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関連審決 不服2015-11975
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事件 平成 28年 (行ケ) 10159号 審決取消請求事件

原告 日本テクノ株式会社
訴訟代理人弁護士 吉原崇晃 弁理士 工藤一郎
被告 特許庁長官
指定代理人藤井昇 久保竜一 野崎大進 板谷玲子
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2017/03/21
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求の趣旨
特許庁が不服2015-11975号事件について平成28年6月14日にした審決を取り消す。
事案の概要
本件は,特許出願拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,進歩性の有無である。
1 特許庁における手続の経緯 原告は,名称を「デマンドカレンダー,デマンドカレンダー作成装置,デマンドカレンダー作成方法」とする発明につき,平成22年12月6日(本願出願日)に出願した特願2010-271825号の一部を,平成26年2月10日に新たな特許出願(特願2014-23032号)として分割出願した(甲1)が,平成27年3月20日付けで拒絶査定を受けた(甲4)。
原告は,同年6月24日,拒絶査定不服審判請求をした(不服2015-11975号。甲5)。
特許庁は,平成28年6月14日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,同審決謄本は,同月24日,原告に送達された。
2 本願発明の要旨 本件出願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(本願発明)は,以下のとおりである(甲1)。
「一の電気料金請求期間を一枚に収め,かつ同期間の最初の日から最後の日まで日単位で一定区画を占有させ,同じ週の各日の区画は左から右へ横方向に並べ,同じ曜日の各日の区画は上から下へ縦方向に並べて配置されたカレンダーであって, 各日の区画の横軸として,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように左から右へ向かう時間経過で配置される時刻軸と, 各日の区画の縦軸として,横方向に眺めた場合に同じ週の各日の区画にて同じデマンド値の目盛となるように配置されるデマンド値軸と, 各日の区画にて前記各軸の目盛に従って各デマンド時限のデマンド値を指示するデマンド値指示と,を有し, 各日の区画は,各日の日出時刻と日没時刻を前記時刻軸の目盛に従って指示する日出没時刻指示をさらに有するデマンドカレンダー。」 3 審決の理由の要点 (1) 特開2006-285483号公報(甲7。引用文献)記載の発明(引用 発明)の認定 「横軸として,左から右へ向かう時間経過で配置される時刻軸と, 縦軸として,デマンド値の目盛が配置されるデマンド値軸と 軸の目盛に従って30分間ごとのデマンド値を表示する棒グラフと,を有するデータ閲覧画面。」 (2) 本願発明と引用発明との対比 (一致点) 「横軸として,左から右へ向かう時間経過で配置される時刻軸と, 縦軸として,デマンド値の目盛が配置されるデマンド値軸と, 軸の目盛に従ってデマンド時限のデマンド値を指示するデマンド値指示と,を有するカレンダー表示。」 (相違点1) 本願発明は,一の電気料金請求期間を一枚に収め,かつ同期間の最初の日から最後の日まで日単位で一定区画を占有させ,同じ週の各日の区画は左から右へ横方向に並べ,同じ曜日の各日の区画は上から下へ縦方向に並べて配置されたカレンダーであるのに対し,引用発明は,そのような表示ではないデータ閲覧画面である点。
(相違点2) 左から右へ向かう時間経過で配置される時刻軸について,本願発明では,各日の区画の横軸として,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように配置されるのに対し,引用発明では,そのような特定がない点。
(相違点3) デマンド値の目盛が配置されるデマンド値軸について,本願発明では,各日の区画の縦軸として,横方向に眺めた場合に同じ週の各日の区画にて同じデマンド値の目盛となるように配置されるのに対し,引用発明では,そのような特定がない点。
(相違点4) デマンド値指示について,本願発明では,各日の区画にて各軸の目盛に従って各 デマンド時限のデマンド値を指示するのに対し,引用発明では,そのような特定がない点。
(相違点5) 本願発明は,各日の区画は,各日の日出時刻と日没時刻を時刻軸の目盛に従って指示する日出没時刻指示を有するのに対し,引用発明では,そのような特定がない点。
(3) 相違点の判断 ア 相違点1〜4について (ア) 特開2008-77345号公報(甲8文献)からは,以下の技術的事項(甲8発明)を把握することができる。
「1ヶ月を指定された表示対象期間として,一画面に表示し,かつ,表示対象期間の最初の日から最後の日まで日単位で一定区画を占有させ,同じ週の各日の区画は左から右へ横方向に並べ,同じ曜日の各日の区画は上から下へ縦方向に並べて配置されたカレンダーであって, 各日の区画の横軸として,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように左から右へと向かう時間経過で配置される時刻軸と, 各日の区画の縦軸として,横方向に眺めた場合に同じ週の各日の区画にて同じ消費された電力量の実績値の目盛となるように配置される消費された電力量の実績値の軸と, 各日の区画にて各軸の目盛に従って所定の時間毎の消費された電力量の実績値を表示する消費された電力量の実績値の棒グラフによる表示と,を有する 省エネ支援カレンダー。」 (イ) 甲8発明は,少なくとも曜日別等,複数の日のエネルギー消費量(消費された電力量)の比較を容易とすることを意図したものであり,上記エネルギー消費量(消費された電力量)はグラフの形式で比較できるような態様で表示されたものである。そして,複数のグラフの比較を行う場合,軸のスケールを合わせて並 べることは技術常識というべきであって,甲8文献の図3,図6からみても時間軸及びエネルギー消費量(消費された電力量)の軸が,縦串,横串で比較可能となるように表示されると解するのが自然である。
また,一の電気料金請求期間は,通常1か月を単位とするものであり,甲8発明における,エネルギー消費量(消費された電力量)の実績値とは,過去のデータを意味することは明らかであるから,甲8発明の表示対象期間を「一の電気料金請求期間」とすることは,当業者が適宜採用し得ることである。
一方,引用文献には,平均使用電力値であるデマンド値を抑制することで,電気料金を軽減することができる点,及びデータ閲覧画面として「日次データ」の他に「月次データ」が表示可能な点が記載されており,1か月のデマンド値を同時に表示して比較することが示唆されている。
引用発明と甲8発明とは,いずれも,電力消費の変動を表示するためのグラフに関するものであって,しかも,電力消費を抑制しようとするためのものである。
(ウ) よって,甲8発明を併せ考えてみれば,引用発明において上記相違点1〜4に係る本願発明の構成を採用することは,当業者が格別な創作能力を要さずになし得たことである。
イ 相違点5について 国際公開第2009/151078号(甲9文献)には,電気機器の電力消費量を表示するとともに,日の出・日の入りの時刻を基準に設定した消費電力を監視するタイムゾーンを同じ画面に表示した点(甲9発明)が開示されている。また,照明機器が日の入りから日の出までの夜間に使用されることが多いことや,暖房機器や冷房機器が日の入りや日の出に応じて使用されることが多いことは,広く知られていることであって,そうしたことを踏まえれば,電力使用量の変化が日出時刻や日没時刻に関連があることは,当業者が,ごく普通に認識することというべきである。
以上のことから,デマンド値のグラフを日出時刻や日没時刻が分かるように表示 することは,当業者が適宜採用し得ることである。
よって,引用発明において,日出時刻と日没時刻を時刻軸の目盛に従って指示するように構成し,上記相違点5に係る本願発明の構成を採用することも,当業者が格別な創作能力を要さずになし得た域を出ることではない。
(4) 本願発明の構成により,引用発明,甲8発明及び甲9発明からみて格別顕著な効果が奏されるものともいえない。
(5) 以上のとおりであるから,本願発明は,引用発明,甲8発明及び甲9発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
原告主張の審決取消事由
審決は,次のとおり判断を誤ったものであり,取り消されるべきである。
1 審決は,本願発明と引用発明との一致点を前記第2,3(2)のとおり認定したが,このうち,本願発明における「カレンダー」の概念と引用発明における「データ閲覧画面」の概念とは,カレンダー表示」 「 という概念で共通すると認定した点に,誤りがある。
「カレンダー」といえるためには,少なくとも曜日の表示が必要であるが,引用発明のデータ閲覧画面には,曜日の表示がない。
2 審決は,@引用発明には,平均使用電力値であるデマンド値を抑制することで,電気料金を軽減することができる点が記載されていること,及び1か月のデマンド値を同時に表示して比較することが示唆されていること,並びにA引用発明と甲8発明とは,いずれも,電力消費の変動を表示するためのグラフに関するものであって,しかも,電力消費を抑制しようとするためのものであることを根拠に,動機付けの存在を認めている。
しかし,引用文献には, 「月次データ」すなわち月内の日ごとのデータを表示することが可能という記載はあるが,その月次データの表示とする意図が記載されておらず,かつ, 「日次データ」と「週次データ」とが並列的に列挙されていることからすると,日ごとの比較を意図したアイデアであるとは考えないのが自然である。
「デ マンド値」とは,最大需要電力すなわち30分単位における平均使用電力を算出し,その算出結果のうち1か月の中で最も大きい値のことである。デマンド値を改善するためには電力消費のパターンを知ることが重要であり,そのパターン発見に重要な要素がカレンダー概念の要素とされる月や曜日などの記載を含めた情報整理である。引用発明では,カレンダー形式や曜日などでの情報整理という問題意識が存在せず,課題解決手法に思い至っていないのであるから,デマンド値を改善するとの課題を解決する技術として,甲8発明に記載のカレンダーや曜日などでの情報整理技術を適用する動機付けは,引用発明を見た当業者に生じ得ない。
また,引用発明では,デマンド値を抑えることが目的であるのに対して,甲8発明では,省エネルギーが目的であって, 「デマンド値」を下げることが省エネルギーにつながるわけではない。通常,省エネルギーは,一定の目標を立てて,単純に電力消費量の目標値と実際の値を比較して,当初の目標が達成されたか否かを問題とすることが多いが,デマンド値においては,単純に電力消費量の比較をすることは意味がない。このように,デマンド値と省エネルギーの分野とでは,比較する対象及び目的が異なるから,出力内容において解決すべき課題も異なる。したがって,引用発明と甲8発明とでは,技術分野の関連性は認められない。
さらに,デマンド値の比較においては,電力の基本料金が1年間を通じた最大デマンド値によって決められることから,1年の中で,特定のシーズンの特定の曜日のうちの特定の時間の電力消費の傾向を発見することが重要となる。それゆえに,「縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように」なることの作用効果は大きい。これに対して,甲8発明の目的は省エネルギーにあり,ピークとは無関係に毎日目標との関係を追えば足りるのであるから,甲8文献において「縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように」配置されるという技術的思想を把握することはできない。
以上より,引用発明に甲8発明を適用する動機付けが存在しないから,引用発明に甲8発明を組み合わせることはできず,相違点1〜4に係る本願発明の構成を採 用することはできない。
被告の主張
1 前記第3の1の主張について「カレンダー」というためには, 「曜日」の表示を必要としないから,引用発明は,「カレンダー表示」ということができる。
2 前記第3の2の主張について (1) 原告は,「デマンド値」が「最大需要電力すなわち30分単位における平均使用電力を算出し,その算出結果のうち1か月の中で最も大きい値」であると主張する。
しかし,引用発明の「デマンド値」は,本願発明における「デマンド値」と同様に,30分間(デマンド時限)における平均使用電力を意味するものであり,1か月の中で最も大きい値という意味を含んでいない。
(2) 引用文献では,特定の日内のデータを把握するためであれば日次データで足りるところを,「月次データ」を表示可能とする旨をあえて示しているのであり,同時に表示された日ごとのデータを比較する意図が示されているから,引用文献中には甲8発明を適用することを示唆する記述があるといえる。
(3) 引用発明の「デマンド値」とは,デマンド時限という一定の時間区画において使用され消費された電力の実績値の平均であり,甲8発明の「所定時間毎の消費された電力量の実績値」とは,平均かどうかは明示されていないものの,一定の時間区画において使用され消費された電力のことである。したがって,両者は,いずれも一定の時間区画において使用され消費された電力であるという点において共通しているから,引用発明と甲8発明とは,いずれも「電力消費」の変動を表示するためのグラフに関するものである。
そして,引用発明の「データ閲覧画面」は,これを見た「電気料金の削減」を行おうとする者に対して実際に使用された電力量を示すものであり,そのことによって電力消費の抑制による電気料金の削減を自然に考慮させることになるし,さらに は,日ごとに表示された棒グラフのそれぞれの面積が棒グラフのそれぞれに対応するデマンド時限において使用された電力量を反映していることに照らすと,個別のデマンド時限毎の電力消費の抑制をも併せ考慮させることになる。
したがって,引用発明と甲8発明とは,いずれも電力消費抑制のためのものであり,電気料金の削減や省エネルギーを促すものであるということができる。
当裁判所の判断
1 本願発明の概要 (1) 本願発明の明細書及び図面(甲1。本願明細書)には,以下の記載がある。
【技術分野】 【0001】本発明は,電気料金請求期間のデマンド値を表示するデマンドカレンダーと,当該デマンドカレンダーを作成する装置及び作成する方法に関する。
【背景技術】 【0002】従来,デマンド値などの変化をグラフ表示により利用者に把握させる技術が存在する。例えば特許文献1においては,時間別のエネルギー消費量や日別のエネルギー消費量を各画面のバーグラフとして表示することが可能な情報システムが開示されている。
【先行特許文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2006-60360 【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0004】しかしながら,従来技術においては,各日の各デマンド時限のデマンド値を把握しつつ,他の複数の日のデマンド値と比較することが難しかった。例えば,特許文献1においては,時間別のエネルギー消費量や日別のエネルギー消費量を各画面においてそれぞれ表示することはできるものの,一画面で同時に表示することはできなかった。このため,利用者は例えばある日の所定時間帯(例えば,15時00分〜15時30分)のエネルギー消費量と別の日のエネルギー消費量を比較する場合,ある日のエネルギー消費量を記憶した上で画面の切り替えを行い,他の複数の日のエネルギー消費量と比較する必要があった。
【0005】以上の課題を解決するために,一の電気料金請求期間を一枚に収め,かつ同期間の最初の日から最後の日まで日単位で一定区画を占有させ,同じ週の各日の区画は左から右へ横方向に並べ,同じ曜日の各日の区画は上から下へ縦方向に並べて配置されたカレンダーであって,各日の区画の横軸として,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように左から右へ向かう時間経過で配置される時刻軸と,各日の区画の縦軸として,横方向に眺めた場合に同じ週の各日の区画にて同じデマンド値の目盛となるように配置されるデマンド値軸と,各日の区画にて前記各軸の目盛に従って各デマンド時限のデマンド値を指示するデマンド値指示と,を有するデマンドカレンダーを提案する。
【発明の効果】 【0008】以上のような構成をとる本発明によって,ある日のデマンド値を把握しつつ,視線をそのまま横方向又は縦方向にずらすことによって他の複数の日のデマンド値と容易に比較することが可能になる。
【0011】<<実施形態1>> 【0012】<デマンドカレンダー> 図1は,本実施形態のデマンドカレンダーの一例を示した図である。この図に示すように,本実施形態の「デマンドカレンダー」0100は,一の電気料金請求期間(例えば,2010年9月8日〜2010年10月7日)を一枚に収め,かつ同期間の最初の日から最後の日まで日単位で「一定区画」を占有させ,同じ週の各日の区画は左から右へ横方向に並べ,同じ曜日の各日の区画は上から下へ縦方向に並べて配置されたカレンダーである。図1に示すように,各日の区画には,通常のカレンダーと同様に,その日の日付が表示されている。
【図1】 【0013】図2は,本実施形態のデマンドカレンダーの各日の区画の一例を示した図である。この図に示すように,本実施形態のデマンドカレンダーの「各日の区画」0200は, 「時刻軸」0201と, 「デマンド値軸」0202と, 「デマンド値指示」0203と,を有する。ここで,デマンド値とはデマンド時限における平均使用電力のことをいう。また,デマンド時限は電力会社などが設定した時間の区切りであり,例えば「0〜30分,30〜60分」の30分間単位が考えられる。
【図2】 【0014】デマンド値は,電気料金の基本料金の計算に使用されたり,契約電力の基準となったりするため,過去所定期間(例えば,過去12カ月)の最大値を更新しないように過去の電力使用の状況を鑑みて対策を立てる必要がある。
【0015】 「時刻軸」は,各日の区画の横軸として,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように左から右へ向かう時間経過で配置される。図3は,ある日の区画と翌週の同じ曜日の区画を示した図である。この図にあるように,一の区画にて所定のデマンド時限のデマンド値を把握し,縦方向に視線をずらすことによって他の区画の同デマンド時限のデマンド値と容易に比較することが可能になる。
【図3】 【0016】また, 「デマンド値軸」は,各日の区画の縦軸として,横方向に眺めた場合に同じ週の各日の区画にて同じデマンド値の目盛となるように配置される。
図4は,ある日の区画と翌日の区画を示した図である。この図にあるように,一の 区画においてピークデマンド値を把握し,横方向に視線をずらすことによって他の区画のピークデマンド値と容易に比較することが可能になる。
【図4】 【0051】<効果> 以上のような構成をとる本発明によって,各日の各デマンド時限のデマンド値を把握しつつ,視線をずらすことのみによって,同じ週の他の日のデマンド値や,他の週の同じ曜日のデマンド値と容易に比較することが可能になる。
【0097】<<実施形態5>> 【0098】<デマンドカレンダー> 図18に示すように,本実施形態のデマンドカレンダーは,基本的に実施形態1に記載のデマンドカレンダーと同様であるが,各日の区画は,各日の日出時刻・と日没時刻を前記時刻軸の目盛に従って指示する日出日没指示(1801)をさらに有することを特徴とする。
【図18】 【0099】時刻軸の目盛に従って日出時刻と日没時刻を指示することによって,各日のデマンド値を比較する際に,日出時刻や日没時刻も考慮に入れることが可能になり,デマンド値の比較をさらに的確に行うことが可能になる。例えば,デマンド値の上昇の理由は日没に伴う照明装置などの消費電力の増加に起因するものではないかと推測することが可能になる。
【0108】<効果> 本実施形態のデマンドカレンダーでは,時刻軸の目盛に従って日出時刻と日没時刻を指示するため,各日のデマンド値を比較する際に,日出時刻や日没時刻も考慮に入れることが可能になり,デマンド値の比較をさらに的確に行うことが可能になる。
(2) 以上から,本願発明は,以下のとおりのものと認められる。
本願発明は,電気料金請求期間のデマンド値を表示するデマンドカレンダーに関する(【0001】。
) デマンド値とはデマンド時限における平均使用電力のことをいい,デマンド時限は電力会社などが設定した時間の区切りであり,例えば30分間単位が考えられる(【0013】。デマンド値は,電気料金の基本料金の計算に使用されたり,契約電 )力の基準となったりするため,過去所定期間(例えば,過去12カ月)の最大値を更新しないように過去の電力使用の状況を鑑みて対策を立てる必要がある【001 (4】。
) 従来,デマンド値などの変化をグラフ表示により利用者に把握させる技術が存在し,例えば,時間別のエネルギー消費量や日別のエネルギー消費量を各画面のバーグラフとして表示することが可能な情報システムが存在した 【0002】 。
( ) 従来技術においては,各日の各デマンド時限のデマンド値を把握しつつ,他の複数の日のデマンド値と比較することが難しかった。例えば,時間別のエネルギー消費量や日別のエネルギー消費量を各画面においてそれぞれ表示することはできるものの,一画面で同時に表示することはできなかった(【0004】 。
) 前記の課題を解決するために,デマンドカレンダーにおいて,一の電気料金請求期間を一枚に収め,かつ同期間の最初の日から最後の日まで日単位で一定区画を占有させ,同じ週の各日の区画は左から右へ横方向に並べ,同じ曜日の各日の区画は上から下へ縦方向に並べて配置されたカレンダーであって,各日の区画の横軸として,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように左から右へ向かう時間経過で配置される時刻軸と,各日の区画の縦軸として,横方向に眺めた場合に同じ週の各日の区画にて同じデマンド値の目盛となるように配置されるデマンド値軸と,各日の区画にて前記各軸の目盛に従って各デマンド時限のデマンド値を指示するデマンド値指示と,を有する構成を採用した(【0005】。
)ここで,さらに,各日の区画は,各日の日出時刻と日没時刻を前記時刻軸の目盛に従って指示する日出日没指示を有する構成を採用した(【0098】 。
) 本願発明により,ある日のデマンド値を把握しつつ,視線をそのまま横方向又は縦方向にずらすことによって,同じ週の他の日や,他の週の同じ曜日のデマンド値 と容易に比較することが可能になる。横方向に視線をずらす場合には,他の区画のピークデマンド値と容易に比較することが可能になる(【0008】 【0015】 , ,【0016】【0051】 。
, ) また,本願発明では,時刻軸の目盛に従って日出時刻と日没時刻を指示するため,各日のデマンド値を比較する際に,日出時刻や日没時刻も考慮に入れることが可能になり,デマンド値の比較をさらに的確に行うこと,例えば,デマンド値の上昇の理由は日没に伴う照明装置などの消費電力の増加に起因するものではないかと推測することが可能になる(【0099】【0108】。
, ) 2 引用発明の認定 (1) 引用文献(甲7)には,以下の記載がある。
【技術分野】 【0001】本発明は,情報処理装置,情報処理方法,およびプログラムに関し,特に,信頼性が高く,かつ,多機能な遠隔管理システムを提供することができるようにする情報処理装置,情報処理方法,およびプログラムに関する。
【背景技術】 【0002】遠隔地に配置された所定の機器(制御装置など)のデータを,所定の通信網を介してデータサーバに蓄積させ,データサーバに蓄積されたデータを通信網を介して受信することにより,遠隔地にある機器のデータを,手元の端末装置で確認することができる遠隔監視システムがある。
【0003】このような遠隔監視システムには,自社の機器の管理を行うために自身でシステムを構築するものの他に,ユーザが,遠隔管理システムによるサービスを提供している事業者と契約し,所定のサービス使用料(課金)を支払うことにより,事業者が構築した遠隔監視システムを用いて,遠隔地にある自身の機器のデータを確認することができるようにしたものもある。
【0004】ところで,サービス使用料などのユーザの課金状況(課金情報)に応じて,ユーザに提供するサービスの種類を変更することは,様々なサービスで行われている・・・。
【0005】遠隔監視システムを用いたサービスにおいても,サービスを利用す るユーザの課金状況に応じて,提供するデータを変更したり,提供するサービスを拡充することが要請されている。
【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0007】しかしながら,遠隔監視システムを再構築(バージョンアップ)するために,現在のシステムを用いたサービスを中断すると,現在サービスを利用しているユーザの不利益となるため,現在のサービスを中断させずに,新たな遠隔監視システムを構築する必要がある。
【0008】本発明は,このような状況に鑑みてなされたものであり,信頼性が高く,かつ,多機能な遠隔管理システムを提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】 【0009】本発明の情報処理装置は,所定の機器が取得した値であるデータを,第1の通信網を介して機器から受信し,蓄積する処理を行う第1の処理手段と,機器と離れた位置にあって,ユーザにより操作される端末装置からの要求に応じて,端末装置の画面上にデータを表示させる表示制御情報を,第2の通信網を介して端末装置に送信する処理を行う第2の処理手段とを備え,第1の処理手段は,第1の通信網を介して,所定の時間間隔で機器から送信されてくるデータを受信する受信手段と,受信手段で受信されたデータを記憶する第1のデータベースと,第2の処理手段からのデータの要求を受信し,第1のデータベースに記憶されているデータのうちの,第2の処理手段にまだ送信していないデータである差分データを第2の処理手段に送信する第1の送受信手段とを有し,第2の処理手段は,第1の処理手段にデータの要求を送信し,差分データを第1の処理手段から受信する第2の送受信手段と,第2の送受信手段が受信した差分データを記憶することにより,第1のデータベースと同一のデータを記憶する第2のデータベースと,端末装置において入力されたユーザを識別するユーザ識別情報に基づいて,ユーザの情報取得レベルを判別する第1の判別手段と,第2のデータベースに記憶されたデータを用いて,第1の判別手段により判別された第1の情報取得レベルに応じた第1の表示制御情報を生成する第1の生成手段と,第2のデータベー スに記憶されたデータを用いて,第1の判別手段により判別された第2の情報取得レベルに応じた第2の表示制御情報を生成する第2の生成手段と,端末装置からユーザ識別情報を受信し,ユーザの情報取得レベルに応じた第1または第2の表示制御情報を端末装置に送信する第3の送受信手段とを有することを特徴とする。
【0010】この情報処理装置は,例えば,WWW(World Wide Web)サーバおよびデータサーバとして機能するサーバなどにより構成され,機器は,例えば,電力計,温度センサ,漏電センサなどのアナログセンサやデジタルセンサからのデータを取得する機器により構成され,端末装置は,例えば,PC(Personal Computer),携帯電話機,またはPDA(Personal Digital Assistance)などにより構成される。
【0011】データは,例えば,所定の機器で取得される,所定期間における平均使用電力値であるデマンド値,温度値,漏洩電流値などの電流値,または機器内部の温度値とすることができる。また,ユーザの情報取得レベルは,所定のサービスを受けるための契約状況(課金状況)とすることができる。
【0012】表示制御情報は,例えば,30分間隔,1日単位,週単位,月単位などのデマンド値をグラフ化して表示させる画面を生成する,HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述された情報とすることができる。また,表示制御情報は,30分間隔,1日単位,週単位,月単位などのデマンド値と,温度値,または他の機器で取得されたデマンド値とを重ね合わせて表示させる画面を生成する,HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述された情報とすることができる。
【0016】 ・・・第1のデータベースにデータを蓄積する第1の処理と,表示制御情報を端末装置に送信する第2の処理とを分離することが可能となる。また,表示制御情報を,ユーザの情報取得レベルに応じて容易に変更することが可能となる。
従って,信頼性が高く,かつ,多機能な遠隔管理システムを提供することができる。
【発明の効果】 【0035】本発明によれば,信頼性が高く,かつ,多機能な遠隔 管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】 【0036】図1は,本発明を適用した遠隔監視通報システム1の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0037】遠隔監視通報システム1は,所定の機器が取得したデータ(後述するデマンド値,温度値,電流値など)を,機器から離れた位置にいて,機器が設置された店舗や工場を管理しているユーザが監視可能なサービス(遠隔監視通報サービス)を提供するシステムである。
【0038】この遠隔監視通報システム1においては,通信網12に,監視通報装置11-1乃至11-Nおよび遠隔監視通報サーバ13が接続され,通信網14に,遠隔監視通報サーバ13およびクライアント端末装置15-1乃至15-Mが接続されている。
【0039】監視通報装置11-1は,例えば,“コンビニA店”に設けられている電力計(電力メータ)41-1(後述する図2)と接続するように設置され,所定の時間(例えば,30分間(後述するデマンド時限))が経過した場合,その電力計41-1から取り込んだ電力情報(パルス)に基づいて,その時間ごとの使用電力の平均値(平均使用電力値)であるデマンド値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
【0040】ここで,デマンド値とは,電力会社との取引に使用される,30分間(デマンド時限)における平均使用電力値である。一般的に,電力会社に支払う電気料金は,使用した電力量に応じて課金される電力量料金と,デマンド値によって更新される契約電力に応じて決定される基本料金とを加算した金額となる。すなわち,一度決定した契約電力を超えて電気を使用すると,契約超過金の支払いが必要になったり,契約料金のアップにつながることになるので,デマンド値を抑制することで,電気料金を軽減することになる。
【0105】ここで,契約レベルとしては,2種類のレベルが用意されているものとする。一方の契約レベル(以下,デマンド閲覧契約Aと称する)は,ユーザが 管理する監視通報装置11だけのデータを閲覧できるサービスが提供される契約であり,デマンド閲覧契約Aのユーザが閲覧できる画面(に対応する情報)は,表示制御部154Aにより生成される。
【0106】他方の契約レベル(以下,デマンド閲覧契約Bと称する)は,ユーザが管理する監視通報装置11のデータのほかに,他の監視通報装置11のデータも比較のために閲覧できるサービスが提供される契約であり,デマンド閲覧契約Bのユーザが閲覧できる画面(に対応する情報)は,表示制御部154Bにより生成される。
【0109】表示制御部154Bは,端末送受信部151を介してクライアント端末装置15から送信されてくるユーザの操作情報に応じて,クライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させる画面の表示制御情報(第2のデマンド情報)を生成する。但し,表示制御部154Bが表示させることが可能なデータ閲覧画面は,ユーザIDに対応する監視通報装置11のデータと,それ以外の監視通報装置11のデータとの重ね合わせなどが可能であり,表示制御部154Aのそれと比べて高機能となされている。
【図7】 【0149】図7は,表示制御部154Bが,デマンド閲覧契約Bで遠隔監視通報サービスを契約しているユーザに対して表示させるデータ閲覧画面の例を示している。
【0150】図7に示すデータ閲覧画面231は,タイトル領域241,計測データ設定領域242,比較データ設定領域243,グラフ表示領域244,および詳細データ表示領域245により構成されている。
【0151】タイトル領域241は,このデータ閲覧画面231が設定(指定)された1日内のデータを表示する画面であることを表すタイトル「日次データ」を表示する領域である。
【0152】なお,表示制御部154Bが表示するデータ閲覧画面としては, 「日次データ」の他に,例えば,1週間内の日ごとのデータを表示する「週次データ」や,月内の日ごとのデータを表示する「月次データ」などが表示可能である。
【0153】計測データ設定領域242は,ユーザが管理する監視通報装置11の(電力計41-1で計測された)デマンド値をグラフ表示領域244に表示させる日付をユーザに入力させる(指定させる)領域である。計測データ設定領域242には,デフォルトとして,データ閲覧画面を操作している日(現在日)の日付が予め入力されており,それに伴い,グラフ表示領域244には,現在日の現在の時刻までに計測されたデマンド値のデータが表示されるようになっている。
【0154】また,ユーザが計測データ設定領域242のテキストボックスに年月日を入力して「移動」ボタンを押下した場合,グラフ表示領域244の表示が,テキストボックスで入力された日付のグラフに変更される。あるいは,ユーザが計測データ設定領域242の左矢印(「←」)または右矢印(「→」)ボタンを押下した場合,グラフ表示領域244の表示が,1日単位で古い方向または新しい方向の日付のグラフに変更される。
【0155】比較データ設定領域243は,グラフ表示領域244において,計測データ設定領域242で入力されたデマンド値のグラフと重ね合わせて比較表示 させるデータ(比較データ)を指定する領域である。
【0156】比較データ設定領域243において,テキストボックス,左矢印ボタン,右矢印ボタン,および「移動」ボタンが操作(入力)されることにより,計測データ設定領域242と同様に,グラフ表示領域244に表示させる日付が指定される。
【0157】また,比較データ設定領域243において, 「重ね合わせ」ボタンが押下されると,表示制御部154Bは,新たに比較データとして採用する監視通報装置11およびセンサ41-n(n=1乃至 N のいずれか)を指定するダイアログを表示させ,それにより指定された監視通報装置11およびセンサ41-nが,比較データ設定領域243内の「端末」欄および「CH」欄に表示される。
【0158】従って,比較データ設定領域243においては,ユーザは,自分が管理する監視通報装置11のデマンド値以外のデータを指定することや,自分が管理していない監視通報装置11のデマンド値または温度値などのデータを指定することが可能である。図7のデータ閲覧画面231の例では,コンビニB店の監視通報装置11-2の温度値(AI4)が指定されている。
【0159】グラフ表示領域244は,計測データ設定領域242および比較データ設定領域243で入力(指定)されたデータに対応するグラフを重ね合わせて表示する領域である。即ち,表示制御部154Bは,計測データ設定領域242で指定された日付の30分ごとのデマンド値(例えば,図7では,コンビニA点の2005年3月21日のデマンド値)を,図7に示すように,棒グラフで表示するとともに,比較データ設定領域243で指定された日付の指定された監視通報装置11の指定されたデータ(例えば,図7では,コンビニB点の2005年3月22日の温度値)を,折れ線グラフ(波形)でグラフ表示領域244に表示する。
【0160】なお,グラフ表示領域244の横軸(の目盛)は,1日内の時刻を表し,縦軸の右側(の目盛)は,折れ線グラフに対応する温度値を表し,縦軸の左側(の目盛)は,棒グラフに対応するデマンド値を表している。
【0161】詳細データ表示領域245は,グラフ表示領域244で表示されている棒グラフに対応する30分ごとのデマンド値を表示する領域である。なお,詳細データ表示領域245内の右側には,画面サイズの制約上,表示されていない時間帯のデマンド値を参照可能とするためのツールバーが表示されている。
【0162】以上のように,表示制御部154Bがユーザのクライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させるデータ閲覧画面231では,ユーザが管理する監視通報装置11のセンサ41で取得されたデマンド値と,その他のデータ(例えば,温度値)とを重ね合わせて表示したり,ユーザが管理する監視通報装置11のセンサで取得されたデマンド値と,他の監視通報装置11のデマンド値(またはその他のデータ)とを重ね合わせて表示することができるようになっている。
【0163】従って,表示制御部154Bは,表示制御部154Aが表示させるデータ閲覧画面201より,高機能,かつ,見易い画面を提供することができる。
【0185】図10は,図1の遠隔監視通報サーバ13のその他の構成例を示す機能ブロック図である。
【0186】なお,図10において,図4と対応する部分については,同一の符号を付してあり,その説明を適宜省略する。即ち,図10においては,サブシステムI/F125にレベル判別部301およびデータ演算部302が新たに設けられている他は,図4と同様に構成されている。
【0193】例えば,データ演算部301は,監視通報装置11の1年前の同時期(同一期間)の同一データとの差分値を,付加データとして演算する。この付加データにより,ユーザは,店舗の今年のデマンド値が,去年と比べて大きいか(使いすぎか)どうかを容易に比較することができる。
(2) 以上から,引用発明は以下のとおりのものと認められ,前記第2,3(1)のとおり認定される。
引用発明は,信頼性が高く,かつ,多機能な遠隔管理システムを提供することができるようにする情報処理装置に関するデータ閲覧画面である 【0001】 ( , 【01 49】。
) データ閲覧画面に表示される情報は,例えば,30分間隔,1日単位,週単位,月単位などのデマンド値をグラフ化して表示させる画面を生成する情報である【0 (009】【0012】【0105】【0106】 。デマンド値とは,電力会社との , , , )取引に使用される,30分間(デマンド時限)における平均使用電力量であるが,電力会社に支払う電気料金は,使用した電力量に応じて課金される電力量料金と,デマンド値によって更新される契約電力に応じて決定される基本料金とを加算した金額となるため,一度決定した契約電力を超えて電気を使用すると,契約超過金の支払が必要になったり,契約料金のアップにつながったりするので,デマンド値を抑制することで,電気料金を軽減することになる(【0040】。
) データ閲覧画面は,タイトル領域241,計測データ設定領域242,比較データ設定領域243,グラフ表示領域244,及び詳細データ表示領域245により構成されており(【0106】【0109】【0149】【0150】 , , , , ) 「日次データ」の他に,1週間内の日ごとのデータを表示する「週次データ」や,月内の日ごとのデータを表示する「月次データ」などが表示可能であり(【0152】,ユーザ )が計測データ設定領域242のテキストボックスに年月日を入力して「移動」ボタンを押下した場合,グラフ表示領域244の表示が,テキストボックスで入力された日付のグラフに変更され(【0154】,比較データ設定領域243において,テ )キストボックス及び「移動」ボタンが操作(入力)されることにより,計測データ設定領域242と同様に,グラフ表示領域244に表示させる日付が指定され 【0 (156】,比較データ設定領域243において, ) 「重ね合わせ」ボタンが押下されると,新たに比較データとして採用する監視通報装置11及びセンサ41-nを指定するダイアログを表示させ,それにより指定された監視通報装置11及びセンサ41-nが,比較データ設定領域243内の「端末」欄及び「CH」欄に表示され,したがって,比較データ設定領域243においては,ユーザは,自分が管理する監視通報装置11のデマンド値以外のデータを指定することや,自分が管理していな い監視通報装置11のデマンド値又は温度値などのデータを指定することが可能であり(【0157】【0158】,グラフ表示領域244は,計測データ設定領域2 , )42及び比較データ設定領域243で入力(指定)されたデータに対応するグラフを重ね合わせて表示する領域であり,計測データ設定領域242で指定された日付の30分ごとのデマンド値を棒グラフで表示するとともに,比較データ設定領域243で指定された日付の指定された監視通報装置11の指定されたデータを,折れ線グラフ(波形)でグラフ表示領域244に表示し(【0159】 ,グラフ表示領域 )244の横軸(の目盛)は,1日内の時刻を表し,縦軸の左側(の目盛)は,棒グラフに対応するデマンド値を表す(【0160】。
) したがって,引用発明は,高機能,かつ,見易い画面を提供することができる 【0 (162】【0163】。
, ) 3 本願発明と引用発明とを対比すると,その一致点及び相違点は前記第2,3(2)のとおりである。
この点について,原告は,引用発明のデータ閲覧画面には曜日の表示がないから,「カレンダー」とはいえないと主張するが,証拠(乙1〜7)によると, 「カレンダー」とは, 「暦」などを意味し, 「暦」とは, 「一年中の月・週・日などを日を追って記したもの」であると認められるから,曜日の表示がないからといって「カレンダー」ということができないことにはならないというべきである。そして,前記2記載のとおり,引用発明のデータ閲覧画面は,1週間内の日ごとのデータを表示する「週次データ」や,月内の日ごとのデータを表示する「月次データ」などが表示可能であるから, 「カレンダー表示」ということができるのであって,この点を本願発明との一致点とした審決の判断に誤りはない。
4 甲8発明の認定 (1) 甲8文献には,以下の記載がある。
【技術分野】 【0001】本発明は,エネルギ消費者に対して省エネルギへの意識付けを行う省エネルギ支援システムに関する。
【背景技術】 【0002】従来より,エネルギ消費者に対して省エネルギ意識を高める目的で,現在の電力消費量を計測すると共に,当該計測された消費量をエネルギ消費者が視覚的に確認できるように表示する機能を有する電子式電力量計が提供されている(例えば,特許文献1参照)。
【発明が解決しようとする課題】 【0004】特許文献1に記載の電子式電力量計によれば,エネルギ消費者に対して現在のエネルギ消費量を認識させることはできるが,エネルギ消費者に対して直接的に省エネルギ行動を働きかける作用は乏しい。
【0005】本発明は上記の問題点に鑑み,エネルギ消費者の省エネルギへの意識付けを直接的に行う省エネルギ支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】 【0006】上記目的を達成するための本発明に係る省エネルギ支援システムは,所定空間内においてエネルギ消費者が消費したエネルギ消費量の消費実績値を含む情報を前記エネルギ消費者に対して表示可能な省エネルギ支援システムであって,前記所定空間内における前記エネルギ消費者の前記消費実績値を計測する消費量計測手段と,所定の情報に基づいて前記所定空間内における前記エネルギ消費者の消費目標値を演算処理によって設定する目標値設定手段と,外部からの信号に基づいて前記エネルギ消費者が前記所定空間内に滞在中であるか不在中であるかを判断し,当該判断結果としての日毎の滞在又は不在時間の多少を少なくとも識別可能な在不在情報を作成する在不在判断手段と,前記消費量計測手段によって計測された前記消費実績値,前記目標値設定手段によって設定された前記消費目標値,及び前記在不在判断手段によって作成された前記在不在情報を記録する記憶手段と,前記記憶手段に記録された前記消費実績値と前記消費目標値との間で比較処理を行うことで,前記消費実績値の評価処理を日毎に行って評価結果を算定し,当該評価結果を前記記憶手段に記録する評価手段と,指定された表示対象期間に係る表示用の画像データを生成し,表示装置に出力する画像データ生成手段と,を備えてなり,前記画像データ生成手段が,前記記憶手段に記録されている前記表示対象期間に属する日に係る前記在不在情報と,前記評価結果,前記消 費実績値,及び前記消費目標値の内の少なくとも一の情報とを省エネ支援用情報として当該記憶手段から読み出すと共に,同一曜日が同一列又は同一行となるようにマトリクス状に整列された前記表示対象期間に属する日の各データ表示領域内に,対応する日の前記省エネ支援用情報に基づく表示データを各別に配置してなる省エネ支援カレンダを前記表示装置に表示させるための省エネ支援カレンダ表示用画像データを生成し,当該省エネ支援カレンダ表示用画像データを前記表示装置に出力することを第1の特徴とする。
【0007】本発明に係る省エネルギ支援システムの上記第1の特徴構成によれば,画像データ生成手段によって生成された省エネ支援カレンダ表示用画像データが与えられた表示装置上に,指定された表示対象期間について,対応する日のデータ表示領域内に省エネ支援用情報に基づく表示データが配置されたカレンダ形式の省エネ支援カレンダを表示可能な状態となる。エネルギ消費者は,この表示装置上に表示される省エネ支援カレンダによって,表示対象期間に係るエネルギ消費量の実績値や評価結果等の省エネ支援用情報を曜日別或いは週別に確認することができ,曜日別或いは週別の過去の行動の比較が容易であると共に,これらの過去の行動を参照して今後の省エネ行動への指針とすることができる。
【発明の効果】 【0020】本発明の構成によれば,エネルギ消費者が表示装置上に表示される省エネ支援カレンダを確認することで,表示対象期間に係るエネルギ消費量の実績値や評価結果を認識可能である。特に,消費実績値が消費目標値以下に抑制された場合にのみ所定の評価結果が対応する日のデータ表示領域内に配置される構成とすることで,エネルギ消費者は省エネ支援カレンダの当該評価結果の配置状況を視覚的に確認して,自己の省エネ行動に対する結果を知ることができると共に,今後の省エネ行動への指針とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】 【0021】以下において,本発明に係る省エネルギ支援システム(以下,適宜「本発明システム」と称する)の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】各対象空間内には,当該対象空間内における消費実績値を計測する消費量計測手段11,エネルギ消費者が当該対象空間内に滞在中であるか不在中であるかを外部からの信号に基づいて判断する在不在判断手段12,及び消費量計測手段11によって計測された消費実績値,及び在不在判断手段12による在不在の判断結果(以下,「在不在情報」と称する)を一時的に記録する一時記憶手段13,及び操作端末14が備えられる。尚,図面上では各空間を代表して対象空間2についてのみ構成要素を図示しており,以下においても,対象空間についての説明を行うに際しては,複数の対象空間を代表して対象空間2を採り上げて説明を行う。又,以下では,対象空間2を単に「空間2」と略称して記載する。
【0027】消費量計測手段11は,例えば電力量計等で構成され,空間2内で消費されたエネルギ量(電力量計であれば電力量)を計測する。消費量計測手段11によって計測された消費実績値は一時記憶手段13によって一時的に記録される。
尚,消費量計測手段11は,所定の時間毎の消費量を計測可能であり,一例として,以下では1時間毎のエネルギ消費量を計測可能であるとする。
【0042】画像データ生成手段25は,指定された表示対象期間に係る省エネ支援カレンダを表示するための表示用画像データを生成し,所定の表示装置(例えば操作端末14の操作画面)上に当該表示用画像データを出力する機能的手段である。ここで,省エネ支援カレンダとは,指定された表示対象期間に属する日を同一曜日が同一列又は同一行となるようにマトリクス状に整列して形成される一般的なカレンダ表示に加えて,各日のデータ表示領域内に,前記在不在情報と,前記評価結果,前記消費実績値,及び前記消費目標値の内の少なくとも一の情報(以下,これらの情報を「省エネ支援用情報」と総称する)が配置されて構成されるカレンダ形式の表示態様である。又,表示対象期間とは,カレンダとして表示させるために外部から指定される期間であり,所定月(例えば2006年9月),処理日を含む月(例えば2006年9月25日であれば9月) 或いは処理日を含む過去1ヶ月 , (例えば2006年9月25日であれば8月26日から9月25日まで)等のように指 定される構成とすることができる。
【0051】[省エネ支援カレンダの画面例] 次に,画像データ生成手段25によって生成される省エネ支援カレンダ表示用画像データによって表示装置上で表示可能な省エネ支援カレンダの表示態様の一例について,図2〜図8を参照して説明する。
【0052】図2は,省エネ支援カレンダの一画面例である。図2に示される省エネ支援カレンダ30は,カレンダ表示領域31,週毎評価集計領域32,及び曜日毎評価集計領域33の3領域で構成される。尚,図2は,表示対象期間として2006年9月が指定された場合の一画面例を示しており,日曜日を起点として2006年9月に係る全30日を含む5週間分が表示されている。尚,表示対象期間が月で指定される場合に,表示される5週間内に指定月以外の月(前月,或いは次月)が含まれる場合には,これらの月に属する日は,指定月と識別できるように色分けをするものとしても良く,又,休日と平日とを識別するために更に別の色分けをしても良い。図2では,前月に属する日(2006年8月27日から8月31日まで)については灰色で塗りつぶすことで指定月(2006年9月に属する日)との識別を可能としており,又,土曜日,日曜日及び祝日については網掛けを付して平日との識別を可能としている。
【0053】尚,表示対象期間として月が指定された場合,表示方法として指定された月の初日を起点として表示する表示方法と,図2に示すように日曜日を起点として表示する表示方法とを切替可能に構成されているものとしても構わない。
【0054】 カレンダ表示領域31は,表示対象期間に属する日を,同一曜日が同一列又は同一行となるようにマトリクス状に整列したカレンダ形式の表示がされる領域である。
このとき,表示対象期間に属する日毎に,当該日の省エネ支援用情報が表示されるデータ表示領域34が形成される。
【図2】 【0058】図3は,省エネ支援カレンダ30の各日に係るデータ表示領域34の表示例である。図3(a)(b)及び(c)は,夫々2006年9月1日,10 ,日,及び19日のデータ表示領域の表示例を示している。
【0059】図3(a)に示されるように,データ表示領域34には,消費目標値が折れ線41で示されており,消費実績値が棒グラフ42で示されている。又,不在時間帯と滞在時間帯とが識別されて表示されており,図3(a)では,不在時間帯42aが滞在時間帯より濃く塗りつぶされている。尚,折れ線,或いは棒グラフによる表示形式は一例であって,この形式に限定されるものではない。又,不在時間帯と滞在時間帯の識別方法についても,図3上に示されるような濃淡を相違させる方法に限られず,形状,模様,色彩,又はこれらの組み合わせによって両者を相違させることで識別可能に構成されるものとして良い。
【0060】データ表示領域34は,各日における評価結果が表示される領域を有しており,図3(a)では評価結果43が消費目標値41,消費実績値42と共に示されている。以下では,対応する日に係る消費実績値の合計が,消費目標値の合計に対して6%以上削減することができた場合には, 「very good」の表 示がされ,消費目標値の合計よりは抑制することができたが削減量は6%未満であった場合には「good」の表示がされ,消費目標値の合計を超過してしまった場合には評価結果の表示がされないものとする。尚,評価結果の表示態様,及び表示条件は一例であって,これらに限定されるものではない。
【図3】 【0070】次に,データ表示領域内に表示されたデータ表示例を参照して,当 該表示内容を省エネ行動の指針として活用する活用方法の一例を説明する。
【0071】図6は,あるエネルギ消費者の,ある日のデータ表示領域内の表示例であり,図6(a)と図6(b)とは,同一曜日で異なる日のデータ表示例であるとする。以下では,図6(a)が2006年9月14日木曜日のデータ表示であり,図6(b)が2006年9月21日木曜日のデータ表示であるとする。
【0072】図6では,両日共に評価結果が表示されていないことから,エネルギ消費者は当該表示内容を確認して両日共に消費実績値を消費目標値以下に抑制できなかったことを認識する。このとき,図6(a)及び(b)を検討すると,不在時間帯51a及び51bに係る消費実績値と消費目標値との乖離と,他の時間帯(滞在時間帯)に係る消費実績値と消費目標値との乖離との間に,大きな差異が見られない。即ち,このエネルギ消費者は,不在時と滞在時とでエネルギ消費量にあまり相違がないことが分かる。通常,滞在時と不在時とを比較すると,滞在時の方がエネルギ消費量が顕著に大きくなると言えるため,かかる点を考慮すると,このエネルギ消費者は不在時のエネルギ消費量を削減する余地があると想定することができる。従って,今後は不在時のエネルギ消費量を削減するような省エネ行動を取り組むことで,消費実績値を消費目標値以下に抑制することができる可能性があると言える。
【0074】図7は,図6のエネルギ消費者とは異なる別のエネルギ消費者の,ある日のデータ表示領域内の表示例であり,図7(a)と図7(b)とは,同一曜日で異なる日のデータ表示例であるとする。以下では,図7(a)が2006年9月22日金曜日のデータ表示であり,図6(b)が2006年9月29日金曜日のデータ表示であるとする。
【0075】図7も,図6と同様,両日共に評価結果が表示されていないことから,エネルギ消費者は当該表示内容を確認して両日共に消費実績値を消費目標値以下に抑制できなかったことを認識する。このとき,図7(a)及び(b)を検討すると,18時から23時にかけての時間帯52a,52bに係る消費実績値と消費 目標値との乖離が,他の時間帯における乖離と比較して際立って大きいことが分かる。即ち,このエネルギ消費者は,18時から23時にかけての時間帯のエネルギ消費量が特に大きいために消費目標値以下に抑制できていないことを知ることができる。言い換えれば,18時から23時にかけての時間帯においては,省エネ行動を行う余地が存在すると言えるため,かかる時間帯のエネルギ消費量の抑制を図る省エネ行動を取り組むことで消費実績値を消費目標値以下に抑制することができる可能性があると言える。
【図6】 【図7】 (2) 以上から,甲8発明は,以下のとおりのものと認められ,前記第2,3(3)ア(ア)のとおり認定される。
甲8発明は,エネルギー消費者に対して省エネルギーへの意識付けを行う省エネルギー支援システムに関する(【0001】。
) 従来から,エネルギー消費者に対して省エネルギー意識を高める目的で,現在の電力消費量を計測すると共に,当該計測された消費量をエネルギー消費者が視覚的に確認できるように表示する機能を有する電子式電力量計が提供されている【00 (02】。従来の電子式電力量計においては,エネルギー消費者に対して現在のエネ )ルギー消費量を認識させることはできるが,エネルギー消費者に対して直接的に省 エネルギー行動を働きかける作用は乏しいので,甲8発明は,エネルギー消費者の省エネルギーへの意識付けを直接的に行う省エネルギー支援システムを提供することを目的とする(【0004】【0005】 。
, ) 前記目的を達成するための甲8発明に係る省エネルギー支援システムは,所定空間内においてエネルギー消費者が所定の時間(例えば,1時間)毎に消費したエネルギー消費量の消費実績値を含む情報を前記エネルギー消費者に対して表示可能な省エネルギー支援システムであって,指定された表示対象期間に係る表示用の画像データを生成し,表示装置に出力する画像データ生成手段を備えてなり,前記画像データ生成手段が,前記記憶手段に記録されている前記表示対象期間に属する日に係る前記在不在情報と,前記評価結果,前記消費実績値,及び前記消費目標値の内の少なくとも一の情報とを省エネルギー支援用情報として当該記憶手段から読み出すと共に,同一曜日が同一列又は同一行となるようにマトリクス状に整列された前記表示対象期間に属する日の各データ表示領域内に,対応する日の前記省エネルギー支援用情報に基づく表示データを各別に配置してなる省エネルギー支援カレンダーを前記表示装置に表示させるための省エネルギー支援カレンダ表示用画像データを生成し,当該省エネルギー支援カレンダー表示用画像データを前記表示装置に出力する構成を採用した(【0006】【0024】【0027】【0042】。
, , , ) 表示対象期間は,カレンダーとして表示させるために外部から指定される期間であり,所定月(例えば2006年9月),処理日を含む月(例えば2006年9月25日であれば9月) あるいは処理日を含む過去1ヶ月 , (例えば2006年9月25日であれば8月26日から9月25日まで)等のように指定される構成とすることができ(【0042】,データ表示領域34には,消費実績値が棒グラフ42で示さ )れるものである(【0059】。
) エネルギー消費者は,この表示装置上に表示される省エネルギー支援カレンダーによって,表示対象期間に係るエネルギー消費量の実績値や評価結果等の省エネルギー支援用情報を曜日別あるいは週別に確認することができ,曜日別あるいは週別 の過去の行動の比較が容易であると共に,これらの過去の行動を参照して今後の省エネルギー行動への指針とすることができる(【0007】【0020】。一つの例 , )では,あるエネルギー消費者の2006年9月14日木曜日及び2006年9月21日木曜日のデータ表示を検討すると,このエネルギー消費者は,不在時と滞在時とでエネルギー消費量にあまり相違がないことが分かり,不在時のエネルギー消費量を削減する余地があると想定することができ(【0071】【0072】,別の例 , )では,別のエネルギー消費者の2006年9月22日金曜日及び2006年9月29日金曜日のデータ表示を検討すると,18時から23時にかけての時間帯52a,52bに係る消費実績値と消費目標値との乖離が,他の時間帯における乖離と比較して際立って大きいことが分かり,18時から23時にかけての時間帯においては,省エネルギー行動を行う余地が存在すると認識できる(【0074】【0075】。
, ) 5 取消事由について (1) 相違点1〜4についての判断 引用発明は,信頼性が高く,かつ,多機能な遠隔管理システムを提供することができるようにする情報処理装置に関する,データ閲覧画面であり,ここで閲覧できるデータは,例えば30分間隔単位のデマンド値をグラフ化して表示したものである。一方,甲8発明は,エネルギー消費者に対して省エネルギーへの意識付けを行う省エネルギー支援システムに関する,前記認定のとおりのカレンダーのデータ閲覧画面であり,ここで閲覧できるデータは,例えば1時間単位の電力消費量である。
引用文献には,デマンド値の抑制が電気料金軽減につながることが開示されているから(【0040】,引用発明においては,デマンド値を監視することによってデ )マンド値を抑制するという目的があることが示唆されている。この目的は,電気使用量の抑制という点において,甲8発明の省エネルギーという目的と共通性を有している。
また,引用文献には,引用発明のデータ閲覧画面に,日次データのほか,週次データや月次データを表示させること 【0152】, ( ) 異なる日付又は種類のデータを 時間軸を重ね合わせて比較すること(【0156】〜【0159】,今年のデマンド )値と去年のデマンド値とを比較すること(【0193】)が開示されているから,引用発明においては,同じ時間の異なるデータを比較し,異なる日のデマンド値を比較することや,1週間内の日ごと,1か月内の日ごとのデータを一覧することも示唆されている。この点について,原告は,引用発明は,日ごとの比較を意図したアイデアであるとは考えない旨主張するが,引用発明における「月次データ」「週次 ,データ」は,日ごとの比較を意図したものであることは明らかであるから,原告の上記主張を採用することはできない。
さらに,データを比較する場合に,同種のデータを比較する手法は一般に広く採用されているから,同じ時間の異なるデータを比較し,異なる日のデマンド値を比較することや,1週間内の日ごと,1か月内の日ごとのデータを一覧することが示唆されている引用発明から,異なる日の同じ時間のデマンド値を比較することを容易に想起することができるというべきである。
そして,1か月間の日次データを一覧させようとする場合に,各週の日次データを同一曜日が同一列になるように並べて1か月間のデータを一覧できるようにすることは,一般に広く用いられている曜日と週を縦横の軸とした月次カレンダーの形式と合致するものである。
そうすると,引用発明に,異なる日のデマンド値を,時間,日で比較して,デマンド値を抑制するため,電力消費量を抑制するために,同じ曜日の同じ時間を縦に合わせ,同じ週の時間単位の電力消費量を横に合わせ,同一曜日が同一列となるようにマトリクス状に1か月単位で一覧して比較した,甲8発明を適用する動機付けがあるというべきである。
したがって,引用発明に甲8発明の構成を採用して,相違点1〜4に係る本願発明の構成に至ることは,本願出願日当時の当業者にとって,容易想到であるといえる。
(2) 原告の主張に対する判断 ア 原告は, 「デマンド値」とは,最大需要電力,すなわち,30分単位における平均使用電力を算出し,その算出結果のうち1か月の中で最も大きい値を意味すると主張する。
しかし,前記1(2)及び2(2)記載のとおり, 「デマンド値」とは,デマンド時限における平均使用電力を意味するから,原告の上記主張を採用することはできない。
イ 原告は,引用発明では,カレンダー形式や曜日などでの情報整理という問題意識が存在しないから,デマンド値を改善するという課題を解決する技術として,甲8発明を適用する動機付けはない,と主張する。
しかし,引用発明に甲8発明を適用する動機付けがあることは,前記(1)で判示したとおりであって,引用発明にカレンダー形式や曜日などでの情報整理という問題意識が存在しないことは,この認定を左右するものではない。
ウ 原告は,引用発明の目的であるデマンド値を抑えることは省エネルギーにつながるわけではなく,デマンド値においては,単純に電力消費量の比較をすることは意味をなさず,デマンド値と省エネルギーの分野とでは比較する対象及び目的が異なり,出力内容において解決すべき課題も異なるから,引用発明と甲8発明とでは,技術分野の関連性が認められず,引用発明に甲8発明を適用する動機付けが存在しない,と主張する。
しかし,前記(1)で判示したとおり,引用発明においては,デマンド値を抑制するという目的があることが示唆されており,この目的は,甲8発明の省エネルギーという目的と共通性を有しているのであって,デマンド値であるデマンド時限における平均使用電力を下げることが,必ずしも電力消費総量を下げることと等しいとはいえないからといって,引用発明に甲8発明を適用する動機付けが存在しないということはできない。
エ 原告は,甲8発明の目的は省エネルギーにあり,ピークとは無関係に毎日目標との関係を追えば足りるから,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜 「日の同じ時刻の目盛となるように」配置されるという技術的思想を把握することは できない,と主張する。
しかし,甲8文献には,前記4(2)のとおり,ある消費者の2006年9月22日金曜日と同月29日金曜日のデータを比較して,両日とも18時から23時にかけての消費実績値と消費目標値との乖離が他の時間帯における乖離と比較して際立って大きいことを把握したことが記載されており,その場合,甲8発明においては,同一曜日が同一列すなわち縦に並ぶように表示されるから,同じ曜日の同じ時間帯の電力消費量と目標値との関係を把握するため,縦方向に眺めた場合に各日の区画にて同じ曜日の同じ時刻の目盛となるように配置されるという技術的思想を把握することができる。したがって,原告の上記主張には,理由がない。
結論
以上のとおり,原告の請求には理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 森義之
裁判官 片岡早苗
裁判官 古庄研
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