関連審決 | 訂正2003-39015 異議2002-70479 |
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関連ワード | 進歩性(29条2項) / 容易に発明 / 分割出願 / 優先日 / 特許発明 / 設定登録 / 訂正審判 / 請求の範囲 / 減縮 / 取消決定 / |
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事件 |
平成
14年
(行ケ)
517号
特許取消決定取消請求事件
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原告 日本碍子株式会社 訴訟代理人弁理士 渡邉一平 同 木川幸治 同 樋口武 被告 特許庁長官太田 信一郎 指定代理人 後谷陽一 同 石井良夫 同 小曳満昭 同 宮川久成 同 伊藤三男 |
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裁判所 | 東京高等裁判所 |
判決言渡日 | 2003/04/30 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
特許庁が異議2002−70479号事件について平成14年8月16日にした決定を取り消す。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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請求
主文と同旨 |
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当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯 (1) 原告は,名称を「自動車排ガス浄化用吸着材」とする特許第3202676号発明(平成3年10月23日原出願〔国内優先日・平成2年11月9日〕,平成10年2月13日分割出願,平成13年6月22日設定登録,以下,この特許を「本件特許」といい,その特許発明を「本件発明」という。)の特許権者である。 その後,本件特許につき特許異議の申立てがされ,同申立ては,異議2002-70479号事件として特許庁に係属した。特許庁は,上記事件につき審理した結果,平成14年8月16日,「特許第3202676号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし,その謄本は,同年9月9日,原告に送達された。 (2) 原告は,平成14年10月9日,本件決定の取消しを求める本件訴えを提起した後,平成15年1月24日,本件特許出願の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の記載等及び図面の訂正(以下「本件訂正」という。)をする旨の訂正審判の請求をしたところ,特許庁は,同請求を訂正2003-39015号事件として審理した上,同年3月18日,本件訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし,その謄本は,同月28日,原告に送達された。 2 本件明細書の特許請求の範囲の記載 (1) 本件訂正前のもの 【請求項1】Si/Al比が48以上の高シリカゼオライトを含み,HC(炭化水素)を吸着することを特徴とする自動車排ガス浄化用吸着材。 【請求項2】請求項1記載の吸着材に触媒を担持させてなる自動車排ガス浄化用吸着材。 【請求項3】請求項1又は2記載の吸着材を,多数の貫通孔を有するハニカム構造体に被覆した自動車排ガス浄化用吸着材。 (2) 本件訂正に係るもの(注,訂正部分を下線で示す。) 【請求項1】Si/Al比が48以上,アルカリ 金属含有量 が0.1重量 %以下 ,1100 ℃で5時間加熱 された 場合 のBET 比表面積 (u/g) が少なくとも30 (u/g) である 高シリカゼオライトであって ,HC(炭化水素)を吸着することを特徴とする自動車排ガス浄化用吸着材。 【請求項2】請求項1記載の吸着材に触媒を担持させてなる自動車排ガス浄化用吸着材。 【請求項3】請求項1又は2記載の吸着材を,多数の貫通孔を有するハニカム構造体に被覆した自動車排ガス浄化用吸着材。 3 本件決定の理由 本件決定は,本件発明の要旨を本件訂正前の本件明細書の特許請求の範囲の記載のとおり認定した上,本件発明は,特開平2-75327号公報,特開平2-135126号公報及び「東ソ-研究報告」33巻2号155〜165頁に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により特許を受けることができず,本件特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるから,特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)4条2項の規定により取り消されるべきであるとした。 |
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原告主張の審決取消事由
本件決定が,本件発明の要旨を本件訂正前の本件明細書の特許請求の範囲の記載(上記第2の2の(1))のとおり認定した点は,本件訂正審決の確定により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記第2の2の(2)のとおり訂正されたため,誤りに帰したことになる。そして,この瑕疵は本件決定の結論に影響を及ぼすものであるから,本件決定は違法として取り消されるべきである。 |
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被告の主張
本件訂正審決の確定により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたことは認める。 |
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当裁判所の判断
本件訂正審決の確定により,本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記第2の2の(2)のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく,この訂正によって特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると,本件決定が,本件発明の要旨を本件訂正前の本件明細書の特許請求の範囲の記載(上記第2の2の(1))のとおり認定したことは,結果的に誤りであったことに帰し,これが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから,本件決定は,瑕疵があるものとして取消しを免れない。 よって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,訴訟費用は,原告の申立て等本件訴訟の経緯にかんがみ,原告に負担させることとして,主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 篠原勝美 |
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裁判官 | 長沢幸男 |
裁判官 | 早田尚貴 |