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関連審決 異議2000-72184
関連ワード 進歩性(29条2項) /  優先権 /  国内優先権 /  設定登録 /  請求の範囲 /  減縮 /  審決確定(審決が確定) /  取消決定 / 
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事件 平成 14年 (行ケ) 127号 特許取消決定取消請求事件
原告 日立金属株式会社
訴訟代理人弁理士 高石橘馬
被告 特許庁長官太田 信一郎
指定代理人 西川正俊
同 石井茂和
同 小林信雄
同 大橋良三
同 涌井幸一
同 高橋泰史
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2002/11/14
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 特許庁が異議2000−72184号事件について平成14年1月30日にした決定中,特許第2983016号の請求項2,5ないし8に係る特許を取り消す,とした部分を取り消す。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
のダイオードのアノードと接続し,前記積層体の外表面には,前記複数の送受
信系の共通端子,前記各送受信系のそれぞれの送信系端子,受信系端子が形成されており,もって前記携帯電話がある帯域を利用可能であるときには,その帯域に対応した送受信系のみに送信信号及び受信信号が流れることを特徴とするマルチバンド用高周波スイッチモジュール。
【請求項3】 アンテナを共用 し,複数 の異なる 帯域 に対応 した 携帯電話に用いる マルチバンド 用高周波 スイッチモジュール であって ,前記 アンテナ に接続され ,前記複数 の帯域 に対応 して 通過帯域 が異なる 複数 の送受信系 に信号 を分波 する分波回路 を有し,前記分波回路 に接続 され ,前記各送受信系 のそれぞれに 送信系と受信系 を切り替える スイッチ 回路 を有し,前記 スイッチ 回路 の各送信系 にローパスフィルタ を有し,前記分波回路 はLC 回路 で構成 され ,前記 スイッチ 回路 はダイオード と伝送線路 を主構成 とし ,前記 ローパスフィルタ はLC 回路 で構成 され ,前記分波回路 のLC 回路 ,前記 ローパスフィルタ のLC 回路及 び前記 スイッチ 回路 の伝送線路 は,電極 パターン と誘電体層 との 積層体内 に,前記電極 パターン により 構成され ,前記 ダイオード は,前記積層体上 に配置 して 構成 され ,前記積層体 の外表面には ,前記複数 の送受信系 の共通端子 ,前記各送受信系 のそれぞれの 送信系端子,受信系端子 が形成 されており ,前記積層体内において,前記スイッチ回路の伝送線路用の電極パターンは,グランド電極に挟まれた領域に形成され,前記分波回路の容量成分用の電極パターン及び前記ローパスフィルタ回路の容量成分用の電極パターンは,前記伝送線路用の電極パターンを挟むグランド電極の内,上側のグランド電極の上部に誘電体層を介して形成され,前記分波回路のインダクタンス成分用の電極パターン及び前記ローパスフィルタ回路のインダクタンス成分用の電極パターンは,前記容量成分用の電極パターンの上部に誘電体層を介して形成されており,もって 前記携帯電話 がある 帯域 を利用可能 であるときには ,その 帯域 に対応 した送受信系 のみに 送信信号及 び受信信号 が流れることを 特徴 とする マルチバンド 用高周波 スイッチモジュール 。
【請求項4】 アンテナ を共用 し,複数 の異なる 帯域 に対応 した 携帯電話に用いる マルチバンド 用高周波 スイッチモジュール であって ,前記 アンテナ に接続され ,前記複数 の帯域 に対応 して 通過帯域 が異なる 複数 の送受信系 に信号 を分波 する分波回路 を有し,前記分波回路 に接続 され ,前記各送受信系 のそれぞれに 送信系と受信系 を切り替える スイッチ 回路 を有し,前記 スイッチ 回路 の各送信系 にローパスフィルタ を有し,前記分波回路 はLC 回路 で構成 され ,前記 スイッチ 回路 はダイオード と伝送線路 を主構成 とし ,前記 ローパスフィルタ はLC 回路 で構成 され ,前記分波回路 のLC 回路 ,前記 ローパスフィルタ のLC 回路及 び前記 スイッチ 回路 の伝送線路 は,電極 パターン と誘電体層 との 積層体内 に,前記電極 パターン により 構成され ,前記積層体において,前記分波回路と前記ローパスフィルタ回路とは,前記積層体の水平方向の別領域に別れて形成されており,前記 ダイオード は,前記積層体上 に配置 して 構成 され ,前記積層体 の外表面 には ,前記複数 の送受信系 の共通端子 ,前記各送受信系 のそれぞれの 送信系端子 ,受信系端子 が形成 されており ,もって 前記携帯電話 がある 帯域 を利用可能 であるときには ,その 帯域 に対応 した 送受信系 のみに 送信信号及 び受信信号 が流れる ことを特徴とするマルチバンド用高周波スイッチモジュール。
【請求項5】 前記積層体において,前記分波回路と前記ローパスフィルタ回路とは,前記積層体の水平方向の別領域に別れて形成されていることを特徴とする請求項3記載のマルチバンド用高周波スイッチモジュール。
【請求項6】 アンテナを共用し,複数の異なる帯域に対応した携帯電話に用いるマルチバンド用高周波スイッチモジュールであって,前記アンテナに接続され,前記複数の帯域に対応して通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する分波回路を有し,前記分波回路に接続され,前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路を有し,前記分波回路はLC回路で構成され,かつ前記分波回路 の低周波数側 はLC ノッチ 回路 で構成 されるとともに ,前記 LCノッチ 回路 には アース に直接接続 される コンデンサ が接続 しており ,前記スイッチ回路はダイオードと伝送線路を主構成とし,前記分波回路のLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路は,電極パターンと誘電体層との積層体内に,前記電極パターンにより構成され,前記コンデンサ の電極 パターン は,前記 LC ノッチ 回路 のインダクタンス 成分用 の電極 パターン と容量成分用 の電極 パターン とに スルーホール を介して 接続 しているとともに ,誘電体層 を介して グランド 電極 と面するように 形成されており ,前記ダイオードは,前記積層体上に配置して構成され,前記積層体の外表面には,前記複数の送受信系の共通端子,前記各送受信系のそれぞれの送信系端子,受信系端子,スイッチ回路制御端子が形成され,前記積層体の各側面には,少なくとも1つのグランド端子が形成されており,もって前記携帯電話がある帯域を利用可能であるときには,その帯域に対応した送受信系のみに送信信号及び受信信号が流れることを特徴とするマルチバンド用高周波スイッチモジュール。
【請求項7】 アンテナを共用し,複数の異なる帯域に対応した携帯電話に用いるマルチバンド用高周波スイッチモジュールであって,前記アンテナに接続され,前記複数の帯域に対応して通過帯域が異なる複数の送受信系に信号を分波する分波回路を有し,前記分波回路に接続され,前記各送受信系のそれぞれに送信系と受信系を切り替えるスイッチ回路を有し,前記分波回路はLC回路で構成され,前記スイッチ回路はダイオードと伝送線路を主構成とし,前記分波回路のLC回路及び前記スイッチ回路の伝送線路は,電極パターンと誘電体層との積層体内に,前記電極パターンにより構成され,前記ダイオードは,前記積層体上に配置して構成され,前記積層体内において ,複数 の異なる 帯域用 の全ての スイッチ 回路 の受信側の伝送線路用 の電極 パターン は,一対 のグランド 電極 に挟まれた 領域 に形成 され ,前記一対 のグランド 電極 のうち ,積層方向 の上側 のグランド 電極 が形成 された 誘電体層 には スルーホール 電極 が形成 され ,前記 スルーホール 電極 を介して 前記受信側の伝送線路用 の電極 パターン が送信側 のダイオード 及び分波回路 と接続 し,前記積層体の外表面には,前記複数の送受信系の共通端子,前記各送受信系のそれぞれの送信系端子,受信系端子が形成され,前記高周波端子(前記共通端子,各送信系端子,各受信系端子)間には,グランド端子またはスイッチ回路制御端子が配置され,前記高周波端子が隣り合わない構造に配置されており,もって前記携帯電話がある帯域を利用可能であるときには,その帯域に対応した送受信系のみに送信信号及び受信信号が流れることを特徴とするマルチバンド用高周波スイッチモジュール。
【請求項8】 前記スイッチ回路の各送信系にローパスフィルタを有し,積層体の外表面に形成された前記スイッチ回路制御端子からダイオードに加える電圧により前記ダイオードを制御して,通過帯域の異なる複数の送受信系の送信系及び受信系とアンテナとの接続を切り換えることを特徴とする請求項6又は7記載のマルチバンド用高周波スイッチモジュール。
【請求項9】 前記分波回路は2つのノッチ回路を主回路とし,前記ノッチ回路の内の一つとその後段に配置されるスイッチ回路との間に,アースに接続されるコンデンサが配置され,前記積層体上に配置されたチップ素子を包囲する金属ケースが前記積層体上に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマルチバンド用高周波スイッチモジュール。」3 当裁判所の判断 上記当事者間に争いのない事実によれば,決定当時の本件特許の請求項2,5ないし8については,特許法29条2項の規定に違反して登録された特許であることを理由に特許を取り消した決定の取消しを求める訴訟の係属中に,当該特許に係る特許請求の範囲減縮を含む訂正の審決が確定したということになり,決定は,結果として,判断の対象となるべき発明の要旨の認定を誤ったものとなる。この誤りが上記各請求項のいずれについても決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,決定中の上記各請求項に係る部分は取消しを免れない。
4 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 山下和明
裁判官 設樂隆一
裁判官 阿部正幸