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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成26ワ20422 特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成26ワ371 債務不存在確認請求事件 判例 特許
平成26ワ12198 損害賠償請求事件 判例 特許
平成25ワ6674 特許権侵害差止等請求事件 判例 特許
平成27ネ10038 特許権侵害差止等請求控訴事件 判例 特許
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事件 平成 26年 (ワ) 24183号 損害賠償請求事件

原告 アダプティックスインコーポレイテッド
同訴訟代理人弁護士 飯田秀郷 隈部泰正 森山航洋 清水紘武
同訴訟代理人弁理士 黒田博道 北口智英
被告 エリクソン・ジャパン株式会社
同訴訟代理人弁護士 佐々木奏 岡田淳 飯塚卓也
同訴訟代理人弁理士 大塚康徳 高柳司郎
同 補 佐人弁理士大塚康弘 江嶋清仁 坂本隆志 前田浩次 吉田晴人
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2016/01/28
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。
1事 実 及 び 理 由第1 請求被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成26年9月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要本件は,発明の名称を「グループベースのサブキャリア割当による多重キャリア通信」とする特許権を有する原告が,被告による別紙物件目録記載の基地局装置(以下「被告製品」という。)の輸入,販売等は原告の特許権を侵害し,又は侵害するものとみなされると主張して,被告に対し,不法行為に基づき,民法709条及び特許法102条3項に基づく損害賠償金の一部として1億円及 び こ れ に 対 す る 不 法 行 為 後 で あ る 平成26年9月26日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅 延 損 害 金 の 支 払 を求める事案である。
1 前提事実(証拠等を掲げた事実以外は,当事者間に争いがない。)(1) 本件特許権原告は,次の特許権(以下「本件特許権」といい,これに係る特許を「本件特許」という。また,本件特許出願の願書に添付された明細書(後記 (2)記載のとおり訂正されたもの。)を「本件明細書」という。)を有している(甲1,2の1・2)。
特許番号 第4031707号発明の名称 グループベースのサブキャリア割当による多重キャリア通信出 願 日 平成13年12月13日優 先 日 平成12年12月15日(優先権主張番号 09/738,086,優先権主張国 米国)平成13年4月17日(優先権主張番号 09/837,337,優先権主張国 米国)2登 録 日 平成19年10月26日(2) 特許請求の範囲の記載本件特許の特許請求の範囲の請求項4及び9の記載は,次のとおりである(以下,請求項4の発明を「本件発明4」,請求項9の発明を「本件発明9」といい,これらを併せて「本件発明」という。)。なお,原告は,本件発明につき特許請求の範囲減縮を目的とする訂正審判を請求し,平成24年10月9日に訂正を認める旨の審決がされた。以下の各請求項の記載内容はその訂正後のものである(訂正部分に下線を付した。)(甲1,2の2)。
ア 請求項4直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているシステムのためのサブキャリア選択の方法において,複数のサブキャリアを,複数のサブキャリアから成る複数のクラスタで構成された複数のグループに分割する段階と,前記複数のグループの中の1つ又は複数のグループの加入者による選択の表示を受信する段階と,前記加入者からサブキャリアのクラスタの1つ又は複数のグループに関するフィードバック情報を受信する段階であって,前記フィードバック情報は,ソース符号化技法を使って圧縮され,エラー修正でエンコードされる,前記段階と,前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタを前記加入者との通信に使用するために割り当てる段階と,から成ることを特徴とする方法。
イ 請求項9複数のサブキャリアから成る複数のクラスタで構成された複数のグルー3プの中の1つ又は複数のグループの加入者による選択の表示と,サブキャリアのクラスタから成る前記1つ又は複数のグループに関する前記加入者からのフィードバック情報と,を受信する,クラスタ割当制御装置であって,前記フィードバック情報は,ソース符号化技法を使って圧縮され,エラー修正でエンコードされており,前記クラスタ割当制御装置は,更に,前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタを前記加入者との通信に使用するために割り当てる,前記クラスタ割当制御装置と,前記クラスタ割当制御装置に接続されて,前記加入者によって使用される前記1つ又は複数のクラスタのグループにおける前記少なくとも1つのクラスタを表示するような通知を前記加入者へ送信する,直交周波数分割多重(OFDMA)トランシーバと,を備えることを特徴とする装置。
(3) 本件発明の構成要件本件発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,分説した構成要件をそれぞれの符号に従い「構成要件4A」のようにいう。)。
ア 本件発明44A 直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているシステムのためのサブキャリア選択の方法において,4B 複数のサブキャリアを,複数のサブキャリアから成る複数のクラスタで構成された複数のグループに分割する段階と,4C 前記複数のグループの中の1つ又は複数のグループの加入者による選択の表示を受信する段階と,4D 前記加入者からサブキャリアのクラスタの1つ又は複数のグループに関するフィードバック情報を受信する段階であって,4E 前記フィードバック情報は,ソース符号化技法を使って圧縮され,4エラー修正でエンコードされる,前記段階と,4F 前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタを前記加入者との通信に使用するために割り当てる段階と,から成ることを特徴とする方法。
イ 本件発明99A 複数のサブキャリアから成る複数のクラスタで構成された複数のグループの中の1つ又は複数のグループの加入者による選択の表示と,9B サブキャリアのクラスタから成る前記1つ又は複数のグループに関する前記加入者からのフィードバック情報と,を受信する,9C クラスタ割当制御装置であって,9D 前記フィードバック情報は,ソース符号化技法を使って圧縮され,エラー修正でエンコードされており,9E 前記クラスタ割当制御装置は,更に,前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタを前記加入者との通信に使用するために割り当てる,前記クラスタ割当制御装置と,9F 前記クラスタ割当制御装置に接続されて,前記加入者によって使用される前記1つ又は複数のクラスタのグループにおける前記少なくとも1つのクラスタを表示するような通知を前記加入者へ送信する,9G 直交周波数分割多重(OFDMA)トランシーバと,を備えることを特徴とする装置。
(4) 被告の行為被告は,業として,被告製品を販売している。
被告製品が用いられる通信システム方法は,構成要件4A,4Bを充足する。
第3世代移動通信システムの標準化組織の一つが3GPPであるところ,53GPPにおける第3世代(3G)移動通信システムの長期的高度化システムであるLTE(Long Term Evolution)通信規格において,非周期的なCQIレポートはいくつかのモードによって行われるが,本件においては,高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3.0又はモード3.1)が問題となっている。被告製品においては,当該モードが採用されている。
2 争点原告は,被告製品が用いられる通信システム方法の構成(以下「本件通信システム方法」という。)及び被告製品の構成(以下「本件 基地局装置」という。)は,LTE通信規格に準拠していることなどから,別紙「原告の主張する本件通信システム方法の特徴」及び別紙「原告の主張する本件基地局装置の特徴」各記載のとおりであるとし(以下,上記各別紙記載の各構成を「特徴4a」などという。),本件通信システム方法は本件発明4の技術的範囲に属するから,被告製品は特許法101条5号により本件発明4に係る特許権を侵害するものとみなされ,また本件基地局装置は本件発明9の技術的範囲に属するから,被告製品は本件発明9に係る特許権を直接侵害すると主張している。これに対し,被告は,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,別紙「被告の主張する本件通信システム方法の特徴」及び別紙「被告の主張する本件基地局装置の特徴」各記載のとおりであるとし(以下,上記各別紙記載の各構成を「特徴4a´」などという。),これらの構成は本件発明の各構成要件を充足しないことが明らかであるなどと主張する。したがって,本件の争点は,以下のとおりである。
(1) 本件通信システム方法及び本件基地局装置は本件発明の技術的範囲に属するか(2) 間接侵害の成否(3) 本件発明に係る特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認め6られるか(4) 原告の損害額3 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(本件通信システム方法及び本件基地局装置は本件発明の技術的範囲に属するか)について(原告の主張)ア 構成要件4C,4D,9A,9B,9C,9F充足性について特徴4c(その1),9a(その1)のとおり,非周期的CQIレポートの高次階層設定サブバンドフィードバックモードでは,ワイドバンドCQI及び全部のサブバンドについての各サブバンドのCQIとワイドバンドCQIとの差分を示すサブバンド差分CQI値が基地局に送信されるが,これは,ユーザ端末が,基地局に対して,全部のサブバンドを選択したことを表示することに相当する(以下,この立場を「解釈1」という。)。
情報処理技術分野における用語法において,「全部の選択」等の用語の用い方はごく一般的なものであるし,基準に従った選択が常に起こることは,システムが正常に機能していることを示すに過ぎず,全部選択が行われていることにより,他の選択肢(UE選択サブバンドフィードバックによる一部選択など)を排除していることを否定することはできない。本件明細書の段落【0028】,【0040】,【0069】には,全部のクラスタが選択されることを包含する内容の記載があり,実質的にも,全部のサブバンドを選択してフィードバックした方がかえってフィードバック情報量を削減できるといえる。
上記と別の立場として,特徴4c(その2),9a(その2)のとおり,各サブバンドのCQIがワイドバンドCQI以上であることを示すサブバンド差分CQI値「0,1,2」が基地局に通知されることは,ユーザ端末が,基地局に対して,これらの値を有するサブバンドを積極的に自己に7割り当てて欲しいと請求することであり,これらのサブバンドの選択の表示に相当し,一方,サブバンド差分CQI値が「3」(ワイドバンドCQI未満)と通知されることは,割当てに適さないという非選択の表示に相当する(以下,この立場を「解釈2」という。)。基地局が,サブバンド差分CQI値「3」のサブバンドに属するリソース・ブロックを割り当てることがあるとしても,それはユーザ端末にとっては望んだ状況ではなく,ユーザ端末が好適サブバンドを選択した後の統合最適化オペレーションを遂行する基地局の行為であるから,ユーザ端末の「選択」が否定されることはないというべきである。また,選択の表示に加えて非選択の表示が付加されたり,選択の好ましさの度合いが付加されたとしても,加入者による選択の表示がなされていることに変わりはない。
被告は,本件発明にいう選択の表示は加入者が選択したクラスタグループのID(識別情報)を意味すると主張するが,構成要件4C,9Aにおける選択の表示がグループ識別情報であると限定解釈される理由はなく,加入者により選択されたクラスタグループを特定する情報であれば選択の表示に相当する。
よって,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,解釈1又は2のいずれによっても,構成要件4C,4D,9A,9B,9C,9Fを充足する。
構成要件4E,9D充足性について構成要件4E,9Dの「ソース符号化技法を使って圧縮」は,可逆圧縮であるのか不可逆圧縮であるのか何らの限定をしていないのであるから,可逆圧縮であると限定解釈する被告の主張は誤りである上,高次階層設定サブバンドフィードバックモードで報告されるべきものはサブバンドCQIであり,特徴4e,9dの各サブバンドのCQIとワイドバンドCQIの差分に基づくサブバンド差分CQI値からサブバンドCQIを得ること8ができることからすれば,サブバンド差分CQI値はソース符号化技法に基づく圧縮データであるといえ,構成要件4E,9Dの「ソース符号化技法を使って圧縮」を充足する。よって,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,構成要件4E,9Dを充足する。
構成要件4F,9E充足性について被告製品の計測結果によれば,本件通信システム方法及び本件基地局装置において,基地局は,ユーザ端末に対して,前記ア記載のとおりユーザ端末によって選択されたサブバンドに属する12個のサブキャリアで構成されるリソース・ブロックを少なくとも1つ割り当てる。
解釈2につき,本件発明は,基地局が,多数の加入者に対する通信を最も効率的に行うように調整して最適化する過程で,総合的な判断によって,加入者が選択したグループ以外のグループに属するクラスタを付加的に割り当てることを許容している。構成要件4F,9Eは,「前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタ『のみ』を・・・割り当てる」と規定しているわけではなく,また,本件明細書には,加入者に対するサブキャリアの割当ては基地局が総合的判断のもとで最終決定をすることが記載されている。したがって,被告製品がサブバンド差分CQI値「3」のサブバンドに属するリソース・ブロックを,サブバンド差分CQI値「0,1,2」のサブバンドに属するリソース・ブロックと共に割り当てることがあるとしても,構成要件4F,9Eを充足する。
よって,本件通信システム方法及び本件基地局装置において,基地局は,ユーザ端末に対して,選択されたサブバンドに属し,クラスタに相当するリソース・ブロックを1つ又は複数割り当てるから,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,構成要件4F,9Eを充足する。
構成要件9G充足性について9ダウンリンクにおいてOFDMAで送信する送受信機能を有する無線装置は,構成要件9GにおけるOFDMAトランシーバに相当するから,本件基地局装置は構成要件9Gを充足する。
オ よって,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,本件発明の全ての構成要件を充足する。
(被告の主張)ア 構成要件4C,4D,9A,9B,9C,9F充足性について原告は解釈1及び2という2通りの特定を選択的に主張するが,被告製品が用いられる通信システム方法は,事実としては1種類しか存在しないのであるから,特定の方法としては1種類で足りるはずである。本件発明は,加入者が使用に望ましいと考えるクラスタグループの候補を選択し,候補クラスタグループの情報を加入者から基地局へフィードバックすることで,基地局によるクラスタの選択・割当ての負担を軽減させるものであるから,構成要件4C,9Aの「加入者による選択」とは,加入者が特定のクラスタグループを割当て候補として選び出すものでなければならない。
本件明細書においても,常に帯域を形成する全部のクラスタグループに関する情報が基地局に返送されるという実施形態については何ら記載されていない。しかるに,非周期的高次階層設定サブバンドフィードバックモードは,「N個のサブバンド」についてのサブバンド差分CQI値を,常に,その数値の如何に関わりなく全て報告するものであるから,加入者が使用に望ましいと考えるものが選び出されているとはいえない。
また,本件発明の技術思想からすれば,本件発明にいう選択の表示とは,加入者が選択したクラスタグループのID(識別情報)を意味するところ,非周期的高次階層設定サブバンドフィードバックモードでは,ユーザ端末はサブバンドの識別情報を送信しない。
さらに,構成要件4D,9Bの「フィードバック情報」は,構成要件410C,9Aで選択されたグループに関するフィードバック情報と解されるところ,加入者による選択が存在しない以上,「フィードバック情報」を受信する段階も存在しない。
原告の主張する解釈1を前提とすると,本件発明が「選択」というステップを設けた意味がなくなるし,基地局は単にそのデータ内容の順序によりクラスタグループを認識できるため,「加入者による選択の表示」を受信するステップを設けた意味もなくなる。また,全サブバンドのサブバンド差分CQI値を受信すること自体が「選択の表示」を受信することに該当するとすれば,これと「フィードバック情報」を受信することは同義であるから,構成要件4D,9Bという独自の構成要件を設けた意味もなくなる。
よって,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,構成要件4C,4D,9A,9B及びこれらの構成要件を前提とする構成要件9C,9Fを充足しない。
構成要件4E,9D充足性について構成要件4E,9Dの「ソース符号化技法を使って圧縮」とは,元の情報源に伸張して復号化できる形式により符号化する技法を意味するものと解されるところ,特徴4e´,9d´では,サブバンド差分CQI値は元となる生のサブバンドCQIの情報を復元不可能な形で捨象し,差分のみに対応した4つの値が付されたものであり,元の情報に伸張して復号化することはできないから,「ソース符号化技法を使って圧縮」しているとは言えない。よって,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,構成要件4E,9Dを充足しない。
構成要件4F,9E充足性について前記アと同様に,特徴4f´,9e´は,構成要件4F,9Eの「前記加入者が選択」を充足しない。
11また,本件発明は,加入者が選択した候補クラスタグループのクラスタの中から,基地局がクラスタを選択して割り当てるという点に特徴があり,これによって,基地局による選択・割当ての負担を軽減し,最適なクラスタ割当てを実現するというものであることからすれば,構成要件4F,9Eの「前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタグループの中の少なくとも1つのクラスタを・・・割り当てる」との規定は,基地局において,加入者が選択した候補クラスタグループの中のクラスタを割り当てなければならないと解される。
仮に,解釈1として原告が主張するように構成要件4F,9Eが全クラスタグループの中からいずれかのクラスタを割り当てればよいという当たり前の意味しかないのであれば,どのような構成を取っても必然的に充足することとなり,独自の構成要件としての意義が完全に失われる。
また,仮に,解釈2として原告が主張するようにサブバンド差分CQI値「0,1,2」のサブバンドがユーザ端末によって「選択」されたサブバンドであると解するとしても,LTE通信規格には,基地局がサブバンド差分CQI値「0,1,2」のサブバンドを構成するリソース・ブロックを割り当てるという記載はない上,原告も自認するとおり,LTE通信規格に準拠した基地局と端末との間の通信において,非周期的高次階層設定サブバンドフィードバックモードのときに,基地局の判断によってサブバンド差分CQI値「3」のサブバンドを割り当てることもあり得るから,ユーザ端末が選択していないサブバンド内のリソース・ブロックが割り当てられているといえる。よって,本件通信システム方法及び本件基地局装置は,構成要件4F,9Eを充足しない。
構成要件9G充足性について構成要件9Gの「直交周波数分割多重(OFDMA)トランシーバ」は送受信においてともにOFDMAを用いている送受信機を意味するもので12あるところ,特徴9g´は,アップリンクにおいてSC−FDMAを用いているので,構成要件9Gを充足しない。
(2) 争点(2)(間接侵害の成否)について(原告の主張)被告製品は,本件発明4の使用に用いるものであり,本件発明4による課題の解決に不可欠なものである。被告は,このことを知りながら,業として,その譲渡若しくは輸入又は譲渡等の申出をしているから,特許法101条5号により本件特許権を侵害するものとみなされる。
(被告の主張)争う。
(3) 争点(3)(本件発明に係る特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認められるか)について(被告の主張)本件発明は,本件特許出願の優先日前に公開された刊行物(乙4(米国特許第5933421号公報),乙5,9(OFDMA Evaluation Report))に記載された発明に周知技術(乙6ないし8)を組み合わせることにより当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件発明は進歩性を欠く。
(原告の主張)否認ないし争う。乙4は,本件発明の各構成要件に対応する構成をいずれも開示しておらず,乙5は,構成要件4A,9C,9Gを除く本件発明の各構成要件に対応する構成をいずれも開示していないことなどからすれば,当業者であっても,乙4,5から本件発明の構成に容易に想到することができるとはいえない。
(4) 争点(4)(原告の損害額)について(原告の主張)13被告製品の販売台数は3万5000台を下ることはないから,原告の損害額は,特許法102条3項に基づき算定される実施料相当額19億円を下ることはない。原告は,本訴において,上記原告が受けた損害のうち明示的一部請求として1億円の損害の賠償を請求する。
(被告の主張)否認ないし争う。
第3 当裁判所の判断1 争点(1)(本件通信システム方法及び本件基地局装置は本件発明の技術的範囲に属するか)について(1) 原告は,構成要件4C,4F,9A,9E充足性につき,解釈1及び2を主張して,いずれの解釈によっても構成要件4C,4F,9A,9Eを充足すると主張する。しかしながら,当裁判所は,各構成要件に係る特許請求の範囲の記載及び本件明細書の記載に照らして,原告の主張する解釈1を採用すると,少なくとも構成要件4C,9Aを充足せず,原告の主張する解釈2を採用すると,少なくとも構成要件4F,9Eを充足しないから,いずれの解釈によっても,本件通信システム方法及び本件基地局装置は本件発明の技術的範囲に属するとは認められないと判断する。その理由は,以下のとおりである。
(2) 本件明細書には以下の記載がある(甲2の2)。
【発明が解決しようとする課題】としてア 「OFDMAに関してサブキャリア割当を行うという1つのアプローチは,統合最適化オペレーションであるが,これは,全セル内の全加入者の行動とチャネルに関する知識が必要なばかりでなく,現在の加入者がネットワークを抜けたり新しい加入者がネットワークに加わったりした場合,その度毎に周波数の再調整が必要になる。これは,主に,加入者情報を更新するための帯域幅コストと統合最適化のための計算費用のせいで,実際14の無線システムでは非実用的である場合が多い。」(段落【0006】)【課題を解決するための手段】としてイ 「システムのためにサブキャリアを選択する方法及び装置について説明する。或る実施形態では,直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているシステムのためのサブキャリア選択の方法は,複数のサブキャリアを,少なくとも1つのサブキャリアのクラスタから成る複数のグループに分割する段階と,加入者による,前記複数のグループの中の1つ又は複数のグループの選択の表示を受信する段階と,加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタを,加入者との通信に使用するために割り当てる段階と,で構成されてい る。」(段落【0007】)【発明を実施するための最良の形態】としてウ 「ダウンリンクチャネルに関しては,各加入者は最初に全てのサブキャリアについてチャネルと干渉の情報を測定し,性能の良い(中略)複数のサブキャリアを選択して,それら候補サブキャリアに関する情報を基地局にフィードバックする。」(段落【0010】)エ 「加入者からこの情報を受信すると,基地局は,基地局で入手可能な追加情報(中略)を利用して,候補の中からサブキャリアを更に選択する。
(段落【0011】)オ 「各加入者は,継続的にパイロット記号の受信をモニターし,セル間干渉及びセル内トラフィックを含め,各クラスタのSINR及び/又は他のパラメータを測定する(中略)。この情報に基づいて,各加入者は,相対的に性能が良好な(中略)1つ又は複数のクラスタを選択して,これらの候補クラスタに関する情報を所定のアップリンクアクセスチャネルを通して基地局にフィードバックする(中略)。(中略)各加入者は,他よりも相対的に性能が良好なクラスタを選択する。この選択により,各加入者は15測定されたパラメータに基づいて使用が望ましいと思われるクラスタを選択することになる。(段落【0026】)カ 「各加入者から基地局への情報のフィードバックは,各クラスタのSINR値を含んでおり,加入者が使用を望む符号化/変調速度も示している。
フィードバック内の情報の順序を基地局が知っている限り,フィードバック内のどのSINR値がどのクラスタに対応しているかを示すためにクラスタインデクスが必要になることはない。」(段落【0028】)キ 「加入者からフィードバックを受信すると,基地局は,次に,候補の中から加入者用に1つ又は複数のクラスタを選択する(中略)。」(段落【0029】)ク 「或る実施形態では,加入者は,常にできるだけ多くのクラスタに関する情報を送ろうと務め,そこから基地局が選択する。」(段落【0040】)ケ 「加入者の目的は,加入者が使用したいと思うクラスタについて基地局に表示を提供することである。理想的には,加入者による選択の結果は,チャネルゲインが高く,他のセルからの干渉が低く,利用可能性が高いクラスタということになる。加入者は,その結果を含んでいるフィードバック情報を提供し,所望のクラスタを,順番に又はここに記載していない方法でリスト表示する。(段落【0046】)コ 「この情報に基づいて,加入者は,所定の性能基準に基づき使用を希望するクラスタを選択する。クラスタの順位リストを使って,加入者は,加入者が知っている符号化及び変調速度と共に所望のクラスタを要求して,所望のデータ速度を実現する。」(段落【0052】)サ 「基地局からパイロット信号を受信した後,加入者は1つ又は複数のクラスタグループに関するチャネル情報を同時に又は順次返送する。或る実施形態では,グループの幾つかに関する情報しか基地局には返送されな16い。」(段落【0069】)(3) まず,原告の主張する解釈1を採用した場合に,構成要件4C,9Aを充足するかについて検討する。
構成要件4Cは「前記複数のグループの中の1つ又は複数のグループの加入者による選択の表示を受信する段階と,」というものであり,構成要件9Aは「複数のサブキャリアから成る複数のクラスタで構成された複数のグループの中の1つ又は複数のグループの加入者による選択の表示と,」というものである。
原告は,基地局がユーザ端末に対して高次階層設定サブバンドフィードバックモードを選択して非周期的CQI報告をさせることを指示すると,この指示が,全部のサブバンドについてサブバンドCQIを報告することを指示するものであるから,ユーザ端末はこれに基づいて,全部のサブバンドを選択してサブバンドCQIを報告しなければならないが,これはユーザ端末が全部のサブバンドを選択したことに相当する旨主張する。
イ しかしながら,かかる非周期的CQI報告の態様(乙1)を前提とすると,ユーザ端末は,基地局の指示に基づいて常に全部のサブバンドについての情報を報告するのであるから,ユーザ端末が何らかの「選択」(えらぶこと。適当なものをえらびだすこと。良いものをとり,悪いものをすてること。[広辞苑第6版・乙3])をしているということはできない。本件明細書においても,加入者が望ましい候補を選び出し望ましくない候補を外すことを「選択」と表現していることは,段落【0010】,【0026】,【0046】,【0052】等に記載されている実施形態等から明らかである。この点,原告は,情報処理技術分野における用語法などからすれば,「選択」には全てを選択することが含まれると主張するが,本件特許の関連技術分野全てにおいて「選択」との文言が上記のように用いられることが通常であることを認めるに足りる証拠はないし,本件明細書17においても「選択」との文言の意義につき特段の説明はないから(甲2の2),原告の上記解釈は採用できず,常に全部のサブバンドを選ぶという態様は,「選択」の語義に含まれないというべきである。また,原告の主張する解釈1を採用すると,構成要件4F,9Eにおける「前記加入者が選択した・・・クラスタのグループの中の・・・クラスタを・・・割り当てる」との文言の意義が失われることからすれば,このような解釈は本件発明の構成要件が予定しないところであると言わざるを得ない。
ウ 原告は,本件明細書の段落【0028】,【0040】,【0069】には,全部のクラスタが選択されることを包含する内容の記載があり,実質的にも,全部のサブバンドを選択してフィードバックした方がかえってフィードバック情報量を削減できるといえると主張する。
しかしながら,前記のとおり本件明細書においても加入者が望ましい候補を選び出すことを「選択」と表現していると認められる上,原告の主張する段落【0028】,段落【0040】,段落【0069】の各記載によっても,常に全部のクラスタについての情報を「選択」するという実施形態は明示されていない。なお,段落【0028】には,「フィードバック内の情報の順序を基地局が知っている限り,フィードバック内のどのSINR値がどのクラスタに対応しているかを示すためにクラスタインデクスが必要になることはない。」としか記載されていないから,この実施形態が全部のクラスタについての情報をフィードバックする実施形態を含むとしても,このようなフィードバックの形態と「選択」との関係が不明であり,少なくとも,常に全部のクラスタについての情報を報告する態様が「選択」の一形態として含まれることの記載はない。また,全部のサブバンドを選択してフィードバックした方がかえってフィードバック情報量を削減できる場合があるとしても,本件明細書にはそのような実施形態は明示されていない。原告の主張は,採用することができない。
18エ したがって,原告の主張する解釈1を採用すると,少なくとも構成要件4C,9Aを充足しない。
(4) 次に,原告の主張する解釈2を採用した場合に,構成要件4F,9Eを充足するかについて判断する。
構成要件4Fは「前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタを前記加入者との通信に使用するために割り当てる段階と,から成ることを特徴とする方法。」というものであり,構成要件9Eは「前記クラスタ割当制御装置は,更に,前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタを前記加入者との通信に使用するために割り当てる,前記クラスタ割当制御装置と,」というものである。
原告は,非周期的CQIレポートの高次階層設定サブバンドフィードバックモードでは,ユーザ端末は,ワイドバンドCQIを一種のいき値として,サブバンドCQIがワイドバンドCQI以上であるサブバンドを,サブバンド差分CQI値「0,1,2」を付して順位付けしてこれを選択し,非選択のサブバンドにサブバンド差分CQI値「3」を付して全部のサブバンドの差分CQI値を送信することにより,個別のサブバンドを特定する表示を省略して情報量を低減化しているところ,基地局はユーザ端末に対してサブバンド差分CQI値「0,1,2」のサブバンドを構成する少なくとも1つのリソース・ブロックを割り当てているし,また,多数の加入者に対する通信を最も効率的に行うように調整して最適化する過程で,基地局の総合的な判断によって,加入者が非選択としたサブバンド(本件発明におけるクラスタグループ)に属するリソース・ブロック(本件発明におけるクラスタ)の割当てを行うことは,本件発明によっても許容されているから,サブバンド差分CQI値が「3」のサブバンドに属するリソース・ブロックも割当ての対象になっているとしても,「前記加入者が選19択した1つ又は複数のクラスタグループの中の少なくとも1つのクラスタを・・・割り当てる」ことに相当する旨主張する。
イ しかしながら,「前記加入者が選択した・・・クラスタのグループの中の・・・クラスタを・・・割り当てる」との文言,及び本件明細書の段落【0006】,【0007】,【0011】,【0029】,【0040】等の記載内容からすれば,本件発明は,基地局が全セル内の全加入者の行動とチャネルに関する知識を必要とする統合最適化オペレーションは非実用的である場合が多いため,加入者が選択した候補クラスタグループのクラスタの中から基地局がクラスタを選択して割り当てることによって,基地局による選択・割当ての負担を軽減し,基地局が受信する情報量を少なくして負荷を分散させ,最適なクラスタ割当てを実現することをその特徴の一つとするものであると解される。そうであるから,同構成要件の文言のうち「少なくとも1つの」との限定は,その位置及び前記本件発明の特徴に照らして,「1つ以上の」と同義と解釈すべきであって,構成要件4F,9Eの「前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタグループの中の少なくとも1つのクラスタを・・・割り当てる」との文言は,基地局において,加入者が選択した候補クラスタグループの中のクラスタのみを割り当てることを意味すると解すべきである。すなわち,加入者が選択していないクラスタグループ内のクラスタを基地局が割り当てることは,基地局の負担を増大させると共に,加入者がクラスタグループを選択することの意味を失わせるものであり,基地局による選択・割当ての負担を軽減し負荷を分散させるという本件発明の特徴に反するものであるから,かかる文言の範囲に含まれないと解すべきである。
この点,原告は,構成要件4F,9Eにおいて,「前記加入者が選択した1つ又は複数のクラスタのグループの中の少なくとも1つのクラスタ『のみ』を・・・割り当てる」との記載になっていないことや,本件明細20書において,加入者に対するサブキャリアの割当ては基地局が総合的判断のもとで最終決定をすることが記載されていることを主張するが,これらの記載内容は前記認定と矛盾するものではないから,前記認定に係る構成要件4F,9Eの解釈を左右しない。
ウ これを本件通信システム方法及び本件基地局装置についてみるに,そもそも,LTE通信規格には,基地局がユーザ端末に対してサブバンド差分CQI値「0,1,2」のサブバンドを構成する少なくとも1つのリソース・ブロックを割り当てるという記載はないし(弁論の全趣旨),被告製品の計測結果(甲13)はある特定の時点・基地局における割当て結果の例を示したものに過ぎないから,基地局がユーザ端末に対して常にサブバンド差分CQI値「0,1,2」のサブバンドを構成する少なくとも1つのリソース・ブロックを割り当てると認めるに足りるものではない。そうすると,原告の主張する解釈2を前提としても,原告が主張するように基地局がユーザ端末に対して常にサブバンド差分CQI値「0,1,2」のサブバンドを構成する少なくとも1つのリソース・ブロックを割り当てることを認めるに足りる証拠はないから,本件通信システム方法及び本件基地局装置が構成要件4F,9Eを充足するとは認めるに足りない。
仮にこの点を措くとしても,原告の主張する解釈2のとおり,ユーザ端末がサブバンド差分CQI値「0,1,2」を「選択」し,「3」を非選択としたと解するのであれば,基地局が,ユーザ端末に対してサブバンド差分CQI値が「3」のサブバンドに属するリソース・ブロックを割り当てることは,前記イ記載の本件発明の特徴に反するものである。しかるに,原告は,基地局が,ユーザ端末に対してサブバンド差分CQI値が「3」のサブバンドに属するリソース・ブロックを割り当てることがあることについて積極的に争っておらず,かえって,被告製品とユーザ端末との間の通信において,非周期的高次階層設定サブバンドフィードバックモードの21ときに,サブバンド差分CQI値が「3」のサブバンドが割当ての対象になっていることを示す測定結果がある(乙10)。そうであるから,この点からも,本件通信システム方法及び本件基地局装置が構成要件4F,9Eを充足するとは認められない。
エ したがって,原告の主張する解釈2を採用すると,少なくとも構成要件4F,9Eを充足しない。
2 結論以上のとおり,本件通信システム方法及び本件基地局装置は本件発明の技術的範囲に属するとは認められないから,原告の請求は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がない。よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第47部裁判長裁判官 沖 中 康 人裁判官 廣 瀬 達 人裁判官 宇 野 遥 子22(別紙)物 件 目 録次の型式名を含むRBSシリーズ,RRUSシリーズ,AIRシリーズの基地局施設1 RBS61012 RBS61023 RBS62014 RBS62025 RBS66016 RBS63017 RBS63028 mRBS9 pRBS(別称 RBS6401)10 mRRUS11 RRUS1112 RRUS1213 AIR以上23(別紙)原告の主張する本件通信システム方法の特徴4a ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているLTE規格通信システムのダウンリンクにおけるサブキャリア選択の方法である。
4b システム帯域にある複数のサブキャリアを,12個のサブキャリアからなるリソース・ブロックの複数個で構成されるN個のサブバンドに分割する段階を有する。
4c(その1) 基地局は,非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3−0又はモード3−1)において,各サブバンドの品質に関する情報として,ユーザ端末から,ワイドバンドCQI及び前記N個全てのサブバンドについて,各サブバンドのCQIとワイドバンドCQIとの差分に対応づけられたN個の差分CQIによる選択の表示を受信する段階を有する。
4c(その2) 基地局は,非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3−0又はモード3−1)において,各サブバンドの品質に関する情報として,ユーザ端末から,ワイドバンドCQI及び前記N個全てのサブバンドについて,各サブバンドのCQIとワイドバンドCQIとの差分に対応づけられたN個の差分CQIを受信するところ,通信に適するサブバンドには差分CQIとして0,1及び2の3種類のインデクスを付した選択の表示を受信する段階を有する。
4d 基地局は,非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3−0又はモード3−1)において,ワイドバンドCQI及びN個のサブバンドの全てについて,サブバンド毎の差分CQIとして,0,1,2又は3のインデクスのいずれかを付されたサブバンド24に関するフィードバック情報を受信する段階を有する。
4e サブバンドCQIは,ワイドバンドCQIとの関係で差分的に符号化され,畳み込み符号によって誤り訂正符号化される段階を有する。
4f 基地局は,ユーザ端末が選択した複数のサブバンドを構成する1つ又は複数のリソース・ブロックを,ユーザ端末との通信に使用するために割り当てる段階を有する,ことを特徴とする方法。
以上25(別紙)原告の主張する本件基地局装置の特徴9a(その1) 非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3−0又はモード3−1)において,全N個の各サブバンドの品質に関する情報として,ユーザ端末から,ワイドバンドCQI及び前記N個全てのサブバンドについて,各サブバンドのCQIとワイドバンドCQIとの差分に対応づけられたN個の差分CQIによる選択の表示を受信するリソース・ブロック割り当て制御装置を備える。
9a(その2) 基地局は,非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3−0又はモード3−1)において,各サブバンドの品質に関する情報として,ユーザ端末から,ワイドバンドCQI及び前記N個全てのサブバンドについて,各サブバンドのCQIとワイドバンドCQIとの差分に対応づけられたN個の差分CQIを受信するところ,通信に適するサブバンドには差分CQIとして0,1及び2の3種類のインデクスを付した選択の表示を受信するリソース・ブロック割り当て制御装置を備える。
9b 非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3−0又はモード3−1)において,ワイドバンドCQI及びN個のサブバンドの全てについて,サブバンド毎の差分CQIとして,0,1,2又は3のインデクスのいずれかを付されたサブバンドに関するフィードバック情報を受信するリソース・ブロック割り当て制御装置を備える。
9c 基地局はリソース・ブロックの割当制御機能を有する装置を備える。
9d サブバンドCQIは,ワイドバンドCQIとの関係で差分的に符号化され,畳み込み符号によって誤り訂正符号化されている。
269e 基地局は,ユーザ端末が選択した1つ又は複数のサブバンドを構成する1つ又は複数のリソース・ブロックを,ユーザ端末との通信に使用するために割り当てるリソース・ブロックの割当制御機能を有する装置を備える。
9f ユーザ端末との通信に使用するために割り当てるリソース・ブロックの割当制御機能を有する装置に接続され,基地局がユーザ端末に割り当てた1つ又は複数のサブバンドを構成する1つ又は複数のリソース・ブロックを,下り制御情報(DCI)としてユーザ端末に伝送する。
9g ダウンリンクにおいて直交周波数多重アクセス(OFDMA)を利用する無線送受信装置と,を有する基地局装置。
以上27(別紙)被告の主張する本件通信システム方法の特徴4a´ ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を,アップリンクにおいてSC−FDMAを用いるLTE規格通信システムのダウンリンクにおけるリソース・ブロックの選択の方法であって,4b´ システム帯域にある複数のサブキャリアは,12個のサブキャリアからなるリソース・ブロックの複数個で構成されるN個のサブバンドに分割されており,4c´ 基地局は,非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3.0又はモード3.1)において,各サブバンドの品質に関する情報として,ユーザ端末から,前記N個全てのサブバンドについて,各サブバンドCQIとワイドバンドCQI(N個全てのサブバンドを使用すると仮定した場合に計算されたCQI)の差分に対応づけられた0,1,2,3の4種類のサブバンド差分CQI値を受信し,4d´ 基地局は,非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3.0又はモード3.1)において,各サブバンドの品質に関する情報として,ユーザ端末から,前記N個全てのサブバンドについて,各サブバンドCQIとワイドバンドCQI(N個全てのサブバンドを使用すると仮定した場合に計算されたCQI)の差分に対応づけられた0,1,2,3の4種類のサブバンド差分CQI値を受信し,4e´ 前記サブバンド差分CQI値は,ユーザ端末において,前記サブバンドCQIと前記ワイドバンドCQIとの差分を,元のサブバンドCQIへ復号することが不可能な方法で4種類の数値に対応づけられた上で畳み込み符号によって誤り訂正符号化されており,4f´ 基地局は,ユーザ端末から送信された前記サブバンド差分CQI値やワ28イドバンドCQI等を参照しながらも,0,1,2のサブバンド差分CQI値が通知されたサブバンドに限定されずに,リソース・ブロックを選択してユーザ端末との通信に使用するために割り当てる,ことを特徴とする方法。
以上29(別紙)被告の主張する本件基地局装置の特徴9a´ 非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3.0又はモード3.1)において,各サブバンドの品質に関する情報として,12個のサブキャリアからなる複数のリソース・ブロックで構成されるN個全てのサブバンドについて,各サブバンドのサブバンドCQIとワイドバンドCQI(N個全てのサブバンドを使用すると仮定した場合に計算されたCQI)の差分に対応づけられた0,1,2,3の4種類のサブバンド差分CQI値の通知を受けることにより,N個全てのサブバンドについてのサブバンドCQIの情報を受信する機能を有する,9b´ 非周期的なCQIレポートである高次階層設定サブバンドフィードバックモード(モード3.0又はモード3.1)において,各サブバンドの品質に関する情報として,12個のサブキャリアからなる複数のリソース・ブロックで構成されるN個全てのサブバンドについて,各サブバンドのサブバンドCQIとワイドバンドCQI(N個全てのサブバンドを使用すると仮定した場合に計算されたCQI)の差分に対応づけられた0,1,2,3の4種類のサブバンド差分CQI値の通知を受けることにより,N個全てのサブバンドについてのサブバンドCQIの情報を受信する機能を有する,9c´ リソース・ブロックの割当制御機構であって,9d´ 前記通知されるサブバンドCQIは,元のサブバンドCQIへ復号することが不可能な方法で前記4種類のサブバンド差分CQI値に対応づけられた上で,畳み込み符号によって誤り訂正符号化されている,9e´ ユーザ端末から送信された前記サブバンド差分CQI値やワイドバンドCQI等を参照しながらも,0,1,2のサブバンド差分CQI値が通知されたサブバンドに限定されることなく,リソース・ブロックを選択してユーザ30端末との通信に使用するために割り当てるリソース・ブロック割当制御機構と,9f´ 前記リソース・ブロック割当制御装置に接続されて,基地局がユーザ端末に割り当てた1つ又は複数のリソース・ブロックの識別情報を,下り制御情報(DCI)としてユーザ端末に伝送する,9g´ ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を,アップリンクにおいてSC−FDMAを利用する無線送受信装置と,を有する基地局装置。
以上31
事実及び理由
全容
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