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事件 平成 26年 (ワ) 10769号 損害賠償請求事件
アメリカ合衆国テキサス州<以下略>
原告 アダプティックスインコ ーポレイテッド
同訴訟代理人弁護士 飯田秀郷 隈部泰正 森山航洋
同訴訟代理人弁理士 黒田博道 北口智英 東京都中央区<以下略>
被告 LGElectr oni cs Japan株式会社
同訴訟代理人弁護士 片山英二 佐長功 服部誠 梶並彰一郎
同訴訟代理人弁理士 加藤志麻子
同補佐人弁理士 相田義明
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2015/04/23
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。
- 1 -事 実 及 び 理 由第1 請求被告は,原告に対し,5635万円及びこれに対する平成26年5月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要本件は,発明の名称を「適応サブキャリア−クラスタ構成及び選択的ローディングを備えたOFDMA」とする特許第5119070号の特許権(以下「本件特許権」という。)を保有する原告が,被告による別紙物件目録記載1〜14の各携帯端末及び無線ルータ(以下「被告製品」と総称する。)の輸入,販売等が本件特許権の間接侵害(特許法101条2号,5号)に当たるとして,被告に対し,民法709条及び特許法102条3項に基づく損害賠償金5635万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成26年5月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
なお,原告は,当初,特許第4201595号の特許権(以下「別件特許権」という。)に基づいて別紙物件目録記載1〜8の各製品の輸入,譲渡等の差止めを求める訴え(当裁判所平成25年(ワ)第23278号特許権侵害差止請求事件。以下「別件」という。)を提起し,その後,別件において上記製品に係る別件特許権の侵害を理由とする損害賠償請求を追加するとともに,本件の訴えを提起して,同目録記載9〜14の各製品に係る別件特許権の侵害を理由とする損害賠償と,被告製品に係る本件特許権の侵害を理由とする損害賠償を求めた。本件及び別件については弁論の分離及び併合がされるなどしたが,別件特許権に基づく上記差止め及び損害賠償の各請求に関する部分は請求の放棄により終了した。
1 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。ただし,書証番号は本件のものである。)- 2 -(1) 当事者ア 原告は,本件特許権を保有するアメリカ合衆国法人である。
イ 被告は,電子機械器具製品及び部品の販売,輸出入業等を目的とする株式会社である。
(2) 本件特許権ア 原告は,次の本件特許権の特許権者である(以下,本件特許権の特許出願の願書に添付された明細書及び図面(ただし,後記イのとおり訂正されたもの。)を「本件明細書」という。)。(甲4)特許番号 特許第5119070号発明の名称 適応サブキャリア−クラスタ構成及び選択的ローディングを備えたOFDMA出 願 日 平成20年7月14日原出願日 平成13年12月13日優 先 日 平成12年12月15日(優先権主張番号 09/738,086,優先権主張国 米国)登 録 日 平成24年10月26日イ 本件特許権の特許請求の範囲請求項1及び16の記載は,次のとおりである(以下,請求項1の発明を「本件発明1」,請求項16の発明を「本件発明16」といい,これらの発明を併せて「本件発明」という。)。なお,原告は,本件発明16につき誤記の訂正を目的とした訂正審判を請求し,平成26年12月9日に訂正を認める旨の審決がされた。後記請求項16の記載内容はその訂正後のものである(訂正部分に下線部を付した。)。(甲19)(ア) 請求項1「 直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているシステムのためのサブキャリア選択の方法において,- 3 -加入者装置が,基地局から受信したパイロット記号に基づいて,複数のサブキャリアについてチャネル及び干渉情報を測定する段階と,前記加入者装置が,候補サブキャリアのセットを選択する段階と,前記加入者装置が,前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供する段階と,前記加入者装置が,前記加入者装置用として前記基地局により選択された前記サブキャリアのセットのサブキャリアの表示を受信する段階と,から成り,前記加入者装置は,割り当てられるべき前記サブキャリアのセットを割り当てられた後,更新されたサブキャリアのセットを受けるために,更新されたフィードバック情報を提出する段階と,その後,前記加入者装置が,前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信する段階とを更に含んでいることを特徴とする方法。」(イ) 請求項16「 複数の加入者装置が使用を望んでいるサブキャリアのクラスタを表示するフィードバック情報を生成することができる,第1セル内の複数の加入者装置と,前記複数の加入者装置に対して,クラスタ内のOFDMAサブキャリアを割り当てることができる,前記第1セル内の第1基地局と,を備えており,前記複数の加入者装置は,それぞれ,前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し,前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは,前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し,前記少なくとも1つの加入者装置は,前記候補サブキャリアのセ- 4 -ットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して,前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信するようになっており,前記加入者装置は,前記サブキャリアのセットを割り当てられた後,更新されたサブキャリアのセットを受信するために,更新されたフィードバック情報を提出し,その後,前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信することを特徴とする装置。」ウ 本件発明を構成要件に分説すると,以下のとおりとなる(以下,「構成要件1A」などという。)。
(ア) 本件発明11A 直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているシステムのためのサブキャリア選択の方法において,1B 加入者装置が,基地局から受信したパイロット記号に基づいて,複数のサブキャリアについてチャネル及び干渉情報を測定する段階と,1C 前記加入者装置が,候補サブキャリアのセットを選択する段階と,1D 前記加入者装置が,前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供する段階と,1E 前記加入者装置が,前記加入者装置用として前記基地局により選択された前記サブキャリアのセットのサブキャリアの表示を受信する段階と,から成り,1F 前記加入者装置は,割り当てられるべき前記サブキャリアのセットを割り当てられた後,更新されたサブキャリアのセットを受けるために,更新されたフィードバック情報を提出する段階と,- 5 -1G その後,前記加入者装置が,前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信する段階とを更に含んでいる1H ことを特徴とする方法。
(イ) 本件発明1616A 複数の加入者装置が使用を望んでいるサブキャリアのクラスタを表示するフィードバック情報を生成することができる,第1セル内の複数の加入者装置と,16B 前記複数の加入者装置に対して,クラスタ内のOFDMAサブキャリアを割り当てることができる,前記第1セル内の第1基地局と,を備えており,16C 前記複数の加入者装置は,それぞれ,前記第1基地局から受信したパイロット記号に基づいて前記複数のサブキャリアに関するチャネル及び干渉情報を測定し,16D 前記複数の加入者装置のうちの少なくとも1つは,前記複数のサブキャリアから候補サブキャリアのセットを選択し,前記少なくとも1つの加入者装置は,前記候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を前記基地局に提供して,前記少なくとも1つの加入者装置が使用するように前記第1基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信するようになっており,16E 前記加入者装置は,前記サブキャリアのセットを割り当てられた後,更新されたサブキャリアのセットを受信するために,更新されたフィードバック情報を提出し,16F その後,前記更新されたサブキャリアのセットの別の表示を受信する16G ことを特徴とする装置。
- 6 -(3) 被告の行為等ア 被告は,別表の被告製品の「発売年月」欄記載の各時期(西暦年/月)から被告製品を販売している。
イ 被告製品は,第3世代移動通信システムの標準化組織である3GPPが定めた第3世代(3G)移動通信システムの長期的高度化システムであるLTE(Long Term Evolution)の規格(以下「LTE規格」という。)に準拠した携帯端末又は無線ルータである。
2 争点原告は,被告製品はLTE規格に準拠したものであるから,被告製品が用いられる通信システム方法(以下「被告通信システム方法」という。)は少なくとも別紙被告製品が用いられるLTE規格通信システム方法の特徴のとおりの構成を有し,被告製品により構築される通信システム(以下「ネットワークとしての被告通信システム」という。)は別紙被告製品が用いられるネットワークとしてのLTE規格通信システムの特徴のとおりの構成を有するとし(以下,上記各別紙記載の各構成を「特徴1a」などという。),被告通信システム方法は本件発明1の,ネットワークとしての被告通信システムは本件発明16の技術的範囲にそれぞれ属するから,特許法102条2号又は5号により,被告製品の販売が本件特許権の侵害行為とみなされる旨を主張している。
本件の争点は,以下のとおりである。
(1) 被告通信システム方法の本件発明1の技術的範囲への属否(2) ネットワークとしての被告通信システムの本件発明16の技術的範囲への属否(3) 本件特許権の間接侵害の成否(4) 特許無効理由の存否(5) 損害の額- 7 -3 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(被告通信システム方法の本件発明1の技術的範囲への属否)についてア 構成要件1Aの充足性について(原告の主張)被告通信システム方法は,少なくともダウンリンクにおいてOFDMAシステムを使用している。また,被告通信システム方法において通信に用いられるサブキャリアは,周波数と時間で画されたリソース・ブロックを形成しており,基地局はユーザ端末から報告されたCQIによって複数のリソース・ブロックを通信に用いるために選択している。
したがって,被告通信システム方法は,特徴1aを備えており,構成要件1Aを充足する。
(被告の主張)争う。被告通信システム方法は,アップリンクではOFDMAシステムとは異なる多元接続方式を採用している。また,割り当てられるリソース・ブロックは,周波数軸と時間軸によって構成される二次元の広がりを持つものであり,単に周波数軸によって構成されている一次元のサブキャリアとは異なる。
構成要件1Bの充足性について(原告の主張)特徴1bのリファレンス信号は,既知の振幅,位相などを備えるもので周期的に送信されるから,構成要件1Bのパイロット記号に相当する。
また,リファレンス信号を受信したユーザ端末は,受信信号からSINRを測定し,これを4ビットで量子化したCQIを得る。SINR及びCQIはチャネル及び干渉情報に相当するから,被告通信システム方法は構成要件1Bを充足する。
- 8 -(被告の主張)争う。LTE規格には,「ユーザ端末は,基地局から受信したリファレンス信号に基づいて,サブキャリアについてSINRを測定する」旨の規定はなく,サブバンドについて「ユーザ端末は,測定したSINRに基づきこれを指標化したCQIを得る」旨の規定もない。
構成要件1Cの充足性について(原告の主張)(ア) 被告製品は,周期的CQI報告におけるUE選択モードの機能を備えており,この機能によるCQI報告を基地局に伝達している。
基地局が上記モードを選択すると,被告製品は基地局に対して同モードでCQIを報告しなければならない。同モードでは,ユーザ端末は帯域幅部分ごとに一つの好適サブバンドを選択するが,サブバンドはリソース・ブロックの集合であり,複数のサブキャリアから成るセットに相当するから,候補サブキャリアを選択するものとして,構成要件1Cを充足する。
(イ) また,被告製品は非周期的CQI報告における高次階層設定サブバンドフィードバックモードの機能を備えており,この機能によるCQI報告を基地局に伝達している。
同モードは,基地局が割り当てることのできる全帯域の平均CQIと,全帯域を分割したサブバンドごとのCQIとの差分CQIを,平均CQI値以上を示す「0」,「1」,「2」と平均CQI値以下を示す「3」という指標にして,全部のサブバンドについて報告する。
このうち,「3」は選択に値しないものであることを意味し,その他は選択に値するものであることを意味するから,同モードにおけるCQI報告において,差分CQIとして「0」,「1」,「2」を付することは,サブバンドを選択することを意味し,構成要件1Cを充足- 9 -する。
また,仮に上記解釈が妥当でないとしても,「選択」は,「えらぶこと。適当なものをえらびだすこと。」という意味を有するから,全部を選択することは排除されない。本件明細書にも,加入者が基地局に対して「全てのサブキャリアについて」フィードバック情報を提供する旨の記載(段落【0010】)や,加入者が常にできるだけ多くのクラスタに関する情報を送ろうと努める旨の記 載(段落【0040】)がある。したがって,上記モードにおいてユーザ端末が基地局による全帯域の報告の求めに応じて全部のサブバンドを選択することは,構成要件1Cを充足する。
(被告の主張)原告は,LTE規格においてあたかも原告の主張する類型のCQI報告が必ず採用されているかのような主張をしているが,LTE規格においては五つの類型のCQI報告があり,どの類型が採用されるかは基地局によって決定されるから,原告の主張は前提において誤っている。
また,非周期的CQI報告における高次階層設定サブバンドフィードバックモードでは,全てのサブバンドについてそれぞれのサブバンドのCQIが報告されるのみであり,ユーザ端末による「候補サブキャリアのセットを選択する段階」は存在しない。
構成要件1Dの充足性について(原告の主張)構成要件1Dの「フィードバック情報」は,構成要件1Bのパイロット記号を受信してチャネル及び干渉情報を測定して得た情報を基地局に伝送する情報を意味する。特徴1dのとおり,被告通信システム方法ではユーザ端末が受信したリファレンス信号に基づき,上記ウ(原告の主張)のとおり選択したサブバンドのCQI情報を基地局に伝送(提供)- 10 -するから,構成要件1Dを充足する。
(被告の主張)争う。CQIは端末の能力にも依存するものであり,単純にSINRを指標化したものではない。
構成要件1Eの充足性について(原告の主張)本件発明1は,サブキャリアの選択の方法の発明であり,サブキャリアのセットのサブキャリアを基地局が選択する。加入者装置は,基地局により選択された前記サブキャリアのセットのサブキャリア,すなわち,複数の候補サブキャリアのセットの中からセットを構成するサブキャリアの全部又は一部という部分集合を受信する。
一方,被告通信システム方法では,基地局はDCIフォーマットを用いてユーザ端末への無線リソース割当てを通知する。基地局が割り当てるリソース・ブロックは,ユーザ端末が選択した好適サブバンドに属するものであるのが通例である。また,測定結果報告書(甲18)によれば,被告製品は,非周期的CQI報告による高次階層設定サブバンドフィードバックモードを備えており,リソース配置タイプ0において,基地局が,被告製品のCQI報告における差分CQIの指標が「3」以外のサブバンド,すなわち,候補サブキャリアのセットを構成するリソース・ブロックの一部を割り当てていることが示されている。したがって,特徴1eは構成要件1Eを充足する。
(被告の主張)仮にリソース・ブロックをサブキャリアに相当するものと捉えて,複数のリソース・ブロックから成るサブバンドをサブキャリアのセットであると捉えたとしても,構成要件1Eは,基地局が,加入者装置から提供されたフィードバック情報を踏まえて,加入者装置が選択した候補サ- 11 -ブキャリアのセットの中からサブキャリアのセットを選択するものである。
これに対し,LTE規格には,基地局がユーザ端末に対してどのようにリソース・ブロックを割り当てているのかについて,割当てのポリシーは規定されておらず,ユーザ端末から受信したCQI報告に基づきリソース・ブロックを割り当てているとは認められないから,被告通信システム方法は構成要件1Eを充足しない。
構成要件1Fの充足性について(原告の主張)本件発明1は,チャネル依存スケジューリングを目指すものであるが,加入者装置からフィードバックされたチャネル情報に基づくチャネル品質推定は長時間有効ではないから,時間間隔をおいてチャネル品質推定を更新する必要がある。
被告通信システム方法は,周期的CQI報告の場合は周期的に,非周期的CQI報告の場合は基地局が必要に応じてユーザ端末に報告を求め,ユーザ端末はCQIを報告し,基地局はそれに基づきリソース・ブロックを割り当てる。したがって,特徴1fが構成要件1Fを充足することは明らかである。
(被告の主張)争う。
構成要件1Gの充足性について(原告の主張)前記オ(原告の主張)のとおり,基地局は候補サブキャリアのセットを構成するサブキャリアの集合の中から部分集合としてのサブキャリアの集合を割り当て,加入者装置はその表示を受信する。このことは更新されたサブキャリアの割当てを加入者装置が受ける場合も同様であり,- 12 -被告通信システム方法においても前記オ(原告の主張)のとおり,リソース・ブロックの割当ての通知がされる。したがって,特徴1gは構成要件1Gを充足する。
(被告の主張)争う。上記オ(被告の主張)のとおりである。
構成要件1Hの充足性について(原告の主張)前記のとおり,特徴1a〜1gは構成要件1A〜1Gを充足するから,特徴1hは構成要件1Hを充足する。
(被告の主張)争う。
(2) 争点(2)(ネットワークとしての被告通信システムの本件発明16の技術的範囲への属否)についてア 構成要件16Aの充足性について(原告の主張)ユーザ端末は,周期的CQI報告におけるUE選択モード及び非周期的CQI報告における高次階層設定サブバンドフィードバックモードのいずれにおいても,受信したリファレンス信号に基づく候補サブバンドのCQI情報を基地局に伝送する。サブバンドはリソース・ブロックの集合であり,サブキャリアの集合であるから,被告製品は使用を望んでいるサブバンドのクラスタを表示するフィードバック情報を生成することができる。また,ネットワークとしての被告通信システムには複数のセルと,セルの中には少なくとも1つの基地局があり,複数のユーザ端末が存在する。したがって,特徴16aは構成要件16Aを充足する。
(被告の主張)争う。前記(1)ア(被告の主張)のとおり,リソース・ブロックはサブ- 13 -キャリアとは異なる。
構成要件16Bの充足性について(原告の主張)ネットワークとしての被告通信システムにおいては,少なくとも下りリンクにおいてOFDMAシステムが採用されており,その基地局は複数のユーザ端末に対してリソース・ブロックの構成要素であるサブキャリアを割り当てるから,特徴16bは同構成要件を充足する。
(被告の主張)争う。前記(1)ア(被告の主張)のとおり,リソース・ブロックはサブキャリアとは異なる。
構成要件16Cの充足性について(原告の主張)前記(1)イ(原告の主張)と同様に,特徴16cは構成要件16Cを充足する。
(被告の主張)争う。LTE規格には,「基地局から受信したリファレンス信号に基づいて前記複数のサブバンドに関するSINRを測定」することは規定されていない。
構成要件16Dの充足性について(原告の主張)周期的CQI報告におけるUE選択モードが「候補サブキャリアのセット」を選択していることは前記(1)ウ(原告の主張)のとおりである。
また,非周期的CQI報告における高次階層設定サブバンドフィードバックモードも,全てのサブバンドを選択している。さらに,サブバンドに関するCQIの基地局への報告はリファレンス信号に応答する関係にあり,フィードバック情報の提供に相当するから,特徴16dは構成要- 14 -件16Dを充足する。
(被告の主張)争う。原告の主張が失当であることは前記(1)ウ及びオの各(被告の主張)等と同様である。
構成要件16Eの充足性について(原告の主張)前記(1)カ(原告の主張)と同様に,特徴16eは構成要件16Eを充足する。
(被告の主張)争う。前記(1)カ(被告の主張)と同様である。
構成要件16Fの充足性について(原告の主張)前記(1)キ(原告の主張)と同様に,特徴16fは構成要件16Fを充足する。
(被告の主張)争う。
構成要件16Gの充足性について(原告の主張)あるセル(第1セル)において,複数の加入者装置と第1基地局とが接続されたネットワークが,構成要件16Gの装置に該当する。
ネットワークとしての被告通信システムにおいて,あるセル内に位置する複数のユーザ端末はそれぞれセル内の基地局と接続を確立してネットワークを構築するから,特徴16gは構成要件16Gを充足する。
(被告の主張)争う。
(3) 争点(3)(本件特許権の間接侵害の成否)について- 15 -(原告の主張)被告製品は,被告通信システム方法に用いられるものであり,本件発明1の課題の解決に不可欠のものである。また,被告製品が通信に用いられるとネットワークとしての被告通信システムが構築されるから,被告製品は発明16の課題の解決にも不可欠のものである。
被告は,これらのことを知りながら,業として,その譲渡若しくは輸入又は譲渡等の申出をしており,かかる行為は特許法101条2号及び5号により本件特許権を侵害するものとみなされる。
(被告の主張)争う。
(4) 争点(4)(特許無効理由の存否)について(被告の主張)本件発明1及び16に係る特許は以下の理由により無効とされるべきものであるから,原告による本件特許権の行使は認められない。
ア 平成11年(1999年)に米国電気電子学会によって発行されたChuang及びSollenberger著「Wideband Wireless Data Access Based on OFDMAnd Dynamic Packet Assignment」(乙7)に記載された発明に基づく新規性欠如(特許法29条1項3号)イ 同年7月29日にドイツ連邦共和国特許庁によって発行された同国特許第19800953号公報(乙3)に記載された発明に基づく進歩性欠如(同法29条2項)ウ 同月21日に公表された特表平11−508417号公報(乙9)に記載された発明に基づく進歩性欠如(同項)エ 明細書の記載要件違反(サポート要件違反(同法36条6項1号違反),実施可能要件違反(同条4項1号))- 16 -(原告の主張)争う。
(5) 争点(5)(損害の額)について(原告の主張)被告は,被告製品を,別表の「発売年月」欄記載の各時期(西暦年/月)から平成26年4月30日までの間に少なくとも112万7000台販売した。被告製品の実施料相当額は少なくとも1台当たり50円であるから,合計5635万円が原告の受けた損害の額となる(特許法102条3項)。
(被告の主張)争う。
第3 当裁判所の判断1 争点(1)(被告通信システム方法の本件発明1の技術的範囲への属否)について(1) まず,構成要件1Eの充足性について検討する。
本件発明1は,直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているシステムのためのサブキャリア選択の方法に関するものであり(構成要件1A),特許請求の範囲の記載のとおり,加入者装置が,@ 基地局から受信したパイロット記号に基づいて,複数のサブキャリアについてチャネル及び干渉情報を測定する段階(構成要件1B),A 候補サブキャリアのセットを選択する段階(構成要件1C),B 候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を基地局に提供する段階(構成要件1D),C 加入者装置用として基地局により選択されたサブキャリアのセットのサブキャリアの表示を受信する段階(構成要件1E)等を含むことを特徴とする(構成要件1H)。すなわち,本件発明1は,加入者装置が,基地局に対して「候補サブキャリアのセット」に関する情報を提供し(上記B),情報提供を受けた基地局が選択した「サブキャリアのセットのサブキャリ- 17 -アの表示」を受信する(上記C)ものであるところ,「候補」とは「将来,ある地位・状態につく資格や見込みのあること」を,「選択」とは「えらぶこと。適当なものをえらびだすこと。良いものをとり,悪いものをすてること」を意味するから(広辞苑〔第6版〕963頁,1602頁参照),基地局による「選択」は加入者装置から情報提供された「候補」の中から行われると解するのが特許請求の範囲の記載に沿うということができる。
そうすると,基地局により選択されるものは,加入者装置が情報を提供した「候補サブキャリアのセット」のうち少なくとも一つと同一の「サブキャリアのセット」であることを要すると解釈すべきことになる。
(2) 構成要件1Eの「選択」に関する上記解釈は,以下のとおり,本件明細書の記載から裏付けられる。
ア 本件明細書(甲4,19)の発明の詳細な説明の欄には,以下の趣旨の記載がある。
(ア) 技術分野(段落【0001】)本件発明は,直交周波数分割多重化(OFDM)を使っている多重セル多重加入者無線システムに関する。
(イ) 背景技術(段落【0003】〜【0005】)多数の加入者のための多重アクセスをサポートするためにOFDMを使用するやり方には時分割多重アクセス(TDMA)や直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)がある。OFDMAでは,多数の加入者が,周波数分割多重アクセス(FDMA)に類似した様式で,異なるサブキャリアを同時に使用する。この場合,各加入者が高いチャネルゲインを享受できるように,サブキャリアを加入者に適応させて割り当てれば好都合である。また,OFDMAシステムにおいてはセル間干渉の問題が発生することがあり,サブキャリアの適応割当てを行ってセル間干渉の影響を緩和するのは有用である。
- 18 -(ウ) 発明が解決しようとする課題(段落【0006】)OFDMAに関してサブキャリア割当てを行うアプローチの一つとして統合最適化オペレーションが考えられる。しかし,統合最適化オペレーションは,全セル内の全加入者の行動とチャネルに関する知識が必要なばかりでなく,現在の加入者がネットワークを抜けたり新しい加入者がネットワークに加わったりした場合,その度に周波数の再調整が必要になる。これは,主に,加入者情報を更新するための帯域幅コストと統合最適化のための計算費用のせいで,実際の無線システムでは非実用的である場合が多い。
(エ) 課題を解決するための手段(段落【0007】)本件発明は,システムのためにサブキャリア選択を行う方法及び装置についてのものであり,ある実施形態としてOFDMAシステムを採用している。ある実施形態におけるサブキャリア選択のための方法は,加入者が,基地局から受信したパイロット記号に基づいてサブキャリアごとにチャネル及び干渉情報を測定する段階と,加入者が候補サブキャリアのセットを選択する段階と,候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を基地局に提供する段階と,加入者が使用するように基地局が選択したサブキャリアのセットの内のサブキャリアの表示を受信する段階とを備えている。
(オ) 発明を実施するための最良の形態a 段落【0009】サブキャリア割当てのための分散型で複雑性を低減したアプローチについて,例としてOFDMA(クラスタ)を使って説明するが,本件発明はOFDMAに限定されるものではない。
b 段落【0010】,【0011】ダウンリンクチャネルに関しては,各加入者は最初に全てのサブ- 19 -キャリアについてチャネルと干渉の情報を測定し,性能の良い複数のサブキャリアを選択して,それら候補サブキャリアに関する情報を基地局にフィードバックする。このフィードバックには,全てのサブキャリアについて又は一部のサブキャリアだけについてのチャネルと干渉の情報が含まれる。加入者からこの情報を受信すると,基地局は,基地局で入手可能な追加情報,例えば,各サブキャリアのトラフィックロード情報,周波数帯域ごとの基地局で待機中のトラフィックリクエストの量,周波数帯域が過度に使用されていないか,及び/又は加入者がどれほどの間情報送信を待っているか等の情報を利用して,候補の中からサブキャリアを更に選択する。ある実施形態では,隣接するセルのサブキャリアローディング情報も,基地局間で交換される。基地局はこの情報をサブキャリア割当てに使用してセル間干渉を低減する。
c 段落【0024】〜【0026】,【0029】,【0030】本件明細書の図1Bは,加入者へのクラスタ割当てのプロセスのある実施形態を示すフロー図である。図1Bのとおり,各基地局は,そのセル(又はセクター)内の各加入者にパイロットOFDM記号を周期的に同報通信する(処理ブロック101)。
次に,各加入者は,継続的にパイロット記号の受信をモニターし,セル間干渉及びセル内トラフィックを含め,各クラスタのSINR及び/又は他のパラメータを測定する(処理ブロック102)。この情報に基づいて,各加入者は,相対的に性能が良好な1つ又は複数のクラスタを選択して,これらの候補クラスタに関する情報を所定のアップリンクアクセスチャネルを通して基地局にフィードバックする(処理ブロック103)。
加入者からフィードバックを受信すると,基地局は,候補の中か- 20 -ら加入者用に1つ又は複数のクラスタを選択する(処理ブロック104)。基地局は,基地局で入手可能な追加情報,例えば,各サブキャリアに関するトラフィックロード情報,各周波数帯域について基地局で待機中のトラフィックリクエストの量,周波数帯域が過剰使用されていないか,情報送信のためにどれほどの間加入者が待っているか,等の情報を利用する。隣接するセルのサブキャリアローディング情報も,基地局間で交換することができる。基地局は,この情報をサブキャリア割当てに使用して,セル間干渉を低減する。
クラスタ選択の後,基地局は,ダウンリンク共通制御チャネルを通して,又は加入者への接続が既に設定されている場合には専用のダウンリンクトラフィックチャネルを通して,クラスタ割当てについて加入者に通知する(処理ブロック105)。
d 段落【0040】評価されたSINR値は,大きいものから順に並べられ,SINR値の大きいクラスタが選択される。ある実施形態では,加入者は,常にできるだけ多くのクラスタに関する情報を送ろうと努め,そこから基地局が選択する。
イ 以上の本件明細書の記載内容からすれば,本件発明1は,直交周波数分割多重化(OFDM)を用いた多重セル多重加入者無線システムにおいて,個々の加入者装置(携帯電話等)へのサブキャリアの割当ての最適化を行うことを目的とするものであり,その手段の一つである統合最適化オペレーションでは全てのセル(地域)内の全てのユーザ端末の行動とチャネルの知識が必要なために現実的でないことから,基地局と個々の加入者装置との間のサブキャリアに関する情報のやりとりにより,役割の分散と複雑性の低減を図ったものということができる。
そうすると,加入者装置が情報提供した候補サブキャリアのセット以- 21 -外のものを基地局が選択することができるように構成することは,基地局の負担を増大させるとともに,加入者装置が候補を挙げることの意味を失わせるものであって,本件発明1の企図するところに反すると考えられる。
(3) 以上によれば,構成要件1Eの基地局による「選択」については,加入者装置が構成要件1B〜1Dの各段階を経て情報提供をした「候補サブキャリアのセット」の中から当該加入者装置用に「サブキャリアのセット」を選択することをいうと解釈することが相当である。
(4) 上記解釈を前提に被告通信システム方法が構成要件1Eを充足するかについてみるに,LTE規格において,基地局が加入者装置から情報提供された好適サブバンド(原告が本件発明の「サブキャリアのセット」に相当すると主張するもの。ただし,その構成要件充足性はさておく。)の中から当該加入者装置に割り当てるべきリソース・ブロック(原告が本件発明の「サブキャリア」に相当すると主張するもの。ただし,その構成要件充足性はさておく。)を選択する旨の規格が定められているとは認められない(原告もこの点を積極的に争っていない。)。
また,被告通信システム方法において,基地局がユーザ端末のために選択するリソース・ブロックが,当該端末から情報提供されたもののうちの一つと同一であることを認めるに足りる証拠はない。
したがって,被告通信システム方法が構成要件1Eを充足するということはできない。
(5) これに対し,原告は,@ 構成要件1Eの基地局による選択の対象はサブキャリアであり,加入者装置が基地局に情報提供した候補サブキャリアのセットの中から当該セットを構成するサブキャリアの全部又は一部を基地局から受信していれば構成要件1Eの充足が認められる,A 被告通信システム方法においては,基地局が割り当てるリソース・ブロックが,ユー- 22 -ザ端末が選択した好適サブバンドに属するものであるのが通例である,B被告製品に係る測定結果報告書(甲18)によれば,非周期的CQI報告による高次階層設定サブバンドフィードバックモードでは,ユーザ端末からCQI報告を受けた基地局が候補サブキャリアのセットを構成するリソース・ブロックの一部を割り当てていることが示されている旨主張する。
そこで判断するに,@について,構成要件1Eの「選択」の意義は前記(1)〜(3)のとおり解すべきものであり,候補サブキャリアのセットを構成するサブキャリアの一部を受信していれば足りるとの原告の主張を採用することはできない。
A及びBについて,原告の主張は上記のとおり採用し難い上記@の主張を前提とするものであり,それ自体失当というほかない。しかも,原告が提出する測定結果報告書(甲16〜18)は,限定された期間及び場所で測定したものにとどまり,その結果をもって「通例」と認めることは困難である。また,被告製品が基地局から割り当てられるリソース・ブロックが,被告製品が基地局に情報提供した好適サブバンドに含まれているとしても,構成要件1Eにいう「選択」についての上記解釈に照らせば,そのことをもって被告通信システム方法において上記の「選択」が行われていることの立証があるとみることはできない。
(6) 以上によれば,その余の構成要件についてみるまでもなく,被告通信システム方法は本件発明1の技術的範囲に属しないと判断することが相当である。
2 争点(2)(ネットワークとしての被告通信システムの本件発明16の技術的範囲への属否)について(1) 構成要件16Dの充足性について検討する。
本件発明16は,特許請求の範囲の記載のとおり,加入者装置が,@ 基地局から受信したパイロット記号に基づいて複数のサブキャリアに関する- 23 -チャネル及び干渉情報を測定すること(構成要件16C),A 候補サブキャリアのセットを選択すること(構成要件16D),B 候補サブキャリアのセットに関するフィードバック情報を基地局に提供すること(同),C加入者装置が使用するように基地局がサブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示を受信すること(同)などを含むことを特徴とする装置に関するものであり(構成要件16G),本件発明1と基本的に同様の技術思想に基づいてOFDMAのサブキャリアの割当てを行うものということができる。また,本件発明16に係る発明の詳細な説明の記載は,本件発明1と共通している(前記1(2)認定の記載の一部ないし全部が本件発明16に妥当しないとの主張立証はない。)。そうすると,構成要件16Dのうち基地局による選択(上記C)については,本件発明1の構成要件1Eについて判示したところと同様に解釈するのが相当である。
なお,本件発明16の特許請求の範囲の記載が「基地局が前記サブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示」となっている点は,本件発明1の「基地局により選択された前記サブキャリアのセットのサブキャリアの表示」との記載と異なるが,本件発明16において基地局が選択して割り当てるのが,サブキャリアではなく,サブキャリアのセットであることは構成要件16E及び16Fに係る特許請求の範囲の記載からも明らかであるから,この点は上記の解釈に影響を与えないというべきである。
(2) 被告通信システム方法が構成要件1Eの基地局による「選択」を充足しないことは前記1のとおりであり,これと同様の理由により,ネットワークとしての被告通信システムは構成要件16Dの基地局による「選択」を充足しないことになる。
(3) したがって,その余の構成要件についてみるまでもなく,ネットワークとしての被告通信システムは本件発明16の技術的範囲に属しないと判断すべきものである。
- 24 -第4 結論以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求はすべて理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第46部裁判長裁判官 長 谷 川 浩 二裁判官橋彩及び同植田裕紀久は,転補のため,署名押印することができない。
裁判長裁判官 長 谷 川 浩 二- 25 -(別 紙)物 件 目 録次の商品名の携帯端末1 Optimus it L-05E2 Optimus it L-05D3 Optimus G pro L-04E4 Optimus LIFE L-02E5 Optimus LTE L-01D6 Optimus G L-01E7 Optimus Vu L-06D8 Optimus G LGL219 G2 L-01F10 G Flex LGL23次の商品名の無線ルータ11 L-04D12 L-09C13 L-03E14 L-02F以上- 26 -(別 表)物件目録番号 商品名 発売年月1 Optimus it L-05E 2013/32 Optimus it L-05D 2012/63 Optimus G pro L-04E 2013/44 Optimus LIFE L-02E 2012/125 Optimus LTE L-01D 2011/126 Optimus G L-01E 2012/107 Optimus Vu L-06D 2012/88 Optimus G LGL21 2012/119 G2 L-01F 2013/1010 G Flex LGL23 2014/111 L-04D 2012/612 L-09C 2011/613 L-03E 2013/114 L-02F 2014/2以上- 27 -(別 紙)被告製品が用いられるLTE規格通信システム方法の特徴1a ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を採用しているLTE規格通信システムのダウンリンクにおけるサブキャリア選択の方法である。
1b ユーザ端末は,基地局から受信したリファレンス信号(基地局が定期的な間隔で伝送するリファレンス信号を受信し,このリファレンス信号)に基づいて,サブキャリアについてSINRを測定する。当該サブキャリアが属するサブバンド(複数のサブキャリアからなる複数のリソース・ブロックからなるものである)について,ユーザ端末は,測定したSINRを指標化したCQIを得る。
1c ユーザ端末は,1)非周期的CQI報告における高次階層設定サブバンドフィードバックモードにおいて,N個のサブバンドで構成されている全帯域について,0,1,2の指標を示したサブバンドを選択する。
2)周期的CQI報告におけるUE選択モードにおいて,J個の帯域幅部分(BWP)ごとに1つの好適なサブバンドを選択する。
1d ユーザ端末は,選択されたサブバンドについて,測定したSINR値を指標化したCQIを送信する。
1e 基地局はユーザ端末に対して割り当てるべきリソース・ブロックを選択する。
選択したリソース・ブロックを特定するためにリソース配置タイプの種別およびその種別に基づくリソースの配置(どのリソース・ブロックを割り当てるかについての特定)等をDCIフォーマットによりユーザ端末に通知し,ユーザ端末はこれを受信する。
1f−1 ユーザ端末は,基地局からリソース・ブロックを割り当てられた後,基- 28 -地局が新たに発したリファレンス信号を受信し,このリファレンス信号(基地局が定期的な間隔で伝送するリファレンス信号を受信し,このリファレンス信号)に基づいて,サブキャリアについてSINRを測定する。当該サブキャリアが属するサブバンド(複数のサブキャリアからなる複数のリソース・ブロックからなるものである)について,ユーザ端末は,測定したSINRを指標化したCQIを得る。
1f−2 ユーザ端末は,新たに1)非周期的CQI報告における高次階層設定サブバンドフィードバックモードにおいて,N個のサブバンドで構成されている全帯域について,0,1,2の指標を示したサブバンドを選択する。
2)周期的CQI報告におけるUE選択モードにおいて,J個の帯域幅部分(BWP)ごとに1つの好適なサブバンドを選択する。
1f−3 ユーザ端末は,選択されたサブバンドについて,測定したSINR値を指標化したCQIを送信する。
1g その後,基地局は,新たに基地局が発したリファレンス信号を測定することにより得られたCQIに基づいて,ユーザ端末に対して割り当てられるべき新たなリソース・ブロックを選択する。選択した新たなリソース・ブロックを特定するためにリソース配置タイプの種別およびその種別に基づくリソースの配置(どのリソース・ブロックを割り当てるかについての特定)等をDCIフォーマットによりユーザ端末に通知し,ユーザ端末はこれを受信する。
1h LTE規格通信方法である。
以 上- 29 -(別 紙)被告製品が用いられるネットワークとしてのLTE規格通信システムの特徴16a 複数のユーザ端末が使用を望んでいるサブキャリアからなる複数のリソース・ブロックからなるサブバンドを表示するフィードバック情報を生成する,第1セル内の複数のユーザ端末を備える。
16b 前記複数のユーザ端末に対して,サブバンド内のOFDMAサブキャリアを割り当てる,前記第1セル内の第1基地局を備えている。
16c 複数のユーザ端末は,それぞれ,基地局から受信したリファレンス信号(基地局が定期的な間隔で伝送するリファレンス信号を受信し,このリファレンス信号)に基づいて,サブキャリアについてSINRを測定する。当該サブキャリアが属するサブバンド(複数のサブキャリアからなる複数のリソース・ブロックからなるものである)について,複数のユーザ端末は,測定したSINRに基づきこれを指標化したCQIを得る。
16d あるユーザ端末は,前記複数のリソース・ブロックからなるサブバンドを選択し,当該選択したサブバンドに関するCQIを前記基地局に提供し,前記ユーザ端末が使用するように前記第1基地局が複数のサブキャリアのセットから選択したサブキャリアの表示をDCIフォーマットにより受信するようになっている。
16e ユーザ端末は,基地局から前記ユーザ端末にリソース・ブロックを割り当てられた後,更新されたリソース・ブロックを受信するために,更新されたフィードバック情報を提出する。
16f その後,前記更新されたリソース・ブロックを特定するためにリソース配置タイプの種別およびその種別に基づくリソースの配置(どのリソース・ブロックを割り当てるかについての特定)等をDCIフォーマットによりユーザ端- 30 -末に通知し,ユーザ端末はこれを受信する。
16g LTE規格通信システム(ネットワーク)である。
以 上- 31 -
事実及び理由
全容
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