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関連審決 不服2019-8901
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事件 令和 3年 (行ケ) 10045号 審決取消請求事件
5
原告X
被告 特許庁長官
同 指定代理人樫本剛 10 同木方庸輔
同 千葉輝久
同 中村則夫
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2022/01/19
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 原告の請求を棄却する。
15 2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
特許庁が不服2019-8901号事件について令和3年1月29日にした 審決を取り消す。
20 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等(当事者間に争いがない。) ? 原告は,平成25年8月26日,発明の名称を「発電車両を電源とする新 方式大規模社会電力給電インフラシステム」とする発明につき,国際特許出 願をした(日本国における出願番号は特願2015-533927号。請求25 項の数4。以下「本願」という。)。
原告は,平成29年10月16日付けの拒絶理由通知書を受けて,平成3 1 0年2月23日意見書とともに手続補正書を提出したが,同年7月30日付 けで拒絶理由通知書(最後)を受けたので,同年12月5日手続補正書を提 出した。
原告は,平成31年1月4日付けの手続補正指令書を受け,同月24日, 5 手続補正書を提出したが,同年3月8日付けで,補正の却下の決定とともに, 拒絶査定を受けた。
? 原告は,令和元年6月17日,拒絶査定不服審判を請求するとともに,同 日付けで,特許請求の範囲について手続補正(以下「本件補正」という。) をした。
10 特許庁は,令和3年1月29日,上記審判請求(不服2019-8901 号事件)につき,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「本 件審決」という。)をし,その謄本は,同年2月27日,原告に送達された。
? 原告は,令和3年3月26日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起 した。
15 2 特許請求の範囲の記載 本件補正後の特許請求の範囲の記載は,請求項1ないし3からなり,これらの 請求項の記載は,次のとおりである(乙1。以下,請求項1に係る発明を「本願 発明」という。 。
) 【請求項1】20 個別発電車両が発電する電力を,それぞれの発電車両から外部社会電力送電イ ンフラ網へ常時給電可能とすることで,結果として膨大な電力量を新たに社会 電力エネルギー供給インフラとして,提供可能としたシステム。
【請求項2】 社会電力エネルギー供給インフラへの電力供給を目的とし,また同時に自己走25 行動力エネルギーとしての電力を発電する発電車両 【請求項3】 2 発電車両の発電する電力を,外部社会電力送電インフラ網へ給電可能とする給 電中継端末装置,および蓄電機能装置と接続可能とする給電中継端末装置。
3 本件審決の理由の要旨等 ? 本件審決の理由の要旨は,本願発明は,本願の出願前に頒布された刊行物 5 である特開2008-136344号公報(甲1。以下「引用文献1」とい う。)及び特開2004-136860号公報(乙2。以下「引用文献2」 という。)に記載された発明であり,特許法29条1項3号の規定により特 許を受けることができないというものである。
? 本件審決が認定した引用文献1及び2に記載された発明は,それぞれ以下10 のとおりである。
ア 引用文献1に記載された発明(以下「引用発明1」という。) 車両の本体上に形成された太陽集積器から電力を,公共高圧送電線網に よる使用のために供給し,車両が停止または運転中においても電力を供給 する,軌道制限車両に関するものであって,(段落0001,0016)15 軌道制限車両11は,太陽エネルギー等を電力に変換し,その電力を電 力ルーター11bに供給する太陽集積器11aを備え,その電力ルーター 11bは,電力が車両に必要かどうかによって,その電力を車両推進シス テム11dまたはインタフェース11cを介して電力ノード12の分散カ プラ13に供給し,(段落0001,0025,図1)20 軌道制限車両は,太陽集積器を使用して,そして更に,再生制動を使用 して,車両外使用のための電力を供給し,(段落0020) 2台以上の車両のそれぞれは,電力ノード12の(分散)カプラ13に 結合し,(段落0044,図1) 電力ノードのカプラは,電力を電力ルーター16に供給し,可能な伝送25 ルートにより公共電力高圧送電線網19へその電力を供給し,(段落00 45,0047) 3 電力ノード12は,エネルギー格納装置18aを含み,高圧送電線網へ のインタフェース18は,高圧送電線網からの要求があると,エネルギー 格納装置18aから電力を引き出す(段落0033,図1) システム。(段落0049,図1) 5 イ 引用文献2に記載された発明(以下「引用発明2」という。) 車輪を直接的にまたは補助的に駆動するモータと床面下に取付けた車 長相当の受・給電体2と受・給電要求や車輌番号等の信号をやりとりする 送・受信器と,の3つを装備した車輌3と,(段落0003) 路面に埋設した多くの組の受・給電子1,車輌3が近づいた時に前記受・10 給電子1より接触子が頭だしする制御と車輌3と電力をやりとりするた めの電力スイッチ4,受・給電体2との接触検出および車輌3の番号や要 求データや次の受・給電装置の位置などの信号をやりとりする信号制御器 5,及び,全体の情報を処理・制御する制御装置6を備え,(段落000 3,0004,図1)15 ブレーキ区間での車輌3のモータからの電力を受・給電体2,受・給電 子1を経由して商用電源10に売電し,(段落0004,図1) かなりの車輌が電気化され,排ガス・地球温暖化防止に役立ち,都市市 街地の生活空間(歩行者と車輌の共存)が再生化されることが期待できる (段落0011)20 システム。
当事者の主張
1 取消事由1(引用発明1に基づく新規性欠如の判断の誤り) ? 原告の主張 ア 「発電車両」について25 本願発明の「発電車両」の発電電力とは,当該車両の走行エネルギーを 電力エネルギーへ変換させることによる電力であり,一方,引用発明1の 4 「軌道制限車両」が供給する電力は,「軌道制限車両」の上面(屋根)部 分に搭載する「太陽集積器」が太陽光にさらされて発電された電力である から,本願発明のものとは全く異なる。
イ 「膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー供給インフラとして,提供 5 可能としたシステム」について 引用文献1の【0002】ないし【0007】を参酌しても,引用発明 1の「軌道制限車両」の外側壁面に装備した「太陽集積器(太陽光発電)」 で発電する電力により膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー供給イン フラとして提供可能としたシステム」が実現可能とする明確な根拠はない。
10 ? 被告の主張 ア 「発電車両」について 特許請求の範囲の請求項1ないし3及び平成30年2月23日の補正 後の明細書(甲4。以下,「本願明細書」という。)の【0001】ない し【0003】の記載によれば,本願発明は,「走行する個別発電車両に15 よる個別発電電力を,車両走行中にも車外部へ無線送電方式で送電し,」, 「これ等電力を適宜な社会電力送電インフラ網へ接続給電を可能とする」 技術分野に属するものであって,「本発明のシステム」は,「地球温暖化 防止のための効果ある対策を目的とする」ものであるとともに,「今後と てつもない数字となるこれ等EV車両群に充電する電力を賄う」ことを目20 的とするものであり,当該システムにおける「発電車両」が「その発電電 力を車両外へ送電する目的は,発電車両を発電源とした社会電力エネルギ ー大規模給電を可能とする,新方式給電インフラシステムの構築を目的と するものである」ことをその技術的意義とするものであると理解できる。
そうすると,請求項1の「発電車両」の発電方式は,社会電力エネルギ25 ー大規模給電に資する程度の発電が可能であれば任意の方式と解せるの であって,仮にそれ以上の限定があるにしても,せいぜい,地球温暖化防 5 止のために効果のあるもの(いわゆるクリーン電力)と解すべきものであ る。
したがって,本件審決が,「引用発明1の,太陽エネルギー等を電力に 変換する太陽集積器11a,及び,再生制動を使用して電力を供給する構 5 成を備えた『軌道制限車両11』は,・・・本願発明の「発電車両」に相 当する」とした対比判断に誤りはない。
イ 「膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー供給インフラとして,提供 可能としたシステム」について 引用発明1のシステムは,車両からの電力を公共高圧送電線網に供給す10 るものであり(【0001】,【0033】,【0047】),この「公 共高圧送電線網」が「社会電力エネルギー供給インフラ」の一つであるこ とは明らかである。
また,引用発明1のシステムは,電力需要の不足や地球温暖化の抑制に 貢献し得る程度の電力量(【0002】,【0004】),すなわち「膨15 大な電力量」を社会インフラに供給するものである。
したがって,本件審決が,「膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー 供給インフラとして,提供可能としたシステム」について,本願発明と引 用発明1との一致点とした判断に誤りはない。
2 取消事由2(引用発明2による新規性欠如の判断の誤り)について20 ? 原告の主張 ア 「発電車両」について 引用発明2における発電は,車両のブレーキ区間でのモータからの発電 であるいわゆる「回生電力」であり,車両の制動時のみ発生する電力であ って,本願発明の「発電車両」のように,走行中常時発電される電力を用25 いるものとは由来(発電方式)が異なるから,引用発明2の車両と,本願 発明の発電車両は異なる。
6 イ 「膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー供給インフラとして,提供 可能としたシステム」について 仮に,日本で,2千万台の本願発明の発電車両が1台につき1か月で1 0kWhの電力を発電可能とすると,1年で24億kWhのクリーン電力 5 を本願システムで社会に提供できる計算となる。
さらに,上記前提を1台につき1か月で50kWhと想定する計算で は,120億kWhとなる。
引用発明2は,このような膨大な電力量を発電可能なものではない。
? 被告の主張10 ア 「発電車両」について 前記1?アのとおり,請求項1の「発電車両」の発電方式は,社会電力 エネルギー大規模給電に資する程度の発電が可能であれば任意の方式と 解せるのであって,原告の主張は理由がない。
イ 「膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー供給インフラとして,提供15 可能としたシステム」について 引用発明2では,商用電源に売電するものであって(【0004】), この商用電源が「社会電力エネルギー供給インフラ」の一つであることは 明らかであり,引用発明2のシステムは,排ガス・地球温暖化防止に役立 ち,都市市街地の生活空間の再生化が期待できる程度の車輌規模を含むも20 のであるから(【0011】),その売電量は「膨大な電力量」であると 理解できる。
当裁判所の判断
1 明細書の記載事項について ? 本願明細書には,別紙1のような記載がある。
25 ? 前記?の記載事項によれば,本願明細書には,次のような開示があること が認められる。
7 ア 「本発明」は走行する個別発電車両による個別発電電力を,車両走行中 にも車外部へ無線送電方式で送電し,これ等個別発電車両からそれぞれ無 線送電方式で送電される電力を,車両走行路線沿いに設置される送電中継 装置群が受領し,これ等電力を適宜な社会電力送電インフラ網へ接続給電 5 を可能とする。また発電車両はその発電電力を,自己搭載のバッテリー(蓄 電装置)を経由することなく,必要とする自己車両の装置群へ直接給電す ることを可能とする(【0001】)。
イ 「本発明」は,地球温暖化防止のための効果ある対策を目的とし,クリ ーン電力とされている二酸化炭素発生に由来しない電力源となる,「本発10 明」のシステム構成基本要素機能装置である「発電車両」群により,現在 の社会基幹電力源である火力発電電力量に比肩あるいはそれを超えるこ とが可能な発電能力と,二酸化炭素排気ガスを排出しないとするEV車両 群への転換策を積極的に進行させた場合に必要となる多量の電力の確保 を図るものである(【0002】)。
15 ウ 従来の通常の車両が自身の電力を,仮に車両外へ送電を行う場合,送電 する電力源を当該車両に搭載されているバッテリー(蓄電池)に依拠して いるため,その送電電力量は限定的なものとなる(【0003】)。
「本発明」は,「発電車両を電源とする新方式大規模社会電力給電イン フラシステム」のシステム構成要素重要装置である「2ステップ方式送電20 切替中継機能装置」群を通じ社会重要送電網へ送電させることをシステム 化させ,発電車両発電電力を重要社会発電電力新方式大規模社会電力発電 源として提供する(【0004】)。
エ 「本発明」のシステムによれば,現在走行中の車両が発電車両へ転換さ れることにより,新たなクリーンな発電方式による一大社会電力エネルギ25 ー供給インフラが出現し,発電車両が化石燃料補給を必要としなくなり, 二重の意味で地球温暖化防止に貢献する(【0005】)。
8 2 取消事由1(引用発明1に基づく新規性判断の誤り)について ? 引用発明1について ア 引用文献1には,別紙2のような記載がある(甲1)。
イ 前記アによれば,引用文献1から,本件審決が認定したとおりの引用発 5 明1を認定することができる。
? 本願発明と引用発明1の対比 ア 引用発明1の,太陽エネルギー等を電力に変換する太陽集積器11a及 び再生制動を使用して電力を供給する構成を備えた「軌道制限車両11」 は,発電に係る構成を備えた個別の車両であるから,本願発明の「個別発10 電車両」に相当する。
イ 引用発明1の「公共高圧送電線網」が,社会のインフラ網であることは 明らかであり,また,引用発明1の「公共高圧送電線網」は,軌道制限車 両11からみた場合,その外部に存在するから,引用発明1の「公共高圧 送電線網」は,本願発明の「外部社会電力送電インフラ網」に相当する。
15 そして,引用文献1によれば,引用発明1の,「車両の本体上に形成さ れた太陽集積器から電力を,公共高圧送電線網による使用のために供給」 する「軌道制限車両」は,「車両が停止または運転中においても電力を供 給する」(【0001】)ものであるから,「発電車両が発電する電力を, 発電車両から外部社会電力送電インフラ網へ常時給電可能とする」もので20 ある点で,本願発明と引用発明1は一致する。
さらに,引用発明1は,「2台以上の車両のそれぞれは,電力ノード1 2の(分散)カプラ13に結合し」ているものであるから,「個別発電車 両が発電する電力を,それぞれの発電車両から外部社会電力送電インフラ 網へ常時給電可能とする」ものである点で,本願発明と引用発明1は一致25 する。
また,引用文献1の【0002】によれば,引用発明1は,公共高圧送 9 電線網の電力需要の増加への対応を想定したものである。そして,引用発 明1では,多数の軌道制限車両を発電に使用し得るのであるから,膨大な 電力量を提供可能であるといえる。よって,引用発明1のシステムは,「結 果として膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー供給インフラとして, 5 提供可能としたシステム」である点でも本願発明と一致する。
ウ したがって,本願発明は,引用発明1と全ての発明特定事項で一致する から,引用文献1に記載された発明である。
? 原告の主張について ア 「発電車両」について10 原告は,前記第3の1?アのとおり,本願発明の「発電車両」の発電電 力と,引用発明1の「軌道制限車両」が供給する電力では,発電方式が異 なる旨主張する。
しかし,請求項1ないし3には発電方式の特定はなく,本願明細書を参 酌しても,送電の電力源をバッテリー(蓄電池)に依拠することの問題点15 は記載されているものの(【0003】,【0004】),発電方式の特 定はされていないから,発電方式の違いが本願発明と引用発明1の相違点 になるとはいえず,原告の主張は採用できない。
イ 「膨大な電力量を新たに社会電力エネルギー供給インフラとして,提供 可能としたシステム」について20 原告は,前記第3の1?イのとおり,引用発明1のシステムは「膨大な 電力量を新たに社会電力エネルギー供給インフラとして,提供可能とした システム」ではないと主張する。
しかし,引用発明1においても,軌道制限車両は多数に上り得るので, 膨大な電力量を提供可能であることは前記?イのとおりである。
25 そして,引用発明1のシステムは,車両からの電力を社会電力エネルギ ー供給インフラの一つである 公共高圧送電線網に供給するもので あ る 10 (【0001】,【0033】,【0047】)。
そうすると,原告主張の点において,引用発明1と本願発明に相違点が あるとはいえない。
(4) 小括 5 以上のとおりであって,本願発明が,引用文献1に記載された発明である とした本件審決の判断に誤りはない。
3 結論 以上によれば,本願発明は,引用文献1に記載された発明であり,特許法2 9条1項3号に該当するから,同条第1項の規定により特許を受けることがで10 きないので,原告主張の取消事由1は理由がなく,取消事由2について判断す るまでもなく,本件審決について取り消されるべき違法は認められない。
したがって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
追加
15裁判長裁判官菅野雅之2025裁判官本吉弘行11 裁判官5岡山忠広12 (別紙1)【技術分野】【0001】本発明は走行する個別発電車両による個別発電電力を,車両走行中にも車外部へ無5線送電方式で送電し,これ等個別発電車両からそれぞれ無線送電方式で送電される電力を,車両走行路線沿いに設置される送電中継装置群が受領し,これ等電力を適宜な社会電力送電インフラ網へ接続給電を可能とする。また発電車両はその発電電力を,自己搭載のバッテリー(蓄電装置)を経由することなく,必要とする自己車両の装置群へ直接給電することを可能とする。
10【発明が解決しようとする課題】【0002】本発明のシステム「発電車両を電源とする新方式大規模社会電力給電インフラシステムが解決しようとする課題は,地球温暖化防止のための効果ある対策を目的とするものでる。
15すなわち,いわゆるクリーン電力とされている二酸化炭素発生に由来しない電力源となる,本願発明のシステム構成基本要素機能装置である「発電車両」群は,現在の社会基幹電力源である火力発電電力量に比肩あるいはそれを超えることが可能な発電能力を期待できる。また,二酸化炭素排気ガスを排出しないとするEV車両群への転換策を積極的に進行させた場合,今後とてつもない数字となるこれ等EV車20両群に充電する電力を賄うには,現在の外部全施設電源では全く不可能であり,現在規模の倍以上の発電施設を必要とするとの推定がされている。発明はこれらの諸問題点を同時に解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】【0003】25発電車両がその発電電力を車両外へ送電する目的は,発電車両を発電源とした社会電力エネルギー大規模給電を可能とする,新方式給電インフラシステムの構築を目13 的とするものである。従来の通常の車両が自身の電力を,仮に車両外へ送電を行う場合その送電電力量は限定的なものとなる。その要因は従来車両が送電する電力源を当該車両に搭載されているバッテリー(蓄電池)に依拠しているためである。
【発明を実施するための形態】5【0004】【発電車両】本願発明のシステム,「発電車両を電源とする新方式大規模社会電力給電インフラシステム」,のシステム構成要素重要装置としての「発電車両」では,車外送電の場合にも車両搭載バッテリーの蓄電能力に依拠することなく,また車両走行中でも10車両外送電を継続することが可能である。この個々の発電車両の車両外部への送電電力は,本願発明のシステム,「発電車両を電源とする新方式大規模社会電力給電インフラシステム」のシステム構成要素重要装置である「2ステップ方式送電切替中継機能装置」群を通じ社会重要送電網へ送電させることをシステム化させ,発電車両発電電力を重要社会発電電力新方式大規模社会電力発電源として提供するもの15である。
【2スッテプ方式送電切替中継機能装置】「2スッテプ方式送電切替中継機能装置」は,本発明の「発電車両を電源とする新方式大規模社会電力給電インフラシステム」における,重要なシステム構成要素機能装置である。本発明の発電車両が発電する電力の外部社会電力送電網への送電方20式は,二段階方式とすることで,発電車両が走行中にも給電可能とする。発電車両と外部社会送電網との送電接続は,第一段階発電車両が走行中発電した電力を車両外部への送電を無線送電(非接触型)方式で,車両走行路線沿いに敷設する2スッテプ方式送電切替中継機能装置へ送電する。第二段階の2スッテプ方式送電中継装置から以遠は,選択された外部社会送電網との接続を有線方式で行う。送電中継装25置から外部社会送電網への接続点は,コンピュター・システムからの指示で判断され,発電車両から送電を受けた送電中継機能装置はその電力を,自己が直接接続す14 る社会電力送電網へダイレクト送電を行うか,あるいは他の送電中継機能装置群経由の有利な外部社会送電網へ送電を行うか柔軟な送電回路を選択し,発電車両からの電力をその目的である外部社会送電網へ給電する。
本発明である「発電車両を電源とする新方式大規模社会電力給電インフラシステム」5の機能は,既存の社会電力発電システム方式とは異なる方式で大規模社会電力源を提供しようとするものである。すなわち現在社会で大規模社会電力源として承認を得ている,火力発電(化石燃料発電),水力発電,原子力発電あるいは再生エネルギーとされる風量発電,太陽光発電等レベルの社会電力を提供しようとするシステムである。
10この本願システムのシステム構成要素機能装置は「発電車両」,および「2ステップ方式送電切替中継機能装置」である。「発電車両」は,その走行エネルギーを電力エネルギーへ転換することで得る電力を,社会電力として車両外部へ常時無線送電方式で送電を行う。その意味では発電車両が発電する電力の電力放電(送電)回路は,既存の車両が本来自身の走行に必要とする車載バッテリー電力回路とは別物15である。
本願発明のシステムにおいて,発電車両と大規模社会送電網の間の送電方式は二段階送電方式が導入されており,この方式により発電車両が走行中にあっても,その発電電力を車両外部に送電することを可能にする。すなわち,本願発明システムの構成基本要素装置の一つである「2ステップ方式送電切替中継機能装置」は,車両20走行路線沿いに必要間隔を置きながら設置されている。発電車両は自己走行中においても常時その発電電力を無線送電方式での送電を,上記の送電中継装置へ行う。
車両走行路線沿いに設置された上記送電中継装置は自己の受領範囲で受領する発電車両からの送電電力を,次のスッテプで送電方式を有線での送電に切り替え大規模社会電力送電網へ接続し給電を行う。
25【発明の効果】【0005】15 本発明の「発電車両を電源とする新方式大規模社会電力給電インフラシステム」が実現されると,現在世界に膨大な数の車両が走行中であり,これ等の車両が発電車両へ転換されることにより,新たなクリーンな発電方式による一大社会電力エネルギー供給インフラが出現する。そして更に発電車両が化石燃料補給を必要としなく5なり,二重の意味で地球温暖化防止に貢献する。
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