運営:アスタミューゼ株式会社
  • ポートフォリオ機能


追加

関連審決 異議2002-72612
関連ワード 設定登録 /  訂正審判 /  請求の範囲 /  減縮 /  取消決定 / 
元本PDF 裁判所収録の全文PDFを見る pdf
事件 平成 17年 (行ケ) 10128号 特許取消決定取消請求事件

原告 住友電気工業株式会社
訴訟代理人弁護士 杉本進介
被告 特許庁長官小川洋
指定代理人 一色貞好
同 大元修二
同 小曳満昭
同 伊藤三男
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2005/07/21
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 特許庁が異議2002−72612号事件について平成16年11月12日にした決定を取り消す。
2 訴訟費用は各自の負担とする。
事実及び理由
全容
1 原告は,主文第1項と同旨の判決を求め,請求原因として別紙のとおり述べた。
2 被告は,請求棄却の判決を求め,請求原因事実は争わないと述べた。
上記争いのない事実によれば,原告の本訴請求は理由があるからこれを認容し,訴訟費用については,本訴の経緯にかんがみ,これを各自に負担させるのを相当と認め,主文のとおり判決する。
追加
・(別紙)請求原因1原告は,発明の名称を「ハウジングとケーブルの接続構造及び接続方法」とする特許第3277761号発明(平成7年7月31日出願,平成14年2月15日設定登録。以下「本件特許」という。)に係る特許権者であり,その設定登録時の特許請求の範囲は,別紙1のとおりである。
2その後,本件特許につき特許異議の申立てがされ,異議2002-72612号事件として特許庁に係属したところ,原告は,平成16年3月23日,本件特許の特許請求の範囲等の訂正(以下「第1次訂正」という。)を請求した。第1次訂正に係る特許請求の範囲は別紙2のとおりである。特許庁は,同事件につき審理した上,平成16年11月12日,「訂正を認める。特許第3277761号の請求項1ないし5に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし,その決定謄本は同年12月6日原告に送達された。
3原告は,平成16年12月27日,本件決定の取消しを求める本訴を提起し,その係属中の平成17年3月17日,特許庁に対し,本件特許の特許請求の範囲等につき更に訂正審判の請求をした(以下「第2次訂正」という。)。第2次訂正に係る特許請求の範囲は別紙3のとおりであるが,特許庁は,同請求を訂正2005-39049号事件として審理した上,同年5月30日,訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし,その審決謄本は同年6月9日原告に送達された。
4第2次訂正によって特許請求の範囲減縮されたことは明らかであり,本件訂正審決の確定により,本件決定が前提とする発明の要旨の認定は誤りに帰したことになるので,本件決定の取消しを求める。
・(別紙1)特許請求の範囲(設定登録時のもの)【請求項1】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続構造において,ハウジングがポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によって形成され,ケーブルのシース材は,難燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の架橋体であり,このシース材がハウジングの溶融成形によりハウジングと接着しているハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項2】前記シース材の難燃化は,ポリブロモジフェニルエーテルを除く難燃剤によってなされる請求項1に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項3】前記難燃剤は,エチレンビス臭素化フタルイミド,ビス(臭素化フェニル)エタン,ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミドからなる群より選ばれる1種もしくは複数種の混合物である請求項2に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項4】前記熱可塑性ポリエステルエラストマの非晶性ソフトセグメントがポリオキシメチレングリコールである請求項1乃至3のいずれかに記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項5】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ケーブルのシース材は,難燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の架橋体であって,ポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によってハウジングを形成するとともに,その溶融成形時にハウジングと前記シース材を接着させてハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続方法。
・(別紙2)特許請求の範囲(第1次訂正後のもの。訂正部分を下線で示す。)【請求項1】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続構造において,ハウジングがポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によって形成され,ケーブルのシース材は,難燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線によって架橋した架橋体であり,このシース材がハウジングの溶融成形によりハウジングと接着しているハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項2】前記シース材の難燃化は,ポリブロモジフェニルエーテルを除く難燃剤によってなされる請求項1に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項3】前記難燃剤は,エチレンビス臭素化フタルイミド,ビス(臭素化フェニル)エタン,ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミドからなる群より選ばれる1種もしくは複数種の混合物である請求項2に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項4】前記熱可塑性ポリエステルエラストマの非晶性ソフトセグメントがポリオキシメチレングリコールである請求項1乃至3のいずれかに記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項5】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ケーブルのシース材は,難燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線によって架橋した架橋体であって,ポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によってハウジングを形成するとともに,その溶融成形時にハウジングと前記シース材を接着させてハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続方法。
・(別紙3)特許請求の範囲(第2次訂正後のもの。訂正部分を下線で示す。なお,2重下線部分は,第1次訂正時との相違部分である。)【請求項1】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続構造において,ハウジングがポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によって形成され,ケーブルのシース材は,難燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線によって架橋した架橋体であり,このシース材がハウジングの溶融成形によりハウジングと接着しているハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項2】前記シース材の難燃化は,によってなされる請求項1に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項3】前記難燃剤は,難燃剤である請求項2に記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項4】前記熱可塑性ポリエステルエラストマの非晶性ソフトセグメントがポリオキシメチレングリコールである請求項1乃至3のいずれかに記載のハウジングとケーブルの接続構造。
【請求項5】本体装置を封止するハウジングと,この本体装置に接続され,このハウジングを貫いて導出されるケーブルとを備え,ケーブルのシース材は,難燃化した熱可塑性ポリエステルエラストマを主体とする樹脂組成物の電離性放射線によって架橋した架橋体であって,ポリブチレンテレフタレート樹脂の溶融成形によってハウジングを形成するとともに,その溶融成形時にハウジングと前記シース材を接着させてハウジングとケーブルの間を気密封止するハウジングとケーブルの接続方法。
裁判長裁判官 中野哲弘
裁判官 岡本岳
裁判官 上田卓哉