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関連審決 異議2003-70772
関連ワード 技術的思想 /  複写物 /  進歩性(29条2項) /  容易に発明 /  相違点の判断 /  周知技術 /  実施 /  加工 /  設定登録 /  変更 /  取消決定 / 
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事件 平成 15年 (行ケ) 532号 特許取消決定取消請求事件
原告 富士ゼロックス株式会社
同訴訟代理人弁理士 早川明
被告 特許庁長官今井康夫
同指定代理人 鈴木秀幹
同 小澤和英
同 番場得造
同 大野克人
同 立川 功
同 涌井幸一
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2004/05/27
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
特許庁が、異議2003-70772号事件について、平成15年10月17日にした異議の決定を取り消す。
事案の概要
1 争いのない事実 (1) 原告は、発明の名称を「自動押印装置」とする特許第3326971号(平成6年6月30日特許出願、特願平6-172012号、平成14年7月12日設定登録、以下「本件特許」という。)の特許権者である。
その後、訴外コニカ株式会社から、本件特許の請求項2に係る特許に対し、特許異議の申立てがなされた。
特許庁は、上記申立てを異議2003-70772号事件として審理した上、平成15年10月17日、「特許第3326971号の請求項2に係る特許を取り消す。」との異議の決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、同年11月4日、原告に送達された。
(2) 本件特許の請求項2記載の発明(以下「本件発明」という。)の要旨は、
本件決定に記載された、以下のとおりである。
【請求項2】原稿を読取り、その結果を原稿画像データとして出力する読取り手段と、ページ単位で供給された印刷画像データを順次用紙に出力する画像データ出力手段と、前記画像データ出力手段に供給された1組の画像データ群毎にセット番号を付番する付番手段と、前記付番手段によって付番されたセット番号を含むスタンプ画像データを生成するスタンプ画像データ生成手段と、前記原稿画像データと前記スタンプ画像データとを合成し、この結果を前記印刷画像データとして出力する画像データ合成手段とを具備することを特徴とする自動押印装置。
(3) 本件決定は、別紙異議の決定書写し記載のとおり、本件発明が、刊行物1(特開平5-103121号公報、甲3、以下「引用例1」という。)及び刊行物2(特公平4-30020号公報、甲4、以下「引用例2」という。)に記載された各発明(以下「引用発明1」及び「引用発明2」という。)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないとしたものである。
2 原告主張の本件決定の取消事由の要点 本件決定は、本件発明と引用発明1との相違点の判断において、引用発明2の認定を誤ったものである(取消事由)から、違法として取り消されるべきである。
(1) 本件発明と引用発明1との相違点(イ)が、本件決定認定のとおり、「前者(注、本件発明)における自動押印装置が、画像データ出力手段に供給された1組の画像データ群毎にセット番号を付番する付番手段を有し、付番手段によって付番されたセット番号を含むものをスタンプ画像データとしているのに対し、後者(注、引用発明1)における自動押印装置は、ページ番号を含むものをスタンプ画像データとしている点」(4頁)であることは認める。
しかし、本件決定が、上記相違点(イ)の検討において、引用発明2について、「キー13が押されているときの入力されたコピー枚数のコピーごとにひとつずつ増加していく一連番号は、1組の画像データ群毎に付番されるセット番号ということができ、また、当該一連番号は、原稿の画像に合成して複写されるものであるから、引用刊行物2(注、引用例2)には、前者の相違点(イ)に係る構成が記載されている」(5頁)と認定したことは、以下のとおり、誤りである。
(2) すなわち、引用例2(甲4)には、「第1図に図示したように、本発明による複写装置は複写機本体4とこれと開閉自在に取り付けられた押え板(圧板ともいう)2から成っており、原稿台3に原稿を載せて従来の方法に従って複写が行われる。」(3欄)、「通常コピー枚数はキー6を押下することによりテンキー5を用いて入力することが可能であり、」(同欄)と記載されている。
したがって、引用発明2では、まず、原稿台3に1枚の原稿を載せ、キー6を押下することによりテンキー5を用いてコピー枚数を入力し、キー13を押し、コピーボタンを押すと原稿台3に載せた1枚の原稿に対する、テンキー5により設定した枚数のコピーそれぞれに1つの番号が付けられ、次に、2枚目の原稿を原稿台3に載せ、コピーボタンを押すと、原稿台3に載せた2枚目の原稿に対する、テンキー5を用いて設定した枚数のコピーそれぞれに次の番号が付けられることになる。
この点について、本件発明と対比してみるに、本件特許の願書に添付された図5(b)(別紙参考図1(以下「参考図1」という。))によれば、本件発明の実施例において、ナンバリング情報として印刷物のセット番号を選択した場合、原稿群毎にセット番号が付与されることが開示されている。これに対し、引用発明2においては、別紙参考図2(以下「参考図2」という。)に示すように、コピー群毎に番号が付与されるものであり、その付与される番号は、本件発明における「セット番号」とは概念を異にするものである。つまり、本件発明においては、原稿群毎に一連の番号(セット番号)が自動的に付されるのに対し、引用発明2においては、コピー群毎に一連の番号が付され、しかも、1つのコピー群の印刷が終了する毎にコピーボタンを押さなければならないのである。
このように、引用発明2における、キー13が押されているときの入力されたコピー枚数のコピーごとにひとつずつ増加していく一連番号は、セット番号とは概念を異にするものである。
(3) 被告は、引用発明2が参考図1に相当する番号の付与の技術思想を開示しているとする根拠として、引用例2に「複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与したり、」(7欄)との記載があることを挙げている。
しかし、引用例2の上記記載の意味を解釈するには、引用例2の全体の記載を考慮しなくてはならない。まず、引用例2の記載(6〜7欄)によれば、引用発明2においては、「複写開始命令の入力毎に一連番号の値を更新する」ことによって、「複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与」でき、「設定枚数に応じた複数回の複写の各々の複写の実行毎に一連番号の値を更新する」ことによって、「頁番号を付与することができ」るのである。
さらに、引用例2の実施例の記載(3〜4欄)によれば、上記「複写開始命令の入力毎に一連番号の値を更新する」との記載と、実施例における「キー13が押されている時はコピーボタンが押されるごとに即ち、入力されたコピー枚数のコピーごとに一連番号をひとつずつ増加させる」との記載が対応し、上記「設定枚数に応じた複数回の複写の各々の複写の実行毎に一連番号の値を更新する」との記載と、実施例における「キー12が押されると1枚コピーされるごとに一連番号をひとつずつ増加させ、」との記載とが対応しているのである。
したがって、引用発明2は、「キー13が押されている時はコピーボタンが押されるごとに即ち、入力されたコピー枚数のコピーごとに一連番号をひとつずつ増加させる」ことによって、「複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与」することを開示しているものである。つまり、「複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与」するとは、それぞれ1枚毎の原稿をそれぞれ複数部コピーする場合、各コピー毎に識別するための番号を付与することをいい、例えば、2枚の原稿があり、3部コピーをする場合は、1枚の原稿に対する3枚のコピーに1つの番号を付与し、次の1枚の原稿に対する3枚のコピーに次の番号を付与し、3枚のコピーと次の3枚のコピーとが識別できるようにしたことを意味し、これはまさに参考図2に示された番号の付与と同じ内容である。
(4) また、被告は、各部を識別するための番号を付与する場合は、キー13が押されているときに、コピー1枚毎にコピーボタンを押せば付与する番号が1から順に更新され、部数分のコピー枚数毎に番号を1に戻し、次の原稿のコピーについてこれを繰り返せばよいと主張する。
確かに、引用発明2において、被告主張の操作が技術的に可能であることは認めるが、引用例2の上記記載からみて、キー13に関しては、そもそもコピー1枚毎にコピーボタンを押すようなことは想定されていない。また、引用発明2において、部数分のコピー枚数毎に番号を1に戻さなければならないような使い方は想定しておらず、行ったとしてもコピーボタンを何回押したかを記憶しておく必要があったり、いちいち番号を1に戻したりする必要がある。
したがって、被告の上記例示は、引用発明2では想定外の使い方であり、
本件発明を理解することによって初めて想定されるものであって、いわば後知恵にすぎないものである。
(5) 次に、本件決定が、「本件発明の作用効果は、引用発明及び引用刊行物2(注、引用例2)に記載された発明から予測し得る範囲のものにすぎないものである。」(5〜6頁)と認定判断したことも、誤りである。
すなわち、引用発明1及び2においては、セット番号を自動的に付与するという本件発明の技術的思想は見られず、引用発明2に関する誤った前記のような認定判断に基づいて、本件発明の作用効果を予測できるとしたものである。
(6) さらに、本件決定が、「特許権者(注、本訴原告)は、・・・特許異議意見書において、「しかしながら、刊行物C(注、引用例2)に記載された発明において、このようなことを実現するには、原稿を1枚複写するごとに人間がキー12〜16を複雑に操作し、いちいちコピーボタンを押さなければならない。なる程、
このような複雑な操作をすればセット番号を付与することは可能であろうが、セット番号を自動的に付与するという本件発明の技術思想は刊行物Cには開示されていない。」と主張しているが、番号を自動的に付与することは引用発明(注、引用発明1)に記載されている事項であるから、上記特許権者の主張は採用できない。」(6頁)と判断したことも、誤りである。
すなわち、引用発明2は、セット番号を付与するという本件発明の技術的思想を開示しておらず、上記特許異議意見書においては、引用発明2においてセット番号を付与しようとした場合、原稿を1枚複写するごとに人間がキー12〜16を複雑に操作し、いちいちコピーボタンを押さなければならないと述べたのであり、上記特許異議意見書の主張は正しいものである。
3 被告の反論の要点 本件決定の認定・判断は正当であり、原告主張の取消事由は理由がない。
(1) 原告の主張は要するに、引用発明2では参考図2のように頁番号が付与できるだけであって、参考図1のように部数を表す番号を付与できないというものである。
しかし、引用例2には、原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与することが明確に記載されているのである(2欄7〜10行、6欄31行〜7欄5行)。各部を識別するための番号とは、参考図1に相当するものであることが明らかであって、原告が主張するような、参考図2のように頁を表す番号ではあり得ない。すなわち、引用発明2の「複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与」することは、「セット番号を付与」することにほかならない。
(2) 本件決定の「キー13が押されているときの入力されたコピー枚数のコピーごとにひとつずつ増加していく一連番号は、1組の画像データ群毎に付番されるセット番号ということができ」(5頁)という記載の趣旨を補足すると、各部を識別するための番号を付与する場合には、例えば、キー13が押されているときに、
コピー1枚毎にコピーボタンを押せば付与する番号が1から順に更新され、部数分のコピー枚数毎に番号を1に戻し、次の原稿のコピーについてこれを繰り返せばよいのである。
また、例えば、キー12を使用して各部を識別するための番号を付与する場合には、付与する番号を1にセットして必要部数分のコピー枚数を入力してコピーボタンを押せば付与する番号が1から順に更新され、1枚の原稿について必要部数分のコピーが終了する毎に番号を1に戻し、次の原稿のコピーについてこれを繰り返せばよいのである。
(3) 原告は、本件決定における上記のような引用発明2の認定判断には誤りがあるから、本件決定が本願発明の作用効果を予測できるとしたこともまた誤りであると主張するが、上記のとおり、本件決定における引用発明2の認定に、誤りはない。
(4) また、原告は、本件決定中の特許異議意見書について言及した個所について、引用発明2にはセット番号を付与するという技術思想が開示されていないから誤りであると主張するが、引用発明2にセット番号を付与する技術思想が開示されていることは、上記のとおりである。
当裁判所の判断
1 本件発明と引用発明1との相違点(イ)が、本件決定の認定のとおり、「前者(注、本件発明)における自動押印装置が、画像データ出力手段に供給された1組の画像データ群毎にセット番号を付番する付番手段を有し、付番手段によって付番されたセット番号を含むものをスタンプ画像データとしているのに対し、後者(注、引用発明1)における自動押印装置は、ページ番号を含むものをスタンプ画像データとしている点」(4頁)であることは、当事者間に争いがない。
2 原告は、本件決定が、上記相違点(イ)の検討において、引用発明2に関し、「キー13が押されているときの入力されたコピー枚数のコピーごとにひとつずつ増加していく一連番号は、1組の画像データ群毎に付番されるセット番号ということができ、また、当該一連番号は、原稿の画像に合成して複写されるものであるから、引用刊行物2(注、引用例2)には、前者の相違点(イ)に係る構成が記載されている」(5頁)と認定したことが誤りであると主張するので、以下検討する。
(1) 引用例2(甲4)には、「原稿の画像に一連番号を合成して複写でき、さらに必要に応じて一連番号の更新方法を選択、変更できる複写装置を提供することを目的とする。」(2欄)、「キー13が押されている時はコピーボタンが押されるごとに即ち、入力されたコピー枚数のコピーごとに一連番号をひとつずつ増加させることができる」(3〜4欄)、「このように本発明の実施例によれば、・・・また一連番号が入つているためコピーの整理や順番のチェックを短時間に行なうことができるなど種々の利点が得られる。以上のように、本発明の複写装置によれば、原稿の画像に一連番号を合成して複写でき、しかも一連番号の値の更新方法について、複写開始指令の入力毎に一連番号の値を更新するか、設定枚数に応じた複数回の複写の各々の複写の実行毎に一連番号の値を更新するかを選択できる。即ち、使用者の必要に応じて一連番号の更新方法を選択、変更でき、複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与したり、頁番号を付与することができ、複写物の管理が容易になるという優れた効果が得られる。」(6〜7欄)と記載されている。
上記記載、とりわけ「複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与したり、頁番号を付与することができ」との記載によれば、
引用発明2においては、複写物の整理のために、複数枚、すなわち複数頁を有するまとまりのある原稿を、複数部コピーしようとする場合、その頁番号を付与するのみならず、複数部の各々を識別するための一連の番号を付与することも可能とされていることが明らかであり、そのための実施例の1つとして、キー13が押されているときに、コピー1枚毎にコピーボタンを押せば、付与する番号が1から順に更新され、複写しようとする部数分のコピーが終了した後に番号を1に戻し、次の原稿のコピーについてこれを繰り返すことにより、各部を識別するための番号をそれぞれの複写されたコピーに付与することが開示されているものと認められる。
他方、例えば、引用例1(甲3)に、【産業上の利用分野】として「本発明は、デジタル式複写機に係り、例えば電子写真方式のデジタル式複写機に関する。」(【0001】)と、【従来の技術】として「近年、複写機のデジタル化に伴い、複写機においては原稿画像を編集、加工処理が行われるようになってきている。」(【0002】)と記載されているように、原稿の画像データに基づきコピーを形成するデジタル式複写機も、本件特許の出願当時周知であったといえる。
そして、上記周知技術を認識している当業者が、上記引用発明2に接すれば、まとまりのある複数頁の原稿からなる画像データ群の各々を識別するために、
該原稿の画像データ群毎に一連の番号を付与することを、容易に理解できるものといわなければならない。
したがって、当業者は、引用発明2に、まとまりのある複数頁の原稿からなる画像データ群の各々を識別するために、一連の番号、すなわち、「セット番号」を原稿群毎に付与するという、上記相違点(イ)に係る構成が開示されているものと容易に認識するものと認められ、これに反する原告の前記主張は、採用することができない。
(2) 原告は、引用発明2においては、参考図2に示すように、コピー群毎に番号が付与されるものであり、その付与される番号は、本件発明のような「セット番号」とは概念を異にするものであると主張する。
原告のこの点の主張は、引用例2に記載された「複数枚の原稿を複数部コピーする場合、各部を識別するための番号を付与したり、頁番号を付与」することとは、複数枚の原稿の各1枚毎をそれぞれ複数部コピーする場合において、各コピー群毎にこれを識別するための番号を付与することを意味するとの解釈に基づくものである。しかしながら、このような解釈は、引用例2の記載を正解しないものであって、採用することができない。
また、原告は、引用例2の前記「キー13が押されている時はコピーボタンが押されるごとに即ち、入力されたコピー枚数のコピーごとに一連番号をひとつずつ増加させることができる」との記載に関して、前記(1)認定のような実施例の操作が技術的に可能であることは認めるものの、引用発明2では、キー13に関してコピー1枚毎にコピーボタンを押すようなことは想定されておらず、同様に、部数分のコピー枚数の終了毎に番号を1に戻さなければならないような使い方も想定されておらず、仮に行ったとしても、コピーボタンを何回押したかを記憶しておく必要があったり、番号を1に戻したりする必要があるから、いずれにしても、引用発明2では想定外の使い方である旨主張する。
しかしながら、引用発明2において、上記のように技術的に可能な操作方法が想定外であるとの主張は、明細書の記載等の客観的根拠に基づかない原告の独断にすぎず、かえって、上記の操作方法は、引用発明2自体が、前示のとおり、複写物の整理のために、複数頁の原稿を複数部コピーしようとする場合、複数部の各々を識別するための一連の番号を付与することを可能としていることとも合致するものであるから、原告の上記主張は、到底、採用することができない。
3(1) 原告は、本件決定が、「本件発明の作用効果は、引用発明及び引用刊行物2(注、引用例2)に記載された発明から予測し得る範囲のものにすぎないものである。」(5〜6頁)と認定判断したことについて、引用発明2に関する誤った前記の認定判断に基づいて、本件発明の作用効果を予測できるとしたものであって、
誤りである旨主張する。
しかしながら、引用発明2に関する認定判断に誤りがないことは、前示のとおりであり、原告の主張は、前記同様に、採用することができない。
(2) また、原告は、本件決定が、「特許権者(注、本訴原告)は、・・・特許異議意見書において、「しかしながら、刊行物C(注、引用例2)に記載された発明において、このようなことを実現するには、原稿を1枚複写するごとに人間がキー12〜16を複雑に操作し、いちいちコピーボタンを押さなければならない。なる程、このような複雑な操作をすればセット番号を付与することは可能であろうが、セット番号を自動的に付与するという本件発明の技術思想は刊行物Cには開示されていない。」と主張しているが、番号を自動的に付与することは引用発明(注、引用発明1)に記載されている事項であるから、上記特許権者の主張は採用できない。」(6頁)と判断したことに関しても、引用発明2が、セット番号を付与するという本件発明の技術的思想を開示しておらず、しかも、引用発明2においてセット番号を付与しようとした場合、原稿を1枚複写するごとに人間がキー12〜16を複雑に操作し、いちいちコピーボタンを押さなければならないから、上記特許異議意見書の主張は正しいと主張する。
しかしながら、引用発明2に、セット番号を付与するという本件発明の技術的思想が開示されていることは、前示のとおりであるから、原告の上記主張も採用することができない。
4 結論 以上のとおり、本件発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、これと同旨の本件決定には誤りがなく、その他本件決定に取り消すべき瑕疵は見当たらない。
よって、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 青柳馨
裁判官 清水節
裁判官 上田卓哉
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