件1Aに相当する。
)マニュアルV5(乙24の1-4頁(訳文の1-4頁 ,bARC/INFO )乙24の4-7頁(訳文の4-7頁 ,乙25のコマンドの説 )DXFARCAppendixDLGARC明 訳文の209ないし215頁 及びF 乙25の ( ),コマンドの説明(訳文の192ないし200頁)及びD,乙Appendix25の 等の各コマンドの説SCITEXLINE, SCITEXPOINT, SCITEXPOLYAppendixBuild明(訳文の481ないし487頁)及びG,乙25のの7頁(訳文の119頁 ,同の11頁(訳文の135頁 )に ) )CLEANDXFは 本件出願優先日当時 既に公知のファイルフォーマットである ,,ファイル,ファイル,ファイル等に格納されたベクトルデDLGSCITEXータを,のカバレッジに変換することが開示されている。さ ARC/INFOらに,のカバレッジが,アーク・ノード構造化が可能なファARC/INFOイルフォーマットであること,その具体的なアーク・ノード・トポロジーのデータ例も開示されている。
原告の主張によれば 「二次元の線データ」とは「アーク・ノード構 ,」,, 造化が可能な形式のファイルに書き込まれた線データ を意味し またファイルデータは「一次元の線データ」であるとのことであるかDXFら,マニュアルV5(乙24,25)には,構成要件1BにARC/INFO相当する構成が記載されている。
)マニュアルV5(乙25のコマンドの説明(訳文cARC/INFO CLEANの126頁,128頁 )には,コマンドがアークの交点にノ ) CLEANードを生成すること,また,カバレッジ・ノードとポリゴンを明確にするためにカバレッジ・アークとラベル点に幾何学的解析を実行してポリゴン及びアーク・ノード・トポロジーを構築することが記載されている。
原告の主張によれば,構成要件1Cの「座標上の線分に変換」とは,「アーク・ノード構造化が可能な形式のファイルに実際に線データ及び点データを書き込み,アーク・ノード構造を具体的に構築することを意味する」とのことであるが,そうであるとすれば,マニュアARC/INFO(), 。 ルV5 乙25 には 構成要件1Cに相当する構成が記載されている)マニュアルV5(乙25のの説明(訳文の128dARC/INFO CLEAN頁 ,の説明(訳文の113頁 ,乙24の5-7頁(訳文の5 ) ) BUILD-7頁 )には,コマンドがポリゴントポロジーを作成 ) CLEAN, BUILDすることが記載されている。また,マニュアルV5(乙24 ARC/INFOの5-7頁(訳文の5-7頁 )のポリゴントポロジーの例を見れば, )アークを右回り方向に接続することによりポリゴンを作成していることが示唆されているマニュアルV5 乙24の10-4頁 訳 。 ((ARC/INFO文の10-4頁 ,乙25のの説明(訳文の127頁,114 ) CLEAN頁,118頁 )によれば,コマンドは一連のアークを ) CLEAN, BUILD閉じていることを前提にポリゴンを作成しており,アークが閉じていない限りポリゴンは作成されないことが記載されている。
よって,マニュアルV5(乙25)には,構成要件1D前ARC/INFO半の「該線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成」に相当する構成が開示されている。
)マニュアルV5(乙24の「ステップ3:デジタイジングeARC/INFOエラーの発見及び訂正」の項(訳文の10-4頁ないし10-6頁 ,)「ステップ4:フィーチャーの定義及びトポロジーの生成」の項(訳文の10-7頁ないし10-14頁 )には,ダングリングノードにより )ポリゴンが正しく閉じていないことをエラーとし,閉じていないポリゴンと接続していないラインをエラーとして表示することが記載されている。
よって,マニュアルV5(乙24)には構成要件1Eに相ARC/INFO当する構成が開示されている。
)マニュアルV5(乙24の「ステップ5:トポロジーエラfARC/INFOーの発見及び訂正」の項(訳文の10-10頁ないし10-14頁 ,)「ステップ2:カバレッジのデジタイザー入力」の項(訳文の10-3頁,10-4頁 )には,によるデジタイザー入力によりエラ )ARCEDITCLEANBUILDー訂正すること,アークを編集した後に再度若しくはコマンドを実行し,トポロジーを更新することが記載されている。
上記記載により,では,又は後に,ダングARC/INFOCLEANBUILDリングノード等のエラーを発見したら,によるデジタイザー ARCEDIT入力(すなわち手動入力)等で訂正し,その後,又はで CLEANBUILD再びポリゴンを作成することが分かる。よって,マニュアル ARC/INFOV5(乙24)には,構成要件1Fに相当する構成が開示されている。
)マニュアルV5(乙24の「ステップ4:フィーチャーの gARC/INFO定義及びトポロジーの生成」の項(訳文の10-7頁ないし10-10頁 ,乙25のの説明(訳文の113頁,125頁 ,乙24の ) )BUILD1-4頁(訳文の1-4頁 )には,又はコマンドによ ) CLEANBUILDり各フィーチャーの属性を記憶するためのフィーチャー属性テーブルを作成すること,が地理データの「入力「解析「データ管ARC/INFO 」,」,理「表示と変換」に利用されることが記載されている。 」,よって,マニュアルV5(乙24)には構成要件1Gに相ARC/INFO当する構成が開示されている。
)マニュアルV5(乙24の1-1頁(訳文の1-1頁 )hARC/INFO )には,が地理データの入力,処理,解析,表示に利用されるARC/INFOことが記載されている。
よって,マニュアルV5(乙24)には,構成要件1HにARC/INFO相当する構成が開示されている。
ウ昭和61年10月2日に発表された文献(乙23)には,以下MARISのとおり,構成要件1Aないし1Hに相当する構成が開示されている。
)文献(乙23)の1479頁には,スキャナーから国土基本aMARIS図(ラスターデータに相当)を読み取り,線幅測定,細線化,ベクトル化し,線幅付きベクトルを作成することが記載されている。
よって,文献(乙23)には構成要件1Aに相当する構成がMARIS開示されている。
(),,,bMARIS)文献乙23 の1479頁 1483頁 1484頁には細線化により得られた線幅付きベクトルデータから,ブランチとの接続情報を有する特徴点テーブル,ブランチテーブル等のベクトル管理テーブルを作成することが記載されている 「ブランチ」とは 「途中に接 。,ARC/INFO 点や交点を持たない線分本件公報・ 0024であり 」(【】),の「アーク」に相当する。また 「特徴点」は「ブランチ」の始点又は ,終点ということになるから,の「ノード」に相当する 「特ARC/INFO 。
徴点テーブル」及び「ブランチテーブル」は,ブランチ(アーク)と特徴点(ノード)の接続情報(どのブランチがどの特徴点に接続しているか,ある特徴点に何本のブランチが接続しているか,どの方向に接続しARC/INFO ているか を格納しているから これらのデータテーブルは ), ,のアーク・ノード・トポロジーに相当し,また原告の主張する「アーク・ノード構造」に相当する。
上記のとおり,文献(乙23)は,スキャナーにより得られMARISたイメージデータを細線化・ベクトル化した「線幅付きベクトル」を,アーク・ノード構造を持つベクトルデータに変換することを,具体的に開示している。その変換の前提として,アーク・ノード構造を保有できるデータ形式を使用することは,当然の前提となっている。
よって,文献(乙23)には構成要件1B及び1Cに相当すMARISる構成が開示されている。
(),,,cMARIS)文献乙23 の1484頁1485頁 1487頁には建物認識等のために,注目ブランチから正方向又は逆方向にブランチを追跡し,一つ又は複数のアーク(連結したベクトル列で,端点の開いているもの)あるいはポリゴン(閉ループをなした連結ベクトル列)としてベクトル列を抽出することが記載されている。ここでいう「アーク」は,原告の主張する定義(線分を所定方向に接続することによって構成される一本以上の線分の組合せ)によれば「面データ」に相当する。
よって,文献(乙23)には,構成要件1D前半「該線分をMARIS所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成」及び後半「終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成」に相当する構成が開示されている。
)文献(乙23)の1488頁左欄1行ないし14行には,連dMARIS結ベクトル列が閉ループを構成していない場合に,検出されたブランチ列を強調表示することが記載されている。全ブランチ列を強調表示するか,始点・終点のみを強調表示するかは,単なる設計事項である。
よって,文献(乙23)には構成要件1Eに相当する構成がMARIS開示されている。
)文献(乙23)の1487頁には,会話型コマンドを用いてeMARISアーク型データ(連結したベクトル列で,端点の開いているもの)にアーク型データを入力により接続し,ポリゴン型データ(閉ループをなした連結ベクトル列)とすることが記載されている。
よって,文献(乙23)には構成要件1Fに相当する構成がMARIS開示されている。
)文献(乙23)の1487頁には,地図要素を建物,道路等fMARISの分類に応じて認識セグメントとして管理することが記載されている。
地図要素には建物等の閉領域データが含まれており,また分類は属性データに相当する。
よって,文献(乙23)には構成要件1G及び1Hに相当すMARISる構成が開示されている。
(。 エ平成元年11月14日に公開された特開平1-282685号 乙33以下「乙33公報」といい,その発明を「乙33発明」という )には,。
以下のとおり,構成要件1Aないし1C,1D前半,1G及び1Hに相当する構成が開示されている。
)乙33公報の3頁右上欄6行ないし11行には,ラスターイメージをa二次元平面の始点/終点座標を結ぶ線としてベクトルデータに変換することが記載されている。
よって,乙33公報には構成要件1Aに相当する構成が開示されている。
)乙33公報の3頁ないし4頁には,ベクトルデータを認識処理し,得bられた一次ベクトルの始点/終点座標,他のベクトルとの接続情報や属「」(, 性等からなる 二次ベクトルデータ 及び論理的特異点 オープン端点分岐点等)から接続するベクトルを追跡することにより得られる「アークデータ」を主記憶部に格納することが記載されている。二次ベクトルデータは他のベクトルとの接続情報を有しており,アークは「途中に接点や交点を持たない線分」に相当する。
これらの「二次ベクトルデータ」及び「アークデータ」は,原告のいう「アーク・ノード構造」に相当するのであって,乙33公報には構成要件1B及び1Cに相当する構成が開示されている。
)乙33公報の5頁ないし6頁には,現在追跡中のアーク(現アーク)cの終端ベクトルに対して,最も右に折れるベクトルを始端ベクトルとするアークを追跡し,先頭アークの始端と現アーク(最終アーク)の終端の座標が一致する場合に閉ループを抽出することが記載されている。
よって,乙33公報には構成要件1D前半「該線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成」に相当する構成が開示されている。
)乙33公報の2頁,4頁には,抽出閉ループをフロッピィディスク等dの外部記憶に出力することが記載され,閉ループに配管,配線,建屋,シンボル等の属性を付与することが前提とされている。
よって,乙33公報には構成要件1G及び1Hに相当する構成が開示されている。
オ平成元年11月2日に公開された特開平1-274285号(乙34。
以下「乙34公報」といい,その発明を「乙34発明」という )には,。
以下のとおり,構成要件1C,1D前半及び1Hに相当する構成が開示されている。
)乙34公報の3頁には,発生したすべての線を交点,接点において分a割し,ベクトル線分を生成し,これらのベクトルを所定方向に検索することにより生成したポリゴンを記憶部に格納することが記載されている。
よって,乙34公報には構成要件1Cに相当する構成が開示されている。
)乙34公報の3頁には,任意のベクトルを選択し,該ベクトルを基準b,, として予め設定した方向に接続ベクトルを検索し ポリゴン化すること接続ベクトルが複数存在する場合には,接続角度によりベクトルを選択することが記載されている。
よって,乙34公報には,構成要件1D前半「該線分を所定方向に接続し,終点と始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成」に相当する構成が開示されている。
)乙34公報の1頁には,市,区,町等の各境界を示す図形をポリゴンc化することが記載されている。
よって,乙34公報には,構成要件1Hに相当する構成が開示されている。
カ平成2年発行の「 (乙3Geographic Information Systems An introduction 」5,訳文として乙36。以下「乙35文献」といい,その発明を「乙35発明」という )は,平成2年当時における地理情報システム分野の入門 。
編であり,大学学部高学年か大学初年度段階程度のものを提供している( はじめに」A頁参照 。同書には,構成要件1Aないし1C,1Eな 「)いし1Hが当業者の周知技術であることが示されている。
)乙35文献には,地理情報システムにおける代表的なデータベース型aとして,全ポリゴン構造,アーク・ノード構造等があること( 4.2「ベクトルデータ構造,ではデータ構造間での相互変換が必要な 」)GISこと( 6.1.1データ構造変換,ラスターデータをベクトルデ 「 」)ータに変換し,構成要素や位相関係を構築するためにベクトルデータベースを構築すること( 6.1.2データ媒体変換 )等が記載され 「 」ている。
「6.1.2データ媒体変換」の記載によれば,構成要件1Aは周知技術である。
また,構成要件1B,1Cの「二次元の線データへの変換「座標」,上の線分への変換」は,原告の主張によれば,要するに,ラスターデータから取得したベクトルデータを,アーク・ノード構造データ(又はリレーショナル構造データ)に変換することである。それらが周知技術であったことは,上記各記載から明らかである。特に 「前処理されたラ,スターデータは,ベクトルデータに変換される。そして最終的なデータで必要とされるあらゆる構成要素(たとえば,線分の結合としてのチェイン)や位相関係(たとえば,内包や隣接)を構築するために,ベクトルデータベースが構築される」との記載( 6.1.2データ媒体変 「換 )は,構成要件1B,1Cの構成を,直接開示ないし示唆するもの 」といえる。
原告は,構成要件1B,1Cは,座標点列としての線データ(一次元線データ)をアーク・ノード構造データに変換する旨を主張する。乙35文献の「6.1.1データ構造変換」には,座標点列データである「全ポリゴン構造」データを「アーク・ノード構造」データに変換することも,そのアルゴリズムの示唆とともに,開示されている。原告が,本件発明の「二次元の線データ」の一例であるとするファイルデDLG,「. . 」 ータについても 乙35文献の 4 2 5ディジタル線グラフ構造のとおり,が本件出願優先日に周知の標準ベクトルファイル形式 DLGであったこと,同じく周知のアーク・ノード構造,リレーショナル構造と類似の構造であること等が記載されている。
これらの記載により,構成要件1Aないし1Cが,当業者にとって周知慣用の技術であることは明らかである。
)乙35文献には,ポリゴンの境界線は連続でなければならず,ソフトbウェアはポリゴンが閉じていない場合にこれを発見しなければならないことが記載され,また,見出しに「編集」とあるように,発見したエラーを編集し,閉じたポリゴンに修正することは当然の前提とされている( 6.3エラーの検出と編集。 「 」)これらの記載により,構成要件1E及び1Fが,当業者にとって周知慣用の技術であることは明らかである。
)乙35文献には,地図データに属性を付与することが記載されているc( 4.2ベクトルデータ構造」等 。 「 )これらの記載により,構成要件1G及び1Hが,当業者にとって周知慣用の技術であることは明らかである。
キV5を主引例とする主張ARC/INFO)本件発明とV5とを対比すると,構成要件1D後半「終 aARC/INFO点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成」のほかはマニュアルV5(乙24,25)に開示さARC/INFOれている。
線分を接続していって,開始線分の始点と終了線分の終点が一致しないときに,それらの線分の組合せを「面データ」として格納するか,それとも単なるエラーとして処理する つまり それらの線分からなる 面 (,「」。), 。, データ は作成しないかは 当業者の単なる設計事項である 実際においては,終点と始点が一致していないベクトル列も「アーMARISク」型認識セグメントとして抽出する。
よって,本件発明は,新規性又は進歩性に欠ける。
)仮に,マニュアルV5(乙24,25)に構成要件1BがbARC/INFO開示されていないとしても,構成要件1Bは,当業者に周知・慣用の技術である。すなわち,構成要件1Bは,原告の主張によれば 「座標点,列としての線データを,アーク・ノード構造化の可能な形式のファイルに書き込む」ことを意味する。かかる変換は,文献(乙23 ,MARIS )乙33公報,乙35文献に記載された周知・慣用の技術である。
)仮に,マニュアルV5(乙24,25)に構成要件1DにcARC/INFOおける「面データ」作成アルゴリズムが開示されていないとしても,上記アルゴリズムは,文献(乙23 ,乙33公報,乙34公報にMARIS )記載された周知のものである。
クを主引例とする主張MARIS本件発明ととを対比すると,構成要件1Eのほかは文 MARIS MARIS献(乙23)に開示されている。そして,閉ループとなるべき図形のベクトルデータすべてを強調するのか,閉じていない端点のみを強調するのかは,単なる設計事項にすぎない。
よって,本件発明は,新規性又は進歩性に欠ける。
ケ乙33発明を主引例とする主張,,,, 本件発明と乙33発明とを対比すると 構成要件1D後半 1E 1Fすなわち,閉じていないポリゴンがあったときのエラーの検出方法,修正。,, 方法のほかは乙33発明に開示されている そして 乙35文献によれば閉じていないポリゴンを発見する手段を設けることは分野にとってGIS周知・慣用の技術であり,エラー表示・修正手段(構成要件1E,1F)は単なる設計事項にすぎない。
よって,本件発明は,新規性又は進歩性に欠ける。
コ乙35発明を主引例とする主張本件発明と乙35発明とを対比すると,構成要件1Dのほかは乙35発MARIS 明に開示されている構成要件1Dは乙34公報乙33公報 。,,,文献(乙23)に開示されているように,当業者にとって周知・慣用の技術である。
( )原告の主張2アのマニュアル類は新規性及び進歩性欠如の証拠たり得ないこ ARC/INFOと,,,a)被告を含む無効審判請求人は 平成12年9月27日 特許庁に対しのマニュアル類等を「日本語版が出版され公知となった事実ARC/INFOを証明することが困難」であるとの理由により証拠撤回しているのであって,これらが「特許出願前に日本国内において公然知られた発明 ,」「特許出願前に日本国内において公然実施をされた発明 (平成11年」法律第41号による改正前の特許法29条1項1,2号)に該当しないことは明らかである。
また,上記マニュアル類(日本語版及び英語版)は 「特許出願前に,」() 日本国内又は外国において頒布された刊行物特許法29条1項3号に該当しない。なぜなら,同号にいう「頒布」とは当該刊行物が一般大衆により閲覧可能な状態で配布されていることを要し 「刊行物」とは,頒布により公開されることを目的として複製された文書や図面の情報伝達媒体を指すところ,上記マニュアル類はのライセンシーARC/INFOに限り配布されるものであって,いずれの要件も満たさないものだからである。この事実は,パスコが社との間で締結したディストリビESRIュータ合意書によれば,ディストリビュータはソフトウェアパッケージ(ソフトウェアをサポートするための図解,説明書,文書を含む:第3条)に関する秘密保持義務を課されていること(第11条 ,及び沖縄)県が社との間で締結した間接的ライセンス合意書においてもライESRIセンシーは同様の秘密保持義務を課されていることからも明らかである(第9条 。)したがって,被告が挙げる証拠はいずれも新規性進歩性欠如の主張の根拠たり得ない。
)パスコが,営業活動の過程でマニュアル類に基づいた説明を行ったとbしても,マニュアルに記載された「発明」が公知となるものではない。
顧客への説明に用いたマニュアル類に記載されているというだけで,当該マニュアル類に記載された技術事項のすべてが「公然知られた」状態になるものではない。すなわち,仮に,営業活動における説明の過程で顧客に知得された技術的事項があったとしても,公知となり得る事項。, はあくまでもそこで現実に説明された事項のみに限られる したがってマニュアル類に基づく説明を行っているという一事をもって,マニュアル類に記載されている事項がすべて「公知」となることはない。
また,ある発明の公然実施があったといえるためには,少なくとも,秘密保持義務を有しない者が発明内容を知り得る状態で特許法2条3項所定の実施行為を行うことを要するところ,パスコが営業活動においての実演や機能説明を顧客に対して行ったとしても,実際に実ARC/INFO演された機能以外の機能まで公然実施されたとはいえないし,そもそもデータ処理のアルゴリズムの内容を知り得る状態での実施がなされることもあり得ない(なお,被告の主張によれば,アルゴリズムは社ESRIの営業秘密に該当するとされている。。)加えて,仮に,本件特許出願がなされる以前において,パスコがの実演やマニュアルによる説明を顧客に行ったことがあったARC/INFOとしても,それはデジタイザを用いたデータ入力方法に関する範囲であって,本件発明に類する技術が実演されたり,説明されたとは考えられない 「沖縄県森林情報システム御提案書」は,本件特許出願の優先日
(平成3年6月24日)直後の平成3年7月にパスコが沖縄県に対して提出した提案書であるが その7項の 地図情報の入力工程 および 作 ,「」「業内容 ,ならびに9項の「ハードウェア構成」の項目における各記載 」からも明らかなとおり,パスコは当時なお,デジタイザによるデータ入力方法を前提とする営業活動を行っていた事実が認められ,オンスクリーン入力を含む他の入力方法については,同提案書中で一切触れられていない。
イ本件発明の技術的意義)本件発明は,閉領域データを作成し,かつ,その閉領域データに属性aデータを付与可能にした閉領域データを作成する地図データ作成方法に関するものである。
また,本件発明は複数の線分から構成されるポリゴン作成方法に関するものであり,単に一本の線分が閉じて閉ループを形成したポリゴンの作成方法とは異なるものである。
)次に,本件発明は,属性データを付与可能にした閉領域データの作成bについてラスターデータからベクトルデータを作成し,このベクトルデータで示される点列データのみのデータに基づいて閉領域データを作成する方法である。
すなわち,面データを作成する際,終点が始点と一致しない時にこの不連続点から任意の点又は線に連続する線データを入力に基づいて生成して閉領域データを完成させるほかは,何らの位置データやポリゴンID(ラベル点)の入力もせずに,単なるベクトルデータから属性データを付与可能な閉領域データを作成する方法に関するものである。
)さらに,本件発明は,こうした目的を達するため,c@まず,ラスターデータからベクトルデータを作成し,Aこのベクトルデータを二次元の線データに変換し,Bこれらの線データを,他の線データとの接点,交点で分割して,途中に接点や交点を持たない線分に分割して 座標上の線分に変換し こ ,(うした前処理を行った後 ,)Cこうした各線分を(始点及び終点に基づいてソートし,これらのソートした線分を時計回り,逆時計回りの)所定方向に接続して,閉領域データを作成する方法に関するものである。
本件発明は,このように属性データを付与可能な閉領域データを作成するため,上記のようなアルゴリズムによって作成するという一体的,一貫性のある方法に関するものである。
)さらに,本件発明の効果は,d@地形図等の原図を読みとってラスターデータからベクトル線データを作成し,これを面データに変換し,不連続部を修正して,面データ,, を作成することが迅速かつ容易にできるので 地図の各部を特定して属性を付与する地図情報の製作が容易となり,かつ,費用や時間を大幅に削減することができるA地図情報を構造化し,地図情報を変化に即応できる管理資料として十分に活用可能となるという点にある。
)以上のとおり,本件発明は,e@属性データが付与可能な閉領域データを作成するためのものであり,Aラスターデータからベクトルデータを作成し,このベクトルデータのみの入力データに基づいて上記データを作成するものであり,B上記データを作成するアルゴリズムとして,まず,ラスターデータからベクトルデータを作成し,ベクトルデータのデータ形式を変換して,座標上の線分に変換して,座標上の線分を所定方向に接続して,閉領域データを作成するという一体的なものである。
C面データの閉領域を効率的に作成するだけでなく,位置データを構造化し,管理資料として利用可能なものである。
本件発明は,このように一体となった地図データ作成方法及び作成装置に関する技術思想であって,特許請求の範囲によって規定された各構成要件毎に分割できるものではない。
ウ本件発明と引用例との対比)本件発明は,上記のとおり,前記各構成を備えることによって,一体aとなって閉領域データを作成し,かつ,その閉領域データに属性データを付与可能にして作成する地図データ作成方法に関するものである。
したがって,本件発明の上記各構成の一つ一つが新規であるか,新規でないかを議論しても本質的に意味はない。仮に,各構成の一つ一つが新規ではなく,刊行物等によって開示されていたとしても,各構成によって構成された本件発明全体が新規であれば,本件発明は新規なものだからである。
被告は,各構成要件毎にその構成が引用発明に開示されているかどうかを主張する。しかし,このような主張は,本件発明の目的,構成,効果を隠ぺいするものであって誤導的である。本件発明の全体についての技術思想が引用発明に開示されているか,あるいは,当業者にとって容易に想到可能かという点が問題なのであり,議論の論旨が誤っている。
)マニュアルV5(乙24,25)を主引例とする主張につbARC/INFOいて@被告は,本件発明の構成要件1Aないし1C,1Dの前半,1Eないし1Hについて,マニュアルV5に記載がある旨主張すARC/INFOる。しかし,いずれの記載も抽象的なものであり,具体的なものではなく,かつ,部分的なものである。
V5の本件特許出願当時のポリゴン作成方法は,デジタARC/INFOイザ入力とを組み合わせたものである。社は,本件 ARC/INFO ESRI特許発明のように,ラスターデータからベクトルデータを抽出し,そのベクトルデータのみに基づいてポリゴンを作成するという技術思想に到達していなかったのである。確かに,V5には,本件ARC/INFO発明の基礎となる概念や,本件発明を構成する部分的な技術が存在すると考えられる。しかし,社は,こうした技術を進化させて,ESRI本件発明を導くことはできなかったのである。
ARC/INFO ARC/INFO AV5が本件特許出願当時,デジタイザ入力とを組み合わせたものにとどまっていたことは,次の点から明らかである。
( )入力方法についてi主としてデジタイザでベクトルデータを入力する。また,ベクトルデータを入力するだけでなく,ラベルポイントを入力する。
( )入力されたデータの内容についてiiV5の入力ソフトであるでは (x,y) ARC/INFO ARCEDIT ,座標を入力する際,キーの値を付加する。したがって,入力された(x,y)座標は,始点,経過点,終点の情報が付加された(x,y)座標である。また,上記のとおり,ラベルポイントの情報も付加されている。
( )ポリゴンの定義方法についてiiiV5では,ポリゴンはアークのシリーズとラベルポイ ARC/INFOントで定義される。この点に関するマニュアルV5の ARC/INFO記載は,部分的かつ抽象的な記載で,本件発明の技術内容を開示もしくは示唆するものではない。
B以上のとおり,マニュアルV5で開示されているポリゴ ARC/INFOン作成方法は,本件発明と全く異なるものである。
)文献(乙23)を主引例とする主張についてcMARIS@(乙23)と本件発明との相違点についてMARIS(乙23)は,特徴点から追跡を開始し,閉ループを完成 MARISするための追跡型技術であって,単なるベクトル列によって閉面を構成するものである。一方,本件発明は,交点,接点を持たない線分に変換し,その線分によって閉領域データを作成するものであって,発想が全く異なる。
(乙23)では,ベクトルデータにおける境界追跡を実行MARISする前に,複雑なテーブル(特徴点テーブル,ブランチテーブル及びベクトルテーブル)を作成する必要がある。これらのテーブルは,本件発明の線データ部,点データ部,領域データ部とは全く異なるものである。
(乙23)では,ベクトルデータにおける境界追跡を実行MARISする前に,データ形式を変換しない。一方,本件発明では,単なる点列データの形式を点データ部,領域データ部,線データ部を有する二次元のデータ形式に変換し,その後の処理を容易にしている。
A(乙23)の実用上の限界についてMARISでは,一つの特徴点に対して最大8本までのブランチしか MARIS接続可能でない。また,特徴点に接続するブランチ相互の角度差が平均45度という,現実の地図データの線分同士が持つ角度差を大幅に超える条件が必要とされ,到底実用的でない。
)乙34発明を主引例とする主張についてd乙34発明においては,境界図形の線分を含む閉図形と,それらの閉図形を形成するすべての線分の存在は所与である。一方,本件発明は,この閉図形を作成する方法についてのアルゴリズムについてのものである。
乙34発明では,処理装置内にカウント値を処理する属性処理回路を有する。この属性処理回路は,本件発明における属性データの付与可能化とは異なる。
乙34発明は,ポリゴンを作成する際,線分を何度も使用しなくても。, 済むように使用する線分にカウント数をつけるための技術である 一方本件発明は,ラスターデータから線データを作成して面データの閉領域データを作成する全体的な地図データ作成方法についてのものであり,技術内容が全く異なる。
乙34発明は,閉領域内に基準点があり,この基準点の周囲の線分を基準点を囲むように追跡していく技術の一変形にすぎない。
乙34発明は,本件発明のような,ラスターデータから変換されたベクトルデータをデータ形式を変換させて線データから閉領域データを作成するような構造的な技術思想を何ら有していない。
)乙33発明を主引例とする主張についてe乙33発明では,ラスターデータからベクトルデータを作成するとともに,その線種情報を入力し(破線,鎖線等の情報 ,断線部分を補間)する等,複雑な処理をしなければならない。
乙33発明は,地図や回路図等の中に存在する閉ループを抽出するものであり,基本とする技術思想が大きく異なる。乙33発明では,端点の少なくとも一方がオープン端点であるアークについては,処理後においてデータとして保持され得ず,したがって,閉ループ(閉領域)を形成しない面データもデータとして保持され得ない。
乙33公報には,構成要件1Bに相当する構成が開示も示唆もされていない。
)乙35発明を主引例とする主張について f@構成要件1B及び1C被告は 「 前処理されたラスターデータは,ベクトルデータに変 ,『換される そして最終的なデータで必要とされるあらゆる構成要素 た 。 (とえば,線分の結合としてのチェイン)や位相関係(たとえば,内包や隣接)を構築するために,ベクトルデータベースが構築される』との記載( 6.1.2データ媒体変換 )は,構成要件1B,1C 「 」の構成を,直接開示ないし示唆するものといえる 」と主張する。。
しかし,上記記載は単にベクトルデータから「ベクトルデータベース」なる最終的なデータ構造が構築されることを述べたにとどまり,ベクトルデータを「二次元の線データ」に変換することを開示したものでも 「二次元の線データ」を「座標上の線分」に変換することを ,開示したものでもない。また,乙35文献には,ベクトルデータをどのように変換するのかについて全く記載されておらず,かかる記載によって何らかの技術が開示されたものと評価することは到底不可能で。,「」 , ある さらにベクトルデータベース の言葉の意味も不明であり「二次元の線データ」を指すのか 「座標上の線分」を指すのか,あ ,るいは「面データ」を指すのか全く不明である。よって,乙35文献の上記記載は何ら構成要件1B及び1Cを開示するものではない。
また,被告は 「座標点列データである『全ポリゴン構造』データ ,を『アーク・ノード構造』データに変換することも,そのアルゴリズムの示唆とともに ・・・開示されている 」と主張する。 ,。
しかし,乙35文献の記載は 「全ポリゴン構造」を有するデータ ,をアーク・ノード構造を利用した面データへと変換することを述べたにとどまり,座標点列データとしてのベクトルデータを 「二次元の,線データ」及び「座標上の線分」を経て面データへと変換することは全く開示がない。また,被告はデータ変換のアルゴリズムが示唆されていると主張するものの,乙35文献では「複雑な検索操作が必要となる」などと記載されているのみであって,データ変換のアルゴリズムは全く示唆すらされていない(座標点列データであるベクトルデータを,アーク・ノード構造化データへ自動変換する技術は,本件発明により初めて確立されたのであるから,乙35文献がこのような曖昧な記載にとどまるのは当然である。さらに,乙35文献は,全ポ 。)リゴン構造データからアーク・ノード構造データへの変換が自動的なものであることは何ら開示していない。
以上のとおり,乙35文献には,ベクトルデータを「二次元の線データ」に自動変換する処理も 「二次元の線データ」を「座標上の線 ,分」に自動変換する処理も記載されておらず,構成要件1B又は1Cは何ら開示されていない。
A構成要件1E及び1F乙35文献は,構成要件1E及び1Fの課題を示したものにとどまり,課題を達成するための構成は全く示されていない。このような課題の記載のみによって構成要件1E及び1Fが開示されたものと評価することは不可能である。
よって,構成要件1E及び1Fは,乙35文献に何ら記載されていない。
B構成要件1Gアーク・ノード構造やリレーショナル構造が属性情報を格納し得るデータ構造であることはもとより当然なのであって,構成要件1Gはこのことを前提としつつ,属性情報の付与を現実に可能とするために各閉領域データに識別番号を付与するものである。この識別番号はそれぞれの閉領域データと属性情報とを結び付ける働きをするものであり,これが付与されなければ,アーク・ノード構造を利用した面データを作成したとしても当該面データに属性情報を付与することはできない。
よって,アーク・ノード構造データやリレーショナル構造データが属性情報を格納できるということと,地図データに属性情報を付与可能にするということは全く異なり,構成要件1Gは乙35文献に何ら記載されていない。
エV5を主引例とした場合の組合せARC/INFO)既に述べたとおり,マニュアルV5には,次の技術思想が aARC/INFO開示されていない。
@ラスターデータからベクトルデータを作成した単なる座標点列からすべてのポリゴンを作成するという技術思想Aポリゴンを作成するために,単なる座標点列からなるベクトルデータ形式から構造化が可能な二次元の線データ形式にデータ形式を変換するという技術思想)V5に,(乙23 ,乙34発明又は乙33発明をbARC/INFOMARIS )組み合わせても,次に述べるとおり本件発明には容易に想到し得ない。
@(乙23 ,乙34発明又は乙33発明は,そもそも従来技MARIS )術の改良版であって,本件発明と課題が共通しない。
すなわち,(乙23 ,乙34発明又は乙33発明は,いずMARIS )れも効率的に閉ループを作成するための技術であって,二次元の線データからポリゴンを作成するという課題を有していない。また,単なる点列データから作成したポリゴン(これがポリゴンに該当するかは一つの問題である )と二次元の線データから作成したポリゴンの相 。
違自体を理解していない初期技術である。
A(乙23 ,乙34発明又は乙33発明は,ポリゴンを一次MARIS )元的に理解し,単なる座標点列によってポリゴンを作成しようとしているか,もしくは,追跡型システムで一筆書きの要領で閉ループを作成するための技術であって,本件発明の技術思想とは本質的に異なるものである。
Bこのため,(乙23 ,乙34発明又は乙33発明では,単MARIS )なる座標点列からなるベクトルデータ形式から構造化が可能な二次元の線データ形式にデータ形式を変換するという技術思想がない。
オ(乙23 ,乙34発明又は乙33発明を主引例とした場合の組MARIS )合せ(乙23 ,乙34発明又は乙33発明は,いずれも本件発明のMARIS )技術思想とは課題を異にするものであり,その構成,効果のいずれも異なるものであるから,本件発明に想到し得ないことは明らかである。
11争点4(損害の額)について( ) 原告の主張1ア被告による権利侵害被告は,イ号物件の製造販売により,本件特許権を侵害している。
被告は,イ号方法@記載の方法により取得した地図データの作成・販売等により本件特許権を侵害している。
イエン企画の有する損害賠償請求権の取得エン企画は,沖縄デジタルセンターに対し,本件専用実施権を設定した(平成14年5月8日登録 。)沖縄デジタルセンターは,平成17年1月12日,原告に対し,沖縄デジタルセンターが本件専用実施権を有していた期間についての,被告に対する本件専用実施権侵害に係る損害賠償請求権を債権譲渡し,この譲渡通知は,同年1月13日,被告に到達した。
ウソブリンアセットマネジメントジャパンの有する損害賠償請求権の取得沖縄デジタルセンターは,ソブリンアセットマネジメントジャパンに対し,本件専用実施権を譲渡した(平成16年9月22日登録 。ソブリン)アセットマネジメントジャパンは,原告に対し,本件専用実施権を譲渡した(平成16年12月7日登録 。)ソブリンアセットマネジメントジャパンは,平成17年1月12日,原告に対し,ソブリンアセットマネジメントジャパンが本件専用実施権を有していた期間についての,被告に対する本件専用実施権侵害に係る損害賠償請求権を債権譲渡し,この譲渡通知は,同年1月13日,被告に到達した。
エ損害の額被告は,年間約17億円の売上高を有し,経常利益は約1億0300万円である。被告は,このうち,イ号物件目録記載の製品の販売により,少なくとも年間8億円の売上げを得ているものと推定される。
被告は,平成8年以降,イ号物件目録記載の製品を販売している。原告は,前記イ及びウ記載のとおり,平成14年5月8日以降の損害賠償請求権の譲渡を受けている。
原告は,不法行為又は不当利得に基づき,平成14年5月8日からの2年分の実施料相当額を請求できる。実施料率は売上金額の15%が相当である。
よって,原告は,被告に対し,2億4000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成17年2月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。
( ) 被告の主張2原告の主張は争う。
第4争点に対する判断当裁判所は,イ号方法は構成要件1Dを,イ号物件は構成要件2Dをそれぞれ充足せず(後記1,2 ,かつ,本件発明は,マニュアルV5に ) ARC/INFO記載された発明から当業者が容易に想到し得たものであり,進歩性欠如の無効理由を有する(後記3ないし8)と判断するものである。その理由は,次のとおりである。
1イ号方法が構成要件1Dを充足するかについて( ) イ号方法のうち,構成要件1Dに相当する構成について1MAKEPOLアイ号方法のうち 構成要件1Dに相当するとされているのは , ,コマンドを実行する部分である。コマンドを実行することによMAKEPOLって,@元々あるラインデータと反対方向のラインデータを自動的に作成し,Aポリゴン作成に使用されていないラインデータを任意に選択し,B選択されたラインデータの終点と同じ座標の始点を持つラインデータを検索し,C検索したラインデータの中で反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択し(ただし,角度0°のラインデータは選択しない,。)D上記BとCを繰り返し,検索したラインデータの終点が上記Aで選択されたラインデータの始点と一致したときにポリゴンを作成し,E以後,対象範囲内のすべてのポリゴンが作成されるまで,上記A〜Cの処理を繰り返すというようにして,ポリゴンを一括して作成することは,当事者間に争いがない。
一方,対象範囲内に,( )端点が存在する(ポリゴンとなるべきラインiデータの終点と始点が一致していない場合も含まれる )か,( )未入力。 iiの交点があるか,又は,( )重複したラインデータがある場合に,端点, iii重複箇所等のエラー箇所がマークファイルに格納されることについては当事者間に争いがないものの,上記三つの場合に,ポリゴン作成の上記@ないしEの一連の処理が行われるかについては,当事者間に争いがある。
イ証拠(甲5の2)によれば,コマンドリファレンスマニNIGMAS2000ュアルには,次の記載があることが認められる。
「ポリゴンデーター一括自動発生MAKEPOL概要線データを元にポリゴンデータを一括自動発生します。
詳細元の線データは,以下の条件を満たすものとします。
@端点がない。
A交差箇所に交点がある。
B重複した線データがない。
端点・重複が存在する場合,端点・重複箇所をマークファイルに格納します。その場合,処理は中断されます。
・・・作成したマークファイルを表示するには,コマンドMARKREADを実行します。
・・・操作パラメータを指定した場合例)ポリゴンデータを一括自動発生します。端点があればマークファイル()に格納します。
SAMP.MRK・・・これらの条件を満たす為,@の場合(判決注:始終点が他の線の始終点に一致していない場合)は,TERMMARKで,端点箇所にマークを作成し,端点の部分を削除するか,接続できる点まで延長し,端点を無くします。Aの場合(判決注:線の交差している所に交点ができていない場合)は,CROSLAYで,交点を作成します。Bの場合(判決注:線分が重複している場合)は,CROSLAYでマークを作成した後,SAMEL1で,重複線分を消去します 」。
ウ上記認定事実によれば,コマンドを実行して,端点や重複がMAKEPOL存在する場合,端点や重複箇所をマークファイルに格納して,その後の処理は中断されるものである。この場合に,端点や重複を見出す具体的方法は不明である(なお,乙6は 「面データ」作成の具体的方法を説明する ,ものであるものの,これによっては,処理が中断されるような端点や重複を見出す具体的な方法は不明であるものと言わざるを得ない。。)( ) 構成要件1Dの前半部分について2被告は,イ号方法における処理方法は,接続方向を一定に定めるのではなく,次に接続するラインを「反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択する」ように予め定めておくものであり,構成要件1Dの前半部分を充足しないと主張する。
しかし,後記4( )の構成要件1Dの解釈によれば 「線分を所定方向に4 ,接続」とは,一定の順序づけに基づいて線分を接続することを意味すると解するのが相当であって,反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択・接続することも 「線分を所定方向に接続」に該当するものというべき ,である。
そして,後記4( )の構成要件1Dの解釈によれば 「面データ」とは,4 ,単に線分を所定方向に接続することによって構成される一本以上の線分の組合せを意味するにすぎないと解するのが相当であることから,イ号方法において,線分の「終点が始点と一致したときにそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成」していることは明らかである。
したがって,イ号方法@の構成5( )ないし( )は,構成要件1Dの前半部15分を充足するものと認められる。
( ) 構成要件1Dの後半部分について3ア原告は,コマンドを実行した際,@始終点が他の線の始終点 MAKEPOL, , に一致していない場合 A線の交差している所に交点ができていない場合又はB線分が重複している場合であっても,上記各問題箇所を見出すために,線分を所定方向に接続する処理がなされていると主張する。
しかし,線分を所定方向に接続することによって上記各問題箇所を見出すことが可能であるとしても,その発見方法は線分を所定方向に接続することに限られるものではなく,他の方法によって上記各問題箇所を見出すことは十分可能である。実際,証拠(甲5の2)によれば,コMAKEPOLマンドの説明に 「元の線データは,以下の条件を満たすものとします。 ,@端点がない。A交差箇所に交点がある。B重複した線データがない。端, 。 点・重複が存在する場合 端点・重複箇所をマークファイルに格納しますその場合,処理は中断されます 」と記載されていることが認められ,ま 。
ず端点や交点が存するか否かを何らかの方法で見出した上で,一連のポリゴン作成処理を行うことが示唆されている。したがって,上記各問題箇所が存在する場合であっても,原告主張の「線分を所定方向に接続」する処理がなされ 「面データ (線分を所定方向に接続することによって得ら ,」れる,一本以上の線分の組合せ)が作成されていることを認めるに足りる証拠はない。
よって,イ号方法が構成要件1Dの後半部分の処理を行っているかは不明であるので,これを充足するものということはできない。
2イ号物件が構成要件2Dを充足するかについて請求項2を請求項1と比較すれば明らかなように,本件発明2は,方法の発明である本件発明1を物の発明として構成したものである。したがって,前記1で述べたのと同様に,イ号物件が構成要件2Dの後半部分を充足することを認めるに足りる証拠はない。
3マニュアルV5が「日本国内又は外国において,頒布された刊行ARC/INFO物 (特許法29条2項,1項3号)に該当するかについて 」( ) 証拠(乙37ないし43)によれば,次の事実が認められる。
1のマニュアル類は,社により作成されたものであり,ラ ARC/INFOESRIイセンシーに配布することを目的とする文書である。パスコと社との ESRI間のディストリビュータ契約によれば,のディストリビュータで ARC/INFOあるパスコは,ソフトウェアパッケージ(ソフトウェアをサポートするための図解,説明書,文書を含む )に関する秘密保持義務を課され,ディスト 。
, , リビュータの顧客も ソフトウエアパッケージについて秘密保持義務を負い顧客が一時に保有することのできるソフトウェアのコピーは3部に制限されている(乙41の11条 。また,パスコは,ソフトウェアパッケージを実 )演し販売するため,ライセンシーとなることに同意した顧客から,事前に社が定めるライセンス契約書を徴求し,社の承認の後に,ライセESRI ESRIンス対象プログラム及び必要なマニュアル類を配布することになっている(乙41の4条,6条 。)のライセンシーの数は 本件発明の優先日前である平成2年 1ARC/INFO , () ,, 990年 末の時点で約2700システムであり 日本国内に限ってみても平成3年(1991年)3月の時点で約80システム(ライセンス)であった。
のライセンシーは,米国及び60以上の諸外国の森林・自然資ARC/INFO源機関,水管理機関,連邦諸機関,中央・地方政府,コンサルタント会社,石油会社,測量・地図会社及び大学等である。
ライセンシーののマニュアル類の使用実態は,次のとおりでARC/INFOある(乙37ないし40 。)オハイオ州立大学の地理学コースでは,のすべてのバージョンARC/INFO(1987年から1991年)を受領しており,バージョン3及びバージョン5のマニュアル類もその都度受領していた。そして,及び同マARC/INFOニュアル類は,地理情報システム研究室に出入りする教職員及び学生の利用に公然と供されていた。また,同研究室の教職員は,時々,社発行のESRIマニュアルの全部又は一部をコピーし,教材として学生に配布していた。また,教職員や学生が使用する目的等のために,追加の部数のマニュアルを社に求めたことが幾度かあり,それらを無料で受領している。 ESRIカリフォルニア州立大学ノースリッジ校地理学部においても,遅くとも1987年ころには,とそのマニュアルが教師及び学生により利用ARC/INFOされており,その一部が学生に参考資料として,秘密保持義務を伴うことなしに,配付されていた。
, ,ESRI 社の販売店及び販売員は 1980年代から1990年代にかけて販売現場で,ソフトウェアの性能を説明するために,将来の顧客及びビジネスパートナーに対し,上記マニュアル類(のマニュアルバージョARC/INFOン3及び5)を継続的に使用して説明し,必要に応じ,秘密保持義務を課すことなく,その抜粋(写し)を提供していた。社は,マーケティングESRI活動において顧客となる可能性がある者に上記マニュアル類を提供することをパスコにも推奨しており,パスコのみならず,社も,マーケティンESRIグ活動において,何らの秘密保持義務を課すことなく,マニュアル類の抜粋を顧客となる可能性がある者に提供する場合があった。
( ) 前記認定の事実によれば,のマニュアル類は,マニ2 ARC/INFOARC/INFOュアルV5も含め,多数のライセンシーとその社員,従業員,学生など不特定多数の人に頒布され,その内容が公開されていること,マニュアル類自体には,ソースコード等の開示はなく(乙24,25 ,高度の秘密情報が記 )載されているものではないこと,の営業活動においては,当該マARC/INFOニュアル類が実際には厳格に秘密として管理されておらず,契約条項において定められている秘密保持条項は,実際には,ソフトウエアを念頭に置かれたものであり,マニュアルについては営業政策上厳格な秘密保持義務を課しARC/INFO ていたとまでみることはできないことが認められ 以上によれば,,マニュアルV5を含む上記マニュアル類は「日本国内又は外国において,頒布された刊行物」に該当するものと認められる。
, ,「 , したがってマニュアルV5は日本国内又は外国においてARC/INFO頒布された刊行物」として,進歩性を判断する資料となるものである。
4本件発明1の各構成要件中,以下に述べるものは,いずれもその意味するところが一義的に明らかではないので,本件明細書の発明の詳細な説明参酌して,その要旨を認定する。
( ) 構成要件1Aの「ラスターデータからベクトルデータを作成」について1ア本件明細書には次のとおり記載されている(甲1)。
)発明の技術分野a「本発明は,地域や地点毎に属性を付与された地図情報を自動的に作成する地図データ作成装置に関する( 0001 )。」【】)従来の技術b「上記地域や地点毎に属性を付与した地図情報をコンピュータに記憶させるには,先ず,デジタイザ等を用い,手作業で地図上の区域や地点の縁に沿って入力端末を移動させ,この入力端末の移動データを区域や地点の輪郭線を表す面データとしてコンピュータに入力したのち,その面データに属性を付与していた( 0004 )。」【】「また,等高線による地形のみを描いた地図等も,土木・測量用として広く使用されている。このような地図は,ときに応じて修正・更新を行う必要がある。このような地図もコンピュータに読み取らせ,図形の歪みを自動的に直す等の補正を行っている。このような場合のコンピュータ処理では,上記のような面データの概念がなく,単に線を表すベクトルデータとして取り扱われ,説明文等を付加して表示することはできても,図形データに属性を付与するということはできない。又,線データの「切れ」などの自動検出が出来ず,又,家形のような直角部を有するベクトル認識対象にあっては,例えば当該家形が6画形であれば6本の線データに分解されて,一本の折れ線データに一括して自動的にベクトル化する事は出来ない為,地形図のような大量かつ重畳的な原図データから直接ベクトル処理した後で家形や道路等を種別分けする作業は著しく困難であり,予め各々のトレース図の作成を必要とする状況にある( 0005 )。」【】)従来技術の問題点c「・・・これらの面データの入力は上述したように全て手作業によって入力されるものであるが,コンピュータ処理において,上述のようにして入力された一つ一つの面データに,後の処理で属性を割り当てるためには,それぞれの面データが閉面を構成していなければならない。面データの表す輪郭線が画面表示上では視覚的に閉じている場合であっても,コンピュータ内部のデータとしては開いており,不連続となっていれば,この面データに与えた属性がこの不連続点から周囲に漏洩して不都合を生ずる。このため,上述のデジタイザによる面データの入力作業は熟練を要し,極めて手数のかかる作業である。従って,人件費が地図情報作成コストの50%以上,ときには90%を占めるとさえいわれ,・・・ ( 0006 )」【】「このように,従来は,地図の輪郭線データを手作業で入力しなければならず,また,線データを自動的に読み取ることができるものは,その後の属性付与の処理ができないという状態であり,又,線の「切れ」の自動検出や,直角部を有するベクトル化対象物の一本の折れ線への自動一括長ベクトル化も出来ないという状況であり,一貫して自動的に地図情報を作成する方法も装置も存在しなかった( 0008 )。」【】d)発明の目的「本発明は,上記従来の実情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,地域や地点毎に属性を付与可能なように保存した地図情報を大幅に効率良く自動的に作成することが容易にできる地図データ作成方法及び装置を提供することである( 0009 )。」【】e)実施例「・・・図1は本発明に係わる一実施例の構成図である。同図において,画像ベクトル線データ発生装置1は,地形図等の原図,あるいは,例えば図6(a)に示すような回路配線画像等を自動的に読み込んで画像に対応する電気信号を発生するイメージスキャナ1-1,そのイメージスキャナ1-1から入力される電気信号からディジタル・イメージ信号を生成するパターン認識モジュール1-2,パターン認識モジュール1-2により生成されたディジタル・イメージ信号から細線データを抽出しベクトルデータを作成して,例えば図6(b)に示す線データ画像作成処理を行う線データ画像処理装置1-3,及びその線データ画像処理装置1-3により作成されたベクトルデータを後述する線データ画像処理()。」 用Lファイル2aとして記憶するRAM I 1-4からなっている( 0011【0012 ) 【】,】f)発明の効果「本発明によれば,地形図等の原図を読みとって自動的に作成されたベクトル線データを面データに変換し,その不連続部を修正して閉領域データを作成することが迅速かつ容易にできるので,地図の各部を特定して属性を与える地図情報の制作が容易となるため,地図情報制作の費用を大幅に削減することが可能となる。さらに,地図情報を短期間に作成することができるため,地図情報を変化に即応できる管理資料として十分に活用可能となる( 0046 )。」【】イ本件明細書の上記記載について本件明細書に記載された従来技術とその問題点の記載によれば,従来技術として,@デジタイザ等を用い,手作業で地図上の区域や地点の縁に沿って入力端末を移動させ,この入力端末の移動データを区域や地点の輪郭線を表す面データとしてコンピュータに入力したのち,その面データに属性を付与する方法と,Aコンピュータにより自動的に地図の輪郭線データを読み取らせる入力とがあった。@の場合,この入力はすべて手作業によって行われていたところ,コンピュータ処理において,入力された一つ一つの面データに属性を割り当てるためには,それぞれの面データが閉面を構成していなければならず,視覚的に閉じている場合であっても,コンピ。, ュータ内部のデータとして開いている場合には不都合を生じる そのため, 。, 入力作業は熟練を要し 極めて手数のかかる作業とされていた Aの場合面データの概念がなく,単に線を表すベクトルデータとして取り扱われる, 。, ことから 図形データに属性を付与することができなかった このように@の場合,地図の輪郭線データを手作業で入力しなければならず,また,, , Aの場合 地図の輪郭線データを自動的に読み取ることができたとしてもその後の属性付与の処理ができないという状況にあった。そこで,本件発明は,属性を付与可能なように保存した地図情報を大幅に効率良く自動的に作成することが容易にできる地図データ作成方法及び装置として発明されたものである。
したがって,本件発明の課題は,地図情報を,属性付与が可能である閉鎖された面データとして入力する作業を効率良く行うことにある。このような課題の解決は,@地図情報をベクトルデータとして入力する作業の省力化,Aベクトルデータから閉じた面データを作成する作業の省力化によって達成されるものである。
このような課題のうち,課題@は構成要件1Aに,課題Aは構成要件1Bないし1Fに対応するものである。そして,二つの課題のすべてを自動化しなくても効率よく自動的に作成することを容易にするという発明の目的を達成することは可能であることからすれば,請求項1及び2に規定されている本件発明が両方の課題を共に自動化により解決する手段を提供したものと解すべき必然性はない。特に,構成要件1Aの文言が,構成要件1Dと異なり,ベクトルデータの作成方法について「自動的に」との限定を加えていないことからすれば,構成要件1Aが課題@を自動化により解決した構成を規定したものと解する理由はなく,本件発明は,課題Aを自動化により解決した発明と解するのが合理的である。
なお,本件明細書の実施例にはラスターデータを読み込んで自動的にベクトルデータを作成する工程しか開示されていないこと,発明の効果欄には 「原図を読み取って自動的に作成されたベクトル線データを面データ ,に変換し 」との記載がある。,しかし,上記のとおり,原図を自動的に読み取って得られるラスターデータからベクトルデータを作成する過程において,オンスクリーン入力方式という手作業の介在する手法を採用することは,従来技術として記載されているデジタイザー方式と対比すれば,本件発明の課題@を解決する有効な手段の一つということができ,実施例にベクトルデータの自動作成方式しか記載されていないからといって,課題を解決する手段がベクトルデ,, ータの自動作成方式に限定されるものと解することはできないこと 及び発明の効果欄における「自動的に作成されたベクトル線データを面データに変換し」における「ベクトル線データ」とは,構成要件1Bの「二次元」 ,, の線データ を指すものと解するのが相当であり 当該記載を考慮しても構成要件1Aの「ベクトルデータの作成」が自動的に行われることを要するものと解することはできない。
ウ以上のとおりであるから,構成要件1Aの「ラスターデータからベクトルデータを作成」については自動作成方式に限定されるものではなく,オンスクリーン入力方式によるものも含むと解すべきである。
( ) 構成要件1Bについて2構成要件1Bは 「線端を示す点データを含む二次元の線データに変換」 ,というものであり 「二次元の線データ」の意味を具体的に特定する記載は ,ない。
ア本件明細書には次の記載がある(甲1 。)「図2( )は,上記画像ベクトル線データ発生装置1のRAM(I)1a-4に格納される線データ画像処理用Lファイル2aの構成図,同図( ) bは,上記閉領域属性データ作成装置3のRAM(U)3-2に格納される閉面データ画像処理用Dファイル2bの構成図である。
同図( )の線データ画像処理用Lファイル2aは,それぞれ独立して画a像の輪郭を示す線を表す1レコードのデータからなり,1レコードがヘッダー部21及びデータ部22からなっている。ヘッダー部21は,レコードの区分を示すクラス部21-1,レコードが示す線の形状等を示すコード部21-2,及びデータ部22の長さを示すリスト部21-3からなっている。そして,データ部22は,線を表す座標データを格納するパラメータ部(@)22-@(@=1,2・・・n)から構成される。これらの線データは,例えば図14( )に示す十字の画像を,点()と点a x a-0, y a-0x a-1, y a-1 x b-0, y b-0x b-1,( (),(( )とを結ぶ線A 1レコード及び点)と点() ,y b-1 )とを結ぶ線B 1レコード の2本の線データとして表してもよくまた同図( )に示すように,上記十字の交点で線を分割し,A,B,C及bびDの4本の線データ(4レコード)として表してもよい。さらに,1点折れ線AB及び1点折れ線DCと表すこともできる( 0015【0。」【】,016 )】「また,図2( )の閉面データ画像処理用Dファイル2bは,同図( )のb a線データ画像処理用Lファイル2aとは全く異なるファイル構成であり,閉領域データを取り扱うための,例えばDLGファイルと同様な構成になっている。すなわち,ファイル構成を示すデータを格納するヘッダー部2b-1,折れ線の頂点や線端を示す点データを格納する点データ部2b-2,閉領域の少なくとも1つの属性を示すデータを格納する領域データ部,, 。」 2b-3 及び 線データを格納する線データ部2b-4からなっている( 0018 )【】「次に,上記線データ画像処理用Lファイル2aのデータを閉面データ画像処理用Dファイル2bに変換するCPU31の処理動作を図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。なお,この処理は特には図示しないレジスタi及びjを用いて行われる。
図4は,データ変換装置2の1例を示すものであり,先ずステップS1で線データ画像処理用Lファイル2aを読み込む。次にステップS2で,ファイルヘッダー部21のリスト部21-3から要素数を読み出しレジスタiに格納する。続いてレジスタiの値を判別し 「0」でなければ読む ,べき要素があるのでステップS5に進む。ステップS5では,要素レコードiを読み出し,その要素iの先頭部の要素種データ(すなわちクラス21-1及びコード21-2)を読み出しレジスタjに格納する。続いて,ステップS6でレジスタjの値を判別する。そして,値が「1」〜「7」であれば,それぞれステップS7〜ステップS13に進み,要素レコードiの要素種データに続いて格納されている座標データ(すなわち要素数22-1〜22-n)を読み出して,その読み出した座標データを閉面データ画像処理用Dファイル2bの線データ部2b-4に転送して所定位置に書き込む。
「」 「」,,, 上記レジスタjの値は 1 〜 7 まで それぞれ直線 1点折れ線2点折れ線・・・7点折れ線,及び8点以上折れ線を示している。また,上記ステップS6で,レジスタjの値が「7」より大であれば,要素の種類は線以外のデータを表しており,この場合はただちにステップS14に進む。次に,上記ステップS3で,レジスタiの値が「0」ならば,要素レコードはすべて読み出して1図形分の処理が終了しているのでステップS15に進み,面データの作成を行って処理を終了する( 0020】。」【ないし【0022 )】イ前記アのとおり,本件明細書の実施例には,構成要件1Aの「ベクトルデータ」に相当するLファイルと,構成要件1Bの「二次元の線データ」に相当するDファイルが記載されている。そして,Dファイルは「Lファイル2aとは全く異なるファイル構成であり,閉領域データを取り扱うための,例えばDLGファイルと同様な構成になっている 」と説明されて。
いる。このような記載によれば,構成要件1Bの「二次元の線データ」とは,閉領域データを取り扱うための線データであり,その一例としてDLGファイルが示されているものと解するのが相当である。
このように,構成要件1Bの「二次元の線データ」とは,閉領域データを構成し得ない単なるベクトルデータ(構成要件1A)とは異なり,閉領域データを構成し得る線データを指すものと解釈することができる。そして,Dファイル及びDLGファイルは,このような閉領域データを構成し得る線データの一例として挙げられているにすぎないものと解すべきである。
( ) 構成要件1Cについて3構成要件1Cの「二次元線データを座標上の線分に変換」の意味が一義的に明らかではないので,これについて判断する。
ア本件明細書には次の記載がある(甲1 。)「次に,上記面データの作成処理について,図5に示すフローチャートを用いて説明する。先ずステップS51で,上記閉面データ画像処理用Dファイル2bに作成した線データを読み出して,線分に分解する。この線分への分解処理は,上記読み出した線データを,他の線データとの接点,交点で分割して,途中に接点や交点を持たない線分に細分し,それらの各線分に線分番号を付与する処理である( 0023 )。」【】「」 , , イ構成要件1Aの ベクトルデータ は 交点で線を分割されていようとされていまいと,どちらでも構わないものである( 0016。このよ【】)うな「ベクトルデータ」を構成要件1Bの「二次元の線データ」に変換した場合,交点が存するものと存しないものとのいずれも含むものと考えられる。このように 「二次元の線データ」には交点が存するものと存しな ,いものとがあるところからすれば,構成要件1Cの「二次元線データを座標上の線分に変換」とは 【0023】に説明されているように,二次元 ,の線データを,途中に接点や交点を持たない線分に細分する工程であるものと解するのが相当である。
( ) 構成要件1Dについて4構成要件1Dの「線分を所定方向に接続」並びに「終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データ (閉じた面データ)及び「終点が始 」点と一致しないときはそれらの線分からなる面データ (閉じていない面デ」ータ)の意味が一義的に明らかではないので,これについて判断する。
ア本件明細書には次の記載がある(甲1 。)「次に,ステップS53で,それらの線分を始点及び終点に基づいてソートし,続いてステップS54で,それらソートした線分を一定方向に接続していく。この接続方向は,時計回り,逆時計回りいずれでもよい。線分の終点が分岐点であった場合,接続される同一始点を有する線分が複数存在する。上記接続方向が予めいずれか一定方向へ定められていることにより,それらの複数の線分の中から,共に面データを構成する線分を自動的に選択して接続することができる。
そして,ステップS55では,接続された線分の終点の点種を判別し,最初の線分の始点と同一の座標であるか,または次に接続する線分がない孤立点であった場合は,接続処理を終了してステップS56に進む。
ステップS56では,接続された一連の線分によって構成された面データに面データ番号を付与して閉面データ画像処理用Dファイル2bに再格納する。
上記ステップS55で,接続された線分の終点の点種が最初の線分の始点と同一の座標ではなく,また,孤立点でもないときはステップS54に戻って次の線分を接続する( 0025】ないし【0027 ) 。」【 】イ本件明細書の上記記載によれば,構成要件1Dの工程は,座標上の線分に変換された二次元線データを,一定の方向に接続していって,終点が始点と一致したときは,それらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し,一方,終点が始点と一致しないときはそれらの面データを自動的に作成するというものである(構成要件1Eにおいてその不連続となる始点及び終点を報知表示することになる。したがって 「線分を所 。),定方向に接続 は 一定の順序づけに基づいて線分を接続することを面 」 , ,「データ」は,単に線分を所定方向に接続することによって構成される一本以上の線分の組合せを意味するにすぎないと解するのが相当である。
なお,本件発明にいう「面データ」とは,ポリゴンのことであり 「面,データ」には「閉じた面データ」と「閉じていない面データ」とがあるとの解釈は 「閉じていない」ポリゴンという概念は一般的に存在しないも ,のであるから採用し得ない。本件明細書の【0004】の記載は,従来技術を説明するものであって,本件発明において作成される「面データ」の内容を説明するものではない。本件明細書の【0025】ないし【0027】の上記記載に照らせば,構成要件1Dの「面データ」とは,上記のとおり,一本以上の線分の組合せを意味するにすぎないと解するのが相当である。
( ) 構成要件1Eについて5「 」 構成要件1Eは 該面データの前記不連続となる始点及び終点を報知表示するものである。既に述べた「面データ」の定義からすれば,構成要件1Eは,一本以上の線分の組合せが不連続となっている始点及び終点を報知表示することを意味することになる。
( ) 構成要件1Fについて6構成要件1Fは「該不連続点から任意の点又は線へ接続する線データを入力に基づいて生成することにより該面データに対応する閉領域データを作成」するというものである。構成要件1D及び1Eからすれば,構成要件1Fは,不連続となっている面データ(一本以上の線分の組合せ)について,任意の点又は線へ接続する線データを入力して面データの閉領域データを作成することを意味することが明らかである。
5マニュアルV5における記載についてARC/INFO( ) 証拠(乙24,25)によれば,平成元年(1989年)に発行された 1ARC/INFO ARC/INFOUsersV5のユーザーズガイドであるマニュアルV5(・・)には,次Guide ARC/INFO Volume 1Version 5.0, Volume 2Version 5.0.1の記載がある。
ア冒頭「は,地理データの入力,処理,解析,表示に利用される地ARC/INFO理情報システム(GIS)です(乙24の1-1頁) 。」イの機能ARC/INFO「地理情報システムは,ディジタル形式で地理データを処理するために利用されます。地理情報システムによって実行できる機能は,4つのカテゴリーに大きく分類されます。 )入力, )解析, )データ管理, )表示と1234変換,,, 。 入力は データのデジタイジング 編集 フォーマット変換を含みますARC/INFO 入力操作の目的は,電子式又は光学式で,データを取り込み,が利用できる形式に変換することです。へデータを入力する方ARC/INFO法には,デジタイジング,スキャニング,法規制及びトラバース測量のデータを入力するために座標幾何学を利用する方法,他の様式からデータを変換する方法があります (例えば,画像とグリッドのファイル,コンピ 。
CADDLG ュータ・エイデッド・ドラフティング&デザイン()ファイル,データファイル,データ,ファイルなど(乙24の1-4DEMDIME 。)」頁)ウ座標の入力と変換「 , , , デジタイジングデジタイザー上の図形をなぞることにより 点 線ポリゴン外周を入力することができます。デジタイザーカーソルのボタンが押される度毎に,カーソルのx,y座標が図形の部分として記録されます。x,y座標は,テーブル座標でも実測座標でも良いです(乙24。」の4-4頁)「() ,() スキャニング 走査地図をスキャニングして ラスター値ON/OFFを一連の座標に変換する(ラスターベクトル変換です)装置によって実行されます。はそのような座標を,デジタイザーで入力された座ARC/INFO標と同じように取り扱います(乙24の4-6頁) 。」「 。 多種の産業標準及び政府支援フォーマットからのデータを変換します多種の産業標準及び政府支援フォーマットへデータを変換します ・・・。
ファイル・・・製図交換ファイル(・・・USGS DLGAutoCADDXF )及び地図印刷・出版のための2進法ファイル・・・」ScitexDIGIT Scitex(乙24の4-7頁)エ隣接関係「マップカバレッジのエリアフィーチャー間の隣接関係は,アークトポロジーを用いて表現されます。ポリゴンの境界線の各アークには向きがあり,左側ポリゴン,右側ポリゴンの値を持つので,どのポリゴンが隣接しているかは,容易に知ることができます。では,以下のようにARC/INFO隣接関係が実行されます。
すべてのアークに,1から順次,番号がふられます。
すべてのアークには 向きがあります すべてのアークは1つのノード 起 ,。 (点ノード)から始まり,別のノード(終点ノード)で終わります。
ポリゴンが作成される時に(つまり,各ポリゴンを定義するアークのリストが作成される時に ,各ポリゴンに順次番号がふられます (この番号 ) 。
は,ポリゴン内部番号と呼ばれます )。
各アークには向きがあり,その両側にポリゴンをもつので,左側ポリゴン番号と右側ポリゴン番号のリストができます(乙24・訳文の5-8 。」頁。判決注:この部分の英語版の証拠としての提出はない。しかし,英語版にこの部分が存在することは,別件訴訟(当庁平成16年(ワ)第17929号等事件)から当裁判所に顕著な事実である )。
オアークノードトポロジー「ノードは,アークの端点です。各アークには,始点ノード(アークの始まる点)と終点ノード(アークの終わる点)があります。これは,アークの向きを明確に格納するのに役立ちます。各アークは,向きを持ち,各ノードで出会うアークのリストが示されるので,アークのネットワークを通る経路は,容易に発見できます。では,以下のように接続関ARC/INFO係が実行されます。
すべてのアークは,1から順次,番号をふられます。
すべてのノード(アークの端点)も,また,順次,番号をふられます。各アークにおいて,最初のバーテックスが始点ノードであり,最後のバーテックスが終点ノードです(乙24・訳文の5-9頁。判決注:この部 。」分の英語版の証拠としての提出はない。しかし,英語版にこの部分が存在することは,別件訴訟(当庁平成16年(ワ)第17929号等事件)から当裁判所に顕著な事実である )。
カポリゴントポロジー「アークは,ラインを定義するx,y座標の順序づけられたシリーズ・・・として格納されます。アークに関して格納される座標の順序は,アークの方向を定義します。
, , 各アークのユーザーIDの他に マップカバレッジのすべてのアークに1から順次,番号がふられます (この番号は,内部アーク番号と呼ばれ 。
ます )。
ポリゴンは,その境界線を形成するアークの番号と,アークのリストによって定義されます ・・・。。
は,自動的にポリゴンアークリストを作成し,更新しCLEAN, BUILDます (つまり。ポリゴントポロジーを生成します(乙24の5-7 。 。)」頁)また,ポリゴントポロジーの具体例では,アークのリストを作成してポリゴンを生成している(乙24の5-7頁 。この具体例については,次 )のとおり理解することが可能である。すなわち,特開平1-274285号公報(乙34)には 「任意のベクトルを選択し ・・・,そのベクト , ,ルを基準にして接続するベクトルを検索し,第3の回路部13でポリゴン化する。検索する方向は予め設定しておく。接続するベクトルが複数存在する場合には,接続する角度により選択を行い,ポリゴン同士が重ならないようにする(3頁右下欄5行ないし11行)との記載があり,特開 。」平1-282685号公報(乙33)には 「追跡の開始アークをA1と ,するとき 現アークA1の終端において 次の追跡候補アークは A2 正 , ,,(方向)及びA4(逆方向)であるが,現アークA1に対して最も右に折れる接続ベクトルを持つアークA4を選択する(6頁右上欄20行ない 。」し左下欄4行)との記載があり,これらの線分を一定の方向に選択・接続する技術は周知技術であると認められる。そして,この周知技術とマニュアルV5における上記説明からすれば,当業者は,同マARC/INFOニュアルにおける上記具体例をアークを右回り方向に接続することによりポリゴンを作成しているものと理解することができるのである。
キ物理的ハードウェアにグラフィック端末(タブレットが接続されている )が接ARC/INFO 。
続された使用態様,にデジタイザーが接続された使用態様が図ARC/INFO示されている(乙24の8-2頁 。)「・・・デジタイザー上のマップを登録するために,デジタイザートランスフォーメーションカバレッジが使用されている場合は,がARC/INFO受け取ったデジタイザーの座標は,自動的にカバレッジ座標に変換されます。
デジタイザーは,典型的にカバレッジフィーチャーのデジタイジングおよび編集というような高い精度が要求される作業に使われます。フィーチャーの位置の入力が必要とされる全てのカバレッジの自動入力は,精度を保つために,デジタイザーで行う必要があります(乙24の8-4頁) 。」クカバレッジの作成手順「におけるカバレッジの作成手順の7つのステップを以下にARC/INFO示します。
1.デジタイジングのためのマップシートを用意します。
2.カバレッジをデジタイザー入力します。
3.デジタイジングエラーを発見して訂正します。
4.フィーチャーを定義し,トポロジーを生成します。
5.トポロジーエラーを発見して訂正します。
6.カバレッジフィーチャーに属性を付与します。
7.属性コーディングミスを発見して訂正します(乙24の10-2。」頁))ステップ2:カバレッジのデジタイザー入力a「カバレッジのデジタイザー入力は,アークフィーチャーとラベルポイントフィーチャーに関する一組のコーディングファイルに,X,Y座標のレコードを追加するプロセスです。デジタイザーカーソルを使用して,各マップフィーチャーを正確にトレースします。デジタイザーのカーソルボタンを押す度に,新しいx,y座標(バーテックス)がフィーチャーに追加されます。アークをデジタイザー入力するには,トレース。(, する時にアークに沿ってとびとびにカーソルキーを押しますつまり‘点を接続します。各ラベルポイントは,単一のバーテックスとし ’)て入力します。デジタイザー入力の目標は,可能な限り正確に,カバレッジにアークおよびラベルポイントを加えることです ・・・ (乙2。」4の10-3頁,10-4頁))ステップ3:デジタイジングエラーの発見及び訂正b「このステップでは,アーク及びラベルポイントの位置が正確にデジタイズされているかを確認します。デジタイズされたマップシートの正確な縮尺で確認のためのプロットを,作成します。次に,その2つを比較し,以下の事柄について確認します。
デジタイジングの時に,アークは正確にトレースされましたか (地図。
はうまく重なり合いますか )。
アークまたはラベルポイントが抜けていませんか。
アークの終点(ノード)は正確に一致していますか。また,アークが接続するべき位置に,ダングリングノードがありますか(乙24の1。」0-4頁)「・・・ダングリングノードは,ダングリングアークのノードで,どこにも接続していません。通例,ダングリングノードによりポリゴンが正しく閉じていないこと(アンダーシュート ,アークが正しく接続し )ていないこと,アークが他のアークとの交点を通過してデジタイズされたこと(オーバーシュート)等が確認できます ・・・以外。
EDITPLOTに, でも,ダングリングノードは,ディスADS, ARCPLOT, ARCEDITプレイされます。ダングリングノードは,常に四角形マークで示されます。のコマンドでも,カバレッジに存在するダンARCNODEERRORSグリングノードはリスト表示されます(乙24の10-6頁) 。」)ステップ4:フィーチャーの定義及びトポロジーの生成c「全てのデジタイジングエラーを訂正し終ったら,コマンド BUILDとコマンドを使用して,フィーチャートポロジーと最小限度の CLEANフィーチャー属性テーブルを作成します。しかし,,の BUILDCLEANうちどちらのコマンドを使うべきかを知っている必要があります ・・。
・ (乙24の10-7頁ないし10-14頁) 」)ステップ5:トポロジーエラーの発見及び訂正d「フィーチャートポロジーが生成されると,2つのタイプのエラーを調べることができます。閉じていてポリゴン(判決注:閉じていないポリゴンの誤記と認める )と接続しないライン(アンダーシュートとオ 。
ーバーシュート)を確認するために,ノードエラーをプロットすることができます。これらについては ‘ステップ2 (判決注:ステップ3 ,’の誤記と認める )で説明しています。また,ポリゴンについては,ラ 。
ベルポイントエラーを確認することができます。すなわち,複数のラベルポイントを持つポリゴンと,ラベルポイントを持たないポリゴンを確認することができます 」。
「エラーを発見したら,エラーを訂正するために,多数のコマARCンドを使用することができます。ノードエラーを訂正するためには。,ARCEDIT のプログラム・・・を使用します ラベルエラーについては及びを使用します。しばしば,エラーを訂ARCEDITCREATELABELS正するためには,アークを何本か削除して,それらをデジタイズし直すしか方法がない場合があります。カバレッジにそのような編集を行った後には,ほとんどの場合,フィーチャートポロジーも更新する必要があります ・・・トポロジーエラーを訂正するためにアークを編集した場 。
合は,トポロジーを更新するために若しくはのどちらCLEANBUILDを使うかを決める必要があります ・・・ (乙24の10-10頁な 。」いし10-14頁)ケコマンドについてaBUILD)BUILD 「カバレッジの要素属性テーブルを作成または更新します。
のオプションを指定したときは,ポリゴンとアーク・ノード・POLYトポロジーを定義し,オプションを指定したときはアーク・ノー LINEド・トポロジーを定義します。ポイント要素とその属性はオプ POINTションで作成します(乙25の1頁・訳文の113頁) 。」 BUILD「とは類似したコマンドで,どちらもカバレッジ・ト BUILDCLEANCLEANポロジーを定義します 基本的な違いは カバレッジの処理時に 。,ではファジー許容範囲が使用されるのに対し,では使用されなBUILDいということです。これはが交点を検出し,作成できるのに対 CLEANし,はそれができないことを意味します。しかし,ではBUILD BUILDファジー許容範囲が使用されないため,トポロジーの作成時には座標が調整されません(乙25の2頁・訳文の114頁) 。」BUILD「は座標エラーのあるカバレッジに実行してはなりません。 BUILD, BUILDPOLY にオプションを指定したときは問題の生じるエラーには交差するアーク(交点にノードが定義されていない ,閉じていないポ), 。 リゴンまたは一致するノードのないノード 細長いポリゴンがありますカバレッジ要素の座標をコマンドで修正してください(乙ARCEDIT 。」25の6頁・訳文の118頁)BUILDのカバレッジのファイルのデータ例が具体的に記載 ARC/INFOAATされ,ファイルには,アーク・ノード・トポロジーが格納されてAATいることが示されている(乙25の7頁・訳文の119頁 。 BUILD )bCLEAN)「正しいポリゴンまたはアーク・ノード・トポロジをもつカバレッジを作成します。このためには幾何学的な座標の誤りを修正・訂CLEAN正し,アークをポリゴンに組み立て,各ポリゴンまたはアークの要素属性情報を作成します(つまり,またはを作成します(乙PATAAT )。」25の1頁・訳文の125頁)CLEAN「はカバレッジ・ノードとポリゴンを明確にするためにカバ CLEANレッジ・アークとラベル点に幾何学的解析を実行してポリゴンおよびアーク・ノード・トポロジーを構築します。によって行われる具CLEAN体的な幾何学的解析は次のとおりです。
はアーク間の交点を見つけ,アークを分析し,交点にノードCLEAN(アークの終点)を作成します。
の実行時に,2つ以上のアーク座標が互いにファジー許容範CLEAN囲内にあるときはそれらが1つにされます(同じ座標点になる 。)・・・はアークで囲まれる領域を明確にしてポリゴンおよびアークCLEAN・ノード・トポロジーを作成し,各ポリゴンの境界を定義するアークのリストを作成します。はまたノードに番号をつけ,各アークのCLEAN開始ノードと終了ノード,各アークの右右の内部ポリゴン番号を設定し。」( ) ます乙25の3ないし4頁・訳文の126ないし128頁CLEANのカバレッジのファイルのデータ例が具体的に記載 ARC/INFOAATされ,ファイルには,アーク・ノード・トポロジーが格納されてAAT( )。 いることが示されている 乙25の11頁・訳文の135頁 CLEANcNODEERRORS)「カバレッジの中で潜在的エラーのあるノードをリストします(乙。」25の1頁・訳文の373頁)NODEERRORSdCREATELABELS)「カバレッジ・ポリゴンのラベル点を作成します。新しいラベル点のユーザIDsは自動的に割り当てられます ・・・(乙25の。。」1ないし3頁・訳文の165ないし167頁)CREATELABELSeDLGARC)「標準または任意形式のデジタル・ライン・グラフ()ファイDLGルを一組のカバレッジに変換します ・・・ (乙25とそ ARC/INFO 。」のD・訳文の192ないし200頁)AppendixfDXFARC)「図面交換ファイル()をカバレッジAutoCADASCIIDXFARC/INFOに変換します ・・・ (乙25とそのF・訳文の209ない 。」 Appendixし215頁)gSCITEXLINE, SCITEXPOINT, SCITEXPOLYAppendix ) (乙25とそのG・訳文の481ないし487頁)「・・・ファイルをラインSCITEXLINESCITEXDIGITARC/INFO・カバレッジに変換します 」。
SCITEXPOINTSCITEXSYMPLACEARC/INFO 「・・・ファイルをポイント・カバレッジに変換します 」。
「・・・ファイルをポリゴSCITEXPOLYSCITEXDIGITARC/INFOン・カバレッジに変換します 」。
( )マニュアルV5に開示されている構成について2ARC/INFO上記認定事実によれば,マニュアルV5には以下の構成が開示 ARC/INFOされている(以下 「構成A′」のようにいう。 , 。)A′地形図等の原図をスキャニングして得られるラスター値を,ラスター・ベクトル変換により一連の座標に変換する(乙24の4-6頁 ,)B′該ベクトルデータを,のカバレッジに変換し(乙24のARC/INFO1-4頁,4-7頁,乙25とそのF・訳文の209な Appendixいし215頁,乙25とそのD・訳文の192ないし2 Appendix, , 00頁 乙25とそのG・訳文の481ないし487頁 Appendix乙25の7頁・訳文の119頁,乙25の11頁 BUILD CLEAN・訳文の135頁)C′コマンドによってアークの交点にノードを付してアークノCLEANードトポロジーを構築し,アークの接点及び線端点にも同様の処理を行い(乙25の3ないし4頁・訳文の126ないし12CLEAN8頁 ,)D′アークを右回り方向に接続し,アークが閉じている場合にはポリゴンを作成し(乙25の3ないし4頁・訳文の127ないしCLEAN128頁,乙25の1頁・訳文の113頁,乙24の5- BUILD7頁,10-4頁,乙25の2頁・訳文の114頁,乙2 BUILD5の6頁・訳文の118頁)BUILDE′コマンドやによって 「閉じていないポNODEERRORSARCEDIT ,リゴン」と「接続していないライン」をダングリングノードとしてエラー表示し(乙24の10-4頁ないし10-6頁,10-7頁ないし10-14頁)F′ダングリングノード等のエラーを発見したら,によるデARCEDITジタイザー入力によりエラー訂正し,アークを編集した後に再度若しくはコマンドを実行して,トポロジーを更新しCLEANBUILD(乙24の10-3頁,10-4頁,10-10頁ないし10-14頁 ,)G′若しくはコマンドにより各フィーチャーの属性を記CLEANBUILD憶するためのフィーチャー属性テーブルを作成し 地図データの 解,「析「データ管理「表示と変換」及び印刷等を行う(乙24の 」,」,1-4頁)H′地図データ作成方法(乙24の1-1頁 。)6本件発明1とマニュアルに開示されている発明との対比ARC/INFOV5( ) 両者を対比すると,次のとおりである。 1ア構成要件1A構成要件1Aは 「原図を読み取って得られるラスターデータからベク ,トルデータを作成」するものであり,ラスターデータからベクトルデータを作成するに当たっては,自動的に作成されるものに限られないことは,既に述べたとおりである。これに対し,構成A′は,地図をスキャニングして得られるラスターデータをベクトルデータに変換するものである。したがって,構成A′は構成要件1Aと一致する。
原告は,マニュアルV5に記載されている,スキャニングにARC/INFOよって得られるベクトルデータは,自動的にデータ変換することにより面データの作成を行うことを予定しているものではない,すなわち,では,折れ線の頂点のXY座標のデータのほか,折れ線の頂点ARC/INFOの種類を示す キーの値 が手作業により入力される必要があるからキ 「」 ,「ーの値」が入力される前の「ベクトルデータ」は,自動的にデータ変換す「」 ることにより面データの作成が行われる構成要件1Aの ベクトルデータARC/INFOARC/INFO ではないと主張する。しかし,マニュアルV5に 「,はそのような座標を,デジタイザーで入力された座標と同じように取り扱います(乙24の4-6頁)と記載されていることからすれば,そも 。」「」 ,, そも手作業で キーの値 を入力する必要があるか否かは疑わしく また仮に,その必要があったとしても,既に述べたとおり,本件発明1においても,ラスターデータからベクトルデータを作成する過程は自動作成に限られず,オンスクリーン入力などの手作業が介在する場合をも含むのであ, 。 るから 構成A′は構成要件1Aと一致することに変わりはないのであるイ構成要件1B構成要件1Bは,既に述べたとおり 「ベクトルデータ」を閉領域デー ,タを構成し得る線データである「二次元の線データ」に変換するものである。これに対し,構成B′は,ベクトルデータを,のカバレッARC/INFOジに変換することであり,マニュアルV5には,の ARC/INFOARC/INFOカバレッジがアーク・ノード構造化が可能なファイルフォーマットであることが開示されていることは前記のとおりである。したがって,構成B′は構成要件1Bと一致する。
原告は,マニュアルV5においては,コマンド等ARC/INFO DXFARCのコマンドの説明があるだけで,これからは,例えばファイルから DXFカバレッジへのデータ変換プログラムを構築することは不可能 ARC/INFOであり,同マニュアルには,構成要件1Bを実施し得る程度の開示があるということはできず,当該マニュアルに構成要件1Bが記載されているとはいえないと主張する。
しかし,構成要件1Bは「該ベクトルデータを線端を示す点データを含む二次元の線データに変換」するというものであって,具体的なアルゴリズムが発明内容を特定するものではないのであるから,マニュARC/INFOアルV5には,構成要件1Bと共通する構成が記載されているものと認められる(仮に,具体的なアルゴリズムを構成することの困難さに本件発明の特許性が認められるのであれば,本件明細書は,かかる具体的なアルゴリズムを当業者が実施し得る程度に開示するものではないので,記載不備又は実施可能要件違反の無効理由を有するものというべきである。。)ウ構成要件1C構成要件1Cの「二次元データを座標上の線分に変換」とは 「二次元,の線データを途中に接点や交点を持たない線分に細分する工程である」とCLEAN 解すべきことは 前記のとおりであるこれに対し 構成C′も ,。,,コマンドによってアークの交点にノードを生成するものである。したがって,構成C′は構成要件1Cと一致する。
原告は,マニュアルV5には,コマンドにより,アARC/INFOCLEANークの交点にノードを付してアークノードトポロジーを構築することは記載されているものの,コマンドによってアークの接点及び線端点CLEANにノードを付することについては何ら記載されておらず,構成要件1Cの「座標上の線分に変換」する処理のうち,アークの接点及び線端点にノードを付する構成は開示されていないと主張する。しかし,マニARC/INFOュアルV5の記載によれば,コマンドはノードに番号をつけ,ア CLEANークの開始ノードと終了ノードを設定するのであるから,接点や端点についても,交点と同様の処理がされているものと認められる。原告の主張は採用し得ない。
構成要件1D構成要件1Dは,座標上の線分に変換された二次元データを,一定の方向に接続していって 「終点が始点と一致したときは,それらの線分から ,なる面データの閉領域データを自動的に作成し,終点が始点と一致しないときにはそれらの面データを自動的に作成」するというものである。これに対し,構成D′は,アークを右回り方向に接続し,アークが閉じている場合にポリゴンを作成するものである。したがって,構成D′は,構成要件1Dの前半部分「該線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し 」,と一致する。
原告は,マニュアルV5の記載は,アークを「所定方向に接ARC/INFO続」するというアルゴリズムを開示するものではないし,示唆するものでもないと主張する。しかし,構成要件1Dの前半部分は「該線分を所定方向に接続し,終点が始点と一致したときはそれらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成」するという手法を示すものであって,具体的なアルゴリズムによって発明内容を特定するものではないし 「所定,方向に接続」についても,右回り順に格納する方法が開示されていれば,左回り順に格納する方法は容易に想到し得る単なる設計事項であるものと認められる(乙33,34参照 。したがって,上記マニュアルに開示さ ), (, れた構成は 構成要件1Dの前半部分と一致するものと認められる なお仮に,具体的なアルゴリズムを構成することの困難さに本件発明の特許性が認められるのであれば,本件明細書は,かかる具体的なアルゴリズムを当業者が実施し得る程度に開示するものではないので,記載不備又は実施可能要件違反の無効理由を有するものというべきである。。)オ構成要件1E構成要件1Eは 「該面データの前記不連続となる始点及び終点を報知 ,表示」するものである。これに対し,構成E′は,コマンNODEERRORSドやによって 「閉じていないポリゴン」と「接続していないARCEDIT ,ライン をダングリングノードとしてエラー表示するものである この 閉 」 。「じていないポリゴン」と「接続していないライン」とは,構成D′で「ポリゴン」が構成されなかった場合,すなわち,一本以上の線分の組合せが。, 閉領域データを構成しなかった場合を指すものと認められる したがって構成E′は,構成要件1Eと一致する。
原告は,構成要件1Eは,閉じていない面データの不連続点の報知表示という意味があるのであり,マニュアルV5の記載では,面デARC/INFOータの不連続点を報知表示する構成要件1Eの開示としては不十分であると主張する。しかし,マニュアルV5には,コマンドARC/INFOBUILD又はコマンドを使用して,フィーチャートポロジーと最小限度のCLEANフィーチャー属性テーブルを作成すること(ステップ4 ,フィーチャー)トポロジーを生成した後,コマンド等によってトポロジーNODEERRORSエラーをダングリングノードとして表示して発見すること(ステップ5)が記載されている。構成要件1Eは 「該面データの前記不連続となる始 ,点及び終点を報知表示」するというもので,具体的なアルゴリズムが発明内容を特定するものではないのであるから,マニュアルV5にARC/INFOおけるステップ4及びステップ5に関する一連の記載には,構成要件1Eと共通する構成が記載されているものと認められ,原告の主張は理由がない。
構成要件1FARCEDIT 構成F′は,ダングリングノード等のエラーを発見したら,によるデジタイザー入力によりエラー訂正し,アークを編集した後に再度若しくはコマンドを実行して,トポロジーを更新するものCLEANBUILDである。したがって,構成F′は構成要件1Fと一致することは明らかである。
構成要件1G構成G′は,若しくはコマンドにより各フィーチャーのCLEANBUILD属性を記憶するためのフィーチャー属性テーブルを作成し,その上で,が地図データの解析,データ管理,表示と変換及び印刷等を行ARC/INFOうものであり,構成要件1Gの「閉領域データに属性データを付与可能にして該閉領域データを記憶,表示又は印刷する」と一致する。
原告は 構成要件1Gの 属性データを付与可能 にすることとは面 ,「」,「データの識別番号 (ではポリゴンユーザーID)を付与する 」ARC/INFOことを意味するのであって,フィーチャー属性テーブルの作成とは全く異なると主張する。しかし,構成要件1Gの「属性データを付与可能」の意味が「面データの識別番号」を付与することであるとしても 「フィーチ,ャー属性テーブルの作成」のためにも 「面データの識別番号」に相当す ,る も の は 必 要 で あ る 。 そ し て ,マ ニ ュ ア ル V 5 のARC/INFOコマンドの項には,前記のとおり,カバレッジ・ポリゴ CREATELABELSンのラベル点に新しいユーザーズIDsを自動的に割り当てることが記載されていることからすれば 「面データの識別番号」は,マニ ,ARC/INFOュアルV5においても開示されているということができる。
,,,,,,,,, ( ) 以上によれば 構成A′ B′ C′ D′ E′ F′ G′ H′は2本件発明の構成要件1A,1B,1C,1Dの前半,1E,1F,1G,1Hにそれぞれ一致する。
これに対し,構成要件1Dの後半部分である「終点が始点と一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成して」はマARC/INFOニュアルV5には開示されていない(以下「相違点」という。。)7( ) 相違点の容易想到性について1構成要件1Dの「面データ」は,既に述べたとおり,単に線分を所定方向に接続することによって構成される一本以上の線分の組合せを意味するにすぎない。
の構成D′は「アークを右回り方向に接続し,アークが閉じてARC/INFOいる場合にはポリゴンを作成し」というものである。面データの閉領域データを作成するに際し,所定方向に線分を接続していく構成を採用した場合,所定方向への線分の接続を複数回行って終点が始点と一致するか否かを検証することとなる。この場合,終点と始点が一致した場合には,当該線分の組合せがそのまま面データの閉領域データとして保存されるところ,このような作業の目標が達成されるか否かは工程の途中では不明であるから,終点と始点が一致しない場合にも,始点と終点が一致しないということが判明するARC/INFO までは,当該線分の組合せを一時的に保存しているはずである。
では,始点と終点が一致しない場合には,ポリゴンを作成しないのであるから,その場合,一時的に保存していた線分の組合せを削除するか,削除せずに何らかの形で保存するかのいずれかである。そして,構成E′において,「閉じていないポリゴン」と「接続していないライン」をダングリングノードとしてエラー表示し,構成F′において,ダングリングノード等のエラーを発見したら,によるデジタイザー入力によりエラーを訂正し,ARCEDIT再度,若しくはコマンドを実行し,トポロジーを更新するこCLEANBUILDとからすれば,始点と終点が一致しない場合には,一時的に保存していた線分の組合せを何らかのファイルとして保存し,上記のコマンド実行の際に利用するか,一時的に保存していたものを削除し,上記コマンド実行の際に改めて所定方向に線分を接続していくかは,そのいずれでも当業者が適宜選択し得る単なる設計事項にすぎないというべきである。
よって,上記相違点にかかる構成は,単なる設計的事項であり,当業者が容易に相当し得る構成にすぎない。
( ) 結論2したがって,本件発明は,マニュアルV5に開示された ARC/INFOの構成から容易に想到することができたものであるから,進歩性 ARC/INFO欠如の無効理由を有する。
8本件発明2の進歩性の有無について請求項2を請求項1と比較すれば明らかなように,本件発明2は,方法の発明である本件発明1を物の発明として構成したものである。したがって,前記5で述べたのと同様に,本件発明2は,マニュアルV5に開示されARC/INFOた発明に基づき,当業者が容易に想到し得るものであり,進歩性欠如の無効理由を有することは明らかである。
9結論よって,イ号方法及びイ号物件は本件発明の技術的範囲に含まれず,かつ,本件発明は進歩性欠如のため無効審判により無効にされるものと認められ,本件発明に係る特許権を行使することはできないのであるから,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないのでこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
追加
設樂隆一裁判長裁判官古河謙一裁判官裁判官吉川泉は,転補のため署名押印することができない。
設樂隆一裁判長裁判官別紙イ号物件目録以下の商品名のソフトウェア「「「」NIGMASIVNIGMAS2000NIGMASX」,」,別紙イ号方法目録@1日本コンピュータグラフィック社製のソフトウェアである「,NIGMASIV」「」及び「」のいずれかをインストールしたコンピNIGMAS2000NIGMASXュータを使用して,2地形図等を読み取って得られるラスターデータをディスプレイ上画面上に表示させ,画面上の地形等のラスターデータを画面上のカーソルでトレースする方法又はラスター/ベクター一括変換機能を有する「-」コマンドを用ATVECTいてラスターデータからベクトルデータを作成し,3該作成したベクトルデータを位相構造に対応したファイルフォーマットであるファイルに格納し,もって当該ベクトルデータの端点をノード化してラNBFインデータに変換し,4該格納したラインデータに未入力の交点があれば,例えば「」コUNLINKNDマンドを用いて該ラインデータを交点で分割した上で,すべてのラインデータの端点をノード化し,5「」コマンドを実行することにより,MAKEPOL()元々あるラインデータと反対方向のラインデータを自動的に作成し,1()ポリゴン作成に使用されていないラインデータを任意に選択し,2()選択されたラインデータの終点ノードと同じ座標の始点ノードを持つライン3データを検索し,()検索したラインデータの中で反時計回りの方向で最も角度の狭いラインデー4タを選択(ただし,角度0°のラインデータは選択しない)することで,該。
線分を所定方向に接続し,()()と()を繰り返し,接続したラインデータの終点が()で任意に選択され5342たラインデータの始点と一致したときはポリゴンを作成して,それらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し,6NBF()一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成して(ファイルに格納しない,。)6該面データの前記不連続となるラインの端点(上記5で一致しなかった,()5で接続したラインデータの終点と()で任意に選択したラインデータの始点)2の座標をマークファイルに格納し「」コマンド等により該端点,MARKREADを報知表示し,7「「」及び「」等のコマンドを用いて,該端点から任意CROSACROS1MOV」,のノード又はラインデータへ接続するラインデータを入力に基づいて生成して端点を無くした後に「」コマンドを再度実行してポリゴン(該面,MAKEPOLデータに対応する閉領域データ)を作成し,8作成したポリゴンに属性データを付与可能にして,該ポリゴンを記憶,表示又は印刷する地図データ作成方法。
別紙イ号物件構成目録@1地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータを読み込み,ラスター/ベクター一括変換機能を有する「-」コマンド等を用いて,ベクトルATVECTデータを作成する手段と,2該作成したベクトルデータを位相構造に対応したファイルフォーマットであるファイルに格納し,もって当該ベクトルデータの端点をノード化してラNBFインデータに変換する手段と,3該格納したラインデータに未入力の交点があれば,例えば「」コUNLINKNDマンドを用いて該ラインデータを交点で分割した上で,すべてのラインデータの端点をノード化する手段と,4「」コマンドを実行することにより,MAKEPOL()元々あるラインデータと反対方向のラインデータを自動的に作成し,1()ポリゴン作成に使用されていないラインデータを任意に選択し,2()選択されたラインデータの終点ノードと同じ座標の始点ノードを持つライン3データを検索し,()検索したラインデータの中で反時計回りの方向で最も角度の狭いラインデー4タを選択(ただし,角度0°のラインデータは選択しない)することで,該。
線分を所定方向に接続し,()()と()を繰り返し,接続したラインデータの終点が()で任意に選択され5342たラインデータの始点と一致したときはポリゴンを作成して,それらの線分からなる面データの閉領域データを自動的に作成し,()一致しないときはそれらの線分からなる面データを自動的に作成(フ6NBFァイルに格納しない)する手段と,。
5該面データの前記不連続となるラインの端点(上記4で一致しなかった,()5で接続したラインデータの終点と()で任意に選択したラインデータの始点)2の座標をマークファイルに格納し「」コマンド等により該端点,MARKREADを報知表示する手段と,6「「」及び「」等のコマンドを用いて,該端点から任意CROSACROS1MOV」,のノード又はラインデータへ接続するラインデータを入力に基づいて生成して端点を無くした後に「」コマンドを再度実行してポリゴン(該面,MAKEPOLデータに対応する閉領域データ)を作成する手段と,7作成したポリゴンに属性データを付与可能にして,該ポリゴンを記憶,表示又は印刷する手段を備えたソフトウェア別紙イ号方法目録A1日本コンピュータグラフィック社製のソフトウェアである「,NIGMASIV」「」及び「」のいずれかをインストールしたコンピNIGMAS2000NIGMASXュータを使用して,2地形図等を読み取って得られるラスターデータをディスプレイ上画面上に表示させ,画面上の地形を画面上のカーソルでトレースする方法(オンスクリーン入力)でに格納されるベクトルデータ(ラインデータ)を入力し,NBF3該入力・格納したラインデータに未入力の交点があれば「,,」CROSG「「」又は「」コマンドを用いて該ラインデCROSG1CROSBUNKCROSLAY」,ータを交点で分割した上で,交点のない複数のラインデータに変換し,※ただし,実際の入力作業においては,実行前に未入力の交点をなMAKEPOLくしておくことは稀で,むしろ,とりあえずを実行して交点未MAKEPOL入力箇所を確認した後に手動で修正し,再度を実行することのMAKEPOL方が多い。
4「」コマンドを実行することにより,処理対象範囲内に,()端点MAKEPOLiが存在するか否か,()未入力の交点があるか否か,及び()重複したラインiiiiiデータがあるか否かを検索し,()対象範囲内に,()端点が存在せず,()未入力の交点がなく,かつ()重複1iiiiiiしたラインデータがない場合には,@元々あるラインデータと反対方向のラインデータを自動的に作成し,Aポリゴン作成に使用されていないラインデータを任意に選択し,B選択されたラインデータの終点と同じ座標の始点を持つラインデータを検索し,C検索したラインデータの中で反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択し(ただし,角度0°のラインデータは選択しない,。)DBとCを繰り返し,検索したラインデータの終点がAで選択されたラインデータの始点と一致したときにポリゴンを作成し,E以後,対象範囲内のすべてのポリゴンが作成されるまで,A〜Cの処理を繰り返すことで,ポリゴンを一括して作成し,()対象範囲内に,()端点が存在する(ポリゴンとなるべきラインデータの終2i。),,点と始点が一致していない場合も含まれるか()未入力の交点があるかii又は,()重複したラインデータがある場合には,ポリゴン作成の上記一連のiii処理は行われず,端点,重複箇所等のエラー箇所をマークファイルに格納し,5上記4()の場合に,マークファイルに格納された端点等を「」2MARKREAD,コマンド等により報知表示し,6上記5に引き続き「「」及び「」等のコマンドを用い,」,CROSACROS1MOVて,該端点から任意のノード又はラインデータへ接続するラインデータを入力に基づいて生成して端点を無くした後に「」コマンドを再度実行,MAKEPOLして,上記4()と同じ処理によりポリゴンを一括作成し,17作成したポリゴンに属性データを付与可能にして,該ポリゴンを記憶,表示又は印刷する地図データ作成方法。
別紙イ号物件構成目録A1地形図等の原図を読み取って得られるラスターデータを読み込み,ラスター/ベクター一括変換機能を有する「-」コマンド等を用いてベクトルデATVECTータ(ラインデータ)を作成しに格納する手段と,NBF2該格納したラインデータに未入力の交点があれば「「,,」,」CROSGCROSG1「」又は「」コマンドを用いて該ラインデータを交点でCROSBUNKCROSLAY分割した上で,交点のない複数のラインデータに変換する手段と3「」コマンドを実行することにより,処理対象範囲内に,()端点MAKEPOLiが存在するか否か,()未入力の交点があるか否か,及び()重複したラインiiiiiデータがあるか否かを検索し,()対象範囲内に,()端点が存在せず,()未入力の交点がなく,かつ()重複1iiiiiiしたラインデータがない場合には,@元々あるラインデータと反対方向のラインデータを自動的に作成し,Aポリゴン作成に使用されていないラインデータを任意に選択し,B選択されたラインデータの終点と同じ座標の始点を持つラインデータを検索し,C検索したラインデータの中で反時計回り方向で最も角度の狭いラインデータを選択し(ただし,角度0°のラインデータは選択しない,。)DBとCを繰り返し,検索したラインデータの終点がAで選択されたラインデータの始点と一致したときにポリゴンを作成し,E以後,対象範囲内のすべてのポリゴンが作成されるまで,A〜Cの処理を繰り返すことで,ポリゴンを一括して作成する手段と,()対象範囲内に,()端点が存在する(ポリゴンとなるべきラインデータの終2i。),,点と始点が一致していない場合も含まれるか()未入力の交点があるかii又は,()重複したラインデータがある場合には,ポリゴン作成の上記一連のiii処理は行われず,端点,重複箇所等のエラー箇所をマークファイルに格納する手段と,4上記3()の場合に,マークファイルに格納された端点等を「」2MARKREAD,コマンド等により報知表示する手段と,5上記4に引き続き「「」及び「」等のコマンドを用い,」,CROSACROS1MOVて,該端点から任意のノード又はラインデータへ接続するラインデータを入力に基づいて生成して端点を無くした後に「」コマンドを再度実行,MAKEPOLして,上記3()と同じ処理によりポリゴンを一括作成する手段と,16作成したポリゴンに属性データを付与可能にして,該ポリゴンを記憶,表示又は印刷する手段を備えたソフトウェア。
(特許公報(特許第2770097号)及び審決省略)
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