関連審決 | 訂正2001-39035 審判1999-35422 |
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関連ワード | 進歩性(29条2項) / 容易に発明 / 発明の詳細な説明 / 設定登録 / 訂正審判 / 請求の範囲 / 減縮 / 審決確定(審決が確定) / |
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事件 |
平成
13年
(行ケ)
25号
審決取消請求事件
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原告 有限会社ユア開発 訴訟代理人弁理士 北村修一郎 被告 株式会社エース電研 訴訟代理人弁理士 永井義久 同 柏原健次 |
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裁判所 | 東京高等裁判所 |
判決言渡日 | 2001/11/08 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
特許庁が平成11年審判第35422号事件について平成12年12月6日にした審決を取り消す。 訴訟費用は各自の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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請求
主文第1項と同旨 |
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前提となる事実
1 特許庁における手続の経緯 (1) 原告は、発明の名称を「遊技設備」とする特許第1722299号の発明(昭和58年11月15日出願、平成4年12月24日設定登録。以下「本件発明」という。)の特許権者である。 被告は、平成11年8月13日、本件発明につき無効審判の請求をし、同請求は、平成11年審判第35422号事件として特許庁に係属したところ、特許庁は、平成12年12月6日、「特許第1722299号の特許請求の範囲1に記載された発明についての特許を取り消す。」との審決(以下「本件審決」という。別紙1審決書写し参照)をし、その謄本は、同月25日、原告に送達された。 (2) 原告は、本訴提起後の平成13年3月2日、本件発明に係る明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の減縮等を目的として訂正する訂正審判の請求をしたところ、特許庁は、同請求を訂正2001-39035号事件として審理した結果、平成13年7月30日、上記訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。別紙2審決書写し参照)をし、その謄本は、 同年8月9日、原告に送達され、本件訂正審決は確定した。 2 本件明細書の特許請求の範囲の記載 (1) 本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲の記載 複数の遊技台Aを横方向に並設して遊技台列が構成され、前記複数の遊技台Aの隣接間のうちの複数の特定箇所に、紙幣aを前記遊技台列前面側から受け入れてその紙面が上下方向に沿う姿勢で前記遊技台列背面側に送り出し可能な紙幣投入機Bが設けられているとともに、前記遊技台列の背面側に、前記紙幣投入機Bの各々から送り出される紙幣aを受け取ってその紙面が上下方法に沿う姿勢で挟持し、前記遊技台列に沿って特定位置まで合流搬送する挟持搬送装置Dが設けられている遊技設備であって、前記挟持搬送装置Dの挟持搬送路が、上下方向で一本の無端回動ベルト1と、前記無端回動ベルト1との協同で紙幣aを挟持する複数の挟持輪体2とを組み合わせて構成され、前記無端回動ベルト1の駆動回動で紙幣aが挟持搬送されるとともに、前記挟持搬送路に沿って、挟持紙幣aの比挟持部分の倒れを規制する倒れ規制部と、搬送紙幣aの擦り落ちを規制する擦り落ち規制部とが設けられている遊技設備。 (2) 本件訂正審決による訂正後の特許請求の範囲の記載(下線部が本件訂正審決による訂正箇所である。) 複数の遊技台Aを横方向に並設して遊技台列が構成され、前記複数の遊技台Aの隣接間のうちの複数の特定箇所に、紙幣aを前記遊技台列前面側から受け入れてその紙面が上下方向に沿う姿勢で前記遊技台列背面側に送り出し可能な紙幣投入機Bが設けられているとともに、前記遊技台列の背面側に、前記紙幣投入機Bの各々から送り出される紙幣aを受け取ってその紙面が上下方法に沿う姿勢で挟持し、前記遊技台列に沿って特定位置まで合流搬送する挟持搬送装置Dが設けられている遊技設備であって、前記挟持搬送装置Dの挟持搬送路が、上下方向で一本の細幅の搬送用丸 ベルト で構成 された 無端回動ベルト1と、前記無端回動ベルト1との協同で紙幣aを挟持する搬送方向に沿って 配設 された 複数の挟持輪体2とを組み合わせて構成され、前記無端回動ベルト1の駆動回動で紙幣aが挟持搬送されるとともに、前記挟持搬送路に沿って、挟持紙幣aの比挟持部分の倒れを規制する倒れ規制部と、 搬送紙幣aの擦り落ちを規制する擦り落ち規制部とが設けられている遊技設備。 3 本件審決の理由の要旨 別紙1審決書写しのとおり、本件審決は、本件発明の要旨を上記2(1)の本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定した上で、本件発明は、審判甲第4号証(特開昭56-95079号公報)に記載された発明、並びに審判甲第3号証(実公昭56-30943号公報)、審判甲第5号証(特開昭53-3399号公報)、審判甲第6号証(実公昭58-6823号公報)、審判甲第7号証(特開昭55-30726号公報)、審判甲第8号証(実公昭57-39391号公報)、審判甲第9号証(特開昭53-13998号公報)及び審判甲第10号証(実公昭51-49998号公報)にそれぞれ開示される技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定に違反しており、取り消されるべきであるとした。 |
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当事者の主張の要点
1 原告 上記1(2)のとおり、本件訂正審決による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件発明を無効とした本件審決の取消しを目的とする本件訴訟の係属中に、本件発明について特許請求の範囲の減縮を目的とする本件訂正審決が確定した。 そこで、本件審決が本件発明の要旨を上記2(1)の本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定したことは誤りに帰し、この瑕疵は違法であるから、本件審決は取り消されなければならない。 2 被告 本件発明について本件訂正審決が確定したことは認める。 しかし、本件訂正審決の確定により本件発明の特許請求の範囲が減縮されたものとしても、その減縮にかかる事項は、乙第1号証(特公昭41-4242号公報)又は乙第2号証(実開昭52-132099号公報)からすれば、周知の事項を限定したにすぎず、技術的に設計上の微差の事項であるというべきであって、本件審決が、本件発明の要旨を本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲のとおり認定したとしても、本件審決の結論に影響を及ぼすことはないから、本件審決には瑕疵がなく、原告主張の取消事由には理由がない。 理 由 1 本件訂正審決の確定により本件発明について特許請求の範囲が前記のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、この訂正によって本件発明について特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると、本件審決が本件発明の要旨を本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定したことは、結果的に誤りがあることになり、この誤りは本件審決の結論に影響を及ぼすものとして違法であると解すべきであるから(最高裁第三小法廷判決平成11年3月9日民集53巻3号303頁)、本件審決は取消しを免れない。 被告の上記主張は、これと異なる見解に立つものであり、その前提において失当であるから、採用することができない。 2 よって、原告の本訴請求は理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法62条を適用して、主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 永井紀昭 |
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裁判官 | 古城春実 |
裁判官 | 橋本英史 |