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の審判の請求が成り立たないとする審決について、当該発明が特許を受けることができないとしてこれを取り消した第一審判決に対して上告がされ、上告審係属中に当該特許について特許出願の願書に添付された明細書(以下「明細書」という。)を訂正すべき旨の審決がされ、明細書の特許請求の範囲が減縮された場合には、原判決の基礎となった行政処分が後の行政処分により変更されたものであるから、原判決には民訴法三三八条一項八号に規定する再審事由があり 該当部分へ
関連審決 審判1996-19721
審判1992-1770
この判例には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
昭和55行ツ30審決取消 判例 商標
平成15行ヒ265 判例 商標
平成10行ツ19審決取消請求事件 判例 特許
平成14受1100損害賠償,商標権侵害差止等請求事件 判例 商標
昭和53行ツ140 判例 特許
関連ワード 容易に想到(容易想到性) /  請求の範囲 /  減縮 /  変更 / 
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事件 平成 8年 (行ツ) 265号
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裁判所 最高裁判所第三小法廷
判決言渡日 1999/03/09
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原判決を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差し戻す。
事実及び理由
全容
上告代理人久保田穰、同増井和夫の上申書記載の上告理由について一原審の確定した事実関係及び本件訴訟の経緯の概要は、次のとおりである。
1上告人は、名称を「微小領域X線デイフラクトメーター」とする特許第一六〇九二二六号発明(以下「本件発明」という。)の特許権者である。被上告人は、
平成四年二月三日、特許庁に対し、本件発明に係る特許(以下「本件特許」という。)を無効にすることについて審判を請求し、平成四年審判第一七七〇号事件として審理された結果、平成六年七月一五日、本件審判の請求は成り立たないとする審決(以下「本件審決」という。)がされた。被上告人は、同年九月七日、
本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起し、平成八年九月五日、本件審決を取り消すとの原判決がされた。上告人は、同月一八日、本件上告をした。
2本件特許出願の願書に添付された明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の記載は、「多数の結晶粒から成る試料と、X線源と、該X線源からのX線をコリメートして前記試料上の微小領域に照射するための手段と、前記試料上のX線照射位置を観察するための光学顕微鏡と、前記X線の光路を含む面内に前記試料によって回析されるX線の所望角度範囲をカバーするように配置された位置感応型X線検出器と、前記光学顕微鏡を用いて試料の所望の微小領域を測定位置に位置付けるため前記試料の位置を微調整するための調整機構と、前記検出器からの信号を処理し位置情報を得る回路と、この信号を一定期間積算的に記憶する手段と、該信号を積算的に記憶する測定期間中、その先端に前記試料を保持する回転軸(φ)を連続的に回転させると共に該試料を前記回転軸(φ)とは垂直なχ軸の回りに連続的に回転させるための試料駆動機構と、前記記憶された信号を読み出し、表示する手段とから構成したことを特徴とする微小領域X線デイフラクトメーター。」である。
3原審は、本件明細書に基づく本件発明は、本件審決に引用された技術により当業者が容易に想到し得るものであるとして、本件審決を取り消した。
二上告代理人提出の特許庁平成八年審判第一九七二一号事件審決謄本写し及び本件記録によれば、次の事実が認められる。
1上告人は、平成八年一一月一九日、本件明細書を訂正することについて審判を請求し、平成八年審判第一九七二一号事件として審理された結果、平成九年七月一四日、右訂正をすべき旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)がされ確定した。
2本件訂正審決は、本件明細書の特許請求の範囲中の「X線の所望角度範囲をカバーするように配置された位置感応型X線検出器」との記載を「X線の所望角度範囲をカバーするように試料の回りに半円状を成して配置された位置感応型X線検出器」と訂正するものである。
三特許を無効にすることについての審判の請求が成り立たないとする審決について、当該発明が特許を受けることができないとしてこれを取り消した第一審判決に対して上告がされ、上告審係属中に当該特許について特許出願の願書に添付された明細書(以下「明細書」という。)を訂正すべき旨の審決がされ、明細書の特許請求の範囲減縮された場合には、原判決の基礎となった行政処分が後の行政処分により変更されたものであるから、原判決には民訴法338条1項8号に規定する再審事由があり、原判決につき判決に影響を及ぼすことの明らかな法令違反があるというべきである。
四これを本件について見ると、本件訂正審決の内容は、前記二2のとおりであって、特許請求の範囲減縮に当たるから、その余の上告理由につき判断するまでもなく、原判決は破棄を免れず、更に審理を尽くさせるため本件を原審に差し戻すのが相当である。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 金谷利廣
裁判官 園部逸夫
裁判官 千種秀夫
裁判官 尾崎行信
裁判官 元原利文