関連審決 | 異議2003-70448 訂正2004-39239 |
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関連ワード | 製造方法 / 新規性 / 29条1項3号 / 特許出願日 / 設定登録 / 訂正審判 / 請求の範囲 / 減縮 / 審決確定(審決が確定) / 取消決定 / |
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事件 |
平成
16年
(行ケ)
330号
特許取消決定取消請求事件
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原告 日本合成化学工業株式会社 訴訟代理人弁理士 朝日奈宗太,秋山文男 被告 特許庁長官小川洋 指定代理人 山口由木,伏見隆夫,高木進,井出英一郎,岡田孝博 |
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裁判所 | 東京高等裁判所 |
判決言渡日 | 2005/03/29 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
1 特許庁が異議2003−70448号事件について平成16年6月8日にした決定を取り消す。 2 訴訟費用は各自の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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原告の求めた裁判
主文第1項と同旨の判決。 |
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事案の概要
本件は,後記本件発明の特許権者である原告が,特許異議の申立てを受けた特許庁により本件特許を取り消す旨の決定がされたため,同決定の取消しを求めた事案である。 1 前提となる事実等 (1) 特許庁における手続の経緯(甲1,2,7,8) (1-1) 本件特許 特許権者:日本合成化学工業株式会社(原告) 発明の名称:「粘着剤層を有する偏光板及びその製造方法」 特許出願日:平成6年7月7日(特願平6-180902号) 設定登録日:平成14年6月7日 特許番号:第3315256号 (1-2) 本件手続 特許異議事件番号:異議2003-70448号 訂正請求日:平成15年7月24日(決定のいう「本件訂正請求」) 異議の決定日:平成16年6月8日 決定の結論:「訂正を認める。特許第3315256号の請求項1ないし5に係る特許を取り消す。」 決定謄本送達日:平成16年6月28日(原告に対し) (2) 決定の理由の要旨は,(a)「本件訂正請求」により訂正された後の請求項1記載に係る発明は,刊行物2(特開昭59-111114号公報)に記載された発明であり,(b)同請求項2ないし5記載に係る発明も刊行物2に記載された発明であって,(c)これらの発明は,特許法29条1項3号により特許を受けることができない,というものである(甲2)。 (3) 本件発明の特許公報記載の特許請求の範囲の記載は,別紙「@ 特許公報記載の特許請求の範囲」であり(甲8),決定が対象とした発明の要旨は,別紙「A 「本件訂正請求」に係る特許請求の範囲」のとおりである(甲2,7)。 (4) 原告は,本訴係属中の平成16年10月20日,本件特許につき,特許請求の範囲の減縮を目的として,訂正審判の請求をしたところ(訂正2004-39239号),平成17年1月20日,当該訂正を認める旨の審決があり,その謄本は同年2月1日に原告に送達され,訂正審決は確定した(甲5,6,弁論の全趣旨)。 (5) 上記訂正審決による訂正後の発明の要旨は,別紙「B 訂正審決による訂正後の特許請求の範囲」のとおりである(甲5,6)。 2 原告主張の決定取消事由 決定は,本件発明の要旨を別紙「A 「本件訂正請求」に係る特許請求の範囲」のとおり認定し,これに基づき,本件発明は新規性を欠くものとして本件特許が取り消されたが,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定し,本件発明の要旨が別紙「B 訂正審決による訂正後の特許請求の範囲」のとおり訂正されたことにより,決定は,取消しを免れない。 |
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当裁判所の判断
本件証拠及び弁論の全趣旨によれば,第2の1に記載の事実関係を認めることができ,これらの事実関係に照らせば,決定は,結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったことになり,瑕疵があるものとして取消しを免れない。 よって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法62条を適用して,主文のとおり判決する。 |
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追加 | |
【別紙】@特許公報記載の特許請求の範囲(甲8)【請求項1】偏光フィルムと保護層からなる積層体の少なくとも一方の外側に10〜500ppmの溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤層を設けたことを特徴とする粘着剤層を有する偏光板。 【請求項2】積層体が偏光フィルム/保護層,又は保護層/偏光フィルム/保護層のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項3】保護層が酢酸セルロース系フィルムであることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項4】偏光フィルムがポリビニルアルコール系フィルムであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項5】アクリル系樹脂粘着剤層の更に外側に離型フィルムを設けたことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項6】請求項1〜4いずれか記載の粘着剤層を有する偏光板を製造するにあたり,10000ppm以上の有機溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤を偏光フィルムと保護層からなる積層体に塗工し,50〜200℃の温度にて乾燥してなることを特徴とする粘着剤層を有する偏光板の製造方法。 【請求項7】請求項5記載の粘着剤層を有する偏光板を製造するにあたり,10000ppm以上の有機溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤を偏光フィルムと保護層からなる積層体あるいは離型フィルムのいずれか一方に塗工し,50〜200℃の温度にて乾燥した後,偏光フィルムと保護層からなる積層体あるいは離型フィルムの残りの一方に設けることを特徴とする粘着剤層を有する偏光板の製造方法。 A「本件訂正請求」に係る特許請求の範囲(甲7)【請求項1】ポリビニルアルコール系偏光フィルムとセルロース系保護層からなる積層体の少なくとも一方の外側に10〜500ppmの溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤層を設けたことを特徴とする粘着剤層を有する偏光板。 【請求項2】積層体がポリビニルアルコール系偏光フィルム/セルロース系保護層,又はセルロース系保護層/ポリビニルアルコール系偏光フィルム/セルロース系保護層のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項3】アクリル系樹脂粘着剤層の更に外側に離型フィルムを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項4】請求項1または2記載の粘着剤層を有する偏光板を製造するにあたり,10000ppm以上の有機溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤をポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護層からなる積層体に塗工し,50〜200℃の温度にて乾燥してなることを特徴とする粘着剤層を有する偏光板の製造方法。 【請求項5】請求項3記載の粘着剤層を有する偏光板を製造するにあたり,10000ppm以上の有機溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤をポリビニルアルコール系偏光フィルムとセルロース系保護層とからなる積層体あるいは離型フィルムのいずれか一方に塗工し,50〜200℃の温度にて乾燥した後,ポリビニルアルコール系偏光フィルムとセルロース系保護層からなる積層体あるいは離型フィルムの残りの一方を他方に貼り合わせることを特徴とする粘着剤層を有する偏光板の製造方法。 (判決注:決定4頁の【請求項2】の記載は,甲7に照らして,誤記と認める。)B訂正審決による訂正後の特許請求の範囲(甲5)【請求項1】ポリビニルアルコール系偏光フィルムとセルロース系保護層からなる積層体の少なくとも一方の外側に25〜500ppmの溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤層を設けたことを特徴とする粘着剤層を有する偏光板。 【請求項2】積層体がポリビニルアルコール系偏光フィルム/セルロース系保護層,又はセルロース系保護層/ポリビニルアルコール系偏光フィルム/セルロース系保護層のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項3】アクリル系樹脂粘着剤層の更に外側に離型フィルムを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤層を有する偏光板。 【請求項4】請求項1または2記載の粘着剤層を有する偏光板を製造するにあたり,10000ppm以上の有機溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤をポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護層からなる積層体に塗工し,50〜200℃の温度にて乾燥してなることを特徴とする粘着剤層を有する偏光板の製造方法。 【請求項5】請求項3記載の粘着剤層を有する偏光板を製造するにあたり,10000ppm以上の有機溶剤を含有したアクリル系樹脂粘着剤をポリビニルアルコール系偏光フィルムとセルロース系保護層からなる積層体あるいは離型フィルムのいずれか一方に塗工し,50〜200℃の温度にて乾燥した後,ポリビニルアルコール系偏光フィルムとセルロース系保護層からなる積層体あるいは離型フィルムの残りの一方を他方に貼り合わせることを特徴とする粘着剤層を有する偏光板の製造方法。 (判決注:審決(甲6)2頁及び更正決定(乙1)の【請求項2】の記載は,甲5に照らして,いずれも誤記と認める。) |
裁判長裁判官 | 塚原朋一 |
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裁判官 | 田中昌利 |
裁判官 | 佐藤達文 |