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事件 |
平成
18年
(ワ)
7605号
損害賠償等請求事件
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東京都千代田区<以下略> 原告マ ルチ計測器株式会社 訴訟代理人弁護 士高橋譲二 訴訟復代理人弁護士川崎修一 東京都立川市<以下略> 被告横河メータ&インスツルメンツ株式会社 訴訟代理人弁護 士鈴木修 同 大西千尋 訴訟代理人弁理 士村瀬賢司 |
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裁判所 | 東京地方裁判所 |
判決言渡日 | 2006/10/31 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 民事訴訟 |
主文 |
1原告の請求をいずれも棄却する。 2訴訟費用は原告の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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全容
第1請求1被告は,別紙物件目録記載の製品を製造し,販売し,販売の申出をしてはならない。 2被告は,同目録記載の製品,半製品,仕掛品を廃棄せよ。 3被告は,原告に対し,7200万円及びこれに対する平成18年4月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要等本件は,分割型漏れ電流測定器に関する後記の特許権(以下「本件特許権」といい,後記請求項1の特許発明を「本件特許発明」という )を有する原告。 が,被告が別紙物件目録記載の製品(以下「被告製品」という )を製造,販。 売する行為は,本件特許権を侵害すると主張して,被告に対し,被告製品の製造,販売及び販売の申出の差止め,被告製品,半製品及び仕掛品の廃棄,並びに損害賠償を求めている事案である。これに対し,被告は,被告製品は,後記の本件特許発明の構成要件C,D,E,F,G及びHを充足せず,被告製品は本件特許発明の技術的範囲に属しないと主張して争っている。 1前提となる事実等(当事者間に争いのない事実,該当箇所末尾掲記の各証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)( )原告が有している特許権1原告は,次の特許権を有している(甲1,2 。)ア登録番号特許第2802993号イ発明の名称分割型漏れ電流測定器ウ出願日平成8年3月29日エ登録日平成10年7月17日オ請求項の記載本件特許発明の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。本判決末尾添付の特許公報参照 )の特許請求の範囲の請求項1の記載は次 。 のとおりである。 「円環状のコアを2分割した半円環状の一対のコアと,前記一対のコアのそれぞれの両端部寄りにそれぞれ巻回した少なくとも各コア毎に2個のコイルと,前記一対のコアの端面を対向させて円環状とした場合の二つの分割面を挟んで対向する二組のコイルを,各誘起電圧が加算される極性にそれぞれ直列に接続し,前記直列接続によって加算された誘起電圧をそれぞれ入力されて増幅し,かつ,利得調整手段を備える一対のアンプと,前記一対のアンプの出力をそれぞれ入力されて位相を遅進させ,かつ,位相調整手段を備える一対の位相調整器と,前記一対の位相調整器の両出力を加算する加算器と,前記加算器の出力を表示する表示器と,を備え,前記各調整手段の調整によって残留電流を調整することを特徴とする分割型漏れ電流測定器 」。 カ構成要件本件特許発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,分説した各構成要件をその符号に従い「構成要件A」のように表記する )。 構成要件A円環状のコアを2分割した半円環状の一対のコアと,構成要件B前記一対のコアのそれぞれの両端部寄りにそれぞれ巻回した少なくとも各コア毎に2個のコイルと,構成要件C前記一対のコアの端面を対向させて円環状とした場合の二つの分割面を挟んで対向する二組のコイルを,各誘起電圧が加算される極性にそれぞれ直列に接続し,構成要件D前記直列接続によって加算された誘起電圧をそれぞれ入力されて増幅し,かつ,利得調整手段を備える一対のアンプと,構成要件E前記一対のアンプの出力をそれぞれ入力されて位相を遅進させ,かつ,位相調整手段を備える一対の位相調整器と,構成要件F前記一対の位相調整器の両出力を加算する加算器と,構成要件G前記加算器の出力を表示する表示器と,を備え,構成要件H前記各調整手段の調整によって残留電流を調整することを特徴とする,構成要件I分割型漏れ電流測定器( ) 被告製品2被告は,別紙物件目録記載の被告製品を製造,販売している。 被告製品の回路構成は,別紙「被告製品回路図(修正 」記載のとおりで)ある。 ( )対比3被告製品は,残留電流を調整することを特徴とする分割型漏れ電流測定器であり,円環状のコアを直径にそって2分割した半円環状の一対のコアを有し,その一対のコアの各両端部寄りには2個ずつのコイルがあり,このコイルは各両端部付近でコアに沿って巻きつけられていて,上記二つの半円環状のコアの両端部は各々対向しており,これにより全体として円環状をなしている。したがって,被告製品は,本件特許発明の構成要件のうち,構成要件A,B及びIを充足する。 2争点( )被告製品は,本件特許発明の技術的範囲に属するか(争点1 。 1 )ア被告製品は,構成要件Cを充足するか(争点1-1 。)イ被告製品は,構成要件Dを充足するか(争点1-2 。)ウ被告製品は,構成要件Eを充足するか(争点1-3 。)エ被告製品は,構成要件F,G及びHを充足するか(争点1-4 。)( )損害額(争点2)2第3争点に関する当事者の主張1争点1(被告製品は,本件特許発明の技術的範囲に属するか )について。 〔原告の主張〕( )被告製品の回路の構成は,以下のとおりである。 1(, (イ)円環状のコアを直径にそって2分割した半円環状の一対のコア 1a1b)を有し,(,, (ロ)(イ)の一対のコアの各両端部寄りには2個ずつのコイル 2a 2b2c,2d)があり,このコイルは各両端部付近でコアに沿って巻きつけられていて(ハ)(イ)の二つの半円環状のコアの両端部は各々対向しており,これにより全体として円環状をなしていて,二つの半円環状コアの分割面を介して向かい合う各コアの両端部のコイル2aはコイル2dに,コイル2bはコイル2cに,それぞれ直列に接続していて,(ニ)二つのアンプ(レベル調整 (4a,4b,4c)は位相調整の出力 )を増減させ,あたかも二つのコア分割面の磁気的結合バランスがとれた状態にし,(ホ)二つの位相調整(3a,3b)は(ハ)の直列接続によって加算される電圧の位相を変化させて,(へ)アンプ(加算器 (5a,5b,7)は(ホ)のアンプ(レベル調整) )の再出力を加算し,(ト)表示装置は,(へ)の出力を表示し,(チ)(ニ)及び(ホ)の調整により残留電流を調整することを特徴とする(リ)分割型漏れ電流測定器したがって,被告製品は,本件特許発明の各構成要件をいずれも充足する。 ( )被告製品が,本件特許発明の構成要件CないしHをそれぞれ充足するか2について,詳細は以下のとおりである。 ア争点1-1(被告製品は,構成要件Cを充足するか )について。。 被告製品の回路内の線の引き回しに注意し,回路図の同一性を保持したまま変え,コイルの巻き付け方向やアースの位置等につき実質的な変更を加えないようにして順次回路を整理していくと,各コアの分割面を挟んで対向するコイルが直列に接続していることが判る。すなわち,別紙「概念」(), , 図 記載 a 図は 本件特許発明の特徴を有する回路構成を示しておりこれを順次整理し,配線の引き回しの描き方を変えたのが (b)ないし,(f)図であり (g)図は (f)図を描き変えたもので (f)図と同 ,, ,一のものであるところ (g)図は,被告製品回路図(修正)のコア及び ,コイルの部分である。したがって (g)図を一見すると,各コアの分割 ,面を介して向き合う両端部のコイルは直列に接続されていないように見えるものの,回路内の線の引き回しを変えているだけで,実は各コアの両端部のコイルは直列に接続されているものである。 よって,被告製品は,構成要件Cを充足する。 イ争点1-2(被告製品は,構成要件Dを充足するか )について。 被告製品では固定抵抗と可変抵抗を使用しており,これらを相対的に変化させることでレベルを拡大させたり縮小させたりしているため,利得調整手段を備える一対のアンプ(アンプとは,アンプリファイアの意味であり,拡大,増幅を意味する )を有する。。 すなわち 被告製品の二つの誘起電流は 別紙 誘起電流図 記載@被 , ,「」(「告製品回路図(修正 」記載の回路図に赤線で示したもの)及びA( 被 ) 「()」 ), 告製品回路図 修正記載の回路図に青線で示したもの であるところAについて,固定抵抗(4b)と可変抵抗(4c)の働きにより,誘起電圧を増幅して,そのレベルを@と等しくするように調整している。 したがって 「固定抵抗4a」と「固定抵抗4b,可変抵抗4c」が, ,「一対のアンプ (構成要件D)に該当する。 」よって,被告製品は,構成要件Dを充足する。 ウ争点1-3(被告製品は,構成要件Eを充足するか )について。 上記の被告製品の二つの誘起電流のうち @の誘起電流は半固定抵抗 別 , (紙「被告製品回路図(修正 」及び「誘起電流図」記載3a,3b)と, )各コア(上記各図記載1a,1b)の左側の分割面近辺のコイル(上記各図記載2a,2d)に生じるインピーダンスとの働きにより,また,Aの誘起電流は半固定抵抗(上記各図記載3a,3b)と上記各コア(1a,1b)の右側の分割面近辺のコイル(上記各図記載2b,2c)に生じる, , インピーダンスとの働きにより それぞれ位相の遅進が起こることとなりこうして位相の調整が行われている。したがって,上記の半固定抵抗(3a,3b)と左右の各インピーダンスの組み合わせがそれぞれ位相調整器となり,これら二つの位相調整器が「一対の位相調整器 (構成要件E)」に該当する。 よって,被告製品は,構成要件Eを充足する。 エ争点1-4(被告製品は,構成要件F,G及びHを充足するか )につ。 いて被告製品は,利得調整手段を備える一対のアンプ(上記イ)及び位相調整手段を備える一対の位相調整器(上記ウ)を有しており,これらの調整,,。 により残留電流を調整しているから 構成要件F G及びHをも充足する〔被告の主張〕(1)原告主張の被告製品の回路構成(イ)ないし(リ)のうち,(イ)及び(ロ)は認め,(ハ)のうち「(イ)の二つの・・・円環状をなしていて」という記載までを認め,(リ)も認める。その余は否認する。 , 。 (2)被告製品は 本件特許発明の構成要件CないしHをいずれも充足しないその詳細は以下のとおりである。 ア争点1-1(被告製品は,構成要件Cを充足するか )について。 被告製品は,それぞれのコアに巻き回した各1組のコイル(別紙「被告製品回路図(修正 」記載2aと2b,2cと2d)が,それぞれ,半固 )定抵抗(同図記載3a,3b)を介して,各組の二つのコイルによる検出電流が加算されるように直列に接続されているのであって,コアの分割面を介して向かい合う各コアの両端部のコイルが直列に接続(原告主張の(ハ))されているものではない。 別紙「概念図」記載の原告による被告製品回路図の書換えは,その過程の(b)図から(c)図への書換え及び(e)図から(f)図への書換えの際,同一とはいえない変更をしているものであって,原告の主張は誤りである。 イ争点1-2(被告製品は,構成要件Dを充足するか )について。 被告製品においては,コイル(別紙「被告製品回路図(修正 」記載2)aと2c)の半固定抵抗に接続されていない方の端子は,それぞれ固定抵抗(同図記載5a,5b)を介して加算器及び演算増幅器(同図記載7)の反転入力に接続されているもので,磁気回路の非対称性を電気回路上で補正するために用いられている調整手段は,半固定抵抗と可変抵抗(同図記載3a,3b,4c)のみである。被告製品は,二つのアンプという構成(原告主張の(ニ))を有さず,アンプがレベル調整をすることもない。 ウ争点1-3(被告製品は,構成要件Eを充足するか )について。 上記イのとおり,被告製品において用いられている調整手段は,半固定抵抗と可変抵抗のみで,これらは,各コイルから発生する電流を調整することのみを目的として使用されており,二つの位相調整器を使用したり,電圧の位相を変化させたり(原告主張の(ホ))していない。 ,,(「()」 また原告は被告製品の半固定抵抗別紙被告製品回路図修正記載3a,3b)とコアの分割面にあるコイルに生じるインピーダンスが位相調整器であり,固定抵抗及び可変抵抗(同図記載4a,4b,4c)のそれぞれが一対のアンプであると主張しており(原告の主張(ニ),(ホ) ,これによれば位相調整器からの出力が一対のアンプに入力されて )いることになる。しかし,構成要件Eによれば,本件特許発明の位相調整, ,, 器は アンプからの出力を入力されるものであるから この点からみても被告製品は,構成要件Eを充足しない。 エ争点1-4(被告製品は,構成要件F,G及びHを充足するか )につ。 いて上記ウのとおり,被告製品においては 「 ホ)のアンプ(レベル調整) ,(の再出力」なるものが存在しないから,原告主張の(ヘ (構成要件F ,))(ト (構成要件G)も誤りであり,また,上記イ及びウのとおり 「二 ) ,つのアンプ」及び「二つの位相調整」による調整,すなわち,原告主張の(ニ)及び(ホ)の調整がなされないから,原告主張の(チ (構成要件)H)も誤りである。 2争点2(損害額)について〔原告の主張〕, , 被告は 平成10年11月ころから過失により被告製品を製造販売しており本件の訴えの提起(平成18年4月12日)までの被告製品の販売台数は,6000台を下らない。 被告製品の販売価格は,少なくとも1台あたり4万円であり,その利益は,少なくとも1台あたり1万2000円である。 よって,原告は,被告に対し,上記の譲渡数量に1台あたりの利益額を乗じた7200万円を,損害賠償として請求する(特許法102条2項 。)〔被告の主張〕原告の主張を争う。 第4当裁判所の判断1争点1(被告製品は,本件特許発明の技術的範囲に属するか )について。 ( )争点1-1(被告製品は,構成要件Cを充足するか )について1 。 ア被告製品の回路の構成は,別紙「被告製品回路図(修正 」のとおりで)。, ,, ある これをみると 同一のコアの両端に巻き回されたコイル すなわち同図記載2aと2b,2cと2dとが直列に接続されているものであり,各コアの分割面を介して対向する各コアの両端部のコイル,すなわち同図記載2aと2d,2bと2cとが直列に接続されているものではないことは明らかである。 したがって,被告製品は,構成要件Cを充足しない。 イ原告は,別紙「概念図」記載のとおり,回路を順次整理していくと,被告製品においても各コアの両端部のコイルが直列に接続されていることがわかる旨主張する。 しかし,上記(a)図が本件特許発明の回路を示しており (a)図と,(b)図が同一の回路を示しているとみることができるとしても,(a)図及び(b)図に示された回路と(c)図に示された回路とは,同一の回路とみることはできない。原告は (b)図は (a)図のアース同士を接 ,,続したものであり (c)図はVR1とVR2の位置を変えたものに過ぎ ,ないので同じ回路であると主張する。しかし,VR3の上及びVR4の下はいずれも「接地」されている( a)図及び(b)図参照)ため (b) ( ,図のように接続しても(a)図と同一の回路と評価することができるとしても,(c)図においては,その「接地」が存在しないものとなっているため,(a)図及び(b)図に示された回路と(c)図に示された回路とを同一の回路とみることはできない。 また,原告は (f)図は(e)図の描き方を変えたものと主張する。 ,しかし (e)図では,二つの可変抵抗が設けられており,各々の可変抵 ,抗を独立して調整することによって,合計の抵抗値を変えることができるのに比べ (f)図で設けられた半固定抵抗では,各々の抵抗値を変える ,ことはできるが,全体の抵抗値は変えることはできないものであるから,(e)図に示された回路と(f)図に示された回路とは同一の回路であるということはできない。 以上のとおり,別紙「概念図」における(a)図と(g)図に示された回路は,互いに同一の回路であるとは到底いえないものであるから,本件特許発明を変形させてみると被告製品の回路と同一となるということはできず,上記原告の主張は理由がない。 ( )争点1-2(被告製品は,構成要件Dを充足するか )について2 。 原告は,被告製品の回路構成のうち 「固定抵抗(4a 」と「固定抵抗 ,)(4b)及び可変抵抗(4c 」が「一対のアンプ (構成要件D)に当た )」る旨主張する。 しかし,一般に,アンプは,信号の周波数や波形の特徴は変えずに,その振幅だけを増大させる(入力信号よりも高いレベルの出力信号を与える )。 ための器具であり,このような増幅を行うためには,トランジスタなどを用いた増幅回路で,電源からエネルギーの供給を受けることが必要である(乙3,4 。他方,固定抵抗と可変抵抗は,回路に流れる電流と電圧を減らす )働きをするだけであって,入力信号より高いレベルの出力信号を与えることはなく,振幅を増大させることもない。したがって,被告製品は,二つのコイルの組から出力された電流を固定抵抗と可変抵抗を用いてバランス調整しているにすぎず,アンプを備えているものと認めることはできない。 したがって,被告製品は,構成要件Dも充足しない。 ( )争点1-3(被告製品は,構成要件Eを充足するか )について3 。 ア上記(2)において述べたとおり,被告製品の回路の構成に 「一対のア,ンプ」は存在しない。 イ原告は,被告製品は半固定抵抗とインピーダンスの組合せによって位相を調整するものであり,これをもって位相調整器である旨主張する。しかし,本件特許発明にいう位相調整器は,二つの位相調整器の各々の出力を観察し,両者の位相差がなくなるように,位相を調整するものである(本判決末尾添付の特許公報参照 。他方,被告製品において,残留電流をな )くすために用いられている半固定抵抗及び可変抵抗によって,位相の変化は生じるが,これは副次的作用であって,本件特許発明における位相調整器のように,意図的に位相差がなくなるように位相を調整するものではない。 また,本件特許発明は 「誘起電圧をそれぞれ入力されて増幅し,かつ ,利得調整手段を備える一対のアンプ (構成要件D)と「前記一対のアン 」プの出力を 「位相調整器」に入力させる回路構成(構成要件E)となっ 」ているところ,上記の原告の主張によれば,被告製品は,本件特許発明とは逆に,位相調整器からの出力が一対のアンプに入力されるものとなる。 ウしたがって,被告製品は 「・・・一対のアンプの出力をそれぞれ入力 ,されて位相を遅進させ,かつ,位相調整手段を備える一対の位相調整器」を備えるものとはいえず,構成要件Eを充足しない。 ( )争点1-4(被告製品は,構成要件F,G及びHを充足するか )につ4 。 いて上記( )のとおり,被告製品は,位相調整器を有しないから 「一対の位3 ,相調整器の両出力を加算する加算器」と,その「出力を表示する表示器」とを備えるものとする構成要件F及びGをも充足しない。 ,,, , また 前記のとおり 被告製品は 利得調整手段を備える一対のアンプも位相調整手段を備える一対の位相調整器も有しないから 「前記各調整手段,」, の調整によって残留電流を調整することを特徴とする ということもできず構成要件Hも充足しない。 ( )まとめ5上記のとおり,被告製品は,構成要件C,D,E,F,G,Hのいずれも充足せず,本件特許発明の技術的範囲に属しないものというべきである。したがって,被告が被告製品を製造,販売する行為は,原告の有する本件特許権を侵害する行為に該当しない。 2結論以上によれば,原告の請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 設樂隆一 |
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裁判官 | 間史恵 |
裁判官 | 荒井章光 |