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事件 平成 26年 (行ケ) 10102号 審決取消請求事件
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2014/12/18
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
判例全文
判例全文
平成26年12月18日判決言渡

平成26年(行ケ)第10102号 審決取消請求事件

口頭弁論終結日 平成26年10月30日

判 決



原 告 X



被 告 特 許 庁 長 官

指 定 代 理 人 千 葉 成 就

同 渡 邊 豊 英

同 窪 田 治 彦

同 堀 内 仁 子

主 文

1 原告の請求を棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

特許庁が不服2012−12177号事件について平成26年2月18日にした

審決を取り消す。

第2 前提となる事実

1 特許庁における手続の経緯等(文中掲記の各証拠等により認められる。)

(1) 原告は,発明の名称を「制動力大きいスタッドレスタイヤ及び製造方法
(出

願時の名称は「制動力大きいスタッドレスタイヤ」)とする発明について,平成19

年5月29日を出願日とする特許出願(特願2007−179033。出願時の請

求項の数は13。以下「本願」という。)をした(甲9,乙1)。

(2) 原告は,平成22年3月29日付けで,特許庁から拒絶理由通知を受けたた

1
め(甲11,乙9。以下「拒絶理由通知(1)」という。,同年6月17日付けの手続


補正書により,特許請求の範囲等についての補正を行った(乙10)。

(3) 原告は,平成23年5月11日付けで,特許庁から更に拒絶理由通知を受け

たが(甲1。以下「拒絶理由通知(2)」という。,意見書のみを提出し,手続補正書


は提出しなかった(甲5)。

(4) 原告は,平成24年3月13日付けで拒絶査定を受けたため(甲2),同年

6月28日付けで,拒絶査定に対する不服の審判(不服2012−12177号事

件)を請求した(甲6)。

(5) 原告は,平成24年11月8日付けで,特許庁から拒絶理由通知を受けたた

め(甲3。以下「拒絶理由通知(3)」という。,平成25年1月24日付けの手続補


正書により,特許請求の範囲等についての補正を行った(乙14)。

(6) 原告は,平成25年6月21日付けで,特許庁から拒絶理由通知を受けたた

め(甲4。以下「拒絶理由通知(4)」という。,同年8月14日付けの手続補正書に


より,特許請求の範囲等についての補正を行った(甲9。 「本件補正」
以下 という。。


(7) 特許庁は,平成26年2月18日,
「本件審判の請求は,成り立たない。」と

の審決をし,その謄本を,同年3月28日,原告に送達した(弁論の全趣旨)。

(8) 原告は,上記(1)から(6)までの本願に関する手続を,代理人に委任せずに,

自ら行った(弁論の全趣旨)。

2 特許請求の範囲(甲9)

本件補正後の本願の特許請求の範囲の記載(請求項の数は8)は,別紙のとおり

である(以下,請求項1ないし8を,各請求項ごとに「本願請求項1」ないし「本

願請求項8」といい,各請求項に係る発明を「本願発明1」等という。また,本件

補正後の本願の明細書及び図面を併せて「本願明細書」という。。


3 審決の理由

審決の理由は,別紙審決書写しに記載のとおりである。その要旨は,@本願は,

特許法36条4項1号及び同条6項2号に規定する要件を満たしていない,A本願

2
請求項1ないし6に係る発明と,本願請求項7及び8に係る発明とは,発明の単一

性の要件を満たす一群の発明に該当しないから,本願は特許法37条の要件を満た

していない,B本願発明1は,特開2001−219716号公報記載の発明及び

周知技術に基づいて,当業者が容易に発明することができたものであるから,特許

29条2項の規定により特許を受けることができない,したがって,上記@ない

しBいずれの理由によっても,本願は拒絶されるべきものである,というものであ

る。

第3 原告主張の取消事由

審決には,以下のとおり,審決に至るまでの手続に違法な点があるから,取り消

されるべきである。

1 取消事由1(拒絶理由通知に不明な用語を用いた手続違背)

(1) 特許庁は,一般の国民が特許等の出願をしたのに対し,拒絶理由通知を出す

場合には,手続補正書を提出できるように,拒絶の理由を一般の国民に分かりやす

く記載する義務がある。しかし,原告に対する拒絶理由通知には,以下のとおり,

内容が不明の用語が記載されており,特許庁は,その意味が分かるように記載しな

かった。

拒絶理由通知(2)及び(3)には,本願請求項1−5に係る発明のカテゴリーが,


全て不明瞭である。したがって、本願請求項1−5に係る発明は明確でない。,
」「・・

本願請求項1−5に係る発明のカテゴリーを「方法」とみなした。」との記載がある

が,「カテゴリー」の意味が不明である。

拒絶理由通知(2)及び(3)には,本願請求項4が,
「 独立請求項なのか請求項1,

2又は3の従属項なのか明瞭でない結果,不明確である。
・・本願請求項5が,独立

請求項なのか請求項1又は2の従属項なのか明瞭でない結果、不明確である。 との


記載があるが,「独立請求項」や「従属項」の意味が不明である。

拒絶理由通知(1)には,
「なお,
「物」に関する発明とした場合,請求項が,い

わゆる「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」にならないように注意されたい。」

3
との記載があるが,
「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」の意味が不明である。

(2) 被告は,テキストやインターネットをみれば用語の意味が分かると主張する

が,一般国民の中にはテキストを見ておらず,インターネットも使用していない人

がいるのであり,特許庁は,出願人が,テキストやインターネットを見なくても,

拒絶理由通知書の記載内容だけで理解することができるよう,説明する義務がある。

なお,被告は,「独立請求項」の意味について,拒絶理由通知(1)において具体的

に指摘しているとも主張するが,同通知書には,
「独立請求項」や「従属請求項」と

の用語が用いられておらず,原告は,同通知書の記載内容がこれらの用語を意味し

ていると理解することはできなかった。

2 取消事由2(補正の仕方の説明義務違反)

特許庁は,原告に対し,抽象的ではなく,具体的に補正の仕方を説明する義務が

ある。しかし,特許庁は,原告に対し,以下のとおり,手続補正書の提出を指示せ

ず,また,補正の仕方を具体的に説明しなかった。

(1) 原告は,拒絶理由通知(2)を受けた後,審査官に対し,原告が本願で主張し

ている発明の内容は,拒絶理由通知において引用されている刊行物には載っていな

いとの意見を電話で述べたところ,審査官からは,そのように意見書を書いて提出

すればいい,とのみ言われた。そこで,原告が,意見書だけ提出すると,拒絶理由通

知(2)に対する手続補正を行っていないとの理由で拒絶査定をされた。審査官は,意

見書と一緒に手続補正書も提出しなくてはいけないとの説明をしなければならない

のに,そのように述べなかったのであるから,上記義務違反がある。なお,拒絶理

由通知(2)と一緒に送られてきた注意書等にも,手続補正書と意見書を一緒に提出す

ることは一切記載されていなかった。

(2) また,拒絶理由通知(2)には,「・・なお,補正を行うのであれば,【発明の

名称】は,【特許請求の範囲】と整合するようにされたい。」との記載があるが,一

般国民は,手続補正をしようとしても補正のやり方が解らないから,被告は,原告

に対し,手続補正の内容の書き方を説明しなくてはならない。

4
(3) さらに,拒絶査定には,「本願請求項1−5の記載においては、開示される

技術事項が「スタッドレスタイヤ」に関連するものであることは把握できるものの、

最終的に「物」としてのスタッドレスタイヤを表そうとしているのか、その製造「方

法」を表そうとしているのかが不明確であるから、本願請求項1−5に係る発明は、

カテゴリーが不明確である。」との記載があるが,「物」と「方法」との区別の書き

方が不明であり,審査官は書き方を具体的に説明しなくてはならない。

3 取消事由3(条文内容の説明義務違反)

拒絶理由通知(4)には,特許法36条4項及び6項や同法29条2項の要件を満た

していないとの拒絶理由が記載されているが,特許庁は,特許法の条文を示す場合

には,一般の国民が理解することができるように,これらの規定の内容を分かりやす

く説明する義務がある。しかし,特許庁は,これを行わなかった手続上の違法があ

る。

4 取消事由4(特許法37条についての説明義務違反)

拒絶理由通知(4)には,特許法37条違反との拒絶理由も記載されているが,同通

知書の記載では,その内容が理解できない。特許庁は,原告に対し,拒絶理由を分

かりやすく説明すべき義務があるのに,これを行わなかった手続上の違法がある。

第4 被告の反論

1 取消事由1(拒絶理由通知に不明な用語を用いた手続違背)について

(1) 「発明のカテゴリー」なる用語については,
「特許・実用新案審査基準」「特


許の審査基準及び審査の運用」
(説明会サブテキスト)「注解特許法」「知的財産法
, ,

入門」に記載されているとおり,「発明」が,「物」の発明,「方法」の発明,「物を

生産する方法」の発明のいずれであるかを意味する用語として,特許手続を行う者

の間に広く知られている。例えば,
「発明 カテゴリー」により,インターネット

Yahoo!検索を行うと,約187万件がヒットした。

しかも,拒絶理由通知(1)においては,具体的に「物」に関する発明,「方法」に

関する発明のいずれかが不明であると指摘し,補正の示唆もしている。カテゴリー」


5
の一般的な意味(「範疇」)に照らしても,拒絶の理由の趣旨は十分に理解すること

ができるものである。

(2) 「独立請求項」なる用語については,「特許・実用新案審査基準」「注解特


許法」,
「特許法」に記載されているとおり,
「他の請求項を引用しない形式の請求項」

を意味する用語として,特許手続を行う者の間に広く知られている。例えば,
「独立

請求項」により,インターネットの Yahoo!検索を行うと,約281万件がヒットし

た。

しかも,拒絶理由通知(1)ないし(4)においても,拒絶理由の内容を具体的に指摘

しており,
「独立」の一般的な意味に照らしても,拒絶の理由の趣旨は十分に理解す

ることができるものである。

(3) 以上のとおり,用語自体に不明確な点はなく,拒絶理由も具体的に記載され

ているから,原告の主張は根拠がない。

2 取消事由2(補正の仕方の説明義務違反)について

(1) 原告の主張は,特許庁の教示義務違反をいうものと解されるが,特許手続に

おいて,拒絶理由に応答して補正しうることは,特許法17条17条の2に規定

されているとおり,特許手続を行う者の間に広く知られている。

また,特許庁では,個人出願人で代理人のない者に対し,拒絶理由通知とともに,

「注意書」を送付しており,
「手続補正書」の様式も掲載されているところ,原告に

は,かかる「注意書」が拒絶理由通知の度に送付されている。

原告は,拒絶理由通知(1)に応答して,現実に手続補正をしていることからみると,

拒絶理由通知に応答して手続補正ができることは,
「注意書」等により,了知してい

たと解すべきである。

(2) 仮に,原告が拒絶理由通知(2)に応答した手続補正の機会を逸したとしても,

その後,手続補正の機会があり,現に原告は,平成25年1月24日付け手続補正

及び同年8月14日付け手続補正をしているから,この点による不利益は生じてい

ない。

6
(3) また,原告は,被告が補正の仕方を具体的に説明しなかったとも主張する。

この点,特許法に,補正の仕方を具体的に説明すべきとする規定はない。また,被

告は,拒絶理由通知(2)において拒絶の理由を具体的に指摘しており,対応(補正)

が格別に困難であったとは解されない。

補正は,出願人(原告)の責任によりなされるべきで,どのような発明について

特許を受けようとするかは出願人が判断すべきことである。

したがって,原告の主張は独自の見解にすぎず,根拠がない。

3 取消事由3(条文内容の説明義務違反)について

原告は,被告が特許法の条文の内容を分かりやすく説明すべき義務があると主張

するが,特許法に,
「条文」の内容を分かりやすく説明すべき義務がある旨の規定は

存在しないから,原告の主張は独自の見解にすぎず,根拠がない。

なお,特許庁では,特許法36条4項29条2項の条文の内容を説明した「工

業所有権法逐条解説」を発行し,特許庁ホームページにおいても公開しているほか,

条文の説明が記載された「特許・実用新案審査基準」を発行し,特許庁ホームペー

ジにおいても公開し,毎年,原告の居住する北海道も含め,全国各地で「審査基準」

の説明会も開催している。したがって,条文の内容は,特許手続を行う者の間に広

く知られているものであり,原告の主張は根拠がない。

4 取消事由4(特許法37条についての説明義務違反)について

特許法の条文の内容が特許手続を行う者の間に広く知られている点,特許法に,

「条文」の内容を分かりやすく説明すべき義務がある旨の規定は存在しない点につ

いては,上記3のとおりである。

また,拒絶理由通知(4)においては,具体的に特許法37条違反の理由を指摘する

とともに,北海道における相談先電話番号まで説示している。さらに,原告からの

照会に対し,相談を勧めている。

したがって,原告の主張は根拠がない。

第5 当裁判所の判断

7
当裁判所は,原告の各取消事由の主張にはいずれも理由がなく,審決にはこれを

取り消すべき違法はないものと判断する。その理由は,以下のとおりである。

1 取消事由1(拒絶理由通知に不明な用語を用いた手続違背)について

原告は,拒絶理由通知書の内容は一般の国民に分かりやすく記載されるべきとこ

ろ,拒絶理由通知(2)及び(3)記載の@「発明のカテゴリー」,A「独立請求項」及び

「従属項」の意味並びに拒絶理由通知(1)のB「プロダクト・バイ・プロセス・クレ

ーム」の意味は,一般国民には不明であるから,拒絶理由通知は違法であり,これ

を前提とする審決も違法であると主張する。

(1) しかし,以下のとおり,原告の主張する上記@ないしBの用語を用いたこと

により,各拒絶理由通知が違法であるとは認められない。

ア 審査官は,拒絶査定をしようとするときは,特許出願人に対し,拒絶の理由

を通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならず(特

許法50条本文) 拒絶理由通知を受けた特許出願人は,
, 指定された期間内において

特許請求の範囲等について補正をすることができることとされ(同法17条の2

1項1号,3号),これらの規定は,拒絶査定不服審判について査定の理由と異なる

拒絶の理由を発見した場合にも準用されている(同法159条2項本文) これらの


規定に照らせば,拒絶理由の通知をする趣旨は,審査官の判断の慎重・合理性を担

保し,その恣意を抑制するとともに,特許出願人に,最終的な拒絶査定又は審判の

前に,審査官の判断に対する意見を述べる機会を確保し,また,補正をするかどう

かを考慮するのに便宜を与えることにあるというべきであるから,拒絶理由通知

記載すべき理由としては,このような意見陳述や補正が可能となるよう,いかなる

事実関係に基づき,いかなる法規を適用して出願を拒絶するものであるのかを,特

許出願人においてその記載自体から具体的に了知し得るものでなければならないと

解される。

また,特許出願手続は,弁理士や弁護士に委任することなく,特許を受けようと

する者自らが行うことが許容されているものであるから,拒絶理由の記載の仕方は,

8
弁護士又は弁理士職にある者だけが理解することができるようなものであることは

許されないというべきであるし,一般的には,特許出願人に拒絶の内容が理解しや

すいように分かり易く記載すべきではある。しかし,他方で,拒絶理由となり得る

事項は多岐にわたり(特許法49条各号),その内容も専門的,技術的な事項を含む

ことが多いところ,拒絶理由通知は,自ら出願手続を行っている特許出願人に対し

て行うものであるから,拒絶理由の記載の仕方は,一般の特許出願人が,通常期待

される努力によって習得し得る知識をもって理解することができる記載であれば足

りるというべきである。

イ そこで検討するに,拒絶理由通知(2)及び(3)には,本願が特許法36条6項

2号に規定する要件を満たしていない理由として,@「本願請求項1−5に係る発

明のカテゴリーが全て不明瞭である」,A「本願請求項4が,独立請求項なのか請求

項1,2又は3の従属項なのか明瞭でない結果,不明確である。」及び「本願請求項

5が,独立請求項なのか請求項1又は2の従属項なのか明瞭でない結果,不明確で

ある。」と記載されていることが認められる(甲1,3)。また,拒絶理由通知(1)

には,B「本願請求項1−13に係る発明が,それぞれ「物」に関する発明である

のか,「方法」に関する発明であるのか,「カテゴリー」が理解できない。・・・(な

お,
「物」に関する発明とした場合,請求項が,いわゆる「プロダクト・バイ・プロ

セス・クレーム」にならないように注意されたい。。
)」との記載があることが認めら

れる(甲11,乙9)。

ウ しかし,上記@のうち,「発明のカテゴリー」という語については,発明を,

物の発明」「方法の発明」又は「物を生産する方法の発明」に分類し(特許法2


条3項各号参照),このような発明の分類上の区分を意味する用語として,「発明の

カテゴリー」という語を用いることは,特許庁の「特許・実用新案審査基準」
(乙2

1)上のみならず,一般の特許法の解説書やインターネット上の発明に関する説明

等においても広く行われており(乙23,24,35),原告自身も出席した一般市

民をも対象とする特許庁の「審査基準」の説明会において配布されたテキストにお

9
いても記載されているなど(乙22の52頁,弁論の全趣旨)「発明のカテゴリー」


という語は,特許出願手続を行う者一般において広く知られている用語であると認

められる。そうすると,上記@の拒絶理由通知の記載は,一般の特許出願人が通常

期待される努力によって習得し得る知識をもってすれば,本願請求項1ないし5に

係る発明が,
物の発明」「方法の発明」「物を生産する方法の発明」のいずれに該
, ,

当するかが不明である,という趣旨であることを理解することができる記載である

というべきである。

また,上記Aのうち,
「独立請求項」,
「従属項」の語については,特許庁の「特許・

実用新案審査基準」においては,これらを意味する語として「独立形式請求項」,
「引

用形式請求項」という語が用いられており(乙21の17,18頁),
「独立請求項」,

「従属項」と同一の語自体は用いられていないものの,特許請求の範囲の請求項の

記載形式のうち,「独立請求項」を,「他の請求項の記載を引用しないで記載した請

求項」を意味する語として,「従属項」を,「他の請求項の記載を引用して記載した

請求項」を意味する語として使用することは,一般の特許法の解説書や,インター

ネット上の請求項に関する説明等においても広く行われており(乙23,36),
「独

立請求項」「従属項」という語も,特許出願手続を行う者一般において広く知られ


ている用語であると認められる。そうすると,上記Aの拒絶理由通知の記載は,一

般の特許出願人が通常期待される努力によって習得し得る知識をもってすれば,本

願請求項4及び5が,他の請求項の記載を引用しないで記載した請求項なのか,他

の請求項の記載を引用して記載した請求項なのかが明瞭でない,という趣旨である

ことを理解することができる記載というべきである。

なお,上記Bの「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」の語については,上

記イのとおり,拒絶理由通知(1)に拒絶理由自体の内容として記載されていたもので

はなく,審決の拒絶理由にも含まれていないから,同語が使用されていることはそ

もそも拒絶理由通知の瑕疵とはならないというべきである。この点を措くとしても,

「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」という語が,
「物の製造方法によってそ

10
の物を特定するクレーム(請求項)」を意味する語として用いられることは,特許庁

の「特許・実用新案審査基準」
(乙39)上のみならず,一般の特許に関する解説書

(乙40)においても広く行われており,同語も,その一般的な意味については,

特許出願手続を行う者一般において広く知られている用語であると認められる。そ

うすると,上記Bの記載も,一般の特許出願人が通常期待される努力によって習得

し得る知識をもってすれば,その意味を理解することができる記載というべきであ

る。

エ 以上によれば,特許庁が,拒絶理由通知に原告が主張する各語を記載したこ

とが,特許庁の義務違反に当たり,違法であるとは認められない。

(2) 以上に対し,原告は,一般国民の中には特許庁のテキストを見ておらず,イ

ンターネットも使用していない人がいるのであるから,特許庁は,テキストやイン

ターネットを見なくても,出願人が拒絶理由通知書の記載内容だけで理解すること

ができるよう,説明する義務があるとも主張する。

しかし,前記(1)アのとおり,拒絶理由通知においては,一般の特許出願人が,通

常期待される努力によって習得し得る知識をもってすれば,その拒絶理由を理解す

ることができる記載があれば足りるというべきである。そして,前記(1)ウのとおり,

原告が主張する各用語は,特許出願手続を行う者一般において広く知られている用

語であるから,特許庁のテキストやインターネット上のみならず,一般に入手可能

な特許法に関する書籍や特許庁及びその関連団体等への問合せ等により,一般の特

許出願人が,通常期待される努力をもって十分にその意味を習得することができる

範囲内の知識というべきである。したがって,原告の上記主張を採用することはで

きない。

(3) 以上によれば,原告の取消事由1の主張は理由がない。

2 取消事由2(補正の仕方の説明義務違反)について

原告は,@拒絶理由通知(2)を受けた後,審査官が,手続補正書の提出の指示をし

なかったこと,A拒絶理由通知(2)や拒絶査定に,手続補正の内容の書き方が具体的

11
に説明されていなかったことが特許庁の義務違反に当たると主張する。

(1) しかし,上記@の主張については,拒絶理由通知を受けた場合,意見書を提

出する期間として指定された一定の期間内に明細書等の補正をすることができるこ

とは,明文で規定されており(特許法17条の2第1項3号),審査官が,特許出願

人に対し,手続補正書の提出ができることを個別に説明又は指示すべきことを義務

付ける法令上の根拠はなく,原告の主張する具体的経緯によっても,審査官がその

ような義務を負うこととなったものとは解されない。したがって,審査官が,拒絶

理由通知(2)後に原告から電話を受けた際に,原告に対して手続補正書の提出の指示

又はその説明をしなかったことをもって,手続上の違法があるとは認められない。

また,原告は,拒絶理由通知(2)を受けたときには手続補正書を提出していないも

のの(前記第2の1(3)),その後,ほぼ同一の内容の拒絶理由を記載した拒絶理由

通知(3)を受けて,平成25年1月24日付け手続補正書による補正を行い,更に,

同年8月14日付け手続補正書による本件補正を行った上で,請求不成立の審決を

受けているのであるから(前記第2の1(5)ないし(7),甲1, ,
3) 拒絶理由通知(2)

を受けた後に手続補正書を提出しなかったことは,そもそも審決の結論を左右する

ものではなく,この点から見ても,原告の主張は,失当である。

(2) 上記Aの主張については,審査官が特許出願人に対して特許請求の範囲等の

補正の仕方を具体的に説明すべきことを義務付ける法令上の規定はない。特許請求

の範囲には,各請求項ごとに「特許出願人が」特許を受けようとする発明を特定す

るために必要と認める事項のすべてを記載しなければならず(特許法36条5項

段),特許請求の範囲等は,その記載によって,特許権者が対外的に主張し得る権利

の範囲を定めるものであるから,拒絶理由の記載内容を踏まえて,具体的にどのよ

うな補正をし,どのような発明について特許を受けようとするかは,特許出願人自

身の責任において判断すべきことである。したがって,特許査定を受けるために,

特許請求の範囲等を具体的にどのように補正すべきかについては,審査官が説明す

る義務を負うものではないから,原告の上記主張Aも,その前提を欠き,理由がな

12
い。

(3) したがって,原告の取消事由2についての主張は理由がない。

3 取消事由3(条文内容の説明義務違反)について

原告は,拒絶理由通知(4)について,特許法の条文を示す場合には,その規定の内

容を分かりやすく説明する義務があるのに,特許庁がこれを行わなかったことは違

法であると主張する。

しかし,審判官が,特許出願人に対し,特許法の条文の一般的な内容を個別に説

明すべきことを義務付ける法令上の根拠はなく,審判官が拒絶理由通知において挙

げた条文の文言やその一般的な内容自体は,特許出願人自身が調査すべき事項であ

るから,原告の主張は,その前提を欠き失当である(なお,拒絶理由通知において

は,いかなる事実関係に基づき,いかなる法規を適用して拒絶をするのかという拒

絶理由を,特許出願人においてその記載自体から具体的に了知し得るものでなけれ

ばならないことは前記1(1)ア判示のとおりであるが,拒絶理由通知(4)においては,

本願がいかなる事実関係に基づき特許法36条4項及び6項又は同法29条2項

要件を満たしていないかは,具体的に記載されているものと認められるから〔甲4〕,

その記載が違法であるとは認められない。。


したがって,原告の主張は理由がない。

4 取消事由4(特許法37条についての説明義務違反)について

原告は,拒絶理由通知(4)記載の特許法37条違反の拒絶理由は,同通知書の記載

内容からは理解できず,特許庁は,拒絶理由を分かりやすく説明すべき義務がある

のに,これを行わなかったことは違法であると主張する。

(1) この点,拒絶理由通知(4)には,特許法37条違反の理由として,以下の記

載があることが認められる(甲4)。

29条の理由として示すとおり,トレッド部表面から吸収した水分を溝側面か

ら排出することに,特別な技術的特徴は認められない。そうすると,水分を吸収し

排出するための「伝達手段」が「布又は糸」である請求項1〜5に係る発明と,
「極

13
小空間」である請求項6〜7に係る発明との間で,同一の又は対応する特別な技術

的特徴を見出すことができない。

よって,請求項1〜5に係る発明と,請求項6〜7に係る発明とは,発明の単一

性の要件を満たす一群の発明に該当しない。」

(2) 特許法37条は,「二以上の発明については,経済産業省令で定める技術的

関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは,

一の願書で特許出願をすることができる。」と規定しており,二以上の発明が,発明

単一性の要件を満たす一群の発明に該当しないときは,同一の特許出願とするこ

とができないところ,特許法施行規則25条の8第1項は「特許法37条の経済産

業省令で定める技術的関係とは、二以上の発明が同一の又は対応する特別な技術的

特徴を有していることにより、これらの発明が単一の一般的発明概念を形成するよ

うに連関している技術的関係をいう。,
」 同条2項は,
「前項に規定する特別な技術的

特徴とは、発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴をいう。 と定めてい


る。これらの規定に照らせば,一般の特許出願人が通常期待される努力によって習

得し得る知識をもってすれば,上記アの拒絶理由通知(4)の記載は,「トレッド部表

面から吸収した水分を溝側面から排出すること」は,発明の先行技術に対する貢献

を明示する技術的特徴,すなわち「特別な技術的特徴」とは認められず,そうする

と,本願請求項1ないし5に係る発明と,本願請求項6及び7に係る発明とは,同

一の又は対応する特別の技術的特徴を有していないため,発明の単一性の要件を満

たす一群の発明に該当しないから,特許法37条の要件を満たさない,ということ

を具体的に適示したものと理解することができる記載であるというべきである(な

お,拒絶理由通知で指摘された法律の条文の文言やその一般的な内容自体は,特許

出願人自身が調査すべき事項であることは,前記3のとおりである。。


(3) 以上によれば,拒絶理由通知(4)の特許法37条違反についての拒絶理由の

記載が違法であるとは認められないから,原告の主張は理由がない。

第6 結論

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以上のとおり,原告の各取消事由の主張にはいずれも理由がなく,原告の本件請

求は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。

知的財産高等裁判所第1部




裁判長裁判官 設 樂 一




裁判官 大 寄 麻 代




裁判官 平 田 晃 史




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(別紙)

本願の特許請求の範囲(以下,原文ママ)

【請求項1】

繊維によりをかけて糸にして水分の吸収を良いくして布を織った物をスタッドレス

タイヤトレッド部の中に入っていてトレッド部の表面から布が出ていてその布が雪

氷面の水分を吸収してトレド部のグリップ溝の側から排出する制動力の高いスタッ

ドレスタイヤ

【請求項2】

請求項1の製造方法は繊維によりをかけて糸にして水分の吸収をいいくしてその糸

で布を織ってその布をスタッドレスタイヤのトレッド部の高さと同じ幅に切断して,

長さはスタッドレスタイヤを輪切りにした状態でのトレッド部の長さより長めにし

て,これは中央部にしわを寄せる為に,トレッド部の高さと同じ幅に切断した布の

中央部は幅広く切断して盛り上がった状態に切断して,その布の両面にスタッドレ

スタイヤ用ゴムにカーボン,硫黄,充填剤を加えてよく混ぜた配合ゴムを塗ってそ

の布の中央部にしわをよせてその布を何枚も重ね合わして板状にしてそれをカーカ

スに巻き貼りけて,カーカスに巻き貼り付けられた板状の中央部は盛り上がってい

て配合ゴムが全体に両面に塗った布の中央部の盛り上がった所にはしわがよった状

態で有り,それを加硫機の金型のプラダーに取り付けて高温,高圧の蒸気で膨らま

してスタッドレスタイヤを成型する,この時に高温,高圧でスタッドレスタイヤに

成型される時にカーカスに巻き張り付けた布に配合ゴムを塗って板状にした物が高

温,高圧でふくらんで弧を形にしてトレッド部に成型された時,板状の盛り上がっ

た中央部から両端に配合ゴムと布のしわのよった部分が移動して張って調整出来る,

【請求項3】

請求項1のもう1つの製造方法は布を中央部が盛り上がらなく直線の幅に切断して

両面に配合ゴムを塗ってしわを中央部によせて重ね合わさせ板状にした場合,まず

幅の狭い布の両面を配合ゴムで塗ってそれをカーカスに巻き貼り付けて,カーカス

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の中央部を少し盛り上げて,その上に布をトレッド部の高さと同じ幅に直線に切断

して両面に配合ゴムを塗ってしわを中央部によせて重ね合せて板状にした物をカー

カスに巻き貼り付けて,巻き貼り付けた中央部が盛り上がる布の両面に配合ゴムを

塗る厚さやトレッド部の布の密度などを調整してスタッドレスタイヤに成型された

時にトレッド部のゴム質の硬さや強度を調整する,

請求項2,3の加硫機の金型から取り出して出来たスタッドレスタイヤのトレツド

部は配合ゴムから弾性力の有るゴム質に変わっているのでトレッド部表面の薄い弾

性ゴムを削り取ってトレッド部の表面に布を出すのには, 回転する極きめ細かいヤ

スリやいろいろな方法で削る,削り取る方法はいろいろな方法で削っていい,削り

場所に水を当てて削りカスなどを水と一緒に下に落としたりや,よわい風で削りカ

スなどを下に落とす,削りカスやヤスリクズなど入らない様にする,布は素材の色

のまま使用するのと,布にスタッドレスタイヤの色と同じ黒やスタッドレスタイヤ

の色と同じでない色などで染色して使用する,トレッド部に溝を掘って雪氷面での


グリップをきく様にして,サイピングを入れて柔軟性と,より一層の水分の吸収を

よくして氷雪面での制動がきき,トレッド部の表面に出た布から氷雪面での水分の

吸収をいいくして吸った水分は布に伝わって溝の側の布からも排出されたりするの

でより一増の水分吸収を行って氷雪面での制動のききが非常にいいスタッドレスタ

イヤが製造出来る,

【請求項4】

請求項1の製造方法の請求項2とは別の製造方法と製造装置は,繊維によりをかけ

て糸にしてか水分の吸収を良いくしてその糸で布に織った物,その布は素材の色の

まま使用するのと,スタッドレスタイヤの色と同じ色の黒やスタッドレスタイヤの

色と同じでない色などで染色して使用する,その布をスタッドレスタイヤを輪切り

にした状態でのトレッド部の幅より長めにして,これは中央部にしわをよせる為に

その分の長さにして切断して,長さはスタッドレスタイヤの大きさのトレッド部の

回転する表面の円を一周したよりも長くその長さはスタッドレスタイヤを輪切りに

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した状態でのトレッド部の高さの幅に何回も折ってアコーデイオン状に折ってそれ

でのスタッドレスタイヤの大きさのトレッド部表面の円を一周する長さである,そ

の布にスタッドレスタイヤ用ゴムにカーボン,硫黄,充填剤を加えてよく混ぜた配

合ゴムを両面に塗って,その塗った布をスタッドレスタイヤのトレッド部の高さと

同じ幅にアコーデイオン状に折っていく前に布の縦方向中央部による様にしわを寄

せて,それをトレッド部の高さと同じ幅にアコーデイオン状に折って板状にしてカ

ーカスに巻き貼り付けるが,巻き貼りつける前に,アコーデイオン状に折った布の

板状の幅より狭い幅の布の両面に配合ゴムを塗ってそれをカーカス中央部に巻き貼

り付けてカーカス中央部を盛り上がらせてその上にアコーデイオン状に折った布の

板状を巻き貼り付けて,巻き貼りつけた布の板状の中央部は盛り上がっている,ア

コーデイオン状に折った布の板状をカーカスに巻き貼りつける長さは一回でカーカ

スを一周する長さでもよいが,何回かに区切ってカーカスに一周して巻き貼りつけ

る長さでもよい,カーカスに巻き貼りつけた生カバーを加硫機の金型のプラダーに

取り付けて高温,高圧の蒸気でふくらましてスタッドレスタイヤに成型する,その

時布の両面に配合ゴムを塗って布の縦方向中央部にしわを寄せてアコーデイオン状

に折って板状にしてカーカスに巻き貼り付けて高温,高圧の蒸気でふくらました時

に板状の巻き貼りつけた物はスタッドレスタイヤに成型される時に輪の弧の形に変

形される時,布の板状の中央部のしわと配合ゴムが中央部から両端部の方に移動し

て張って形が成型される,スタッドレスタイヤに成型されたトレツド部の表面は配

合ゴムから弾性力の有るゴム質に変質しているので,そのトレッド部の表面の薄い

ゴム質を削り落として布を表面に出す,表面を削る場合は回転する極きめ細かいヤ

スリで削ってもいいし,いろいろな方法で削ってもよい,水を削る場所に当てて削

りカスを水と一緒に下に流したりや,よわい風を吹きつけて削りカスを下に落とし

たりする,削りカスやヤスリカスなど入れない様 にする,スタッドレスタイヤト

レッド部に溝を掘って雪氷面でのグリップをよくして,サイピングを入れて柔軟性

と氷雪面での水分の吸収をより一層いいくして,表面に出た布から水分を吸収して

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掘った溝の側の布からも,伝わってきた吸った水分が排出されたりして水分の吸収

がより一層いいくなって氷雪面での制動が非常にいいスタッドレスタイヤが製造出

来る,

【請求項5】

繊維によりをかけて糸にしてその糸をスタッドレスタイヤトレッド部のグリップ

の溝と溝との間の盛り上がった部分より長く切ったのをトレッド部の中に入れてト

レッド部の表面に出ている糸から雪氷面での水分を吸収してグリップの溝の側から

出ている糸に吸った水分が伝わって排出されて制動力の高いスタッドレスタイヤ,

【請求項6】

請求項4の製造方法は繊維によりをかけて糸にして水分の吸収をいいくしてその糸

は素材の色のまま使用するのと,スタッドレスタイヤの色と同じ黒や他のいろいろ

な色にして使用する,その糸をスタッドレスタイヤトレッド部のグリップ溝とグリ

ップ溝との間の盛り上がった所(凸)の幅よりも長めに切断して,それを数多く造っ

てそれを,スタッドレスタイヤ用ゴムにカーボン,硫黄,充填剤を加えてよく混ぜ

た配合ゴムを造って,その配合ゴムと前述の切断した数多くの糸とよく混ぜて,配

合ゴムと糸との混ぜる比率は,それは糸同士がくっつき合った状態で加硫させた時

に糸同士が固まって強度が出来る様にして,スタッドレスタイヤトレッド部が車で

走行している時に耐えられる強度で有る事,その糸と配合ゴムのよく混合したもの

をスタッドレスタイヤトレッド部の厚さに成る様に板状にして,スタッドレスタイ

ヤ製造過程のドラムのカ−カスに巻き貼りつける,その糸と配合ゴムのよく混ざっ

たものを薄い板状にして何枚も重ねて張りつけるのは最初の一枚目は全面に接着剤

を塗って巻き貼りつけてもいいが二枚目以降は接着剤はところどころに点として接

着剤を付けて接着させてスタッドレスタイヤトレッド部の厚さに成る様に巻き貼り

つける,こうして出来た生カバーを加硫機の金型のプラダーに取りつけて高温,高

圧の蒸気でふくらましてスタッドレスタイヤに成型する,成型されたスタッドレス

タイヤのトレッド部のゴムは弾性力を持ったゴム質に変質しているので,トレッド

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部の表面の薄いゴム質からは水分は吸収出来ないので,トレッド部表面の薄いゴム

質を削り表面に糸を露出させる,回転する極きめ細かなヤスリやいろいろな方法で

削ってよい,削る場所に水を流して削りカスやヤスリカスなどを一緒に流して落と

したりや,よわい風を吹きつけて削りカスやヤスリカスなどを下に落とす,削りカ

スやヤスリカズがトレッド部の空間や極小空間に入らないようにする,糸を露出さ

せたトレッド部に溝を掘って雪氷面でのグリップをきく様にして,サイピングを入

れて柔軟性を持たせてより一層の水分の吸収をよくして露出した糸から水分を吸収

して糸を伝わって掘った溝の側の糸から水分が排出されたりもして氷雪面での制動

が非常にきくスタッドレスタイヤが製造できる,

【請求項7】

水を発泡させた既存の技術を利用して発泡トレッドゴム質スタッドレスタイヤの

製造方法と製造装置は スタッドレスタイヤ用配合ゴムに水を加えてよく混ぜてそ

れを板状にしてドラムのか−カスに巻き貼り付けて金型のプラダ−に取り付けて高

温,高圧の蒸気で膨らましてスタッドレスタイヤに成型する,金型でスタッドレス

タイヤにふくらんでもあまり高温にならない場合はふくらんだスタッドレスタイヤ

トレッド部の接している金型のところに高温熱風を送る空間や電熱で高い温度にし

てトレッド部のゴム質の中の霧状やコロイド状になっている水分を蒸発させる温度

にする,金型に入れてふくらまして型に入れているゴム質は圧力がかかつているの

でそれなりの蒸発する温度の力が必要で有る,その温度はあまり高くすると配合ゴ

ムからスタッドレスタイヤトレッド部のゴム質に変質するのに変に変質したりや劣

化したりもするので非常に高い高温にしなくても金型内でスタッドレスタイヤに成

型されてから金型の閉じているのを外すと一気圧状態になるのとまだスタッドレス

タイヤが高温で有り柔らかくてトレッド部内のまだ高温状態の水分が沸騰蒸気とな

ってトレッド部に空間や,極小空間が数多く出来る,金型のプラダーに取りつけて

高温,高圧の蒸気でふくらましてもまだ金型にはまつてない状態からトレッド部に

高い温度が伝わって水分が沸騰する温度まで上がって水分が蒸発して数多くの空間

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や極小空間が出来たりもするのでそのまま金型にはめてよい,金型にはまる少し前

ごろからトレツド部のゴムに圧力がそんなにかからない内に温度が上がって水分が

蒸発して金型にはまってからも蒸発して数多くの空間や極小空間が出来る様にする,

出来たスタッドレスタイヤトレッド部は金型に接して出来た表面は霧状やコロイド

状の水分が蒸発して出来た空間や極小空間が金型の表面熱などではっきりしない状

態は表面を削り落として数多くの極小空間を露出させる,高温,高圧の蒸気で生カ

バーをふくらまして金型にはめてスタッドレスタイヤを成型する時に高温で配合ゴ

ムからスタッドレスタイヤトレッド部にゴム質が変質するのと霧状やコロイド状の

水分が蒸発してトレッド部に数多くの極小空間が出来る時に蒸発した蒸気は金型の

上下が接する場所に細い溝を何本も入れてかすかな透き間を造って蒸発した蒸気を

逃がす様にする,

【請求項8】

トリクロメタン(クロロホルム)CHCL3 や四塩化水素(テトラクロルメタン)CC

L4 を発泡させた既存の技術を利用して発泡トレッドゴム質のスタッドレスタイヤ

製造方法と製造装置はスタッドレスタイヤ用配合ゴムにトリクロリメタンを加え

てよく混ぜてその配合ゴムを板状にしてドラムのか−カスに巻き貼り付けて金型の

プラダ−に取り付けて高温,高圧の蒸気で膨らましてスタッドレスタイヤを成型す

る,トリクロルメタンは沸点が1気圧61.2℃で有り水より低い温度で蒸発して

高圧の中で沸点が上がっても高圧の状態の水よりも低い温度で沸騰蒸発して,そん

なに高温にしなくてもトリクロルメタンは蒸発して,トリクロルメタンはゴム質に


溶けやすいので配合ゴムの中の圧力を押しのけて蒸発するのに高圧の中でも,高圧

の状態の水よりは低い温度で沸騰蒸発してあまり高く温度にしなくてもゴム質の圧

力を押しのけて蒸発する。スタッドレスタイヤ用配合ゴムに四塩化炭素を加えてよ

く混ぜてその配合ゴムを板状にしてドラムのか−カスに巻き貼り付けて金型のプラ

ダ−に取り付けて高温,高圧の蒸気で膨らましてスタッドレスタイヤを成型する,

配合ゴムが高温,高圧でスタッドレスタイヤトレッド部のゴム質が加硫される時に

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含ませた四塩化炭素は沸点が1気圧で76.74℃で有り水より低い温度で蒸発し

て高圧の中で沸点が上がっても高圧状態の水より低い温度で沸騰蒸発する,配合ゴ

ムに四塩化炭素を少し加えてよく混ぜた配合ゴムを金型で高温,高圧の蒸気でふく

らまして配合ゴムからスタッドレスタイヤトレッド部のゴム質に変って弾力性の有

るのになるのと金型にはまっているのでゴム質に圧力が有って四塩化炭素がその圧

力を押しのけて蒸発するのに高圧の中でも高圧状態の水より低い温度で沸騰蒸発し

てあまり高温にしなくてもゴム質の圧力を押しのけて蒸発する,四塩化炭素はゴム

質に溶けやすいので配合ゴムの中に混ぜられる,配合ゴムにトリクロルメタンや四


塩化炭素をよく混ぜる場合は混ぜる摩擦熱などで配合ゴムをあまり高温にするとト

リクロルメタンや四塩化炭素は蒸発してしまうのであまり温度を上がらない様に最

高温度でも50℃ぐらいまでとしてゆっくり混ぜるか,高速で混ぜる場合は冷風な

どを当てながら混ぜたり,混ぜる機械全体を冷却して混ぜてる配合ゴムの温度上昇

を抑(おさ)える,トリクロルメタンと四塩化炭素は毒性が有るのと塩素を含んで

いるので空気中にバラまくと人体に害が有る影響が有るのと,オゾン層を破壊をし

てしまうので,加硫機の金型で高温,高圧の蒸気でふくらましている時に金型全体

を密閉した容器で覆(おお)って密閉容器の中で蒸発したトリクロルメタンや四塩

化炭素を完全に回収してまたそれを使用する,これらを実行出来なく人体に害をお

よぼしたり,オゾン層を破壊したりする場合はこの方法を行ってはいけない,トリ

クロルメタンや四塩化炭素を配合ゴムに少し加えてよく混ぜて霧状やコロイド状に

含ませてカーカスに巻き貼り付けて金型で高温,高圧の蒸気でふくらましてトリク

ロルメタンや四塩化炭素を蒸発させて数多くの空間や極小空間を造るが,もし金型

で配合ゴムがトリクロルメタンや四塩化炭素が蒸発するまでの温度になっていない

場合は,ふくらんだトレッド部の表面と接している金型部に高温の蒸気や熱風など

を送ったりする空間を造ったりやトレッド部表面と接している金型部に電熱で熱っ

ためる様にしたりしてトリクロルメタンや四塩化炭素が蒸発する温度まで上げる,

出来たスタッドレスタイヤトレッド部は金型に接した表面は霧状やコロイド状のト

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リクロメタンや四塩化炭素が蒸発して出来た空間や極小空間が金型の表面熱ではっ

きりしない状態は表面を削り落して数多くの極小空間を露出させる,




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