審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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平成29ワ10742 特許権侵害差止等請求事件 | 判例 | 特許 |
平成28ワ44244 特許権侵害差止等請求事件 | 判例 | 特許 |
平成28ワ27057 特許権侵害差止等請求事件 | 判例 | 特許 |
平成27ワ8736 特許権侵害行為差止等請求事件 | 判例 | 特許 |
平成29ワ40193 損害賠償請求事件 | 判例 | 特許 |
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事件 |
平成
29年
(ワ)
22884号
特許権侵害差止等請求事件
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5 仙台市青葉区五橋2丁目12番1号 原告アイリスオーヤマ株式会社 同 訴訟代理人弁護士生田哲郎 同 名越秀夫 同 高橋隆二 10 同佐野辰巳 同 吉浦洋一 東京都港区西新橋2丁目15番12号 被告 日立アプライアンス 株 式会社 同 訴訟代理人弁護士古城春実 15 同牧野知彦 同 加治梓子 同 訴訟代理人弁理士井上学 |
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裁判所 | 東京地方裁判所 |
判決言渡日 | 2018/10/05 |
権利種別 | 特許権 |
訴訟類型 | 民事訴訟 |
主文 |
1 原告の請求をいずれも棄却する。 20 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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請求
1 被告は,別紙1物件目録記載の各製品を製造し,又は販売してはならない。 2 被告は,別紙1物件目録記載の各製品を廃棄せよ。 25 3 被告は,原告に対し,4億1700万円及びこれに対する平成29年7月2 0日から支払済みまで年5分の割合の金員を支払え。 1 |
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事案の概要
1 本件は,発明の名称を「加熱調理器」とする特許第3895311号の特許 権(以下「本件特許権」といい,この特許を「本件特許」という。また,本件特許 の願書に添付した明細書(ただし,平成30年4月18日にされた審決により訂正 5 されたもの)及び図面を「本件明細書等」という。)及び本件特許権に基づく被告 に対する一切の請求権の譲渡を受けた原告が,被告に対し,被告において製造し, 販売する別紙1物件目録記載の各製品(以下,「被告製品1」と総称する。)及び 被告において製造し,販売していた別紙2販売額一覧表の「被告製品」欄記載の被 告製品2ないし被告製品7に対応する各製品(以下,同欄の表示に対応して「被告10 製品2」などといい,被告製品1と併せて「被告各製品」と総称する。)につき, 本件特許の請求項1記載の発明(以下「本件発明」という。)の技術的範囲に属す るから,被告による被告各製品の製造及び販売は本件特許権を侵害する旨を主張し て,@特許法100条1項に基づき被告製品1の製造及び販売の差止めを求め,A 同条2項に基づき被告製品1の廃棄を求めると共に,B民法709条の不法行為に15 よる損害賠償請求権(対象期間は,平成19年1月1日から平成28年12月31 日までである。)に基づき,4億1700万円及びこれに対する不法行為後の日で ある平成29年7月20日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延 損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがない又は後掲の証拠(以下,書証番号は特記し20 ない限り枝番の記載を省略する。及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) ) ? 当事者 原告は,電磁調理器等の各種家電,LED照明,各種日用品等の製造販売業務を 営むことを目的とする株式会社である。 被告は,家庭用電気機械器具の設計,製造及び販売等の業務を営むことを目的と25 する株式会社である。 ? 本件特許権 2 ア 原告は,次の内容の本件特許権を有していた株式会社東芝(以下「東芝」と いう。)及び東芝ライフスタイル株式会社(以下,東芝及び東芝ライフスタイル株 式会社を併せて「東芝ら」という。)から本件特許権を譲り受け,平成27年9月 28日,特許権移転登録を得た(甲1,2)。 5 登 録 番 号 特許第3895311号 登 録 日 平成18年12月22日 出 願 番 号 特願2003-290175 出 願 日 平成15年8月8日(以下「本件出願日」という。) 発 明 の 名 称 加熱調理器10 イ 原告は,本件特許の特許請求の範囲及び明細書について訂正審判の請求をし て,平成30年4月18日,原告の請求どおりに訂正を認める旨の審決がされた(甲 14,22)。 ウ 訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1は,次のとおりである(なお, 下線部が訂正によって追加又は変更された部分である。)(甲2,22)。 15 「誘導加熱をする第1及び第2の加熱器を左右に内設した本体ケースと, この本体ケースの上面に設けられたトッププレートと, 前記トッププレートの周囲に設けられたサッシュとを具備し, 被組込家具に組み込まれる加熱調理器において, 前記トッププレートの幅を前記本体ケースの幅より大きくし,20 前記第1及び第2の加熱器の各中心部を,前記本体ケースの左右に等分した両側 部の各中心部より外側であって,前記トッププレートの左右に等分した両側部の各 中心部より中央側に配置すると共に, 前記トッププレートの本体ケース外方に位置する部分の下方であって直下に前記 被組込家具が位置する箇所に,前記サッシュとは別部材に構成され,かつ前記サッ25 シュに当接させた,金属板から成る補強板を設け, この補強板と前記トッププレートとの間,又は補強板の下方に断熱層を形成した 3 こと を特徴とする加熱調理器。」 ? 本件発明の構成要件の分説 本件発明は,次のとおり,構成要件に分説される(以下,分説に係る各構成要件 5 を符号に対応して「構成要件A」などという。)。 A 誘導加熱をする第1及び第2の加熱器を左右に内設した本体ケースと,この 本体ケースの上面に設けられたトッププレートと,前記トッププレートの周囲に設 けられたサッシュとを具備し,被組込家具に組み込まれる加熱調理器において, B 前記トッププレートの幅を前記本体ケースの幅より大きくし,10 C 前記第1及び第2の加熱器の各中心部を,前記本体ケースの左右に等分した 両側部の各中心部より外側であって,前記トッププレートの左右に等分した両側部 の各中心部より中央側に配置すると共に, D 前記トッププレートの本体ケース外方に位置する部分の下方であって直下に 前記被組込家具が位置する箇所に,前記サッシュとは別部材に構成され,かつ前記15 サッシュに当接させた,金属板から成る補強板を設け, E この補強板と前記トッププレートとの間,又は補強板の下方に断熱層を形成 したこと F を特徴とする加熱調理器。 ? 被告の行為20 被告は,業として,被告各製品を過去に製造し,販売しており,被告製品1を 現在においても製造し,販売している。 被告各製品は,構成要件Fを充足する(弁論の全趣旨。原告は,被告各製品の 構成につき別紙3-1ないし3-7の被告製品1ないし7説明書(原告)の各6. 物件の構成に記載のとおり主張しているところ,被告は,別紙4-1被告製品説25 明書(被告)に記載の内容に反しない限度でこれを認めており,前記各構成要件 と対比すべき部分については争いがない。)。 4 3 争点 ? 被告各製品は,本件発明の技術的範囲に属するか(争点1) ア 被告各製品は「補強板」(構成要件D)を充足するか(争点1-1) イ 被告各製品は「断熱層」(構成要件E)を充足するか(争点1-2) 5 ウ 被告各製品は「トッププレート」,「サッシュ」及び「補強板」(構成要件 AないしE)を充足するか(争点1-3) ? 本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものと認められるか(争点 2) ア 本件特許は特許法36条6項2号に違反しているか(争点2-1)10 イ 本件特許は特許法36条6項1号に違反しているか(争点2-2) ウ 本件特許は特許法36条4項1号に違反しているか(争点2-3) エ 本件発明は新規性又は進歩性を欠くものであるか(争点2-4) ? 損害の発生の有無及びその額(争点3) 4 争点に対する当事者の主張15 ? 争点1(被告各製品は,本件発明の技術的範囲に属するか) ア 争点1-1(被告各製品は「補強板」(構成要件D)を充足するか) 【原告の主張】 (ア) 「補強板」(構成要件D)の意義 「補強板」の一般的な意味は,その文言どおり,強度を補う板である。 20 また,本件明細書等(以下【】は,本件明細書等における発明の詳細な説明の段 落番号を指す。【0013】,【0033】)には,「補強板」が,「トッププレ ートの本体ケース外方に位置する部分」において,調理器具の落下衝撃等に耐える ように,トッププレートの強度を補うものである旨記載されている。 よって,文言の一般的な意味及び本件明細書等の【0013】及び【0033】25 によれば,構成要件Dの「補強板」とは,調理器具の落下衝撃等に耐えるように, トッププレートの強度を補って強くする板をいう。 5 (イ) 被告各製品が「補強板」(構成要件D)を充足すること 被告各製品の金属製の加工板は,ガラス製のトッププレートの背面に接着されて トッププレートの強度を補って強くする板であるので,「補強板」に当たり,構成 要件Dを充足する。 5 【被告の主張】 (ア) 「補強板」(構成要件D)の意義 本件明細書等では,「補強板」について,トッププレートの耐力を補って調理器 具の落下衝撃等に耐える強度の確保をする部材であるとされているのみであり,本 件明細書等の実施例に関する記載(【0027】〜【0029】)及び本件明細書10 等の図2及び同図3(別紙5本件明細書等の図面記載【図3】)によっても,補強 板はサッシュを介してトッププレートの側部でわずかに接しているにすぎず,補強 板の意味,構成が明確にされているとはいえないが, 本件明細書等 【0013】 ( , 【0033】,【0035】)の記載を踏まえれば,本件発明の「補強板」とは, @トッププレートの本体ケース外方に位置する部分の下方にあって,内箱をつり下15 げる役割を果たし,かつ,これになんらかの構成を付加するなどして,トッププレ ートの本体ケース外方に位置する部分の耐力を補って,調理器具の落下衝撃等に耐 える強度を確保するようにした部材,又は,A本体ケースのフランジ部に接続され 本体ケースをより強固に固定する部材であると解釈すべきである。 (イ) 被告各製品が「補強板」(構成要件D)を充足しないこと20 被告各製品における金属製の加工板は,前記@及びAに係る部材であるとはいえ ないから,「補強板」に当たらず,構成要件Dを充足しない。 イ 争点1-2(被告各製品は「断熱層」(構成要件E)を充足するか) 【原告の主張】 (ア) 「断熱層」(構成要件E)の意義25 「断熱層」とは,「トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくしたことで 直下に被組込家具が位置することになる,トッププレートの本体ケース外方に位置 6 する部分からの熱伝導を補強板の上方又は下方の断熱層で和らげ,被組込家具の熱 による損傷をなくすことができる。」(【0013】)との本件明細書等による説 明を踏まえれば,「断熱層」とは,熱伝導を和らげる層であり,特に,補強板とト ッププレートとの間,又は,補強板と調理台(被組込家具)との間の熱伝導を和ら 5 げる層をいう。 (イ) 被告各製品が「断熱層」(構成要件E)を充足すること 被告各製品の加工板に凹凸加工された部分において,その凹凸の形状により,ト ッププレートとの間又はカウンタートップとの間に空気層が存在し,空気層は断熱 性を有することから,「断熱層」が形成されている。 10 よって,被告各製品は,構成要件Eを充足する。 【被告の主張】 (ア) 「断熱層」(構成要件E)の意義 本件発明の唯一の実施例である図3の構成では,断熱層を形成するとされている 補強板の上側に空気が流通するすき間があり,また,補強板自体が高温となる可能15 性が高い上,補強板が直接調理台に熱を伝える構造となっているから,空気の動か ない層を設けて,トッププレートからの熱伝導を和らげ,被組込家具の熱による損 傷をなくす機能を有すべき断熱層は示されておらず,その他本件明細書等の記載を 参照しても,「断熱層」の意味,構造は不明確であって,技術的範囲を定めること ができない。 20 (イ) 被告各製品が「断熱層」(構成要件E)を充足しないこと 原告は,被告各製品に空気層があると主張するにすぎず,被告各製品に「断熱層」 があることを主張立証していない。よって,被告各製品は構成要件Eを充足しない。 ウ 争点1-3(被告各製品は「トッププレート」,「サッシュ」及び「補強板」 (構成要件AないしE)を充足するか)25 【原告の主張】 被告各製品の「ガラス板」は本件発明の「トッププレート」に当たり,被告各製 7 品の「金属製の加工板」は本件発明の「補強板」に当たり,被告各製品の「サッシ ュ」は本件発明の「サッシュ」に当たるから,各構成要件を充足する。 【被告の主張】 被告各製品における天板は,ガラス板,サッシュ及び金属製の加工板とからなる 5 部材である。原告が「補強板」に当てはめている金属製の加工板は天板の構成部材 である。 ? 争点2(本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものと認められる か) ア 争点2-1(本件特許は特許法36条6項2号に違反しているか)10 【被告の主張】 前記?ア及びイの【被告の主張】(ア)において主張したとおり,本件発明の意味は 不明確であり,本件特許は特許法36条6項2号の規定に違反してされたものであ って,特許法123条1項4号の無効理由があるから,特許無効審判により無効に されるべきものである。 15 【原告の主張】 前記?ア及びイの【原告の主張】(ア)において主張したとおり,本件発明には何 ら不明確な点はないから,被告が主張する無効理由は成り立たない。 イ 争点2-2(本件特許は特許法36条6項1号に違反しているか) 【被告の主張】20 仮に,本件発明の「補強板」や「断熱層」の意味が原告の主張するとおりの意味 であるとすれば,実施例の記載と矛盾し,本件明細書等には全く開示されていない。 また,補強板をサッシュに当接させた状態では,当てて接触させただけの状態で あって接合した状態ではないため,補強板は調理器具の落下衝撃等に耐える強度を 確保できないところ,本件発明は,「サッシュに当接させた,金属板から成る補強25 板」というものであって,接合していない。そうすると,本件発明は,「補強板」 としての効果を奏することのできない構成を含んでおり,発明の詳細な説明に記載 8 したものではないから,本件特許は,特許法36条6項1号の規定に違反してされ たものであって,特許法123条1項4号の無効理由があるから,特許無効審判に より無効にされるべきものである。 【原告の主張】 5 本件発明の「補強板」及び「断熱層」は,前記?ア及びイ【原告の主張】(ア)にお いて主張したとおり,技術常識を有する当業者に理解できるように,発明の詳細な 説明に記載されている。また,本件明細書等の記載を前提とすれば,ねじによって 接合した後でも当接状態は継続しているのであるから,接合していることと当接し ていることは矛盾せず,本件明細書等では当接された状態が開示されている。 10 そうすると,本件発明は,本件明細書等の記載に基づくものであるから,サポー ト要件には違反せず,被告が主張する無効理由は成り立たない。 ウ 争点2-3(本件特許は特許法36条4項1号に違反しているか) 【被告の主張】 本件発明の「補強板」や「断熱層」の意味が原告の主張するとおりの意味である15 とすれば,本件明細書等には原告が主張する意味での「補強板」や「断熱層」を有 する発明について,当業者が実施できるようには記載されていない。 よって,本件明細書等に基づいて当業者が実施することができるものとはいえず, 本件特許は特許法36条4項1号の規定に違反してされたものであって,特許法1 23条1項4号の無効理由があるから,特許無効審判により無効にされるべきもの20 である。 【原告の主張】 当業者は,本件明細書等の発明の詳細な説明の記載によって,本件発明を実施す ることができるので,実施可能要件には違反せず,被告が主張する無効理由は成り 立たない。 25 エ 争点2-4(本件発明は新規性又は進歩性を欠くものであるか) 【被告の主張】 9 (ア) 公然実施品(乙2)に基づき新規性又は進歩性を欠くものであるか 被告は,遅くとも本件出願日前である平成13年10月に,製品番号をHTW- 4DBとするIHクッキングヒータ(以下「公然実施品1」という。乙2,3。) を製造し,販売していた。 5 a 本件発明と公然実施品1の相違点 公然実施品1の構成は,本件発明の構成要件AないしFと一致する。 仮に,本件発明と公然実施品1との間に相違点が存するとしても,本件発明と公 然実施品1とは,本件発明は,サッシュとは別部材に構成され,かつサッシュに当 接させた,金属板から成る補強板を有するのに対し,公然実施品1はサッシュ自体10 が補強板となっており,サッシュとは別部材に構成され,かつサッシュに当接させ た,金属板から成る補強板は有しない点(以下「相違点1-2’」という。)にお いて相違し,その余の点において一致する。 原告は,@本件発明ではトッププレートの幅を前記本体ケースの幅より大きくし ているのに対し,公然実施品1ではトッププレートの幅と本体ケースの幅はほぼ同15 じである点(以下「相違点1-1」という。)及びA本件発明は,トッププレート の本体ケース外方に位置する部分の下方であって直下に被組込家具が位置する箇所 に,サッシュとは別部材に構成され,かつサッシュに当接させた,金属板から成る 補強板を有するのに対し,公然実施品1は複雑な形状のサッシュを有するのみで, サッシュとは別部材の補強板を有しない点(以下「相違点1-2」という。)にお20 いて相違すると主張する。 しかしながら,相違点1-1に関するトッププレートの幅と本体ケースの幅とが ほぼ同じ場合は除外されることを前提とする原告の主張は,特許請求の範囲の記載 及び本件明細書等に基づかない主張であって,前提において失当である。 また,相違点1-2については,公然実施品1も「トッププレートの本体ケース25 外方に位置する部分の下方であって直下に被組込家具が位置する箇所」「補強板」 に の機能を有するサッシュを有するからこの点を含めて相違点とすることは正確性に 10 欠ける。 b 相違点の検討 相違点1-2’は,単に公然実施品1において,「補強板」であるサッシュを金 属板からなる補強板とサッシュに分けて,補強板をサッシュに当接させるようにす 5 れば実現される構成にすぎない。 また,公知技術である特開2002-270353号(乙13。以下「乙13公 報」という。)や公知技術である特開平7-6869号(乙11。以下「乙11公 報」という。)には,誘導加熱調理器においてサッシュと本体ケース連結金属板と を別部材により構成して両者を当接させてねじで接合することが記載されている。 10 製造コストが高い機械加工により製造した部品を,製造コストが安い機械加工であ るプレス加工により製造するために金属板部品に置き換えることは,原告も主張す るとおり,機械加工分野における技術常識であるから,公然実施品1において製造 コストを下げるために乙13公報及び乙11公報に示されたプレス加工可能な金属 板を採用することは当業者における単なる設計的事項の適用の問題にすぎず,極め15 て容易になし得ることである。 なお,原告は,相違点1-2は,トッププレートの幅を本体ケースよりも大きく したことに関連して新たに見出した課題に関するものであると主張するが,これは 相違点1-1の存在を前提とした主張であって前提において誤りである。また,原 告は,公然実施品1のサッシュをサッシュと金属板とに分けることに想到し得たと20 しても,金属板を長くする理由はなかったと主張するが,公然実施品1のガラス板 を長くすれば,それに伴い,サッシュと本体ケースを接続する金属板を長くするこ とは当然であるから,原告の主張は失当である。 c 小括 以上によれば,本件発明は,公然実施品1と同一であるか,本件出願日当時,当25 業者が公然実施品1に基づいて容易に発明をすることができたものであって,新規 性又は進歩性を欠く。よって,本件特許は特許法29条1項2号又は同条2項に違 11 反してされたものであって,同法123条1項2号の無効理由があるから,特許無 効審判により無効とされるべきものである。 したがって,原告は,被告に対し,本件特許権を行使することができない(特許 法104条の3第1項)。 5 (イ) 公然実施品(乙5)に基づき新規性又は進歩性を欠くものであるか リンナイ株式会社は,遅くとも本件出願日前である平成13年4月11日に,ガ スヒータ(製品番号RSK-N730V4TGT-ST。以下「公然実施品2」と いう。乙5。)を製造し,販売していた。 a 本件発明と公然実施品2の相違点10 公然実施品2の構成は,本件発明の構成要件AないしFと一致する。 仮に,本件発明と公然実施品2との間に相違点が存するとしても,本件発明と公 然実施品2とは,次の各点において相違し,その余の点において一致する。 @ 本件発明は誘導加熱をする第1及び第2の加熱器を有するのに対し,公然実 施品2は右ガスヒータ及び左ガスヒータを有するにすぎず,誘導加熱をする第1及15 び第2の加熱器を有しない点(以下「相違点2-1」という。)。 A 本件発明は,サッシュに当接させた補強板を有するのに対し,公然実施品2 においては,上部枠側遮熱板及び上部枠がサッシュに当接していない点(以下「相 違点2-3’」という。)。 なお,原告が以下の【原告の主張】(イ)において主張する相違点2-2及び相違点20 2-3は存在しない。 b 相違点の検討 (a) 相違点2-1について 本件出願日当時,加熱器としてIHヒータを用いることは周知慣用手段であり, 同じ加熱器であるガスヒータをIHヒータに置き換えることは単なる設計的事項の25 適用の問題にすぎず,課題は共通しており,ガスヒータをIHヒータに変更するこ とには積極的な動機付けがあって,置換えを阻害する理由は存在しないから,公然 12 実施品2にIHヒータという周知慣用技術,つまり,公然実施品1を組み合わせる ことは当業者にとって容易に想到できたことである。 (b) 相違点2-3’について また,前記(ア)bのとおり,IHヒータにおいてサッシュと本体ケース連結金属板 5 とを別部材により構成して両者を当接させてねじで接合する構造は周知慣用の構造 であるから,公然実施品2に,サッシュに当接させた補強板を有する構成を採用す ることは,当業者にとって容易に想到できたことである。 c 小括 以上によれば,本件発明は,公然実施品2と同一であるか,本件出願日当時,当10 業者が公然実施品2に基づいて容易に発明をすることができたものであって,新規 性又は進歩性を欠く。よって,本件特許は特許法29条1項2号又は同条2項に違 反してされたものであって,同法123条1項2号の無効理由があるから,特許無 効審判により無効とされるべきものである。 したがって,原告は,被告に対し,本件特許権を行使することができない(特許15 法104条の3第1項)。 【原告の主張】 (ア) 公然実施品1に基づき新規性又は進歩性を欠くものであるか a 相違点の認定について (a) 相違点1-1について20 本件明細書等の記載(【0002】,【0004】,【0005】,【0011】 〜【0013】,【図7】(別紙5本件明細書等の図面記載【図7】))に鑑みる と,構成要件Bの「前記トッププレートの幅を前記本体ケースの幅より大きくし」 とは,トッププレートの幅が本体ケースの幅より大きい場合を指し,従来例のよう な, 「本体ケース3と,これの上面に設けたトッププレート4とは,その各幅W3,25 W4がほゞ同じ」(【0002】)場合は含まれないが,公然実施品1のトッププ レートの幅は,本体ケースの幅と「ほゞ同じ」(【0002】)であって上記構成 13 要件を充足しないから,本件発明と公然実施品1とは,相違点1-1において相違 する。 (b) 相違点1-2について 本件発明の「補強板」は,本体ケースの幅よりも大きい幅を有するトッププレー 5 トの,サッシュで保護されない部分を補強するものであるが,公然実施品1のサッ シュは,複雑な形状であり,トッププレートの端面を保護することを目的とする部 材である上,金属ブロックから切削加工や鋳造加工等によって製造せざるを得ず, 金属板からプレス加工によって簡単に低コストで製造することはできないものであ って,本件発明における金属板から成る補強板とは異別の部材である。 10 よって,本件発明と公然実施品1とは,被告主張の相違点1-2’ではなく,相 違点1-2において相違する。 b 相違点の検討 (a) 相違点1-1について 公然実施品1のように,本体ケースの重量をトッププレートの端部を被組込家具15 の上に引っ掛けて支えるために必要な範囲でトッププレートの幅を本体ケースの幅 よりもわずかに大きくしたものにおいて,トッププレートの幅のみを大きくする と,その拡張した部分において,外力によりガラス製のトッププレートが割れる可 能性が高くなるという問題が生じる。また,幅及び面積が限られた被組込家具にお いて,トッププレートだけを大きくすると,加熱のために必要な範囲を超えて,調20 理台のスペースを加熱調理器が占有してしまうという問題も生じる。 さらに,被告は,IHヒータである公然実施品1にガスヒータである公然実施品 2を適用すると主張するが,両者は,加熱原理や求められる部品の構成,構造が基 本的に相違しており,これらを組み合わせる動機付けはなく,当業者がそのような 変更を行う理由はない。 25 (b) 相違点1-2について 本件発明は,従来より大きな調理容器を載せて加熱できるようになる等の効果を 14 有するから,これらの効果を有するように本件発明の構成を採用することは設計的 事項とはいえない。 また,相違点1-2に係る本件発明の構成は,トッププレートの幅を本体ケース の幅より大きくしたことによってトッププレートの本体ケース外方に位置する部分 5 の耐力が低下するという,公然実施品1のような従来品には存在していなかった新 たな課題に対応するために発明されたものであり,当業者は,公然実施品1に当該 構成を採用する理由はなかった。 次に,公然実施品1と乙13公報又は乙11公報との組合せについて検討する。 まず,被告が乙11公報において引用する部分は,トッププレートの側部ではな10 く,前部に関するものであるため,公然実施品1の側部と組み合わせる動機付けが ない。また,乙13公報及び乙11公報の発明では,トッププレートの幅と本体ケ ースの幅とがほぼ同じであるため,乙13公報のL字金具9及び乙11公報の金属 板28は,トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくした部分においてトッ ププレートを補強する機能を有しないので,本件発明における「補強板」であると15 はいえない。 以上のとおり,乙13公報と乙11公報の発明は,本件発明における「補強板」 を有しないから,これらを公然実施品1と組み合わせても,相違点1-2の構成に は至らない。 仮に,当業者が公然実施品1のサッシュを,サッシュと金属板に分けることにつ20 いて想到し得たとしても,金属板を長くする理由はなかったから,相違点1-2に ついて,当業者が容易に想到できたとはいえない。 c 小括 以上によれば,本件発明と公然実施品1には,相違点1-1及び同1-2が存す るから,本件発明は,公然実施品1と同一とはいえず,また,本件出願日当時,当25 業者が公然実施品1に基づいて容易に発明をすることができたものともいえないか ら,被告が主張する無効理由は成り立たない。 15 (イ) 公然実施品2に基づき新規性又は進歩性を欠くものであるか a 相違点の認定について 本件発明と公然実施品2とは,相違点2-1以外にも,以下の相違点を有する。 @ 本件発明はトッププレートを有するのに対して,公然実施品2はトッププレ 5 ートを有しない点(以下「相違点2-2」という。) A 本件発明は,サッシュに当接させた,調理器具の落下衝撃等に耐える強度を 確保する補強板を有するのに対し,公然実施品2は,上部枠側遮熱板及び上部枠を 有するにすぎず,当該上部枠側遮熱板及び上部枠は,サッシュに当接しておらず, 調理器具の落下衝撃等に耐える強度を確保する機能を有さないので,本件発明の補10 強板に該当しない点(以下「相違点2-3」という。) b 相違点の検討 (a) 相違点2-1及び同2-2について 公然実施品2のガスヒータと,本件発明の誘導加熱をする加熱器とでは,加熱原 理や求められる部品の構成,構造が基本的に相違しており,これらを組み合わせる15 動機付けはない。また,公然実施品2において,孔の開いたトップガラス部分を, 孔のないトッププレートに置き換えることは技術的にあり得ない。 したがって,相違点2-1及び同2-2について,当業者が容易に想到し得たと はいえない。 (b) 相違点2-3について20 公然実施品2においては,上部枠側遮熱板及び上部枠はサッシュと当接されてお らず,調理器具の落下衝撃等に耐える強度を確保するものではないから,本件発明 のトッププレートを補強する構成と,公然実施品2のトップガラス部分を補強する 構造とは全く異なり,そのため,部品の構造も全く異なる。 したがって,相違点2-3について,当業者が容易に想到し得たとはいえない。 25 c 小括 以上によれば,本件発明と公然実施品2には,相違点2-1ないし同2-3が存 16 するから,本件発明は,公然実施品2と同一とはいえず,また,本件出願日当時, 当業者が公然実施品2に基づいて容易に発明をすることができたものともいえない から,被告が主張する無効理由は成り立たない。 ? 争点3(損害の発生の有無及びその額) 5 【原告の主張】 ア 損害賠償請求権の譲渡 原告は,平成27年3月13日,東芝らから,同社らの第三者に対する本件特許 権の侵害を理由とする損害賠償請求権の譲渡を受けた。東芝らは,その後,被告に 対し,同債権譲渡に係る通知をした。 10 イ 被告は,別紙2販売額一覧表に記載のとおり,平成19年1月1日から平成 28年12月31日までの間に,被告各製品を製造し,販売して,少なくとも合計 417億円を売り上げた。特許法102条3項に基づいて本件特許権の実施につき 特許権者が受けるべき金銭の額は,売上高の1パーセントを下らないので,被告の 同行為により,本件特許権の特許権者が受けた損害額の合計は,少なくとも4億115 700万円である。 ウ 小括 よって,原告は,被告に対し,本件特許権侵害の不法行為による損害賠償請求権 に基づき,4億1700万円及びこれに対する不法行為後の日である平成29年7 月20日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求20 める。 【被告の主張】 否認し,争う。 |
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当裁判所の判断
1 本件発明の意義について25 ? 本件明細書等の発明の詳細な説明の記載 本件明細書等の発明の詳細な説明は,概要,次のとおりであり,図1は,別紙5 17 本件明細書等の図面記載【図1】のとおりである(甲2,22)。 ア 技術分野 「【0001】 本発明は,第1及び第2の加熱器を左右に内設した本体ケースの上面にトッププ 5 レートを有する加熱調理器に関する。」 イ 背景技術 「【0002】 従来より,例えば誘導加熱をする加熱調理器においては,第1及び第2の加熱器 として誘導加熱コイルを具え,これを左右に内設した本体ケースの上面に,耐熱ガ10 ラス製のトッププレートを有するものが供されている。 図7は,そのものを平面図で具体的に示しており,第1及び第2の加熱器1,2 を左右に内設した本体ケース3と,これの上面に設けたトッププレート4とは,そ の各幅W3,W4がほゞ同じで,第1及び第2の加熱器1,2の各中心部O1,O 2は,本体ケース3の左右に等分(W3/2)した両側部の各中心部RO3,LO15 3(W3/4)とほゞ合致し,且つ,トッププレート4の左右に等分(W4/2) した両側部の各中心部RO4,LO4(W4/4)とも合致している。」 ウ 発明が解決しようとする課題 「【0004】 上記従来のものの場合,第1及び第2の加熱器1,2の間隔が小さく,トッププ20 レート4のそれらの上に大きな鍋や鉄板等の調理器具を載せて加熱することができ なかった。 又,加熱方式が誘導加熱によるものの場合,調理器具は電磁気的に振動し,その 振動の周波数は人体の可聴領域より高いため通常は使用者に聞こえないが,上記第 1及び第2の加熱器1,2の間隔の小ささのために調理器具同士が近接する状況に25 あると,共鳴して可聴領域の共鳴音が大きくなっていた。 【0005】 18 加えて,トッププレート4の第1及び第2の加熱器1,2上の位置に載せた調理 器具とトッププレート4の最外周縁との間にはスペースの余裕が少なく,調理器具 から調理材料の吹きこぼれや飛び散りがあると,それらが器外に容易に達していた。 一方,それらの問題を解決する方法として,加熱調理器全体を大きくする考えも 5 あるが,しかし,その場合,全体の設置性が損なわれ,例えばキッチンの調理台な ど被組込家具に組み込めなくなるとか,あるいは調理台内部の他の収納スペースを 狭くしてしまうとかいった問題を呈する。 【0006】 本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり,従ってその目的は,大きな調10 理器具の加熱が可能で,共鳴音の防止もでき,又,調理器具からの吹きこぼれや飛 び散りがあってもそれらが器外に容易に達しないようにできて,更に,それらを全 体の設置性を損なわずに達成することのできる加熱調理器を提供するにある。」 エ 課題を解決するための手段 「【0007】15 上記目的を達成するために,本発明の加熱調理器においては,誘導加熱をする第 1及び第2の加熱器を左右に内設した本体ケースと,この本体ケースの上面に設け られたトッププレートと,前記トッププレートの周囲に設けられたサッシュとを具 備し,被組込家具に組み込まれる加熱調理器において,前記トッププレートの幅を 前記本体ケースの幅より大きくし,前記第1及び第2の加熱器の各中心部を,前記20 本体ケースの左右に等分した両側部の各中心部より外側であって,前記トッププレ ートの左右に等分した両側部の各中心部より中央側に配置すると共に,前記トップ プレートの本体ケース外方に位置する部分の下方であって直下に前記被組込家具が 位置する箇所に,前記サッシュとは別部材に構成され,かつ前記サッシュに当接さ せた,金属板から成る補強板を設け,この補強板と前記トッププレートとの間,又25 は補強板の下方に断熱層を形成したことを特徴とする(請求項1の発明)。」 オ 発明を実施するための最良の形態 19 「【0024】 更に,トッププレート12の周囲4辺にはサッシュ37を設けている。ここで, トッププレート12の幅,特にサッシュ37より内側の部分の幅はW12であり, これを本体ケース13の幅W13よりも大きくしている。そして,第1及び第2の 5 加熱器24,25の各中心部O24,O25は,上記本体ケース13の左右に等分 (W13/2)した両側部の各中心部RO13,LO13(W13/4)より外側 であって,トッププレート12の左右に等分(W12/2)した両側部の各中心部 RO12,LO12(W12/4)より中央側に配置している。」 「【0027】10 そして,トッププレート12の本体ケース13外方(左右の両外側)に位置する部 分の下方には,それぞれ補強板40を設けている。この補強板40は,いずれも図 1に示すように,前後に長い矩形の金属板から成るもので,内側縁を除く周囲部の 複数箇所を,前記サッシュ37の下面部に当接させて該サッシュ37に複数個のね じ41によって接合しており,内側縁にはそれぞれ複数の取付部40aを延設して,15 これらを,図3に代表して示すように,前記内箱23の左右の側壁23a,23b の各内面に当接させて該側壁23a,23bにねじ42によって接合している。 【0028】 又,この補強板40は,そのほゞ全域に矩形の凹部40bを有しており,それに よって,上方のトッププレート12との間には断熱層,特にはこの場合も,空気に20 よる断熱層43を有している。 更に,前記本体ケース13は,上記補強板40が存在する部分の近傍に被支持部 としてフランジ部44を有しており,このフランジ部44を,被組込家具,特には この場合,キッチンの調理台45に載置して固定しており,かくして本体ケース1 3が,補強板40を接合した部分の近傍で荷重を支えられるようにしている。 25 【0029】 加えて,その結果,補強板40の下方には,キッチンの調理台45との間に断熱 20 層,特にはこの場合も,空気による断熱層46が形成されるようになっている。又, 補強板40の外周縁(図3中,右側縁)と調理台45との間にはパッキンPを挟設 し,サッシュ37の外周縁を調理台45から離間させるようにしている。 そして,前記第1及び第2の加熱器24,25の各外周には,リング状の金属, 5 特には導電材,中でもアルミニウムから成る防磁板47を設けており,この防磁板 47の周囲部47aは補強板40の上方に離間して位置している。」 「【0031】 さて,上述のごとく構成したものの場合,まず,トッププレート12の幅W12 を本体ケース13の幅W13より大きくし,その上で,第1及び第2の加熱器24,10 25の各中心部O24,O25を,本体ケース13の左右に等分した両側部の各中 心部RO13,LO13より外側に配置したことで,第1及び第2の加熱器24, 25の間隔を大きくできる。これにより,トッププレート12の第1及び第2の加 熱器24,25上の位置に従来より大きな鍋や鉄板等の調理器具を載せて加熱する ことができるようになる。又,この場合,調理器具同士の間隔を大きくもできるの15 で,加熱方式が誘導加熱による場合における電磁振動の共鳴音の発生も防止もでき るようになる。 【0032】 又,トッププレート12の幅W12を本体ケース13の幅W13より大きくし, その上で,第1及び第2の加熱器24,25の各中心部O24,O25を,トップ20 プレート12の左右に等分した両側部の各中心部RO12,LO12より中央側に 配置したことで,トッププレート12の第1及び第2の加熱器24,25上の位置 に載せた調理器具とトッププレート12の最外周縁との間のスペースの余裕が大き くなり,それによって,調理器具から調理材料の吹きこぼれや飛び散りがあっても, それらが器外に容易に達しないようにできる。 25 【0033】 そして,それらを達成するのに,大きくするのはトッププレート12のみで良く, 21 本体ケース13は大きくする必要がないので,例えばキッチンの調理台45に組み 込めなくなることもなく,又,調理台45の内部の他の収納スペースを狭くしてし まうこともなくて,全体の設置性が損なわれないようにできる。 加えて,トッププレート12の本体ケース13外方に位置する部分の下方には補 5 強板40を有しているので,上述のトッププレート12の幅W12を本体ケース1 3の幅W13より大きくしたことで外力に対する耐力が低下する,トッププレート 12の本体ケース13外方に位置する部分のその耐力を補強板40により補い,調 理器具の落下衝撃等に耐える強度の確保ができる。よって,トッププレート12が その調理器具の落下衝撃等で破損されることのないようにできる。 10 【0034】 又,補強板40が,トッププレート12との間に断熱層43を形成し,補強板4 0の下方(調理台45との間)に断熱層46を形成するようにしたことにより,トッ ププレート12の幅W12を本体ケース13の幅W13より大きくしたことで直下 に調理台45など被組込家具が位置することになる,トッププレート12の本体ケ15 ース13外方に位置する部分からの熱伝導をそれらの断熱層43,46で和らげ, 調理台45など被組込家具の熱による損傷をなくすことができる。特に,調理内容 が天ぷらや鉄板焼きあるいは中華の炒め物等であった場合,調理器具の温度は30 0℃程になり,それに応じてトッププレート12の温度もかなりの温度になる。又, この場合,その高温の調理器具の一部がトッププレート12を介して被組込家具の20 直上に位置することもある。それに対して更に,被組込家具の材質は様々であり, 特に木製で塗装してあるものは耐熱性に劣る。それを断熱層43,46で防護でき, 熱による損傷をなくすことができるのであるから,実用的に好ましくなすことがで きる。 【0035】25 なお,断熱層43,46はそのうちの一方のみが具えられるものであっても良い。 又,特に本実施例の場合,断熱層43,46は空気による断熱層であるから,別途 22 断熱材を必要とすることもなく,コスト安に上述の効果を得ることができるが,別 途断熱材を充填して構成されていても良い 更に,本体ケース13は,フランジ部44により,上述の補強板40が存在する 部分の近傍で荷重を支えられるようにしており,これによって本体ケース13の荷 5 重を,補強板40を接合したことで強度の大きくなった部分であって,しかも,ト ッププレート12の本体ケース13外方に位置する部分にとってはいわば根元の部 分の近傍で支えることになるので,本体ケース13のより強固な支持ができ,前記 調理器具の落下衝撃等に対する一層の強度の確保ができて,加熱調理器の破損の防 止が一段と確実にできる。 10 【0036】 又,第1及び第2の加熱器24,25の各中心部O24,O25を,本体ケース 13の左右に等分した両側部の各中心部RO13,LO13より外側に配置したこ とで,その第1及び第2の加熱器24,25は側板である内箱23の左右の両側壁 23a,23bに近く位置することになるものの,それに対して,誘導加熱をする15 それら第1及び第2の加熱器24,25の近傍の両側壁23a,23b(側板)を 金属製としたことにより,磁気遮蔽作用にて,それら第1及び第2の加熱器24, 25から発する磁束の漏洩を防止することができる。」 カ 発明の効果 「【0011】20 請求項1の発明によれば,トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくし, その上で,第1及び第2の加熱器の各中心部を,本体ケースの左右に等分した両側 部の各中心部より外側に配置したことで,第1及び第2の加熱器の間隔を大きくで きる。これにより,トッププレートの第1及び第2の加熱器上の位置に大きな鍋や 鉄板等の調理器具を載せて加熱することができるようになる。又,この場合,調理25 器具同士の間隔を大きくもできるので,加熱方式が誘導加熱による場合における電 磁振動の共鳴音の発生も防止もできるようになる。 23 【0012】 又,トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくし,その上で,第1及び第 2の加熱器の各中心部を,トッププレートの左右に等分した両側部の各中心部より 中央側に配置したことで,トッププレートの第1及び第2の加熱器上の位置に載せ 5 た調理器具とトッププレートの最外周縁との間のスペースの余裕が大きくなり,そ れによって,調理器具から調理材料の吹きこぼれや飛び散りがあっても,それらが 器外に容易に達しないようにできる。 【0013】 そして,それらを達成するのに,大きくするのはトッププレートのみで良く,本10 体ケースは大きくする必要がないので,例えばキッチンの調理台に組み込めなくな ることもなく, 調理台内部の他の収納スペースを狭くしてしまうこともなくて, 又, 全体の設置性が損なわれないようにできる。 更に,トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくしたことで外力に対する 耐力が低下する,トッププレートの本体ケース外方に位置する部分のその耐力を補15 強板により補い,調理器具の落下衝撃等に耐える強度の確保ができる。 加えて,トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくしたことで直下に被組 込家具が位置することになる,トッププレートの本体ケース外方に位置する部分か らの熱伝導を補強板の上方又は下方の断熱層で和らげ,被組込家具の熱による損傷 をなくすことができる。」20 ? 本件発明の概要 前記第2の2前提事実?ウの特許請求の範囲の記載及び前記?の本件明細書等の 記載によれば,本件発明の概要は,次のとおりであると認められる。 ア 本件発明は,誘導加熱をする第1及び第2の加熱器を左右に内設した本体ケ ースの上面にトッププレートを有する加熱調理器に関する(【0001】)。 25 イ 従来の加熱調理器においては,@第1及び第2の加熱器の間隔が小さいため, トッププレート上に大きな鍋や鉄板等の調理器具を載せて加熱することができない, 24 A調理器具同士が近接する状況にあると,共鳴して可聴領域の共鳴音が大きくなる (【0004】),B第1及び第2の加熱器上の位置に載せた調理器具とトッププ レートの最外周縁との間にはスペースの余裕が少ないため,調理器具から調理材料 の吹きこぼれや飛び散りがあると,それらが器外に容易に達する, それらの問題 C 5 を解決する方法として加熱調理器全体を大きくした場合,全体の設置性が損なわれ る(【0005】)という課題があったところ,本件発明は,前記トッププレート の幅を前記本体ケースの幅より大きくし,前記第1及び第2の加熱器の各中心部を, 前記本体ケースの左右に等分した両側部の各中心部より外側であって,前記トップ プレートの左右に等分した両側部の各中心部より中央側に配置すると共に,前記ト10 ッププレートの本体ケース外方に位置する部分の下方に補強板を設け,この補強板 と前記トッププレートとの間,又は補強板の下方に断熱層を形成したこと(【00 07】)によって,(ア)トッププレートの第1及び第2の加熱器上の位置に大きな鍋 や鉄板等の調理器具を載せて加熱することができるようになり,(イ)電磁振動の共 鳴音の発生を防止できるようになり,(ウ)トッププレートの第1及び第2の加熱器15 上の位置に載せた調理器具とトッププレートの最外周縁との間のスペースの余裕が 大きくなり,調理器具から調理材料の吹きこぼれや飛び散りがあっても,それらが 器外に容易に達しないようにできるようになり,(エ)全体の設置性は損なわれない ようにできる(【0011】〜【0013】)という効果を得ることができるよう にしたものである。 20 2 争点2-4(本件発明は新規性又は進歩性を欠くものであるか) 事案に鑑み,争点2-4について判断する。 ? 公然実施品1の構成 証拠(乙2,3)によれば,被告は,遅くとも本件出願日前である平成13年1 0月に,公然実施品1を製造し,販売していたこと及び公然実施品1は以下のアな25 いしカの構成を有することが認められる。 ア 誘導加熱をする右ヒータ及び左ヒータを左右に内設した本体ケースと,この 25 本体ケースの上面に設けられたトッププレートと,前記トッププレートの周囲に設 けられたサッシュとを具備し,被組込家具に組み込まれる加熱調理器において, イ 前記トッププレートの幅を前記本体ケースの幅より大きくし, ウ 前記右ヒータ及び左ヒータの各中心部を,前記本体ケースの左右に等分した 5 両側部の各中心部より外側であって,前記トッププレートの左右に等分した両側部 の各中心部より中央側に配置すると共に, エ 前記トッププレートの本体ケース外方に位置する部分の下方であって直下に 被組込家具が位置する箇所に補強板を設け, オ この補強板と前記トッププレートとの間,及び補強板の下方に断熱層を形成10 したこと カ を特徴とする加熱調理器 ? 本件発明と公然実施品1との対比 ア 一致点 本件発明と公然実施品1とは,前記アないしカの点において一致する。 15 イ 相違点 本件発明と公然実施品1とは,被告が主張する相違点1-2’が存する,すなわ ち,本件発明は,サッシュとは別部材に構成され,かつサッシュに当接させた,金 属板から成る補強板を有するのに対し,公然実施品1はサッシュ自体が補強板とな っており,サッシュとは別部材に構成され,かつサッシュに当接させた,金属板か20 ら成る補強板は有しない点において相違する。 ウ 原告の主張する相違点について (ア) 原告の主張する相違点1-1について 原告は,本件発明の構成要件Bの「前記トッププレートの幅を前記本体ケースの 幅より大きくし」とは,トッププレートの幅が本体ケースの幅より大きい場合を指25 すとして,本件発明と公然実施品1とは,相違点1-1が存する,すなわち本件発 明ではトッププレートの幅を前記本体ケースの幅より大きくしているのに対し,公 26 然実施品1ではトッププレートの幅と本体ケースの幅はほぼ同じである点において 相違すると主張し,背景技術として,本体ケースとトッププレートの幅がほぼ同じ である加熱器を示し(【0002】),それによって生ずる課題を解決するために トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくした旨を示した(【0007】) 5 本件明細書等の記載を援用する。 しかしながら,本件発明に係る特許請求の範囲では,単に,「前記トッププレー トの幅を前記本体ケースの幅より大きくし」と規定されているにすぎず,トッププ レートの幅が本体ケースの幅とほぼ同じ場合を除く旨や,従来技術よりもトッププ レートの幅を大きくする旨の文言はない。また,本件明細書等においても,トップ10 プレートの幅を本体ケースの幅より大きくすることの意義を限定する趣旨の記載は ない。さらに,本件発明の作用効果に関して検討すると,前記1?に認定した本件 発明の作用効果は,トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくし,その上で, 第1及び第2の加熱器の各中心部を,本体ケースの左右に等分した両側部の各中心 部より外側に配置して,第1及び第2の加熱器の間隔を大きくすること(【00115 1】)及びトッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくし,その上で,第1及 び第2の加熱器の各中心部を,トッププレートの左右に等分した両側部の各中心部 より中央側に配置して,トッププレートの第1及び第2の加熱器上の位置に載せた 調理器具とトッププレートの最外周縁との間のスペースの余裕を持たせること【0 ( 012】)によって達せられるものといえるのであり,本件発明は,トッププレー20 トの幅を本体ケースの幅より大きくするとの構成に加えて,第1及び第2の加熱器 の各中心部を,本体ケースの左右に等分した両側部の各中心部より外側であって, トッププレートの左右に等分した両側部の各中心部より中央側に配置するという構 成を備えることによって作用効果を奏するものといえる。そうすると,トッププレ ートの幅が,本体ケースの幅とほぼ同じ場合に上記作用効果を達しないということ25 もできず,上記作用効果を達成するための,トッププレートの幅などの具体的な内 容は,トッププレート上の加熱器やトッププレートの左右の両側部との位置関係な 27 どを規定する本件発明の構成要件Cによって示されているということができるので あり,作用効果の観点からトッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくするこ との意義を原告が主張するとおりに限定的に解釈することもできない。 以上を踏まえれば,トッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくしている公 5 然実施品1とトッププレートの幅を本体ケースの幅より大きくする構成を有する本 件発明とは,トッププレートの幅に係る構成の相違はないのであって,原告の主張 する相違点1-1が存すると認めることはできない。 (イ) 原告の主張する相違点1-2について また,原告は,相違点1-2’は,相違点1-2のとおり認定すべきであると主10 張する。 本件発明の構成要件Dにおける「補強板」とは,調理器具の落下衝撃等に耐える ように,トッププレートの強度を補って強くする板と解されるところ【0013】 ( , 【0033】),証拠(乙2,3)によれば,公然実施品1のサッシュは,接着部 を介してトッププレートの荷重を支えていることが認められ,その構造によれば,15 トッププレートの本体ケース外方に位置する部分の下方であって直下に被組込家具 が位置する箇所において調理器具の落下衝撃等に耐えるように,トッププレートの 強度を補って強くする板であると認められる。 そうすると,公然実施品1のサッシュが「補強板」の機能を有しないことを前提 として相違点1-2が存するという原告の主張は採用することができない。 20 ? 乙13公報について 本件出願日前に頒布された刊行物である乙13公報は,加熱調理器に関する発明 を開示しており,同公報の【図3】(別紙6記載の図3)のL字金具9は,断面凸 形状9aにおいてトッププレート1をトッププレートの端部よりも内側で支持して いるから,調理器具の落下衝撃等に対する強度を強くする効果を有するといえる。 25 よって,乙13公報は,誘導加熱調理器において,サッシュとは別部材により構 成され,かつサッシュに当接させてねじで接合した,金属板からなる補強板という 28 構成を開示していると認められる。 なお,原告は,乙13公報の発明は,トッププレートの幅と本体ケースの幅とが ほぼ同じものであり,乙13公報のL字金具9は,トッププレートの幅を本体ケー スの幅より大きくした部分においてトッププレートを補強する機能を有しないから, 5 本件発明における「補強板」であるとはいえないと主張する。しかしながら,原告 の主張は,前記?ウ(ア)及び(イ)に認定した「前記トッププレートの幅を前記本体ケ ースの幅より大きくし」及び「補強板」の意義に反するものであって採用すること ができない。 ? 相違点の検討10 ア 新規性について まず,本件発明と公然実施品1には,相違点1-2’があり,これが実質的相違 点でないと認めるに足りる証拠はないから,本件発明と公然実施品1が同一である と認めることはできない。よって,本件発明が新規性を欠くという被告の主張は採 用できない。 15 イ 容易想到性について 前記?に認定のとおり,乙13公報には,誘導加熱調理器においてサッシュと本 体ケース連結金属板とを別部材により構成して両者を当接させてねじで接合するこ とが記載されているから,補強板とサッシュを別部材にすることは,本件出願当時, 公知の構成であったといえる。 20 そして,弁論の全趣旨によれば,公然実施品1のサッシュは,複雑な形状であり, 金属ブロックから切削加工や鋳造加工等によって製造せざるを得ず,金属板からプ レス加工によって簡単に低コストで製造することはできないものであることが認め られ,このような部品に接した当業者においては,製造コストが高い機械加工によ り製造した部品を,製造コストが安い機械加工であるプレス加工により製造するた25 めに金属板部品に置き換える動機付けがあると認められる。よって,公然実施品1 に接した当業者において,公然実施品1に前記公知の構成を適用して,相違点1- 29 2’に係る本件発明の構成とすることは,本件出願日当時,容易に想到し得たこと というべきである。 ウ 原告の主張について この点,原告は,@本件発明の構成は,トッププレートの幅を本体ケースの幅よ 5 り大きくしたことによって,トッププレートの本体ケース外方に位置する部分の耐 力が低下するという,公然実施品1のような従来品には存在していなかった新たな 課題に対応するために発明されたものであり,当業者は,公然実施品1に当該構成 を採用する理由はなかった,A乙13公報の発明では,トッププレートの幅と本体 ケースの幅とがほぼ同じであるため,乙13公報のL字金具9は,トッププレート10 の幅を本体ケースの幅より大きくした部分においてトッププレートを補強する機能 を有しないので,本件発明における「補強板」であるとはいえず,乙13公報の発 明は,本件発明の「補強板」を有しないから,これらを公然実施品1と組み合わせ ても,相違点1-2の構成には至らない,B仮に,当業者が公然実施品1のサッシ ュを,サッシュと金属板に分けることについて想到し得たとしても,金属板を長く15 する理由はなかったから,相違点1-2について,当業者が容易に想到できたとは いえないなどと主張するが,原告の主張は,相違点1-1の存在を前提とするもの であるか,前記?における乙13公報についての認定と異なる見解を前提にするも のであって,いずれも採用できない。 ? 小括20 以上によれば,本件発明と公然実施品1とは,相違点1-2’において相違する からこれを同一と認めることはできないが,本件発明は,本件出願日前に,当業者 が公然実施品1に公知の構成を適用して,容易に発明をすることができたものと認 められる。 そうすると,本件発明についての特許は,特許法29条2項に違反してされたも25 のであって,同法123条1項2号の無効理由があり,特許無効審判により無効に されるべきものと認められるから,原告は,被告に対し,本件特許権を行使するこ 30 とができない。 3 結論 以上によれば,その余の争点につき検討するまでもなく,原告の請求はいずれも 理由がないから,これらをいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。 5 |
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31(別紙1)物件目録製品の名称日立IHクッキングヒーター製品番号@HT-K100HTWF5AHT-K100XTWFBHT-K200HTWFCHT-K200XTWFDHT-K300HTWFEHT-K300XTWF10FHT-K9HTWFGHT-K9XTWFHHT-K8STWF以上32(別紙2)販売額一覧表被告製品製品番号販売期間と合計額被告製品1@HT-K100HTWF2015年,2016年の2AHT-K100XTWF年間BHT-K200HTWF合計27億円CHT-K200XTWFDHT-K300HTWFEHT-K300XTWFFHT-K9HTWFGHT-K9XTWFHHT-K8STWF(以上9製品)被告製品2@HTB-A9WS2007年〜2008年までAHTB-A9WFSの2年間BHTB-A8WS合計24億円CHTB-A8WFS(以上4製品)被告製品3@HT-B8WS2007年〜2010年までAHT-B8WFSの4年間BHT-B9TWS合計54億円CHT-B9TWFSDHT-B10TWSEHT-B10TWFS(以上6製品)33被告製品4@HT-C8WS2008年〜2011年までAHT-C8WFSの4年間BHT-C9TWS合計72億円CHT-C9TWFSDHT-C10TWSEHT-C10TWFSFHT-C20TWSGHT-C20TWFS(以上8製品)被告製品5@HT-G8WS2012年〜2015年までAHT-G8WFSの4年間BHT-G8TWS合計90億円CHT-G8TWFSDHT-G9TWSEHT-G9TWFSFHT-G10TWSGHT-G10TWFSHHT-G20TWSIHT-G20TWFS(以上10製品)被告製品6@HT-H8SW2013年〜2016年までAHT-H8SWFの4年間BHT-H8STW合計90億円CHT-H8STWFDHT-H100HTWF34EHT-H100XTWFFHT-H200HTWFGHT-H200XTWFHHT-H300HTWFIHT-H300XTWF(以上10製品)被告製品7@HT-J8SW2014年〜2016年の3AHT-J8SWF年間BHT-J8STW合計60億円CHT-J8STWFDHT-J100HTWFEHT-J100XTWFFHT-J200HTWFGHT-J200XTWFHHT-J300HTWFIHT-J300XTWF(以上10製品)総合計417億円以上35(別紙3-1)被告製品1説明書(原告)1.物件の平面状態の説明(図1)左右の両側面が破線11,12に示される位置にある幅54.5pの本体ケース1の上面に幅75pのトッププレート2が,破線11,12の間隔Aの中心線13がトッププレート2の左右方向の中心線と一致するように設けられており,トッププレート2の周囲は金属製のプレートワク14で囲まれている。トッププレート2上には,下部に配置される3つのヒーターの位置を示す左IHヒーター位置マーク3,右IHヒーター位置マーク4,及び中央ヒーター位置マーク5が表示されている。トッププレート2の手前には,IHヒーター等を操作する上面操作パネル16が配置されている。破線11,12の間隔Aの中心線13は,トッププレート2の左右方向の中心線と一致している。 本体ケース1の内部には,左IHヒーター位置マーク3に対応する左IHヒーター,右IHヒーター位置マーク4に対応する右IHヒーターが配置されており,左IHヒーターと右IHヒーターの各中心部はそれぞれ左IHヒーター位置マーク3と右IHヒーター位置マーク4の各中心部6,7と一致している。 中心線13と左IHヒーターの中心部6との距離B及び中心線13と右IHヒーターの中心部7との距離Cは同一であって,以下の寸法を有している。 被告製品B(C)の距離36被告製品1@,A16.5p被告製品1B〜E15.0p被告製品1F〜H16.5p2.物件の正面状態の説明(図2)本体ケース1は,オーブン15や前面操作パネル18を有する前面パネル(幅59.4p)で化粧され,本体ケース1の左右の両側面の間の距離Aは54.5pである。本体ケース1の内部には3つのヒーター並びにそれらのヒーターの下方にオーブン15が設けられている。 3.トッププレート2の背面状態の説明(写真1)写真1は,本体ケース1から分離したトッププレート2の背面状態を示すものであり,図1に示されるトッププレート2の左側の裏面は写真1の右側に,右側の裏面は写真1の左側に配置されて撮影されている。トッププレート2のプレートワク14に対応する位置はゴム製のプレートパッキング17で囲まれており,物件がシステムキッチンのカウンタートップの取付穴(幅寸法約56p)に設置される際,プレートパッキン17でカウンタートップと接触されている。 トッププレート2の背面には,本体ケース1の両側面の位置11,12より外方の領域を含めた領域において金属製の加工板8が装着されており,加工板8は,トッププレート2に対して一定の距離を形成する部分9と,近い距離を有する部分10とを有するように凹凸加工されている。 374.加工板8の部分拡大説明(写真2)写真2は,写真1のBの方向から撮影した加工板8の拡大斜視の状態を示すものである。 5.符号の説明1本体ケース,2トッププレート,3左IHヒーター位置マーク,4右IHヒーター位置マーク,5中央ヒーター位置マーク,6左IHヒーター位置マークの中心部,7右IHヒーター位置マークの中心部,8加工板,9一定の距離を有する領域,10近い距離を有する領域,11本体ケースの左の側面を示す位置のライン,12本体ケースの右の側面を示す位置ライン,13中心線,14プレートワク,15オーブン,16上面操作パネル,17プレートパッキング,18前面操作パネル6.物件の構成(本件特許発明の構成要件と対比すべき構成)(1)本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面にはトッププレートが設けられている。 (2)トッププレートの幅は75pであり,本体ケースの幅は54.5pであり,トッププレートの左右の中心線は本体ケースの左右の中心線と一致している。 (3)上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離は同一であって,その距離は以下のとおりである。 被告製品1@,A,F〜H16.5p38被告製品1B〜E15.0p(4)本体ケースの外方に位置するトッププレートの領域において,トッププレートの背面には,金属製の加工板が装着されている。 (5)加工板は,別紙3-8記載図4及び図5のとおり,トッププレートに対して一定の距離を有する部分と,トッププレートに近い距離を有する部分とをそれぞれ形成するように凹凸加工されている。 (6)調理用IHクッキングヒーターである。 3940写真141写真242(別紙3-2)被告製品2説明書(原告)1.物件の平面状態の説明(図1)左右の両側面が破線11,12に示される位置にある幅54.5pの本体ケース1の上面に幅75pのトッププレート2が,破線11,12の間隔Aの中心線13がトッププレート2の左右方向の中心線と一致するように設けられており,トッププレート2の周囲は金属製のプレートワク14で囲まれている。トッププレート2上には,下部に配置される3つのヒーターの位置を示す左IHヒーター位置マーク3,右IHヒーター位置マーク4,及び中央ヒーター位置マーク5が表示されている。トッププレート2の手前には,IHヒーター等を操作する上面操作パネル16が配置されている。破線11,12の間隔Aの中心線13は,トッププレート2の左右方向の中心線と一致している。 本体ケース1の内部には,左IHヒーター位置マーク3に対応する左IHヒーター,右IHヒーター位置マーク4に対応する右IHヒーターが配置されており,左IHヒーターと右IHヒーターの各中心部はそれぞれ左IHヒーター位置マーク3と右IHヒーター位置マーク4の各中心部6,7と一致している。 中心線13と左IHヒーターの中心部6との距離B及び中心線13と右IHヒーターの中心部7との距離Cは同一であって,以下の寸法を有している。 被告製品B(C)の距離43被告製品2@,A15.0p被告製品2B,C16.5p2.物件の正面状態の説明(図2)本体ケース1は,オーブン15や前面操作パネル18を有する前面パネル(幅59.4p)で化粧され,本体ケース1の左右の両側面の間の距離Aは54.5pである。本体ケース1の内部には3つのヒーター並びにそれらのヒーターの下方にオーブン15が設けられている。 3.トッププレート2の背面状態の説明(写真1)写真1は,本体ケース1から分離したトッププレート2の背面状態を示すものであり,図1に示されるトッププレート2の左側の裏面は写真1の右側に,右側の裏面は写真1の左側に配置されて撮影されている。トッププレート2のプレートワク14に対応する位置はゴム製のプレートパッキング17で囲まれており,物件がシステムキッチンのカウンタートップの取付穴(幅寸法約56p)に設置される際,プレートパッキン17でカウンタートップと接触されている。 トッププレート2の背面には,本体ケース1の両側面の位置11,12より外方の領域を含めた領域において金属製の加工板8が装着されており,加工板8は,トッププレート2に対して一定の距離を形成する部分9と,近い距離を有する部分10とを有するように凹凸加工されている。 4.加工板8の部分拡大説明(写真2)44写真2は,写真1のBの方向から撮影した加工板8の拡大斜視の状態を示すものである。 5.符号の説明1本体ケース,2トッププレート,3左IHヒーター位置マーク,4右IHヒーター位置マーク,5中央ヒーター位置マーク,6左IHヒーター位置マークの中心部,7右IHヒーター位置マークの中心部,8加工板,9一定の距離を有する領域,10近い距離を有する領域,11本体ケースの左の側面を示す位置のライン,12本体ケースの右の側面を示す位置ライン,13中心線,14プレートワク,15オーブン,16上面操作パネル,17プレートパッキング,18前面操作パネル6.物件の構成(1)本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面にはトッププレートが設けられている。 (2)ッププレートの幅は75pであり,体ケースの幅は54.ト本5pであり,トッププレートの左右の中心線は本体ケースの左右の中心線と一致している。 (3)上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離は同一であって,その距離は以下のとおりである。 被告製品2@,A15.0p被告製品2B,C16.5p45(4)体ケースの外方に位置するトッププレートの領域において,本トッププレートの背面には,金属製の加工板が装着されている。 (5)加工板は,別紙3-8記載図4及び図5のとおり,トッププレートに対して一定の距離を有する部分と,トッププレートに近い距離を有する部分とをそれぞれ形成するように凹凸加工されている。 (6)調理用IHクッキングヒーターである。 4647写真148写真249(別紙3-3)被告製品3説明書(原告)1.物件の平面状態の説明(図1)左右の両側面が破線11,12に示される位置にある幅54.5pの本体ケース1の上面に幅75pのトッププレート2が,破線11,12の間隔Aの中心線13がトッププレート2の左右方向の中心線と一致するように設けられており,トッププレート2の周囲は金属製のプレートワク14で囲まれている。トッププレート2上には,下部に配置される3つのヒーターの位置を示す左IHヒーター位置マーク3,右IHヒーター位置マーク4,及び中央ヒーター位置マーク5が表示されている。トッププレート2の手前には,IHヒーター等を操作する上面操作パネル16が配置されている。破線11,12の間隔Aの中心線13は,トッププレート2の左右方向の中心線と一致している。 本体ケース1の内部には,左IHヒーター位置マーク3に対応する左IHヒーター,右IHヒーター位置マーク4に対応する右IHヒーターが配置されており,左IHヒーターと右IHヒーターの各中心部はそれぞれ左IHヒーター位置マーク3と右IHヒーター位置マーク4の各中心部6,7と一致している。 中心線13と左IHヒーターの中心部6との距離B及び中心線13と右IHヒーターの中心部7との距離Cは同一であって,以下の寸法を有している。 被告製品B(C)の距離50被告製品3@〜C16.5p被告製品3D,E15.0p2.物件の正面状態の説明(図2)本体ケース1は,オーブン15や前面操作パネル18を有する前面パネル(幅59.4p)で化粧され,本体ケース1の左右の両側面の間の距離Aは54.5pである。本体ケース1の内部には3つのヒーター並びにそれらのヒーターの下方にオーブン15が設けられている。 3.トッププレート2の背面状態の説明(写真1)写真1は,本体ケース1から分離したトッププレート2の背面状態を示すものであり,図1に示されるトッププレート2の左側の裏面は写真1の右側に,右側の裏面は写真1の左側に配置されて撮影されている。トッププレート2のプレートワク14に対応する位置はゴム製のプレートパッキング17で囲まれており,物件がシステムキッチンのカウンタートップの取付穴(幅寸法約56p)に設置される際,プレートパッキン17でカウンタートップと接触されている。 トッププレート2の背面には,本体ケース1の両側面の位置11,12より外方の領域を含めた領域において金属製の加工板8が装着されており,加工板8は,トッププレート2に対して一定の距離を形成する部分9と,近い距離を有する部分10とを有するように凹凸加工されている。 4.加工板8の部分拡大説明(写真2)51写真2は,写真1のBの方向から撮影した加工板8の拡大斜視の状態を示すものである。 5.符号の説明1本体ケース,2トッププレート,3左IHヒーター位置マーク,4右IHヒーター位置マーク,5中央ヒーター位置マーク,6左IHヒーター位置マークの中心部,7右IHヒーター位置マークの中心部,8加工板,9一定の距離を有する領域,10近い距離を有する領域,11本体ケースの左の側面を示す位置のライン,12本体ケースの右の側面を示す位置ライン,13中心線,14プレートワク,15オーブン,16上面操作パネル,17プレートパッキング,18前面操作パネル6.物件の構成(1)本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面にはトッププレートが設けられている。 (2)トッププレートの幅は75pであり,本体ケースの幅は54.5pであり,トッププレートの左右の中心線は本体ケースの左右の中心線と一致している。 (3)上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離は同一であって,その距離は以下のとおりである。 被告製品3@〜C16.5p被告製品3D,E15.0p52(4)体ケースの外方に位置するトッププレートの領域において,本トッププレートの背面には,金属製の加工板が装着されている。 (5)加工板は,別紙3-8記載図4及び図5のとおり,トッププレートに対して一定の距離を有する部分と,トッププレートに近い距離を有する部分とをそれぞれ形成するように凹凸加工されている。 (6)調理用IHクッキングヒーターである。 5354写真155写真256(別紙3-4)被告製品4説明書(原告)1.物件の平面状態の説明(図1)左右の両側面が破線11,12に示される位置にある幅54.5pの本体ケース1の上面に幅75pのトッププレート2が,破線11,12の間隔Aの中心線13がトッププレート2の左右方向の中心線と一致するように設けられており,トッププレート2の周囲は金属製のプレートワク14で囲まれている。トッププレート2上には,下部に配置される3つのヒーターの位置を示す左IHヒーター位置マーク3,右IHヒーター位置マーク4,及び中央ヒーター位置マーク5が表示されている。トッププレート2の手前には,IHヒーター等を操作する上面操作パネル16が配置されている。破線11,12の間隔Aの中心線13は,トッププレート2の左右方向の中心線と一致している。 本体ケース1の内部には,左IHヒーター位置マーク3に対応する左IHヒーター,右IHヒーター位置マーク4に対応する右IHヒーターが配置されており,左IHヒーターと右IHヒーターの各中心部はそれぞれ左IHヒーター位置マーク3と右IHヒーター位置マーク4の各中心部6,7と一致している。 中心線13と左IHヒーターの中心部6との距離B及び中心線13と右IHヒーターの中心部7との距離Cは同一であって,以下の寸法を有している。 被告製品B(C)の距離57被告製品4@〜C16.5p被告製品4D〜G15.0p2.物件の正面状態の説明(図2)本体ケース1は,オーブン15や前面操作パネル18を有する前面パネル(幅59.4p)で化粧され,本体ケース1の左右の両側面の間の距離Aは54.5pであり,本体ケース1の内部には3つのヒーター並びにそれらのヒーターの下方にオーブン15が設けられている。 3.トッププレート2の背面状態の説明(写真1)写真1は,本体ケース1から分離したトッププレート2の背面状態を示すものであり,図1に示されるトッププレート2の左側の裏面は写真1の右側に,右側の裏面は写真1の左側に配置されて撮影されている。トッププレート2のプレートワク14に対応する位置はゴム製のプレートパッキング17で囲まれており,物件がシステムキッチンのカウンタートップの取付穴(幅寸法約56p)に設置される際,プレートパッキン17でカウンタートップと接触されている。 トッププレート2の背面には,本体ケース1の両側面の位置11,12より外方の領域を含めた領域において金属製の加工板8が装着されており,加工板8は,トッププレート2に対して一定の距離を形成する部分9と,近い距離を有する部分10とを有するように凹凸加工されている。 4.加工板8の部分拡大説明(写真2)58写真2は,写真1のBの方向から撮影した加工板8の拡大斜視の状態を示すものである。 5.符号の説明1本体ケース,2トッププレート,3左IHヒーター位置マーク,4右IHヒーター位置マーク,5中央ヒーター位置マーク,6左IHヒーター位置マークの中心部,7右IHヒーター位置マークの中心部,8加工板,9一定の距離を有する領域,10近い距離を有する領域,11本体ケースの左の側面を示す位置のライン,12本体ケースの右の側面を示す位置ライン,13中心線,14プレートワク,15オーブン,16上面操作パネル,17プレートパッキング,18前面操作パネル6.物件の構成(1)本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面にはトッププレートが設けられている。 (2)トッププレートの幅は75pであり,本体ケースの幅は54.5pであり,トッププレートの左右の中心線は本体ケースの左右の中心線と一致している。 (3)上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離は同一であって,その距離は以下のとおりである。 被告製品4@〜C16.5p被告製品4D〜G15.0p59(4)本体ケースの外方に位置するトッププレートの領域において,トッププレートの背面には,金属製の加工板が装着されている。 (5)加工板は,別紙3-8記載図4及び図5のとおり,トッププレートに対して一定の距離を有する部分と,トッププレートに近い距離を有する部分とをそれぞれ形成するように凹凸加工されている。 (6)調理用IHクッキングヒーターである。 6061写真162写真263(別紙3-5)被告製品5説明書(原告)1.物件の平面状態の説明(図1)左右の両側面が破線11,12に示される位置にある幅54.5pの本体ケース1の上面に幅75pのトッププレート2が,破線11,12の間隔Aの中心線13がトッププレート2の左右方向の中心線と一致するように設けられており,トッププレート2の周囲は金属製のプレートワク14で囲まれている。トッププレート2上には,下部に配置される3つのヒーターの位置を示す左IHヒーター位置マーク3,右IHヒーター位置マーク4,及び中央ヒーター位置マーク5が表示されている。トッププレート2の手前には,IHヒーター等を操作する上面操作パネル16が配置されている。破線11,12の間隔Aの中心線13は,トッププレート2の左右方向の中心線と一致している。 本体ケース1の内部には,左IHヒーター位置マーク3に対応する左IHヒーター,右IHヒーター位置マーク4に対応する右IHヒーターが配置されており,左IHヒーターと右IHヒーターの各中心部はそれぞれ左IHヒーター位置マーク3と右IHヒーター位置マーク4の各中心部6,7と一致している。 中心線13と左IHヒーターの中心部6との距離B及び中心線13と右IHヒーターの中心部7との距離Cは同一であって,以下の寸法を有している。 被告製品B(C)の距離64被告製品5@〜E16.5p被告製品5F〜I15.0p2.物件の正面状態の説明(図2)本体ケース1は,オーブン15や前面操作パネル18を有する前面パネル(幅59.4p)で化粧され,本体ケース1の左右の両側面の間の距離Aは54.5pであり,本体ケース1の内部には3つのヒーター並びにそれらのヒーターの下方にオーブン15が設けられている。 3.トッププレート2の背面状態の説明(写真1)写真1は,本体ケース1から分離したトッププレート2の背面状態を示すものであり,図1に示されるトッププレート2の左側の裏面は写真1の右側に,右側の裏面は写真1の左側に配置されて撮影されている。トッププレート2のプレートワク14に対応する位置はゴム製のプレートパッキング17で囲まれており,物件がシステムキッチンのカウンタートップの取付穴(幅寸法約56p)に設置される際,プレートパッキン17でカウンタートップと接触されている。 トッププレート2の背面には,本体ケース1の両側面の位置11,12より外方の領域を含めた領域において金属製の加工板8が装着されており,加工板8は,トッププレート2に対して一定の距離を形成する部分9と,近い距離を有する部分10とを有するように凹凸加工されている。 4.加工板8の部分拡大説明(写真2)65写真2は,写真1のBの方向から撮影した加工板8の拡大斜視の状態を示すものである。 5.符号の説明1本体ケース,2トッププレート,3左IHヒーター位置マーク,4右IHヒーター位置マーク,5中央ヒーター位置マーク,6左IHヒーター位置マークの中心部,7右IHヒーター位置マークの中心部,8加工板,9一定の距離を有する領域,10近い距離を有する領域,11本体ケースの左の側面を示す位置のライン,12本体ケースの右の側面を示す位置ライン,13中心線,14プレートワク,15オーブン,16上面操作パネル,17プレートパッキング,18前面操作パネル6.物件の構成(1)本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面にはトッププレートが設けられている。 (2)トッププレートの幅は75pであり,本体ケースの幅は54.5pであり,トッププレートの左右の中心線は本体ケースの左右の中心線と一致している。 (3)上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離は同一であって,その距離は以下のとおりである。 被告製品5@〜E16.5p被告製品5F〜I15.0p66(4)本体ケースの外方に位置するトッププレートの領域において,トッププレートの背面には,金属製の加工板が装着されている。 (5)加工板は,別紙3-8記載図4及び図5のとおり,トッププレートに対して一定の距離を有する部分と,トッププレートに近い距離を有する部分とをそれぞれ形成するように凹凸加工されている。 (6)調理用IHクッキングヒーターである。 6768写真169写真270(別紙3-6)被告製品6説明書(原告)1.物件の平面状態の説明(図1)左右の両側面が破線11,2に示される位置にある幅54.p15の本体ケース1の上面に幅75pのトッププレート2が,破線11,12の間隔Aの中心線13がトッププレート2の左右方向の中心線と一致するように設けられており,トッププレート2の周囲は金属製のプレートワク14で囲まれている。トッププレート2上には,下部に配置される3つのヒーターの位置を示す左IHヒーター位置マーク3,右IHヒーター位置マーク4,及び中央ヒーター位置マーク5が表示されている。トッププレート2の手前には,IHヒーター等を操作する上面操作パネル16が配置されている。破線11,12の間隔Aの中心線13は,トッププレート2の左右方向の中心線と一致している。 本体ケース1の内部には,左IHヒーター位置マーク3に対応する左IHヒーター,右IHヒーター位置マーク4に対応する右IHヒーターが配置されており,左IHヒーターと右IHヒーターの各中心部はそれぞれ左IHヒーター位置マーク3と右IHヒーター位置マーク4の各中心部6,7と一致している。 中心線13と左IHヒーターの中心部6との距離B及び中心線13と右IHヒーターの中心部7との距離Cは同一であって,以下の寸法を有している。 被告製品B(C)の距離71被告製品6@〜E16.5p被告製品6F〜I15.0p2.物件の正面状態の説明(図2)本体ケース1は,オーブン15や前面操作パネル18を有する前面パネル(幅59.4p)で化粧され,本体ケース1の左右の両側面の間の距離Aは54.5pであり,本体ケース1の内部には3つのヒーター並びにそれらのヒーターの下方にオーブン15が設けられている。 3.トッププレート2の背面状態の説明(写真1)写真1は,本体ケース1から分離したトッププレート2の背面状態を示すものであり,図1に示されるトッププレート2の左側の裏面は写真1の右側に,右側の裏面は写真1の左側に配置されて撮影されている。トッププレート2のプレートワク14に対応する位置はゴム製のプレートパッキング17で囲まれており,物件がシステムキッチンのカウンタートップの取付穴(幅寸法約56p)に設置される際,プレートパッキン17でカウンタートップと接触されている。 トッププレート2の背面には,本体ケース1の両側面の位置11,12より外方の領域を含めた領域において金属製の加工板8が装着されており,加工板8は,トッププレート2に対して一定の距離を形成する部分9と,近い距離を有する部分10とを有するように凹凸加工されている。 4.加工板8の部分拡大説明(写真2)72写真2は,写真1のBの方向から撮影した加工板8の拡大斜視の状態を示すものである。 5.符号の説明1本体ケース,2トッププレート,3左IHヒーター位置マーク,4右IHヒーター位置マーク,5中央ヒーター位置マーク,6左IHヒーター位置マークの中心部,7右IHヒーター位置マークの中心部,8加工板,9一定の距離を有する領域,10近い距離を有する領域,11本体ケースの左の側面を示す位置のライン,12本体ケースの右の側面を示す位置ライン,13中心線,14プレートワク,15オーブン,16上面操作パネル,17プレートパッキング,18前面操作パネル6.物件の構成(1)本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面にはトッププレートが設けられている。 (2)トッププレートの幅は75pであり,本体ケースの幅は54.5pであり,トッププレートの左右の中心線は本体ケースの左右の中心線と一致している。 (3)上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離は同一であって,その距離は以下のとおりである。 被告製品6@〜E16.5p被告製品6F〜I15.0p73(4)体ケースの外方に位置するトッププレートの領域において,本トッププレートの背面には,金属製の加工板が装着されている。 (5)加工板は,別紙3-8記載図4及び図5のとおり,トッププレートに対して一定の距離を有する部分と,トッププレートに近い距離を有する部分とをそれぞれ形成するように凹凸加工されている。 (6)調理用IHクッキングヒーターである。 7475写真176写真277(別紙3-7)被告製品7説明書(原告)1.物件の平面状態の説明(図1)左右の両側面が破線11,12に示される位置にある幅54.5pの本体ケース1の上面に幅75pのトッププレート2が,破線11,12の間隔Aの中心線13がトッププレート2の左右方向の中心線と一致するように設けられており,トッププレート2の周囲は金属製のプレートワク14で囲まれている。トッププレート2上には,下部に配置される3つのヒーターの位置を示す左IHヒーター位置マーク3,右IHヒーター位置マーク4,及び中央ヒーター位置マーク5が表示されている。トッププレート2の手前には,IHヒーター等を操作する上面操作パネル16が配置されている。破線11,12の間隔Aの中心線13は,トッププレート2の左右方向の中心線と一致している。 本体ケース1の内部には,左IHヒーター位置マーク3に対応する左IHヒーター,右IHヒーター位置マーク4に対応する右IHヒーターが配置されており,左IHヒーターと右IHヒーターの各中心部はそれぞれ左IHヒーター位置マーク3と右IHヒーター位置マーク4の各中心部6,7と一致している。 中心線13と左IHヒーターの中心部6との距離B及び中心線13と右IHヒーターの中心部7との距離Cは同一であって,以下の寸法を有している。 被告製品B(C)の距離78被告製品7@〜E16.5p被告製品7F〜I15.0p2.物件の正面状態の説明(図2)本体ケース1は,ーブン15や前面操作パネル18を有する。 オ前面パネル(幅59.4p)で化粧され,本体ケース1の左右の両側面の間の距離Aは54.5pであり,本体ケース1の内部には3つのヒーター並びにそれらのヒーターの下方にオーブン15が設けられている。 3.トッププレート2の背面状態の説明(写真1)写真1は,本体ケース1から分離したトッププレート2の背面状態を示すものであり,図1に示されるトッププレート2の左側の裏面は写真1の右側に,右側の裏面は写真1の左側に配置されて撮影されている。トッププレート2のプレートワク14に対応する位置はゴム製のプレートパッキング17で囲まれており,物件がシステムキッチンのカウンタートップの取付穴(幅寸法約56p)に設置される際,プレートパッキン17でカウンタートップと接触されている。 トッププレート2の背面には,本体ケース1の両側面の位置11,12より外方の領域を含めた領域において金属製の加工板8が装着されており,加工板8は,トッププレート2に対して一定の距離を形成する部分9と,近い距離を有する部分10とを有するように凹凸加工されている。 4.加工板8の部分拡大説明(写真2)79写真2は,写真1のBの方向から撮影した加工板8の拡大斜視の状態を示すものである。 5.符号の説明1本体ケース,2トッププレート,3左IHヒーター位置マーク,4右IHヒーター位置マーク,5中央ヒーター位置マーク,6左IHヒーター位置マークの中心部,7右IHヒーター位置マークの中心部,8加工板,9一定の距離を有する領域,10近い距離を有する領域,11本体ケースの左の側面を示す位置のライン,12本体ケースの右の側面を示す位置ライン,13中心線,14プレートワク,15オーブン,16上面操作パネル,17プレートパッキング,18前面操作パネル6.物件の構成(1)本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面にはトッププレートが設けられている。 (2)トッププレートの幅は75pであり,本体ケースの幅は54.5pであり,トッププレートの左右の中心線は本体ケースの左右の中心線と一致している。 (3)上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離は同一であって,その距離は以下のとおりである。 被告製品7@〜E16.5p被告製品7F〜I15.0p80(4)体ケースの外方に位置するトッププレートの領域において,本トッププレートの背面には,金属製の加工板が装着されている。 (5)加工板は,別紙3-8記載図4及び図5のとおり,トッププレートに対して一定の距離を有する部分と,トッププレートに近い距離を有する部分とをそれぞれ形成するように凹凸加工されている。 (6)調理用IHクッキングヒーターである。 8182写真183写真284(別紙3-8)以上85(別紙4-1)被告製品説明書(被告)被告製品1は以下の構成を有する。 5また,被告製品2ないし7も,被告製品1と同様の構成を有し,原告主張の別紙3-2ないし同3-7記載各6?の距離については争わない。 @本体ケースの内部には左IHヒーターと右IHヒーターが設けられており,本体ケースの上面には,別紙4-2被告製品(「HT-K300」)の構造説明書記載図4及び図5に示すとおり,「ガラス板」,「サッシュ」及び「金属製の加工10板」とからなる「天板」が設けられている。「金属製の加工板」は,「ガラス板」の端部においてガラス板とともに「サッシュ」に挟まれ,その他の部分においてガラス板に接着剤で接着されている。 A該天板の幅は750mmであり,本体ケースの幅Aは545mmであり,該天板の左右の中心線13は本体ケースの左右の中心線と一致している。 15B上記中心線と左IHヒーターの中心部との距離B及び上記中心線と右IHヒーターの中心部との距離Cは同一であって(上図参照。),その距離は以下のとおりである。 被告製品1@,A,F〜H165mm20被告製品1B〜E150mmC別紙4-2被告製品(「HT-K300」)の構造説明書記載図4及び図5に示すとおり,本体ケースの外方に位置する該天板は「ガラス板」「サッシュ」及86び「金属製の加工板」によって構成されており,当該「金属製の加工板」は「ガラス板」の端部において「ガラス板」とともに「サッシュ」に挟まれ,その他の部分においてガラス板裏面に接着剤で接着され,一体として天板を構成している。 D該加工板は凹凸加工されており,その形状は別紙4-2被告製品(「HT-5K300」)の構造説明書記載図4及び図5に示すとおりである。 E調理用IHクッキングヒーターである。 以上87(別紙4-2)8889以上90(別紙5)本件明細書等の図面【図1】91【図3】92【図7】以上93(別紙6)図面図35以上94 |
裁判長裁判官 | 10山田真紀 |
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裁判官 | 15棚橋知子 |
裁判官 | 20西山芳樹 |