関連審決 | 審判1999-35028 |
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関連ワード | 審決確定(審決が確定) / |
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事件 |
平成
12年
(行ケ)
227号
審決取消請求事件
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原告 株式会社イケハタ代表者代表取締役 A 訴訟代理人弁護士 長濱毅 同 古田啓昌 同 城山康文 同復代理人弁理士 石戸久子 被告 株式会社国土基礎代表者代表取締役 B 被告 成幸工業株式会社代表者代表取締役 C 被告 利根地下技術株式会社代表者代表取締役 D 被告 中村工業株式会社代表者代表取締役 E 被告 丸藤シートパイル株式会社代表者代表取締役 F 被告 ライト工業株式会社代表者代表取締役 G6名訴訟代理人弁理士 土井清暢 被告 八進興業株式会社代表者代表取締役 H |
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裁判所 | 東京高等裁判所 |
判決言渡日 | 2001/01/31 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
本件訴えを却下する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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原告の求めた裁判
特許庁が平成11年審判第35028号事件について平成12年5月29日にした審決を取り消す。 訴訟費用は被告らの負担とする。 |
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本件記録上認められる事実
1 原告は、名称を「連続壁体の造成工法」とする発明(特許第1875289号)の特許権者である。 2 被告八進興業株式会社(以下「被告八進興業」という。)外6名は、平成11年1月20日、共同して本件特許につき無効審判の請求をし、特許庁は、同審判請求を平成11年審判第35028号事件として審理していたところ、平成12年5月23日、被告八進興業が、名古屋地方裁判所において破産宣告を受け、同時に弁護士Iが破産管財人に選任された。しかし、特許庁は、被告八進興業の破産管財人に本件審判手続を受継させることなく、同月29日、被告八進興業を請求人の一人として表示した上、「特許第1875289号発明の特許を無効とする。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同年6月15日、原告に送達された。 3 原告は、同年6月29日、被告八進興業外6名を被告として、本件審決の取消しを求める本訴を提起し、同年7月28日、被告八進興業代表者代表取締役Hあてに訴状副本が送達されたところ、同年8月11日、被告八進興業破産管財人から名古屋地方裁判所裁判所書記官作成の同破産管財人に係る資格証明書とともに同破産管財人を被告として表示した答弁書が当裁判所に提出された。 |
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当裁判所の判断
1 上記第2の事実経過に照らすと、被告八進興業が破産宣告を受けたことにより、審判手続は当然に中断するが(特許法24条において審判の手続に準用される民事訴訟法125条1項)、被告らは共同して本件特許につき無効審判の請求をしたのであるから、共同審判請求人の一人である被告八進興業について生じた上記中断は、請求人である被告ら全員についてその効力を生ずる(特許法132条4項)。そうすると、本件審判事件の審理を担当する合議体は、被告ら全員が法律上審判手続に関与することができない状態において、これを当事者として審理及び審決をし、その謄本の送達もしたものといわざるを得ない。 2 しかしながら、審判手続の中断を看過してされた本件審決の送達は、全員について不適法でありその効力を生じないから、本件訴えは、審決の有効な送達がされる前に提起された不適法な訴えであり、その不備を補正することができないものというべきである。(付言するに、本件審決には、上記の瑕疵があるが、本件訴えを不適法として却下しても、本件審決について適法な送達がされない限り、本件審決が確定することはなく、その旨の登録がされることもないから、本件特許が無効とされることはない。一方、被告八進興業の破産管財人に本件審判手続を受継させた上、本件審決について適法な送達がされた場合には、その時点で、原告は、本件審決に上記の瑕疵のあることを理由として適法な審決取消訴訟を提起することができるのであるから、本件訴えを不適法として却下しても、不都合な結果を招来することはない。) 3 よって、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法140条に従い、口頭弁論を経ないで本件訴えを却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 篠原勝美 |
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裁判官 | 石原直樹 |
裁判官 | 長沢幸男 |