運営:アスタミューゼ株式会社
  • ポートフォリオ機能
  • 要点(法的判断を中心に)自動抽出結果


追加

上告代理人湯浅恭三、同大場正成、同酒井正之、同社本一夫の上告理由について 特許を受ける権利を有する者が、特定の発明について特許出願した結果、その発明が公開特許公報に掲載されることは、特許法三〇条一項にいう「刊行物に発表」することには該当しないものと解するのが相当 該当部分へ
この判例には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
昭和62行ツ3審決取消 判例 特許
平成10オ364債務不存在確認請求事件 判例 特許
平成10行ヒ43審決取消請求事件 判例 特許
平成10行ツ19審決取消請求事件 判例 特許
平成10受153医薬品販売差止請求事件 判例 特許
関連ワード 特許を受ける権利 /  新規性 /  新規性喪失(新規性の喪失) /  刊行物に発表 / 
元本PDF 裁判所収録の全文PDFを見る pdf
事件 昭和 61年 (行ツ) 160号 審決取消
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 最高裁判所第二小法廷
判決言渡日 1989/11/10
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
事実及び理由
全容
上告代理人湯浅恭三、同大場正成、同酒井正之、同社本一夫の上告理由について 特許を受ける権利を有する者が、特定の発明について特許出願した結果、その発明が公開特許公報に掲載されることは、特許法30条1項にいう「刊行物に発表」することには該当しないものと解するのが相当である。けだし、同法29条1項のいわゆる新規性喪失に関する規定の例外規定である同法30条1項にいう「刊行物に発表」するとは、特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に刊行物に発表した場合を指称するものというべきところ、公開特許公報は、特許を受ける権利を有する者が特許出願をしたことにより、特許庁長官が手続の一環として同法65条の2の規定に基づき出願にかかる発明を掲載して刊行するものであるから、これによって特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に当該発明を刊行物に発表したものということができないからである。そして、この理は、外国における公開特許公報であっても異なるところはない。
したがって、原判決は結論において是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。
よって、行政事件訴訟法7条、民訴法401条95条89条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 島谷六郎
裁判官 牧圭次
裁判官 藤島昭
裁判官 香川保一
裁判官 奧野久之